セキュリティ装置
【課題】カバー装着に要する労力を軽減し、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要とし、しかも管理者用ロック機構の数も低減する。
【解決手段】機器収容部26の上板部26bの端部には第1シール部材配置部28が形成され、左板部26c、下板部26d及び右板部26eの前端部には第2シール部材配置部29が形成され、各シール部材配置部に第1シール部材30A、第2シール部材30Bが挿入配置されている。第1シール部材配置部28における離間部R1は下向きに開放し、第2シール部材配置部29における離間部R2は前向きに開放している。カバー27の第1シール用リブ31Aは上向きに突出し、第2シール用リブ31Bは後ろ向きに突出している。
【解決手段】機器収容部26の上板部26bの端部には第1シール部材配置部28が形成され、左板部26c、下板部26d及び右板部26eの前端部には第2シール部材配置部29が形成され、各シール部材配置部に第1シール部材30A、第2シール部材30Bが挿入配置されている。第1シール部材配置部28における離間部R1は下向きに開放し、第2シール部材配置部29における離間部R2は前向きに開放している。カバー27の第1シール用リブ31Aは上向きに突出し、第2シール用リブ31Bは後ろ向きに突出している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザービームを出射して不審者の侵入を検出するセキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のセキュリティ装置を図16に示している。このセキュリティ装置1の取付基体1aは、建物などの外壁面2に取り付けられ、この取付基体1aに設けられたセンサ部3からレーザービームを前方に出射して建物に進入しようとする不審者を検出する。さらにこのセキュリティ装置1は、センサ部3の他に、認識部4を備えている。この認識部4は、RFIDタグと通信するタグリーダやカメラなどの機器(図示せず)を収容した機器収容部4aを前記取付基体1aに備えており、この機器収容部4aにはカバー5を備えている。このカバー5は機器収容部4a内の機器の点検などのために着脱される。上記機器収容部4aは、内部機器の点検などを行いやすいように大きく開口している。なお、図16において右側を前、左側(外壁面2側)を後又は奥とし、図面上側を上、図面下側を下とする。
【0003】
上記セキュリティ装置1では、風雨に晒されることも考慮して、このカバー5と機器収容部4aとの間にシール部材を用いて水封構造を施す必要がある。このシール部材としては特許文献1に示されるようにOリングが知られている。このOリングをセキュリティ装置1に適用すると、図17ないし図20に示す水封構造が考えられる。この水封構造においては、機器収容部4aの開口全周部に後方へ凹となるシール溝6が形成されている。このシール溝6の奥端部にOリング7が挿入配置されている。一方、カバー5の後面側(裏面側)において前記シール溝6と対応する部分に、後方に突出するリブ5aが形成されている。このリブ5aは断面が先細りテーパー状をなす。
【0004】
前記カバー5を機器収容部4aに取り付けるについては、図21の状態からカバー5を後方へ移動させて、リブ5aをシール溝6内に押し込む。これによりOリング7にリブ5aが圧接して潰れるように弾性変形し、このリブ5a先端とシール溝6との間がOリング7により水封される。
【0005】
ところが、このようなOリング7を用いる構成では、Oリング7を全周で均一に弾性変形させることが困難で、かなり強い力が必要である。しかもOリング7がカバー5を押し返す方向へ弾性復帰しようとすることから、水封の信頼性が低い。この信頼性を向上させるためには、カバー5を常時後方へ押圧した状態に取付保持する取付保持手段(クランプなど、図示せず)が複数個所に必要となる。
【0006】
ここで、このセキュリティ装置1では、このセキュリティ装置1の管理者以外の者(不審者)が、前記カバー5を開けることがないように、上記取付保持手段とは別に、管理者用ロック機構(これは管理者の特定操作やID認証でロック解除する)を設ける必要があるが、この管理者用ロック機構は、カバー5の上部と下部とに設けることが必要となる。つまり、管理者用ロック機構を上部と下部のいずれか一方にのみ設けたとすると、不審者が、カバー5を、管理者用ロック機構の無いカバー部分で、無理に後方へ開けようとすると、この部分が開いてしまうおそれがあるため、カバー5の上部と下部とに管理者用ロック機構が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−049282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した構成では、カバーの取り付けにかなりの力が必要であり、しかも、水封の信頼性を高めるために、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が必要であり、又、管理者用ロック機構も複数必要であった。
そこで、本発明の目的は、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減できるセキュリティ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、次に述べる試作及びこれに伴う調査などを行って案出されている。図22ないし図24には、本発明者が考えた試作品(セキュリティ装置)を示している。このセキュリティ装置では、機器収容部4aの全周に後方へ凹となるシール溝12を形成し、このシール溝12に断面略U状のゴム製のシール部材13を嵌め込んでいる。一方、カバー5の後面側(裏面側)において前記シール部材13と対応する部分に、後方に突出するリブ5a´を形成している。このリブ5a´は断面において先細りテーパー状に形成されている。
【0010】
前記カバー5を機器収容部4aに取り付けるについては、図24の状態からカバー5を後方へ移動させて、リブ5a´をシール部材13の溝13a(図23参照)内に押し込む。これによりリブ5a´がシール部材13内にこれを拡開させながら進入し、当該リブ5a´にシール部材13が密着し、もってカバー5のリブ5a´と機器収容部4aのシール溝12とが水封される。
【0011】
これによれば、リブ5a´がシール部材13の溝部13aの両側面に密着するから、水封信頼性が高いと共に、該リブ5a´自体がシール部材13と摩擦係合して抜け止め状態となるから、カバー5を前方へ押圧しておく必要がなく、つまり、カバー5を機器収容部4aに押圧保持するための取付保持手段が不要である。
【0012】
しかし、リブ5a´をシール部材13に押し込む場合に、シール部材13の摩擦力に抗して押し込まなければならず、又逆にカバー5を取り外す場合にはリブ5a´をシール部材13の摩擦力に抗して引き抜かなければならず、カバー5の装着時のみならず取り外し時にも強い労力が必要となってしまう。又、カバー5を取り外す際には、シール部材13がリブ5a´の抜脱に伴ってシール溝12から抜けてしまうおそれもある。
【0013】
又、この構成の場合も、管理者用ロック機構を上部と下部のいずれか一方にのみ設けただけでは、不審者が、管理者用ロック機構の無いカバー部分でカバー5を開けてしまうおそれがあり、従って、この管理者用ロック機構は、カバー5の上部と下部とに設けることが必要となり、管理者用ロック機構の個数低減が未だ改善されていない。
【0014】
そこで、本願請求項1の発明では、この試作したセキュリティ装置における不具合や未改善点も合わせて改善するようにしている。
すなわち、請求項1においては、機器収容部における上板部の左端部、前端部、右端部に沿う形態で連続して形成された第1シール部材配置部のシール部材嵌合溝部が下向きに開放しているから、この第1シール部材配置部に挿入配置されたシール部材の主板部と第1シール部材配置部の外側壁部との離間部も下向きに開放する形態となる。
【0015】
又、機器収容部における左板部、下板部、右板部の各前端部に沿う形態で連続して形成された第2シール部材配置部のシール部材嵌合溝部が前向きに開放しているから、この第2シール部材配置部に挿入配置されたシール部材の主板部と第2シール部材配置部の外側壁部との離間部も前向きに開放する形態となる。さらに、この第2シール部材配置部において左板部及び右板部の円弧凹状をなす前端部に対応する部分は側方から見て円弧凹状をなす。
【0016】
そして、前記カバーの前記第1シール用リブのうち前記上板部の前端部対応部分を、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分に対して、下から上方へ移動させて、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分における前記主板部と前記外側壁部内面との間の前方に開放する離間部に挿入し、その後、この第1シール用リブの挿入部分を回動中心として、前記カバーの下部を機器収容部に接近させるように回動させることにより、前記第1シール用リブにおける前記上板部の左端部及び右端部対応部分が、前記第1シール部材配置部のうち上板部の左端部及び右端部対応部分において下向きに開放する前記離間部に順次下から挿入されてゆくと共に、第2シール用リブにおける円弧凸状部分が前記第2シール部材配置部の円弧凹状部分において前向きに開放する離間部に対して正対する前からでなく、斜め下の方向から滑るように順次深く挿入されてゆく。そして、第1シール用リブ及び第2シール用リブが上記離間部に全体的に挿入されることにより、前記カバーが前記機器収容部に装着される。
【0017】
この請求項1によれば、上板部の前端部及び左右端部に沿って形成した第1シール部材配置部の外側壁部とシール部材の主板部との離間部の開放方向を下向きとし、左右板部及び下板部の前端部に沿って形成した第2シール部材配置部の外側壁部とシール部材の主板部との離間部の開放方向を前向きとしたから、上述したような手順から判るように、手順の途中では、第2シール用リブを順次前記離間部に正対する前からでなく、斜め下から軽い労力で挿入することができ、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合(前掲の図24参照)に比して、カバー装着に要する労力を軽減できる。
【0018】
さらに、シール部材のひれ部は、第1及び第2シール用リブをカバーの抜脱方向と直交する方向で弾性的に押圧するから、カバーの装着状態を保持でき、Oリングを使用する場合と違って、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要となる。
しかも、第1及び第2シール部材にひれ部を形成しているから、第1及び第2シール用リブが前記離間部に挿入されるときに、このひれ部を弾性変形させることになり、そしてこのひれ部がその弾性復帰力により第1及び第2シール用リブに密接する。この密接により水封が図られる。
【0019】
この場合、ひれ部の先端側に外側壁部が存在するから、第1及び第2シール用リブが外側へ撓むことがなく、第1及び第2シール用リブとひれ部との密接性を保持できる。
又、このひれ部は、ひれ状をなすから弾性変形させるのに大きな力は要さず、しかも、閉塞壁部方向へ傾斜する形態であるから、第1及び第2シール用リブを挿入しやすく、これによってもカバー装着に要する労力を軽減でき、さらに第1及び第2シール用リブを抜脱するにも、さほど力を要さず、もって、カバーの取り外しも容易である。
【0020】
さらに、第1及び第2シール用リブの抜脱の際の当該シール用リブの抜脱抵抗は、各シール用リブに対する接触面積の小さいひれ部による摩擦抵抗程度であるので、抜脱される第1及び第2シール用リブと共に第1及び第2シール部材が各シール部材配置部から抜け出ることもない。又、各シール部材が各シール部材配置部の内側壁部の開放部側の端部と嵌合する端嵌合部を有するから、これによってもシール部材の抜脱防止に寄与できる。
【0021】
さらに、カバー装着状態で、例えば不審者が、このカバーを前方へ取り外そうした場合、第2シール用リブが第2シール部材配置部のシール部材から抜けるおそれがあるものの、第1シール用リブの前側には第1シール部材配置部の外側壁部が存在するから、カバー上部が前側へ外れることはない。この結果、管理者用ロック機構はカバーの下部のみに対して設ければ良く、管理者用ロック機構の数を少なくできる。
【0022】
このように、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減でき、さらにはシール部材の抜脱も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるセキュリティ装置の側面図
【図2】同正面図
【図3】カバーを取り外した状態のセキュリティ装置を下方から見た斜視図
【図4】カバーを上から見た斜視図
【図5】図4とは異なる方向から見た斜視図
【図6】機器収容部部分の縦断側面図
【図7】図6のQ7部分の拡大図
【図8】図6のQ8部分の拡大図
【図9】図1の切断線Q9−Q9による横断平面図
【図10】図6の切断線Q10−Q10による横断平面図
【図11】第1シール部材配置部、第1シール部材、第1シール用リブの寸法関係を示す縦断正面図
【図12】カバー装着手順を説明するための側面図
【図13】カバー装着手順を説明するための要部の拡大縦断側面図
【図14】カバーの操作変位に対する挿入力の変化を示す図
【図15】図24の場合におけるカバーの操作変位に対する挿入力の変化を示す図
【図16】従来のセキュリティ装置を示す側面図
【図17】第1参考例を示す機器収容部部分の縦断側面図
【図18】同横断平面図
【図19】図17のQ19部分の拡大図
【図20】図18のQ20部分の拡大図
【図21】カバー装着の様子を説明するための側面図
【図22】第2参考例を示す機器収容部部分の縦断側面図
【図23】図22のQ23部分の拡大図
【図24】カバー装着の様子を説明するための側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。図1には、セキュリティ装置21を建物の外壁面22に取り付けた状態の側面を示しており、又、図2は、同状態の正面を示している。図1において、右側を前、左側(外壁面22側)を後又は奥とし、図面上側を上、図面下側を下とする。
【0025】
前記セキュリティ装置21は、後部に取付基体23を備えている。この取付基体23が前記外壁面22に取り付けられている。この取付基体23の前面上部には、センサ部24を備え、このセンサ部24は、周知のように、センサカバー24a内に、レーザービーム出射部及び反射光検出部などを備え、検出エリアに向けてレーザービームを例えば水平に出射し、その反射光を検出することによって検出エリア内の侵入者を検出する。
【0026】
前記取付基体23の前面側において前記センサ部24の下方部には、認識部25が設けられている。この認識部25には、タグリーダ又は/及びカメラが収容されている。タグリーダはセンサ部24により侵入者が検出されると、RFIDタグと通信する電波を出力し、予め登録されたID情報をもったRFIDタグからの応答電波があれば、侵入者は不審者ではないと判断する。又、カメラは、検出エリアを撮影しており、センサ部24により侵入者が検出されると撮影画像を建物内に設置されたモニターに表示する。
【0027】
前記取付基体23における認識部25相当部分には、機器収容部26が形成されており、この機器収容部26内に前記RFIDタグ又は/及びカメラといった機器(図示せず)が収容配置される。
【0028】
前記機器収容部26はカバー27によって閉塞されるようになっている。
前記機器収容部26は、図2及び図3に示すように、正面からみて略矩形状をなす。この機器収容部26は、略矩形状をなす後板部26aを有すると共に、この後板部26aの上端部から前方へ略舌片状に突出する上板部26bを有する。この上板部26bの前端部26b1は左右方向に直線状をなし、左端部26b2及び右端部26b3は前後方向に延びている。ただし左端部26b2及び右端部26b3の前部は、相互に接近する方向へ若干屈曲している。
【0029】
さらに、この機器収容部26は、前記後板部26aの左端部、下端部及び右端部から夫々前方に突出して相互に連続する左板部26c、下板部26d及び右板部26eを有する。前記下板部26dはその突出長さが前記上板部26bの突出長さより短い。
【0030】
前記左板部26c及び右板部26eは、夫々、自身の上部の突出長さが前記上板部26b及び下板部26dの突出長さより短く、夫々の突出端部である前端部26c1及び26e1は側方から見て略円弧凹状をなす(図6参照)。前記下板部26dの前端部26d1は、図3に示すように、その中央部がさらに前方に突出している。なお下板部26dの下方部には取付基体23の底板部23aが形成されている。
【0031】
そして、図3及び図6に示すように、前記上板部26bの左端部26b2、前端部26b1、右端部26b3には、これら端部26b2、26b1、26b3に沿う形態で連続して第1シール部材配置部28が形成されている。この第1シール部材配置部28は、図7に示すように、前記機器収容部26の内外方向で対向する平行な内側壁部28a及び外側壁部28bを有し、さらに、この内側壁部28a及び外側壁部28bの一端部間を閉塞する閉塞壁部28cを有し、前記内側壁部28a及び外側壁部28b間に下向きに開放するシール部材嵌合溝28dを形成している。この場合前記閉塞壁部28cは前記上板部26bを利用して構成されている。
【0032】
又、図3及び図6に示すように、前記左板部26c、下板部26d、右板部26eの各前端部26c1、26d1、26e1には、これら板部26c〜26eに沿う形態で連続する第2シール部材配置部29が形成されている。この第2シール部材配置部29の両端は前記第1シール部材配置部28の両端に連続している。
【0033】
この第2シール部材配置部29は、図8〜図10に示すように、前記第1シール部材配置部28と同様の構成であり、機器収容部26の内外方向で対向する平行な内側壁部29a及び外側壁部29bを有すると共に、この内側壁部29a及び外側壁部29bの一端部間を閉塞する閉塞壁部29cを有する。そして、前記内側壁部29a及び外側壁部29b間に前向きに開放するシール部材嵌合溝29dを形成している。
【0034】
図3、図6、図7に示す第1シール部材30Aは、前記第1シール部材配置部28のシール部材嵌合溝28dに挿入配置されている。又、第2シール部材30Bは第2シール部材配置部29のシール部材嵌合溝部29dに配置されている。これら第1シール部材30A及び第2シール部材30Bは断面形状が同じであるので、第1シール部材30Aを代表して説明する。
【0035】
第1シール部材30Aは、ゴム製であり、図7に示すように、奥端部30aと、主板部30bと、端嵌合部30cと、ひれ部30dとを有して構成されている。前記奥端部30aは、シール部材嵌合溝部28dの閉塞壁部28c側に圧入配置されるものであり、前記主板部30bは、この奥端部30aにおける内側壁部28a寄りの部分から当該内側壁部28a内面に沿ってシール部材嵌合溝28dの開放部方向へ延出され、外側壁部28b内面と離間する。端嵌合部30cはこの主板部30bの延出端部にコ字状に形成され、溝部30c1が前記内側壁部28aの前記開放部側の端部と嵌合する。
【0036】
前記ひれ部30dは、前記主板部30bから前記外側壁部28a内面方向へ突出し且つ前記閉塞壁部28c方向へ傾斜し、先端部に向かうに従って薄肉となるように形成され、弾性変形可能である。この場合、このひれ部30dは2つ設けている。又、第1シール部材30Aの主板部30bと第1シール部材配置部28の内側壁部28aとの離間部R1も下向きに開放している。
【0037】
前記第2シール部材30Bにおける各部分には上記第1シール部材30Aと同一部分に同一符号を付している(図8〜図10参照)。又、第2シール部材30Bの主板部30bと第2シール部材配置部29の内側壁部29aとの離間部R2は前向きに開放している。
【0038】
前記主板部30bは前記シール部材嵌合溝部28d、29dの幅寸法より小さな厚み寸法に形成され、前記奥端部30aは前記シール部材嵌合溝部28d、29dの幅寸法と同等又は若干大きい寸法に形成されている。又、前記端嵌合部30cの溝部30c1の幅寸法は、内側壁部28aの厚み寸法より若干小さく設定されている。
【0039】
さらに、図11に示すように、ひれ部30dが自由状態のとき、その先端部と外側壁部28b内面との離間寸法Haは、後述のシール用リブ31A、31Bの厚み寸法tkより小さく設定されている。又、前記離間部R1、R2の幅寸法Hbに対して上記シール用リブ31A、31Bの厚み寸法tkは小さく設定されている。なお、前記ひれ部30dが外側壁部28b又は29bに接触している場合には前記離間寸法Haはゼロとする。
【0040】
一方、図4及び図5に示すように、前記カバー27は、前板部27a、左板部27b、右板部27c及び底板部27dを有してなる。このカバー27の内面において、当該カバー27を機器収容部26に装着したときに前記第1シール部材30Aに対応する部位に第1シール用リブ31Aが形成されている。この第1シール用リブ31Aは、上向きに突出するように形成されており、前記上板部26bの前端部26b1に対応する部分31A1が左右方向に直線状に延びる形態をなし、上板部26bの左端部26b2及び右端部26b3に夫々対応する部分31A2及び31A3は、略前後方向に延びるが前部は相互に接近する方向に屈曲されている。
【0041】
又、このカバー27の内面において、当該カバー27を機器収容部26に装着したときに前記第1シール部材30Bに対応する部位に後向きに突出する第2シール用リブ31Bが形成されている。この第2シール用リブ31Bにおいて前記左板部26c及び右板部26eの前端部26c1及び26e1に対応する部分31B1及び31B2が側方から見て円弧凸状(図6参照)をなし、下板部26dの前端部26d1に対応する部分31B3が凹状をなす。なお、上記部分31B1、31B2を夫々円弧凸状部分31B1、31B2と称する。
【0042】
なお、図6における前記カバー27における底板部27d裏面と取付基体23との間には、管理者用ロック機構32が設けられており、この管理者用ロック機構32は詳細には図示しないが、カバー27の装着によりカバー27が矢印Z方向へ外されることをロックし、正規な管理者が特定操作(ID認証なども含む)することでロック解除されるようになっている。なお、この管理者用ロック機構32は、この図6のみに示している。
【0043】
さて、上記構成において、カバー27を機器収容部26に装着する場合の手順について説明する。カバー27の未装着状態では、図3及び図13に示すように、第1シール部材配置部28における第1シール部材30A部分の主板部30bと外側壁部28bとの間の離間部R1は下向きに開放し、又、図3に示すように、第2シール部材配置部29における第2シール部材30B部分の主板部30bと外側壁部29bとの間の離間部R2は前向きに開放している。
【0044】
そして、図12及び図13に示すように、前記カバー27を状態J1で示すように位置させ、このカバー27の第1シール用リブ31Aのうち前記上板部26bの前端部26b1に対応する部分31A1を、前記第1シール部材配置部28のうち前端部の離間部R1に対して、下から上方(図12及び図13の矢印K1方向)へ移動させて、当該離間部R1に挿入し(図12の二点鎖線J2´参照)、その後、この第1シール用リブ31Aの部分31A1(離間部R1への挿入部分P)を回動中心として、前記カバー27の下部を機器収容部26に接近させるように(図12に矢印K2で示す)回動させることにより、この第1シール用リブ31Aの部分31A2(前記上板部26bの左端部対応部分)及び部分31A3(前記上板部26bの右端部対応部分)が、前記離間部R1のうち上板部26bの左端部26b2及び右端部26b3に対応する離間部R1´(図3及び図12参照)に順次下から挿入されてゆく。
【0045】
これと同時に、第2シール用リブ31Bの円弧凸状部分31B1及び31B2が、図12に状態J2、J3で示すように、順次、第2シール部材配置部29の円弧凹状部分で前向きに開放する離間部R2に対し正対する前からでなく、斜め下から滑るように順次深く挿入されてゆく。そして、第1シール用リブ31A及び第2シール用リブ31Bが上記離間部R1、R1´及びR2に全体的に最終位置まで挿入されることにより、前記カバー27が前記機器収容部26に装着される。
【0046】
このときの操作変位に対する挿入に要する労力(挿入力)の変化を図14に示す。又、図15には、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合(前掲の図24参照)の労力の変化を示している。図15の場合では、ほぼ挿入最初から挿入終了までかなり強い労力を必要とするが、本実施形態の場合(図14の場合)には、挿入の途中段階で、上述したように、第2シール用リブ31Bが前向きに開放する離間部R2に対し正対する前からでなく、斜め下から滑るように順次深く挿入されてゆくから、労力をかなり軽減できた。
【0047】
このように本実施形態によれば、上板部26bの前端部26b1、左端部26b2及び右端部26b3に沿って形成した第1シール部材配置部28における離間部R1の開放方向を下向きとし、左板部26c、下板部26d及び右板部26eの前端部に沿って形成した第2シール部材配置部29における離間部R2の開放方向を前向きとしたから、上述したような手順で、第1シール用リブ31A及び第2シール用リブ31Bを順次前記離間部R1及びR2に挿入することができ、特に第2シール用リブ31Bを離間部R2に対して斜め下から滑るように挿入でき、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合に比して、カバー装着に要する労力を軽減できる。
【0048】
さらに、シール部材30のひれ部30dはシール用リブ31A、31Bを、カバー27の抜脱方向と直交する方向で弾性的に押圧するから、カバー27の装着状態を保持でき、Oリングを使用する場合と違って、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要となる。
【0049】
しかも、本実施形態では、シール部材30にひれ部30dを形成しているから、各シール用リブ31A及び31Bが前記離間部R1及びR2に挿入されるときに、このひれ部30dを弾性変形させることになり、そしてこのひれ部30dがその弾性復帰力により各シール用リブ31A31Bに密接し、この密接により機器収容部26とカバー27との水封を図ることができる。
【0050】
この場合、ひれ部30dの先端側に外側壁部28b、29dが存在するから、第1及び第2シール用リブ30A、30Bが外側へ撓むことがなく、第1及び第2シール用リブ30A、30Bとひれ部30dとの密接性をさらに確実に保持できる。
しかもこのひれ部30dは、弾性変形させるのに大きな力は要さず、しかも、閉塞壁部28c(29c)方向へ傾斜する形態であるから、各シール用リブ31A、31Bを挿入しやすく、これによってもカバー27の装着に要する労力を軽減でき、さらにシール用リブ31A、31Bを抜脱するにも、さほど力を要さず、もって、カバー27の取り外しも容易である。
【0051】
さらに、シール用リブ31A、31Bの抜脱の際の当該シール用リブ31A、31Bの抜脱抵抗は、シール用リブ31A、31Bに対する接触面積の小さいひれ部30dによる摩擦抵抗程度であるので、シール部材30A、30Bが各シール部材配置部28、29から抜け出ることもない。又、シール部材30A、30Bが各シール部材配置部28、29の内側壁部28a、29aの開放部側の端部と嵌合する端嵌合部28c、28dを有するから、これによってもシール部材30A、30Bの抜脱防止に寄与できる。
【0052】
さらに、カバー27の装着状態で、例えば不審者が、このカバー27を前方(図6の矢印Z方向)へ取り外そうした場合、第2シール用リブ31Bは第2シール部材配置部29のシール部材30Bから抜けるおそれがあるものの、図7にも示すように、第1シール用リブ31Aの前側に第1シール部材配置部28の外側壁部28bが存在するから、カバー27の上部が前側へ外れることはない。この結果、管理者用ロック機構32はカバー27の下部のみに対して設ければ良く、管理者用ロック機構32の数を少なくできる。
【0053】
又、シール部材30におけるひれ部30dの数を複数としたことで、水封性がさらに向上する。
このように本実施形態によれば、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減でき、さらにはシール部材の抜脱も防止できる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適宜変更して適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
図面中、21はセキュリティ装置、22は外壁面、23は取付基体、24はセンサ部、25は認識部、26は機器収容部、26aは後板部、26bは上板部、26b1は前端部、26b2は左端部、26b3は右端部、26cは左板部、26dは下板部、26eは右板部、27はカバー、28は第1シール部材配置部、28は内側壁部、28bは外側壁部、28cは閉塞壁部、28dはシール部材嵌合溝、29は第2シール部材配置部、30Aは第1シール部材、30Bは第2シール部材、30aは奥端部、30bは主板部、30cは端嵌合部、30dはひれ部、31Aは第1シール用リブ、31Bは第2シール用リブ、R1、R2は離間部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザービームを出射して不審者の侵入を検出するセキュリティ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のセキュリティ装置を図16に示している。このセキュリティ装置1の取付基体1aは、建物などの外壁面2に取り付けられ、この取付基体1aに設けられたセンサ部3からレーザービームを前方に出射して建物に進入しようとする不審者を検出する。さらにこのセキュリティ装置1は、センサ部3の他に、認識部4を備えている。この認識部4は、RFIDタグと通信するタグリーダやカメラなどの機器(図示せず)を収容した機器収容部4aを前記取付基体1aに備えており、この機器収容部4aにはカバー5を備えている。このカバー5は機器収容部4a内の機器の点検などのために着脱される。上記機器収容部4aは、内部機器の点検などを行いやすいように大きく開口している。なお、図16において右側を前、左側(外壁面2側)を後又は奥とし、図面上側を上、図面下側を下とする。
【0003】
上記セキュリティ装置1では、風雨に晒されることも考慮して、このカバー5と機器収容部4aとの間にシール部材を用いて水封構造を施す必要がある。このシール部材としては特許文献1に示されるようにOリングが知られている。このOリングをセキュリティ装置1に適用すると、図17ないし図20に示す水封構造が考えられる。この水封構造においては、機器収容部4aの開口全周部に後方へ凹となるシール溝6が形成されている。このシール溝6の奥端部にOリング7が挿入配置されている。一方、カバー5の後面側(裏面側)において前記シール溝6と対応する部分に、後方に突出するリブ5aが形成されている。このリブ5aは断面が先細りテーパー状をなす。
【0004】
前記カバー5を機器収容部4aに取り付けるについては、図21の状態からカバー5を後方へ移動させて、リブ5aをシール溝6内に押し込む。これによりOリング7にリブ5aが圧接して潰れるように弾性変形し、このリブ5a先端とシール溝6との間がOリング7により水封される。
【0005】
ところが、このようなOリング7を用いる構成では、Oリング7を全周で均一に弾性変形させることが困難で、かなり強い力が必要である。しかもOリング7がカバー5を押し返す方向へ弾性復帰しようとすることから、水封の信頼性が低い。この信頼性を向上させるためには、カバー5を常時後方へ押圧した状態に取付保持する取付保持手段(クランプなど、図示せず)が複数個所に必要となる。
【0006】
ここで、このセキュリティ装置1では、このセキュリティ装置1の管理者以外の者(不審者)が、前記カバー5を開けることがないように、上記取付保持手段とは別に、管理者用ロック機構(これは管理者の特定操作やID認証でロック解除する)を設ける必要があるが、この管理者用ロック機構は、カバー5の上部と下部とに設けることが必要となる。つまり、管理者用ロック機構を上部と下部のいずれか一方にのみ設けたとすると、不審者が、カバー5を、管理者用ロック機構の無いカバー部分で、無理に後方へ開けようとすると、この部分が開いてしまうおそれがあるため、カバー5の上部と下部とに管理者用ロック機構が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平07−049282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した構成では、カバーの取り付けにかなりの力が必要であり、しかも、水封の信頼性を高めるために、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が必要であり、又、管理者用ロック機構も複数必要であった。
そこで、本発明の目的は、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減できるセキュリティ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、次に述べる試作及びこれに伴う調査などを行って案出されている。図22ないし図24には、本発明者が考えた試作品(セキュリティ装置)を示している。このセキュリティ装置では、機器収容部4aの全周に後方へ凹となるシール溝12を形成し、このシール溝12に断面略U状のゴム製のシール部材13を嵌め込んでいる。一方、カバー5の後面側(裏面側)において前記シール部材13と対応する部分に、後方に突出するリブ5a´を形成している。このリブ5a´は断面において先細りテーパー状に形成されている。
【0010】
前記カバー5を機器収容部4aに取り付けるについては、図24の状態からカバー5を後方へ移動させて、リブ5a´をシール部材13の溝13a(図23参照)内に押し込む。これによりリブ5a´がシール部材13内にこれを拡開させながら進入し、当該リブ5a´にシール部材13が密着し、もってカバー5のリブ5a´と機器収容部4aのシール溝12とが水封される。
【0011】
これによれば、リブ5a´がシール部材13の溝部13aの両側面に密着するから、水封信頼性が高いと共に、該リブ5a´自体がシール部材13と摩擦係合して抜け止め状態となるから、カバー5を前方へ押圧しておく必要がなく、つまり、カバー5を機器収容部4aに押圧保持するための取付保持手段が不要である。
【0012】
しかし、リブ5a´をシール部材13に押し込む場合に、シール部材13の摩擦力に抗して押し込まなければならず、又逆にカバー5を取り外す場合にはリブ5a´をシール部材13の摩擦力に抗して引き抜かなければならず、カバー5の装着時のみならず取り外し時にも強い労力が必要となってしまう。又、カバー5を取り外す際には、シール部材13がリブ5a´の抜脱に伴ってシール溝12から抜けてしまうおそれもある。
【0013】
又、この構成の場合も、管理者用ロック機構を上部と下部のいずれか一方にのみ設けただけでは、不審者が、管理者用ロック機構の無いカバー部分でカバー5を開けてしまうおそれがあり、従って、この管理者用ロック機構は、カバー5の上部と下部とに設けることが必要となり、管理者用ロック機構の個数低減が未だ改善されていない。
【0014】
そこで、本願請求項1の発明では、この試作したセキュリティ装置における不具合や未改善点も合わせて改善するようにしている。
すなわち、請求項1においては、機器収容部における上板部の左端部、前端部、右端部に沿う形態で連続して形成された第1シール部材配置部のシール部材嵌合溝部が下向きに開放しているから、この第1シール部材配置部に挿入配置されたシール部材の主板部と第1シール部材配置部の外側壁部との離間部も下向きに開放する形態となる。
【0015】
又、機器収容部における左板部、下板部、右板部の各前端部に沿う形態で連続して形成された第2シール部材配置部のシール部材嵌合溝部が前向きに開放しているから、この第2シール部材配置部に挿入配置されたシール部材の主板部と第2シール部材配置部の外側壁部との離間部も前向きに開放する形態となる。さらに、この第2シール部材配置部において左板部及び右板部の円弧凹状をなす前端部に対応する部分は側方から見て円弧凹状をなす。
【0016】
そして、前記カバーの前記第1シール用リブのうち前記上板部の前端部対応部分を、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分に対して、下から上方へ移動させて、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分における前記主板部と前記外側壁部内面との間の前方に開放する離間部に挿入し、その後、この第1シール用リブの挿入部分を回動中心として、前記カバーの下部を機器収容部に接近させるように回動させることにより、前記第1シール用リブにおける前記上板部の左端部及び右端部対応部分が、前記第1シール部材配置部のうち上板部の左端部及び右端部対応部分において下向きに開放する前記離間部に順次下から挿入されてゆくと共に、第2シール用リブにおける円弧凸状部分が前記第2シール部材配置部の円弧凹状部分において前向きに開放する離間部に対して正対する前からでなく、斜め下の方向から滑るように順次深く挿入されてゆく。そして、第1シール用リブ及び第2シール用リブが上記離間部に全体的に挿入されることにより、前記カバーが前記機器収容部に装着される。
【0017】
この請求項1によれば、上板部の前端部及び左右端部に沿って形成した第1シール部材配置部の外側壁部とシール部材の主板部との離間部の開放方向を下向きとし、左右板部及び下板部の前端部に沿って形成した第2シール部材配置部の外側壁部とシール部材の主板部との離間部の開放方向を前向きとしたから、上述したような手順から判るように、手順の途中では、第2シール用リブを順次前記離間部に正対する前からでなく、斜め下から軽い労力で挿入することができ、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合(前掲の図24参照)に比して、カバー装着に要する労力を軽減できる。
【0018】
さらに、シール部材のひれ部は、第1及び第2シール用リブをカバーの抜脱方向と直交する方向で弾性的に押圧するから、カバーの装着状態を保持でき、Oリングを使用する場合と違って、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要となる。
しかも、第1及び第2シール部材にひれ部を形成しているから、第1及び第2シール用リブが前記離間部に挿入されるときに、このひれ部を弾性変形させることになり、そしてこのひれ部がその弾性復帰力により第1及び第2シール用リブに密接する。この密接により水封が図られる。
【0019】
この場合、ひれ部の先端側に外側壁部が存在するから、第1及び第2シール用リブが外側へ撓むことがなく、第1及び第2シール用リブとひれ部との密接性を保持できる。
又、このひれ部は、ひれ状をなすから弾性変形させるのに大きな力は要さず、しかも、閉塞壁部方向へ傾斜する形態であるから、第1及び第2シール用リブを挿入しやすく、これによってもカバー装着に要する労力を軽減でき、さらに第1及び第2シール用リブを抜脱するにも、さほど力を要さず、もって、カバーの取り外しも容易である。
【0020】
さらに、第1及び第2シール用リブの抜脱の際の当該シール用リブの抜脱抵抗は、各シール用リブに対する接触面積の小さいひれ部による摩擦抵抗程度であるので、抜脱される第1及び第2シール用リブと共に第1及び第2シール部材が各シール部材配置部から抜け出ることもない。又、各シール部材が各シール部材配置部の内側壁部の開放部側の端部と嵌合する端嵌合部を有するから、これによってもシール部材の抜脱防止に寄与できる。
【0021】
さらに、カバー装着状態で、例えば不審者が、このカバーを前方へ取り外そうした場合、第2シール用リブが第2シール部材配置部のシール部材から抜けるおそれがあるものの、第1シール用リブの前側には第1シール部材配置部の外側壁部が存在するから、カバー上部が前側へ外れることはない。この結果、管理者用ロック機構はカバーの下部のみに対して設ければ良く、管理者用ロック機構の数を少なくできる。
【0022】
このように、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減でき、さらにはシール部材の抜脱も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態によるセキュリティ装置の側面図
【図2】同正面図
【図3】カバーを取り外した状態のセキュリティ装置を下方から見た斜視図
【図4】カバーを上から見た斜視図
【図5】図4とは異なる方向から見た斜視図
【図6】機器収容部部分の縦断側面図
【図7】図6のQ7部分の拡大図
【図8】図6のQ8部分の拡大図
【図9】図1の切断線Q9−Q9による横断平面図
【図10】図6の切断線Q10−Q10による横断平面図
【図11】第1シール部材配置部、第1シール部材、第1シール用リブの寸法関係を示す縦断正面図
【図12】カバー装着手順を説明するための側面図
【図13】カバー装着手順を説明するための要部の拡大縦断側面図
【図14】カバーの操作変位に対する挿入力の変化を示す図
【図15】図24の場合におけるカバーの操作変位に対する挿入力の変化を示す図
【図16】従来のセキュリティ装置を示す側面図
【図17】第1参考例を示す機器収容部部分の縦断側面図
【図18】同横断平面図
【図19】図17のQ19部分の拡大図
【図20】図18のQ20部分の拡大図
【図21】カバー装着の様子を説明するための側面図
【図22】第2参考例を示す機器収容部部分の縦断側面図
【図23】図22のQ23部分の拡大図
【図24】カバー装着の様子を説明するための側面図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。図1には、セキュリティ装置21を建物の外壁面22に取り付けた状態の側面を示しており、又、図2は、同状態の正面を示している。図1において、右側を前、左側(外壁面22側)を後又は奥とし、図面上側を上、図面下側を下とする。
【0025】
前記セキュリティ装置21は、後部に取付基体23を備えている。この取付基体23が前記外壁面22に取り付けられている。この取付基体23の前面上部には、センサ部24を備え、このセンサ部24は、周知のように、センサカバー24a内に、レーザービーム出射部及び反射光検出部などを備え、検出エリアに向けてレーザービームを例えば水平に出射し、その反射光を検出することによって検出エリア内の侵入者を検出する。
【0026】
前記取付基体23の前面側において前記センサ部24の下方部には、認識部25が設けられている。この認識部25には、タグリーダ又は/及びカメラが収容されている。タグリーダはセンサ部24により侵入者が検出されると、RFIDタグと通信する電波を出力し、予め登録されたID情報をもったRFIDタグからの応答電波があれば、侵入者は不審者ではないと判断する。又、カメラは、検出エリアを撮影しており、センサ部24により侵入者が検出されると撮影画像を建物内に設置されたモニターに表示する。
【0027】
前記取付基体23における認識部25相当部分には、機器収容部26が形成されており、この機器収容部26内に前記RFIDタグ又は/及びカメラといった機器(図示せず)が収容配置される。
【0028】
前記機器収容部26はカバー27によって閉塞されるようになっている。
前記機器収容部26は、図2及び図3に示すように、正面からみて略矩形状をなす。この機器収容部26は、略矩形状をなす後板部26aを有すると共に、この後板部26aの上端部から前方へ略舌片状に突出する上板部26bを有する。この上板部26bの前端部26b1は左右方向に直線状をなし、左端部26b2及び右端部26b3は前後方向に延びている。ただし左端部26b2及び右端部26b3の前部は、相互に接近する方向へ若干屈曲している。
【0029】
さらに、この機器収容部26は、前記後板部26aの左端部、下端部及び右端部から夫々前方に突出して相互に連続する左板部26c、下板部26d及び右板部26eを有する。前記下板部26dはその突出長さが前記上板部26bの突出長さより短い。
【0030】
前記左板部26c及び右板部26eは、夫々、自身の上部の突出長さが前記上板部26b及び下板部26dの突出長さより短く、夫々の突出端部である前端部26c1及び26e1は側方から見て略円弧凹状をなす(図6参照)。前記下板部26dの前端部26d1は、図3に示すように、その中央部がさらに前方に突出している。なお下板部26dの下方部には取付基体23の底板部23aが形成されている。
【0031】
そして、図3及び図6に示すように、前記上板部26bの左端部26b2、前端部26b1、右端部26b3には、これら端部26b2、26b1、26b3に沿う形態で連続して第1シール部材配置部28が形成されている。この第1シール部材配置部28は、図7に示すように、前記機器収容部26の内外方向で対向する平行な内側壁部28a及び外側壁部28bを有し、さらに、この内側壁部28a及び外側壁部28bの一端部間を閉塞する閉塞壁部28cを有し、前記内側壁部28a及び外側壁部28b間に下向きに開放するシール部材嵌合溝28dを形成している。この場合前記閉塞壁部28cは前記上板部26bを利用して構成されている。
【0032】
又、図3及び図6に示すように、前記左板部26c、下板部26d、右板部26eの各前端部26c1、26d1、26e1には、これら板部26c〜26eに沿う形態で連続する第2シール部材配置部29が形成されている。この第2シール部材配置部29の両端は前記第1シール部材配置部28の両端に連続している。
【0033】
この第2シール部材配置部29は、図8〜図10に示すように、前記第1シール部材配置部28と同様の構成であり、機器収容部26の内外方向で対向する平行な内側壁部29a及び外側壁部29bを有すると共に、この内側壁部29a及び外側壁部29bの一端部間を閉塞する閉塞壁部29cを有する。そして、前記内側壁部29a及び外側壁部29b間に前向きに開放するシール部材嵌合溝29dを形成している。
【0034】
図3、図6、図7に示す第1シール部材30Aは、前記第1シール部材配置部28のシール部材嵌合溝28dに挿入配置されている。又、第2シール部材30Bは第2シール部材配置部29のシール部材嵌合溝部29dに配置されている。これら第1シール部材30A及び第2シール部材30Bは断面形状が同じであるので、第1シール部材30Aを代表して説明する。
【0035】
第1シール部材30Aは、ゴム製であり、図7に示すように、奥端部30aと、主板部30bと、端嵌合部30cと、ひれ部30dとを有して構成されている。前記奥端部30aは、シール部材嵌合溝部28dの閉塞壁部28c側に圧入配置されるものであり、前記主板部30bは、この奥端部30aにおける内側壁部28a寄りの部分から当該内側壁部28a内面に沿ってシール部材嵌合溝28dの開放部方向へ延出され、外側壁部28b内面と離間する。端嵌合部30cはこの主板部30bの延出端部にコ字状に形成され、溝部30c1が前記内側壁部28aの前記開放部側の端部と嵌合する。
【0036】
前記ひれ部30dは、前記主板部30bから前記外側壁部28a内面方向へ突出し且つ前記閉塞壁部28c方向へ傾斜し、先端部に向かうに従って薄肉となるように形成され、弾性変形可能である。この場合、このひれ部30dは2つ設けている。又、第1シール部材30Aの主板部30bと第1シール部材配置部28の内側壁部28aとの離間部R1も下向きに開放している。
【0037】
前記第2シール部材30Bにおける各部分には上記第1シール部材30Aと同一部分に同一符号を付している(図8〜図10参照)。又、第2シール部材30Bの主板部30bと第2シール部材配置部29の内側壁部29aとの離間部R2は前向きに開放している。
【0038】
前記主板部30bは前記シール部材嵌合溝部28d、29dの幅寸法より小さな厚み寸法に形成され、前記奥端部30aは前記シール部材嵌合溝部28d、29dの幅寸法と同等又は若干大きい寸法に形成されている。又、前記端嵌合部30cの溝部30c1の幅寸法は、内側壁部28aの厚み寸法より若干小さく設定されている。
【0039】
さらに、図11に示すように、ひれ部30dが自由状態のとき、その先端部と外側壁部28b内面との離間寸法Haは、後述のシール用リブ31A、31Bの厚み寸法tkより小さく設定されている。又、前記離間部R1、R2の幅寸法Hbに対して上記シール用リブ31A、31Bの厚み寸法tkは小さく設定されている。なお、前記ひれ部30dが外側壁部28b又は29bに接触している場合には前記離間寸法Haはゼロとする。
【0040】
一方、図4及び図5に示すように、前記カバー27は、前板部27a、左板部27b、右板部27c及び底板部27dを有してなる。このカバー27の内面において、当該カバー27を機器収容部26に装着したときに前記第1シール部材30Aに対応する部位に第1シール用リブ31Aが形成されている。この第1シール用リブ31Aは、上向きに突出するように形成されており、前記上板部26bの前端部26b1に対応する部分31A1が左右方向に直線状に延びる形態をなし、上板部26bの左端部26b2及び右端部26b3に夫々対応する部分31A2及び31A3は、略前後方向に延びるが前部は相互に接近する方向に屈曲されている。
【0041】
又、このカバー27の内面において、当該カバー27を機器収容部26に装着したときに前記第1シール部材30Bに対応する部位に後向きに突出する第2シール用リブ31Bが形成されている。この第2シール用リブ31Bにおいて前記左板部26c及び右板部26eの前端部26c1及び26e1に対応する部分31B1及び31B2が側方から見て円弧凸状(図6参照)をなし、下板部26dの前端部26d1に対応する部分31B3が凹状をなす。なお、上記部分31B1、31B2を夫々円弧凸状部分31B1、31B2と称する。
【0042】
なお、図6における前記カバー27における底板部27d裏面と取付基体23との間には、管理者用ロック機構32が設けられており、この管理者用ロック機構32は詳細には図示しないが、カバー27の装着によりカバー27が矢印Z方向へ外されることをロックし、正規な管理者が特定操作(ID認証なども含む)することでロック解除されるようになっている。なお、この管理者用ロック機構32は、この図6のみに示している。
【0043】
さて、上記構成において、カバー27を機器収容部26に装着する場合の手順について説明する。カバー27の未装着状態では、図3及び図13に示すように、第1シール部材配置部28における第1シール部材30A部分の主板部30bと外側壁部28bとの間の離間部R1は下向きに開放し、又、図3に示すように、第2シール部材配置部29における第2シール部材30B部分の主板部30bと外側壁部29bとの間の離間部R2は前向きに開放している。
【0044】
そして、図12及び図13に示すように、前記カバー27を状態J1で示すように位置させ、このカバー27の第1シール用リブ31Aのうち前記上板部26bの前端部26b1に対応する部分31A1を、前記第1シール部材配置部28のうち前端部の離間部R1に対して、下から上方(図12及び図13の矢印K1方向)へ移動させて、当該離間部R1に挿入し(図12の二点鎖線J2´参照)、その後、この第1シール用リブ31Aの部分31A1(離間部R1への挿入部分P)を回動中心として、前記カバー27の下部を機器収容部26に接近させるように(図12に矢印K2で示す)回動させることにより、この第1シール用リブ31Aの部分31A2(前記上板部26bの左端部対応部分)及び部分31A3(前記上板部26bの右端部対応部分)が、前記離間部R1のうち上板部26bの左端部26b2及び右端部26b3に対応する離間部R1´(図3及び図12参照)に順次下から挿入されてゆく。
【0045】
これと同時に、第2シール用リブ31Bの円弧凸状部分31B1及び31B2が、図12に状態J2、J3で示すように、順次、第2シール部材配置部29の円弧凹状部分で前向きに開放する離間部R2に対し正対する前からでなく、斜め下から滑るように順次深く挿入されてゆく。そして、第1シール用リブ31A及び第2シール用リブ31Bが上記離間部R1、R1´及びR2に全体的に最終位置まで挿入されることにより、前記カバー27が前記機器収容部26に装着される。
【0046】
このときの操作変位に対する挿入に要する労力(挿入力)の変化を図14に示す。又、図15には、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合(前掲の図24参照)の労力の変化を示している。図15の場合では、ほぼ挿入最初から挿入終了までかなり強い労力を必要とするが、本実施形態の場合(図14の場合)には、挿入の途中段階で、上述したように、第2シール用リブ31Bが前向きに開放する離間部R2に対し正対する前からでなく、斜め下から滑るように順次深く挿入されてゆくから、労力をかなり軽減できた。
【0047】
このように本実施形態によれば、上板部26bの前端部26b1、左端部26b2及び右端部26b3に沿って形成した第1シール部材配置部28における離間部R1の開放方向を下向きとし、左板部26c、下板部26d及び右板部26eの前端部に沿って形成した第2シール部材配置部29における離間部R2の開放方向を前向きとしたから、上述したような手順で、第1シール用リブ31A及び第2シール用リブ31Bを順次前記離間部R1及びR2に挿入することができ、特に第2シール用リブ31Bを離間部R2に対して斜め下から滑るように挿入でき、シール用リブの全体をシール部材に同時に挿入する場合に比して、カバー装着に要する労力を軽減できる。
【0048】
さらに、シール部材30のひれ部30dはシール用リブ31A、31Bを、カバー27の抜脱方向と直交する方向で弾性的に押圧するから、カバー27の装着状態を保持でき、Oリングを使用する場合と違って、カバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要となる。
【0049】
しかも、本実施形態では、シール部材30にひれ部30dを形成しているから、各シール用リブ31A及び31Bが前記離間部R1及びR2に挿入されるときに、このひれ部30dを弾性変形させることになり、そしてこのひれ部30dがその弾性復帰力により各シール用リブ31A31Bに密接し、この密接により機器収容部26とカバー27との水封を図ることができる。
【0050】
この場合、ひれ部30dの先端側に外側壁部28b、29dが存在するから、第1及び第2シール用リブ30A、30Bが外側へ撓むことがなく、第1及び第2シール用リブ30A、30Bとひれ部30dとの密接性をさらに確実に保持できる。
しかもこのひれ部30dは、弾性変形させるのに大きな力は要さず、しかも、閉塞壁部28c(29c)方向へ傾斜する形態であるから、各シール用リブ31A、31Bを挿入しやすく、これによってもカバー27の装着に要する労力を軽減でき、さらにシール用リブ31A、31Bを抜脱するにも、さほど力を要さず、もって、カバー27の取り外しも容易である。
【0051】
さらに、シール用リブ31A、31Bの抜脱の際の当該シール用リブ31A、31Bの抜脱抵抗は、シール用リブ31A、31Bに対する接触面積の小さいひれ部30dによる摩擦抵抗程度であるので、シール部材30A、30Bが各シール部材配置部28、29から抜け出ることもない。又、シール部材30A、30Bが各シール部材配置部28、29の内側壁部28a、29aの開放部側の端部と嵌合する端嵌合部28c、28dを有するから、これによってもシール部材30A、30Bの抜脱防止に寄与できる。
【0052】
さらに、カバー27の装着状態で、例えば不審者が、このカバー27を前方(図6の矢印Z方向)へ取り外そうした場合、第2シール用リブ31Bは第2シール部材配置部29のシール部材30Bから抜けるおそれがあるものの、図7にも示すように、第1シール用リブ31Aの前側に第1シール部材配置部28の外側壁部28bが存在するから、カバー27の上部が前側へ外れることはない。この結果、管理者用ロック機構32はカバー27の下部のみに対して設ければ良く、管理者用ロック機構32の数を少なくできる。
【0053】
又、シール部材30におけるひれ部30dの数を複数としたことで、水封性がさらに向上する。
このように本実施形態によれば、カバー装着に要する労力を軽減でき、さらにはカバーを機器収容部に押圧保持するための取付保持手段が不要で、しかも管理者用ロック機構の数も低減でき、さらにはシール部材の抜脱も防止できる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適宜変更して適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
図面中、21はセキュリティ装置、22は外壁面、23は取付基体、24はセンサ部、25は認識部、26は機器収容部、26aは後板部、26bは上板部、26b1は前端部、26b2は左端部、26b3は右端部、26cは左板部、26dは下板部、26eは右板部、27はカバー、28は第1シール部材配置部、28は内側壁部、28bは外側壁部、28cは閉塞壁部、28dはシール部材嵌合溝、29は第2シール部材配置部、30Aは第1シール部材、30Bは第2シール部材、30aは奥端部、30bは主板部、30cは端嵌合部、30dはひれ部、31Aは第1シール用リブ、31Bは第2シール用リブ、R1、R2は離間部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後面が壁面に取り付けられる取付基体を備えると共に、この取付基体の前面側に、レーザービームを出射して不審者の侵入を検出するセンサ部と、RFIDタグやカメラを備えた認識部とを設けたセキュリティ装置であって、
前記認識部は、前記RFIDタグやカメラを収容するための機器収容部を有すると共に、この機器収容部に着脱可能に設けられたカバーを有し、
前記機器収容部は、正面から見て略矩形箱状をなすように前記取付基体に形成され、後板部を有すると共に、この後板部の上端部から前方へ略舌片状に突出し前端部が左右方向に直線状をなす上板部を有し、さらに前記後板部の左端部、下端部及び右端部から夫々前方に突出して相互に連続する左板部、下板部及び右板部を有し、
前記下板部はその突出長さが前記上板部の突出長さより短く、
前記左板部及び右板部は、夫々自身の上部の突出長さが前記上板部及び下板部の突出長さより短く突出端部である前端部が略円弧凹状をなし、
前記上板部の左端部、前端部、右端部に沿う形態で連続して形成され、前記機器収容部の内外方向で対向する平行な内側壁部及び外側壁部を有すると共にこの内側壁部及び外側壁部の一端部間を閉塞する閉塞壁部を有し、前記内側壁部及び外側壁部間に下向きに開放するシール部材嵌合溝を有する第1シール部材配置部と、
前記左板部、下板部、右板部の各前端部に沿う形態で連続し且つ両端が前記第1シール部材配置部の両端に連続して形成され、前記機器収容部の内外方向で対向する平行な内側壁部及び外側壁部を有すると共にこの内側壁部及び外側壁部の一端部間を閉塞する閉塞壁部を有し、前記内側壁部及び外側壁部間に前向きに開放するシール部材嵌合溝を有する第2シール部材配置部と、
前記第1シール部材配置部及び第2シール部材配置部の各シール部材嵌合溝に夫々挿入配置され、当該シール部材嵌合溝部の閉塞壁部側に圧入配置される奥端部と、この奥端部における内側壁部寄りの部分から当該内側壁部内面に沿って前記シール部材嵌合溝の開放部方向へ延出され前記外側壁部内面と離間する主板部と、この主板部の延出端部に形成され前記内側壁部の前記開放部側の端部と嵌合する端嵌合部と、前記主板部から前記外側壁部内面方向へ突出し且つ前記閉塞壁部方向へ傾斜する弾性変形可能なひれ部とを有してなる第1及び第2シール部材と、
前記カバーの内面において前記第1シール部材配置部の前記シール部材と対応する部位に上向きに突出するように形成され、前記上板部の前端部と対応する部分が左右方向に直線状に延びる形態をなす第1シール用リブと、
前記カバーの内面において前記第2シール部材配置部の前記シール部材と対応する部位に後向きに突出するように形成され、前記左板部及び右板部の前端部に対応する部分が円弧凸状をなす第2シール用リブと、
を備え、
前記第1シール用リブ及び第2シール用リブの厚み寸法は、夫々シール部材の前記主板部と前記外側壁部内面との離間寸法より小さく且つ前記ひれ部先端と前記外側壁部内面との離間寸法より大きく設定され、
前記カバーの前記第1シール用リブのうち前記上板部の前端部対応部分を、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分における前記主板部と前記外側壁部内面との離間部に挿入した後、前記第1シール用リブにおける前記上板部の左端部及び右端部対応部分を前記第1シール部材配置部のうち上板部の左端部及び右端部対応部分における前記離間部に順次挿入すると共に、第2シール用リブを前記第2シール部材配置部における前記離間部に順次挿入することにより、前記カバーを前記機器収容部に装着することを特徴とするセキュリティ装置。
【請求項1】
後面が壁面に取り付けられる取付基体を備えると共に、この取付基体の前面側に、レーザービームを出射して不審者の侵入を検出するセンサ部と、RFIDタグやカメラを備えた認識部とを設けたセキュリティ装置であって、
前記認識部は、前記RFIDタグやカメラを収容するための機器収容部を有すると共に、この機器収容部に着脱可能に設けられたカバーを有し、
前記機器収容部は、正面から見て略矩形箱状をなすように前記取付基体に形成され、後板部を有すると共に、この後板部の上端部から前方へ略舌片状に突出し前端部が左右方向に直線状をなす上板部を有し、さらに前記後板部の左端部、下端部及び右端部から夫々前方に突出して相互に連続する左板部、下板部及び右板部を有し、
前記下板部はその突出長さが前記上板部の突出長さより短く、
前記左板部及び右板部は、夫々自身の上部の突出長さが前記上板部及び下板部の突出長さより短く突出端部である前端部が略円弧凹状をなし、
前記上板部の左端部、前端部、右端部に沿う形態で連続して形成され、前記機器収容部の内外方向で対向する平行な内側壁部及び外側壁部を有すると共にこの内側壁部及び外側壁部の一端部間を閉塞する閉塞壁部を有し、前記内側壁部及び外側壁部間に下向きに開放するシール部材嵌合溝を有する第1シール部材配置部と、
前記左板部、下板部、右板部の各前端部に沿う形態で連続し且つ両端が前記第1シール部材配置部の両端に連続して形成され、前記機器収容部の内外方向で対向する平行な内側壁部及び外側壁部を有すると共にこの内側壁部及び外側壁部の一端部間を閉塞する閉塞壁部を有し、前記内側壁部及び外側壁部間に前向きに開放するシール部材嵌合溝を有する第2シール部材配置部と、
前記第1シール部材配置部及び第2シール部材配置部の各シール部材嵌合溝に夫々挿入配置され、当該シール部材嵌合溝部の閉塞壁部側に圧入配置される奥端部と、この奥端部における内側壁部寄りの部分から当該内側壁部内面に沿って前記シール部材嵌合溝の開放部方向へ延出され前記外側壁部内面と離間する主板部と、この主板部の延出端部に形成され前記内側壁部の前記開放部側の端部と嵌合する端嵌合部と、前記主板部から前記外側壁部内面方向へ突出し且つ前記閉塞壁部方向へ傾斜する弾性変形可能なひれ部とを有してなる第1及び第2シール部材と、
前記カバーの内面において前記第1シール部材配置部の前記シール部材と対応する部位に上向きに突出するように形成され、前記上板部の前端部と対応する部分が左右方向に直線状に延びる形態をなす第1シール用リブと、
前記カバーの内面において前記第2シール部材配置部の前記シール部材と対応する部位に後向きに突出するように形成され、前記左板部及び右板部の前端部に対応する部分が円弧凸状をなす第2シール用リブと、
を備え、
前記第1シール用リブ及び第2シール用リブの厚み寸法は、夫々シール部材の前記主板部と前記外側壁部内面との離間寸法より小さく且つ前記ひれ部先端と前記外側壁部内面との離間寸法より大きく設定され、
前記カバーの前記第1シール用リブのうち前記上板部の前端部対応部分を、前記第1シール部材配置部のうち上板部の前端部対応部分における前記主板部と前記外側壁部内面との離間部に挿入した後、前記第1シール用リブにおける前記上板部の左端部及び右端部対応部分を前記第1シール部材配置部のうち上板部の左端部及び右端部対応部分における前記離間部に順次挿入すると共に、第2シール用リブを前記第2シール部材配置部における前記離間部に順次挿入することにより、前記カバーを前記機器収容部に装着することを特徴とするセキュリティ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
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【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−65245(P2013−65245A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204523(P2011−204523)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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