デスク
【課題】配線区間と天板本体の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に形成可能なデスクを提供する。
【解決手段】天板本体10の一部に湾曲した開口縁Keを有する開口Koを形成することで天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能とし、開口縁Keに沿って湾曲する湾曲縁部たる内周縁11bを有する配線蓋11により閉止される前記開口を開閉可能にした。
【解決手段】天板本体10の一部に湾曲した開口縁Keを有する開口Koを形成することで天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能とし、開口縁Keに沿って湾曲する湾曲縁部たる内周縁11bを有する配線蓋11により閉止される前記開口を開閉可能にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板下の配線空間を閉止する配線蓋を適正化したデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデスクは、特許文献1に例示されるように、天板の一部に直線状の開口縁を有する矩形状開口を形成することで天板下に形成される配線空間を天板上方に開放可能とし、この開口を閉止する位置に、開口縁に沿った直線状の縁部を有する矩形状の配線蓋を着脱可能に配置して、この開口を配線取り出し口として利用可能に構成することが通例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−181038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のデスクでは配線蓋が直線状の縁部を有する矩形状をなしているので、配線取り出し口を配置可能な位置が矩形状の枠内に制限されてしまい、天板本体の任意の位置に配線取り出し口を形成するのが難しい。また、配線蓋により閉止されている開口の開閉動作は行いやすいことが求められる。
【0005】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明のデスクは、天板本体の一部に湾曲した開口縁を有する開口を形成することで天板本体下に形成される配線空間を天板本体上方に前記開口を介して開放可能とし、前記開口縁に沿って湾曲する湾曲縁部を有する配線蓋により閉止される開口を開閉可能にしたことを特徴とする。
【0008】
配線蓋により閉止される開口を開閉可能にするには、例えば開口を閉止する位置に配線蓋自体を着脱可能又は開閉可能にするほか、開口を閉止する位置に配置される配線蓋に形成される窓部を開閉可能にすることが含まれる。
【0009】
このように、配線蓋の形状を湾曲させることで、配線空間と天板本体の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。しかも、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を天板本体に支持させた状態で回転させながら片開きした場合には、配線蓋の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくすることが可能となる。また、配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。また、矩形状の配線蓋の直線縁部を支持した状態で片開きした場合に比して回転半径が広がる部位が生じる場合があり、配線の出し入れのための開口を広げて配線作業性を向上させることが可能となる場合がある。
【0010】
配線蓋をより一層開けやすくするためには、配線蓋が円弧状に湾曲した内周側縁部と外周側縁部とを有する扇形をなし、配線蓋の外周側又は内周側に設定した被支持部が天板本体もしくは天板本体を支持するパネルもしくは天板本体との間に開口を形成する部材に設定した支持部に支持されていることが好ましい。
【0011】
配線蓋の操作性を更に向上させるためには、前記配線蓋は、反使用縁側の端部を自由端として使用縁側に設定した前記被支持部が前記支持部に支持されていることが望ましい。
【0012】
配線蓋の開閉を的確に行うためには、前記被支持部と前記支持部との間が回転支持部を介して接続されていることが好ましい。
【0013】
配線蓋の上面と天板本体の上面とにズレが生じることを抑制又は防止して、天板面を略面一に保持するためには、配線蓋の下方に向かう回転動作を、配線蓋に設定した静止面を天板本体の一部に突き当てることにより規制して配線蓋の閉止位置を規定する閉止位置規定部を設けていることが効果的である。
【0014】
簡易な構成で配線蓋を開口の閉止する位置に配置するためには、配線蓋の被支持部である下面が、天板本体の一部に形成した上向面に着脱可能に支持されていることが望ましい。
【0015】
全体として統一感を得るためには、天板本体が扇形をなし、前記配線蓋が前記天板本体の湾曲縁部に沿った扇形をなしていることが好ましい。
【0016】
配線蓋の強度を得つつ被支持部を設けるためには、配線蓋が、天板上面と略面一に配置される面板部と、この面板部から湾曲縁部に沿って垂下する垂下部とを有する樹脂一体成型体であることが効果的である。
【0017】
天板面を拡張するためには、配線蓋の外周側縁部に軟質樹脂が取り付けてあることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のデスクは、以上説明したように、配線蓋の形状を湾曲させることで、配線空間と天板本体の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。また、例えば配線蓋の縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のデスクシステム全体を示す斜視図。
【図2】同デスクシステムを構成するデスク及びデスク同士の連結部位を模式的に示す斜視図。
【図3】同デスクの扇形天板の連結部分を示す斜視図。
【図4】同デスクシステムの扇形天板下の構成を模式的に示す平面図。
【図5】図4におけるA1−A1部位断面図。
【図6】図4におけるA2−A2部位断面図。
【図7】図4におけるA3−A3部位断面図。
【図8】図4におけるA4−A4部位断面図。
【図9】同実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図10】同実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図11】同実施形態において扇形天板の卓上空間を仕切る左右仕切パネルの取り付け部を示す構成図。
【図12】同デスクシステムを構成する湾曲パネルの製法に関する説明図。
【図13】図4におけるA7−A7部位断面図。
【図14】本発明の他の実施形態に係る天板下の構成を示す構成図。
【図15】本発明の上記以外の実施形態に係る天板本体及び配線蓋の周辺構成を示す構成図。
【図16】本発明の上記以外の実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図17】配線蓋の支持構造を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図2に示すように、本発明の一実施形態のデスクシステムDSを構成するデスクDは、扇形天板1と、この扇形天板1を支持する天板支持ユニット2とを主体とするもので、天板支持ユニット2は、互いに離間して放射状に配置された一対の天板支持パネル20・20(天板支持パネル20・20は扇形天板1の中心回りに放射状に配置されている)と、対をなす天板支持パネル20・20を連結する天板支持パネル連結材3とを含んで構成され、天板支持ユニット2上に扇形天板1を左右にオーバーハングした状態で載置することで左右の天板支持パネル20・20間に下肢空間Pを形成している。なお、図5〜図8に示すように、天板支持パネル20の下端面20aの奥行き方向(放射方向)両端部に脚部20sが設けられている。
【0022】
デスクシステムDSは、図1、図2及び図4に示すように、複数のデスクDを組み合わせてなるもので、各々のデスクDの扇形天板1の側縁1e同士を突き合わせた状態で扇形天板1を連ねて少なくとも一箇所が途切れた環状テーブルとし、デスクD同士をユニット連結材4により互いに連結して構成されている。環状テーブルを構成する扇形天板1のうち端部となる扇形天板1下には、内向き収納空間S2が形成されているとともに、この扇形天板1下の空間を側方から隠蔽可能な対をなすエンドパネル73・73が取り付けられて、環状テーブルの外部と内部との出入り口が構成されている。詳細は後述する。
【0023】
デスクシステムDSは、ワーカーが外周側に向かって執務するように環状テーブルの内周縁1bを使用縁に設定している。図1では、環状テーブルの内周に円卓等のテーブルTを配置して複数ワーカーで簡易会議を行えるようにしている。このデスクシステムDSでは、図4に示すように、連ねた扇形天板1下が放射方向に配置した天板支持パネル20によって湾曲方向に沿って複数の区画(例えばK1〜K7)に仕切られ、湾曲方向に沿って一つおきの区画(K2,K4,K6)に下肢空間Pが構成されているとともに、他の区画の一部(K1,K3,K7)の外周側に開放された外向きの収納空間S1が形成され、他の残りの区画(K5)の内周側に開放された内向きの収納空間S2が形成されている。これら外向きの収納空間S1及び内向きの収納空間S2は、図2に示すように扇形天板1のオーバーハング領域Arの下方に、隣接する天板支持ユニット2の天板支持パネル20間に棚板50を架け渡すことによって形成されている。すなわち、図2及び図4に示すように、一つの執務範囲は一枚の扇形天板1毎に設定され、隣り合う執務範囲の境界である天板1の側端1eの突合せ係合部(オーバーハング領域Ar)の下の収納空間(S1,S2)を配置している。天板執務範囲の下方はイスに座った執務者の下半身が位置する下肢空間Pである、下肢空間Pと収納空間(S1,S2)は天板支持パネル20で仕切られている。この天板支持パネル20は、下肢空間Pを挟んで対をなして向かい合っているとともに、収納空間(S1,S2)を挟んで対をなして向かい合っている。なお、収納空間(S1,S2)に配置される棚板50を取り外して、ワゴンを入れるという使用態様も可能である。
【0024】
具体的に説明すると、図2、図4〜図7に示すように下肢空間Pを形成する左右の天板支持パネル20・20の間には、天板支持パネル連結材3の一つとして扇形天板1の外周縁1cに沿った形状の幕板とも呼ばれる奥行き仕切パネル30が配置されて下肢空間Pを奥行き方向に仕切っている。天板支持パネル20のうち奥行き仕切パネル30を取り付ける部位には、図2に示すように、厚み方向に貫通する貫通孔20hが設けられており、奥行き仕切パネル30の側端面30eを天板支持パネル20の貫通孔20hに突き当てた状態に配置して、収納空間S1(S2)側から貫通孔20hに挿入したボルトやネジ等の止着具voにより奥行き仕切パネル30を天板支持パネル20に固定している。この奥行き仕切パネル30は、図4〜図6に示すように、左右の天板支持パネル20が奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)に延出するように天板支持パネル20の外周縁20cから内周側に離間した位置に配置されており、図5及び図6に示すように、左右の天板支持パネル20と奥行き仕切パネル30とで部分的に囲まれる位置において左右の天板支持パネル20・20間に板材51を架け渡すことにより外向きの物品載置空間S3を形成している。この物品載置空間S3は、上記外向き収納空間S1に対し第二の外向き収納空間とも言える。この物品載置空間S3を形成する板材51は、天板支持パネル20に設けた図示しない孔等の取付部に取り付けたフックに載置されて保持されている。この物品載置空間S3を形成する板材51は、図5及び図6に例示するように、載置する物品や用途に応じて設置数やその高さ位置が適宜設定されている。勿論、物品載置空間S3を形成する板材51をボルトやネジ等の止着具を介して天板支持パネル20に固定して板材51を天板支持パネル連結材3として用いてもよい。この場合、天板支持ユニット2の連結強度を向上させることが可能となる。なお、奥行き仕切パネル30は、扇形天板1の外周縁1cに沿って湾曲した形状をなしているが、奥行き仕切パネルを湾曲しない面状のものにしてもよい。
【0025】
また、対をなす天板支持パネル20・20の間には、図6に示すように、天板支持パネル連結材3の一つとして扇形天板1の外周縁に沿った形状のパネル下縁材である巾木31が配置され、この巾木31によって左右の天板支持パネル20・20の外周縁20c且つ下端部同士がネジ等の止着具を介して連結されている。この巾木31は、上記の物品載置空間S3を形成する板材51の下端面51aをその上面31dで支持して、板材51に載置される物品の荷重を支持している。この巾木31は、床と板材51の境目となる継ぎ目で、板材51の最下部に取り付けられる細い横板であり、汚れたり壊れたりしやすい板材51の下部を保護するものである。
【0026】
本実施形態のデスクシステムDSには、図4に示すように、上記物品載置空間S3が複数箇所に形成されているが、一部の物品載置空間S3については、図4及び図5に示すように、奥行き仕切パネル30の外方(外周側)に、扇形天板1の外周縁1cに沿った形状をなす外側パネル32を着脱可能又は開閉可能に天板支持パネル20に取り付けることで物品載置空間S3の外周側を閉止し、物品載置空間S3を奥行き方向のいずれの方向からも隠蔽している。この外側パネル32は、図5に示すように例えば天板1下の配線空間S4と物品載置空間S3とを電気的に接続するコンセントタップCTや配線Li等の目隠し材として利用可能である。この物品載置空間S3を形成する板材51には、図5に示すように、配線Liを通すための上下方向の貫通口51hが形成されている。
【0027】
図5〜図8に示すように、天板支持ユニット2を構成する起立した天板支持パネル20・20同士間には、扇形天板1よりも低い位置に扇形天板1に対向する配線棚60がその湾曲方向側端を天板支持パネル20に突き当てた状態で配置され、扇形天板1と配線棚60との間に配線空間S4が形成されている。また、扇形天板1の外周縁1cに沿って湾曲する板状の湾曲ビーム61が扇形天板1の外周縁1cを包囲し且つ扇形天板1の高さ位置を含む高さ位置に扇形天板1との間に所定隙間を隔てた状態に配置されており、天板支持パネル20の外周縁20cが湾曲ビーム61に突き当てられた状態で図示しないL字ブラケットやボルト等の止着具を介して湾曲ビーム61が天板支持パネル20に固定されている。そして、扇形天板1の外周縁1c及び配線棚60の外周縁60cを湾曲ビーム61に突き当てた位置関係にすることで、湾曲ビーム61が配線空間S4を外周側から隠蔽する配線隠しの役割を果たすとともに、扇形天板1の厚みを隠す目隠し材としての役割を果たすようにしている。勿論、本実施形態では、扇形天板1の上面及び下面の高さ位置を含む高さ位置に湾曲ビームを配置しているが、配線空間S4を外周側から遮蔽するために、扇形天板1の下面の高さ位置を含む高さ位置に湾曲ビームが配置されていればよく、例えば扇形天板1の上面の高さ位置を含まず扇形天板1の下面の高さ位置を含む高さ位置に配置してもよい。すなわち、湾曲ビームが扇形天板1の下面よりも下がっていなければよい。
【0028】
湾曲ビーム61は、図5に示すように、上記の物品載置空間S3の外周側を閉止する外側パネル32と同一曲率で形成されて、外側パネル32と略面一な状態に配置されている。この配線空間S4は、図4〜図8に示すように、扇形天板1、配線棚60、左右の天板支持パネル20及び湾曲ビーム61で包囲された空間であって天板支持パネル20によって左右に分断された状態にある。配線棚60は、図5及び図6に示すように、奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)にオーバーハングしており、左右の天板支持パネル20・20、板材51及び奥行き仕切パネル30で囲まれる物品載置空間S3を上方から遮蔽している。勿論、本実施形態で述べた配線棚60を設けない構成では、扇形天板1を奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)にオーバーハングさせて扇形天板1によって物品載置空間S3を上方から遮蔽するように構成してもよい。また、本実施形態では、扇形天板1は、左右一対の天板支持パネル20に対して、その左右外方及び内周側(使用縁側)の合わせて三方向に大きくオーバーハングしているが、外周側(反使用縁側)にもオーバーハングさせて例えば外側オーバーハング領域の下に書架等を設ける構成も考えられる。この場合でも、扇形天板1のオーバーハング量は、左右外方及び内周側(使用縁側)の三方向の方が外周側(反使用縁側)よりも大きくなる。
【0029】
扇形天板1は、図5〜図8に示すように、起立した天板支持パネル20の上面(20d1,20d2)のうち使用縁側(内周側)の一部の載置面20d1にオーバーハング状態で載置される天板本体10と、天板本体10の反使用縁側(外周側)に略面一に連続して配置される配線蓋11とを含んで構成され、配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cが配線隠しである湾曲ビーム61に閉じられている構造をなしている。図9(a)及び図9(b)に示すように、天板本体10の一部である外周縁10cを開口縁Keとして湾曲ビーム61との間に開口Koを形成し、天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能に構成している。すなわち、湾曲ビーム61は、天板本体10との間に開口Koを形成する部材である。
【0030】
配線蓋11は、図9に示すように、天板本体10の外周縁10c(開口縁Ke)と同じ曲率で円弧状に湾曲した湾曲縁部として内周側縁部(内周縁11b)及び外周側縁部(外周縁11c)を有する扇形をなしており、開口Koを閉止する位置po1に着脱可能に配置されている。具体的には、図9に示すように、反使用縁側(外周側)の端部(外周縁11c)を自由端として使用縁側(内周縁11b側)に設定された支点C1回りに上下方向に回転により開閉可能にヒンジ等の回転支持部11gを介して天板本体10の外周縁10cに取り付けられている。すなわち、配線蓋11の内周側に設定した被支持部(内周縁11b)と天板本体10に設定した支持部(外周縁10c)とが回転支持部11gを介して接続されて、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)が天板本体10の支持部(外周縁10c)に支持されることで、配線蓋11により閉止される配線用の開口Koを開閉可能にしている。回転支持部11gは、配線蓋11の内周円弧11bの途中二箇所に設けられている。一般的な直線状の配線蓋を回転可能に構成した場合には、配線蓋の側端又はその近傍に設定された支点回りに回転することになるものの、本実施形態では、配線蓋11が円弧状に湾曲していることによって配線蓋11のうち回転支持部11g同士の間の部位の回転支点C1が配線蓋11の内周端から更に内周側に変位した位置となり、直線状の配線蓋に比して回転半径が広がる。この場合、同じ回転角度であっても直線状や矩形状の配線蓋に比べて配線空間S4への開口が広くなる。このように配線蓋11を円弧状に形成し、内周側に設定した二箇所の回転支持部11gを結ぶ回転軸C1回りに外周側を自由端として回転させることで、閉止位置po1において配線蓋11が天板本体10下の配線空間S4を上方から遮蔽し、開成位置po2において直線状の配線蓋に比して配線蓋11が閉止位置po1から大きく退避させることが可能となる。この結果、配線空間への配線の出し入れが容易となる。また、配線蓋11の湾曲縁部(内周円弧11b)の途中二箇所を天板本体10に支持させた状態で回転させながら片開きしているので、配線蓋11の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋11の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくしている。また、配線蓋11の湾曲縁部の途中二箇所を支持しているので、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することを可能としている。
【0031】
配線蓋11は、図5、図9(b)及び図10(b)に示すように、面板部11xの湾曲縁部たる内周縁11bから下方(天板支持パネル20側)に延びる垂下部11yが形成されて断面略L字状をなしており、樹脂の一体成型により作製される。配線蓋11は、面板部11xの厚み方向寸法W1を天板本体10の厚み方向寸法W2よりも小さく設定することにより、面板部11xの下面11aと天板支持パネル20の上面20d2(載置面20d1以外の上面)との間に閉止位置po1において天板支持パネル20で仕切られる左右の配線空間S4同士を連絡する横配線用隙間SXが形成される状態で配線蓋11が取り付けられている。図13に示すように、各々のデスクDの天板本体10の下方且つ対をなす天板支持パネル20の間には第一の配線空間S4a(S4)が形成され、突き合わせ状態で連ねた天板本体10のオーバーハング領域Arの下方に第二の配線空間S4b(S4)が形成されており、これら第一の配線空間S4a及び第二の配線空間S4bは、天板支持パネル20で分断される構造であるものの、閉止位置po1において横配線用隙間SXが形成されることによって、図10(b)に示すように配線蓋11を開けた状態で天板支持パネル20の上面(20d1,20d2)のうち天板本体10が載置される載置面20d1以外の上面20d2を乗り越えるように配線Liを引き回し、その後に配線蓋11を閉めても配線蓋11と配線Liとが干渉せず、横配線用隙間SXを介して一方の天板本体10下の配線空間S4から他方の天板本体10下の配線空間S4に配線を引き回し可能にしている。この場合、天板支持パネル20に横配線用の貫通孔や切り欠き等を設ける必要がない。そして、図13に示すように、連ねた天板本体10下の第一及び第二の配線空間S4a・S4bを一連の配線空間として複数の天板本体10に亘って配線Liを引き回す利用形態を実現している。よって、例えば或るデスクDの近くに電力線や通信線等のコンセントがない場合でも他のデスクDから配線Liを引き回して利用することを可能にしている。
【0032】
配線蓋11には、図9(b)に示すように、垂下部11yに静止面11ybが設定されており、配線蓋11が閉止位置po1にあるときに静止面11ybを天板本体10の外周端面10cに突き当てる(接触する)ことで、配線蓋11の下方に向かう回転動作を規制し、閉止位置po1から開成位置po2への開き動作のみを許容し、配線蓋11の閉止位置po1を規定する閉止位置規定部11zを構成している。この閉止位置規定部11zによって配線蓋11に荷重が作用しても配線蓋11が下方に回転せず、配線蓋11の上面11dと天板本体10の上面10dとにズレが生じることを抑制又は防止している。
【0033】
また、閉止位置po1において配線蓋11の垂下部11yの下面11yaを天板支持パネル20の上面20d2で支持するように、配線蓋11と天板支持パネル20との位置関係を規定し、配線蓋11に作用する荷重を天板支持パネル20の上面20d2で支持するように構成してある。この結果、天板本体10と同様に配線蓋11に対して物品を載置しても適切に荷重が支持され卓上領域を広げて有効利用することが可能となる。
【0034】
配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cには、図9(a)及び図10(a)に示すように、軟質樹脂12が取り付けられており、配線蓋11が閉止位置po1にある場合に、配線蓋11と配線隠したる湾曲ビーム61との間に配置された軟質樹脂12によって配線蓋11と湾曲ビーム61との間の配線空間S4の開口を閉止するとともに、一部を弾性変形させることにより閉止状態で扇形天板1の上方から配線空間S4への配線の引き回しを可能としている。配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cには、反使用縁側(外周側)に向けて開口し外周側に向かって幅狭となる取付溝部11mが配線蓋11の外周縁11c全域に亘って形成されており、軟質樹脂12を配線蓋11の側方から湾曲方向にスライドさせながら取付溝部11mに挿入することで、接着剤や取り付け具を要することなく軟質樹脂12を配線蓋11に取り付けている。なお、本実施形態では、配線蓋11は、上下方向に回転により開閉可能に構成されているが、その他の態様として着脱可能にすることや、配線蓋を湾曲方向に沿ったスライドにより開閉可能にすることが挙げられる。スライド開閉する場合には、湾曲方向に沿った左右の配線蓋の曲率を同じにすることで、配線蓋を左右(湾曲方向)に重ねるようにスライドさせることが可能となる。この場合、配線蓋をスライド動作させるためのガイドレールを蓋の上面又は下面に設けると、蓋の端部を押すだけで円滑なスライド動作を実現することが可能となる。
【0035】
図2の扇形天板1(天板本体10)の内周縁1b(10b)には、図5〜図8に示すように、外周側から内周側に向けて幅狭に形成され且つ扇形天板1の内周縁1bに沿う形状に形成された弾性変形可能な扇形エッジ部材13が、環状の中心方向に突出するように扇形天板1の内周縁1bに取り付けてあり、図1及び図2に示すように、扇形天板1を連ねた場合に扇形エッジ部材13同士が円環に沿って突き合わせた状態となる。このように、扇形エッジ部材13が扇形であると、内周側に張り出した部位に荷重が作用しても直線エッジ部材に比して載置荷重を受けた際に扇の内周縁径が変化する方向すなわち上下方向へ撓みにくくなり、例えばアームレスト等の用途に適した荷重に対する強度を確保している。
【0036】
扇形天板1は、図3に示すように、側縁1e同士を突き合わせた状態で連結されるが、各々の側縁部1eの下面に対をなす連結凹部1gを設け、一方の扇形天板1の連結凹部1gから他方の扇形天板1の連結凹部1gまで貫通する連結孔1hが形成されており、ユニット連結材4の一つである図示しないボルト等の止着具をこの連結孔1hに通して両扇形天板1同士を固定している。
【0037】
湾曲ビーム61の上部には、図5〜図8に示すように、上方に開口する上溝部61mが形成されており、図2に示すように、可燒性のあるデスクトップパネル70をこの上溝部61mに嵌め込んで係り合せることで、デスクトップパネル70を弾性により湾曲させた状態で扇形天板1の外周縁1cに沿って起立させて配置している。各デスクD毎に一枚のデスクトップパネル70を起立させて、各々の側縁70e同士を突き合わせた状態で配置することで図1に示すように扇形天板1の外周縁1cに沿って周回するデスクトップパネル70を分割構造で構成している。このデスクトップパネル70には、一部又は全部に半透明な素材を用いて、又は、すりガラスのように半透明になる表面処理が施されて、扇形天板1上の書類に対する機密性が守られるとともに、デスクトップパネル70同士の継ぎ目を目立たなくなるようにしてある。
【0038】
デスクトップパネル70の上縁には、図1及び図2に示すように、湾曲ビーム61と同一曲率の湾曲カバー部材71を設け、この湾曲カバー部材71に湾曲方向に沿って形成された下方に開口する下溝部71mにデスクトップパネル70の上端を嵌め込んで係り合わせることで、平板状のデスクトップパネル70を湾曲カバー部材71及び湾曲ビーム61と同じ曲率で簡単に湾曲させることができ、この湾曲状態を湾曲ビーム61及び湾曲カバー部材71が保持している。上記の湾曲ビーム61及び湾曲カバー部材71はアルミ押出しで精度良く作れる。この湾曲カバー部材71には、湾曲方向沿って複数のLEDを配列したライン照明を設けており、ライン照明71Sに電力を供給するための電力線が湾曲方向に沿って湾曲カバー部材71に内蔵してある。湾曲カバー部材71の側縁部71eには、隣接する湾曲カバー部材71の電力線又はライン照明71S同士を接続するオス型又はメス型のコネクタが配置されており、これらコネクタ同士を嵌め合いにより係り合わせることで湾曲カバー部材71同士の連結強度を向上させている。
【0039】
図2に示すように、扇形天板1のオーバーハング領域Arの下方に棚板50を用いて収納空間S1(S2)を形成する天板支持パネル20・20の間には、図4、図7及び図8に示すように、ユニット連結材4の一つとして扇形天板1の湾曲方向に沿った形状の収納空間仕切パネルとも呼ばれる目隠しパネル80が配置されて、収納空間S1(S2)を奥行き方向に仕切っている。この目隠しパネル80は、扇形天板1の奥行き方向の一端側(内周側)又は他端側(外周側)のいずれにも左右の天板支持ユニット2同士を連結する状態で取り付け可能にされている。この目隠しパネル80は、扇形天板1のオーバーハング領域Ar下の空間を内周側又は外周側のいずれかを閉止する位置で図示しないL字ブラケットやボルト等の止着具を介して天板支持パネル20に固定される。図4及び図8に示すように、扇形天板1のオーバーハング領域Ar下の空間の奥行き方向の内方(内周側)を閉止する位置inに目隠しパネルを取り付けた場合には、収納空間が外周側に開放される外向き収納空間S1となる一方で、図4及び図7に示すように、奥行き方向の外方(外周側)を閉止する位置outに目隠しパネルを取り付けた場合には、収納空間が内周側に開放される内向き収納空間S2となる。このように目隠しパネル80を内周側又は外周側のいずれに取り付けるかによって収納空間を選択的に外向き収納空間S1または内向き収納空間S2となし得るようにしている。図2、図7及び図8に示すように、天板支持パネル20間に架け渡される棚板50は、天板支持パネル20に設けた図示しない孔等の取付部に取り付けたフックに載置されて保持される。この収納空間を形成する棚板50は、収納する物品や用途に応じて設置数やその高さ位置が適宜設定されている。勿論、棚板50をボルト等の止着具を介して天板支持パネル20に固定して棚板50をユニット連結材4として用いてもよい。この場合、デスクD同士(天板支持ユニット2同士)の連結強度を向上させることが可能となる。図7に示すように、内向き収納空間S2の外周側に配置される目隠しパネル80(out)は、上記の湾曲ビーム61と同一曲率で形成されて、湾曲ビーム61と略面一な状態に配置されている。なお、外周側に配置される目隠しパネル80(out)は、湾曲ビーム61と同一曲率で形成されているが、内周側に配置される目隠しパネル80(in)は、湾曲しない面状のものにしてもよい。
【0040】
また、図7及び図8に示すように、天板支持パネル20・20同士の間には、ユニット連結材4の一つとして扇形天板1の湾曲方向に沿った形状のパネル下縁材である巾木41が配置され、この巾木41によって天板支持パネル20の外周端20c(又は内周端20b)且つ下端部同士がネジ等の止着具を介して連結されている。この巾木41は、上面を支持面41dに設定してあり、上記の収納空間を形成する棚板50の下端面50aを支持面41dで支持して、棚板50に加わる荷重を支持している。この巾木41は、床と棚板50の境目となる継ぎ目で、棚板50の最下部に取り付けられる細い横板であり、汚れたり壊れたりしやすい棚板50の下部を保護するものである。
【0041】
扇形天板1を連接することで構成される環状テーブルは、図1及び図4に示すように、少なくとも一箇所が途切れたものであり、環状テーブルを構成する扇形天板1のうち端部に位置する扇形天板1同士の間は連結されていない。これら扇形天板1の側端1eは、天板支持パネル20とほぼ同様の構成をなす端部支持パネル72で支持されており、互いに対向する端部支持パネル72及び天板支持パネル20との間に上記と同様に内向き収納空間S2がハーフサイズで形成されている。この内向き収納空間S2を形成する構成は上記と同様であるので説明を省略する。
【0042】
また、端部に位置する扇形天板1下の空間を側方から隠蔽可能なエンドパネル73・73が対をなして取り付けてある。これら対をなすエンドパネル73・73は、図1及び図4に示すように、鉛直方向の軸回りに回転可能にデスクD(端部支持パネル72等)に取り付けられて、第一の回転位置po3において各々のデスクDの扇形天板1下の空間を側方から隠蔽し、各々のエンドパネル73の先端73e同士を突き合わせた状態となる第二の回転位置po4において環状テーブルの外部と内部とを遮蔽する開閉扉としての役割を果たしている。勿論、エンドパネル73・73を開閉可能に構成せず、図3に示す扇形天板1同士を連結するための上記連結孔1hを用いてボルト等の止着具でエンドパネル73と扇形天板1とを連結するように構成してもよい。
【0043】
デスクD同士の連結部分には、図11に示すように、扇形天板1の卓上空間を湾曲方向に仕切る左右仕切パネル74が取り付け可能に構成されている。左右仕切パネル74は、扇形天板1に取り付けられる仕切パネル受け部75と、湾曲カバー部材71に取り付けられる仕切パネル押さえ部76とにより固定される。仕切パネル受け部75は、下方に向けて延びる鍔部75aを突き合わせた扇形天板1の側端1e同士で挟み込むことで扇形天板1に取り付けられ、左右仕切パネル74の下端部を厚み方向両側から挟み込む挟持側壁75b・75b及び左右仕切パネルの内周端に係り合う挟持内壁75cによって左右仕切パネル74を保持する構造をなしている。仕切パネル押さえ部76は、下方に開口する断面コの字をなす押さえ部76aで左右仕切パネルの上端を保持しつつ、湾曲カバー部材にネジ等の止着具voで固定される。
【0044】
上記の奥行き仕切パネル30や外側パネル32、巾木31、巾木41、湾曲ビーム61等の湾曲した湾曲パネルPLを製造するにあたり、図12(a)に示すように、板金加工等によって矩形状のベース面PL1の側端の起立壁PL2に切り欠きPLaを設けることで湾曲を可能としたパネルPLに対し、ベース面PL1に型Diを当てながらベース面PL1を湾曲させて湾曲パネルPLを作製するのが通例であるが、図12(c)に示すように、起立壁PL2における一端から他端に亘って切り欠きPLaを設けると、外部から切り欠きPLaが視認可能となり美観を損なってしまう。そこで、図12(b)に示すように、起立壁PL2においてベース面PL1側の端部に1mm程の余白PLbを残して切り欠きPLaを形成することで、外部から切り欠きPLaが視認されて美観を損なうことを退避している。
【0045】
以上のように、本実施形態のデスクDは、天板本体10の一部に湾曲した開口縁Ke(外周縁10c)を有する開口Koを形成することで天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能とし、開口縁Ke(外周縁10c)に沿って湾曲する湾曲縁部(内周縁11b)を有する配線蓋11により閉止される開口Koを開閉可能にしている。
【0046】
配線蓋により閉止される開口を開閉可能にするとは、例えば開口を閉止する位置に配線蓋自体を着脱可能又は開閉可能にするほか、開口を閉止する位置に配置される配線蓋に形成される窓部を開閉可能にすることが含まれる。
【0047】
このように、配線蓋11の形状を湾曲させることができるので、配線空間S4と天板本体10の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。しかも、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を天板本体に支持させた状態で回転させながら片開きした場合には、配線蓋の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくすることが可能となる。また、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。また、矩形状の配線蓋の直線縁部を支持した状態で片開きした場合に比して回転半径が広がる部位が生じる場合があり、配線蓋11の開成位置po2において矩形状の配線蓋に比して配線蓋11を閉止位置po1から大きく退避させ、配線の出し入れのための開口を広げて配線作業性を向上させることが可能となる場合がある。勿論、配線蓋11の外周側に被支持部を設定して、この被支持部を、天板本体10を支持する天板支持パネル20に設定した支持部に支持させるようにしてもよい。
【0048】
特に、本実施形態では、配線蓋11が円弧状に湾曲した内周側縁部(内周縁11b)と外周側縁部(外周縁11c)とを有する扇形をなし、配線蓋11の内周側に設定した被支持部(内周縁11b)が天板本体10に設定した支持部(外周縁10c)に支持されているので、配線蓋11を支持させた状態で回転させて配線蓋を開けることが可能となり、配線蓋を開けやすくすることが可能となる。しかも、回転半径が直線状又は矩形状の配線蓋に比して広がるので、同じ回転角度であっても矩形状の配線蓋に比べて配線空間S4への開口が広くなる場合があり、配線作業性をより一層向上させることが可能となる場合がある。勿論、被支持部を配線蓋の外周側に設定してもよい。また、支持部を、天板本体を支持するパネルに設定してもよい。具体例として、天板を支持するパネルとして天板支持パネル20や奥行き仕切パネル30等が挙げられる。さらに、支持部を、天板本体10との間に開口Koを形成する部材に設定してもよい。具体例として、天板本体10の外周縁10cとの間に開口Koを形成する湾曲ビーム61等が挙げられる。
【0049】
また、本実施形態では、配線蓋11は、反使用縁側の端部(外周縁11c)を自由端として使用縁側に設定した被支持部(内周縁11b)が支持部(外周縁10c)に支持されているので、使用縁側(内周側)から反使用縁側(外周側)に向かって配線蓋11の反使用縁側の端部(外周縁11c)を手前に引き寄せる形で配線蓋11を開くこととなり、配線蓋11の操作性を向上させることが可能となる。
【0050】
さらに、本実施形態では、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)と天板本体10の支持部(外周縁10c)との間が回転支持部11gを介して接続されているので、配線蓋11の開閉を的確に行うことが可能となる。勿論、配線蓋11の被支持部と、天板本体10を支持するパネル(天板支持パネル20や仕切パネル30等)もしくは天板本体10との間に開口Koを形成する部材(湾曲ビーム61等)に設定した支持部との間を回転支持部を介して接続するように構成してもよい。
【0051】
さらにまた、本実施形態では、配線蓋11の下方に向かう回転動作を、配線蓋11に設定した静止面11ybを天板本体10の一部に突き当てることにより規制して配線蓋11の閉止位置po1を規定する閉止位置規定部11zを設けているので、配線蓋11に荷重が作用しても配線蓋11が下方に回転せず、配線蓋11の上面11dと天板本体10の上面10dとにズレが生じることを抑制又は防止して、天板面を略面一に保持することが可能となる。
【0052】
さらにまた、本実施形態では、天板本体10が扇形をなし、配線蓋11が天板本体10の湾曲縁部(外周縁10c)に沿った扇形をなしているので、全体として統一感を得ることが可能となる。
【0053】
加えて、本実施形態では、配線蓋11が、天板上面10dと略面一に配置される面板部11xと、この面板部11xから湾曲縁部(内周縁11b)に沿って垂下する垂下部11yとを有する樹脂一体成型体であるので、垂下部11yを天板本体10への被支持部などとして有効利用することが可能となる。しかも、扇形の面板部11xだけでは撓みやすいが、縁部(内周縁11b)に垂下部11yを一体成型することで強度を付与することが可能となる。さらに、或る強度を確保する程度に配線蓋11を軽量化して操作性を向上させることも可能となる。
【0054】
その他、本実施形態では、配線蓋11の外周側縁部(外周縁11c)に軟質樹脂12が取り付けてあるので、天板面が軟質樹脂12によって途切れずに天板面を拡張することが可能となる。すなわち、限られた範囲内で広い天板面を構成でき、作業性に優れたデスクを提供することが可能となる。
【0055】
なお、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0056】
例えば、本実施形態では、外向き収納空間S1は外周側に開放された状態であるが、図8において想像線で示すように、外向き収納空間S1の外周側を閉止可能な位置に扇形天板1の外周縁1cに沿った形状の湾曲外側パネル33を着脱可能又は開閉可能に設け、湾曲外側パネル33を閉止状態で湾曲ビーム61と略面一になるように構成してもよい。このように構成すると、外観を損なうことなく、外向き収納空間S1の外周側を閉止する湾曲外側パネル33を設けることが可能となる。すなわち、外向き収納空間S1に収納される被収納物を外周側から遮蔽して見栄え(外観)を向上させるとともに、外向き収納空間S1への防塵効果を期待でき、併せて、湾曲外側パネルと湾曲ビームとの略面一な位置関係により全体として統一感を得ることが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、配線蓋11は、天板1の上方と天板1下方にある配線空間S4との間を遮蔽する位置で上下方向への回転により開閉するものであるが、配線棚60すなわち配線空間S4を形成せずに天板1下に物品載置空間S3を配置すると、配線蓋が天板の上方と天板下方にある物品載置空間との間を遮蔽する位置に上下方向への回動により開閉可能な蓋となる。この場合、物品載置空間にある物品を上方から遮蔽して上方からの見栄え(外観)を向上させることが可能となる。
【0058】
さらに、本実施形態では、配線蓋11は、外周縁11cを自由端として内周縁11b側に設定された支点C1回りに回転により開閉可能に構成されているが、逆に内周縁11bを自由端として外周縁11cに設定された支点回りに回転により開閉可能に構成してもよい。また、本実施形態では、軟質樹脂12を配線蓋11に取り付けているが、軟質樹脂12を湾曲ビーム61に取り付けてもよい。さらに、本実施形態では、配線蓋11と湾曲ビーム61との間に軟質樹脂12を配置しているが、配線蓋11と天板本体10との間に軟質樹脂12を配置してもよい。この場合、軟質樹脂は配線蓋11又は天板本体10のいずれに取り付けてもよい。
【0059】
さらにまた、本実施形態では、天板支持パネル20に外側パネル32及び奥行き仕切パネル30を取り付けて、外側パネル32及び奥行き仕切パネル30の間に物品載置空間S3を形成しているが、図13(a)及び図13(b)に示すように、奥行き仕切パネル30の代わりに、上部の中央部130eを切り欠いた状態にした奥行き仕切パネル130をその両側端面30eを天板支持パネル20に固定することで、使用縁側(内周側)から下肢空間Pを介して物品載置空間S3に対して鞄等の物品を出し入れ可能に構成してもよい。また、図13(c)に示すように、物品載置空間S3を形成する板材51に対して奥行き仕切パネル230をスライド丁番を介して開閉可能に取り付けることで使用縁側(内周側)から下肢空間Pを介して物品載置空間S3に対し鞄等の物品を出し入れ可能に構成してもよい。この構成によれば、天板下の空間を使用に適した状態で有効に利用することが可能となる。
【0060】
本実施形態では、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)と天板本体10の支持部(外周縁10c)との間を回転支持部11gで接続しているが、図15(a)及び図15(b)に示すように、天板本体310の支持部として天板本体310の開口縁Keに水平方向に延びるフランジ310fを設けて、配線蓋311の被支持部である湾曲縁部311bの下面311aが、天板本体310の一部たるフランジ310fに形成した上向面310fdに着脱可能に支持されるように構成してもよい。このように構成すると、回転支持部等の支持部材を設けずに簡易な構成で配線蓋を開口に配置することが可能となる。
【0061】
本実施形態では、天板が扇形であるが、天板の形状は扇形に限定されるものではなく、例えば図15(a)に示すように略矩形状の天板310にも適用可能である。さらに、本実施形態では、配線蓋は扇形をなしているが、図15(a)に示すように湾曲した湾曲縁部311bを有していれば、扇形に限定されるものではない。配線蓋を例えば波形状に構成してもよい。また、本実施形態では、扇形天板1をオーバーハングさせた状態で対をなす天板支持パネルに載置して取り付けているが、天板をオーバーハングさせずに天板支持パネルに載置して構成したデスクにも適用可能である。
【0062】
本実施形態では、配線蓋11の内周側又は外周側のいずれか一方にのみ被支持部を設定しているが、配線蓋の内周側及び外周側の双方に被支持部を設定して、開口縁Keを構成する天板本体10の外周縁10c又は湾曲ビーム61の内周縁61bのいずれか一方あるいは他方を選択的に開放し得るように配線蓋411を両開き可能とし、配線蓋411の操作性をより一層向上させるようにしてもよい。具体的には、図16に示すように、配線蓋411は、円弧状に湾曲した内周側縁部411bと外周側縁部411cとを有する扇形をなし、扇形の天板本体10の配線開口Koを閉止する閉止位置po1に配置される。配線蓋411の内周側縁部411b又はその近傍には、配線蓋411を閉止位置po1に保持する第一の保持機構408Aが設けられ、外周側縁部411c又はその近傍には、配線蓋411を閉止位置po1に保持する第二の保持機構408Bが設けられ、これら第一、第二の保持機構408A,408Bが、いずれか一方の保持機構の保持状態を解除した場合に、他方の保持機構により配線蓋411を開閉可能に支持するものである。第一の保持機構408Aは、扇形天板1の湾曲方向に沿って配置され天板本体10又は天板支持パネル20に関連付けられる対をなす軸部81・81と、配線蓋411の内周側縁部411b側の下面から垂下してなり前記軸部81・81を選択的に回転可能に支持する支持部82とを具備してなる。一方、第二の保持機構408Bは、扇形天板1の湾曲方向に沿って配置され天板本体10又は天板支持パネル20に関連付けられる対をなす軸部81と、配線蓋411の内周側縁部411b側の下面から垂下してなり前記軸部81を選択的に回転可能に支持する支持部82とを具備してなる前記第一の保持機構408Aと同様の構成を有するものである。支持部82は、弾性変形可能な合成樹脂などの素材により形成されているものである。この支持部82は、その軸心を前記軸部81にほぼ一致させた円筒状のものであり、前記軸部81を回転可能に支持するC型の軸支持部分821と、部材の弾性変形を利用して前記軸部81を軸支持部分821に挿入可能とするための切欠部分822とを具備してなる。具体的には、このものは、切欠部分822の開口幅を奥の軸支持部分821の内径よりも小さくしておき、部材の一時的な弾性変形を利用して前記軸部81を前記軸支持部分821に係合するようにしている。このように構成すれば、扇形天板1の内周外周の両側から配線空間S4内にアクセスして配線類やACアダプタなどを出し入れすることができるようにして使い勝手を良好なものとし得る。また、配線蓋411の一縁側を支持させた状態で配線開口Koを開放できるので、配線替えや点検作業時に配線蓋411を紛失してしまう恐れがない。また、部材の弾性変形を利用して前記軸部81を軸支持部分821に挿入可能とするための切欠部分822と備えているので、簡単な構成で、配線蓋411の着脱作業及び開閉作業を円滑に行うことが可能となる。第一及び第二の保持機構408A,408Bの支持部82は、配線蓋411の内周側縁部411b及び外周側縁部411cよりも外方にはみ出ない程度に配線蓋411の内側にあり、且つ、天板上面よりも下方に設定されているので、蓋を開いたときに下方に下がる部分と天板等の開口縁との干渉を回避して開口を広く設けて配線しやすくしている。
【0063】
また、軸部81を支持する支持構造は、図17(a)に示すように、天板本体10の開口縁部の下面から配線蓋411の下方に至るように軸支持部181を延ばし、この軸支持部181を介して軸部81を天板本体10に取り付けるとともに、湾曲ビーム61の開口縁部たる内周縁61bから配線蓋411の下方に至るように軸支持部181を延ばし、この軸支持部181を介して軸部81を湾曲ビーム61に取り付けて、第一及び第二の保持機構408A,408Bを構成している。他の例としては、図17(b)に示すように、配線空間S4の下方にある配線棚60から軸支持部281を上方に延ばし、軸支持部281に軸部81・81を支持させて、第一及び第二の保持機構1408A,1408Bを構成してもよい。勿論、上記では、被支持部側である配線蓋411に軸支持部分821を設け、支持部側の天板本体10等に軸部81を取り付けているが、これを逆にして被支持部側である配線蓋411に軸部81を設け、支持部側たる天板本体10等に軸支持部分821を設けてもよい。
【0064】
その他、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10,310…天板本体
10c…天板本体の外周縁(支持部)
11,311…配線蓋
11x…面板部
11y…垂下部
11b…配線蓋の内周縁(湾曲縁部,内周側縁部,被支持部,使用縁側の端部)
11c…配線蓋の外周縁(湾曲縁部,外周側縁部,反使用縁側の端部)
11g…回転支持部
11yb…静止面
11z…閉止位置規定部
12…軟質樹脂
Ke…開口縁
Ko…開口
S4…配線空間
po1…閉止位置
311a…下面
310fd…上向面
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板下の配線空間を閉止する配線蓋を適正化したデスクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデスクは、特許文献1に例示されるように、天板の一部に直線状の開口縁を有する矩形状開口を形成することで天板下に形成される配線空間を天板上方に開放可能とし、この開口を閉止する位置に、開口縁に沿った直線状の縁部を有する矩形状の配線蓋を着脱可能に配置して、この開口を配線取り出し口として利用可能に構成することが通例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−181038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のデスクでは配線蓋が直線状の縁部を有する矩形状をなしているので、配線取り出し口を配置可能な位置が矩形状の枠内に制限されてしまい、天板本体の任意の位置に配線取り出し口を形成するのが難しい。また、配線蓋により閉止されている開口の開閉動作は行いやすいことが求められる。
【0005】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明のデスクは、天板本体の一部に湾曲した開口縁を有する開口を形成することで天板本体下に形成される配線空間を天板本体上方に前記開口を介して開放可能とし、前記開口縁に沿って湾曲する湾曲縁部を有する配線蓋により閉止される開口を開閉可能にしたことを特徴とする。
【0008】
配線蓋により閉止される開口を開閉可能にするには、例えば開口を閉止する位置に配線蓋自体を着脱可能又は開閉可能にするほか、開口を閉止する位置に配置される配線蓋に形成される窓部を開閉可能にすることが含まれる。
【0009】
このように、配線蓋の形状を湾曲させることで、配線空間と天板本体の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。しかも、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を天板本体に支持させた状態で回転させながら片開きした場合には、配線蓋の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくすることが可能となる。また、配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。また、矩形状の配線蓋の直線縁部を支持した状態で片開きした場合に比して回転半径が広がる部位が生じる場合があり、配線の出し入れのための開口を広げて配線作業性を向上させることが可能となる場合がある。
【0010】
配線蓋をより一層開けやすくするためには、配線蓋が円弧状に湾曲した内周側縁部と外周側縁部とを有する扇形をなし、配線蓋の外周側又は内周側に設定した被支持部が天板本体もしくは天板本体を支持するパネルもしくは天板本体との間に開口を形成する部材に設定した支持部に支持されていることが好ましい。
【0011】
配線蓋の操作性を更に向上させるためには、前記配線蓋は、反使用縁側の端部を自由端として使用縁側に設定した前記被支持部が前記支持部に支持されていることが望ましい。
【0012】
配線蓋の開閉を的確に行うためには、前記被支持部と前記支持部との間が回転支持部を介して接続されていることが好ましい。
【0013】
配線蓋の上面と天板本体の上面とにズレが生じることを抑制又は防止して、天板面を略面一に保持するためには、配線蓋の下方に向かう回転動作を、配線蓋に設定した静止面を天板本体の一部に突き当てることにより規制して配線蓋の閉止位置を規定する閉止位置規定部を設けていることが効果的である。
【0014】
簡易な構成で配線蓋を開口の閉止する位置に配置するためには、配線蓋の被支持部である下面が、天板本体の一部に形成した上向面に着脱可能に支持されていることが望ましい。
【0015】
全体として統一感を得るためには、天板本体が扇形をなし、前記配線蓋が前記天板本体の湾曲縁部に沿った扇形をなしていることが好ましい。
【0016】
配線蓋の強度を得つつ被支持部を設けるためには、配線蓋が、天板上面と略面一に配置される面板部と、この面板部から湾曲縁部に沿って垂下する垂下部とを有する樹脂一体成型体であることが効果的である。
【0017】
天板面を拡張するためには、配線蓋の外周側縁部に軟質樹脂が取り付けてあることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のデスクは、以上説明したように、配線蓋の形状を湾曲させることで、配線空間と天板本体の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。また、例えば配線蓋の縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態のデスクシステム全体を示す斜視図。
【図2】同デスクシステムを構成するデスク及びデスク同士の連結部位を模式的に示す斜視図。
【図3】同デスクの扇形天板の連結部分を示す斜視図。
【図4】同デスクシステムの扇形天板下の構成を模式的に示す平面図。
【図5】図4におけるA1−A1部位断面図。
【図6】図4におけるA2−A2部位断面図。
【図7】図4におけるA3−A3部位断面図。
【図8】図4におけるA4−A4部位断面図。
【図9】同実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図10】同実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図11】同実施形態において扇形天板の卓上空間を仕切る左右仕切パネルの取り付け部を示す構成図。
【図12】同デスクシステムを構成する湾曲パネルの製法に関する説明図。
【図13】図4におけるA7−A7部位断面図。
【図14】本発明の他の実施形態に係る天板下の構成を示す構成図。
【図15】本発明の上記以外の実施形態に係る天板本体及び配線蓋の周辺構成を示す構成図。
【図16】本発明の上記以外の実施形態における扇形天板を構成する天板本体や配線蓋周辺を示す構成図。
【図17】配線蓋の支持構造を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
図2に示すように、本発明の一実施形態のデスクシステムDSを構成するデスクDは、扇形天板1と、この扇形天板1を支持する天板支持ユニット2とを主体とするもので、天板支持ユニット2は、互いに離間して放射状に配置された一対の天板支持パネル20・20(天板支持パネル20・20は扇形天板1の中心回りに放射状に配置されている)と、対をなす天板支持パネル20・20を連結する天板支持パネル連結材3とを含んで構成され、天板支持ユニット2上に扇形天板1を左右にオーバーハングした状態で載置することで左右の天板支持パネル20・20間に下肢空間Pを形成している。なお、図5〜図8に示すように、天板支持パネル20の下端面20aの奥行き方向(放射方向)両端部に脚部20sが設けられている。
【0022】
デスクシステムDSは、図1、図2及び図4に示すように、複数のデスクDを組み合わせてなるもので、各々のデスクDの扇形天板1の側縁1e同士を突き合わせた状態で扇形天板1を連ねて少なくとも一箇所が途切れた環状テーブルとし、デスクD同士をユニット連結材4により互いに連結して構成されている。環状テーブルを構成する扇形天板1のうち端部となる扇形天板1下には、内向き収納空間S2が形成されているとともに、この扇形天板1下の空間を側方から隠蔽可能な対をなすエンドパネル73・73が取り付けられて、環状テーブルの外部と内部との出入り口が構成されている。詳細は後述する。
【0023】
デスクシステムDSは、ワーカーが外周側に向かって執務するように環状テーブルの内周縁1bを使用縁に設定している。図1では、環状テーブルの内周に円卓等のテーブルTを配置して複数ワーカーで簡易会議を行えるようにしている。このデスクシステムDSでは、図4に示すように、連ねた扇形天板1下が放射方向に配置した天板支持パネル20によって湾曲方向に沿って複数の区画(例えばK1〜K7)に仕切られ、湾曲方向に沿って一つおきの区画(K2,K4,K6)に下肢空間Pが構成されているとともに、他の区画の一部(K1,K3,K7)の外周側に開放された外向きの収納空間S1が形成され、他の残りの区画(K5)の内周側に開放された内向きの収納空間S2が形成されている。これら外向きの収納空間S1及び内向きの収納空間S2は、図2に示すように扇形天板1のオーバーハング領域Arの下方に、隣接する天板支持ユニット2の天板支持パネル20間に棚板50を架け渡すことによって形成されている。すなわち、図2及び図4に示すように、一つの執務範囲は一枚の扇形天板1毎に設定され、隣り合う執務範囲の境界である天板1の側端1eの突合せ係合部(オーバーハング領域Ar)の下の収納空間(S1,S2)を配置している。天板執務範囲の下方はイスに座った執務者の下半身が位置する下肢空間Pである、下肢空間Pと収納空間(S1,S2)は天板支持パネル20で仕切られている。この天板支持パネル20は、下肢空間Pを挟んで対をなして向かい合っているとともに、収納空間(S1,S2)を挟んで対をなして向かい合っている。なお、収納空間(S1,S2)に配置される棚板50を取り外して、ワゴンを入れるという使用態様も可能である。
【0024】
具体的に説明すると、図2、図4〜図7に示すように下肢空間Pを形成する左右の天板支持パネル20・20の間には、天板支持パネル連結材3の一つとして扇形天板1の外周縁1cに沿った形状の幕板とも呼ばれる奥行き仕切パネル30が配置されて下肢空間Pを奥行き方向に仕切っている。天板支持パネル20のうち奥行き仕切パネル30を取り付ける部位には、図2に示すように、厚み方向に貫通する貫通孔20hが設けられており、奥行き仕切パネル30の側端面30eを天板支持パネル20の貫通孔20hに突き当てた状態に配置して、収納空間S1(S2)側から貫通孔20hに挿入したボルトやネジ等の止着具voにより奥行き仕切パネル30を天板支持パネル20に固定している。この奥行き仕切パネル30は、図4〜図6に示すように、左右の天板支持パネル20が奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)に延出するように天板支持パネル20の外周縁20cから内周側に離間した位置に配置されており、図5及び図6に示すように、左右の天板支持パネル20と奥行き仕切パネル30とで部分的に囲まれる位置において左右の天板支持パネル20・20間に板材51を架け渡すことにより外向きの物品載置空間S3を形成している。この物品載置空間S3は、上記外向き収納空間S1に対し第二の外向き収納空間とも言える。この物品載置空間S3を形成する板材51は、天板支持パネル20に設けた図示しない孔等の取付部に取り付けたフックに載置されて保持されている。この物品載置空間S3を形成する板材51は、図5及び図6に例示するように、載置する物品や用途に応じて設置数やその高さ位置が適宜設定されている。勿論、物品載置空間S3を形成する板材51をボルトやネジ等の止着具を介して天板支持パネル20に固定して板材51を天板支持パネル連結材3として用いてもよい。この場合、天板支持ユニット2の連結強度を向上させることが可能となる。なお、奥行き仕切パネル30は、扇形天板1の外周縁1cに沿って湾曲した形状をなしているが、奥行き仕切パネルを湾曲しない面状のものにしてもよい。
【0025】
また、対をなす天板支持パネル20・20の間には、図6に示すように、天板支持パネル連結材3の一つとして扇形天板1の外周縁に沿った形状のパネル下縁材である巾木31が配置され、この巾木31によって左右の天板支持パネル20・20の外周縁20c且つ下端部同士がネジ等の止着具を介して連結されている。この巾木31は、上記の物品載置空間S3を形成する板材51の下端面51aをその上面31dで支持して、板材51に載置される物品の荷重を支持している。この巾木31は、床と板材51の境目となる継ぎ目で、板材51の最下部に取り付けられる細い横板であり、汚れたり壊れたりしやすい板材51の下部を保護するものである。
【0026】
本実施形態のデスクシステムDSには、図4に示すように、上記物品載置空間S3が複数箇所に形成されているが、一部の物品載置空間S3については、図4及び図5に示すように、奥行き仕切パネル30の外方(外周側)に、扇形天板1の外周縁1cに沿った形状をなす外側パネル32を着脱可能又は開閉可能に天板支持パネル20に取り付けることで物品載置空間S3の外周側を閉止し、物品載置空間S3を奥行き方向のいずれの方向からも隠蔽している。この外側パネル32は、図5に示すように例えば天板1下の配線空間S4と物品載置空間S3とを電気的に接続するコンセントタップCTや配線Li等の目隠し材として利用可能である。この物品載置空間S3を形成する板材51には、図5に示すように、配線Liを通すための上下方向の貫通口51hが形成されている。
【0027】
図5〜図8に示すように、天板支持ユニット2を構成する起立した天板支持パネル20・20同士間には、扇形天板1よりも低い位置に扇形天板1に対向する配線棚60がその湾曲方向側端を天板支持パネル20に突き当てた状態で配置され、扇形天板1と配線棚60との間に配線空間S4が形成されている。また、扇形天板1の外周縁1cに沿って湾曲する板状の湾曲ビーム61が扇形天板1の外周縁1cを包囲し且つ扇形天板1の高さ位置を含む高さ位置に扇形天板1との間に所定隙間を隔てた状態に配置されており、天板支持パネル20の外周縁20cが湾曲ビーム61に突き当てられた状態で図示しないL字ブラケットやボルト等の止着具を介して湾曲ビーム61が天板支持パネル20に固定されている。そして、扇形天板1の外周縁1c及び配線棚60の外周縁60cを湾曲ビーム61に突き当てた位置関係にすることで、湾曲ビーム61が配線空間S4を外周側から隠蔽する配線隠しの役割を果たすとともに、扇形天板1の厚みを隠す目隠し材としての役割を果たすようにしている。勿論、本実施形態では、扇形天板1の上面及び下面の高さ位置を含む高さ位置に湾曲ビームを配置しているが、配線空間S4を外周側から遮蔽するために、扇形天板1の下面の高さ位置を含む高さ位置に湾曲ビームが配置されていればよく、例えば扇形天板1の上面の高さ位置を含まず扇形天板1の下面の高さ位置を含む高さ位置に配置してもよい。すなわち、湾曲ビームが扇形天板1の下面よりも下がっていなければよい。
【0028】
湾曲ビーム61は、図5に示すように、上記の物品載置空間S3の外周側を閉止する外側パネル32と同一曲率で形成されて、外側パネル32と略面一な状態に配置されている。この配線空間S4は、図4〜図8に示すように、扇形天板1、配線棚60、左右の天板支持パネル20及び湾曲ビーム61で包囲された空間であって天板支持パネル20によって左右に分断された状態にある。配線棚60は、図5及び図6に示すように、奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)にオーバーハングしており、左右の天板支持パネル20・20、板材51及び奥行き仕切パネル30で囲まれる物品載置空間S3を上方から遮蔽している。勿論、本実施形態で述べた配線棚60を設けない構成では、扇形天板1を奥行き仕切パネル30よりも外方(外周側)にオーバーハングさせて扇形天板1によって物品載置空間S3を上方から遮蔽するように構成してもよい。また、本実施形態では、扇形天板1は、左右一対の天板支持パネル20に対して、その左右外方及び内周側(使用縁側)の合わせて三方向に大きくオーバーハングしているが、外周側(反使用縁側)にもオーバーハングさせて例えば外側オーバーハング領域の下に書架等を設ける構成も考えられる。この場合でも、扇形天板1のオーバーハング量は、左右外方及び内周側(使用縁側)の三方向の方が外周側(反使用縁側)よりも大きくなる。
【0029】
扇形天板1は、図5〜図8に示すように、起立した天板支持パネル20の上面(20d1,20d2)のうち使用縁側(内周側)の一部の載置面20d1にオーバーハング状態で載置される天板本体10と、天板本体10の反使用縁側(外周側)に略面一に連続して配置される配線蓋11とを含んで構成され、配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cが配線隠しである湾曲ビーム61に閉じられている構造をなしている。図9(a)及び図9(b)に示すように、天板本体10の一部である外周縁10cを開口縁Keとして湾曲ビーム61との間に開口Koを形成し、天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能に構成している。すなわち、湾曲ビーム61は、天板本体10との間に開口Koを形成する部材である。
【0030】
配線蓋11は、図9に示すように、天板本体10の外周縁10c(開口縁Ke)と同じ曲率で円弧状に湾曲した湾曲縁部として内周側縁部(内周縁11b)及び外周側縁部(外周縁11c)を有する扇形をなしており、開口Koを閉止する位置po1に着脱可能に配置されている。具体的には、図9に示すように、反使用縁側(外周側)の端部(外周縁11c)を自由端として使用縁側(内周縁11b側)に設定された支点C1回りに上下方向に回転により開閉可能にヒンジ等の回転支持部11gを介して天板本体10の外周縁10cに取り付けられている。すなわち、配線蓋11の内周側に設定した被支持部(内周縁11b)と天板本体10に設定した支持部(外周縁10c)とが回転支持部11gを介して接続されて、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)が天板本体10の支持部(外周縁10c)に支持されることで、配線蓋11により閉止される配線用の開口Koを開閉可能にしている。回転支持部11gは、配線蓋11の内周円弧11bの途中二箇所に設けられている。一般的な直線状の配線蓋を回転可能に構成した場合には、配線蓋の側端又はその近傍に設定された支点回りに回転することになるものの、本実施形態では、配線蓋11が円弧状に湾曲していることによって配線蓋11のうち回転支持部11g同士の間の部位の回転支点C1が配線蓋11の内周端から更に内周側に変位した位置となり、直線状の配線蓋に比して回転半径が広がる。この場合、同じ回転角度であっても直線状や矩形状の配線蓋に比べて配線空間S4への開口が広くなる。このように配線蓋11を円弧状に形成し、内周側に設定した二箇所の回転支持部11gを結ぶ回転軸C1回りに外周側を自由端として回転させることで、閉止位置po1において配線蓋11が天板本体10下の配線空間S4を上方から遮蔽し、開成位置po2において直線状の配線蓋に比して配線蓋11が閉止位置po1から大きく退避させることが可能となる。この結果、配線空間への配線の出し入れが容易となる。また、配線蓋11の湾曲縁部(内周円弧11b)の途中二箇所を天板本体10に支持させた状態で回転させながら片開きしているので、配線蓋11の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋11の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくしている。また、配線蓋11の湾曲縁部の途中二箇所を支持しているので、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することを可能としている。
【0031】
配線蓋11は、図5、図9(b)及び図10(b)に示すように、面板部11xの湾曲縁部たる内周縁11bから下方(天板支持パネル20側)に延びる垂下部11yが形成されて断面略L字状をなしており、樹脂の一体成型により作製される。配線蓋11は、面板部11xの厚み方向寸法W1を天板本体10の厚み方向寸法W2よりも小さく設定することにより、面板部11xの下面11aと天板支持パネル20の上面20d2(載置面20d1以外の上面)との間に閉止位置po1において天板支持パネル20で仕切られる左右の配線空間S4同士を連絡する横配線用隙間SXが形成される状態で配線蓋11が取り付けられている。図13に示すように、各々のデスクDの天板本体10の下方且つ対をなす天板支持パネル20の間には第一の配線空間S4a(S4)が形成され、突き合わせ状態で連ねた天板本体10のオーバーハング領域Arの下方に第二の配線空間S4b(S4)が形成されており、これら第一の配線空間S4a及び第二の配線空間S4bは、天板支持パネル20で分断される構造であるものの、閉止位置po1において横配線用隙間SXが形成されることによって、図10(b)に示すように配線蓋11を開けた状態で天板支持パネル20の上面(20d1,20d2)のうち天板本体10が載置される載置面20d1以外の上面20d2を乗り越えるように配線Liを引き回し、その後に配線蓋11を閉めても配線蓋11と配線Liとが干渉せず、横配線用隙間SXを介して一方の天板本体10下の配線空間S4から他方の天板本体10下の配線空間S4に配線を引き回し可能にしている。この場合、天板支持パネル20に横配線用の貫通孔や切り欠き等を設ける必要がない。そして、図13に示すように、連ねた天板本体10下の第一及び第二の配線空間S4a・S4bを一連の配線空間として複数の天板本体10に亘って配線Liを引き回す利用形態を実現している。よって、例えば或るデスクDの近くに電力線や通信線等のコンセントがない場合でも他のデスクDから配線Liを引き回して利用することを可能にしている。
【0032】
配線蓋11には、図9(b)に示すように、垂下部11yに静止面11ybが設定されており、配線蓋11が閉止位置po1にあるときに静止面11ybを天板本体10の外周端面10cに突き当てる(接触する)ことで、配線蓋11の下方に向かう回転動作を規制し、閉止位置po1から開成位置po2への開き動作のみを許容し、配線蓋11の閉止位置po1を規定する閉止位置規定部11zを構成している。この閉止位置規定部11zによって配線蓋11に荷重が作用しても配線蓋11が下方に回転せず、配線蓋11の上面11dと天板本体10の上面10dとにズレが生じることを抑制又は防止している。
【0033】
また、閉止位置po1において配線蓋11の垂下部11yの下面11yaを天板支持パネル20の上面20d2で支持するように、配線蓋11と天板支持パネル20との位置関係を規定し、配線蓋11に作用する荷重を天板支持パネル20の上面20d2で支持するように構成してある。この結果、天板本体10と同様に配線蓋11に対して物品を載置しても適切に荷重が支持され卓上領域を広げて有効利用することが可能となる。
【0034】
配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cには、図9(a)及び図10(a)に示すように、軟質樹脂12が取り付けられており、配線蓋11が閉止位置po1にある場合に、配線蓋11と配線隠したる湾曲ビーム61との間に配置された軟質樹脂12によって配線蓋11と湾曲ビーム61との間の配線空間S4の開口を閉止するとともに、一部を弾性変形させることにより閉止状態で扇形天板1の上方から配線空間S4への配線の引き回しを可能としている。配線蓋11の反使用縁側(外周側)の端部11cには、反使用縁側(外周側)に向けて開口し外周側に向かって幅狭となる取付溝部11mが配線蓋11の外周縁11c全域に亘って形成されており、軟質樹脂12を配線蓋11の側方から湾曲方向にスライドさせながら取付溝部11mに挿入することで、接着剤や取り付け具を要することなく軟質樹脂12を配線蓋11に取り付けている。なお、本実施形態では、配線蓋11は、上下方向に回転により開閉可能に構成されているが、その他の態様として着脱可能にすることや、配線蓋を湾曲方向に沿ったスライドにより開閉可能にすることが挙げられる。スライド開閉する場合には、湾曲方向に沿った左右の配線蓋の曲率を同じにすることで、配線蓋を左右(湾曲方向)に重ねるようにスライドさせることが可能となる。この場合、配線蓋をスライド動作させるためのガイドレールを蓋の上面又は下面に設けると、蓋の端部を押すだけで円滑なスライド動作を実現することが可能となる。
【0035】
図2の扇形天板1(天板本体10)の内周縁1b(10b)には、図5〜図8に示すように、外周側から内周側に向けて幅狭に形成され且つ扇形天板1の内周縁1bに沿う形状に形成された弾性変形可能な扇形エッジ部材13が、環状の中心方向に突出するように扇形天板1の内周縁1bに取り付けてあり、図1及び図2に示すように、扇形天板1を連ねた場合に扇形エッジ部材13同士が円環に沿って突き合わせた状態となる。このように、扇形エッジ部材13が扇形であると、内周側に張り出した部位に荷重が作用しても直線エッジ部材に比して載置荷重を受けた際に扇の内周縁径が変化する方向すなわち上下方向へ撓みにくくなり、例えばアームレスト等の用途に適した荷重に対する強度を確保している。
【0036】
扇形天板1は、図3に示すように、側縁1e同士を突き合わせた状態で連結されるが、各々の側縁部1eの下面に対をなす連結凹部1gを設け、一方の扇形天板1の連結凹部1gから他方の扇形天板1の連結凹部1gまで貫通する連結孔1hが形成されており、ユニット連結材4の一つである図示しないボルト等の止着具をこの連結孔1hに通して両扇形天板1同士を固定している。
【0037】
湾曲ビーム61の上部には、図5〜図8に示すように、上方に開口する上溝部61mが形成されており、図2に示すように、可燒性のあるデスクトップパネル70をこの上溝部61mに嵌め込んで係り合せることで、デスクトップパネル70を弾性により湾曲させた状態で扇形天板1の外周縁1cに沿って起立させて配置している。各デスクD毎に一枚のデスクトップパネル70を起立させて、各々の側縁70e同士を突き合わせた状態で配置することで図1に示すように扇形天板1の外周縁1cに沿って周回するデスクトップパネル70を分割構造で構成している。このデスクトップパネル70には、一部又は全部に半透明な素材を用いて、又は、すりガラスのように半透明になる表面処理が施されて、扇形天板1上の書類に対する機密性が守られるとともに、デスクトップパネル70同士の継ぎ目を目立たなくなるようにしてある。
【0038】
デスクトップパネル70の上縁には、図1及び図2に示すように、湾曲ビーム61と同一曲率の湾曲カバー部材71を設け、この湾曲カバー部材71に湾曲方向に沿って形成された下方に開口する下溝部71mにデスクトップパネル70の上端を嵌め込んで係り合わせることで、平板状のデスクトップパネル70を湾曲カバー部材71及び湾曲ビーム61と同じ曲率で簡単に湾曲させることができ、この湾曲状態を湾曲ビーム61及び湾曲カバー部材71が保持している。上記の湾曲ビーム61及び湾曲カバー部材71はアルミ押出しで精度良く作れる。この湾曲カバー部材71には、湾曲方向沿って複数のLEDを配列したライン照明を設けており、ライン照明71Sに電力を供給するための電力線が湾曲方向に沿って湾曲カバー部材71に内蔵してある。湾曲カバー部材71の側縁部71eには、隣接する湾曲カバー部材71の電力線又はライン照明71S同士を接続するオス型又はメス型のコネクタが配置されており、これらコネクタ同士を嵌め合いにより係り合わせることで湾曲カバー部材71同士の連結強度を向上させている。
【0039】
図2に示すように、扇形天板1のオーバーハング領域Arの下方に棚板50を用いて収納空間S1(S2)を形成する天板支持パネル20・20の間には、図4、図7及び図8に示すように、ユニット連結材4の一つとして扇形天板1の湾曲方向に沿った形状の収納空間仕切パネルとも呼ばれる目隠しパネル80が配置されて、収納空間S1(S2)を奥行き方向に仕切っている。この目隠しパネル80は、扇形天板1の奥行き方向の一端側(内周側)又は他端側(外周側)のいずれにも左右の天板支持ユニット2同士を連結する状態で取り付け可能にされている。この目隠しパネル80は、扇形天板1のオーバーハング領域Ar下の空間を内周側又は外周側のいずれかを閉止する位置で図示しないL字ブラケットやボルト等の止着具を介して天板支持パネル20に固定される。図4及び図8に示すように、扇形天板1のオーバーハング領域Ar下の空間の奥行き方向の内方(内周側)を閉止する位置inに目隠しパネルを取り付けた場合には、収納空間が外周側に開放される外向き収納空間S1となる一方で、図4及び図7に示すように、奥行き方向の外方(外周側)を閉止する位置outに目隠しパネルを取り付けた場合には、収納空間が内周側に開放される内向き収納空間S2となる。このように目隠しパネル80を内周側又は外周側のいずれに取り付けるかによって収納空間を選択的に外向き収納空間S1または内向き収納空間S2となし得るようにしている。図2、図7及び図8に示すように、天板支持パネル20間に架け渡される棚板50は、天板支持パネル20に設けた図示しない孔等の取付部に取り付けたフックに載置されて保持される。この収納空間を形成する棚板50は、収納する物品や用途に応じて設置数やその高さ位置が適宜設定されている。勿論、棚板50をボルト等の止着具を介して天板支持パネル20に固定して棚板50をユニット連結材4として用いてもよい。この場合、デスクD同士(天板支持ユニット2同士)の連結強度を向上させることが可能となる。図7に示すように、内向き収納空間S2の外周側に配置される目隠しパネル80(out)は、上記の湾曲ビーム61と同一曲率で形成されて、湾曲ビーム61と略面一な状態に配置されている。なお、外周側に配置される目隠しパネル80(out)は、湾曲ビーム61と同一曲率で形成されているが、内周側に配置される目隠しパネル80(in)は、湾曲しない面状のものにしてもよい。
【0040】
また、図7及び図8に示すように、天板支持パネル20・20同士の間には、ユニット連結材4の一つとして扇形天板1の湾曲方向に沿った形状のパネル下縁材である巾木41が配置され、この巾木41によって天板支持パネル20の外周端20c(又は内周端20b)且つ下端部同士がネジ等の止着具を介して連結されている。この巾木41は、上面を支持面41dに設定してあり、上記の収納空間を形成する棚板50の下端面50aを支持面41dで支持して、棚板50に加わる荷重を支持している。この巾木41は、床と棚板50の境目となる継ぎ目で、棚板50の最下部に取り付けられる細い横板であり、汚れたり壊れたりしやすい棚板50の下部を保護するものである。
【0041】
扇形天板1を連接することで構成される環状テーブルは、図1及び図4に示すように、少なくとも一箇所が途切れたものであり、環状テーブルを構成する扇形天板1のうち端部に位置する扇形天板1同士の間は連結されていない。これら扇形天板1の側端1eは、天板支持パネル20とほぼ同様の構成をなす端部支持パネル72で支持されており、互いに対向する端部支持パネル72及び天板支持パネル20との間に上記と同様に内向き収納空間S2がハーフサイズで形成されている。この内向き収納空間S2を形成する構成は上記と同様であるので説明を省略する。
【0042】
また、端部に位置する扇形天板1下の空間を側方から隠蔽可能なエンドパネル73・73が対をなして取り付けてある。これら対をなすエンドパネル73・73は、図1及び図4に示すように、鉛直方向の軸回りに回転可能にデスクD(端部支持パネル72等)に取り付けられて、第一の回転位置po3において各々のデスクDの扇形天板1下の空間を側方から隠蔽し、各々のエンドパネル73の先端73e同士を突き合わせた状態となる第二の回転位置po4において環状テーブルの外部と内部とを遮蔽する開閉扉としての役割を果たしている。勿論、エンドパネル73・73を開閉可能に構成せず、図3に示す扇形天板1同士を連結するための上記連結孔1hを用いてボルト等の止着具でエンドパネル73と扇形天板1とを連結するように構成してもよい。
【0043】
デスクD同士の連結部分には、図11に示すように、扇形天板1の卓上空間を湾曲方向に仕切る左右仕切パネル74が取り付け可能に構成されている。左右仕切パネル74は、扇形天板1に取り付けられる仕切パネル受け部75と、湾曲カバー部材71に取り付けられる仕切パネル押さえ部76とにより固定される。仕切パネル受け部75は、下方に向けて延びる鍔部75aを突き合わせた扇形天板1の側端1e同士で挟み込むことで扇形天板1に取り付けられ、左右仕切パネル74の下端部を厚み方向両側から挟み込む挟持側壁75b・75b及び左右仕切パネルの内周端に係り合う挟持内壁75cによって左右仕切パネル74を保持する構造をなしている。仕切パネル押さえ部76は、下方に開口する断面コの字をなす押さえ部76aで左右仕切パネルの上端を保持しつつ、湾曲カバー部材にネジ等の止着具voで固定される。
【0044】
上記の奥行き仕切パネル30や外側パネル32、巾木31、巾木41、湾曲ビーム61等の湾曲した湾曲パネルPLを製造するにあたり、図12(a)に示すように、板金加工等によって矩形状のベース面PL1の側端の起立壁PL2に切り欠きPLaを設けることで湾曲を可能としたパネルPLに対し、ベース面PL1に型Diを当てながらベース面PL1を湾曲させて湾曲パネルPLを作製するのが通例であるが、図12(c)に示すように、起立壁PL2における一端から他端に亘って切り欠きPLaを設けると、外部から切り欠きPLaが視認可能となり美観を損なってしまう。そこで、図12(b)に示すように、起立壁PL2においてベース面PL1側の端部に1mm程の余白PLbを残して切り欠きPLaを形成することで、外部から切り欠きPLaが視認されて美観を損なうことを退避している。
【0045】
以上のように、本実施形態のデスクDは、天板本体10の一部に湾曲した開口縁Ke(外周縁10c)を有する開口Koを形成することで天板本体10下に形成される配線空間S4を天板本体10上方に開口Koを介して開放可能とし、開口縁Ke(外周縁10c)に沿って湾曲する湾曲縁部(内周縁11b)を有する配線蓋11により閉止される開口Koを開閉可能にしている。
【0046】
配線蓋により閉止される開口を開閉可能にするとは、例えば開口を閉止する位置に配線蓋自体を着脱可能又は開閉可能にするほか、開口を閉止する位置に配置される配線蓋に形成される窓部を開閉可能にすることが含まれる。
【0047】
このように、配線蓋11の形状を湾曲させることができるので、配線空間S4と天板本体10の上方とを連絡する配線取り出し口を任意の位置に配置することが可能となる。しかも、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を天板本体に支持させた状態で回転させながら片開きした場合には、配線蓋の部位によって上にあがる部位と下に下がる部位が生じ、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて重心移動が少ないので動作が軽くなり、開けやすくすることが可能となる。また、例えば配線蓋の湾曲縁部の途中二箇所を支持した場合には、配線蓋の両側端部を二点支持する場合に比べて配線蓋に必要な剛性を下げて配線蓋を軽量化することができるとともに、単純な軸受構造で支持することが可能となる。また、矩形状の配線蓋の直線縁部を支持した状態で片開きした場合に比して回転半径が広がる部位が生じる場合があり、配線蓋11の開成位置po2において矩形状の配線蓋に比して配線蓋11を閉止位置po1から大きく退避させ、配線の出し入れのための開口を広げて配線作業性を向上させることが可能となる場合がある。勿論、配線蓋11の外周側に被支持部を設定して、この被支持部を、天板本体10を支持する天板支持パネル20に設定した支持部に支持させるようにしてもよい。
【0048】
特に、本実施形態では、配線蓋11が円弧状に湾曲した内周側縁部(内周縁11b)と外周側縁部(外周縁11c)とを有する扇形をなし、配線蓋11の内周側に設定した被支持部(内周縁11b)が天板本体10に設定した支持部(外周縁10c)に支持されているので、配線蓋11を支持させた状態で回転させて配線蓋を開けることが可能となり、配線蓋を開けやすくすることが可能となる。しかも、回転半径が直線状又は矩形状の配線蓋に比して広がるので、同じ回転角度であっても矩形状の配線蓋に比べて配線空間S4への開口が広くなる場合があり、配線作業性をより一層向上させることが可能となる場合がある。勿論、被支持部を配線蓋の外周側に設定してもよい。また、支持部を、天板本体を支持するパネルに設定してもよい。具体例として、天板を支持するパネルとして天板支持パネル20や奥行き仕切パネル30等が挙げられる。さらに、支持部を、天板本体10との間に開口Koを形成する部材に設定してもよい。具体例として、天板本体10の外周縁10cとの間に開口Koを形成する湾曲ビーム61等が挙げられる。
【0049】
また、本実施形態では、配線蓋11は、反使用縁側の端部(外周縁11c)を自由端として使用縁側に設定した被支持部(内周縁11b)が支持部(外周縁10c)に支持されているので、使用縁側(内周側)から反使用縁側(外周側)に向かって配線蓋11の反使用縁側の端部(外周縁11c)を手前に引き寄せる形で配線蓋11を開くこととなり、配線蓋11の操作性を向上させることが可能となる。
【0050】
さらに、本実施形態では、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)と天板本体10の支持部(外周縁10c)との間が回転支持部11gを介して接続されているので、配線蓋11の開閉を的確に行うことが可能となる。勿論、配線蓋11の被支持部と、天板本体10を支持するパネル(天板支持パネル20や仕切パネル30等)もしくは天板本体10との間に開口Koを形成する部材(湾曲ビーム61等)に設定した支持部との間を回転支持部を介して接続するように構成してもよい。
【0051】
さらにまた、本実施形態では、配線蓋11の下方に向かう回転動作を、配線蓋11に設定した静止面11ybを天板本体10の一部に突き当てることにより規制して配線蓋11の閉止位置po1を規定する閉止位置規定部11zを設けているので、配線蓋11に荷重が作用しても配線蓋11が下方に回転せず、配線蓋11の上面11dと天板本体10の上面10dとにズレが生じることを抑制又は防止して、天板面を略面一に保持することが可能となる。
【0052】
さらにまた、本実施形態では、天板本体10が扇形をなし、配線蓋11が天板本体10の湾曲縁部(外周縁10c)に沿った扇形をなしているので、全体として統一感を得ることが可能となる。
【0053】
加えて、本実施形態では、配線蓋11が、天板上面10dと略面一に配置される面板部11xと、この面板部11xから湾曲縁部(内周縁11b)に沿って垂下する垂下部11yとを有する樹脂一体成型体であるので、垂下部11yを天板本体10への被支持部などとして有効利用することが可能となる。しかも、扇形の面板部11xだけでは撓みやすいが、縁部(内周縁11b)に垂下部11yを一体成型することで強度を付与することが可能となる。さらに、或る強度を確保する程度に配線蓋11を軽量化して操作性を向上させることも可能となる。
【0054】
その他、本実施形態では、配線蓋11の外周側縁部(外周縁11c)に軟質樹脂12が取り付けてあるので、天板面が軟質樹脂12によって途切れずに天板面を拡張することが可能となる。すなわち、限られた範囲内で広い天板面を構成でき、作業性に優れたデスクを提供することが可能となる。
【0055】
なお、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0056】
例えば、本実施形態では、外向き収納空間S1は外周側に開放された状態であるが、図8において想像線で示すように、外向き収納空間S1の外周側を閉止可能な位置に扇形天板1の外周縁1cに沿った形状の湾曲外側パネル33を着脱可能又は開閉可能に設け、湾曲外側パネル33を閉止状態で湾曲ビーム61と略面一になるように構成してもよい。このように構成すると、外観を損なうことなく、外向き収納空間S1の外周側を閉止する湾曲外側パネル33を設けることが可能となる。すなわち、外向き収納空間S1に収納される被収納物を外周側から遮蔽して見栄え(外観)を向上させるとともに、外向き収納空間S1への防塵効果を期待でき、併せて、湾曲外側パネルと湾曲ビームとの略面一な位置関係により全体として統一感を得ることが可能となる。
【0057】
また、本実施形態では、配線蓋11は、天板1の上方と天板1下方にある配線空間S4との間を遮蔽する位置で上下方向への回転により開閉するものであるが、配線棚60すなわち配線空間S4を形成せずに天板1下に物品載置空間S3を配置すると、配線蓋が天板の上方と天板下方にある物品載置空間との間を遮蔽する位置に上下方向への回動により開閉可能な蓋となる。この場合、物品載置空間にある物品を上方から遮蔽して上方からの見栄え(外観)を向上させることが可能となる。
【0058】
さらに、本実施形態では、配線蓋11は、外周縁11cを自由端として内周縁11b側に設定された支点C1回りに回転により開閉可能に構成されているが、逆に内周縁11bを自由端として外周縁11cに設定された支点回りに回転により開閉可能に構成してもよい。また、本実施形態では、軟質樹脂12を配線蓋11に取り付けているが、軟質樹脂12を湾曲ビーム61に取り付けてもよい。さらに、本実施形態では、配線蓋11と湾曲ビーム61との間に軟質樹脂12を配置しているが、配線蓋11と天板本体10との間に軟質樹脂12を配置してもよい。この場合、軟質樹脂は配線蓋11又は天板本体10のいずれに取り付けてもよい。
【0059】
さらにまた、本実施形態では、天板支持パネル20に外側パネル32及び奥行き仕切パネル30を取り付けて、外側パネル32及び奥行き仕切パネル30の間に物品載置空間S3を形成しているが、図13(a)及び図13(b)に示すように、奥行き仕切パネル30の代わりに、上部の中央部130eを切り欠いた状態にした奥行き仕切パネル130をその両側端面30eを天板支持パネル20に固定することで、使用縁側(内周側)から下肢空間Pを介して物品載置空間S3に対して鞄等の物品を出し入れ可能に構成してもよい。また、図13(c)に示すように、物品載置空間S3を形成する板材51に対して奥行き仕切パネル230をスライド丁番を介して開閉可能に取り付けることで使用縁側(内周側)から下肢空間Pを介して物品載置空間S3に対し鞄等の物品を出し入れ可能に構成してもよい。この構成によれば、天板下の空間を使用に適した状態で有効に利用することが可能となる。
【0060】
本実施形態では、配線蓋11の被支持部(内周縁11b)と天板本体10の支持部(外周縁10c)との間を回転支持部11gで接続しているが、図15(a)及び図15(b)に示すように、天板本体310の支持部として天板本体310の開口縁Keに水平方向に延びるフランジ310fを設けて、配線蓋311の被支持部である湾曲縁部311bの下面311aが、天板本体310の一部たるフランジ310fに形成した上向面310fdに着脱可能に支持されるように構成してもよい。このように構成すると、回転支持部等の支持部材を設けずに簡易な構成で配線蓋を開口に配置することが可能となる。
【0061】
本実施形態では、天板が扇形であるが、天板の形状は扇形に限定されるものではなく、例えば図15(a)に示すように略矩形状の天板310にも適用可能である。さらに、本実施形態では、配線蓋は扇形をなしているが、図15(a)に示すように湾曲した湾曲縁部311bを有していれば、扇形に限定されるものではない。配線蓋を例えば波形状に構成してもよい。また、本実施形態では、扇形天板1をオーバーハングさせた状態で対をなす天板支持パネルに載置して取り付けているが、天板をオーバーハングさせずに天板支持パネルに載置して構成したデスクにも適用可能である。
【0062】
本実施形態では、配線蓋11の内周側又は外周側のいずれか一方にのみ被支持部を設定しているが、配線蓋の内周側及び外周側の双方に被支持部を設定して、開口縁Keを構成する天板本体10の外周縁10c又は湾曲ビーム61の内周縁61bのいずれか一方あるいは他方を選択的に開放し得るように配線蓋411を両開き可能とし、配線蓋411の操作性をより一層向上させるようにしてもよい。具体的には、図16に示すように、配線蓋411は、円弧状に湾曲した内周側縁部411bと外周側縁部411cとを有する扇形をなし、扇形の天板本体10の配線開口Koを閉止する閉止位置po1に配置される。配線蓋411の内周側縁部411b又はその近傍には、配線蓋411を閉止位置po1に保持する第一の保持機構408Aが設けられ、外周側縁部411c又はその近傍には、配線蓋411を閉止位置po1に保持する第二の保持機構408Bが設けられ、これら第一、第二の保持機構408A,408Bが、いずれか一方の保持機構の保持状態を解除した場合に、他方の保持機構により配線蓋411を開閉可能に支持するものである。第一の保持機構408Aは、扇形天板1の湾曲方向に沿って配置され天板本体10又は天板支持パネル20に関連付けられる対をなす軸部81・81と、配線蓋411の内周側縁部411b側の下面から垂下してなり前記軸部81・81を選択的に回転可能に支持する支持部82とを具備してなる。一方、第二の保持機構408Bは、扇形天板1の湾曲方向に沿って配置され天板本体10又は天板支持パネル20に関連付けられる対をなす軸部81と、配線蓋411の内周側縁部411b側の下面から垂下してなり前記軸部81を選択的に回転可能に支持する支持部82とを具備してなる前記第一の保持機構408Aと同様の構成を有するものである。支持部82は、弾性変形可能な合成樹脂などの素材により形成されているものである。この支持部82は、その軸心を前記軸部81にほぼ一致させた円筒状のものであり、前記軸部81を回転可能に支持するC型の軸支持部分821と、部材の弾性変形を利用して前記軸部81を軸支持部分821に挿入可能とするための切欠部分822とを具備してなる。具体的には、このものは、切欠部分822の開口幅を奥の軸支持部分821の内径よりも小さくしておき、部材の一時的な弾性変形を利用して前記軸部81を前記軸支持部分821に係合するようにしている。このように構成すれば、扇形天板1の内周外周の両側から配線空間S4内にアクセスして配線類やACアダプタなどを出し入れすることができるようにして使い勝手を良好なものとし得る。また、配線蓋411の一縁側を支持させた状態で配線開口Koを開放できるので、配線替えや点検作業時に配線蓋411を紛失してしまう恐れがない。また、部材の弾性変形を利用して前記軸部81を軸支持部分821に挿入可能とするための切欠部分822と備えているので、簡単な構成で、配線蓋411の着脱作業及び開閉作業を円滑に行うことが可能となる。第一及び第二の保持機構408A,408Bの支持部82は、配線蓋411の内周側縁部411b及び外周側縁部411cよりも外方にはみ出ない程度に配線蓋411の内側にあり、且つ、天板上面よりも下方に設定されているので、蓋を開いたときに下方に下がる部分と天板等の開口縁との干渉を回避して開口を広く設けて配線しやすくしている。
【0063】
また、軸部81を支持する支持構造は、図17(a)に示すように、天板本体10の開口縁部の下面から配線蓋411の下方に至るように軸支持部181を延ばし、この軸支持部181を介して軸部81を天板本体10に取り付けるとともに、湾曲ビーム61の開口縁部たる内周縁61bから配線蓋411の下方に至るように軸支持部181を延ばし、この軸支持部181を介して軸部81を湾曲ビーム61に取り付けて、第一及び第二の保持機構408A,408Bを構成している。他の例としては、図17(b)に示すように、配線空間S4の下方にある配線棚60から軸支持部281を上方に延ばし、軸支持部281に軸部81・81を支持させて、第一及び第二の保持機構1408A,1408Bを構成してもよい。勿論、上記では、被支持部側である配線蓋411に軸支持部分821を設け、支持部側の天板本体10等に軸部81を取り付けているが、これを逆にして被支持部側である配線蓋411に軸部81を設け、支持部側たる天板本体10等に軸支持部分821を設けてもよい。
【0064】
その他、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10,310…天板本体
10c…天板本体の外周縁(支持部)
11,311…配線蓋
11x…面板部
11y…垂下部
11b…配線蓋の内周縁(湾曲縁部,内周側縁部,被支持部,使用縁側の端部)
11c…配線蓋の外周縁(湾曲縁部,外周側縁部,反使用縁側の端部)
11g…回転支持部
11yb…静止面
11z…閉止位置規定部
12…軟質樹脂
Ke…開口縁
Ko…開口
S4…配線空間
po1…閉止位置
311a…下面
310fd…上向面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板本体の一部に湾曲した開口縁を有する開口を形成することで天板本体下に形成される配線空間を天板本体上方に前記開口を介して開放可能とし、前記開口縁に沿って湾曲する湾曲縁部を有する配線蓋により閉止される前記開口を開閉可能にしたことを特徴とするデスク。
【請求項2】
配線蓋が円弧状に湾曲した内周側縁部と外周側縁部とを有する扇形をなし、配線蓋の外周側又は内周側に設定した被支持部が天板本体もしくは天板本体を支持するパネルもしくは天板本体との間に開口を形成する部材に設定した支持部に支持されている請求項1に記載のデスク。
【請求項3】
前記配線蓋は、反使用縁側の端部を自由端として使用縁側に設定した前記被支持部が前記支持部に支持されている請求項2に記載のデスク。
【請求項4】
前記被支持部と前記支持部との間が回転支持部を介して接続されている請求項2〜3のいずれかに記載のデスク。
【請求項5】
配線蓋の下方に向かう回転動作を、配線蓋に設定した静止面を天板本体の一部に突き当てることにより規制して配線蓋の閉止位置を規定する閉止位置規定部を設けている請求項4に記載のデスク。
【請求項6】
配線蓋の被支持部である下面が、天板本体の一部に形成した上向面に着脱可能に支持されている請求項1〜3のいずれかに記載のデスク。
【請求項7】
天板本体が扇形をなし、前記配線蓋が前記天板本体の縁部に沿った扇形をなしている請求項1〜6のいずれかに記載のデスク。
【請求項8】
配線蓋が、天板上面と略面一に配置される面板部と、この面板部から湾曲縁部に沿って垂下する垂下部とを有する樹脂一体成型体である請求項7に記載のデスク。
【請求項9】
配線蓋の外周側縁部に軟質樹脂が取り付けてある請求項7又は8に記載のデスク。
【請求項1】
天板本体の一部に湾曲した開口縁を有する開口を形成することで天板本体下に形成される配線空間を天板本体上方に前記開口を介して開放可能とし、前記開口縁に沿って湾曲する湾曲縁部を有する配線蓋により閉止される前記開口を開閉可能にしたことを特徴とするデスク。
【請求項2】
配線蓋が円弧状に湾曲した内周側縁部と外周側縁部とを有する扇形をなし、配線蓋の外周側又は内周側に設定した被支持部が天板本体もしくは天板本体を支持するパネルもしくは天板本体との間に開口を形成する部材に設定した支持部に支持されている請求項1に記載のデスク。
【請求項3】
前記配線蓋は、反使用縁側の端部を自由端として使用縁側に設定した前記被支持部が前記支持部に支持されている請求項2に記載のデスク。
【請求項4】
前記被支持部と前記支持部との間が回転支持部を介して接続されている請求項2〜3のいずれかに記載のデスク。
【請求項5】
配線蓋の下方に向かう回転動作を、配線蓋に設定した静止面を天板本体の一部に突き当てることにより規制して配線蓋の閉止位置を規定する閉止位置規定部を設けている請求項4に記載のデスク。
【請求項6】
配線蓋の被支持部である下面が、天板本体の一部に形成した上向面に着脱可能に支持されている請求項1〜3のいずれかに記載のデスク。
【請求項7】
天板本体が扇形をなし、前記配線蓋が前記天板本体の縁部に沿った扇形をなしている請求項1〜6のいずれかに記載のデスク。
【請求項8】
配線蓋が、天板上面と略面一に配置される面板部と、この面板部から湾曲縁部に沿って垂下する垂下部とを有する樹脂一体成型体である請求項7に記載のデスク。
【請求項9】
配線蓋の外周側縁部に軟質樹脂が取り付けてある請求項7又は8に記載のデスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−85941(P2012−85941A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237072(P2010−237072)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【Fターム(参考)】
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