説明

デジタル放送受信装置

【課題】特定の番組に視聴制限をかけて、利便性を高めることができるデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】特定の番組の視聴中またはEPG(Electronic Program Guide)の表示中に、操作キーの操作により特定の番組を視聴制限番組として指定可能にし、指定された該番組の番組情報を記憶することにより、視聴制限番組を登録する。また、各チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、登録された視聴制限番組の番組情報とを参照して、現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する。そして、視聴制限番組の指定時に、該視聴制限番組が視聴中である場合と、操作キーの操作により指示されたチャンネルの選局時に、該チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組である場合とに、該番組に対応する映像と音声の出力を停止して、該番組の視聴を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル放送受信装置の視聴制限機能に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばデジタルテレビジョン受像機等のデジタル放送受信装置には、親が子供に有害なテレビ放送を視聴できないように制限するペアレンタルロック機能を有するものがある。例えば欧州等で使用されているデジタルテレビジョン受像機のペアレンタルロック機能には、キー操作により指定したチャンネルそのものを視聴制限するチャンネルロック機能や、デジタルテレビ放送信号に多重化されている各テレビ放送番組のレイティング情報を利用したペアレンタルレイティング機能等がある。
【0003】
一方、下記の特許文献1に記載されているデジタル放送受信装置では、予め管理者に視聴制限ワードを設定させ、放送信号から検出してメモリに格納した番組情報の中に視聴制限ワードが存在するかどうかを判定し、番組情報の中に視聴制限ワードが存在する番組を視聴制限番組であると判断して、該番組の視聴要求があっても、該番組の映像の出力を制限する。
【0004】
また、下記の特許文献2に記載されているデジタル放送受信装置では、番組選択のためのキーワードまたは条件をメモリに予め登録しておき、ユーザにより番組選択画面の表示指令を受けたときに、放送信号から検出した番組情報の中に上記キーワードまたは条件に一致する情報を検索し、キーワードまたは条件に一致する情報を含む番組があれば、番組選択画面においてその番組を他の番組とは異なる色で表示し、カーソルによりその番組が選択されて、その番組の番組情報にレイティング情報が含まれていると、警告音を鳴らす。
【0005】
また、下記の特許文献3に記載されているデジタル放送受信装置では、映像復号化部により復号化された映像データから第1レイティング情報を検出し、EPG処理部により復号化されたEPGデータから第2レイティング情報を検出し、番組予約時に、第2レイティング情報に基づいて視聴制限による予約の可否を判別して、番組予約ガイドに表示する。
【0006】
さらに、下記の特許文献4に記載されているデジタル放送受信装置では、表示手段に現在表示されている放送番組の放送番組データと、記憶手段に記憶された放送予定番組データとを比較参照し、現在の放送番組とジャンルおよび番組名の一方が一致ないし類似する放送予定番組を受信予約する。
【0007】
【特許文献1】特開2006−319613号公報
【特許文献2】特開2003−219300号公報
【特許文献3】特開2003−110953号公報
【特許文献3】特開2000−92400号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したペアレンタルロック機能および特許文献1〜4の技術では、ユーザが特定の番組に視聴制限をかけることができず、利便性が低い。特に、特許文献1の技術では、予め管理者が視聴制限ワードを考えて、装置に入力しなければならず、煩雑である。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するものであって、その課題とするところは、特定の番組に視聴制限をかけて、利便性を高めることができるデジタル放送受信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、デジタル放送の各チャンネルを選局し、各チャンネルの放送信号を受信する選局手段と、各チャンネルの選局を指示する選局指示手段と、放送信号を処理して各チャンネルで放送されている番組に対応する映像信号と音声信号を出力する信号出力手段と、放送信号を処理して各チャンネルで放送される番組の番組情報を検出する検出手段とを備えたデジタル放送受信装置において、さらに、視聴できないように制限する視聴制限番組を指定する番組指定手段と、番組指定手段により指定された視聴制限番組の番組情報を記憶することにより、該視聴制限番組を登録する登録手段と、各チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、登録手段に登録された視聴制限番組の番組情報とを参照して、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する判定手段とを備える。そして、番組指定手段による視聴制限番組の指定時に、指定された視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号が信号出力手段により出力中である場合と、選局指示手段により指示されたチャンネルの選局時に、該チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組である場合とに、該番組に対応する映像信号と音声信号の信号出力手段による出力を停止する。
【0011】
このようにすると、ユーザが番組指定手段により特定の番組を視聴制限番組として指定するだけで、この時点やそれ以降の該番組(視聴制限番組として指定された番組そのものおよびこれと同様の番組)に対応する映像信号と音声信号の出力が停止されて、該番組が視聴できなくなるので、特定の番組に容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【0012】
また、本発明では、上記デジタル放送受信装置において、番組指定手段は、信号出力手段により出力中である映像信号と音声信号に対応する番組を、視聴制限番組として指定する。
【0013】
このようにすると、現在放送されて受信されている特定の番組に容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【0014】
また、本発明では、上記デジタル放送受信装置において、検出手段は、各チャンネルで一定期間に放送される番組の番組情報を検出し、検出手段により検出された番組情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された番組情報に基づいて、各チャンネルで一定期間に放送される番組を一覧表示する一覧表示手段とを備え、番組指定手段は、一覧表示手段により一覧表示された番組の中から、いずれかの番組を視聴制限番組として指定する。
【0015】
このようにすると、一定期間に放送される特定の番組に予め容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【0016】
また、本発明では、上記デジタル放送受信装置において、予め設定されたタイミングで、各チャンネルの一定期間の番組情報を、検出手段により検出して、記憶手段に記憶する。
【0017】
このようにすると、視聴制限番組の登録前および視聴制限番組の判定前に、各チャンネルの一定期間の番組情報を検出して記憶し、該番組情報を更新して正確に保持することができる。このため、視聴制限番組の登録時に、放送信号から視聴制限番組の番組情報を検出する手間を省いて、記憶手段に記憶された視聴制限番組の番組情報を登録手段により迅速かつ正確に登録することができる。また、視聴制限番組の判定時に、放送信号から現在の番組の番組情報を検出する手間を省いて、記憶手段に記憶された現在の番組の番組情報と登録手段により登録された視聴制限番組の番組情報とを参照し、現在の番組が視聴制限番組であるか否かを迅速かつ正確に判定することができる。さらに、その判定結果に基づいて、チャンネルの選局時に該チャンネルの現在の番組に対応する映像信号と音声信号の出力を実行しまたは停止するまでにかかる時間を短縮することができる。
【0018】
また、本発明では、上記デジタル放送受信装置において、番組情報は少なくとも番組名を含む。
【0019】
このようにすると、番組指定手段により視聴制限番組として指定した特定の番組と同名の番組に、以降視聴制限をかけることができる。
【0020】
また、本発明では、上記デジタル放送受信装置において、視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の信号出力手段による出力停止回数が一定回数未満の場合は、番組指定手段により指定された該視聴制限番組の特定の放送時間帯にだけ、該視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の信号出力手段による出力を停止し、視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数以上の場合は、該視聴制限番組の全ての放送時間帯に、該視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の信号出力手段による出力を停止する。
【0021】
このようにすると、ユーザが視聴制限番組として指定した特定の番組のうち、対応する映像信号と音声信号の出力停止回数が一定回数未満である番組に対して、指定した特定の放送時間帯にだけ一時的に視聴制限をかけ、かつ、対応する映像信号と音声信号の出力停止回数が一定回数以上である番組に対して、以降の全ての放送時間帯に継続的に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【0022】
また、本発明の典型的な実施形態では、DVB SI(Digital Video Broadcast Service Information)規格に準拠したデジタル放送の各チャンネルを選局し、各チャンネルの放送信号を受信する選局手段と、各チャンネルの選局を指示する選局指示手段と、放送信号を処理してTS(Transport Stream)を出力し、TSを処理して各チャンネルで放送されている番組に対応する映像信号と音声信号を出力する信号出力手段と、TSからEIT(Event Information Table)を検出し、EITから各チャンネルで放送される番組の番組情報を検出する検出手段と、映像信号に基づく映像と音声信号に基づく音声を出力する映像音声出力手段とを備えたデジタル放送受信装置において、以下のような構成にする。検出手段は、起動時または定期的に、各チャンネルで一定期間に放送される番組の少なくとも番組名を含む番組情報を検出する。さらに、検出手段により検出された番組情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された番組情報に基づいて、各チャンネルで一定期間に放送される番組を一覧表示する一覧表示手段と、映像音声出力手段により対応する映像と音声が出力されて現在視聴中にある番組または一覧表示手段により一覧表示された番組のうちのいずれかの番組を、視聴できないように制限する視聴制限番組として指定する番組指定手段と、番組指定手段により指定された視聴制限番組の番組情報を記憶することにより、該視聴制限番組を登録する登録手段と、各チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、登録手段に登録された視聴制限番組の番組情報とを参照して、番組名の一致を確認することにより、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する判定手段とを備える。そして、番組指定手段による視聴制限番組の指定時に、指定された視聴制限番組が視聴中である場合と、選局指示手段により指示されたチャンネルの選局時に、該チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組である場合とに、該番組に対応する映像と音声の映像音声出力手段による出力を停止して、該番組を視聴できないようにする。
【0023】
このようにすると、ユーザが現在視聴している特定の番組または一覧表示された一定期間に放送される番組のうちの特定の番組を、視聴制限番組として指定するだけで、この時視聴中であったその番組や以降に放送されるそれと同名の番組に対応する映像と音声の出力が停止されて、該番組が視聴できなくなるので、特定の番組に容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。また、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出を、起動時または該一定期間毎若しくは該一定期間より短い期間毎に行うことで、視聴制限番組の登録前および視聴制限番組の判定前に、該番組情報を記憶手段に確実に記憶して更新し、常に正確に保持することができる。このため、視聴制限番組の登録時に、TSのEITから視聴制限番組の番組情報を検出する手間を省いて、該番組情報を記憶手段から登録手段により迅速かつ正確に移動させて登録することができる。また、視聴制限番組の判定時に、TSのEITから現在の番組の番組情報を検出する手間を省いて、記憶手段に記憶された現在の番組の番組情報と登録手段により登録された視聴制限番組の番組情報とを参照し、現在の番組が視聴制限番組であるか否かを迅速かつ正確に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、チャンネルの選局時に該チャンネルの現在の番組に対応する映像と音声の出力を実行しまたは停止するまでにかかる時間を短縮することができる。また、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出と記憶を起動時に行って、以降の駆動中に行わないようにすることで、以降の駆動中に該処理にかかる手間を省くことができる。さらに、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出と記憶を定期的に行う期間を該一定期間に等しくすることで、該処理の実行頻度を減少させて、該処理にかかる時間と負担を軽減することができる。
【0024】
さらに、本発明の典型的な実施形態では、上記デジタル放送受信装置において、視聴制限番組に対応する映像と音声の映像音声出力手段による出力停止回数を計数する計数手段を備え、番組情報には放送時間帯が含まれ、視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数未満の場合は、番組指定手段により指定された該視聴制限番組の特定の放送時間帯にだけ、該視聴制限番組に対応する映像と音声の映像音声出力手段による出力を停止し、視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数以上の場合は、該視聴制限番組の全ての放送時間帯に、該視聴制限番組に対応する映像と音声の映像音声出力手段による出力を停止する。
【0025】
このようにすると、ユーザが視聴制限番組として指定した特定の番組のうち、対応する映像と音声の出力停止回数が一定回数未満である同名の番組に対して、指定した特定の放送時間帯にだけ一時的に視聴制限をかけて、視聴できないようにし、かつ、対応する映像と音声の出力停止回数が一定回数以上である同名の番組に対して、以降の全ての放送時間帯に継続的に視聴制限をかけて、視聴できないようにし、利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ユーザが特定の番組を視聴制限番組として指定することにより、この時点やそれ以降に該番組が視聴できなくなるので、特定の番組に容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、本発明の実施形態に係るデジタル放送受信装置100のブロック図である。デジタル放送受信装置100は、DVB SI(Digital Video Broadcast Service Information)規格に準拠したデジタル放送の各チャンネルの放送信号を受信して、各チャンネルで放送されている番組に対応する映像と音声を出力するデジタルテレビジョン受像機から成る。デジタル放送受信装置100のサブ基板1には、チューナモジュールが構築されている。メイン基板2には、TV(テレビ)のメインシステムが構築されている。
【0028】
チューナ3は、図示しないアンテナを介して取得したデジタル放送のRF(Radio Frequency)信号から、各チャンネルに対応するIF(Intermediate Frequency)信号を抽出して、デモジュレータ(Demod)4へ出力する。デモジュレータ4は、各チャンネルのデジタルのIF信号を復調して、TS(Transport Stream)を検出し、該TSをCI(Common Interface)5を介してハイブリッドプロセッサ(以下、「プロセッサ」という。)6へ出力する。デモジュレータ4は、チューナ3に対して各チャンネルを選局するためのAGC(Auto Gain Control)信号を出力する。チューナ3とデモジュレータ4とは、IIC(Inter Integrated Circuit)バスを介してデータ通信を行う。CI5には、デスクランブラを内蔵した図示しないICカードが接続される。有料デジタル放送等のスクランブルされたTSは、CI5を介してICカードのデスクランブラにより、そのスクランブルが解除される。
【0029】
プロセッサ6は、デマルチプレクサ(Demux)、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ、MHEG(Multimedia and Hypermedia information coding Experts Group)デコーダ、グラフィックコントローラ(Graphic)、およびCPUから成る。プロセッサ6は、デマルチプレクサによりTSからMPEG−2形式の映像ストリーム、音声ストリーム、MHEGデータストリーム、およびPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)を検出する。PSI/SIは、デジタル放送の各チャンネルの放送信号に含まれるプログラムの付帯情報である。プロセッサ6は、MPEGデコーダまたはMHEGデコーダにより映像ストリームまたはMHEGデータストリームをデコードして、映像データを生成する。また、プロセッサ6は、グラフィックコントローラにより映像データに対して各種の画像処理を行って、映像信号をAV SW(スイッチ)10へ出力する(Video(CVBS、Y/C))。さらに、プロセッサ6は、MPEGデコーダにより音声ストリームをデコードして、音声データを生成し、オーディオDAC(Digital Analog Converter)7へ出力する。オーディオDAC7は、音声データを音声信号に変換して、AV SW10へ出力する(Audio(L、R))。
【0030】
メモリ9は、EEPROM、NOR FLASH、およびSDRAM等から成る。メモリ9には、プロセッサ6でTSを処理するためのデータや、プロセッサ6のCPUがチューナ3とデモジュレータ4とCI5に接続されたICカードをそれぞれ制御するためのデータ等が、予め記憶されていたり、随時記憶されたりする。プロセッサ6のCPUは、メモリ9に対してデータの読み書きを行う。また、プロセッサ6のCPUは、デモジュレータ4またはCI5に接続されたICカード対してIICバスを介してデータ通信を行う。
【0031】
メイン基板2に設けられたマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という。)11は、CPU、メモリ、およびタイマから成る。マイコン11は、デジタル放送受信装置100の各部を制御する。また、マイコン11は、タイマにより日付と時間を計測する。また、マイコン11は、チューナ3とデモジュレータ4により、デジタル放送の各チャンネルを選局し、該各チャンネルの放送信号(IF信号)を受信する。メモリ17は、EEPROMまたはNOR FLASH等から成る。マイコン11は、メモリ17に対してデータの読み書きを行う。
【0032】
プロセッサ6とマイコン11とは、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)インタフェイスによりデータ通信を行う。プロセッサ6のCPUは、PSI/SI等の情報をマイコン11へ送信する。マイコン11は、SIからEIT(Event Information Table)を検出し、該EITからデジタル放送の各チャンネルの番組情報を検出する。詳しくは、EITには、デジタル放送の全チャンネルの約1週間分の番組情報が含まれている。このため、マイコン11は、EITから各チャンネルで一定期間(例えば1週間)に放送される番組の番組情報を検出して、メモリ17の所定領域に設けられた番組情報DB(データベース)に格納(記憶)する。上記番組情報には、各番組の番組名、放送時間帯、題名、内容、ジャンル、およびレイティング情報等の各種情報が含まれている。マイコン11は、番組情報DBに格納されている番組情報に基づいてEPG(Electronic Program Guide)を構成するEPG情報を生成する。
【0033】
マイコン11は、EPG情報とメモリ17および内蔵メモリに記憶された各種情報をプロセッサ6へ送信する。プロセッサ6は、グラフィックコントローラにより、マイコン11から送信された上記情報に基づく映像データを生成し、該映像データをMPEGデコーダ等で生成した映像データに組み込むOSD(On Screen Display)処理を行う。このOSD処理により、デジタル放送の各チャンネルで一定期間(例えば1週間)に放送される番組を一覧表示するEPG画面、メニュー画面、および各種設定画面等を表示するための映像信号が生成され、該映像信号はプロセッサ6からAV SW10へ出力される。
【0034】
AV SW10には、チューナ3、プロセッサ6、およびオーディオDAC7からそれぞれ映像信号と音声信号が入力されるだけでなく、デジタル放送受信装置100にケーブル等により接続された図示しない外部映像機器から映像信号(CVBS)と音声信号(Audio)が入力される。また、デジタル放送受信装置100と外部映像機器との間で、映像信号と音声信号がAV SW10とSCART(Syndicat des Constructeurs d'Appareils Radiorecepteurs et Televiseurs)1、2インタフェイスを介して入出力される。AV SW10は、スピーカ15へ出力する音声信号と、スケーラ(Scaler)13へ出力する映像信号を切り替える。
【0035】
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)レシーバ12は、外部映像機器から入力されるコンポーネント(Component)信号またはHDMI信号を受信して、スケーラ13へ出力する。スケーラ13は、AV SW10またはHDMIレシーバ12から入力される映像信号に対して、画像サイズ変換や画質調整等の画像処理を行った後、該映像信号をLVDS(Low Voltage Differential Signaling)信号に変換して、LCD(Liquid Crystal Display)モジュール14へ出力する。LCDモジュール14は、入力されるLVDS信号に基づいて映像を表示する。LCDモジュール14に表示される映像としては、各番組に対応する映像、外部映像機器からの入力映像、EPG画面、メニュー画面、および各種設定画面等がある。スピーカ15は、入力される音声信号に基づいて音声を出力する。スピーカ15から出力される音声としては、各番組に対応する音声および外部映像機器からの入力音声等がある。
【0036】
操作キー16は、デジタル放送受信装置100の本体前面に設置された操作パネルとリモートコントローラにそれぞれ設けられている。操作キー16には、例えばチャンネルキー、チャンネルアップ/ダウンキー、メニューキー、十字キー、決定キー、および音量キー等の各種キーがある。操作キー16で所定の操作をすることで、各チャンネルの選局を指示したり、視聴できないように制限する視聴制限番組を指定したり、各機能を設定したり、情報を入力したりする等の入力処理を行うことができる。
【0037】
マイコン11は、操作キー16の操作により視聴制限番組が指定されると、該視聴制限番組の番組情報をメモリ17の所定領域に設けられた視聴制限DBに格納(記憶)することにより、該視聴制限番組を登録する。そして、マイコン11は、視聴制限DBに格納された視聴制限情報に基づいて、各チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する。また、マイコン11は、視聴制限番組を視聴できないようにロックする。視聴制限番組のロックとは、視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号のプロセッサ6とオーディオDAC7による出力を停止することにより、視聴制限番組に対応する映像と音声のLCDモジュール14とスピーカ15による出力を停止して、視聴制限番組を視聴できないようにすることである。マイコン11は、メモリ17を用いて各視聴制限番組をロックした回数を計数する。また、マイコン11は、操作キー16の操作によりデジタル放送受信装置100の管理者が設定した各種情報が入力されると、該情報をメモリ17の所定領域に設けられた管理者DBに格納する。管理者DBには、管理者の識別コード、視聴制限を解除するパスワード、および視聴制限年齢等の各種設定情報が格納されている。
【0038】
上記構成において、チューナ3とデモジュレータ4とマイコン11は、本発明における選局手段の一実施形態を構成する。デモジュレータ4とプロセッサ6とオーディオDAC7は、本発明における信号出力手段の一実施形態を構成する。プロセッサ6とマイコン11は、本発明における検出手段の一実施形態を構成する。マイコン11は、本発明における判定手段の一実施形態を構成する。マイコン11とメモリ17は、本発明における登録手段と計数手段の一実施形態を構成する。メモリ17は、本発明における記憶手段の一実施形態を構成する。スケーラ13とLCDモジュール14とスピーカ15は、本発明における映像音声出力手段の一実施形態を構成する。プロセッサ6とマイコン11とスケーラ13とLCDモジュール14は、本発明における一覧表示手段の一実施形態を構成する。操作キー16は、本発明における選局指示手段と番組指定手段の一実施形態を構成する。
【0039】
図2は、番組情報取得処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、マイコン11がデジタル放送受信装置100の各部を制御して実行する。デジタル放送受信装置100が起動した時にまたは一定期間が経過する毎(定期的)に、マイコン11は予め設定された番組情報取得タイミングになったと判断する(ステップS1:YES)。デジタル放送受信装置100が起動した時とは、デジタル放送受信装置100の電源スイッチがONされて、各部が起動した時のことである。一定期間が経過する毎とは、前回の番組情報取得タイミングから、例えば1週間(24時間×7日=168時間)または1週間より短い期間が経過した時のことである。番組情報取得タイミングは、デジタル放送受信装置100の製造段階で予め設定されているが(初期タイミング)、ユーザがLCDモジュール14に表示される各種設定画面に従って操作キー16を操作することで、自由に設定し変更することができる。
【0040】
そして、マイコン11は、番組情報取得タイミングになったときに選局中のチャンネルの放送信号より検出したTSのSIから、EITを検出する(ステップS2)。上記選局中のチャンネルとは、予め設定された初期チャンネル、前回電源を切断する直前まで選局していたチャンネル、またはユーザが操作キー16を操作して選択したチャンネル等のことである。そして、マイコン11は、EITから各チャンネルの一定期間の番組情報を検出して(ステップS3)、該番組情報をメモリ17の番組情報DBに格納し(ステップS4)、処理を終了する。具体的には、マイコン11は、EITから各チャンネルの1週間分の番組情報を検出して、番組情報DBに格納する。このとき、番組情報DBに古い番組情報が格納されている場合は、該古い番組情報に新しく検出した番組情報を上書きして、番組情報DB内の番組情報を更新する。
【0041】
図3は、視聴制限設定処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、マイコン11がデジタル放送受信装置100の各部を制御して実行する。デジタル放送受信装置100が起動して、例えば図4に示すように6チャンネルで放送されている現在の番組に対応する映像と音声がLCDモジュール14とスピーカ15から出力されているときに、ユーザが該番組を視聴して、操作キー16を操作することにより視聴制限番組として指定すると(図3のステップS11:YES)、マイコン11は該番組をロックし、即ち視聴制限番組として指定された番組に対応する映像と音声のLCDモジュール14とスピーカ15からの出力を停止して、該番組の視聴を禁止(視聴できないように)し(ステップS13)、該番組を視聴できなくなったことをLCDモジュール14により通知する(ステップS14)。このとき、例えば図5に示すようにLCDモジュール14には、6チャンネルで放送されている現在の番組に対応する映像に代えて、ブラックバック画面と、視聴制限がかけられたため該現在の番組を視聴できないことを示すメッセージとが表示され、スピーカ15からは音声が全く出力されなくなる。そして、マイコン11は、視聴制限番組として指定された番組の番組情報をメモリ17の番組情報DBから読み出して視聴制限DBに格納することにより、該視聴制限番組を登録し(図3のステップS15)、処理を終了する。なお、視聴制限番組のロック中に、ユーザが操作キー16を操作して、管理者により予め設定されたパスワードを入力すると、マイコン11は該番組のロックを解除する、即ち該番組に対応する映像と音声をLCDモジュール14とスピーカ15から出力し、該番組の視聴を許可(視聴できるように)する。
【0042】
また、デジタル放送受信装置100が起動して、例えば図6に示すようなEPGがLCDモジュール14に表示されているときに、ユーザが操作キー16を操作することによりいずれかの番組を視聴制限番組として指定すると(図3のステップS11:NO、ステップS12:YES)、マイコン11は、その視聴制限番組として指定された番組の番組情報をメモリ17の番組情報DBから読み出して視聴制限DBに格納することにより、該視聴制限番組を登録し(ステップS15)、処理を終了する。図6では、ある日の各チャンネルで放送される番組の一覧表の一部を示している。各番組の欄には、番組名や題名や内容等の簡易な番組情報が表示されている。操作キー16を操作して、いずれかの番組が選択(クリック)されると、該番組の詳細な番組情報が別枠で表示される。また、視聴制限番組として指定された番組は、他の番組と異なる形態(背景色の変更やハイライト表示等、図6ではハッチング)で表示されている。
【0043】
上記のように視聴制限設定処理を終了すると、メモリ17の視聴制限DBには、例えば図7に示すように視聴制限番組の番組情報が格納されて、視聴制限番組が登録された状態となる。図7では、視聴制限DBに各視聴制限番組の番組情報として、番組名と番組関連情報が対応付けて格納されている。番組関連情報には、番組の放送時間帯、放送チャンネル(CH No.)、題名、ジャンル等が含まれている。
【0044】
図8は、チャンネル選局処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、マイコン11がデジタル放送受信装置100の各部を制御して実行する。デジタル放送受信装置100の起動中に、ユーザがチャンネルキーやチャンネルアップ/ダウンキー等の操作キー16を操作して、またはユーザが図6に示したようなEPGを見ながら操作キー16を操作して、いずれかのチャンネルの選局を指示すると(図8のステップS21:YES)、マイコン11は、該チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報をメモリ17の番組情報DBから読み出す。このとき、選局中のチャンネルの放送信号より検出したTSのEITから、選局を指示された現在の番組の番組情報を検出するようにしてもよい。そして、マイコン11は、選局を指示されたチャンネルの現在の番組の番組情報と、メモリ17の視聴制限DBに登録されている視聴制限番組の番組情報とを参照して(ステップS22)、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する(ステップS23)。このときマイコン11は、例えば上記現在の番組と視聴制限番組の番組名の一致を確認して、番組名が一致すれば、上記現在の番組が視聴制限番組であると判断し(ステップS23:YES)、番組名が一致しなければ、上記現在の番組が視聴制限番組でないと判断する(ステップS23:NO)。これ以外に、例えば上記現在の番組と視聴制限番組のジャンルの一致または番組情報に含まれる複数の情報の少なくとも2つ以上の一致を確認して、一致すれば、上記現在の番組が視聴制限番組であると判断し、一致しなければ、上記現在の番組が視聴制限番組でないと判断するようにしてもよい。
【0045】
マイコン11は、選局を指示されたチャンネルの現在の番組が視聴制限番組であると判断すると(ステップS23:YES)、該チャンネルを選局して(ステップS24)、現在の番組をロックし、即ち該番組に対応する映像と音声のLCDモジュール14とスピーカ15からの出力を停止して、該番組の視聴を禁止し(ステップS25)、該番組を視聴できないことをLCDモジュール14により通知して(ステップS26)、処理を終了する。このとき、例えば図5に示したようにLCDモジュール14には、選局中のチャンネルで放送されている現在の番組に対応する映像に代えて、ブラックバック画面と、視聴制限がかけられたため該現在の番組を視聴できないことを示すメッセージとが表示され、スピーカ15からは音声が全く出力されなくなる。
【0046】
また、マイコン11は、選局を指示されたチャンネルの現在の番組が視聴制限番組でないと判断すると(ステップS23:NO)、メモリ17の管理者DBを検索して、視聴制限年齢が予め設定されているか否かを判定する(ステップS27)。そして、マイコン11は、視聴制限年齢が予め設定されて管理者DBに格納されていると(ステップS27:YES)、選局を指示されたチャンネルの現在の番組のレイティング情報をメモリ17の番組情報DBから読み出す。このとき、放送信号より検出したTSのEITから、上記現在の番組のレイティング情報を検出するようにしてもよい。そして、マイコン11は、上記視聴制限年齢と現在の番組のレイティング情報とを参照して(ステップS28)、該視聴制限年齢がレイティング情報で示されるレイティング設定年齢以下であるか否かを判定する(ステップS29)。このとき、マイコン11は、視聴制限年齢がレイティング設定年齢以下であれば(ステップS29:YES)、指示されたチャンネルを選局して(ステップS24)、現在の番組をロックし(ステップS25)、該番組を視聴できないことを通知して(ステップS26)、処理を終了する。
【0047】
また、マイコン11は、視聴制限年齢が予め設定されて管理者DBに格納されていなかったり(ステップS27:NO)、設定されていた視聴制限年齢が選局を指示されたチャンネルの現在の番組のレイティング設定年齢より高かったり(ステップS29:NO)すると、指示されたチャンネルを選局して(ステップS30)、現在の番組をロックせず、即ち該番組に対応する映像と音声をLCDモジュール14とスピーカ15から出力して、該番組の視聴を許可し(ステップS31)、処理を終了する。このとき、図4に示したように選局中のチャンネルで放送されている現在の番組に対応する映像がLCDモジュール14に表示され、該現在の番組に対応する音声がスピーカ15から出力される。
【0048】
図9〜図11は、他の実施形態を示す図である。図9に示す視聴制限設定処理と図11に示すチャンネル選局処理とは、マイコン11がデジタル放送受信装置100の各部を制御して実行する。図9および図11中、図3および図8と同一ステップには同一符号を付している。
【0049】
先ず図9の視聴制限設定処理において、マイコン11は、ユーザにより視聴中の番組が視聴制限番組として指定されて(ステップS11:YES)、該番組をロックし(ステップS13)、該番組を視聴できないことを通知すると(ステップS14)、またはユーザによりEPGからいずれかの番組が視聴制限番組として指定されると(ステップS12:YES)、メモリ17の視聴制限DBを検索して、該番組が視聴制限番組として既に登録済みであるか否かを判定する(ステップS41)。マイコン11は、ステップS41での判定の結果、指定された番組が視聴制限DBに未だ登録されていなければ、該番組の番組情報をメモリ17の番組情報DBから読み出して、図10に示す視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bに格納することにより、該番組を一時的視聴制限番組として登録する(図9のステップS42)。そして、マイコン11は、指定された番組を現在ロック中であれば(ステップS43:YES)、ロック回数として1回を、図10に示すように視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bの該番組の番組関連情報に含めて記録し(図9のステップS44)、処理を終了する。また、マイコン11は、指定された番組を現在ロック中でなければ(ステップS43:NO)、ロック回数として0回を、視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bの該番組の番組関連情報に含めて記録し(ステップS45)、処理を終了する。
【0050】
また、マイコン11は、ステップS41での判定の結果、指定された番組が視聴制限DBに一時的視聴制限番組として既に登録済みであって、該番組を現在ロック中であれば(ステップS46:YES)、視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bに格納されている該番組のロック回数に1を加算して(ステップS47)、該ロック回数を更新する。そして、マイコン11は指定された番組のロック回数が予め設定された一定回数以上であるか否かを判定する(ステップS48)。また、マイコン11は、ステップS41で指定された番組が視聴制限DBに一時的視聴制限番組として既に登録済みであって、該番組を現在ロック中でなければ(ステップS46:NO)、該番組のロック回数が一定回数以上であるか否かを判定する(ステップS48)。そして、マイコン11は、指定された番組のロック回数が一定回数未満であれば(ステップS48:NO)、処理を終了する。また、マイコン11は、指定された番組のロック回数が一定回数以上であれば(ステップS48:YES)、該番組の番組情報を図10に示す視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bから継続的視聴制限領域17aへ移動することにより、該番組を継続的視聴制限番組として登録し(ステップS49)、処理を終了する。また、マイコン11は、ステップS41での判定の結果、指定された番組が視聴制限DBに継続的視聴制限番組として既に登録済みであれば、ステップS42〜S49を実行することなく処理を終了する。
【0051】
次に図11のチャンネル選局処理において、マイコン11は、ユーザによりいずれかのチャンネルの選局が指示されると(ステップS21:YES)、該チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、視聴制限DBに登録されている視聴制限番組の番組情報とを参照して(ステップS22)、例えば番組名の一致を確認することにより、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する(ステップS51)。マイコン11は、ステップS51で選局を指示されたチャンネルの現在の番組が継続的視聴制限番組であると判断すると、該チャンネルを選局して(ステップS24)、該番組をロックし(ステップS25)、該番組を視聴できないことを通知する(ステップS26)。そして、マイコン11は、上記現在の番組が一時的視聴制限番組でないため(ステップS53:NO)、処理を終了する。
【0052】
また、マイコン11は、ステップS51で選局を指示されたチャンネルの現在の番組が一時的視聴制限番組であると判断すると、該現在の番組の放送時間帯と、視聴制限DBに登録されている一時的視聴制限番組の放送時間帯(EPGから指定された視聴制限番組の特定の放送時間帯)とが一致しているか否かを判定する(ステップS52)。そして、マイコン11は、上記現在の番組と一時的視聴制限番組の放送時間帯が一致していれば(ステップS52:YES)、指示されたチャンネルを選局して(ステップS24)、現在の番組をロックし(ステップS25)、該番組を視聴できないことを通知する(ステップS26)。そして、マイコン11は、上記現在の番組が一時的視聴制限番組であるため(ステップS53:YES)、視聴制限DBの一時的視聴制限領域17bに格納されている該番組のロック回数に1を加算して(ステップS54)、該ロック回数を更新し、処理を終了する。
【0053】
また、マイコン11は、ステップS51で選局を指示されたチャンネルの現在の番組が視聴制限番組でないと判断したり、ステップS52で該現在の番組と一時的視聴制限番組の放送時間帯が一致しないと判断したり(ステップS52:NO)すると、視聴制限年齢が予め設定されているか否かを判定する(ステップS27)。そして、マイコン11は、視聴制限年齢が予め設定されていて(ステップS27:YES)、該視聴制限年齢と現在の番組のレイティング情報とを参照した(ステップS28)結果、該視聴制限年齢が現在の番組のレイティング設定年齢以下であれば(ステップS29:YES)、上述したようにステップS24以降を実行して、処理を終了する。また、マイコン11は、視聴制限年齢が予め設定されていなかったり(ステップS27:NO)、視聴制限年齢が現在の番組のレイティング設定年齢より高かったり(ステップS29:NO)すると、指示されたチャンネルを選局して(ステップS30)、現在の番組をロックせず(ステップS31)、処理を終了する。
【0054】
以上によれば、ユーザが現在視聴している特定の番組またはEPGに一覧表示された一定期間に放送される番組のうちの特定の番組を、操作キー16により視聴制限番組として指定するだけで、この時視聴中であったその番組や以降に放送されるそれと同様(同名等)の番組に対応する映像と音声の出力が停止されて、該番組が視聴できなくなるので、特定の番組に容易に視聴制限をかけて、利便性を高めることができる。
【0055】
また、図2に示したように各チャンネルの一定期間の番組情報の検出を、予め設定された番組情報取得タイミングで行うことで、視聴制限番組の登録(図3のステップS15または図9のステップS42、S49)前および視聴制限番組の判定(図8のステップS23および図11のステップS51等)前に、該番組情報をメモリ17の番組情報DBに格納し、該番組情報を更新して正確に保持することができる。特に、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出と番組情報DBへの格納を、起動時または該一定期間毎若しくは該一定期間より短い期間毎に行うことで、視聴制限番組の登録前および視聴制限番組の判定前に、該番組情報を確実に番組情報DBに格納して更新し、常に正確に保持することができる。
【0056】
このため、視聴制限番組の登録時に、TSのEITから視聴制限番組の番組情報を検出する手間を省いて、該番組情報をメモリ17の番組情報DBから視聴制限DBに迅速かつ正確に移動させて登録することができる。また、視聴制限番組の判定時に、TSのEITから現在の番組の番組情報を検出する手間を省いて、メモリ17の番組情報DBに格納された現在の番組の番組情報と視聴制限DBに格納された視聴制限番組の番組情報とを参照し、現在の番組が視聴制限番組であるか否かを迅速かつ正確に判定することができる。また、その判定結果に基づいて、チャンネルの選局時に該チャンネルの現在の番組に対応する映像と音声の出力を実行し(非ロック状態)または停止する(ロック状態)までにかかる時間を短縮することができる。また、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出と格納を起動時に行って、以降の駆動中に行わないようにすることで、以降の駆動中に該処理にかかる手間を省くことができる。さらに、各チャンネルの一定期間の番組情報の検出と格納を定期的に行う期間を該一定期間と等しくすることで、該処理の実行頻度を減少させて、該処理にかかる時間と負担を軽減することができる。
【0057】
さらに、図9〜図11に示したようにすると、ユーザが視聴制限番組として指定した特定の番組のうち、ロック回数が一定回数未満である同名の番組(一時的視聴制限番組)に対して、指定した特定の放送時間帯にだけ一時的に視聴制限をかけて、視聴できないようにし、かつ、ロック回数が一定回数以上である同名の番組(継続的視聴制限番組)に対して、以降の全ての放送時間帯に継続的に視聴制限をかけて、視聴できないようにし、利便性を高めることができる。
【0058】
本発明は、以上述べた実施形態以外にも種々の形態を採用することができる。例えば、以上の実施形態では、DVB SI規格に準拠したデジタル放送を受信して、各チャンネルの放送番組の映像と音声を表示するテレビジョン受像機から成るデジタル放送受信装置100に、本発明を適用した例を挙げたが、本発明はこれのみに限定するものではない。これ以外に、本発明は、例えば少なくともDVB SI規格またはその他の規格に準拠したデジタル放送を受信する、テレビジョン受像機、光ディスクレコーダ、ハードディスクレコーダ、セットトップボックス、またはこれらの少なくとも2つが一体になったAV複合装置等のような、デジタル放送受信装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】デジタル放送受信装置のブロック図である。
【図2】番組情報取得処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】視聴制限設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】LCDモジュールの表示画面の一例を示す図である。
【図5】LCDモジュールの表示画面の一例を示す図である。
【図6】EPGの一例を示す図である。
【図7】視聴制限DBの格納情報の一例を示す図である。
【図8】チャンネル選局処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】視聴制限設定処理の他の実施形態を示すフローチャートである。
【図10】視聴制限DBの他の実施形態を示す図である。
【図11】チャンネル選局処理の他の実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
3 チューナ
4 デモジュレータ
6 ハイブリッドプロセッサ
7 オーディオDAC
11 マイクロコンピュータ
13 スケーラ
14 LCDモジュール
15 スピーカ
16 操作キー
17 メモリ
100 デジタル放送受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送の各チャンネルを選局し、各チャンネルの放送信号を受信する選局手段と、各チャンネルの選局を指示する選局指示手段と、放送信号を処理して各チャンネルで放送されている番組に対応する映像信号と音声信号を出力する信号出力手段と、放送信号を処理して各チャンネルで放送される番組の番組情報を検出する検出手段とを備えたデジタル放送受信装置において、
視聴できないように制限する視聴制限番組を指定する番組指定手段と、
前記番組指定手段により指定された視聴制限番組の番組情報を記憶することにより、該視聴制限番組を登録する登録手段と、
各チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、前記登録手段に登録された視聴制限番組の番組情報とを参照して、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記番組指定手段による視聴制限番組の指定時に、指定された視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号が前記信号出力手段により出力中である場合と、前記選局指示手段により指示されたチャンネルの選局時に、該チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組である場合とに、該番組に対応する映像信号と音声信号の前記信号出力手段による出力を停止することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のデジタル放送受信装置において、
前記番組指定手段は、前記信号出力手段により出力中である映像信号と音声信号に対応する番組を、視聴制限番組として指定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のデジタル放送受信装置において、
前記検出手段は、各チャンネルで一定期間に放送される番組の番組情報を検出し、
前記検出手段により検出された番組情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された番組情報に基づいて、各チャンネルで一定期間に放送される番組を一覧表示する一覧表示手段と、を備え、
前記番組指定手段は、前記一覧表示手段により一覧表示された番組の中から、いずれかの番組を視聴制限番組として指定することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項4】
請求項3に記載のデジタル放送受信装置において、
予め設定されたタイミングで、前記各チャンネルの一定期間の番組情報を、前記検出手段により検出して、前記記憶手段に記憶することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のデジタル放送受信装置において、
前記番組情報は少なくとも番組名を含むことを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のデジタル放送受信装置において、
前記視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の前記信号出力手段による出力停止回数が一定回数未満の場合は、前記番組指定手段により指定された該視聴制限番組の特定の放送時間帯にだけ、該視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の前記信号出力手段による出力を停止し、前記視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数以上の場合は、該視聴制限番組の全ての放送時間帯に、該視聴制限番組に対応する映像信号と音声信号の前記信号出力手段による出力を停止することを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項7】
DVB SI(Digital Video Broadcast Service Information)規格に準拠したデジタル放送の各チャンネルを選局し、各チャンネルの放送信号を受信する選局手段と、各チャンネルの選局を指示する選局指示手段と、放送信号を処理してTS(Transport Stream)を出力し、TSを処理して各チャンネルで放送されている番組に対応する映像信号と音声信号を出力する信号出力手段と、TSからEIT(Event Information Table)を検出し、EITから各チャンネルで放送される番組の番組情報を検出する検出手段と、映像信号に基づく映像と音声信号に基づく音声を出力する映像音声出力手段とを備えたデジタル放送受信装置において、
前記検出手段は、起動時または定期的に、各チャンネルで一定期間に放送される番組の少なくとも番組名を含む番組情報を検出し、
前記検出手段により検出された番組情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された番組情報に基づいて、各チャンネルで一定期間に放送される番組を一覧表示する一覧表示手段と、
前記映像音声出力手段により対応する映像と音声が出力されて現在視聴中にある番組または前記一覧表示手段により一覧表示された番組のうちのいずれかの番組を、視聴できないように制限する視聴制限番組として指定する番組指定手段と、
前記番組指定手段により指定された視聴制限番組の番組情報を記憶することにより、該視聴制限番組を登録する登録手段と、
各チャンネルで放送されている現在の番組の番組情報と、前記登録手段に登録された視聴制限番組の番組情報とを参照して、番組名の一致を確認することにより、該現在の番組が視聴制限番組であるか否かを判定する判定手段と、を備え、
前記番組指定手段による視聴制限番組の指定時に、指定された視聴制限番組が視聴中である場合と、前記選局指示手段により指示されたいずれかのチャンネルの選局時に、該チャンネルで放送されている現在の番組が視聴制限番組である場合とに、該番組に対応する映像と音声の前記映像音声出力手段による出力を停止して、該番組を視聴できないようにすることを特徴とするデジタル放送受信装置。
【請求項8】
請求項7に記載のデジタル放送受信装置において、
前記視聴制限番組に対応する映像と音声の前記映像音声出力手段による出力停止回数を計数する計数手段を備え、
前記番組情報には放送時間帯が含まれ、
前記視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数未満の場合は、前記番組指定手段により指定された該視聴制限番組の特定の放送時間帯にだけ、該視聴制限番組に対応する映像と音声の前記映像音声出力手段による出力を停止し、前記視聴制限番組の前記出力停止回数が一定回数以上の場合は、該視聴制限番組の全ての放送時間帯に、該視聴制限番組に対応する映像と音声の前記映像音声出力手段による出力を停止することを特徴とするデジタル放送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−294866(P2008−294866A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139759(P2007−139759)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】