説明

データ提供システム

【課題】 予め設定される条件に適合する所定の番組の伝送の負荷分散を効率よく行うことのできるデータ提供システムを提供すること。
【解決手段】 データ提供システムは、1つ以上の加入者端末と、番組を蓄積するとともに、当該蓄積されている番組のうち1つ以上の加入者端末の中の所定の加入者端末による番組配信要求にかかわる所望の番組を当該所定の加入者端末に向けて配信する複数の番組配信手段と、予め設定される条件に適合する所定の番組例えば新たに登録された番組を複数の番組配信手段のうち少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う番組配置制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ提供システムに関し、例えば、加入者端末からの番組配信要求に応じて番組を配信するビデオ・オン・デマンドシステムに適用し得る。
【背景技術】
【0002】
従来のビデオ・オン・デマンドシステム(以下、「VODシステム」という。)には、複数のビデオサービスノードとビデオゲートウェイとビデオプログラム転送装置とがネットワークに接続され、またサービス監視要求装置および再配置計画装置を有するVODシステムがある。
【0003】
複数のビデオサービスノードは、ビデオプログラムを蓄積可能なビデオストレージを有している。また、複数のビデオサービスノードには、ビデオインフォメーションプロバイダおよび加入者端末を収容するビデオサービスノード(例えば第1および第2のビデオサービスノード)や、加入者端末のみを収容するビデオサービスノード(例えば第3のビデオサービスノード)などが含まれる。ビデオインフォメーションプロバイダは、ビデオプログラムを蓄積し、ビデオプログラムの配信元として機能している。
【0004】
ビデオゲートウェイは、ビデオプログラム番号とビデオプログラムを蓄積しているビデオインフォメーションプロバイダ番号あるいはビデオサービスノード番号のマッピングテーブルを管理データとして記憶するデータベースにアクセス可能になっている。
【0005】
サービス要求監視装置は、ビデオゲートウェイから取得した加入者端末によるサービス要求を監視し、サービス要求の高いビデオプログラムやサービス要求が減少したビデオプログラムを分析する。
【0006】
再配置計画装置は、サービス要求監視装置からのサービス要求の分析結果を基に、ビデオインフォメーションプロバイダの蓄積するビデオプログラムとビデオストレージを有するビデオサービスノードの蓄積するビデオプログラムの配置場所からの抹消、および蓄積されるビデオプログラムの配置場所の更新を計画する。
【0007】
ビデオプログラム転送装置は、再配置計画装置の計画に基づき、ビデオインフォメーションプロバイダあるいはビデオサービスノードに蓄積されているビデオプログラムの消去、ビデオインフォメーションプロバイダとビデオサービスノードとの間でのビデオプログラムの転送を行うとともに、これらビデオプログラムの消去やビデオプログラムの転送に伴い、ビデオプログラムの配置および蓄積されるビデオストレージの変更をビデオゲートウェイに申告する。
【0008】
上述したようなVODシステムでは、加入者端末からのサービス要求がネットワークを経由してビデオゲートウェイに入力されると、ビデオゲートウェイは、データベースの管理テーブルを参照して、加入者端末が希望するビデオプログラムのタイトルをビデオインフォメーションプロバイダあるいはビデオサービスノードへ通知する。
【0009】
ビデオゲートウェイから通知されたビデオプログラムのタイトルを受け取ったビデオインフォメーションプロバイダあるいはビデオサービスノードは、番組のタイトルに該当するビデオプログラムをサービス要求した加入者端末へ伝送する。
【0010】
また、VODシステムでは、サービス要求監視装置が加入者端末からのサービス要求の監視とその分析を行うとともに、再配置計画装置がその分析した結果に基づいてどのビデオプログラムをどのネットワーク内のビデオストレージに蓄積させるかを計画していた。
【0011】
なお、VODシステムとしては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
【特許文献1】特開平7−322235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記従来のVODシステムでは、ビデオインフォメーションプロバイダに新規のビデオプログラム(新規ビデオプログラム)が蓄積された場合、加入者端末による当該新規ビデオプログラムに対するサービス要求があるまでは、当該新規ビデオプログラムはそのビデオインフォメーションプロバイダのみに蓄積されていた。
【0013】
この状態から、上記新規ビデオプログラムがビデオストレージに蓄積されていない上記第1のビデオサービスノードあるいは上記第2のビデオサービスノードに収容されている加入者端末からサービス要求があった場合、再配置計画装置が、サービス要求監視装置によるサービス要求の分析の結果に基づきビデオプログラムの配置場所の更新を計画し、ビデオプログラム転送装置が、再配置計画装置による計画に基づきビデオインフォメーションプロバイダとビデオサービスノードとの間でのビデオプログラムの転送を行っていた。
【0014】
すなわち、新規ビデオプログラムが蓄積されているビデオインフォメーションプロバイダから、サービス要求した加入者端末を収容している上記第1のビデオサービスノードあるいは上記第2のビデオサービスノードに向けて当該新規ビデオプログラムが転送されることになる。そして、上記第1のビデオサービスノードあるいは上記第2のビデオサービスノードでは、転送されてきた新規ビデオプログラムをビデオストレージに蓄積していた。
【0015】
上述したように、上記従来のVODシステムでは、新規のビデオプログラムが切れ目無く提供される状況にあっては、加入者端末からのサービス要求の分析による再配置計画に基づくビデオプログラムの配置の最適化において信憑性に欠け、ビデオプログラムの伝送の負荷分散を効率よく行うことができなかった。
【0016】
そこで、本発明は、予め設定される条件に適合する所定の番組の伝送の負荷分散を効率よく行うことのできるデータ提供システム(例えば、ビデオ・オン・デマンドシステム)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るデータ提供システムは、(1)番組を蓄積するとともに、当該蓄積されている番組のうち前記1つ以上の加入者端末の中の所定の加入者端末による番組配信要求にかかわる所望の番組を当該所定の加入者端末に向けて配信する複数の番組配信手段と、(2)予め設定される条件に適合する所定の番組を前記複数の番組配信手段のうち少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う番組配置制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るデータ提供システムによれば、予め設定される条件に適合する所定の番組は少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置されるので、所定の加入者端末による番組配信要求に対する当該所定の番組の伝送の負荷分散を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0020】
(A)第1の実施形態
以下、本発明によるデータ提供システムの一の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。なお、実施形態のデータ提供システムは、ビデオ・オン・デマンドシステムである。
【0021】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、第1の実施形態に係るビデオ・オン・デマンドシステム(VODシステム)の構成を示している。
【0022】
VODシステム1は、図1に示すように、複数のビデオサービスノード21,22,23と、複数の再配置計画装置31,32,33と、ビデオゲートウェイ41と、サービス要求監視装置42と、番組転送装置43とがビデオサービスノード間ネットワーク(以下、「ネットワーック」という。)10に接続されている。これら各構成要素はネットワーク10を介して互いに通信できるようになっている。
【0023】
また、ビデオゲートウェイ41は、サービス要求監視装置42および番組転送装置43と接続されているとともに、データベース44と接続されている。
【0024】
ネットワーク10は、番組伝送のためのネットワークと制御信号伝送のためのネットワークから論理的に構成される。
【0025】
ビデオサービスノード21は、複数の加入者端末61,62を収容している。またビデオサービスノード22は、ビデオインフォメーションプロバイダ52と加入者端末63を収容している。さらにビデオサービスノード23は、ビデオインフォメーションプロバイダ53と複数の加入者端末64,65を収容している。
【0026】
加入者端末61〜65からのサービス要求は、ネットワーク10を経由して、ビデオゲートウェイ41に向けて送出される。
【0027】
データベース44は、番組(ビデオプログラム)を示す番組番号と、番組を蓄積しているビデオインフォメーションプロバイダを示すビデオインフォメーションプロバイダ番号、あるいは番組を蓄積しているビデオサービスノードを示すビデオサービスノード番号とをマッピングしたテーブル(マッピングテーブル)を管理データとして記憶する。この管理データの一例を図2に示す。
【0028】
図2に示すように、管理データ440は、番組番号441とビデオインフォメーションプロバイダ番号442とビデオサービスノード番号443とが対応付けされたテーブル(マッピングテーブル)である。番組番号441の項目には、番組を示す識別情報(番号)が登録される。ビデオインフォメーションプロバイダ番号442の項目には、番組を蓄積しているビデオインフォメーションプロバイダを示す識別情報(番号)が登録される。ビデオサービスノード番号443の項目には、番組を蓄積しているデオサービスノードを示す識別情報(番号)が登録される。
【0029】
このような管理データ440を記憶するデータベース44は、ビデオゲートウェイ41によって参照され、また更新されるようになっている。
【0030】
再度、図1を参照して説明すると、ビデオゲートウェイ41は、加入者端末61〜65からのサービス要求を受け付けて、データベース44の管理データ440の内容に応じて、加入者端末61〜65の各々が希望する番組のタイトルをビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23へ通知する。
【0031】
また、ビデオゲートウェイ41は、加入者端末61〜65からのサービス要求を受け付けると、その加入者端末からのサービス要求をサービス要求監視端末42へ送出する。
【0032】
さらに、ビデオゲートウェイ41は、後述する番組転送装置43からの申告に応じて、データベース44の管理データ440の内容を変更する。
【0033】
ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23は、ビデオゲートウェイ41からの通知を受けると、加入者端末61〜65の各々へ番組を伝送する。
【0034】
サービス要求監視装置42は、ビデオゲートウェイ41から送出されたサービス要求を取得し、そのサービス要求に基づき、加入者端末61〜65からの要求の高い番組や逆に加入者端末61〜65からの要求が減少してきた番組をビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23の各々別に分析するとともに、この分析した結果を再配置計画装置31,32,33へ送出する。
【0035】
再配置計画装置31,32,33は、サービス要求監視装置42からの分析結果に基づき、当該再配置計画装置31,32,33の各々が接続されているビデオサービスノード21,22,23のビデオストレージに既に蓄積されている番組の中で、ビデオサービスノード21,22,23の各々が接続されている加入者端末61〜65からのサービス要求が少ない番組を、消去する番組として決定する。
【0036】
番組転送装置43は、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23のいずれかに番組が登録された場合に、番組転送制御信号をネットワーク10経由でビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23のすべてに転送し、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23に蓄積されている番組を消去するとともに、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23との間で番組の転送を行う。
【0037】
また、番組転送装置43は、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23に蓄積されている番組の消去や、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23との間での番組の転送に伴い、この後に、番組の配置および蓄積されるビデオストレージの変更をビデオゲートウェイ41に申告する。
【0038】
第1の実施形態において、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53、およびビデオサービスノード21,22,23は、番組を蓄積するとともに、当該蓄積されている番組のうち1つ以上の加入者端末の中の所定の加入者端末による番組配信要求(サービス要求に対応する要求)にかかわる所望の番組を、当該所定の加入者端末に向けて配信する番組配信手段の機能を有している。
【0039】
ビデオインフォメーションプロバイダ52,53は、番組の配信元としての第1の番組配信手段の機能を有している。また、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53は、番組を、例えばビデオストレージなど番組蓄積手段に蓄積している。
【0040】
ビデオサービスノード21,22,23は、ビデオインフォメーションプロバイダ(第1の番組配信手段)から配信される番組を所定の加入者端末へ配信(転送)する第2の番組配信手段の機能を有している。
【0041】
ビデオサービスノード21,22,23は、ビデオインフォメーションプロバイダ(第1の番組配信手段)から配信される番組の全部または一部を蓄積する番組蓄積手段の機能を果たすビデオストレージを有している。
【0042】
また、ビデオサービスノード21,22,23は、所定の加入者端末による番組配信要求にかかわる所望の番組の全部または一部がビデオストレージ(番組蓄積手段)に蓄積されているときは、当該所望の番組をビデオストレージ(番組蓄積手段)から読み出すとともに該読み出した所望の番組を所定の加入者端末へ配信(転送)する。
【0043】
ビデオゲートウェイ41、サービス要求監視装置42、再配置計画装置31,32,33、および番組転送装置43が協働することにより、予め設定される条件に適合する所定の番組を上記複数の番組配信手段のうち少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う番組配置制御手段の機能を果たすようになっている。
【0044】
第1の実施形態において、予め設定される条件に適合する所定の番組とは、例えば、ビデオインフォメーションプロバイダに新規にアップロードされた番組(新たに登録された番組)、複数の番組配信手段(ビデオインフォメーションプロバイダ52,53、およびビデオサービスノード21,22,23)に蓄積されている番組の中で加入者端末からのサービス要求の高い番組などである。
【0045】
この所定の番組は、上記複数の番組配信手段のすべて、または少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置されるようになっている。
【0046】
少なくとも任意の複数の番組配信手段の最小構成は、新規番組が登録された1つのビデオインフォメーションプロバイダと、他の1つのビデオインフォメーションプロバイダまたは1つのビデオサービスノードとである。
【0047】
なお、図1に示す例において、例えばビデオインフォメーションプロバイダ52に新規番組が登録された場合、少なくとも任意の複数の番組配信手段の一例としては、「ビデオインフォメーションプロバイダ52およびビデオインフォメーションプロバイダ53」のパターン、「ビデオインフォメーションプロバイダ52およびビデオサービスノード22」のパターン、「ビデオインフォメーションプロバイダ52,53、ビデオサービスノード22,23」のパターンなどが挙げられる。
【0048】
ちなみに、複数の番組配信手段のすべては、例えば図1に示す例では、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53、およびビデオサービスノード21,22,23となる。
【0049】
上述したようにビデオゲートウェイ41、サービス要求監視装置42、再配置計画装置31,32,33、および番組転送装置43が協働することにより実現される番組配置制御手段は、所定の番組を、当該所定の番組の配置先としての予め設定される番組配信手段を示す情報に基づく少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う。
【0050】
また、上記番組配置制御手段は、少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、例えば、蓄積されている所定の番組を当該所定の番組に対する番組配信要求の頻度に応じて消去するべく制御を行う。
【0051】
第1の実施形態において、所定の番組の配置先としての予め設定される番組配信手段を示す情報とは、複数の番組配信手段のすべての番組配信手段を示す識別情報、または少なくとも任意の複数の番組配信手段を示す識別情報のことである。
【0052】
サービス要求監視装置42は、少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、該当する番組配信手段に蓄積されている所定の番組に対する番組配信要求の頻度を分析する番組配信要求分析手段の機能を有している。
【0053】
再配置計画装置31,32,33は、サービス要求監視装置(番組配信要求分析手段)42による分析の結果に基づき、少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、すでに蓄積されている所定の番組の消去すべき旨を計画する番組配置計画手段の機能を有している。
【0054】
番組転送装置43は、再配置計画装置(番組配置計画手段)31,32,33による計画に基づき、少なくとも任意の複数の番組配信手段から所定の番組を消去させる制御を行う番組処理制御手段の機能を有している。
【0055】
また、番組転送装置43は、所定の番組の配置先としての予め設定される番組配信手段を示す情報を、番組転送順序を含む番組配置先情報として保存し、この番組配置先情報に基づく番組配信手段(少なくとも任意の複数の番組配信手段)に対し、所定の番組(例えば新規番組)を転送するべき旨を通知する。
【0056】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、VODシステム1による新規番組が登録された場合の当該新規番組の配置制御処理について、図3を参照して説明する。
【0057】
図3は、その配置制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。なお、図3において、VIPはビデオインフォメーションプロバイダを示し、VSNはビデオサービスノードを示す。
【0058】
ここでは、ビデオインフォメーションプロバイダ52に新規番組が登録され、この新規番組を複数の番組配信手段のすべて、すなわちビデオインフォメーションプロバイダ52に加えて、ビデオインフォメーションプロバイダ53およびビデオサービスノード21,22,23のすべてに配置する例について説明する。
【0059】
ビデオインフォメーションプロバイダ52に新規番組がアップロードされると(ビデオインフォメーションプロバイダ52に新規番組が蓄積されると)、ビデオインフォメーションプロバイダ52は、図3に示すように、新規番組が登録された旨をビデオゲートウェイ41へ通知する(S1)。ここで、新規番組が登録された旨には、新規番組を示す識別情報(番組番号)が含まれている。
【0060】
ビデオゲートウェイ41は、通知された新規番組が登録された旨に基づき、データベース44(の管理データ440)の内容を更新する(S2)。
【0061】
例えば、ビデオゲートウェイ41は、図2(a)に示すように、データベース44の管理データ440において、番組番号441の項目に対応して、新規番組が登録された旨に含まれる新規番組を示す識別情報(番組番号)例えば「Pr.1」を登録し、また、ビデオインフォメーションプロバイダ番号442の項目に対応して、その新規番組が登録された旨を通知してきたビデオインフォメーションプロバイダ52を示す識別情報(ビデオインフォメーションプロバイダ番号)例えば「52」を登録する。ビデオサービスノード443の項目については何も登録されない。
【0062】
次に、ビデオゲートウェイ41は、すべての転送先へ新規番組を転送すべき旨を番組転送装置43へ通知する(S3)。
【0063】
ここで、第1の実施形態では、すべての転送先とは、新規番組が登録された番組配信手段(ビデオインフォメーションプロバイダ)を除く1つ以上の番組配信手段のすべて、または新規番組が登録された番組配信手段(ビデオインフォメーションプロバイダ)を除く少なくとも任意の1つ以上の番組配信手段を意味する。
【0064】
すべての転送先へ新規番組を転送すべき旨の通知を受け取った番組転送装置43は、当該番組転送装置43に保存されている番組配置先情報(番組転送順序を含む)に基づく、番組配信手段(少なくとも任意の複数の番組配信手段)に対し、所定の番組(例えば新規番組)を転送するべき旨を通知する(S4)。
【0065】
ここで、第1の実施形態では、新規番組を複数の番組配信手段のすべてに配置する場合を想定しているので、番組転送順序を含む番組配置先情報は、「新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダを基点として、このビデオインフォメーションプロバイダから、他のビデオインフォメーションプロバイダのすべておよびビデオサービスノードのすべてへ転送するという番組転送順序情報」と、「複数の番組配信手段のそれぞれを示す識別情報」とを含んでいる。
【0066】
この例では、番組転送順序を含む番組配置先情報は、「新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52を基点として、このビデオインフォメーションプロバイダ52が、他のビデオインフォメーションプロバイダ53、およびビデオサービスノード21,22,23のそれぞれへ転送するという番組転送順序情報」と、「ビデオインフォメーションプロバイダ52,53およびビデオサービスノード21,22,23のそれぞれを示す情報(ビデオインフォメーションプロバイダ番号およびビデオサービスノード番号)」と、を含んでいる。
【0067】
したがって、番組転送装置43は、上記S4を実行するに際し、すべての転送先へ新規番組を転送すべき旨の通知を受け取ったときは、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52に対し、所定の番組(例えば新規番組)を転送するべき旨とともに上述した番組配置先情報(番組転送順序を含む)を通知することになる。
【0068】
新規番組が登録(蓄積)されているビデオインフォメーションプロバイダ52は、番組転送装置43から通知された通知内容を受け取ると、番組配置先情報(番組転送順序情報を含む)に基づき、当該ビデオインフォメーションプロバイダ52に蓄積されている新規番組をコピーし、この新規番組のコピーを、他のビデオインフォメーションプロバイダ53、およびビデオサービスノード21,22,23のそれぞれへ転送する(S5,S6,S7,S8)。
【0069】
他のビデオインフォメーションプロバイダ53、およびビデオサービスノード21,22,23では、ビデオインフォメーションプロバイダ52からの新規番組のコピーを受け取り、これを蓄積する。とくに、ビデオサービスノード21,22,23は、新規番組のコピーをビデオストレージに蓄積する。
【0070】
新規番組(のコピー)を蓄積したビデオインフォメーションプロバイダ53、およびビデオサービスノード21,22,23は、新規番組の転送元であるビデオインフォメーションプロバイダ52に対し、その新規番組の蓄積完了を通知する。
【0071】
また、すべての転送先からの新規番組の蓄積完了の通知を受け取ったビデオインフォメーションプロバイダ52は、新規番組をすべての転送先へ転送した旨を番組転送装置43へ通知する。
【0072】
そして、ビデオインフォメーションプロバイダ52からの通知内容(新規番組をすべての転送先へ転送した旨)を受け取った番組転送装置43が、番組配置先情報をビデオゲートウェイ41へ通知するとともに、番組の配置(配置場所)の変更、および番組の蓄積される蓄積場所(ビデオストレージなどの番組蓄積手段)の変更をビデオゲートウェイ41に申告する(S9)。
【0073】
ビデオゲートウェイ41は、番組転送装置43からの申告内容および番組配置先情報に基づき、データベース44(の管理データ440)の内容を更新する(S10)。
【0074】
例えば、ビデオゲートウェイ41は、図2(b)に示すように、データベース44の管理データ440において、番組番号441の項目に対応して登録されている登録内容(新規番組を示す識別情報(番組番号)例えば「Pr.1」)については変更しないものの、ビデオインフォメーションプロバイダ番号442の項目に対応して、新規番組が登録された旨を通知してきたビデオインフォメーションプロバイダ52を示す識別情報(例えば「52」)に加えて、ビデオインフォメーションプロバイダ52を示す識別情報(ビデオインフォメーションプロバイダ番号)例えば「53」を追加登録し、さらに、ビデオサービスノード番号443の項目に対応して、ビデオサービスノード21,22,23のそれぞれを示す識別情報(例えば「21,22,23」)を登録する。
【0075】
ところで、上述した図3に示す例では、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52が、他のすべての転送先(他のビデオインフォメーションプロバイダ53、およびビデオサービスノード21,22,23のすべて)へ新規番組を転送する、という新規番組の転送手順としているが、これに限定されることなく、次のようにしてもよい。
【0076】
すなわち、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダは、新規番組を他のビデオインフォメーションプロバイダあるいはビデオサービスノードへ転送し、新規番組が転送されてきた他のビデオインフォメーションプロバイダあるいはビデオサービスノードは、取得した新規番組を、さらに他のビデオインフォメーションプロバイダあるいは他のビデオサービスノードへ転送する。そして、これらすべての転送先では、転送されてきた新規番組を蓄積するようにする。
【0077】
例えば、新規番組の転送手順としては、図4(a)に示すように、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52は、新規番組を、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52が収容されているビデオサービスノード22、ビデオインフォメーションプロバイダを収容していないビデオサービスノード例えばビデオサービスノード21、および他のビデオインフォメーションプロバイダ53のそれぞれへ転送し(S21,S22,S23)、ビデオインフォメーションプロバイダ53は、転送されてきた新規番組を、当該ビデオインフォメーションプロバイダ53を収容しているビデオサービスノード23へ転送する(S24)。
【0078】
また、新規番組の他の転送手順としては、図4(b)に示すように、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダ52は、新規番組を、当該ビデオインフォメーションプロバイダ52を収容しているビデオサービスノード22へ転送し(S31)、このビデオサービスノード22が、転送されてきた新規番組を、他のビデオインフォメーションプロバイダ53へ転送し(S32)、このビデオインフォメーションプロバイダ53が、転送されてきた新規番組を、当該ビデオインフォメーションプロバイダ53を収容しているビデオサービスノード23へ転送し(S33)、このビデオサービスノード23が、転送されてきた新規番組をビデオサービスノード21へ転送する(S34)。
【0079】
そして、ビデオインフォメーションプロバイダ53およびビデオサービスノード21,22,23は、転送されてきた新規番組をビデオストレージなど番組蓄積手段に蓄積する。
【0080】
この状態から、番組番号「Pr.2」の新規番組および番組番号「Pr.3」の新規番組のそれぞれが、上述した番組番号「Pr.1」の新規番組の場合と同様にして、ビデオインフォメーションプロバイダ52あるいはビデオインフォメーションプロバイダ53に登録され、すべての転送先(少なくとも任意の複数の番組配信手段)に転送され蓄積されたとする。
【0081】
それらの番組番号「Pr.1」〜「Pr.3」の各番組に対する加入者端末61〜65からのサービス要求(番組配信要求)が行われたことに起因して、番組転送装置43は、番組転送制御信号をネットワーク10経由でビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23のすべてに転送し、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23に蓄積されている番組を消去するとともに、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23との間で番組の転送を行う。
【0082】
また、番組転送装置43は、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53あるいはビデオサービスノード21,22,23に蓄積されている番組の消去や、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23との間での番組の転送に伴い、この後に、番組の配置および蓄積されるビデオストレージの変更をビデオゲートウェイ41に申告する。
【0083】
ビデオゲートウェイ41は、番組転送装置43からの申告に応じて、データベース44の管理データ440の内容を変更する。
【0084】
このようにしてビデオゲートウェイ41によるデータベース44の更新処理が実施された場合、時刻Tでのデータベース44の管理データ440の内容の一例を図5(a)に示し、時刻Tから時間tだけ経過した時刻(T+t)のデータベース44の管理データ440の内容の一例を図5(b)に示す。
【0085】
図5(a)で示した例では、時刻Tにおける番組番号「Pr.1」〜「Pr.3」の3種類の番組の配置場所が、ビデオインフォメーションプロバイダ番号52,53あるいはビデオサービスノード番号21,22,23で示されている。番組番号「Pr.1」の番組は、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23とに配置されている。また、番組番号「Pr.2」の番組は、ビデオインフォメーションプロバイダ52のみに配置されている。さらに番組番号「Pr.3」の番組は、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53とビデオサービスノード21,22,23とに配置されている。
【0086】
図5(b)では、時刻Tから時間tだけ経過した時刻(T+t)における番組番号「Pr.1」〜「Pr.3」の3種類の番組の配置場所が示されている。番組番号「Pr.1」の番組は、時刻Tのときと変わらず、ビデオインフォメーションプロバイダ52,53およびビデオサービスノード21,22,23に配置されている。一方、番組番号「Pr.2」の番組は、時刻Tのときに配置されていたビデオインフォメーションプロバイダ52に加えて、ビデオインフォメーションプロバイダ53およびビデオサービスノード21,22,23にも配置されている。さらに番組番号「Pr.3」の番組は、時刻Tのときに配置されていたビデオインフォメーションプロバイダ53およびビデオサービスノード22,23からは消去され、ビデオインフォメーションプロバイダ52およびビデオサービスノード21のみに配置されている。
【0087】
このようにビデオゲートウェイ41は、番組転送装置43からの申告に応じて、データベース44の管理データ440に関し、例えば、図2(a)に示す内容を図2(b)に示す内容に変更し、また図2(b)に示す内容を図5(a)に示す内容に変更し、さらに図5(a)に示す内容を図5(b)に示す内容に変更する。
【0088】
次に、図1に示したVODシステム1の点線で囲まれた部分に注目した場合の、VODシステム1による加入者端末からのサービス要求に対する番組の転送処理および再配置処理について、図6および図7を参照して説明する。
【0089】
図6は、図1に示したVODシステム1の点線で囲まれた部分を書き直したVODシステム1の構成を示している。図7は、VODシステム1による加入者端末からのサービス要求に対する番組の転送処理および再配置処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0090】
図6のVODシステム1は、ビデオインフォメーションプロバイダ52からのビデオ信号と音声信号を加入者端末63へ提供するものである。
【0091】
図7に示すように、加入者端末63からのサービス要求信号は、ビデオサービスノード22を経由して、ネットワーック10に送られる。ネットワーク10からのサービス要求信号はビデオゲートウェイ41へ転送される(S41)。
【0092】
ビデオゲートウェイ41は、加入者端末63とビデオインフォメーションプロバイダ52との間に番組選択のための選択信号やビデオカセットレコーダ相当のビデオ再生制御などの各制御信号のためのコネクションの設定を行う。すなわち、ビデオゲートウェイ41は、加入者端末63が選択したビデオインフォメーションプロバイダ52に対し、加入者端末63のネットワークアドレスをネットワーク10経由で通知する。そして、ビデオゲートウェイ41が、ビデオインフォメーションプロバイダ52のネットワークアドレスを加入者端末63へ通知すると、ネットワーク10を介して、加入者端末63とビデオインフォメーションプロバイダ52との間に各種制御信号のためのコネクションが設定される(S42)。
【0093】
さらに、ビデオゲートウェイ41は、加入者端末63からのサービス要求信号を基に、ネットワーク10経由でビデオサービスノード22を制御することにより、加入者端末63とビデオインフォメーションプロバイダ52との間に番組の伝送のためのコネクションを設定する。
【0094】
加入者端末63による番組の選択要求は、ビデオサービスノード22、ネットワーク10を経由してビデオゲートウェイ41へ送られる(S43)。
【0095】
ビデオゲートウェイ41は、加入者端末63からの番組選択信号を受信して解読し、この解読した結果に基づき、データベース44の管理データ440を参照することにより所定のビデオインフォメーションプロバイダを特定するとともに、ネットワーク10を介して、加入者端末63が選択した番組のタイトルを前記特定した所定のビデオインフォメーションプロバイダとしてのビデオインフォメーションプロバイダ52へ通知する。
【0096】
ビデオインフォメーションプロバイダ52では、予めデジタル圧縮化された番組が当該ビデオインフォメーションプロバイダ52のビデオストレージなど番組蓄積手段に蓄積されており、蓄積された番組はビデオインフォメーションプロバイダ52によって読み出される。ビデオインフォメーションプロバイダ52は、ネットワーク10経由でビデオゲートウェイ41から通知されたタイトルの番組の提供が可能な場合は、ビデオストレージなど番組蓄積手段から該当する番組を読み出し、ビデオサービスノード22へ送出する。
【0097】
ビデオサービスノード22は、ビデオインフォメーションプロバイダ52からの番組を加入者端末63へ転送する(S44)。ビデオサービスノード22経由で加入者端末63に転送されてきた番組は、加入者端末63によって再生される。
【0098】
加入者端末63による所望の番組の再生制御要求は、ビデオサービスノード22、ネットワーク10を経由してビデオゲートウェイ41へ送られる。ビデオゲートウェイ41は、加入者端末63からの再生制御信号を受信して、これらをネットワーク10、ビデオサービスノード22を介してビデオインフォメーションプロバイダ52へ送出する。
【0099】
サービス要求監視装置42は、ビデオゲートウェイ41から取得した加入者端末63からの要求が減少してきた番組を分析し、この分析した結果を再配置計画装置32へ送出する(S45)。
【0100】
再配置計画装置32は、サービス要求監視装置42から与えられるサービス要求分析結果を取得し、ビデオサービスノード22にすでに蓄積されている番組の中で、加入者端末63からのサービス要求が少ない番組を消去する時期を決定し、この決定した結果を番組転送装置43へ送出する(S46)。
【0101】
番組転送装置43は、再配置計画装置32による計画の結果に基づき、番組消去信号、番組コピー生成信号、スイッチ制御信号、番組転送信号をネットワーク10へ送出する。
【0102】
ビデオサービスノード22は、ネットワーク10経由で番組転送装置43からの番組消去信号を受信すると、当該ビデオサービスノード22内のビデオストレージに蓄積されている番組を消去する(S47)。
【0103】
また、ビデオインフォメーションプロバイダ52は、ネットワーク10経由で番組転送装置43からの番組コピー生成信号を受信すると、ビデオストレージなど番組蓄積手段に蓄積している番組の中から所定の番組のコピーを作る(S48)。
【0104】
さらに、ビデオインフォメーションプロバイダ52は、ネットワーク10経由で受信する番組転送装置43からのスイッチ制御信号に応じて、制御され、ビデオインフォメーションプロバイダ52とビデオサービスノード22と間に、番組のコピー転送のためのチャネルを設定し、番組のコピーを転送する(S49、S50)。
【0105】
以上説明したようにVODシステム1では、加入者端末63は、ビデオインフォメーションプロバイダ52あるいはビデオサービスノード22に配置された番組の中から、所望の番組を受信し、再生制御を行うことが可能である。また、VODシステム1は、加入者端末63のサービス要求を監視し、この監視結果から番組の最適配置を決定し、ビデオサービスノード22への番組の転送を実行することができる。
【0106】
なお、第1の実施形態では、転送対象の番組としての「新たに登録された番組(新規番組)」を、新規番組が登録されたビデオインフォメーションプロバイダが、すべての転送先、すなわち、すべてのビデオサービスノード、すべての他のビデオインフォメーションプロバイダ、または1つ以上のビデオサービスノードおよび1つ以上の他のビデオインフォメーションプロバイダへ転送するようにしているが、これに限定されることなく、転送対象の番組としての「加入者端末(視聴者)からのサービス要求が高かった番組」に関して、すべての転送先へ転送するようにしてもよい。
【0107】
この場合、転送対象の番組としての「加入者端末(視聴者)からのサービス要求が高かった番組」を蓄積しているビデオインフォメーションあるいはビデオサービスノードは、当該ビデオインフォメーションあるいは当該ビデオサービスノードを除く、すべてのビデオサービスノード、すべてのビデオインフォメーションプロバイダ、または1つ以上のビデオサービスノードおよび1つ以上のビデオインフォメーションプロバイダへ転送するようにする。
【0108】
また、第1の実施形態では、ビデオサービスノード毎に再配置計画装置が配置される構成としているが、これに限定されることなく、少なくとも1つのビデオサービスノードに対応して1つの再配置計画装置が配置される構成としてもよい。
【0109】
さらに、第1の実施形態においては、ビデオサービスノードまたはビデオインフォメーションプロバイダから番組を転送先へコピー転送するに際し、番組のコピーを、マルチキャスト通信またはユニキャスト通信により転送することができる。
【0110】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態によれば、予め設定される条件に適合する所定の番組、例えば新規番組は、少なくとも任意の複数の番組配信手段、例えば複数のビデオインフォメーションプロバイダまたは1つ以上のビデオインフォメーションおよび1つ以上のビデオサービスノードに配置されるので、所定の加入者端末による番組配信要求(サービス要求に対応する要求)に対する当該所定の番組の伝送の負荷分散を効率よく行うことができる。
【0111】
すなわち、サービス要求監視装置42が加入者端末63のサービス要求の監視とその分析を行い、再配置計画装置32がその分析結果に基づいてどの番組をどのネットワーク内のビデオストレージから消去するか計画し、さらに番組転送装置43がその計画を実行(番組の再配置を実行)し、新たに登録された番組をすべてのビデオストレージに転送するので、新規番組への要求集中を分散することができる。これにより、ビデオインフォメーションプロバイダ52のVODサービス運用の経費を削減することができる。
【0112】
(B)他の実施形態
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0113】
上記の実施形態においては、ビデオ・オン・デマンドシステムに適用した例について説明したが、他の種類のデータを提供するデータ提供システムに適用しても良い。すなわち、配信する対象の番組は、ビデオの番組だけではなく、例えば、音声(オーディオ)のみの番組などでも良く、提供する番組に係るデータの種類は限定されないものである。また、例えば、ビデオの番組と、音声の番組の両方を配信するなど、複数種類のデータの番組を配信するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】第1の実施形態に係るビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)の構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るデータベースに記憶される管理データの一例(新規番組が登録された場合およびすべての転送先に新規番組が転送された場合)を示す図である。
【図3】第1の実施形態に係るビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)による新規番組が登録された場合の当該新規番組の配置制御処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態に係るビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)による新規番組の配置制御処理にかかわる新規番組の他の転送手順を示すシーケンス図である。
【図5】第1の実施形態に係るデータベースが更新された場合の管理データを説明する図である。
【図6】第1の実施形態に係るビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)における注目する部分の構成を書き直した後の構成を示す構成図である。
【図7】図6に示したビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)による加入者端末からのサービス要求に対する番組の転送処理および再配置処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0115】
1・・・ビデオ・オン・デマンドシステム(データ提供システム)、21,22,23・・・ビデオサービスノード、31,32,33・・・再配置計画装置、41・・・ビデオゲートウェイ、42・・・サービス要求監視装置、43・・・番組転送装置、44・・・データベース、51,52・・・ビデオインフォメーションプロバイダ、61,62,63,64,65・・・加入者端末、440・・・管理データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組を蓄積するとともに、当該蓄積されている番組のうち1つ以上の加入者端末の中の所定の加入者端末による番組配信要求にかかわる所望の番組を当該所定の加入者端末に向けて配信する複数の番組配信手段と、
予め設定される条件に適合する所定の番組を前記複数の番組配信手段のうち少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う番組配置制御手段と、
を有することを特徴とするデータ提供システム。
【請求項2】
前記番組配置制御手段は、
前記所定の番組を、当該所定の番組の配置先としての予め設定される番組配信手段を示す情報に基づく前記少なくとも任意の複数の番組配信手段に配置するべく制御を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ提供システム。
【請求項3】
前記番組配置制御手段は、
前記少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、該当する番組配信手段に蓄積されている前記所定の番組に対する番組配信要求の頻度を分析する番組配信要求分析手段と、
前記番組配信要求分析手段による分析の結果に基づき、前記少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、すでに蓄積されている前記所定の番組の消去すべき旨を計画する番組配置計画手段と、
前記番組配置計画手段による計画に基づき、前記少なくとも任意の複数の番組配信手段から前記所定の番組を消去させる制御を行う番組処理制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載のデータ提供システム。
【請求項4】
前記番組配置制御手段は、
前記少なくとも任意の複数の番組配信手段にかかわる番組配信手段ごとに、新規番組全てを追加すべき旨を計画する番組配置計画手段と、
前記番組配置計画手段による計画に基づき、前記少なくとも任意の複数の番組配信手段から前記所定の番組を消去させる制御を行う番組処理制御手段と、
を有することを特徴とする請求項1〜3に記載のデータ提供システム。
【請求項5】
前記少なくとも任意の複数の番組配信手段は、
番組の配信元としての1つ以上の第1の番組配信手段と、
前記第1の番組配信手段から配信される番組を前記所定の加入者端末へ配信する1つ以上の第2の番組配信手段と、
を有し、
前記第2の番組配信手段は、
前記第1の番組配信手段から配信される番組の全部または一部を蓄積する番組蓄積手段を有し、
さらに、前記第2の番組配信手段は、
前記所定の加入者端末による番組配信要求にかかわる所望の番組の全部または一部が前記番組蓄積手段に蓄積されているときは、当該所望の番組を前記番組蓄積手段から読み出すとともに該読み出した所望の番組を前記所定の加入者端末へ配信する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のデータ提供システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−182629(P2009−182629A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19504(P2008−19504)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】