説明

テレビジョン放送受信装置

【課題】テレビジョン放送波の各チャンネルに対応してチューナを設けないで、且つ効率が良くテレビジョン放送波のデータを記憶するテレビジョン放送受信装置を提供する。
【解決手段】CPU60にチューナ3を制御させて放送波のある物理チャンネルを検索させる検索プログラム62Aと、CPU60にチューナ3により検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域を所定範囲の周波数帯域として決定させる決定プログラム62Bと、RF信号から決定された所定範囲の周波数帯域に相当するベースバンド信号を生成する第1のミキサー20及び第1のLPF21と、生成されたベースバンド信号をアナログデジタル変換させるA/D変換部22と、A/D変換部22により変換されたデジタルデータを記憶するメモリ部23と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビジョン放送受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン放送受信装置は、複数のチャンネルの放送波を受信するため、複数のチューナを備え、テレビジョン放送波の中から、各チューナに各チャンネルの周波数の放送波を選択受信させ、受信させた放送波のデータの復調処理等を行い、復調処理等したデータを表示装置や音声出力装置に出力したり、蓄積装置に蓄積したりする(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
また、テレビジョン放送波として、映像データや音声データだけでなく、EPG(Electronic Program Guide)と呼ばれる番組予定データ等が同時に伝送されるようになっている。そして、当該EPGデータを利用して、表示装置に番組予定表を表示させるデジタル放送受信装置も知られている(例えば、特許文献3)。
【0004】
また、デジタル放送波の中から、番組を放送している放送波を検索するチャンネルサーチを行うデジタル放送受信装置において、受信した放送波のデータの受信レベル及びノイズレベルに基づいて番組を放送している放送波であるか否かを判断し、番組を放送している放送波だけを確実に検索するものも知られている(例えば、特許文献4,5)。
【特許文献1】特開2004−336518号公報
【特許文献2】特開2003−163852号公報
【特許文献3】特開2005−39487号公報
【特許文献4】特開2004−266658号公報
【特許文献5】特開2005−5894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2のように、チューナを各チャンネル毎に備えることとすると、例えば、デジタル放送波の場合、約50チャンネルの放送波が含まれているため、全チャンネルの放送波のデータを蓄積装置に蓄積するには、50チャンネル分のチューナが必要となって、コストがかかり、テレビジョン放送受信装置が非常に高価なものとなってしまう。また、特許文献3〜5のように、番組を放送している放送波のデータだけを蓄積したとしても、やはり、所望するチャンネルの数に応じたチューナが必要となる。
【0006】
そこで、テレビジョン放送波の全帯域の電波を、常時サンプリングしてデジタルデータに変換し、蓄積装置に蓄積することとすれば、チューナをチャンネル毎に設けなくてよいこととなるが、デジタル放送波の全帯域をサンプリングすることとすると、単位時間あたりにサンプリングするデータ量が莫大となり、現実的ではない。
【0007】
本発明の課題は、テレビジョン放送波の各チャンネルに対応してチューナを設けないで、且つ効率が良くテレビジョン放送波のデータを記憶するテレビジョン放送受信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記RF信号から前記決定手段に決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号を生成するベースバンド信号生成手段と、
前記ベースバンド信号生成手段により生成されたベースバンド信号をアナログデジタル
変換させるA/D変換手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタルデータを記憶するメモリ部と、
前記メモリ部に記憶されたデジタルデータをデジタルアナログ変換してベースバンド信号にするD/A変換手段と、
前記D/A変換手段により変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号を生成するIF信号生成手段と、
放送波のある物理チャンネルを検索する検索手段と、を備え、
前記決定手段は、
前記検索手段により検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記RF信号から前記決定手段に決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号を生成するベースバンド信号生成手段と、
前記ベースバンド信号生成手段により生成されたベースバンド信号をアナログデジタル変換させるA/D変換手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタルデータを記憶するメモリ部と、
を備えることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のテレビジョン放送受信装置において、
放送波のある物理チャンネルを検索する検索手段を備え、
前記決定手段は、
前記検索手段により検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のテレビジョン放送受信装置において、
キーワードを入力するための入力手段と、
放送波に含まれるEPGデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して前記入力手段により入力されたキーワードを含む番組を抽出し、該番組が放送される物理チャンネルを検索する検索手段と、を備え、
前記決定手段は、前記検索手段により検索された前記キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、前記キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4の何れか一項に記載のテレビジョン放送受信装置において、
前記メモリ部に記憶されたデジタルデータをデジタルアナログ変換してベースバンド信号にするD/A変換手段と、
前記D/A変換手段により変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号を生成するIF信号生成手段と、を備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、決定手段により、テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域が決定され、ベースバンド信号生成手段により、RF信号から決定手段によって決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号が生成され、A/D変換手段により、ベースバンド信号生成手段によって生成されたベースバンド信号がアナログ
デジタル変換され、メモリ部により、A/D変換手段によって変換されたデジタルデータが記憶されるので、テレビジョン放送波のRF信号が、チューナによりIF信号に変換され復調処理等されずにメモリ部に記憶されることとなって、チューナを各チャンネル毎に設けなくても、決定手段により決定された所定範囲の周波数帯域のRF信号をアナログデジタル変換してメモリ部に記憶できる。
【0014】
また、決定手段により、アナログデジタル変換してメモリ部に記憶するRF信号の所定範囲の周波数帯域が決定されるので、単位時間あたりにアナログデジタル変換するデータ量を抑えることができるので、効率良くテレビジョン放送波のデータをメモリ部に記憶することができる。
【0015】
また、決定手段により、検索手段によって検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部に記憶することができる。
【0016】
また、D/A変換手段により、メモリ部に記憶されたデジタルデータがデジタルアナログ変換されてベースバンド信号にされ、IF信号生成手段により、D/A変換手段によって変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号が再生されるので、メモリ部に記憶されたデジタルデータからRF信号を再生せずに直接ユーザが所望するIF信号を生成することとなって、より効率的にメモリ部に記憶されたデジタルデータを再生することができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、決定手段により、テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域が決定され、ベースバンド信号生成手段により、RF信号から決定手段に決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号が生成され、A/D変換手段により、ベースバンド信号生成手段によって生成されたベースバンド信号がアナログデジタル変換され、メモリ部により、A/D変換手段によって変換されたデジタルデータが記憶されるので、テレビジョン放送波のRF信号が、チューナによりIF信号に変換され復調処理等されずにメモリ部に記憶されることとなって、チューナを各チャンネル毎に設けなくても、決定手段により決定された所定範囲の周波数帯域のRF信号をアナログデジタル変換してメモリ部に記憶できる。
【0018】
また、決定手段により、アナログデジタル変換してメモリ部に記憶するRF信号の所定範囲の周波数帯域が決定されるので、単位時間あたりにアナログデジタル変換するデータ量を抑えることができるので、効率良くテレビジョン放送波のデータをメモリ部に記憶することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、決定手段により、検索手段によって検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部に記憶することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られるのは勿論のこと、特に、決定手段により、検索手段によって検索されたキーワードを含む番組が放送される物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、ユーザが見たい番組に関するキーワードを含む番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部に記憶することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項2〜4の何れか一項に記載の発明と同様の効果
が得られるのは勿論のこと、特に、D/A変換手段により、メモリ部に記憶されたデジタルデータがデジタルアナログ変換されてベースバンド信号にされ、IF信号生成手段により、D/A変換手段によって変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号が再生されるので、メモリ部に記憶されたデジタルデータからRF信号を再生せずに直接ユーザが所望するIF信号を生成することとなって、より効率的にメモリ部に記憶されたデジタルデータを再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図を参照して、本発明の実施形態に係る放送受信装置を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100の構成について説明する。本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100は、図1に示すように、アンテナ1,放送波記憶部2,チューナ3,信号セレクタ4,再生部5,メイン制御部6,入力部7等を備えて構成される。
【0023】
また、テレビジョン放送受信装置100は、表示装置200,音声出力装置300と接続されている。
【0024】
アンテナ1は、パラボラアンテナやUHFアンテナ等であり、テレビジョン放送波を受信し、RF(Radio Frequency)信号を放送波記憶部2又はチューナ3に出力する。なお、CATV回線を介してテレビジョン放送波を受信する場合には、アンテナ1の代わりに、接続ケーブル(図示省略)等が備えられてもよい。
【0025】
放送波記憶部2は、第1のミキサー20,第1のLPF(Low Pass Filter)21,
A/D変換部22,メモリ部23,制御部24,D/A変換部25,第2のLPF26,第2のミキサー27等を備えて構成され、メイン制御部6からの制御信号に従って、アンテナ1により受信された放送波にデジタルアナログ変換処理等を行って生成されたデジタルデータをメモリ部23に記憶するとともに、メモリ部23に記憶されたデジタルデータからユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成する。
【0026】
第1のミキサー20は、水晶発振器等を備え、アンテナ1から入力されたRF信号に、後述するCPU60が局部発振周波数決定プログラム62Cを実行することにより決定した局部発振周波数をミキシングすることにより、RF信号の周波数をダウンコンバートさせた信号を生成し、第1のLPF21に出力する。第1のLPF21は、第1のミキサー20から入力された信号のうち、CPU60が周波数決定プログラム62Dを実行することにより決定した遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、ベースバンド信号を生成し、A/D変換部22に出力する。これにより、第1のミキサー20及び第1のLPF21は、ベースバンド信号生成手段として機能する。
【0027】
A/D変換部22は、第1のLPF21から入力されたベースバンド信号の全帯域をサンプリングし、アナログデジタル変換してデジタルデータを生成し、メモリ部23に出力する。これにより、A/D変換部22は、A/D変換手段として機能する。ここで、A/D変換部22におけるサンプリングは、ベースバンド信号を再生した場合の劣化を防止するため、ナイキスト周波数を考慮して、ベースバンド信号の周波数の2倍以上の周波数でサンプリングすることが望ましい。
【0028】
メモリ部23は、例えば、HDD装置等により構成され、A/D変換部22から入力されるデジタルデータ及び該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報を記憶していく。時間情報は、所定の単位時間(例えば、数十分単位等)毎の該デジタルデータの
放送波を受信した時刻等であり、デジタルデータに、ヘッダー情報として付加されてもよいし、対比表として付加されてもよい。ここで、時間情報は、例えば、放送波記憶部2内に設けられた計時回路(図示省略)から出力される信号に基づく時間データであってもよいし、テレビジョン放送波に時間情報が含まれる場合には、その時間情報を利用してもよい。
【0029】
また、メモリ部23に記憶されたデジタルデータが再生される際には、該デジタルデータがD/A変換部25へ出力される。
【0030】
制御部24は、メイン制御部6からの制御信号に従って、A/D変換部22から入力されるデジタルデータに、該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報を付加してメモリ部23に記憶させる制御及びメモリ部23からD/A変換部25へ出力されるデジタルデータの出力の制御等を行う。
【0031】
D/A変換部25は、メモリ部23から出力されたデジタルデータをデジタルアナログ変換してベースバンド信号を生成し、第2のLPF26に出力する。これにより、D/A変換部25は、D/A変換手段として機能する。
【0032】
第2のLPF26は、D/A変換部25から入力されたベースバンド信号のうち、遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、第2のミキサー27に出力する。第2のミキサー27は、水晶発振器等を備え、第2のLPF26から入力された信号に、ユーザが所望するチャンネルの局部発振周波数をミキシングすることにより、ユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成し、信号セレクタ4に出力する。これにより、第2のLPF26及び第2のミキサー27は、IF信号生成手段として機能する。
【0033】
チューナ3は、アナログチューナ若しくはデジタルチューナであり、アンテナ1から入力されたRF信号からユーザが所望するチャンネルのIF(Intermediate Frequency)
信号を生成する。より具体的には、チューナ3は、入力されたRF信号にユーザが所望するチャンネルの局部発振周波数をミキシングして、ユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成する。チューナ3により生成されたIF信号は、信号セレクタ4に出力される。
【0034】
また、チューナ3は、CPU60が後述する検索プログラム62Aを実行することにより制御されて、アンテナ1から入力されるRF信号の全帯域をサーチし、放送波のある物理チャンネルを検索する。これにより、チューナ3は検索手段の一部として機能する。
【0035】
信号セレクタ4は、チューナ3,第2のミキサー27等と接続され、ユーザにより入力部7が操作されることにより入力された信号に基づいて、チューナ3又は第2のミキサー27から入力されるIF信号のどちらかを選択し、再生部5に出力する。
【0036】
再生部5は、信号セレクタ4から入力されるIF信号に復調処理、復号処理を行って、表示装置200,音声出力装置300に出力する。
【0037】
メイン制御部6は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)60,
RAM(Random Access Memory)61,記憶部62等を備えて構成される。
【0038】
メイン制御部6は、図2に示すように、第1のミキサー20,第1のLPF21,A/D変換部22,メモリ部23,制御部24,D/A変換部25,第2のLPF26,第2のミキサー27,チューナ3,信号セレクタ4,再生部5,入力部7等と接続され、テレビジョン放送受信装置100の各部の制御を行う。
【0039】
CPU60は、記憶部62に格納された処理プログラム等を読み出して、RAM61に展開して実行することにより、テレビジョン放送受信装置100全体の制御を行う。
【0040】
RAM61は、CPU60により実行された処理プログラム等を、RAM61内のプログラム格納領域に展開するとともに、入力データや上記処理プログラムが実行される際に生じる処理結果等をデータ格納領域に格納する。
【0041】
記憶部62は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部62は、CPU60がテレビジョン放送受信装置100全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部62は、例えば、図2に示すように、検索プログラム62A,決定プログラム62B,局部発振周波数決定プログラム62C,周波数決定プログラム62D,記録プログラム62E,通常放送プログラム62F,再生プログラム62G等を格納している。
【0042】
検索プログラム62Aは、例えば、CPU60に、チューナ3を制御して、アンテナ1から入力されるRF信号の全帯域をサーチさせ、放送波のある物理チャンネルを検索させる機能を実現させるプログラムである。CPU60は、かかる検索プログラム62Aを実行することにより、検索手段の一部として機能する。
【0043】
決定プログラム62Bは、例えば、CPU60に、検索プログラム62Aを実行することにより物理チャンネルを含む周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域を決定する機能を実現させるプログラムである。該所定のチャンネル数分の周波数帯域は、予めユーザにより定められた周波数帯域であってもよいし、テレビジョン放送受信装置100内に設定された周波数帯域であってもてもよい。また、該周波数帯域の所定のチャンネル数は、例えば、10チャンネル等であって、A/D変換部22のデータ処理速度等によって決まる。CPU60は、かかる決定プログラム62Bを実行することにより、決定手段として機能する。
【0044】
局部発振周波数決定プログラム62Cは、例えば、CPU60に、決定プログラム62Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー20がアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定する機能を実現させるプログラムである。
【0045】
周波数決定プログラム62Dは、例えば、CPU60に、決定プログラム62Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20が局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21の遮断周波数として決定する機能を実現させるプログラムである。
【0046】
記録プログラム62Eは、例えば、CPU60に、第1のミキサー20及び第1のLPF21を制御して、アンテナ1から入力されるRF信号から所定のベースバンド信号を生成させ、A/D変換部22を制御して、ベースバンド信号をデジタルデータに変換させ、該デジタルデータをメモリ部23に記憶する機能を実現させるプログラムである。
【0047】
通常放送プログラム62Fは、例えば、CPU60に、チューナ3を制御して、アンテナ1から入力されるRF信号からユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成させ、信号セレクタ4を制御して、チューナ3からのIF信号を再生部5に出力させ、再生部5を制御して、信号セレクタ4から入力されるIF信号に対して復調処理等を行わせることにより得られた映像信号や音声信号を、各々表示装置200,音声出力装置300へ出力させる機能を実現させるプログラムである。
【0048】
再生プログラム62Gは、例えば、CPU60に、制御部24を制御して、ユーザが所望する番組の放送時間のデジタルデータをメモリ部23からD/A変換部25に出力させ、D/A変換部25を制御して、メモリ部23から出力されたデジタルデータをデジタルアナログ変換させてベースバンド信号を生成させ、第2のLPF26を制御して、D/A変換部25から入力されるベースバンド信号のうち遮断周波数以下の信号のみを第2のミキサー27へ出力させ、局部発振周波数を調節することにより第2のミキサー27を制御して、第2のLPF26から入力される信号をユーザが所望するチャンネルのIF信号に増幅させ、信号セレクタ4を制御して、第2のミキサー27から入力されるRF信号を再生部5に出力させ、再生部5を制御して、信号セレクタ4から入力されるIF信号に対して復調処理等を行わせることにより得られた映像信号や音声信号を、各々表示装置200,音声出力装置300へ出力させる機能を実現させるプログラムである。
【0049】
入力部7は、テレビジョン放送受信装置100に各種操作に関する入力信号を入力するためのキー等を備え、ユーザにより操作されることにより、各種操作の入力信号がテレビジョン放送受信装置100に入力される。また、入力部7は、ユーザがメモリ部23に記憶された番組を選択するための選択キー(図示省略)を備える。
【0050】
次に、上述のような構成の本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100の動作について、図3,図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0051】
まず、テレビジョン放送受信装置100のテレビジョン放送波の受信からメモリ部23へのデジタルデータの記憶までの動作について、図3に示すフローチャート及び図4に示すテレビジョン放送波の周波数帯域における物理チャンネルを含む周波数帯域の分布図を参照しながら説明する。
【0052】
まず、CPU60は、決定プログラム62Bを実行することにより、検索プログラム62Aを実行してチューナ3に物理チャンネルを含む周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域を決定する(ステップS1)。
【0053】
具体的には、例えば、図4に示すように、チューナ3に放送波のある物理チャンネルを検索させた結果、放送波のある物理チャンネルが17チャンネル,20〜22チャンネル,24〜27チャンネル,29チャンネル,30チャンネルである場合、所定のチャンネル数を10チャンネルとして、10チャンネル分の周波数帯域A,B,Cをそれぞれ、17〜26チャンネル,20〜29チャンネル,23〜32チャンネルとすると、周波数帯域A,B,Cは、それぞれ放送波のある物理チャンネルを7個,8個,6個含む。そして、CPU60が決定プログラム62Bを実行することにより、周波数帯域A,B,Cの中で、物理チャンネルを最も多く含む帯域は、周波数帯域Bであると決定される。
【0054】
次に、CPU60は、記録プログラム62Eを実行することにより、局部発振周波数決定プログラム62Cを実行して、ステップS1において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー20がアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定する(ステップS2)。
【0055】
次に、CPU60は、第1のミキサー20を制御して、アンテナ1から入力されたRF信号にステップS2で決定された局部発振周波数をミキシングさせることにより、該RF信号の周波数をダウンコンバートさせた信号を生成させる(ステップS3)。
【0056】
次に、CPU60は、周波数決定プログラム62Dを実行することにより、ステップS1において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20が局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周
波数を、第1のLPF21の遮断周波数として決定する(ステップS4)。
【0057】
次に、CPU60は、第1のLPF21を制御して、第1のミキサー20から入力された信号のうち、ステップS4で決定された遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、ベースバンド信号を生成させる(ステップS5)。
【0058】
次に、CPU60は、A/D変換部22を制御して、第1のLPF21から入力されたベースバンド信号の全帯域を該ベースバンド信号の周波数の2倍以上の周波数でサンプリングさせ、アナログデジタル変換させてデジタルデータを生成させる(ステップS6)。
【0059】
次に、CPU60は、制御部24を制御して、A/D変換部22から入力されたデジタルデータと、該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報とをメモリ部23に記憶させる(ステップS7)。
【0060】
次に、テレビジョン放送受信装置100の現在受信している放送の出力及びメモリ部23に格納されているデータの出力の動作について、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0061】
まず、CPU60は、通常放送プログラム62Fを実行することにより、チューナ3を制御して、アンテナ1から入力されたRF信号にユーザが入力部7を操作することにより選択したチャンネルの局部発振周波数をミキシングさせて、IF信号を生成させ、信号セレクタ4を制御して、チューナ3から入力されるIF信号を再生部5に出力させ、再生部5を制御して、信号セレクタ4から入力されるIF信号に対して復調処理等を行わせることにより得られた映像信号や音声信号を、各々表示装置200,音声出力装置300へ出力させる(ステップS101)。
【0062】
次に、CPU60は、ユーザが入力部7の選択キー(図示省略)を押下することにより入力される選択信号の有無基づいて、ユーザによるメモリ部23に記憶された番組の選択があったか否かを判断する(ステップS102)。
【0063】
ステップS102において、CPU60が、入力部7から選択信号が入力されていないと判断した場合には(ステップS102;Yes)、ステップS101に戻る。
【0064】
一方、ステップS102において、CPU60が、入力部7から選択信号が入力されたと判断した場合には(ステップS102;No)、CPU60は、再生プログラム62Gを実行することにより、制御部24を制御して、ユーザが所望する番組の放送時間のデジタルデータをメモリ部23からD/A変換部25へ出力させ、D/A変換部25を制御して、メモリ部23から出力されたデジタルデータをデジタルアナログ変換させてベースバンド信号を生成させる(ステップS103)。
【0065】
次に、CPU60は、第2のLPF26を制御して、D/A変換部25により生成されたベースバンド信号のうち、遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、第2のミキサー27に出力する(ステップS104)。
【0066】
次に、CPU60は、第2のミキサー27を制御して、入力されたベースバンド信号にユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成するための局部発振周波数をミキシングさせることにより、ユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成させる(ステップS105)。
【0067】
次に、CPU60は、信号セレクタ4を制御して、第2のミキサー27から入力される
IF信号を再生部5に出力させる(ステップS106)。
【0068】
次に、CPU60は、再生部5を制御して、信号セレクタ4から入力されるIF信号に対して復調処理等を行わせることにより得られた映像信号や音声信号を、各々表示装置200,音声出力装置300へ出力させる(ステップS107)。
【0069】
以上に説明した、第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置100によれば、CPU60が決定プログラム62Bを実行することにより、テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域が決定され、第1のミキサー20及び第1のLPF21により、RF信号から決定プログラム62Bを実行することによって決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号が生成され、A/D変換部22により、第1のミキサー20及び第1のLPF21によって生成されたベースバンド信号がアナログデジタル変換され、メモリ部23により、A/D変換部22によって変換されたデジタルデータが記憶されるので、テレビジョン放送波のRF信号が、チューナによりIF信号に変換され復調処理等されずにメモリ部23に記憶されることとなって、チューナ3を各チャンネル毎に設けなくても、CPU60が決定プログラム62Bを実行することにより決定された所定範囲の周波数帯域のRF信号をアナログデジタル変換してメモリ部23に記憶できる。
【0070】
また、CPU60が決定プログラム62Bを実行することにより、アナログデジタル変換してメモリ部23に記憶するRF信号の所定範囲の周波数帯域が決定されるので、単位時間あたりにアナログデジタル変換するデータ量を抑えることができるので、効率良くテレビジョン放送波のデータをメモリ部23に記憶することができる。
【0071】
また、CPU60が決定プログラム62Bを実行することにより、検索プログラム62Aを実行してチューナ3を制御することによって検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部23に記憶することができる。
【0072】
また、D/A変換部25により、メモリ部23に記憶されたデジタルデータがデジタルアナログ変換されてベースバンド信号にされ、第2のLPF26及び第2のミキサー27により、D/A変換部25によって変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号が再生されるので、メモリ部23に記憶されたデジタルデータからRF信号を生成せずに直接ユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成することとなって、より効率的にメモリ部23に記憶されたデジタルデータを再生することができる。
【0073】
なお、第1の実施形態では、CPU60が決定プログラム62Bを実行することによって、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって放送波のある物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域が決定されることとしたが、所定のチャンネル数分の周波数帯域であればなんであってもよく、例えば、ユーザが見る頻度が多い番組のチャンネルを最も多く含む周波数帯域を所定のチャンネル数分の周波数帯域としてもよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置400を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0074】
第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置400では、図6に示すように、入力部71,記憶部63の構成のみが第1の実施形態のテレビジョン放送受信装置100と異なるため、第1の実施形態のテレビジョン放送受信装置100と同様の構成については、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0075】
入力部71は、テレビジョン放送受信装置400に各種操作に関する入力信号を入力す
るためのキー,メモリ部23に記憶された番組を選択するための選択キー(図示省略)等を備え、ユーザにより操作されることにより、各種操作の入力信号がテレビジョン放送受信装置400に入力される。また、入力部71は、ユーザが所望する番組に関するキーワードを入力するためのキー(図示省略)を備え、入力手段として機能する。
【0076】
記憶部63は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部63は、CPU60がテレビジョン放送受信装置400全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部63は、例えば、図2に示すように、EPGデータファイル63A,キーワードデータ63B,検索プログラム63C,決定プログラム63D,局部発振周波数決定プログラム62C,周波数決定プログラム62D,記録プログラム62E,通常放送プログラム62F,再生プログラム62G等を格納している。
【0077】
EPGデータファイル63Aは、テレビジョン放送波に多重化されて伝送されるEPG(Electric Program Guide)データを記憶している。EPGデータには、番組タイトル,出演者名,チャンネル番号,放送時間等のデータが含まれる。記憶部63は、かかるEPGデータファイル63Aを格納することにより、記憶手段として機能する。
【0078】
キーワードデータ63Bは、ユーザが入力部71を操作することにより入力されたユーザが見たい番組に関するキーワードの情報である。キーワードには、番組タイトル,出演者名等が含まれる。
【0079】
検索プログラム63Cは、例えば、CPU60に、キーワードデータ63Bに記憶されたキーワードが含まれる番組をEPGデータファイル63Aを参照することにより抽出し、チューナ3を制御して、アンテナ1から入力されるRF信号の全帯域をサーチさせ、該番組が放送される物理チャンネルの周波数帯域を検索させる機能を実現させるプログラムである。CPU60は、かかる検索プログラム63Cを実行することにより、検索手段の一部として機能する。
【0080】
決定プログラム63Dは、例えば、CPU60に、検索プログラム63Cを実行することによって、チューナ3を制御してキーワードを含む番組が放送される物理チャンネルの周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、該番組が放送される物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域を決定する機能を実現させるプログラムである。該所定のチャンネル数分の周波数帯域は、予めユーザにより定められた周波数帯域であってもよいし、テレビジョン放送受信装置400内に設定された周波数帯域であってもよい。また、該周波数帯域の所定のチャンネル数は、例えば、10チャンネル等であって、A/D変換部22のデータ処理速度等によって決まる。CPU60は、かかる決定プログラム63Dを実行することにより、決定手段として機能する。
【0081】
次に、上述のような構成の本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置400のテレビジョン放送波の受信からメモリ部23へのデジタルデータの記憶までの動作について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0082】
まず、CPU60は、検索プログラム63Cを実行することにより、ユーザにより入力されてキーワードデータ63Bに記憶されたキーワードが含まれる番組をEPGデータファイル63Aを参照することにより抽出し、チューナ3を制御して、アンテナ1から入力されるRF信号の全帯域をサーチさせ、該番組が放送される物理チャンネルの周波数帯域を検索させる(ステップS201)。
【0083】
次に、CPU60は、決定プログラム63Dを実行することにより、検索プログラム63Cを実行してチューナ3を制御してキーワードを含む番組が放送される物理チャンネルの周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、該番組が放送される物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域を決定する(ステップS202)。
【0084】
次に、CPU60は、記録プログラム62Eを実行することにより、局部発振周波数決定プログラム62Cを実行して、ステップS202において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー20がアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定する(ステップS203)。
【0085】
次に、CPU60は、第1のミキサー20を制御して、アンテナ1から入力されたRF信号にステップS203で決定された局部発振周波数をミキシングさせることにより、該RF信号の周波数をダウンコンバートさせた信号を生成させる(ステップS204)。
【0086】
次に、CPU60は、周波数決定プログラム62Dを実行することにより、ステップS202において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20が局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21の遮断周波数として決定する(ステップS205)。
【0087】
次に、CPU60は、第1のLPF21を制御して、第1のミキサー20から入力された信号のうち、ステップS205で決定された遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、ベースバンド信号を生成させる(ステップS206)。
【0088】
次に、CPU60は、A/D変換部22を制御して、第1のLPF21から入力されたベースバンド信号の全帯域を該ベースバンド信号の周波数の2倍以上の周波数でサンプリングさせ、アナログデジタル変換させてデジタルデータを生成させる(ステップS207)。
【0089】
次に、CPU60は、制御部24を制御して、A/D変換部22から入力されたデジタルデータと、該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報とをメモリ部23に記憶させる(ステップS208)。
【0090】
以上に説明した、第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置400によれば、第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置400と同様の効果が得られることの他、特に、CPU60が決定プログラム63Dを実行することにより、検索プログラム63Cを実行してチューナ3を制御することによって検索されたキーワードを含む番組が放送される物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、ユーザが見たい番組に関するキーワードを含む番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部23に記憶することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
【0091】
第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500では、図8に示すように、第1のミキサー20A,第1のミキサー20B,第1のLPF(Low Pass Filter)21A
,第1のLPF21B,A/D変換部22A,22B,記憶部64等の構成のみが第1の
実施形態のテレビジョン放送受信装置100と異なるため、第1の実施形態のテレビジョン放送受信装置100と同様の構成については、同一符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0092】
放送波記憶部2は、第1のミキサー20A,20B,第1のLPF(Low Pass Filter)21A,21B,A/D変換部22A,22B,メモリ部23,制御部24,D/A
変換部25,第2のLPF26,第2のミキサー27等を備えて構成され、メイン制御部6からの制御信号に従って、アンテナ1により受信された放送波にデジタルアナログ変換処理等を行って生成されたデジタルデータをメモリ部23記憶するとともに、メモリ部23に記憶されたデジタルデータからユーザが所望するチャンネルのIF信号を生成する。
【0093】
第1のミキサー20A及び第1のミキサー20Bは、水晶発振器等を備え、アンテナ1から入力されたRF信号に、後述するCPU60が局部発振周波数決定プログラム64Cを実行することにより決定した局部発振周波数をミキシングすることにより、RF信号の周波数をダウンコンバートさせた信号を生成し、第1のLPF21A及び第1のLPF21Bに出力する。第1のLPF21A及び第1のLPF21Bは、第1のミキサー20A及び第1のミキサー20Bから入力された信号のうち、CPU60が周波数決定プログラム64Dを実行することにより決定した遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、ベースバンド信号を生成し、A/D変換部22A,22Bに出力する。
【0094】
A/D変換部22A及びA/D変換部22Bは、第1のLPF21A又は第1のLPF21Bから入力されたベースバンド信号の全帯域をサンプリングし、アナログデジタル変換してデジタルデータを生成し、メモリ部23に出力する。ここで、A/D変換部22A,22Bにおけるサンプリングは、ベースバンド信号を再生した場合の劣化を防止するため、ナイキスト周波数を考慮して、ベースバンド信号の周波数の2倍以上の周波数でサンプリングすることが望ましい。
【0095】
記憶部64は、例えば、プログラムやデータ等が予め記憶されている記録媒体(図示せず)を有しており、この記録媒体は、例えば、半導体メモリ等で構成されている。また、記憶部64は、CPU60がテレビジョン放送受信装置500全体を制御する機能を実現させるための各種データ,各種処理プログラム,これらプログラムの実行により処理されたデータ等を記憶する。より具体的には、記憶部64は、例えば、図9に示すように、検索プログラム62A,決定プログラム64B,局部発振周波数決定プログラム64C,周波数決定プログラム64D,記録プログラム64E,通常放送プログラム62F,再生プログラム62G等を格納している。
【0096】
決定プログラム64Bは、例えば、CPU60に、検索プログラム62Aを実行することにより物理チャンネルを含む周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域と、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域とを決定する機能を実現させるプログラムである。該所定のチャンネル数分の周波数帯域は、予めユーザにより定められた周波数帯域であってもよいし、テレビジョン放送受信装置500内に設定された周波数帯域であってもよい。また、該周波数帯域の所定のチャンネル数は、例えば5チャンネル等であって、A/D変換部22A,22Bのデータ処理速度等によって決まる。CPU60は、かかる決定プログラム64Bを実行することにより、決定手段として機能する。
【0097】
局部発振周波数決定プログラム64Cは、例えば、CPU60に、決定プログラム64Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー2
0Aがアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定するとともに、決定プログラム64Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー20Bがアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定する機能を実現させるプログラムである。
【0098】
周波数決定プログラム64Dは、例えば、CPU60に、決定プログラム64Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20Aが局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21Aの遮断周波数として決定するとともに、決定プログラム64Bを実行することにより決定した所定のチャンネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20Bが局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21Bの遮断周波数として決定する機能を実現させるプログラムである。
【0099】
記録プログラム64Eは、例えば、CPU60に、第1のミキサー20A,第1のミキサー20B及び第1のLPF21A,第1のLPF21Bを制御して、アンテナ1から入力されるRF信号から所定のベースバンド信号を生成させ、A/D変換部22A,22Bを制御して、ベースバンド信号をデジタルデータに変換させ、制御部24を制御して、デジタルデータに該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報を付加してメモリ部23に記憶させる機能を実現させるプログラムである。
【0100】
次に、上述のような構成の本発明の第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500のテレビジョン放送波の受信からメモリ部23へのデジタルデータの記憶までの動作について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0101】
まず、CPU60は、決定プログラム64Bを実行することにより、検索プログラム62Aを実行してチューナ3に物理チャンネルを含む周波数帯域を検索させた結果に基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域、及び、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって、物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域を決定する(ステップS301)。
【0102】
次に、CPU60は、記録プログラム64Eを実行することにより、局部発振周波数決定プログラム64Cを実行して、ステップS301において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域で、最も低い周波数が0となるように、第1のミキサー20Aがアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数、及び、第1のミキサー20Bがアンテナ1から入力されるRF信号にミキシングする局部発振周波数を決定する(ステップS302)。
【0103】
次に、CPU60は、第1のミキサー20A及び第1のミキサー20Bを制御して、アンテナ1から入力されたRF信号にステップS302で決定された局部発振周波数をミキシングさせることにより、該RF信号の周波数をダウンコンバートさせた信号を生成させる(ステップS303)。
【0104】
次に、CPU60は、周波数決定プログラム64Dを実行することにより、ステップS301において決定された所定のチャンネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20Aが局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21Aの遮断周波数として決定するとともに、ステップS301において決定された所定のチャン
ネル数分の周波数帯域であって物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域で、最も高い周波数のRF信号に第1のミキサー20Bが局部発振周波数をミキシングすることにより生成された信号の周波数を、第1のLPF21Bの遮断周波数として決定する(ステップS304)。
【0105】
次に、CPU60は、第1のLPF21A及び第1のLPF21Bを制御して、それぞれ、第1のミキサー20A及び第1のミキサー20Bから入力された信号のうち、ステップS304で決定された遮断周波数以下の周波数の信号のみを通過させ、ベースバンド信号を生成させる(ステップS305)。
【0106】
次に、CPU60は、A/D変換部22A,22Bを制御して、第1のLPF21A及び第1のLPF21Bから入力されたベースバンド信号の全帯域を該ベースバンド信号の周波数の2倍以上の周波数でサンプリングさせ、アナログデジタル変換させてデジタルデータを生成させる(ステップS306)。
【0107】
次に、CPU60は、制御部24を制御して、A/D変換部22A,22Bから入力されたデジタルデータと、該デジタルデータの放送波を受信した時刻等の時間情報とをメモリ部23に記憶させる(ステップS307)。
【0108】
以上に説明した、第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500によれば、第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置500と同様の効果が得られることの他、特に、CPU60が決定プログラム64Bを実行することにより、検索プログラム62Aを実行してチューナ3を制御することによって検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるだけでなく、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが2番目に多い周波数帯域が所定範囲の周波数帯域として決定されるので、例えば、放送波のRF信号の全帯域において、放送波のある物理チャンネルが多い周波数帯域が分断されている場合においても、番組が放送されている物理チャンネルのデータを効率良くメモリ部23に記憶することができる。
【0109】
なお、第3の実施形態では、CPU60が決定プログラム64Bを実行することによって、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって放送波のある物理チャンネルを最も多く含む周波数帯域、及び、所定のチャンネル数分の周波数帯域であって放送波のある物理チャンネルを2番目に多く含む周波数帯域が決定されることとしたが、所定のチャンネル数分の周波数帯域であればなんであってもよく、例えば、ユーザが見る頻度が多い番組のチャンネルを最も多く含む周波数帯域、及び、所定のチャンネル数分の周波数帯域であってユーザが見る頻度が多い番組のチャンネルを2番目に多く含む周波数帯域を、各々所定のチャンネル数分の周波数帯域としてもよい。
【0110】
また、第3の実施形態では、放送波記憶部2は、第1のミキサー及び第1のLPFそれぞれ2つずつ備えることとしたが、第1のミキサー及び第1のLPFは、3つ以上備えられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るメイン制御部と各部の関係を説明するブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】テレビジョン放送波の周波数帯域における物理チャンネルを含む周波数帯域の分布の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るメイン制御部と各部の関係を説明するブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るメイン制御部と各部の関係を説明するブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るテレビジョン放送受信装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
20,20A,20B 第1のミキサー(ベースバンド信号生成手段)
21,21A,21B 第1のLPF(ベースバンド信号生成手段)
22,22A,22B A/D変換部(A/D変換手段)
23 メモリ部
25 D/A変換部(D/A変換手段)
26 第2のLPF(IF信号生成手段)
27 第2のミキサー(IF信号生成手段)
3 チューナ(検索手段)
60 CPU(検索手段,決定手段,局部発振周波数決定手段)
62A,63C 検索プログラム(検索手段)
62B,63D,64B 決定プログラム(決定手段)
62C,64C 局部発振周波数決定プログラム(局部発振周波数決定手段)
7,71 入力部(入力手段)
100,400,500 テレビジョン放送受信装置(テレビジョン放送受信装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記RF信号から前記決定手段に決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号を生成するベースバンド信号生成手段と、
前記ベースバンド信号生成手段により生成されたベースバンド信号をアナログデジタル変換させるA/D変換手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタルデータを記憶するメモリ部と、
前記メモリ部に記憶されたデジタルデータをデジタルアナログ変換してベースバンド信号にするD/A変換手段と、
前記D/A変換手段により変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号を生成するIF信号生成手段と、
放送波のある物理チャンネルを検索する検索手段と、を備え、
前記決定手段は、
前記検索手段により検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴とするテレビジョン放送受信装置。
【請求項2】
テレビジョン放送波のRF信号中の所定範囲の周波数帯域を決定する決定手段と、
前記RF信号から前記決定手段に決定された周波数帯域に相当するベースバンド信号を生成するベースバンド信号生成手段と、
前記ベースバンド信号生成手段により生成されたベースバンド信号をアナログデジタル変換させるA/D変換手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタルデータを記憶するメモリ部と、
を備えることを特徴とするテレビジョン放送受信装置。
【請求項3】
放送波のある物理チャンネルを検索する検索手段を備え、
前記決定手段は、
前記検索手段により検索された放送波のある物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、放送波のある物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン放送受信装置。
【請求項4】
キーワードを入力するための入力手段と、
放送波に含まれるEPGデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して前記入力手段により入力されたキーワードを含む番組を抽出し、該番組が放送される物理チャンネルを検索する検索手段と、を備え、
前記決定手段は、前記検索手段により検索された前記キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルに基づいて、所定のチャンネル数分の周波数帯域範囲内で、前記キーワードを含む番組が放送される物理チャンネルが最も多い周波数帯域を前記所定範囲の周波数帯域として決定することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン放送受信装置。
【請求項5】
前記メモリ部に記憶されたデジタルデータをデジタルアナログ変換してベースバンド信号にするD/A変換手段と、
前記D/A変換手段により変換されたベースバンド信号から、所定のチャンネルのIF信号を生成するIF信号生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のテレビジョン放送受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−332853(P2006−332853A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150847(P2005−150847)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】