説明

テレビ受信機、テレビ放送の受信システム、および、テレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法

【課題】 長時間EPG情報を取得できない状況であっても、全てのチャンネルのEPG情報を最新の情報に更新することが可能となる。
【解決手段】 TV1とSTB2とが接続されているシステムにおいて、TV1は、EPG情報を更新する場合、EPG情報が取得可能な状態であるか否かを判断し、EPG情報の取得が可能な状態でなければ、STB2にEPG情報の取得を要求する。STB2では、TV1からのEPG情報の取得要求を受信した場合、EPG情報の取得が可能な状態あれば、EPG情報の取得処理を行い、取得したEPG情報(最新のEPG情報)をTV1へ送信する。これにより、TV1では、STB2から受信した最新のEPG情報に基づいて、メモリ部111に保存しているEPG情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送波に含まれる番組情報を取得するテレビ受信機、テレビ放送の受信システム、および、テレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、たとえば、地上デジタル放送には、各チャンネルのデジタル放送波にそれぞれ各放送局の番組情報が含まれている。このような形態では、各放送局の番組情報を取得するために、各チャンネルの放送波を一定時間以上受信し、各放送局の番組情報を取得する必要がある。また、アナログ放送においては、たとえば、所定の時間帯に特定のチャンネルの放送波により各放送局の番組情報が提供されている。このような形態では、テレビ受信機は、番組情報を取得するため、所定の時間帯に特定のチャンネルを一定時間以上受信する必要がある。しかしながら、同じチャンネルの放送を長時間視聴するような使用状況の場合、テレビ受信機では、他のチャンネルの放送波に含まれる番組情報を取得することができない。
【0003】
従来、たとえば、ネットワーク接続された複数のテレビ受信機が、各テレビ受信機の番組情報を共有するシステムが提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、他のテレビ受信機が既にメモリに保持している番組情報を共有するシステムである。このため、他のテレビ受信機が最新のEPG情報を保持しているとは限らないという問題がある。また、ネットワーク接続されたテレビ受信機の数が多くなれば、あるテレビ受信機が、他の複数のテレビ受信機が保持している番組情報から最新の番組情報を検出するための処理に時間がかかるという問題もある。
【特許文献1】特開2005−175788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一形態では、放送波に含まれる番組情報を効率的に取得することができるテレビ受信機、テレビ放送の受信システム、および、テレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一形態としてのテレビ受信機は、放送波を復調する復調部を有するものにおいて、前記復調部により復調した信号から番組情報を抽出する抽出部と、前記番組情報を記憶するメモリと、前記番組情報を放送波から抽出する機能を有する別のテレビ受信機と通信を行うインターフェースと、前記復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を取得できない状態である場合、前記インターフェースにより通信可能な前記別のテレビ受信機の機能により前記番組情報を取得させる制御を行う制御部と、前記制御部の制御により前記別のテレビ受信機に取得させた番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する処理部とを有する。
【0006】
この発明の一形態としてのテレビ放送の受信システムは、放送波を復調する第1、第2の復調部を有する第1、第2のテレビ受信機から構成されるシステムにおいて、前記第1のテレビ受信機は、前記第1の復調部により復調した信号から番組情報を抽出する第1の抽出部と、前記番組情報を記憶する第1のメモリと、前記第2のテレビ受信機と通信を行うための第1のインターフェースと、前記第1の復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を取得できない状態である場合、前記第1のインターフェースにより通信可能な前記第2のテレビ受信機に前記番組情報の取得を要求する第1の制御部と、前記番組情報の取得要求に応じて前記第2のテレビ受信機から受信した番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する処理部とを有し、前記第2のテレビ受信機は、前記第2の復調部により復調した信号から番組情報を抽出する第2の抽出部と、前記第1のテレビ受信機と通信を行うための第2のインターフェースと、前記第2のインターフェースにより前記第1のテレビ受信機から番組情報の取得要求を受信した場合、前記第2の抽出部により前記第2の復調部により復調した信号から番組情報を抽出し、その抽出した番組情報を前記第1のテレビ受信機へ送信する第2の制御部とを有する。
【0007】
この発明のテレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法は、放送波を復調する復調部と、前記復調部により復調した信号から番組情報を抽出する抽出部と、前記番組情報を記憶するメモリと、を有するテレビ受信機に用いられる方法であって、前記復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を復調できない状態である場合、前記番組情報を前記放送波から抽出する機能を有する別のテレビ受信機に前記番組情報を取得させ、前記別のテレビ受信機に取得させた番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、放送波に含まれる番組情報を効率的に取得することができるテレビ受信機、テレビ放送の受信システム、および、テレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に係るテレビ放送の受信システムの構成例を示す図である。図1に示すテレビ放送の受信システムは、テレビ受信機としてのテレビジョン受像装置(TV:television)1、テレビ受信機としての周辺機器(STB: set top box)2、アンテナ3などにより構成される。
【0010】
テレビジョン受像装置(以下、TVと称する)1は、アンテナ3で取得した放送波を映像信号および音声信号に変換し、その映像信号および音声信号に基づく映像を表示部に表示するとともに、音声を出力するものである。また、TV1は、放送波に含まれる番組情報を取得し、その番組情報を表示部に表示する機能を有している。TV1が取得する番組情報は、電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)と呼ばれる。ここで、上記EPG情報は、デジタル放送波に含まれるものもあるし、アナログ放送波に含まれるものもあるとする。ただし、本実施の形態において、デジタル放送波には、各放送局(チャンネル)の放送波に当該放送局の番組情報が含まれ、アナログ放送波には、特定の時間帯に発信される特定のチャンネルの放送波に各放送局の番組情報が含まれるものとする。
【0011】
周辺機器(以下、STBとも称する)2は、アンテナ3で受信した放送波から上記EPG情報を取得する機能を有する電子機器である。たとえば、STB2としては、ケーブルテレビ、BS/CS放送などの受信機、DVD(Digital Versatile Disk)レコーダ、ハードディスクレコーダ、あるいは、AV(Audio Visual)パソコンなどの映像機器が想定される。STB2は、TV1に映像信号および音声信号を供給し、当該TV1に映像および音声を出力させる。また、本実施の形態において、TV1とSTB2とは、EPG情報などを送受信するための双方向の通信機能を有している。
【0012】
次に、テレビジョン受像装置(TV)1の構成について説明する。
図1に示すように、TV1は、制御部100、デジタルチューナ101、復調器102、トランスポートストリーム(TS:transport stream)処理部103、アナログチューナ104、アナログ復調器105、アナログEPG処理回路106、信号処理部107、表示部108、音声出力(スピーカ)部109、EPG処理部110、メモリ部111、EPGデータ通信用回路112、制御端子113、外部入力端子114などを有している。
【0013】
制御部100は、TV1全体の制御を司るものである。制御部100は、たとえば、CPU、RAM(ワーキングメモリ)、ROM(プログラムメモリ)、不揮発性メモリなどにより構成される。制御部100では、CPUがROMあるいは不揮発性メモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより種々の処理を実現している。また、制御部100は、時刻を計時するためのタイマ100aを有している。これにより、制御部100では、時刻管理などが可能となっている。
【0014】
デジタルチューナ101は、アンテナ3で受信したデジタル放送波から特定のチャンネルのデジタル放送波を選局するものである。デジタルチューナ101は、制御部100により指定されたチャンネルのデジタル放送波を選局するようになっている。
復調器102は、デジタルチューナ101により選択されたチャンネルのデジタル放送波を復調する。復調器102は、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調器、PSK(Phase Shift Keying)復調器などにより構成される。ここで、復調器102は、デジタル放送波からMPEG TS信号を復調する処理を行う。
【0015】
トランスポートストリーム処理部103は、復調器102から供給されるMPEG TS信号のTS復号処理を行う。トランスポートストリーム処理部103によるTS復号処理では、デジタルチューナ101で選局されたチャンネルのデジタル放送波から、当該放送局が放送している番組のデジタル放送信号(デジタル映像信号及びデジタル音声信号)と、当該放送局が提供する各種データ(EPG情報、番組属性情報、設定情報など)とをそれぞれ抽出する。トランスポートストリーム処理部103は、TS復号処理によって得られたデジタル映像信号及び音声信号を信号処理部107へ出力するとともに、TS復号処理によって得られたEPG情報をEPG処理部110へ出力する。
【0016】
アナログチューナ104は、アンテナ3で受信したアナログ放送波から特定のチャンネルのアナログ放送波を選局するものである。アナログチューナ104は、制御部100により指定されたチャンネルのアナログ放送波を選局するようになっている。
アナログ復調器105は、アナログチューナ104により選択されたチャンネルのアナログ放送波を復調する。アナログ復調器105は、復調した信号を放送信号(映像信号および音声信号)として信号処理部107へ出力するとともに、アナログEPG処理回路106へ出力する。
アナログEPG処理回路106は、アナログ復調器105により復調された信号からEPG情報を抽出する。アナログEPG処理回路106は、抽出したEPG情報をEPG処理部110へ出力する。
【0017】
信号処理部107は、制御部100による制御に基づいて、トランスポートストリーム処理部103あるいはアナログ復調器105から供給される放送信号のうち映像信号に基づく映像を表示部108に表示させるとともに、音声信号に基づく音声を音声出力部109により出力させる処理を行う。また、信号処理部107では、映像に対する種々の画像処理などを行うようになっている。たとえば、信号処理部107は、OSD(オンスクリーンディスプレイ)合成機能を有している。この機能により、信号処理部107は、たとえば、EPG処理部110から番組情報としての文字情報が供給されると、その番組情報を表示データに変換し、その表示データを表示部108に表示する。
【0018】
表示部108は、信号処理部107から与えられる映像信号に基づく映像を表示する表示装置である。音声出力部109は、信号処理部107から与えられる音声信号に基づく音声を出力するスピーカである。
EPG処理部110は、EPG情報の管理を行う。EPG処理部110は、CPU、RAM、ROM、不揮発性メモリなどにより構成される。この場合、EPG処理部110は、CPUがROMあるいは不揮発性メモリに記憶されている制御プログラムを実行することにより種々の処理を実現するようになっている。メモリ部111は、EPG情報を記憶するための記憶装置である。メモリ部111は、たとえば、書換え可能な不揮発性メモリにより構成される。EPGデータ通信用回路112と制御端子113とは、STB2と通信するためのインターフェースとして機能する。たとえば、EPGデータ通信用回路112および制御端子113は、EPG情報などを送受信するための専用ポートで構成されることが想定される。ただし、EPGデータ通信用回路112および制御端子113としては、HDMI−CEC機能による通信用インターフェースあるいはLAN等のネットワーク通信機能による通信用インターフェースを用いるようにしても良い。
【0019】
EPG処理部110は、たとえば、トランスポートストリーム処理部103あるいはアナログEPG処理回路106により取得されたEPG情報をメモリ部111に保存する処理を行う。すなわち、EPG処理部110は、トランスポートストリーム処理部103あるいはアナログEPG処理回路106から供給されるEPG情報によりメモリ部111に記憶しているEPG情報を更新する機能を有している。
【0020】
また、EPG処理部110は、メモリ部111に記憶しているEPG情報を信号処理部107のOSD機能により表示部108に表示させる機能を有している。すなわち、EPG処理部110は、制御部100からEPG情報の表示が要求されると、メモリ部111からEPG情報を読み出して信号処理部107へ供給する。これにより、信号処理部107は、OSD機能によりEPG処理部110から与えられたEPG情報に基づく表示データを生成し、生成した表示データを表示部108に表示させる。
【0021】
さらに、EPG処理部110は、EPGデータ通信用回路112および制御端子113を介して当該TV1に接続されているSTB2に対して最新のEPG情報を要求する機能を有している。この場合、EPG処理部110は、STB2にEPG情報の取得を要求し、その要求に応じてSTB2で取得されたEPG情報を当該STB2から受信する。たとえば、デジタルチューナ101あるいはアナログチューナ104が特定のチャンネルの放送波を長時間受信している状態である場合、EPG処理部110は、EPGデータ通信用回路112および制御端子113を介してSTB2にEPG情報の取得を要求する処理を行う。
【0022】
逆に、EPG処理部110は、STB2からのEPG情報の取得要求に応じてEPG情報を取得する処理を行う機能も有している。すなわち、EPG処理部110は、EPGデータ通信用回路112および制御端子113を介してSTB2からEPG情報の取得を要求されると、上記各部を用いてEPG情報を取得する処理を行い、取得したEPG情報を当該STB2へ送信する。
【0023】
外部入力端子114は、STB2から供給される映像信号および音声信号を信号処理部107へ供給する。これにより、外部入力端子114を介して外部機器としてのSTB2からTV1に与えられる映像信号及び音声信号は、信号処理部107により表示部108に表示したり、音声出力部109により出力されたりすることが可能となっている。
【0024】
上記TV1におけるデジタル放送の受信処理について概略的に説明する。
【0025】
TV1は、制御部100、デジタルチューナ101、復調器102、トランスポートストリーム処理部103、信号処理部107などによりデジタル放送を表示部108に表示する機能を有している。
アンテナ3で受信されたデジタル放送波は、TV1のデジタルチューナ101に入力される。デジタルチューナ101は、制御部100による制御信号に基づいて、アンテナ3で受信したデジタル放送波から所望の放送局(チャンネル)の放送信号を選局する。復調器102は、デジタルチューナ101により選局されたチャンネルのデジタル放送波を復調する。
【0026】
ここで、デジタルチューナ101により選局されたチャンネルのデジタル放送波から復調された信号は、MPEG TS信号であるものとする。トランスポートストリーム処理部103は、復調器102から供給されるMPEG TS信号のTS復号処理を行う。トランスポートストリーム処理部103は、上記TS復号処理により得られるデジタル映像信号及び音声信号を信号処理部107に出力する。これにより、信号処理部107では、受信した放送信号のうち映像信号に基づく映像を表示部108に表示させるとともに、音声信号に基づく音声を音声出力部109により出力させる処理を行う。
【0027】
また、TV1は、制御部100、デジタルチューナ101、復調器102、EPG処理部110などによりデジタル放送からEPG情報を取得する機能を有している。
ここで、デジタル放送波に含まれるEPG情報は、たとえば、各放送局の番組情報が各チャンネルのデジタル放送波に含まれるものとする。このようなEPG情報を受信するため、制御部100は、たとえば、各チャンネルの放送波を定期的に受信するように、デジタルチューナ101を制御する。上記のように、デジタルチューナ101により受信された各チャンネルのデジタル放送波は、復調器102により復調され、トランスポートストリーム処理部103に供給される。トランスポートストリーム処理部103では、上述したTS復号処理により得られる各放送局のEPG情報をEPG処理部110へ出力する。これにより、EPG処理部110では、デジタル放送波から抽出されたEPG情報をメモリ部111に保存する処理などを行う。
【0028】
なお、図1に示す構成例では、デジタル放送波を受信するためのチューナが1つのみである。このため、デジタルチューナ101が使用中である場合(たとえば、長時間特定の放送局のデジタル放送を表示している状態である場合)、制御部100は、EPG情報を取得するために各チャンネルに切り換える制御を行わない。つまり、TV1では、特定のチャンネルの放送波を受信するためにデジタルチューナ101が使用されている場合、別のチャンネルのデジタル放送波からEPG情報を取得する処理を行わないようになっている。
【0029】
次に、TV1におけるアナログ放送の受信処理について概略的に説明する。
TV1は、制御部100、アナログチューナ104、アナログ復調器105、信号処理部107などによりアナログ放送を表示部108に表示する機能を有している。
すなわち、アンテナ3で受信されたアナログ放送波は、TV1のアナログチューナ104に入力される。アナログチューナ104は、制御部100による制御信号に基づいてアンテナ3で受信したアナログ放送波から所望の放送局(チャンネル)の放送信号を選局する。アナログ復調器105は、アナログチューナ104により選択されたチャンネルの放送波を復調する。アナログ復調器105は、復調した信号を放送信号(映像信号および音声信号)として信号処理部107に出力する。信号処理部107では、受信した放送信号のうち映像信号に基づく映像を表示部108に表示させるとともに、音声信号に基づく音声を音声出力部109により出力させる処理を行う。
【0030】
また、TV1は、制御部100、アナログチューナ104、アナログ復調器105、アナログEPG処理回路106、EPG処理部110などによりアナログ放送からEPG情報を取得する機能を有している。
ここで、アナログ放送に含まれるEPG情報は、たとえば、特定の時間帯に特定のチャンネルの放送波に含まれるものとする。この場合、制御部100は、EPG情報を受信するため、所定の時間帯に所定のチャンネルの放送波を受信するように、アナログチューナ104を制御する。これにより、アナログチューナ104により受信された特定のチャンネルの放送波は、アナログ復調器105により復調される。アナログEPG処理回路106は、アナログ復調器105により復調された信号からEPG情報を抽出する。アナログEPG処理回路106により抽出されたEPG情報は、EPG処理部110に供給される。EPG処理部110では、アナログEPG処理回路106から供給されたEPG情報をメモリ部111に保存する処理などを行う。
【0031】
なお、図1に示す構成例では、アナログ放送を受信するためのチューナが1つのみである。このため、アナログチューナ104が使用中である場合(たとえば、他のチャンネルのアナログ放送を表示している状態である場合)、制御部100は、EPG情報を取得するために受信するチャンネルを切り換える制御を行わない。つまり、TV1では、別のチャンネルの放送波を受信するためにアナログチューナ104が使用されている場合、アナログ放送波からEPG情報を取得する処理を行わないようになっている。
【0032】
次に、周辺機器(STB)2の構成について説明する。
図1に示すように、STB2は、制御部200、デジタルチューナ201、復調器202、トランスポートストリーム(TS:transport stream)処理部203、アナログチューナ204、アナログ復調器205、アナログEPG処理回路206、信号処理部207、映像出力端子208、音声出力端子209、EPG処理部210、メモリ部211、EPGデータ通信用回路212、制御端子213などを有している。
【0033】
なお、制御部200、デジタルチューナ201、復調器202、トランスポートストリーム処理部203、アナログチューナ204、アナログ復調器205、アナログEPG処理回路206、信号処理部207、EPG処理部210、メモリ部211、EPGデータ通信用回路212および制御端子213は、それぞれ、制御部100、デジタルチューナ101、復調器102、トランスポートストリーム(TS:transport stream)処理部103、アナログチューナ104、アナログ復調器105、アナログEPG処理回路106、信号処理部107、EPG処理部110、メモリ部111、EPGデータ通信用回路112および制御端子113と同様な機能を有しているため、詳細な説明を省略する。
【0034】
また、映像出力端子208は、映像信号を外部出力するためのインターフェースである。音声出力端子209は、音声信号を外部出力するためのインターフェースである。図1に示す例では、映像出力端子208および音声出力端子209は、TV1の外部入力端子114に接続されている。このため、STB2の信号処理部207で処理された映像信号、音声信号は、それぞれ映像出力端子208、音声出力端子209を介してTV1の外部入力端子に入力される。これにより、TV1では、信号処理部107により外部入力端子114に入力されたSTB2からの映像信号に基づく映像を表示部108に表示し、STB2からの音声信号に基づく音声を音声出力部109により出力するようになっている。
【0035】
次に、EPG情報の取得処理(更新処理)について説明する。
図2(a)は、TV1におけるEPG情報の取得処理(更新処理)を説明するためのフローチャートである。図2(b)は、TV1におけるEPG情報の取得処理に応じたSTB2側の処理を説明するためのフローチャートである。図2に示す処理では、TV1を第1のテレビ受信機とし、STB2を第2のテレビ受信機として想定している。但し、後述する処理はTV1とSTB2とを入れ換えても同様に実施できる処理である。
【0036】
まず、TV1の制御部100では、予め設定されている時間毎(定期的)、あるいは、図示しないユーザインターフェースによるユーザからのEPG情報の取得要求に基づいてEPG情報の取得処理(更新処理)を開始するようになっている(ステップS101)。EPG情報の更新処理を開始すると、制御部100は、まず、復調器102あるいはアナログ復調器105が使用中であるか否かを確認する(ステップS102)。たとえば、特定のチャンネルの放送波を受信中である場合(ユーザが特定の放送局の放送を視聴中である場合)、制御部100は、デジタル放送波の受信系(デジタルチューナ101、復調器102)あるいはアナログ放送波の受信系(アナログチューナ104、アナログ復調器105)が使用中であると判断する。なお、以下の説明では、各チャンネルのデジタル放送波に各放送局のEPG情報が含まれているデジタル放送波から各放送局のEPG情報を取得する場合を想定するものとする。
【0037】
当該TV1の受信系が使用中でないと判断した場合(ステップS102、NO)、制御部100は、デジタル放送波の受信系(101、102)を用いて各チャンネルのデジタル放送波からEPG情報を取得する処理を行う(ステップS103)。このEPG情報の取得処理により各放送局のEPG情報を取得すると、EPG処理部110は、取得した各放送局のEPG情報をメモリ部111に保存する。これにより、上記メモリ部111には、最新のEPG情報が蓄積される。
【0038】
また、当該TV1の受信系が使用中であると判断した場合(ステップS102、YES)、制御部100は、EPG情報を取得する機能を有しているSTB2が制御端子113を介して接続されているか否かを判断する(ステップS104)。この判断によりEPG情報の取得機能を有するSTB2が接続されていないと判断した場合(ステップS104、NO)、制御部100は、EPG情報の更新処理を終了する。
【0039】
上記判断によりEPG情報の取得機能を有するSTB2が接続されていると判断した場合(ステップS104、YES)、制御部100は、当該STB2に対して最新のEPG情報の取得を要求する(ステップS105)。たとえば、制御部100は、EPG処理部110、EPGデータ通信用回路112及び制御端子113を介してSTB2に最新のEPG情報の取得を要求(依頼)するコマンドを送信する。
【0040】
これに対して、STB2の制御部200では、制御端子213およびEPGデータ通信用回路212、EPG処理部210を介してTV1からの最新のEPG情報の取得要求を受信する(ステップS201)。TV1からのEPG情報の取得要求を受信した制御部200は、復調器202あるいはアナログ復調器205が使用中であるか否かを確認する(ステップS202)。たとえば、特定のチャンネルのデジタル放送波を受信中である場合(たとえば、ユーザによる録画予約に応じて特定のチャンネルのデジタル放送を録画中である場合)、制御部100は、デジタル放送波の受信系(デジタルチューナ101、復調器102)が使用中であると判断する。
【0041】
当該STB2の受信系が使用中でないと判断した場合(ステップS202、NO)、制御部200は、デジタル放送波の受信系(201、202)を用いて各放送局のEPG情報を取得する処理を行う(ステップS203)。このEPG情報の取得処理により各放送局のEPG情報を取得すると、EPG処理部210は、取得したEPG情報をメモリ部211に保存する。これにより、上記メモリ部211には、最新のEPG情報が蓄積される。上記EPG情報の取得処理により最新のEPG情報をメモリ部211に保存すると、EPG処理部210は、EPGデータ通信用回路212および制御端子213を介して、上記メモリ部211に保存したEPG情報をTV1へ送信する(ステップS204)。
【0042】
また、当該STB2の受信系が使用中であると判断した場合(ステップS202、YES)、制御部200は、EPG情報の取得処理を行うことなく、既にメモリ部211に記憶されているEPG情報をTV1へ送信する(ステップS204)。なお、STB2における受信系が使用中であった場合(つまり、EPG情報が取得できない状況であった場合)、STB2の制御部200は、TV1からのEPG情報の取得要求に対する応答として、EPG情報が取得できなかった旨を送信するようにしても良い。
【0043】
上記ステップS204でSTB2からTV1へ送信されたEPG情報は、制御端子113およびEPGデータ通信用回路112を介してTV1のEPG処理部110により受信される(ステップS106)。STB2からEPG情報を受信すると、TV1のEPG処理部110は、STB2から受信したEPG情報とメモリ部111に保存されているEPG情報とを比較する(ステップS107)。この比較では、STB2から受信したEPG情報がメモリ部111に保存されているEPG情報よりも新しいか否かが判断される。
この比較によりSTB2から受信したEPG情報がメモリ部111に保存されているEPG情報よりも新しいと判断した場合、EPG処理部110は、メモリ部111に記憶されているEPG情報をSTB2から受信したEPG情報に基づいて更新する(ステップS109)。
【0044】
なお、STB2において全チャンネルの放送波から全放送局分のEPG情報が取得できた場合、STB2から受信したEPG情報は、全放送局分の情報が最新の情報である(メモリ部111に記憶されている情報よりも新しい)と考えられる。この場合、EPG処理部110は、ステップS107の比較処理を省略して、メモリ部111に記憶される各放送局のEPG情報をSTB2から受信したEPG情報により更新するようにしても良い。
【0045】
また、STB2において一部の放送局のEPG情報しか取得できなかった場合、あるいは、EPG情報の取得処理が実行できずにメモリ部211に記憶されているEPG情報をTV1へ送信した場合、STB2から受信したEPG情報は、一部の放送局分の情報のみがメモリ部111に記憶されている情報よりも新しいことも考えられる。このような場合、EPG処理部110では、STB2から受信したEPG情報のうち新しい情報に基づいてメモリ部111に記憶されているEPG情報を更新するようにしても良い。
【0046】
なお、図2(a)及び(b)に示す処理は、TV1とSTB2とを入れ換えて実施することも可能である。つまり、STB2がEPG情報を取得できない状態である場合、STBがTV1のEPG情報の取得機能を制御することにより、EPG情報をTV1に取得させ、TV1が取得したEPG情報に基づいてSTB2のメモリ部211に記憶されているEPG情報を更新するようにしても良い。
【0047】
以上のように、TV1とSTB2とが接続されているシステムにおいて、TV1は、EPG情報を更新する場合、放送波からのEPG情報が取得可能な状態であるか否かを判断し、EPG情報の取得が可能な状態でなければ、STB2にEPG情報の取得を要求する。STB2では、TV1からEPG情報の取得要求が与えられた場合、放送波からのEPG情報の取得が可能な状態あれば、EPG情報の取得処理を行い、取得したEPG情報(最新のEPG情報)をTV1へ送信する。これにより、TV1では、STB2から受信したEPG情報に基づいて、メモリ部111に保存しているEPG情報を更新する。
【0048】
すなわち、TV1とSTB2とが接続されているシステムにおいて、一方の機器は、EPG情報を取得できない状態であっても、他方の機器に最新のEPG情報を取得させて、その最新のEPG情報を取得することが可能となる。この結果として、たとえば、特定のチャンネルのみを長時間受信している状況であっても、TV1あるいはSTB2は、全てのチャンネルのEPG情報を最新の情報に更新することが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態で説明したシステムは、大規模なネットワークを構築したり、専用のデータサーバを設置したりすることなく、TV1とSTB2とを通信回線等により接続させるだけで実現できる。また、本実施の形態で説明したシステムは、各種の放送波に対して1つの受信系しか搭載していないTV1あるいはSTB2により構築できる。つまり、上記したシステムは、コストが安く、ネットワーク設定などの複雑な設定なども不用である。
【0050】
なお、この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係るテレビ放送の受信システムの構成例を示す図である。
【図2】EPG情報の取得処理(更新処理)を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1…テレビジョン受像装置(テレビ受信機)、2…周辺機器(テレビ受信機)、3…アンテナ、100、200…制御部、100a、200a…タイマ、101、201…デジタルチューナ(受信系)、102、202…復調器(受信系)、103、203…トランスポートストリーム処理部(抽出部)、104、204…アナログチューナ(受信系)、105、205…アナログ復調器(受信系)、106、206…アナログEPG処理回路(抽出部)、107、207…信号処理部、108…表示部、110、210…EPG処理部(処理部)、111、211…メモリ部(メモリ)、112、212…EPGデータ通信用回路(インターフェース)、113、213…制御端子(インターフェース)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を復調する復調部を有するテレビ受信機において、
前記復調部により復調した信号から番組情報を抽出する抽出部と、
前記番組情報を記憶するメモリと、
前記番組情報を放送波から抽出する機能を有する別のテレビ受信機と通信を行うインターフェースと、
前記復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を取得できない状態である場合、前記インターフェースにより通信可能な前記別のテレビ受信機の機能により前記番組情報を取得させる制御を行う制御部と、
前記制御部の制御により前記別のテレビ受信機に取得させた番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する処理部と、
を有することを特徴とするテレビ受信機。
【請求項2】
前記制御部は、前記復調部が更新すべき番組情報を含む放送波以外の放送波を復調中か否かにより、前記復調部が番組情報を含む放送波を取得できない状態であるか否かを判断する、
ことを特徴とする前記請求項1に記載のテレビ受信機。
【請求項3】
前記制御部は、所定の時刻毎あるいはユーザからの要求に応じて前記メモリに記憶している番組情報の更新開始を判断する、
ことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のテレビ受信機。
【請求項4】
前記処理部は、前記メモリに記憶されている番組情報と前記別のテレビ受信機に取得させた番組情報とを比較することにより、前記メモリに記憶されている番組情報を新しい情報に更新する、
ことを特徴とする前記請求項1乃至3のいずれか1項に記載のテレビ受信機。
【請求項5】
さらに、前記復調部により放送波を復調することにより得られた映像信号を表示する表示部を有する、
ことを特徴とする前記請求項1乃至4のいずれか1項に記載のテレビ受信機。
【請求項6】
放送波を復調する第1、第2の復調部を有する第1、第2のテレビ受信機から構成されるテレビ放送の受信システムにおいて、
前記第1のテレビ受信機は、
前記第1の復調部により復調した信号から番組情報を抽出する第1の抽出部と、
前記番組情報を記憶する第1のメモリと、
前記第2のテレビ受信機と通信を行うための第1のインターフェースと、
前記第1の復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を取得できない状態である場合、前記第1のインターフェースにより通信可能な前記第2のテレビ受信機に前記番組情報の取得を要求する第1の制御部と、
前記番組情報の取得要求に応じて前記第2のテレビ受信機から受信した番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する処理部と、を有し、
前記第2のテレビ受信機は、
前記第2の復調部により復調した信号から番組情報を抽出する第2の抽出部と、
前記第1のテレビ受信機と通信を行うための第2のインターフェースと、
前記第2のインターフェースにより前記第1のテレビ受信機から番組情報の取得要求を受信した場合、前記第2の抽出部により前記第2の復調部により復調した信号から番組情報を抽出し、その抽出した番組情報を前記第1のテレビ受信機へ送信する第2の制御部と、を有する、
ことを特徴とするテレビ放送の受信システム。
【請求項7】
前記第1の制御部は、前記第1の復調部が更新すべき番組情報を含む放送波以外の放送波を復調中か否かにより、前記第1の復調部が番組情報を含む放送波を取得できない状態であるか否かを判断する、
ことを特徴とする前記請求項6に記載のテレビ放送の受信システム。
【請求項8】
前記第1の制御部は、所定の時刻毎あるいはユーザからの要求に応じて前記第1のメモリに記憶している番組情報の更新開始を判断する、
ことを特徴とする前記請求項6又は7に記載のテレビ放送の受信システム。
【請求項9】
前記処理部は、前記第1のメモリに記憶されている番組情報と前記第2のテレビ受信機から受信した番組情報とを比較することにより、前記第1のメモリに記憶されている番組情報を新しい情報に更新する、
ことを特徴とする前記請求項6乃至8のいずれか1項に記載のテレビ放送の受信システム。
【請求項10】
さらに、前記第2のテレビ受信機は、番組情報を記憶する第2のメモリを有し、
前記第2の制御部は、前記第2のインターフェースにより前記第1のテレビ受信機から番組情報の取得要求を受信した場合、前記第2の復調部が前記番組情報を含む放送波を取得できる状態であれば、前記第2の抽出部により前記第2の復調部により復調した信号から番組情報を抽出し、その抽出した番組情報を前記第1のテレビ受信機へ送信し、前記第2の復調部が前記番組情報を含む放送波を取得できない状態であれば、前記第2のメモリに記憶している番組情報を前記第1のテレビ受信機へ送信し、
前記処理部は、前記第1のメモリに記憶されている番組情報と前記第2のテレビ受信機から受信した番組情報とを比較することにより、前記第1のメモリに記憶されている番組情報を新しい情報に更新する、
ことを特徴とする前記請求項6乃至9のいずれか1項に記載のテレビ放送の受信システム。
【請求項11】
放送波を復調する復調部と、前記復調部により復調した信号から番組情報を抽出する抽出部と、前記番組情報を記憶するメモリと、を有するテレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法であって、
前記復調部が更新の必要な番組情報を含む放送波を復調できない状態である場合、前記番組情報を前記放送波から抽出する機能を有する別のテレビ受信機に前記番組情報を取得させ、
前記別のテレビ受信機に取得させた番組情報に基づいて前記メモリに記憶されている番組情報を更新する、
を有することを特徴とするテレビ受信機に用いられる番組情報の取得方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−16911(P2009−16911A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173048(P2007−173048)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】