ドアロック制御方法及びドアロック操作装置
【課題】開扉時の安全性を向上することができるドアロック制御方法及びドアロック操作装置を提供する。
【解決手段】ドアロック制御装置2は、車両に搭載されたカメラ33から車両周辺を撮影した画像データGを取得する画像入力部5と、画像データGを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データG1に変換する俯瞰変換処理部6と、俯瞰画像データG1に基づく俯瞰画像と、車両の車両俯瞰画像とを表示した画面にドアをロック又はアンロックするドアロック操作スイッチを表示する画像合成部7と、車両周辺の障害物を検出する障害物検出部4とを備えた。画像合成部7は、障害物検出部4により障害物を検出した際に、ドアロック操作スイッチを操作不可状態にする。
【解決手段】ドアロック制御装置2は、車両に搭載されたカメラ33から車両周辺を撮影した画像データGを取得する画像入力部5と、画像データGを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データG1に変換する俯瞰変換処理部6と、俯瞰画像データG1に基づく俯瞰画像と、車両の車両俯瞰画像とを表示した画面にドアをロック又はアンロックするドアロック操作スイッチを表示する画像合成部7と、車両周辺の障害物を検出する障害物検出部4とを備えた。画像合成部7は、障害物検出部4により障害物を検出した際に、ドアロック操作スイッチを操作不可状態にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアロック制御方法及びドアロック操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載装置の多機能化及び高機能化に伴い、ドライバーが操作するスイッチは、ドアやステアリングコラムに設けられたスイッチの他、ナビゲーション装置のタッチパネルディスプレイ等、その数が増える傾向にある。また、各種スイッチは、それぞれ異なる位置に設けられているため、ドライバーの操作が煩雑になる問題がある。
【0003】
これに対し、ナビゲーション装置のディスプレイ画面に、いくつかの操作ボタンを集中させ、操作性を向上したシステムも提案されている。例えば特許文献1には、ドアの施錠及び解錠をタッチパネル上で操作する装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−153684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ドアロックを解錠する際、本来なら車両の前後方及び側方の安全確認を行ってから解錠操作を行うべきであるが、運転者が安全確認を怠ってしまうことがある。或いは目視を行っても、車体によって生じる死角の障害物は確認しずらいため、障害物が車両に接近しているにも関わらずドアを解錠してしまうことがある。さらには、隣接車両や車両周辺の壁等を目視で確認していても、それらの障害物と車両との距離が確認できないため、ドアの開閉範囲に障害物があっても、ドアを解錠してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は開扉時の安全性を向上することができるドアロック制御方法及びドアロック制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得し、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換するとともに、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に、ドアをロック又はアンロックする操作部を表示することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示するとともに、車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にすることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のドアロック制御方法において、車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアをロックすることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段と、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像上に、前記車両の車両俯瞰画像を表示するとともに、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示する出力制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示する第1出力制御手段と、車両周辺の障害物を検出する障害物検出手段と、前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にする第2出力制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のドアロック操作装置において、前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアをロックする車載システム制御手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のドアロック操作装置において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段をさらに備え、前記第1出力制御手段は、前記画像データに基づく周辺画像を表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のドアロック操作装置において、前記撮影装置が撮影した前記画像データを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段をさらに備え、前記第1出力制御手段は、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載のドアロック操作装置において、前記第2出力制御手段は、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にすることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1によれば、車両周辺を俯瞰した周辺俯瞰画像に、車両俯瞰画像と、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部とが表示される。このため、その車両の乗員は、俯瞰画像に表示された壁、他車両、移動体等の障害物と、車両俯瞰画像との相対距離を確認し、ドアを開けた際に障害物と開状態のドアとが接触するか否かを判断することができる。そして、ドアを開けた際に障害物と接触する場合には、ドアロック操作部を操作してドアをロックし、他の乗員等によりそのドアの開動作を禁止することができる。このため、車両のドアと障害物との接触を未然に防ぐことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を画面に表示するドアロック操作部において、障害物が検出された際に、操作不可能にした。このため、障害物が接近している際には、ドアをロックして、ドア等と障害物とが接触するのを防止できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、車両周辺の障害物が検出された際に、ドアをロックするので、ドア等と障害物とが接触するのを確実に防止できる。
請求項4によれば、ドアロック操作装置により、車両周辺を俯瞰した周辺俯瞰画像に、車両俯瞰画像と、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部とが表示される。このため、その車両の乗員は、俯瞰画像に表示された壁、他車両、移動体等の障害物と、車両俯瞰画像との相対距離を確認し、ドアを開けた際に障害物と開状態のドアとが接触するか否かを判断することができる。そして、ドアを開けた際に障害物と接触する場合には、ドアロック操作部を操作してドアをロックし、他の乗員等によりそのドアの開動作を禁止することができる。このため、車両のドアと障害物との接触を未然に防ぐことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を画面に表示するドアロック操作部を、障害物が検出された際に、操作不可能にした。このため、障害物が接近している際には、ドアをロックして、ドア等と障害物とが接触するのを防止できる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、車載システム制御手段により、車両周辺の障害物が検出された際に、ドアをロックするので、ドア等と障害物とが接触するのを確実に防止できる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、ドアロック操作部は、周辺画像及び車両画像が表示された画面上に表示される。このため、障害物を撮影装置が撮影した場合に、周辺画像に表示された障害物を確認し、ドアロック操作部が操作不可状態になった要因を判断することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、ドアロック操作部は、車両俯瞰画像上に表示される。このため、障害物と車両との相対位置が把握しやすくすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にする。このため、必要最小限のドアをロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、ドアロック制御システム1の構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、ドアロック制御システム1は、ドアロック操作装置としてのドアロック制御装置2を備えている。ドアロック制御装置2は、車載システム制御手段、第2出力制御手段としてのドアロック制御部3を備えている。ドアロック制御部3は、車両C(図2参照)に搭載されたニュートラルスタートスイッチ30から、車両Cのシフトポジション信号SG1を入力する。また、ドアロック制御部3は、車両Cのパーキングブレーキスイッチ装置(図示略)に設けられたブレーキスイッチ31から、ブレーキ検出信号SG2を入力する。
【0022】
また、ドアロック制御装置2は、障害物検出手段としての障害物検出部4を有している。障害物検出部4は、例えばイグニッションスイッチがオンされて電源が供給されると、車両Cに設けられた障害物検出センサ32を制御して、障害物を検出する。障害物検出センサ32は、超音波センサ、ミリ波レーダ、レーザレーダ等を用いることができるが、本実施形態では図2に示すように超音波センサからなる4個の第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dが前方左側、前方右側、後方左側、後方右側にそれぞれ設けられている。尚、第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dを特に区別しないで説明する場合には、単に障害物検出センサ32として説明する。
【0023】
障害物検出センサ32は、障害物検出部4の制御により、車両Cの周囲に超音波を発信する。車両Cの周囲に障害物が存在する場合には、障害物検出センサ32は障害物に反射した反射波を受信し、障害物検出部4に受信信号SG3を送信する。障害物検出部4は、超音波を発信してから反射波が検出されるまでの時間に基づき、障害物との距離を検知する。また、第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dのうち、反射波を検出したセンサの位置と障害物までの距離とから、障害物の位置を特定する。
【0024】
また、ドアロック制御装置2は、画像データ取得手段としての画像入力部5、俯瞰変換手段としての俯瞰変換手段としての俯瞰変換処理部6、出力制御手段、第1出力制御手段、第2出力制御手段としての画像合成部7及び描画処理部9を備えている。画像入力部5は、車両Cに設けられた撮影装置としてのカメラ33を制御して、画像データGを入力す
る。図2に示すように、車両Cには、車両前方に取り付けられた前方カメラ33a、左側に取り付けられた左側方カメラ33b、右側に取り付けられた右側方カメラ33c、車両後方に取り付けられた後方カメラ33dが取り付けられている。画像入力部5は、前方カメラ33aから車両前方を撮影した前方画像データGaを入力する。また、左側方カメラ33b及び右側方カメラ33cから、車両Cの左側方及び右側方を撮影した左側方画像データGb、右側方画像データGcをそれぞれ入力する。さらに、後方カメラ33dから車両後方を撮影した後方画像データGdを入力する。尚、各カメラ33a〜33d、各画像データGa〜Gdを区別しないで説明する際には、単にカメラ33、画像データGとして説明する。
【0025】
俯瞰変換処理部6は、画像入力部5を介して、各画像データGを入力し、各画像データGに対し、公知の俯瞰変換処理を行い、俯瞰画像データG1を生成する。即ち、各カメラ33a〜33dの各視点でそれぞれ撮影された各画像データGa〜Gdを、車両Cの鉛直方向上方に設定された一視点からみた画像に座標変換する。これにより、各画像データGa〜Gdは、同じ視点からみた画像データに変換される。このとき、俯瞰変換できない領域は、マスクをかけるようにしてもよい。俯瞰画像データG1a〜G1dを生成すると、俯瞰変換処理部6は、それらの俯瞰画像データG1a〜G1dを画像合成部7に出力する。
【0026】
画像合成部7は、各俯瞰画像データG1の重複領域を重ね合わせて合成し、図3(a)及び図3(b)に示すような車両Cの周囲を上から俯瞰した俯瞰合成データG2を生成する。そして、生成した俯瞰合成データG2を、表示手段としてのディスプレイ10に出力する。これにより、車両Cの前方、後方、左側方及び右側方の画像が表示される。
【0027】
また、画像合成部7は、俯瞰合成データG2のうち、車両Cの現在位置に相当する位置に、図示しない記憶部に記憶された車両画像データ7aを俯瞰合成データG2に重畳する。これにより、図3(a)及び図3(b)に示すように、俯瞰合成データG2に基づく俯瞰画像21上に、車両画像データ7aに基づく車両俯瞰画像22が重畳され、車両C及びその周囲を俯瞰した操作画面20がディスプレイ10に表示される。この操作画面20を確認することによって、運転者は、俯瞰画像21に表示された白線や障害物と、車両Cとの相対位置を把握することができる。
【0028】
また、画像合成部7は、車両画像データ7aに、ドアロック操作部としてのドアロック操作スイッチSを描画する。本実施形態では、ドアロック操作スイッチSは、5つのドアロック操作スイッチS1〜S5からなり、ユーザの指の接触により、前席左ドアD1、後席左ドアD2、前席右ドアD3、後席右ドアD4、バックドアD5といった各ドアDの施錠又は解錠を行う。また、各ドアロック操作スイッチS1〜S5は、操作の対象となる各ドアD1〜D5の位置にそれぞれ表示されている。
【0029】
画像合成部7は、ドアロック操作スイッチSを、操作可能なアクティブと、操作不可能な非アクティブとのいずれかで表示する。図3(a)及び図3(b)は、いずれもドアロック操作スイッチS1〜S5が、操作可能状態(アクティブ)になっている状態を示し、図3(a)は、ドアD1〜D5がロック(施錠)された状態のドアロック操作スイッチS1〜S5を示す。図3(b)は、ドアD1〜D5がアンロック(解錠)された状態のドアロック操作スイッチS1〜S5を示す。ロックされたドアロック操作スイッチSと、アンロックされたドアロック操作スイッチSとは、図柄、色、形状等の点で異なっている。
【0030】
例えば、図3(a)において、ロック状態のドアロック操作スイッチS1の表示位置にユーザの指が接触すると、ドアロック制御装置2のタッチパネル制御部8(図1参照)が、接触位置を検出して、接触位置を示す検出信号をドアロック制御部3に出力する。
【0031】
ドアロック制御部3は、この検出信号に基づいて、車両Cに設けられたロックシステム制御コンピュータ35に、ドアD1をアンロックにする指令信号を出力する。ロックシステム制御コンピュータ35は、ドアロックモータ、ドアロック機構等を有するドアロックアッセンブリAsを制御する。本実施形態では、5つの第1〜第5ドアロックアッセンブリ36〜40を制御し、ドアD1をアンロックにする指令信号を入力すると、ドアD1に対応する第1ドアロックアッセンブリ36を制御して、ドアD1をアンロックする。
【0032】
また、ドアロック制御部3は、ドアD1がアンロックされると、画像合成部7を制御して、ドアD1に対応するドアロック操作スイッチS1を図3(b)に示すようにアンロック状態にする。尚、図3(b)では全てのドアロック操作スイッチSがアンロックになっているが、操作されたスイッチのみアンロックする。また、アンロック状態のドアロック操作スイッチS1〜S5のうちいずれかに指が接触すると、タッチパネル制御部8は接触位置を検出し、ドアロック制御部3は、操作されたドアロック操作スイッチS1〜S5を判断する。そして、施錠の対象となるドアDを判断し、ロックシステム制御コンピュータ35を介して、対応するドアロックアッセンブリAsを制御し、ドアDをロックする。
【0033】
また、障害物検出部4が車両Cの周囲に障害物を検出すると、画像合成部7は、ドアロック操作スイッチS1〜S5を非アクティブにする。具体的には、図3(c)に示すように、ドアロック制御部3が、障害物検出部4に基づき、車両Cの周囲に障害物を検出すると、障害物に近いドアロック操作スイッチS5を、非アクティブにする。非アクティブに切り替えられたドアロック操作スイッチSは、アクティブのドアロック操作スイッチSに比べて、図柄、色、形状等が異なっている。尚、図3(c)では、全てのドアロック操作スイッチS1〜S4を、非アクティブにした状態を示している。同時に、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35を制御して、非アクティブにしたドアロック操作スイッチSに対応するドアDをロックする。
【0034】
非アクティブのドアロック操作スイッチSの表示形式は、図3(c)に示すように、アクティブの場合と色を変更するのみでもよいし、トーンダウンさせるようにしてもよい。このとき、タッチパネル制御部8が、非アクティブのドアロック操作スイッチS1,S2とユーザの指との接触を検出しても、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35に指令信号を出力しない。
【0035】
例えば、図4(a)に示すように、障害物検出部4が、車両Cの後方及び右側方に壁Wを検出すると、さらに車両Cと障害物との相対距離を算出する。そして、その相対距離が所定距離以下であるか否かを判断する。この所定距離は、ドアD4,D5の回動範囲を基準として設定され、例えばドアD4,D5の回動範囲か、ドアD4,D5の回動範囲に必要最小限の間隔を加算した長さになっている。ドアロック制御部3は、障害物との相対距離が、所定距離以下であると判断すると、ドアロック操作スイッチSを非アクティブにする。このとき、図4(b)に示すように、ドアロック操作スイッチS1〜S5のうち、壁Wに近い後方及び右側方のドアロック操作スイッチS3〜S5を、非アクティブにする。このとき、タッチパネル制御部8が、非アクティブのドアロック操作スイッチS3〜S5の接触を検出しても、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35に指令信号を出力しない。
【0036】
また、図5(a)に示すように、障害物検出部4が、車両Cの左右に隣接車両C1を検出し、右側方の隣接車両C1との距離が所定距離内にあると判断すると、ドアロック制御部3は、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4をロック状態にして非アクティブにする。
【0037】
また、図6(a)に示すように、ドアロック制御部3が、障害物検出部4に基づき、車両Cの後方から例えばバイクといった移動障害物が接近していると判断すると、移動障害物の進行方向に近い右側方のドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。
【0038】
次に、本実施形態の処理手順について、図7及び図8に従って説明する。まず、ドアロック制御部3は、イグニッションスイッチがオンされて電源が供給されると、ニュートラルスタートスイッチ30及びブレーキスイッチ31からシフトポジション信号SG1及びブレーキ検出信号SG2をそれぞれ入力する。そして、シフトポジションがパーキングであって、且つパーキングブレーキがオンであるか否かを判断する(ステップS1−1)。そして、この条件を満たすまで、ステップS1−1の判断を繰り返す。
【0039】
シフトポジションがパーキング、且つパーキングブレーキがオンであると判断すると(ステップS1−1においてYES)、画像入力部5により、各カメラ33から各画像データGを取得する(ステップS1−2)。
【0040】
各画像データGを入力すると、俯瞰変換処理部6はそれらの各画像データGを俯瞰変換し、俯瞰画像データG1を生成する(ステップS1−3)。また、画像合成部7は、各俯瞰画像データG1を合成して、俯瞰合成データG2を生成し、描画処理部9は、その俯瞰合成データG2をディスプレイ10に出力する。また、画像合成部7は、俯瞰合成データG2のうち、車両Cの現在位置に相当する位置に車両画像データ7aを出力して、操作画面20を表示する(ステップS1−4)。
【0041】
また、画像合成部7は、車両俯瞰画像22の所定の位置に、ドアロック操作スイッチS1〜S5を出力する(ステップS1−5)。このとき、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35から、各ドアロックアッセンブリAsの施錠状態を検出し、ロックされているドアDに対しては、ロック状態のドアロック操作スイッチSを表示し、アンロックされているドアDに対しては、アンロック状態のドアロック操作スイッチSを表示する。
【0042】
また、ドアロック制御部3は、障害物検出センサ32に基づき、状況判断処理を行う(ステップS1−6)。車両Cの周囲に障害物を検出した際には、車両Cと障害物との相対距離を算出し、その相対距離が所定距離内であるか否かを判断する。相対距離が所定距離内であると判断した場合には、ドア周辺に障害物が接近していると判断する。また、障害物に近いドアD又は障害物の進行方向のドアDを特定する。
【0043】
車両周辺状況を判断すると、ドアロック制御部3は、状況判断処理の結果、ドア周辺に障害物が検出されたか否かを判断する(ステップS1−7)。ドア周辺に障害物があると判断すると(ステップS1−7においてYES)、障害物の近くのドアDのドアロック操作スイッチSを非アクティブにする(ステップS1−8)。詳述すると、図4(a)に示すように、車両Cの右側方及び後方に、壁Wがドア周辺の障害物として検出された場合には、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4と後方のドアロック操作スイッチS5を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21で壁Wと車両俯瞰画像22との相対位置を確認し、ドアD3〜D5を開扉した場合に、壁WとドアD3〜D5とが接触することを予想することができる。また、ドアロック操作スイッチS3〜S5が、非アクティブである要因をすぐに理解することができる。
【0044】
図5(a)では、車両Cの右側方に隣接車両C1がドア周辺の障害物として検出された場合には、ドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21で隣接車両C1と車両Cとの間のスペースが小さいことを確認することができるので、ドアD3,D4を開扉すると、隣接車両C1とドアD3,D4とが接触す
ることを前もって判断できる。また、ドアロック操作スイッチS3,S4が非アクティブである要因をすぐに理解することができる。
【0045】
図6(a)に示すように、車両Cの右側方に、バイクMをドア周辺の障害物として検出した場合には、図6(b)に示すように、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21でバイクMが接近していることを確認することができる。このため、ドアD3,D4を開扉すると、バイクMが接近しているにも関わらず、他の乗員がドアD4を開扉して降車する可能性があるため危険であることを理解することができる。また、バイクMが俯瞰画像21に表示されていなくても、ドアロック操作スイッチS3,S4が非アクティブになっているため、周囲に障害物があることを示唆することができる。
【0046】
一方、ドア周辺に障害物がない場合には(ステップS1−7においてNO)、シフトポジションがパーキング以外に切り替えられたか、又はパーキングブレーキがオフされたか否かを判断する(ステップS1−9)。シフトポジションがパーキング以外、又はパーキングブレーキがオフであると判断した場合には(ステップS1−9においてYES)、描画処理部9により操作画面20を消去して、処理を終了する。シフトポジションがパーキングであって、且つパーキングブレーキがオフである状態が維持されている場合には(ステップS1−9においてNO)、ステップS1−1に戻り、上記した処理を繰り返す。
【0047】
次に、操作画面20が表示されている際のドアロック制御部3の処理について図8に従って説明する。ドアロック制御部3は、タッチパネル制御部8を介して、ドアロック操作スイッチSの操作の有無を待機する(ステップS2−1)。ドアロック操作スイッチSの表示位置に指が接触したと判断すると(ステップS2−1においてYES)、ドアロック制御部3は、そのドアロック操作スイッチSがアクティブであるか否かを判断する(ステップS2−2)。
【0048】
アクティブであると判断すると(ステップS2−2においてYES)、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35を介して、操作されたドアDに対応するドアロックアッセンブリAsを制御し、ドアDをロック又はアンロックする(ステップS2−3)。
【0049】
一方、ドアロック操作スイッチSが非アクティブであると判断すると(ステップS2−2においてNO)、ドアロック制御部3は、ドアロック操作スイッチSが操作されても、解錠せず、ドアロックを維持する(ステップS2−4)。このため、運転者や他の乗員が、障害物がドア周辺にあるにも関わらず、誤ってドアDをアンロックしてしまうのを防止することができる。
【0050】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、画像合成部7及び描画処理部9により、ドアDをロック及びアンロックするドアロック操作スイッチSをディスプレイ10の画面に表示するようにした。また、障害物検出部4により車両Cの周囲の障害物を検出した際に、障害物に近いドアロック操作スイッチSをロックするとともに、そのドアロック操作スイッチSを操作不可能な非アクティブにした。このため、例えば壁Wや隣接車両C1といった障害物がドアDの回動範囲に存在するにも関わらず、誤ってドアDをアンロックして、ドアDと障害物が接触してしまうのを防止できる。また、例えばバイクMや自転車といった移動障害物が接近しているにも関わらず、ドアをアンロックして、運転者又は他の乗員が誤ってドアDを開扉してしまうのを防止することができる。
【0051】
(2)上記実施形態では、カメラ33により車両周辺を撮影し、取得した画像データG
に基づき、車両周辺を俯瞰した俯瞰画像21と、車両Cを俯瞰した車両俯瞰画像22とを操作画面20に表示し、車両俯瞰画像22にドアロック操作スイッチSを重畳するようにした。このため、俯瞰画像21と車両俯瞰画像22とにより、周囲の障害物と車両Cとの相対位置を把握しやすくなる。従って、ドアロック操作スイッチSが非アクティブに切り替えられた要因を判りやすくすることができる。さらに、ドアロック操作スイッチSは、車両俯瞰画像22の各ドアDの位置に重畳するので、どのドアDの操作ボタンであるのかを判りやすくして、操作性を向上できる。
【0052】
(3)上記実施形態では、ドア周辺の障害物が検出された際に、障害物の近くのドアロック操作スイッチSのみを非アクティブとし、他のドアロック操作スイッチSはアクティブにするので、必要最小限のドアDをロックし、他のドアDはロック又はアンロック可能とすることができる。このため、ユーザの利便性を向上することができる。
【0053】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ドアロック制御装置2に、タッチパネル制御部8を含めるようにしたが、タッチパネル制御部8を省略しても良い。
【0054】
・障害物検出部4は、検出した障害物が、バイク等の移動障害物か、壁等の静止障害物であるかを判断するようにしてもよい。この場合、障害物検出部4は、その障害物の位置を所定時間の間、繰り返し特定し、障害物の位置が移動している場合には、その障害物がバイク等の移動障害物であると判断し、障害物の位置が移動していない場合には、その障害物が壁等の静止障害物であると判断する。そして、障害物が静止障害物である場合には、車両Cからの距離は所定距離L1以内であるか否かを判断し、移動障害物である場合には、車両Cからの距離が所定距離L2(>所定距離L1)以内であるかを判断するようにしてもよい。そして、障害物と車両Cとの距離が所定距離L1,L2以内である場合には、ドアロック操作スイッチSを非アクティブにする。
【0055】
・上記実施形態では、車両Cの5つのドアDに対し各ドアロック操作スイッチSをそれぞれ表示するようにしたが、1つ〜4つのドアDに対しドアロック操作スイッチSを表示するようにしても良い。
【0056】
・上記実施形態では、操作画面20において、1つのドアDに対し、1つのドアロック操作スイッチSを表示するようにしたが、図9に示すように、1つのドアDに対し、「ロック」及び「アンロック」を操作する2つのドアロック操作スイッチSa,Sbを表示した操作画面50にしてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、操作画面20において、俯瞰画像21を表示するようにしたが、図10に示すように、俯瞰変換前の画像データGに基づく周辺画像51に、ドアロック操作スイッチSを1つ又は複数表示した操作画面50にしてもよい。図10は、後方カメラ33dにて撮影された後方画像データGdに基づくモニタ画像52である。この場合にも、運転者はドアD周辺の障害物をモニタ画像52で確認することができる。
【0058】
・上記実施形態では、操作画面20において俯瞰画像21を表示するようにしたが、カメラ33から取得した画像データGに基づく画像に限定されない。例えば、単に車両俯瞰画像22のみを表示するようにしてもよい。或いは、図11に示すようにドアロック操作スイッチSのみを表示した操作画面53にしてもよい。この場合、各ドアDの周辺に障害物が検出された場合、ドアロック制御部3により、そのドアDに対応するドアロック操作スイッチSをアンロックする。
【0059】
・上記実施形態では、障害物が検出された際に、ドアロック操作スイッチSを非アクテ
ィブにしたが、図示しないスピーカから警告音を出力するようにしてもよい。
・上記実施形態では、非アクティブのドアロック操作スイッチSが操作された場合に、ドアロック制御部3からロックシステム制御コンピュータ35に対する指令信号の出力を禁止するようにした。これ以外に、非アクティブのドアロック操作スイッチSを、指が接触してもタッチパネル制御部8が検知しないダミーボタンにするだけでもよい。
【0060】
・上記実施形態では、障害物検出センサ32によって障害物を検出するようにしたが、カメラ33によって撮影された画像データGに対し画像処理を行って検出するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態では、ドアロック操作スイッチSをディスプレイ10に表示するようにしたが、例えばインストルメントパネルに表示するようにしてもよい。
・上記実施形態では、検出された障害物に近いドアDをロックし、さらにそのドアDのドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしたが、車両Cの乗員や、乗員の着座位置に応じて、ドアDをロックするようにしてもよい。例えば、シートに内蔵された重量センサや、画像検出センサといった乗員検出装置を車両Cに設けて、乗員の着座を判断し、障害物が検出された際に、乗員が着座している席のドアDをロックするようにしてもよい。また、乗員検出装置により乗員が子供であるか否かを判断し、子供が検出された場合には、その子供が着座している席のドアDをロックするようにしてもよい。そして、ロックしたドアDに対応するドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしてもよい。
【0062】
・ドアロック制御装置2は、車両Cに設けられたナビゲーション装置等(図示略)に基づき、車両Cが駐車した場所に応じて、ドアDをロックするようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置に基づき、車両Cが道路上に駐車したと判断した際に、他車両が通過する方向のドアDをロックするようにしてもよい。即ち、車両Cが道路の左側端に駐車したと判断した場合には、右側のドアDをロックする。また、このとき車両Cの左側に狭い歩道があると判断した場合には、左側のドアDをロックするようにしてもよい。そして、ロックしたドアDに対応するドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態のドアロック制御システムのブロック図。
【図2】カメラ、障害物検出センサの取付位置の説明図。
【図3】(a)はロック、(b)はアンロック、(c)は非アクティブのドアロック操作スイッチの説明図。
【図4】(a)は車両が壁の近くに駐車した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図5】(a)は車両が隣接車両の近くに駐車した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図6】(a)は車両にバイクが接近した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】別例の操作画面の説明図。
【図10】別例の操作画面の説明図。
【図11】別例の操作画面の説明図。
【符号の説明】
【0064】
1…ドアロックシステム、2…ドアロック操作装置としてのドアロック制御装置、3…
車載システム制御手段、第2出力制御手段としてのドアロック制御部、4…障害物検出手段としての障害物検出部、5…画像データ取得手段としての画像入力部、7…出力制御手段、第1出力制御手段、第2出力制御手段としての画像合成部、10…表示手段としてのディスプレイ、21…俯瞰画像、22…車両俯瞰画像、33…撮影装置としてのカメラ、51…周辺画像、C…車両、D…ドア、G…画像データ、G1…俯瞰画像データ、S…操作部としてのドアロック操作スイッチ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアロック制御方法及びドアロック操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載装置の多機能化及び高機能化に伴い、ドライバーが操作するスイッチは、ドアやステアリングコラムに設けられたスイッチの他、ナビゲーション装置のタッチパネルディスプレイ等、その数が増える傾向にある。また、各種スイッチは、それぞれ異なる位置に設けられているため、ドライバーの操作が煩雑になる問題がある。
【0003】
これに対し、ナビゲーション装置のディスプレイ画面に、いくつかの操作ボタンを集中させ、操作性を向上したシステムも提案されている。例えば特許文献1には、ドアの施錠及び解錠をタッチパネル上で操作する装置が記載されている。
【特許文献1】特開2005−153684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、ドアロックを解錠する際、本来なら車両の前後方及び側方の安全確認を行ってから解錠操作を行うべきであるが、運転者が安全確認を怠ってしまうことがある。或いは目視を行っても、車体によって生じる死角の障害物は確認しずらいため、障害物が車両に接近しているにも関わらずドアを解錠してしまうことがある。さらには、隣接車両や車両周辺の壁等を目視で確認していても、それらの障害物と車両との距離が確認できないため、ドアの開閉範囲に障害物があっても、ドアを解錠してしまうことがある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は開扉時の安全性を向上することができるドアロック制御方法及びドアロック制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得し、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換するとともに、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に、ドアをロック又はアンロックする操作部を表示することを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示するとともに、車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にすることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のドアロック制御方法において、車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアをロックすることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段と、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像上に、前記車両の車両俯瞰画像を表示するとともに、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示する出力制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示する第1出力制御手段と、車両周辺の障害物を検出する障害物検出手段と、前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にする第2出力制御手段とを備えたことを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のドアロック操作装置において、前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアをロックする車載システム制御手段をさらに備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のドアロック操作装置において、前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段をさらに備え、前記第1出力制御手段は、前記画像データに基づく周辺画像を表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のドアロック操作装置において、前記撮影装置が撮影した前記画像データを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段をさらに備え、前記第1出力制御手段は、前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項5〜8のいずれか1項に記載のドアロック操作装置において、前記第2出力制御手段は、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にすることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1によれば、車両周辺を俯瞰した周辺俯瞰画像に、車両俯瞰画像と、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部とが表示される。このため、その車両の乗員は、俯瞰画像に表示された壁、他車両、移動体等の障害物と、車両俯瞰画像との相対距離を確認し、ドアを開けた際に障害物と開状態のドアとが接触するか否かを判断することができる。そして、ドアを開けた際に障害物と接触する場合には、ドアロック操作部を操作してドアをロックし、他の乗員等によりそのドアの開動作を禁止することができる。このため、車両のドアと障害物との接触を未然に防ぐことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を画面に表示するドアロック操作部において、障害物が検出された際に、操作不可能にした。このため、障害物が接近している際には、ドアをロックして、ドア等と障害物とが接触するのを防止できる。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、車両周辺の障害物が検出された際に、ドアをロックするので、ドア等と障害物とが接触するのを確実に防止できる。
請求項4によれば、ドアロック操作装置により、車両周辺を俯瞰した周辺俯瞰画像に、車両俯瞰画像と、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部とが表示される。このため、その車両の乗員は、俯瞰画像に表示された壁、他車両、移動体等の障害物と、車両俯瞰画像との相対距離を確認し、ドアを開けた際に障害物と開状態のドアとが接触するか否かを判断することができる。そして、ドアを開けた際に障害物と接触する場合には、ドアロック操作部を操作してドアをロックし、他の乗員等によりそのドアの開動作を禁止することができる。このため、車両のドアと障害物との接触を未然に防ぐことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を画面に表示するドアロック操作部を、障害物が検出された際に、操作不可能にした。このため、障害物が接近している際には、ドアをロックして、ドア等と障害物とが接触するのを防止できる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、車載システム制御手段により、車両周辺の障害物が検出された際に、ドアをロックするので、ドア等と障害物とが接触するのを確実に防止できる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、ドアロック操作部は、周辺画像及び車両画像が表示された画面上に表示される。このため、障害物を撮影装置が撮影した場合に、周辺画像に表示された障害物を確認し、ドアロック操作部が操作不可状態になった要因を判断することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明によれば、ドアロック操作部は、車両俯瞰画像上に表示される。このため、障害物と車両との相対位置が把握しやすくすることができる。
請求項9に記載の発明によれば、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にする。このため、必要最小限のドアをロックすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図8に従って説明する。図1は、ドアロック制御システム1の構成を説明するブロック図である。
図1に示すように、ドアロック制御システム1は、ドアロック操作装置としてのドアロック制御装置2を備えている。ドアロック制御装置2は、車載システム制御手段、第2出力制御手段としてのドアロック制御部3を備えている。ドアロック制御部3は、車両C(図2参照)に搭載されたニュートラルスタートスイッチ30から、車両Cのシフトポジション信号SG1を入力する。また、ドアロック制御部3は、車両Cのパーキングブレーキスイッチ装置(図示略)に設けられたブレーキスイッチ31から、ブレーキ検出信号SG2を入力する。
【0022】
また、ドアロック制御装置2は、障害物検出手段としての障害物検出部4を有している。障害物検出部4は、例えばイグニッションスイッチがオンされて電源が供給されると、車両Cに設けられた障害物検出センサ32を制御して、障害物を検出する。障害物検出センサ32は、超音波センサ、ミリ波レーダ、レーザレーダ等を用いることができるが、本実施形態では図2に示すように超音波センサからなる4個の第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dが前方左側、前方右側、後方左側、後方右側にそれぞれ設けられている。尚、第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dを特に区別しないで説明する場合には、単に障害物検出センサ32として説明する。
【0023】
障害物検出センサ32は、障害物検出部4の制御により、車両Cの周囲に超音波を発信する。車両Cの周囲に障害物が存在する場合には、障害物検出センサ32は障害物に反射した反射波を受信し、障害物検出部4に受信信号SG3を送信する。障害物検出部4は、超音波を発信してから反射波が検出されるまでの時間に基づき、障害物との距離を検知する。また、第1〜第4障害物検出センサ32a〜32dのうち、反射波を検出したセンサの位置と障害物までの距離とから、障害物の位置を特定する。
【0024】
また、ドアロック制御装置2は、画像データ取得手段としての画像入力部5、俯瞰変換手段としての俯瞰変換手段としての俯瞰変換処理部6、出力制御手段、第1出力制御手段、第2出力制御手段としての画像合成部7及び描画処理部9を備えている。画像入力部5は、車両Cに設けられた撮影装置としてのカメラ33を制御して、画像データGを入力す
る。図2に示すように、車両Cには、車両前方に取り付けられた前方カメラ33a、左側に取り付けられた左側方カメラ33b、右側に取り付けられた右側方カメラ33c、車両後方に取り付けられた後方カメラ33dが取り付けられている。画像入力部5は、前方カメラ33aから車両前方を撮影した前方画像データGaを入力する。また、左側方カメラ33b及び右側方カメラ33cから、車両Cの左側方及び右側方を撮影した左側方画像データGb、右側方画像データGcをそれぞれ入力する。さらに、後方カメラ33dから車両後方を撮影した後方画像データGdを入力する。尚、各カメラ33a〜33d、各画像データGa〜Gdを区別しないで説明する際には、単にカメラ33、画像データGとして説明する。
【0025】
俯瞰変換処理部6は、画像入力部5を介して、各画像データGを入力し、各画像データGに対し、公知の俯瞰変換処理を行い、俯瞰画像データG1を生成する。即ち、各カメラ33a〜33dの各視点でそれぞれ撮影された各画像データGa〜Gdを、車両Cの鉛直方向上方に設定された一視点からみた画像に座標変換する。これにより、各画像データGa〜Gdは、同じ視点からみた画像データに変換される。このとき、俯瞰変換できない領域は、マスクをかけるようにしてもよい。俯瞰画像データG1a〜G1dを生成すると、俯瞰変換処理部6は、それらの俯瞰画像データG1a〜G1dを画像合成部7に出力する。
【0026】
画像合成部7は、各俯瞰画像データG1の重複領域を重ね合わせて合成し、図3(a)及び図3(b)に示すような車両Cの周囲を上から俯瞰した俯瞰合成データG2を生成する。そして、生成した俯瞰合成データG2を、表示手段としてのディスプレイ10に出力する。これにより、車両Cの前方、後方、左側方及び右側方の画像が表示される。
【0027】
また、画像合成部7は、俯瞰合成データG2のうち、車両Cの現在位置に相当する位置に、図示しない記憶部に記憶された車両画像データ7aを俯瞰合成データG2に重畳する。これにより、図3(a)及び図3(b)に示すように、俯瞰合成データG2に基づく俯瞰画像21上に、車両画像データ7aに基づく車両俯瞰画像22が重畳され、車両C及びその周囲を俯瞰した操作画面20がディスプレイ10に表示される。この操作画面20を確認することによって、運転者は、俯瞰画像21に表示された白線や障害物と、車両Cとの相対位置を把握することができる。
【0028】
また、画像合成部7は、車両画像データ7aに、ドアロック操作部としてのドアロック操作スイッチSを描画する。本実施形態では、ドアロック操作スイッチSは、5つのドアロック操作スイッチS1〜S5からなり、ユーザの指の接触により、前席左ドアD1、後席左ドアD2、前席右ドアD3、後席右ドアD4、バックドアD5といった各ドアDの施錠又は解錠を行う。また、各ドアロック操作スイッチS1〜S5は、操作の対象となる各ドアD1〜D5の位置にそれぞれ表示されている。
【0029】
画像合成部7は、ドアロック操作スイッチSを、操作可能なアクティブと、操作不可能な非アクティブとのいずれかで表示する。図3(a)及び図3(b)は、いずれもドアロック操作スイッチS1〜S5が、操作可能状態(アクティブ)になっている状態を示し、図3(a)は、ドアD1〜D5がロック(施錠)された状態のドアロック操作スイッチS1〜S5を示す。図3(b)は、ドアD1〜D5がアンロック(解錠)された状態のドアロック操作スイッチS1〜S5を示す。ロックされたドアロック操作スイッチSと、アンロックされたドアロック操作スイッチSとは、図柄、色、形状等の点で異なっている。
【0030】
例えば、図3(a)において、ロック状態のドアロック操作スイッチS1の表示位置にユーザの指が接触すると、ドアロック制御装置2のタッチパネル制御部8(図1参照)が、接触位置を検出して、接触位置を示す検出信号をドアロック制御部3に出力する。
【0031】
ドアロック制御部3は、この検出信号に基づいて、車両Cに設けられたロックシステム制御コンピュータ35に、ドアD1をアンロックにする指令信号を出力する。ロックシステム制御コンピュータ35は、ドアロックモータ、ドアロック機構等を有するドアロックアッセンブリAsを制御する。本実施形態では、5つの第1〜第5ドアロックアッセンブリ36〜40を制御し、ドアD1をアンロックにする指令信号を入力すると、ドアD1に対応する第1ドアロックアッセンブリ36を制御して、ドアD1をアンロックする。
【0032】
また、ドアロック制御部3は、ドアD1がアンロックされると、画像合成部7を制御して、ドアD1に対応するドアロック操作スイッチS1を図3(b)に示すようにアンロック状態にする。尚、図3(b)では全てのドアロック操作スイッチSがアンロックになっているが、操作されたスイッチのみアンロックする。また、アンロック状態のドアロック操作スイッチS1〜S5のうちいずれかに指が接触すると、タッチパネル制御部8は接触位置を検出し、ドアロック制御部3は、操作されたドアロック操作スイッチS1〜S5を判断する。そして、施錠の対象となるドアDを判断し、ロックシステム制御コンピュータ35を介して、対応するドアロックアッセンブリAsを制御し、ドアDをロックする。
【0033】
また、障害物検出部4が車両Cの周囲に障害物を検出すると、画像合成部7は、ドアロック操作スイッチS1〜S5を非アクティブにする。具体的には、図3(c)に示すように、ドアロック制御部3が、障害物検出部4に基づき、車両Cの周囲に障害物を検出すると、障害物に近いドアロック操作スイッチS5を、非アクティブにする。非アクティブに切り替えられたドアロック操作スイッチSは、アクティブのドアロック操作スイッチSに比べて、図柄、色、形状等が異なっている。尚、図3(c)では、全てのドアロック操作スイッチS1〜S4を、非アクティブにした状態を示している。同時に、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35を制御して、非アクティブにしたドアロック操作スイッチSに対応するドアDをロックする。
【0034】
非アクティブのドアロック操作スイッチSの表示形式は、図3(c)に示すように、アクティブの場合と色を変更するのみでもよいし、トーンダウンさせるようにしてもよい。このとき、タッチパネル制御部8が、非アクティブのドアロック操作スイッチS1,S2とユーザの指との接触を検出しても、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35に指令信号を出力しない。
【0035】
例えば、図4(a)に示すように、障害物検出部4が、車両Cの後方及び右側方に壁Wを検出すると、さらに車両Cと障害物との相対距離を算出する。そして、その相対距離が所定距離以下であるか否かを判断する。この所定距離は、ドアD4,D5の回動範囲を基準として設定され、例えばドアD4,D5の回動範囲か、ドアD4,D5の回動範囲に必要最小限の間隔を加算した長さになっている。ドアロック制御部3は、障害物との相対距離が、所定距離以下であると判断すると、ドアロック操作スイッチSを非アクティブにする。このとき、図4(b)に示すように、ドアロック操作スイッチS1〜S5のうち、壁Wに近い後方及び右側方のドアロック操作スイッチS3〜S5を、非アクティブにする。このとき、タッチパネル制御部8が、非アクティブのドアロック操作スイッチS3〜S5の接触を検出しても、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35に指令信号を出力しない。
【0036】
また、図5(a)に示すように、障害物検出部4が、車両Cの左右に隣接車両C1を検出し、右側方の隣接車両C1との距離が所定距離内にあると判断すると、ドアロック制御部3は、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4をロック状態にして非アクティブにする。
【0037】
また、図6(a)に示すように、ドアロック制御部3が、障害物検出部4に基づき、車両Cの後方から例えばバイクといった移動障害物が接近していると判断すると、移動障害物の進行方向に近い右側方のドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。
【0038】
次に、本実施形態の処理手順について、図7及び図8に従って説明する。まず、ドアロック制御部3は、イグニッションスイッチがオンされて電源が供給されると、ニュートラルスタートスイッチ30及びブレーキスイッチ31からシフトポジション信号SG1及びブレーキ検出信号SG2をそれぞれ入力する。そして、シフトポジションがパーキングであって、且つパーキングブレーキがオンであるか否かを判断する(ステップS1−1)。そして、この条件を満たすまで、ステップS1−1の判断を繰り返す。
【0039】
シフトポジションがパーキング、且つパーキングブレーキがオンであると判断すると(ステップS1−1においてYES)、画像入力部5により、各カメラ33から各画像データGを取得する(ステップS1−2)。
【0040】
各画像データGを入力すると、俯瞰変換処理部6はそれらの各画像データGを俯瞰変換し、俯瞰画像データG1を生成する(ステップS1−3)。また、画像合成部7は、各俯瞰画像データG1を合成して、俯瞰合成データG2を生成し、描画処理部9は、その俯瞰合成データG2をディスプレイ10に出力する。また、画像合成部7は、俯瞰合成データG2のうち、車両Cの現在位置に相当する位置に車両画像データ7aを出力して、操作画面20を表示する(ステップS1−4)。
【0041】
また、画像合成部7は、車両俯瞰画像22の所定の位置に、ドアロック操作スイッチS1〜S5を出力する(ステップS1−5)。このとき、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35から、各ドアロックアッセンブリAsの施錠状態を検出し、ロックされているドアDに対しては、ロック状態のドアロック操作スイッチSを表示し、アンロックされているドアDに対しては、アンロック状態のドアロック操作スイッチSを表示する。
【0042】
また、ドアロック制御部3は、障害物検出センサ32に基づき、状況判断処理を行う(ステップS1−6)。車両Cの周囲に障害物を検出した際には、車両Cと障害物との相対距離を算出し、その相対距離が所定距離内であるか否かを判断する。相対距離が所定距離内であると判断した場合には、ドア周辺に障害物が接近していると判断する。また、障害物に近いドアD又は障害物の進行方向のドアDを特定する。
【0043】
車両周辺状況を判断すると、ドアロック制御部3は、状況判断処理の結果、ドア周辺に障害物が検出されたか否かを判断する(ステップS1−7)。ドア周辺に障害物があると判断すると(ステップS1−7においてYES)、障害物の近くのドアDのドアロック操作スイッチSを非アクティブにする(ステップS1−8)。詳述すると、図4(a)に示すように、車両Cの右側方及び後方に、壁Wがドア周辺の障害物として検出された場合には、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4と後方のドアロック操作スイッチS5を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21で壁Wと車両俯瞰画像22との相対位置を確認し、ドアD3〜D5を開扉した場合に、壁WとドアD3〜D5とが接触することを予想することができる。また、ドアロック操作スイッチS3〜S5が、非アクティブである要因をすぐに理解することができる。
【0044】
図5(a)では、車両Cの右側方に隣接車両C1がドア周辺の障害物として検出された場合には、ドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21で隣接車両C1と車両Cとの間のスペースが小さいことを確認することができるので、ドアD3,D4を開扉すると、隣接車両C1とドアD3,D4とが接触す
ることを前もって判断できる。また、ドアロック操作スイッチS3,S4が非アクティブである要因をすぐに理解することができる。
【0045】
図6(a)に示すように、車両Cの右側方に、バイクMをドア周辺の障害物として検出した場合には、図6(b)に示すように、右側方のドアロック操作スイッチS3,S4を非アクティブにする。このとき、運転者は、俯瞰画像21でバイクMが接近していることを確認することができる。このため、ドアD3,D4を開扉すると、バイクMが接近しているにも関わらず、他の乗員がドアD4を開扉して降車する可能性があるため危険であることを理解することができる。また、バイクMが俯瞰画像21に表示されていなくても、ドアロック操作スイッチS3,S4が非アクティブになっているため、周囲に障害物があることを示唆することができる。
【0046】
一方、ドア周辺に障害物がない場合には(ステップS1−7においてNO)、シフトポジションがパーキング以外に切り替えられたか、又はパーキングブレーキがオフされたか否かを判断する(ステップS1−9)。シフトポジションがパーキング以外、又はパーキングブレーキがオフであると判断した場合には(ステップS1−9においてYES)、描画処理部9により操作画面20を消去して、処理を終了する。シフトポジションがパーキングであって、且つパーキングブレーキがオフである状態が維持されている場合には(ステップS1−9においてNO)、ステップS1−1に戻り、上記した処理を繰り返す。
【0047】
次に、操作画面20が表示されている際のドアロック制御部3の処理について図8に従って説明する。ドアロック制御部3は、タッチパネル制御部8を介して、ドアロック操作スイッチSの操作の有無を待機する(ステップS2−1)。ドアロック操作スイッチSの表示位置に指が接触したと判断すると(ステップS2−1においてYES)、ドアロック制御部3は、そのドアロック操作スイッチSがアクティブであるか否かを判断する(ステップS2−2)。
【0048】
アクティブであると判断すると(ステップS2−2においてYES)、ドアロック制御部3は、ロックシステム制御コンピュータ35を介して、操作されたドアDに対応するドアロックアッセンブリAsを制御し、ドアDをロック又はアンロックする(ステップS2−3)。
【0049】
一方、ドアロック操作スイッチSが非アクティブであると判断すると(ステップS2−2においてNO)、ドアロック制御部3は、ドアロック操作スイッチSが操作されても、解錠せず、ドアロックを維持する(ステップS2−4)。このため、運転者や他の乗員が、障害物がドア周辺にあるにも関わらず、誤ってドアDをアンロックしてしまうのを防止することができる。
【0050】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、画像合成部7及び描画処理部9により、ドアDをロック及びアンロックするドアロック操作スイッチSをディスプレイ10の画面に表示するようにした。また、障害物検出部4により車両Cの周囲の障害物を検出した際に、障害物に近いドアロック操作スイッチSをロックするとともに、そのドアロック操作スイッチSを操作不可能な非アクティブにした。このため、例えば壁Wや隣接車両C1といった障害物がドアDの回動範囲に存在するにも関わらず、誤ってドアDをアンロックして、ドアDと障害物が接触してしまうのを防止できる。また、例えばバイクMや自転車といった移動障害物が接近しているにも関わらず、ドアをアンロックして、運転者又は他の乗員が誤ってドアDを開扉してしまうのを防止することができる。
【0051】
(2)上記実施形態では、カメラ33により車両周辺を撮影し、取得した画像データG
に基づき、車両周辺を俯瞰した俯瞰画像21と、車両Cを俯瞰した車両俯瞰画像22とを操作画面20に表示し、車両俯瞰画像22にドアロック操作スイッチSを重畳するようにした。このため、俯瞰画像21と車両俯瞰画像22とにより、周囲の障害物と車両Cとの相対位置を把握しやすくなる。従って、ドアロック操作スイッチSが非アクティブに切り替えられた要因を判りやすくすることができる。さらに、ドアロック操作スイッチSは、車両俯瞰画像22の各ドアDの位置に重畳するので、どのドアDの操作ボタンであるのかを判りやすくして、操作性を向上できる。
【0052】
(3)上記実施形態では、ドア周辺の障害物が検出された際に、障害物の近くのドアロック操作スイッチSのみを非アクティブとし、他のドアロック操作スイッチSはアクティブにするので、必要最小限のドアDをロックし、他のドアDはロック又はアンロック可能とすることができる。このため、ユーザの利便性を向上することができる。
【0053】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・ドアロック制御装置2に、タッチパネル制御部8を含めるようにしたが、タッチパネル制御部8を省略しても良い。
【0054】
・障害物検出部4は、検出した障害物が、バイク等の移動障害物か、壁等の静止障害物であるかを判断するようにしてもよい。この場合、障害物検出部4は、その障害物の位置を所定時間の間、繰り返し特定し、障害物の位置が移動している場合には、その障害物がバイク等の移動障害物であると判断し、障害物の位置が移動していない場合には、その障害物が壁等の静止障害物であると判断する。そして、障害物が静止障害物である場合には、車両Cからの距離は所定距離L1以内であるか否かを判断し、移動障害物である場合には、車両Cからの距離が所定距離L2(>所定距離L1)以内であるかを判断するようにしてもよい。そして、障害物と車両Cとの距離が所定距離L1,L2以内である場合には、ドアロック操作スイッチSを非アクティブにする。
【0055】
・上記実施形態では、車両Cの5つのドアDに対し各ドアロック操作スイッチSをそれぞれ表示するようにしたが、1つ〜4つのドアDに対しドアロック操作スイッチSを表示するようにしても良い。
【0056】
・上記実施形態では、操作画面20において、1つのドアDに対し、1つのドアロック操作スイッチSを表示するようにしたが、図9に示すように、1つのドアDに対し、「ロック」及び「アンロック」を操作する2つのドアロック操作スイッチSa,Sbを表示した操作画面50にしてもよい。
【0057】
・上記実施形態では、操作画面20において、俯瞰画像21を表示するようにしたが、図10に示すように、俯瞰変換前の画像データGに基づく周辺画像51に、ドアロック操作スイッチSを1つ又は複数表示した操作画面50にしてもよい。図10は、後方カメラ33dにて撮影された後方画像データGdに基づくモニタ画像52である。この場合にも、運転者はドアD周辺の障害物をモニタ画像52で確認することができる。
【0058】
・上記実施形態では、操作画面20において俯瞰画像21を表示するようにしたが、カメラ33から取得した画像データGに基づく画像に限定されない。例えば、単に車両俯瞰画像22のみを表示するようにしてもよい。或いは、図11に示すようにドアロック操作スイッチSのみを表示した操作画面53にしてもよい。この場合、各ドアDの周辺に障害物が検出された場合、ドアロック制御部3により、そのドアDに対応するドアロック操作スイッチSをアンロックする。
【0059】
・上記実施形態では、障害物が検出された際に、ドアロック操作スイッチSを非アクテ
ィブにしたが、図示しないスピーカから警告音を出力するようにしてもよい。
・上記実施形態では、非アクティブのドアロック操作スイッチSが操作された場合に、ドアロック制御部3からロックシステム制御コンピュータ35に対する指令信号の出力を禁止するようにした。これ以外に、非アクティブのドアロック操作スイッチSを、指が接触してもタッチパネル制御部8が検知しないダミーボタンにするだけでもよい。
【0060】
・上記実施形態では、障害物検出センサ32によって障害物を検出するようにしたが、カメラ33によって撮影された画像データGに対し画像処理を行って検出するようにしてもよい。
【0061】
・上記実施形態では、ドアロック操作スイッチSをディスプレイ10に表示するようにしたが、例えばインストルメントパネルに表示するようにしてもよい。
・上記実施形態では、検出された障害物に近いドアDをロックし、さらにそのドアDのドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしたが、車両Cの乗員や、乗員の着座位置に応じて、ドアDをロックするようにしてもよい。例えば、シートに内蔵された重量センサや、画像検出センサといった乗員検出装置を車両Cに設けて、乗員の着座を判断し、障害物が検出された際に、乗員が着座している席のドアDをロックするようにしてもよい。また、乗員検出装置により乗員が子供であるか否かを判断し、子供が検出された場合には、その子供が着座している席のドアDをロックするようにしてもよい。そして、ロックしたドアDに対応するドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしてもよい。
【0062】
・ドアロック制御装置2は、車両Cに設けられたナビゲーション装置等(図示略)に基づき、車両Cが駐車した場所に応じて、ドアDをロックするようにしてもよい。例えば、ナビゲーション装置に基づき、車両Cが道路上に駐車したと判断した際に、他車両が通過する方向のドアDをロックするようにしてもよい。即ち、車両Cが道路の左側端に駐車したと判断した場合には、右側のドアDをロックする。また、このとき車両Cの左側に狭い歩道があると判断した場合には、左側のドアDをロックするようにしてもよい。そして、ロックしたドアDに対応するドアロック操作スイッチSを非アクティブにするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態のドアロック制御システムのブロック図。
【図2】カメラ、障害物検出センサの取付位置の説明図。
【図3】(a)はロック、(b)はアンロック、(c)は非アクティブのドアロック操作スイッチの説明図。
【図4】(a)は車両が壁の近くに駐車した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図5】(a)は車両が隣接車両の近くに駐車した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図6】(a)は車両にバイクが接近した状態、(b)はそのときの操作画面の説明図。
【図7】本実施形態の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の処理手順の説明図。
【図9】別例の操作画面の説明図。
【図10】別例の操作画面の説明図。
【図11】別例の操作画面の説明図。
【符号の説明】
【0064】
1…ドアロックシステム、2…ドアロック操作装置としてのドアロック制御装置、3…
車載システム制御手段、第2出力制御手段としてのドアロック制御部、4…障害物検出手段としての障害物検出部、5…画像データ取得手段としての画像入力部、7…出力制御手段、第1出力制御手段、第2出力制御手段としての画像合成部、10…表示手段としてのディスプレイ、21…俯瞰画像、22…車両俯瞰画像、33…撮影装置としてのカメラ、51…周辺画像、C…車両、D…ドア、G…画像データ、G1…俯瞰画像データ、S…操作部としてのドアロック操作スイッチ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得し、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換するとともに、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に、ドアをロック又はアンロックする操作部を表示することを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項2】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、
前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示するとともに、
車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にすることを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載のドアロック制御方法において、
車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアをロックすることを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項4】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段と、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像上に、前記車両の車両俯瞰画像を表示するとともに、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示する出力制御手段と
を備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項5】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、
前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示する第1出力制御手段と、
車両周辺の障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にする第2出力制御手段と
を備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載のドアロック操作装置において、
前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアをロックする車載システム制御手段をさらに備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のドアロック操作装置において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段をさらに備え、
前記第1出力制御手段は、
前記画像データに基づく周辺画像を表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項8】
請求項7に記載のドアロック操作装置において、
前記撮影装置が撮影した前記画像データを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段をさらに備え、
前記第1出力制御手段は、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のドアロック操作装置において、
前記第2出力制御手段は、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にすることを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項1】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得し、前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換するとともに、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に、ドアをロック又はアンロックする操作部を表示することを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項2】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック制御方法において、
前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示するとともに、
車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にすることを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項3】
請求項2に記載のドアロック制御方法において、
車両周辺の障害物を検出した際に、前記ドアをロックすることを特徴とするドアロック制御方法。
【請求項4】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データを前記車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段と、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像上に、前記車両の車両俯瞰画像を表示するとともに、ドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示する出力制御手段と
を備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項5】
ユーザの操作に基づき車両のドアロックを制御するドアロック操作装置において、
前記車両のドアをロック又はアンロックするドアロック操作部を表示手段に表示する第1出力制御手段と、
車両周辺の障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアロック操作部を操作不可状態にする第2出力制御手段と
を備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項6】
請求項5に記載のドアロック操作装置において、
前記障害物検出手段が障害物を検出した際に、前記ドアをロックする車載システム制御手段をさらに備えたことを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のドアロック操作装置において、
前記車両に搭載された撮影装置から車両周辺を撮影した画像データを取得する画像データ取得手段をさらに備え、
前記第1出力制御手段は、
前記画像データに基づく周辺画像を表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項8】
請求項7に記載のドアロック操作装置において、
前記撮影装置が撮影した前記画像データを車両周辺を俯瞰した俯瞰画像データに変換する俯瞰変換手段をさらに備え、
前記第1出力制御手段は、
前記俯瞰画像データに基づく俯瞰画像と、前記車両の車両俯瞰画像とを表示した画面に前記ドアロック操作部を表示することを特徴とするドアロック操作装置。
【請求項9】
請求項5〜8のいずれか1項に記載のドアロック操作装置において、
前記第2出力制御手段は、検出した障害物の方向のドアロック操作部を操作不可状態にすることを特徴とするドアロック操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−202239(P2008−202239A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−36642(P2007−36642)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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