説明

トラクタモアーの集草装置

【課題】 シュータ内の搬送中の残留芝草を、このシュータ底部下方に落下排出させる形態では、このシュータの下側にはアクスルハウジング等が配置構成されるため、前後のプレート間に芝草の一部が落下停滞して、プレートの起伏回動が行われ難くなったり、シュータ内の芝草の詰りを生じ易く、構成、操作が煩雑となる。
【解決手段】 車体腹部に装着のモアデッキ1の排出口2と、車体後部に装着のコレクタ3の供給口4との間にわたって連通するシュータ5の底部に、このコレクタ3の供給口4にのぞむメインプレート6を後傾反転させて集草を送込可能に設け、このメインプレート6の前端には、前記モアデッキ1の排出口2側に向けたプレート縁7を、シュータ5内の上下に位置させるように起伏回動可能のサブプレート8を連設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、モアデッキからコレクタへ送込搬送するシュータにおける集草詰りを防止するトラクタモアーの集草装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コレクタの集草を排出させるとき、シュータの底部に前後二連に起伏回動可能に構成のプレートを配置して、これらのプレートを操作レバーによって順次起立回動させて、このシュータ内に残留する集草を、コレクタ側へ送込むと共に、この起立回動されたシュータ底面の開放部から後続排送される芝草を排出させて、シュータ内の芝草の残留、詰り等をなくする技術(例えば、特許文献1)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−206468号公報(第7頁、図7)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コレクタに収集した芝草を排出するとき、このコレクタに送込むシュータの底部の前後プレートを後傾転倒させて、シュータ内の搬送中の残留芝草を、このシュータ底部下方に落下排出させる形態では、このシュータの下側にはアクスルハウジング等が配置構成されるため、前後のプレート間に芝草の一部が落下停滞して、プレートの起伏回動が行われ難くなったり、シュータ内の芝草の詰りを生じ易く、構成、操作が煩雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、車体腹部に装着のモアデッキ1の排出口2と、車体後部に装着のコレクタ3の供給口4との間にわたって連通するシュータ5の底部に、このコレクタ3の供給口4にのぞむメインプレート6を操作レバー9の操作により後傾反転させて集草を送込可能に設け、このメインプレート6の前端には、前記モアデッキ1の排出口2側に向けたプレート縁7を、シュータ5内の上下に位置させるように起伏回動可能のサブプレート8を連設したことを特徴とするトラクタモアーの集草装置の構成とする。
【0006】
上記の構成によると、モアデッキ1で刈取られた芝草は、シュータ5を介して車体後部のコレクタ3へ集草収容される。この芝草を収集したコレクタ3をダンプして集草排出するときは、操作レバー9による操作によって、サブプレート8及びメインプレート6を起伏回動して、このシュータ5内の集草をモアデッキ1の排出口2からの送込芝草と仕切りして、このシュータ5内の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込んで、シュータ5内の残留芝草をなくして、後続の芝草搬送を円滑に行わせるものである。
【0007】
サブプレート8が前方下部に倒れている状態では、排出口2から排出される芝草をシュータ5内へ案内して、供給口4側へ搬送させる。このサブプレート8を起立回動すると、シュータ5の始端部が排出口2から仕切られて、このサブプレート8の起立回動によって上面を搬送中の芝草をメインプレート6上面側へ掻込むようにして集草の仕切りを行い、この後続として排出口2から排出される芝草があると、起立回動したサブプレート8の前側面を下方へ案内されてモアデッキ1跡の圃場面へ排出案内される。又、このサブプレート8の起立回動によって掻込まれたメインプレート6上の芝草は、続くメインプレート6の後傾反転、乃至起立回動によって、供給口4からコレクタ3内へ送込まれる。
【0008】
このように、サブプレート8はメインプレート6の前端部において、起伏回動可能に連設されるため、仕切芝草のメインプレート6上面への掻込を的確に円滑に行わせる。又、この掻込まれた芝草を全てそのままメインプレート6の後傾転倒、及びこれと一体的なサブプレート8の回動によって、供給口4へ送込まれる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のトラクタモアーの集草装置において、前記メインプレート6を後傾反転操作する操作レバー9の初期回動域でサブプレート8を起伏回動し、続く回動域でこのサブプレート8の起伏状態を維持したメインプレート6を起伏回動可能に設ける。前記のようにサブプレート8、及びメインプレート6の起伏回動操作は、操作レバー9の前後、乃至上下方向の回動操作によって行われる。この操作レバー9の初期回動域では、メインプレート6をシュータ5の底部に位置させた状態にして、このメインプレート6の前端縁に対してサブプレート8を起伏回動することができ、このサブプレート8をメインプレート6に対して起立回動することによって、排出口2からこのサブプレート8上面に搬出されている芝草をメインプレート6上面へ掻込むようにして、後続排出の芝草との間を仕切る。このようにしてサブプレート8を起立させた状態から操作レバー9を操作してメインプレート6を起立回動させると、サブプレート8を芝草掻込姿勢に維持した位置から、このメインプレート6をも一体的に後傾反転させて、このメインプレート6上面の芝草をコレクタ3内へ送込むことができる。このようなサブプレート8、及びメインプレート6の一連の回動操作は、単一の操作レバー9を把持した状態で、持替えることなく行うことができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のトラクタモアーの集草装置であって、前記サブプレート8を有したメインプレート6の後傾反転の回動操作において、これらメインプレート6とサブプレート8の回動差を吸収可能に設ける。
【0011】
前記のようにメインプレート6に対してサブプレート8を起立回動することによって、前記モアデッキ1の排出口2から排送される芝草をメインプレート6上面側へ掻込んで、このメインプレート6部と排出口2との間を仕切って、このメインプレート6及びサブプレート8を後傾反転させるように起立回動させて、これらメインプレート6及びサブプレート8面上の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込む。このようなメインプレート6の起立回動時に、サブプレート8のプレート縁7がシュータ5の天井面に接近又は接当して、集草の一部を挾持したり、起立回動の抵抗を受けて、回動を制限されるも、メインプレート6は、回動差の吸収作用を受けて設定の後傾反転位置にまで回動されて、これらサブプレート8及びメインプレート6による集草を、コレクタ3内へ円滑に送込む。
【0012】
このため、プレート縁7の突出長さがシュータ5の天井面に接近、乃至接当するようにできるだけ長く形成できるため、排出口2との間の仕切作用を正確に行い、この排出口2から排出される芝草を直接刈取地面側へ排出する排出案内を正確に行わせることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1、2、又は3に記載のトラクタモアーの集草装置において、前記メインプレート6の後傾反転回動を、このメインプレート6の前端部のサブプレート8を起立させた状態にして行わせる構成とする。
【0014】
前記のようにサブプレート8の前下方に倒伏回動位置では、排出口2から排出される芝草をシュータ5内へ送込ませて、供給口4からコレクタ3内へ送込案内する。このサブプレート8上面の集草をメインプレート6側へ送込んで、前側の排出口2との間の仕切りを行うときは、このサブプレート8をメインプレート6に対して起立回動させる。このとき、排出口2からの後続排出の芝草は、サブプレート8の裏面部に案内されて、下方の刈取跡地面へ排出される。前記サブプレート8を起立回動してメインプレート6上面に集送された芝草は、この起立姿勢のサブプレート8位置を維持した状態のメインプレート6を起立回動して後傾反転位置にし、この上面の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込む。
【0015】
このようにメインプレート6の起立回動時は、サブプレート8も起立回動位置姿勢を維持するため、集草の上部分がシュータ5部等の摩擦抵抗を受けても、サブプレート8の後側部への漏落等をなくして、供給口4側への正確で、円滑な送込作用を行わせる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明は、シュータ5底部のサブプレート8をメインプレート6の前端縁部に対して、起伏回動可能に設けるため、集草シュータ5としての構成が簡潔的であり、搬送芝草の仕切りを的確に行わせることができ、この仕切られた芝草のメインプレート6への掻込、及びこの後傾反転においてはサブプレート8を一体的に回動させてコレクタ3への集草を外部に漏らせることなく円滑に行わせることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明は、メインプレート6を後傾反転するように操作する操作レバー9の初期回動域で、サブプレート8を起伏回動操作するため、操作レバー9を把持したままで持替えることなく初期回動域から続く後傾反転回動域へ操作して、サブプレート8を有したメインプレート6を起伏回動させて、簡単で、迅速な切替操作を行わせることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、メインプレート6、及びサブプレート8を後傾反転回動させて、これらの上面の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込むとき、このサブプレート8の起立回動域に拘らず、この回動差を吸収する吸収作用によってメインプレート6の後傾反転回動位置を設定位置に維持して、集草を正確にコレクタ3内へ送込ませることができる。又、このためサブプレート8のプレート縁7をできるけ長く形成して、起立回動時の排出口2側と間の仕切作用を正確に行わせ、的確な集草案内作用を行わせることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、シュータ5と排出口2との間を仕切るときは、メインプレート6前端のサブプレート8を起立回動させて、プレート縁7を排出口2上端縁部のシュータ5内天井面に接近させることによって、仕切り、及びこの排出口2から排出芝草の刈取跡地面への排出案内を正確、円滑に行わせることができる。しかも、このサブプレート8を起立回動することによって、このサブプレート8上面に排出された芝草をメインプレート6上面に集送して、しかも、この集送状態を、メインプレート6の後傾反転姿勢への移行と共に維持して、このメインプレート6上の集草をサブプレート8の後側へ逃さないように保持し、的確な集送仕切り作用と、円滑なコレクタ3への送込作用を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】シュータ部の作動を示す側面図。
【図2】シュータ部の作動を示す側面図。
【図3】その連動リンク機構の平面図。
【図4】一部別例のシュータ部の作動を示す側面図。
【図5】その作動状態を示す側面図。
【図6】一部別例のシュータ部の作動を示す側面図。
【図7】トタクタモアーの側面図。
【図8】その一部作動状態を示す側面図。
【図9】一部別例を示すシュータ部の側面図。
【図10】一部別例を示すシュータ部の側面図。
【図11】一部別例を示すコレクタ部の平面図。
【図12】その側面図。
【図13】一部別例を示すコレクタの側面図。
【図14】更に他の例を示すコレクタの側面図。
【図15】その拡大側面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図面に基づいて、トラクタモアーは、ステアリングハンドル20によって操向する前輪21と、運転席22後部の後輪23を、エンジン24によって伝動駆動して走行する四輪走行形態の車体25の腹部に、モアデッキ1を装着するミッドモアー形態とし、この車体25の後部にコレクタ3を装着し、これらモアデッキ1の排出口2とコレクタ3の供給口4との間にわたって、前記運転席22の下部を前後方向に通るシュータ5によって連通して、モアデッキ1で刈取る芝草をシュータ5で集送して、コレクタ3内へ収集するものである。
【0022】
前記モアデッキ1は、ブレード軸26の周りに回転されるブレード27を有して、芝草を刈取る。車体25に対して昇降可能に設け、後部の伝動ケース28からPTO軸29を介して前記ブレード軸26を連動する。前記車体25のフロア30下側には、前後方向に沿って連動軸31を設けて、エンジン24によって連動回転し、後側の伝動ケース28の伝動ギヤを伝動して、左右両側の後輪23軸32や、PTO軸29等を伝動回転する。
【0023】
前記伝動ケース28は、左右後輪23間のセンタラインの左側寄り位置に構成されて、この右側寄り位置で、後輪軸32上方、かつ、シートカバー33下側に位置して前記シュータ2を設ける。34はこのシュータ2及び伝動ケース28とシートカバー33との間に配置する燃料タンクである。
【0024】
前記コレクタ3は、バックフレーム35の外周部に通気性のネットを掛け渡してコレクタバッグ36を構成し、前面を開口37を形成したネットバッグの形態と、このバッグフレーム35の前端上部を、車体25側後端のブラケット38に対して着脱可能に支架して、ハンドル40の操作でダンプ軸39周りにダンプ回動Aさせて、開口37を下方に向けて収容芝草を走行地面へ排出させる構成である。このコレクタ3の上面にはカバー41を開閉自在に設ける。
【0025】
前記車体25の後端部には、開口37の重合される前カバー42を固着して設け、この前カバー42の一部に供給口4を形成して、この供給口4にシュータ5の後端のシュータ口を連通し、後側のコレクタバッグ36の開口37を連通して、シュータ5を通して送込まれる芝草を、この供給口4からコレクタバッグ36内へ供給収容させる形態である。
【0026】
ここにおいて、主として図1〜図3に基づいて、車体腹部の装着のモアデッキ1の排出口2と、車体後部に装着のコレクタ3の供給口4との間にわたって連通するシュータ5の底部に、このコレクタ3の供給口4にのぞむメインプレート6を後傾反転させて集草を送込可能に設け、このメインプレート6の前端には、前記モアデッキ1の排出口2側に向けたプレート縁7を、シュータ5内の上下に位置させるように起伏回動可能のサブプレート8を連設する。
【0027】
モアデッキ1で刈取られた芝草は、シュータ5を介して車体後部のコレクタ3へ集草収容される。この芝草を収集したコレクタ3をダンプ排出するときは、操作レバーによる操作によって、サブプレート8及びメインプレート6を起伏回動して、このシュータ5内の集草をモアデッキ1の排出口2からの送込芝草と遮断して、このシュータ5内の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込んで、シュータ5内の残留芝草をなくして、後続の芝草搬送を円滑に行わせるものである。
【0028】
サブプレート8が前方下部に倒れている状態では、排出口2から排出される芝草をシュータ5内へ案内して、供給口4側へ搬送させる。このサブプレート8を起立回動すると、シュータ5の始端部が排出口2から仕切られて、このサブプレート8の起立回動によって上面を搬送中の芝草をメインプレート6上面側へ掻込むようにして集草の仕切りを行い、この後続として排出口2から排出される芝草があると、起立回動したサブプレート8の前面を下方へ案内されてモアデッキ1跡の圃場面へ排出案内される。
【0029】
又、このサブプレート8の起立回動によって掻込まれたメインプレート6上の芝草は、続くメインプレート6の後傾反転又は起立回動によって、供給口4からコレクタ3内へ送込まれる。このように、サブプレート8はメインプレート6の前端部において、起伏回動可能に連設されるため、仕切芝草のメインプレート6上面への掻込を的確に円滑に行わせる。
【0030】
又、この掻込まれた芝草を全てそのままメインプレート6の後傾転倒、及びこれと一体的なサブプレート8の回動によって、供給口4へ送込まれる。
又、前記メインプレート6を後傾反転操作する操作レバー9の初期回動域でサブプレート8を起伏回動し、続く回動域でこのサブプレート8の起伏状態を維持したメインプレート6を起伏回動可能に設ける。
【0031】
前記のようにサブプレート8、及びメインプレート6の起伏回動操作は、操作レバー9の前後、乃至上下方向の回動操作によって行われる。この操作レバー9の初期回動域では、メインプレート6をシュータ5の底部に位置させた状態にして、このメインプレート6の前端縁に対してサブプレート8を起伏回動することができ、このサブプレート8をメインプレート6に対して起立回動することによって、排出口2からこのサブプレート8上面に搬出されている芝草をメインプレート6上面へ掻込むようにして、後続排出の芝草との間を仕切る。
【0032】
このようにしてサブプレート8を起立させた状態から操作レバー9を操作してメインプレート6を起立回動させると、サブプレート8を芝草掻込姿勢に維持した位置から、このメインプレート6をも一体的に後傾反転させて、このメインプレート6上面の芝草をコレクタ3内へ送込むことができる。
【0033】
このようなサブプレート8、及びメインプレート6の一連の回動操作は、単一の操作レバー9を把持した状態で、持替えることなく行うことができる。
前記シュータ5は、前端をモアデッキ1の排出口2に連通し、後端をコレクタ3前カバー42の供給口4に連通させて、後上り傾斜にして設定し、このシュータ5の天井部に横向きのレバー軸13を回動自在に支架し、運転席22の横側に操作レバー9を設ける。
【0034】
前記メインプレート6は、下面のブラケットアーム14を介してプレート支持軸15に周りに回動自在に支持させて、このプレート支持軸15周りに回動することによって、メインプレート6を搬送姿勢Bと後傾反転姿勢Cに切替回動することができる。又、サブプレート8は、このメインプレート6の前端縁に対して横向きのプレート軸16の周りに起伏回動可能に設ける。
【0035】
これらサブプレート8及びメインプレート6は、操作レバー9のレバー軸13周りの回動操作によって、連動リンク機構10を介して回動することができるが、前記プレート支持軸15の左端を操作レバー9側下方に位置させて、リンクロット17で連結し、前記ブラケットアーム14を、プレート支持軸15から一体的に突出される支持アーム18の上側に支持させている。
【0036】
このブラケットアーム14はパイプ19を有して、前記プレート支持軸15外周に回動自在に嵌合支持させている。又、このプレート支持軸15からリンクロッド43を介してサブプレート8に連動し、このプレート支持軸15の回動によってサブプレート8を起立姿勢D、及び倒伏姿勢Eに回動することができる。
【0037】
このサブプレート8の下面にはストッパー44を有して、メインプレート6に対するサブプレート8の起立回動角度を規制している。
前記操作レバー9を図1のように集草位置Fに置くときは、メインプレート6が水平状の搬送姿勢Bに支持され、この前端のサブプレート8が下側の倒伏姿勢Eに維持される。この状態では、モアデッキ1で刈取られた芝草は、排出口2からサブプレート8の上面を経てメインプレート6上面に搬送されて、コレクタ3へ収容される。
【0038】
次に、コレクタ3の収集芝草をダンプ排出する等によって、サブプレート8を閉鎖するときは、操作レバー9をこの集草位置Fから前側の起立位置Gへ回動操作する。この操作によって、リンクロッド17、43等を介してサブプレート8が倒伏姿勢Eから起立姿勢Dへ回動して、このシュータ5の芝草搬送を閉鎖すると共に、この起立姿勢Dに切替後に排出口2からの排出芝草があるときは、これら排出口2とサブプレート8との間の開放部から下方の刈取跡地面へ排出案内される。
【0039】
このとき、前記連動リンク機構10においては、操作レバー9の起立位置Gへの回動操作によって支持アーム18がブラケットアーム14から下方へ回動するが、メインプレート8は、シュータ5の下端縁45等に係止されていて、搬送姿勢Bを維持する形態としている。このようにして、サブプレート8の起立回動によって、排出口2からシュータ5への芝草の送込を停止すると共に、このサブプレート8上面の集草をメインプレート6上面へ集送させる。
【0040】
続いて、この起立位置Gの操作レバー9を、集草位置Fへ操作すると、サブプレート8が倒伏姿勢Eへ回動されて、再度シュータ5の前端口を開いて排出口2から芝草送込を行わせることができる。
【0041】
このようにして、シュータ5内の集草をメインプレート6によってコレクタ3内へ送込むときは、操作レバー9を、前記集草位置F、又は起立位置Gから後方の後傾反転位置Hへ回動操作する。このとき、操作レバー9の起立位置Gから集草位置Fへの操作回動によって、サブプレート8が倒伏姿勢Eへ回動されて、この操作レバー9の集草位置Fから後傾反転位置Hへの操作によって、メインプレート6がサブプレート8を一体として後傾反転回動されて、集草をコレクタ3内へ送込んで後傾反転姿勢Cに作動される。このようにしてコレクタ3への芝草収容作用が終ると操作レバー9を集草位置Fへ戻すことにより、メインプレート6、及びサブプレート8を搬送姿勢Bへ復帰させる。
【0042】
次に、主として、図4、図5に基づいて、前記サブプレート8を有したメインプレート6の後傾反転の回動操作において、これらメインプレート6とサブプレート8の回動差を吸収可能に設けたことを特徴とする。
【0043】
前記のようにメインプレート6に対してサブプレート8を起立回動することによって、前記モアデッキ1の排出口2から排送される芝草をメインプレート6上面側へ掻込んで、このメインプレート6部と排出口2との間を仕切って、このメインプレート6及びサブプレート8を後傾反転させるように起立回動させて、これらメインプレート6及びサブプレート8面上の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込む。
【0044】
このようなメインプレート6の起立回動時に、サブプレート8のプレート縁7がシュータ5の天井面に接近又は接当して、集草の一部を挾持したり、起立回動の抵抗を受けて、回動を制限されるも、メインプレート6は、この回動差の吸収作用を受けて設定の後傾反転位置にまで回動されて、これらサブプレート8及びメインプレート6による集草を、コレクタ3内へ円滑に送込む。
【0045】
このため、プレート縁7の突出長さがシュータ5の天井面に接近又は接当するようにできるだけ長く形成できるため、排出口2との間の仕切作用を正確に行い、この排出口2から排出される芝草を直接刈取地面側へ排出する排出案内を正確に行わせることができる。
【0046】
前記操作レバー9によってメインプレート6とサブプレート8を連動操作する連動リンク機構10に、このメインプレート6の後傾反転回動に対するサブプレート8の回動差を吸収するためのリンクピン11係合用の長穴12を設けた構成とする。
【0047】
前記リンクロッド17と連結してプレート支持軸15周りに回動するベルクランク46上のリンクピン11を係合させるリンクロッド43用のピン穴を長穴12に形成して、これらサブプレート8及びメインプレート6を起伏回動する。
【0048】
図5のように、メインプレート6を後傾反転姿勢Cへ回動するとき、サブプレート8のプレート縁7がシュータ5の天井部に接当したり、接近して集草の一部を挾持することがあって、このサブプレート8の回動を制限することがあっても、操作レバー9による回動でリンクロット17、及びプレート支持軸15上のベルクランク46と一体のリンクピン11を回動させて、長穴12を形成するリンクロッド43を駆動させないで、サブプレート8をこれ以上に強制回動させない。このためメインプレート6の後傾反転回動を大きく行わせてコレクタ3への集草送込作用を正確に行わせ、又、サブプレート8の突出長さ、乃至回動径を大きく維持形成することができる。
【0049】
又、図6に基づいて、前記メインプレート6の後傾反転回動を、このメインプレート6の前端部のサブプレート8を起立させた状態にして行わせる構成とする。前記のようにサブプレート8の前下方に倒伏回動位置では、排出口2から排出される芝草をシュータ5内送込ませて、供給口4からコレクタ3内へ送込案内する。このサブプレート8上面の集草をメインプレート6側へ送込んで、前側の排出口2との間の仕切りを行うときは、このサブプレート8をメインプレート6に対して起立回動させる。
【0050】
このとき、排出口2からの後続排出の芝草は、サブプレート8の裏面部に案内されて、下方の刈取跡地面へ排出される。前記サブプレート8を起立回動してメインプレート6上面に集送された芝草は、この起立姿勢のサブプレート8位置を維持した状態のメインプレート6を起立回動して後傾反転位置にし、この上面の集草を供給口4からコレクタ3内へ送込む。
【0051】
このようにメインプレート6の起立回動時は、サブプレート8も起立回動位置姿勢を維持するため、集草の上部分がシュータ5部等の摩擦抵抗を受けても、サブプレート8の後側部への漏落等をなくして、供給口4側への正確で、円滑な送込作用を行わせる。
【0052】
前記操作レバー9の回動操作位置を前方下側の集草位置Fから後方上側の起立位置G、及び後傾反転位置Hへと操作して、サブプレート8を起立させた状態のままでメインプレート6を後傾反転姿勢Cにして、サブプレート8によって仕切り、掻込んだ集草をコレクタ3へ送込むものである。この形態の連動リンク機構10は、前記リンクロッド43のサブプレート8への連結位置を、プレート軸16よりも上側位置に連結して、このサブプレート8の回動方向を上例(図1〜図5)とは逆向きに回動させる。
【0053】
次に、図9に基づいて、モアデッキ1の排出口2上側部に、プレート軸50周りに前後回動可能のフロントプレート51を設けて、このフロントプレート51の回動によって排出口2部に位置する芝草を後側のシュータ5、及び前記メインプレート6上へ送込むことができる。
【0054】
又、この排出口2底面側には、開閉軸52の周りに上下回動して、底口53を開閉する開閉プレート54を設ける。この開閉プレート54を下方へ回動して底口53を開くことにより、この排出口2部に詰る芝草をシュータ5の下方へ排出することができる。前記メインプレート6の前端縁を、この開閉プレート54の後端に接近させている。
【0055】
これらフロントプレート51、及び開閉プレート54は、フロア30上のペダル55の踏込み操作によって回動することができる。ペダル55を復帰スプリングに抗してペダル軸56周りに踏込み回動すると、リンクロッド57を介してフロントプレート51を後方へ回動して、排出口2部に停滞する芝草をシュータ5内へ掻込む。更に、リンクロッド58を介して開閉プレート54を下方へ回動して、底口53を開いて、この排出口2部の芝草をシュータ5外へ排出することができる。
【0056】
このとき、後続の刈取芝草が排出口2側へ排出されるときは、フロントプレート51の前面(裏側面)を案内される芝草が開かれた底口53から下方へ排出案内することができる。フロントプレート51は、排出口2の前上側面に位置していて、下側後方へ回動することにより、この排出口2の芝草を後方へ送出す。このフロントプレート51の後方回動位置は、底口53上を越えた位置で停止して、このフロントプレート51の裏面側で案内する芝草をこの底口53から外側へ排出案内する関係に設定している。
【0057】
又、このフロントプレート51で仕切られたシュータ5内の芝草は、メインプレート6の後傾反転回動によって、供給口4からコレクタ3内へ送込まれる。
次に、図10に基づいて、前記メインプレート6の前端部に設けるサブプレート8を、前記操作レバー9部に設けるサブレバー61の把持によって、ワイヤー62を介して起伏回動操作する構成である。このサブプレート8の前方倒伏状態において、前記開閉プレート54の配置される底口53上側面を覆う状態にあって、排出口2部の芝草搬送を案内する形態である。前記サブレバー61を把持して操作レバー9を引上げ回動することにより、サブプレート8を起立させて芝草をメインプレート6上に掻込んだ状態にして、このメインプレート6を後傾反転回動して、芝草をコレクタ3内へ送込む。この状態でペダル55を踏込操作すると、フロントプレート51を排出口2部へ回動させると共に、開閉プレート54を下動させて底口53を開いて、モアデッキ1側から送出される芝草をこのフロントプレート51の裏面で案内して底口53から下方へ排出させる。
【0058】
又、このフロントプレート51は、メインプレート6やサブプレート8を倒伏せさせた状態のままで回動操作することができる。
次に、図11、図12に基づいて、コレクタバッグ36内の天井部に、供給口4の高さよりも狭い適宜高さのシュータ5を介して放出供給される芝草を案内するガイドプレート65を設けたもので、供給口4から投入される芝草を後方へ案内しながら、コレクタバッグ36内幅全体に分散収容させる。前記シュータ5の供給口4は、コレクタバッグ36幅の右端寄位置に配置し、この供給口4の右端部から後方中央部にわたるように斜め方向に向けて設ける。
【0059】
次いで、図13〜図15のコレクタ回動部の構成の改良について説明する。図13において、ダンプ軸39周りにハンドル40によって回動操作されるコレクタは、車体側のフレーム70の係止ピン71に対してフック部72を備えたブラケット73の構成とし、コレクタ3の本体部をこの係止ピン71とフック部72との係脱によって着脱自在に構成している。従って、コレクタ本体を容易に取り外すことができる効果がある。
【0060】
図14,図15のコレクタ3の回動構成は、油圧シリンダ機構75の伸縮に伴ないダンプ軸39周りにコレクタ3を回動させることができるものであるが、そのロックを保持し又は解除する機構76は次のように構成している。車体側には、回動軸77を設けこの回動軸77周りに上下に回動自在のブラケット78を設け、さらに該ブラケット78にはコレクタ3側のロックピン79に係脱しうるロックプレート80を有する。
【0061】
即ち、ロックプレート80は、フック形状に設けられ該ブラケット78に対して支持軸82周りに上下揺動可能に設けられ、常時はスプリング83により下向きに付勢されている。さらに前記ブラケット78にはスチールボール84を保持したクリック機構85を設ける。一方ロックプレート80の外周縁部には上下2箇所に前記スチールボール84を係止しうる凹部80aを形成する。
【0062】
ロック機構81によるロックを解除するときは、適宜手段(例えばロック解除レバー)によりスプリング83に抗してロックプレート80を支持軸82回りに上方に回動させる。このためロックピン79との係合から解放されコレクタ3のダンプ軸39周りの回動が許容されロックが解除される(図15中仮想線)。ロックプレート80はロックピン79を係合から外した後、スプリング83の作用にてロック位置に復帰する。この状態でコレクタ3が作業姿勢に復帰すると、ロックピン79がロックプレート80の斜面80bを滑って該ロックピン79の進入を許容し、該ロックピン79をフック状態とする。このロック状態において、前記ロックプレート80の凹部80aはスチールボール84に係止して固定される(図15中実線)。従って、コレクタ3のロック状態を解除したときの衝撃を緩和できる。
【符号の説明】
【0063】
1 モアデッキ
2 排出口
3 コレクタ
4 供給口
5 シュータ
6 メインプレート
7 プレート縁
8 サブプレート
9 操作レバー
10 連動リンク機構
11 リンクピン
12 長穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体腹部に装着のモアデッキ(1)の排出口(2)と、車体後部に装着のコレクタ(3)の供給口(4)との間にわたって連通するシュータ(5)の底部に、このコレクタ(3)の供給口(4)にのぞむメインプレート(6)を操作レバー(9)の操作により後傾反転させて集草を送込可能に設け、このメインプレート(6)の前端には、前記モアデッキ(1)の排出口(2)側に向けたプレート縁(7)を、シュータ(5)内の上下に位置させるように起伏回動可能のサブプレート(8)を連設したことを特徴とするトラクタモアーの集草装置。
【請求項2】
前記メインプレート(6)を後傾反転操作する操作レバー(9)の初期回動域でサブプレート(8)を起伏回動し、続く回動域でこのサブプレート(8)の起伏状態を維持したメインプレート(6)を起伏回動可能に設けたことを特徴とする請求項1に記載のトラクタモアーの集草装置。
【請求項3】
前記サブプレート(8)を有したメインプレート(6)の後傾反転の回動操作において、これらメインプレート(6)とサブプレート(8)の回動差を吸収可能に設けたことを特徴とする請求項1、又は2に記載のトラクタモアーの集草装置。
【請求項4】
前記メインプレート(6)の後傾反転回動を、このメインプレート(6)の前端部のサブプレート(8)を起立させた状態にして行わせることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載のトラクタモアーの集草装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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