説明

バックライトユニット

【課題】表示画像に応じて液晶表示装置の色再現範囲を可変とすることができ、消費電力を低減することができるバックライトユニットを提供する。
【解決手段】輝度割合計算部31は、1フレーム内に入力される画像データ内におけるR画素の輝度値の平均値、G画素の輝度値の平均値、B画素の輝度値の平均値を求め、最大輝度値に対するそれらの割合である第1の割合、第2の割合、第3の割合を計算する。そして、デューティ比演算部32は、それらの割合に基づいて、赤色LEDに関するデューティ比、緑色LEDに関するデューティ比、および青色LEDに関するデューティ比を定める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニットに関し、特に、液晶表示装置において液晶パネルに光を照射するバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置で用いられるバックライトユニットは、白色光を照射する白色光源を有する。また、白色光源と、赤色に対応する波長域の光を発光する赤色光源と、緑色に対応する波長域の光を発光する緑色光源と、青色に対応する波長域の光を発光する青色光源とを組み合わせたバックライトユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたバックライトユニットは、白色LED(Light Emitting Diode)と、赤色に対応する波長域の光を発光する赤色LEDと、緑色に対応する波長域の光を発光する緑色LEDと、青色に対応する波長域の光を発光する青色LEDとを組み合わせている。特許文献1に記載されたバックライトユニットは、このような構成により、白色LEDの発光分光特性を補正し、色再現性を最適化する発光分光特性をもつようにしている。
【0003】
特許文献2にも、白色光源と、赤色光源と、緑色光源と、青色光源とを備える照明ユニットが記載されている。
【0004】
また、特許文献3には、映像信号に基づいてヒストグラムを生成し、そのヒストグラムに基づいて、バックライトの輝度を調整するためのバックライト制御信号を算出する表示装置が記載されている。また、特許文献4には、映像信号の輝度に関するヒストグラムをフレーム毎に検出することが記載されている。
【0005】
また、図9は、液晶表示装置で表示される色の純度を説明する説明図であり、CIE1931色度図における座標を表している。液晶表示装置で表示される色の純度は、NTSC(National Television Standard Committee:全米テレビジョン放送方式標準化委員会)が定めたCIE1931色度図における色の座標に基づいて表すことができる。NTSCでは、赤色の座標をx=0.670,y=0.330と規定し、緑色の座標をx=0.210,y=0.710と規定し、青色の座標をx=0.140,y=0.080と規定している。なお、NTSCでは、白色をx=0.3101,y=0.3162と規定している。この赤色、青色および緑色の座標によって、CIE1931色度図内に三角形が規定される。図9では、NTSCが規定した赤色、緑色および青色の座標によって定まる三角形91を実線で示している。
【0006】
また、液晶表示装置の色再現範囲もCIE1931色度図に表すことができる。図9において点線で示した三角形93は、バックライトユニットとして白色LEDのみを用いた場合における液晶表示装置の色再現範囲を表している。NTSCが規定した座標によって定まる三角形91の面積に対する、このような色再現範囲の面積の割合を色の純度という。
【0007】
白色LEDの他に、赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDも備えるバックライトユニットを用いた場合、液晶表示装置の色再現範囲は、図9において破線で示した三角形92の範囲まで広がる。従って、特許文献1に記載されたバックライトユニットでは、色の純度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−141548号公報(段落0031)
【特許文献2】特開2005−243347号公報(段落0023)
【特許文献3】特開2010−85946号公報(段落0012)
【特許文献4】特開2010−154343号公報(段落0006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、色の純度は高い方が好ましく、上述のように、特許文献1に記載されたバックライトユニットでは、白色LEDのみを備えるバックライトユニットよりも色の純度を向上させることができる。
【0010】
しかし、特許文献1に記載のバックライトユニットでは、色再現範囲は固定される。
【0011】
また、表示画像によっては、必ずしも色純度を向上させる必要がない(換言すれば、色再現範囲を広げる必要がない)場合もある。例えば、ある表示画像において、赤色画素の輝度値は高いが緑色画素や青色画素の輝度値は低いとする。この場合、図9に例示する色再現範囲93(三角形93)を赤色領域側に広げればよく、緑色側や青色側にはあまり広げなくてよい。
【0012】
特許文献1に記載のバックライトユニットでは、色再現範囲は、三角形92で示した範囲に固定されている。すると、上記のような、赤色画素の輝度値は高いが緑色画素や青色画素の輝度値は低い画像を表示する場合に、緑色LEDや青色LEDに必要以上に電流を流し、その結果、必要以上に電力を消費してしまうことになる。また、同様に、他の画像を表示する場合にも、必要以上に電力を消費してしまうことがある。
【0013】
そこで、本発明は、表示画像に応じて液晶表示装置の色再現範囲を可変とすることができ、消費電力を低減することができるバックライトユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によるバックライトユニットは、液晶表示装置が備える液晶パネルに光を照射するバックライトユニットであって、電流を供給されることによって白色光を発光する白色光源(例えば、白色LED21)と、電流を供給されることによって赤色光を発光する赤色光源(例えば、赤色LED22)と、電流を供給されることによって緑色光を発光する緑色光源(例えば、緑色LED23)と、電流を供給されることによって青色光を発光する青色光源(例えば、青色LED24)と、白色光源と、赤色光源と、緑色光源と、青色光源に対して、一定期間毎に、当該一定期間以下の期間、電流を供給する光源駆動手段(例えば、LEDドライバ4)と、個々のフレーム毎に、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各赤色画素の輝度値の平均値の割合である第1の割合と、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各緑色画素の輝度値の平均値の割合である第2の割合と、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各青色画素の輝度値の平均値の割合である第3の割合とを計算する輝度割合計算手段(例えば、輝度割合計算部31)と、第1の割合に応じて、一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合(例えば、赤色デューティ比)を定め、第2の割合に応じて、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合(例えば、緑色デューティ比)を定め、第3の割合に応じて、一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合(例えば、青色デューティ比)を定める電流供給期間割合導出手段(例えば、デューティ比演算部32)とを備え、光源駆動手段が、1つ前のフレームで定められた一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合、および一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合に基づいて、赤色光源、緑色光源、および青色光源に対してそれぞれ電流を供給することを特徴とする。
【0015】
電流供給期間割合導出手段が、一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、その差に基づいて、一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直し、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、その差に基づいて、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直し、一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、その差に基づいて、一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直す構成であってもよい。
【0016】
光源駆動手段は、1つのフレームが一定期間の整数倍になるという条件を満たすように定められた一定期間毎に、白色光源と、赤色光源と、緑色光源と、青色光源に対して、当該一定期間以下の期間、電流を供給し、フレームの開始時に合わせて当該フレーム内の最初の一定期間における電流供給を開始する。
【0017】
光源駆動手段が、一定期間内で白色光源に対して電流を供給する期間の割合として100%未満の割合を外部から指定された場合に、当該割合に応じて、一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合、および一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を補正する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、表示画像に応じて液晶表示装置の色再現範囲を可変とすることができ、消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のバックライトユニットの構成例を示すブロック図。
【図2】LED群1の例を示す斜視図。
【図3】直下型の場合におけるLED群1の例を示す斜視図。
【図4】一定期間内における電流供給期間の例を示す説明図。
【図5】一定期間Tとフレームとの関係を示す説明図。
【図6】第1の割合、第2の割合および第3の割合の例を示す説明図。
【図7】100%と第1の割合との差分、100%と第2の割合との差分、100%と第3の割合との差分の例を示す説明図。
【図8】デューティ比を定めるフレームと、そのデューティ比に基づいてLED群に電流を供給するフレームとの関係を示す説明図。
【図9】液晶表示装置で表示される色の純度を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明のバックライトユニットの構成例を示すブロック図である。図1では、バックライトユニットとともに液晶表示装置を図示している。
【0021】
本発明のバックライトユニットが適用される液晶表示装置は、例えば、液晶パネル11と、タイミングコントローラ12と、ドライバIC13とを備える。
【0022】
液晶パネル11は、透明電極が設けられた一対の透明基板内に液晶を挟持した構成である。また、個々の画素毎に、R(赤色)、G(緑色)またはB(青色)のカラーフィルタが設けられている。以下、赤色の画素をR画素と記し、緑色の画素をG画素と記し、青色の画素をB画素と記す。液晶パネル11は、例えば、アクティブマトリクス型の液晶パネルであるが、液晶パネル11の態様は特に限定されない。例えば、パッシブマトリクス型や、他の種類の液晶パネルであってもよい。
【0023】
液晶パネル11には、背面側から、本発明のバックライトユニットによって光を照射される。
【0024】
タイミングコントローラ12には、フレーム毎に画像データが入力される。画像データは、液晶パネル11における個々の画素の輝度値を示すデータであり、R画素、G画素およびB画素の輝度値をそれぞれ含んでいる。
【0025】
なお、フレームとは、液晶パネル11にマトリクス状に配置された画素におけるある1行の選択を開始してから、再びその行の選択を開始するまでの期間である。本実施形態では、画像データは、1フレーム内で、画素1行分ずつ順次入力される。
【0026】
タイミングコントローラ12は、制御信号をドライバIC13に出力して、ドライバIC(Integrated Circuit)13を制御する。ドライバIC13は、タイミングコントローラ12の制御に従って、画像データに応じた画像を液晶パネル11に表示させる。具体的には、ドライバIC13は、画像データが示す各画素の輝度値に応じて、各画素に対応する電極間の電圧を設定し、液晶パネル11の各画素の液晶を輝度値に応じた状態に設定する。この電圧設定は、例えば、画素の行を順次選択し、選択した行毎に行う。この結果、画素毎に、輝度値に合わせて光透過率が設定され、各画素における光の透過状況によって、画像データに応じた画像が視認される。
【0027】
タイミングコントローラ12は、ドライバIC13に対して、例えば、選択行の切り替えを指示する制御信号等の各種制御信号を出力する。
【0028】
また、タイミングコントローラ12は、1行分の画像データが入力されると、その画像データをデューティ比導出部3に出力する。
【0029】
本発明のバックライトユニットは、LED群1と、デューティ比導出部3と、LEDドライバ4とを備える。図1に示す例では、バックライトユニットがエッジ型である場合を例示しており、導光板2も備える。
【0030】
エッジ型のバックライトユニットでは、液晶パネル11の背面に導光板2が配置され、その導光板2の側面にLED群1が配置される。LED群1は、導光板2の側面に光を照射し、導光板2は、側面から入射した光を、液晶パネル11側の主面から射出する。この結果、液晶パネル11は、背面側から光を照射される。
【0031】
図2は、LED群1の例を示す斜視図である。LED群1には、白色LED21と、赤色LED22と、緑色LED23と、青色LED24とが含まれる。白色LED21は、LEDドライバ4から電流を供給されることによって白色光を発光する。赤色LED22は、LEDドライバ4から電流を供給されることによって、赤色に対応する波長域の光を発光する。緑色LED23は、LEDドライバ4から電流を供給されることによって、緑色に対応する波長域の光を発光する。青色LED24は、LEDドライバ4から電流を供給されることによって、青色に対応する波長域の光を発光する。
【0032】
赤色LED22、緑色LED23および青色LED24は並べて配置される。以下、並べて配置した赤色LED22、緑色LED23および青色LED24の組み合わせを、便宜的に、組み合わせLED25と記す。エッジ型の場合、基板20上に白色LED21および組み合わせLED25を1列に並べて配置する。ただし、白色LED21の数は、組み合わせLED25の数よりも多く、一部の白色LED21同士の間に組み合わせLED25を配置すればよい。
【0033】
白色LED21、赤色LED22、緑色LED23および青色LED24が設けられた基板20は、導光板2(図1参照)の側面に配置される。この結果、白色LED21、赤色LED22、緑色LED23および青色LED24が照射する光は、それぞれ導光板2の側面に入射され、導光板2は、その光を液晶パネル11の背面に射出する。
【0034】
また、本発明のバックライトユニットは、エッジ型ではなく、直下型であってもよい。図3は、直下型の場合におけるLED群1の例を示す斜視図である。直下型では、LED群1が液晶パネル11の背面に配置される。例えば、図3に示すように、液晶パネル11と同程度の大きさの基板30上に、白色LED21と、組み合わせLED25とをマトリクス状に配置すればよい。既に説明したように、組み合わせLED25は、並べて配置した赤色LED22、緑色LED23および青色LED24の組み合わせである。
【0035】
直下型の場合でも、白色LED21の数は、組み合わせLED25の数よりも多くする。図3では、LEDのマトリクスにおける各列に、4つの白色LED21と、1つの組み合わせLED25を配置した場合を例示している。また、直下型の場合、図3に示すように、列毎に、組み合わせLED25の位置をずらすことが好ましい。
【0036】
LEDドライバ4は、一定期間毎に、LED群1に含まれる白色LED21、赤色LED22、緑色LED23および青色LED24に対して、電流を供給する。上記の一定期間内において、各色のLEDに電流を供給する期間(すなわち、パルス幅)の割合をデューティ比と記す。デューティ比の最大値は100%であり、上記の一定期間をTとすると、LEDドライバ4は、その一定期間T内で、T以下の期間、各色のLEDに対して電流を供給する。すなわち、PWM(Pulse Width Modulation)駆動を実現する。また、電流供給時における電流値は一定である。なお、デューティ比は、各色で共通であるとは限らない。LEDドライバ4は、色毎にデューティ比導出部3が定めたデューティ比に基づいて、各色のLED21,22,23,24に対して電流を供給する。また、LEDドライバ4は、デューティ比導出部3が定めたデューティ比を補正する場合には、その補正結果に基づいて、各色のLED21,22,23,24に対して電流を供給する。後述するように、デューティ比導出部3が定めたデューティ比を補正するのは、外部から入力される輝度調整信号によって白色LED21のデューティ比を100%未満にする場合である。LEDドライバ4に入力される輝度調整信号は、LED群の輝度を調整する信号である。
【0037】
図4は、一定期間内における電流供給期間の例を示す説明図である。図4(a),(b)それぞれにおいて、横軸は時間の経過を表し、縦軸は供給する電流の電流値を表している。そして、図4では、上記の一定期間Tが5msである場合を例にしている。また、電流供給時における電流値が30mAである場合を例示している。これらの値は例示であり、他の値であってもよい。
【0038】
図4(a)では、デューティ比が100%である場合を示している。この場合、LEDドライバ4は、一定期間(5ms)内において、30mAの電流をLEDに供給し続ける。そして、LEDドライバ4は、一定期間毎に、そのLEDに対して同様の電流供給動作を繰り返す。従って、LEDドライバ4は、電流供給を停止することなく、そのLEDに対して定電流を供給し続ける(図4(a)参照)。
【0039】
図4(b)では、デューティ比が50%である場合を示している。この場合、LEDドライバ4は、一定期間(5ms)内において、その期間の50%の期間の間(すなわち、2.5msの間)、30mAの電流をLEDに供給し、残りの50%の期間では、そのLEDに対する電流供給を停止する。そして、LEDドライバ4は、一定期間毎に、そのLEDに対して同様の電流供給動作を繰り返す(図4(b)参照)。
【0040】
フレームを規定するためにタイミングコントローラ12が出力する制御信号を垂直同期信号と記す。図5は、LED群1に対する電流供給動作の周期である前述の一定期間Tとフレームとの関係を示す説明図である。図5に示す例では、垂直同期信号の立ち下がりエッジから次の立ち下がりエッジまでが1フレームとなる。図5に示すように、1フレームが一定期間Tの整数倍になるという条件を満たすように、一定期間Tは予め定められる。例えば、フレームの周波数が60Hzである場合、一定期間Tに応じた周波数(換言すれば、LED群1に対する電流供給動作の周波数)は、例えば180Hzや240Hz等にする必要がある。この一定期間Tに応じた周波数は、1フレーム内でLED群1をコントロールする回数となっている。
【0041】
また、LEDドライバ4は、フレーム周期と、一定期間Tの複数分の周期とを同期させる。具体的には、LEDドライバ4内の電流供給部6は、フレームの開始時に合わせて、そのフレーム内の最初の一定期間Tにおける電流供給を開始する。フレーム周期は一定期間Tの整数倍であるので、この結果、フレーム内における最後の一定期間Tの終了時と、フレームの終了時とが一致する。そして、次のフレームにおいても、フレームの開始時に合わせて、そのフレーム内における最初の一定期間Tにおける電流供給を開始することができる。なお、LEDドライバ4(より具体的には後述の電流供給部6)がこのような同期をとることができるように、タイミングコントローラ12が垂直同期信号をLEDドライバ4(具他的には電流供給部6)に出力してもよい。
【0042】
LEDドライバ4は、具体的には、電流制御部5と、電流供給部6とを備える。
【0043】
電流供給部6は、白色LED21、赤色LED22、緑色LED23および青色LED24(図2参照)に対して定電流(図4に示す例では30mAの電流)を供給する。電流供給部6が、各色のLED21〜24に対して、電流を供給する期間は、電流制御部5によって制御される。
【0044】
なお、電流供給部6は、白色用電流配線41を介して、白色LED21に電流を供給する。同様に、赤色用電流配線42を介して、赤色LED22に電流を供給し、緑色用電流配線43を介して、緑色LED23に電流を供給し、青色用電流配線44を介して、青色LED24に電流を供給する。なお、各電流配線41〜44は、例えば1系統であるが、電流供給先のLEDの数が多い場合には、2系統以上に増やしてもよい。例えば、白色LED21は、他の色のLEDに比べて数が多く、1系統の配線で全ての白色LED21に電流を供給すると、その配線における電圧が高くなってしまう場合がある。このように、白色LED21の数が多い場合には、その数に応じて、白色用電流配線41の系統数(本数)を増やしてもよい。
【0045】
前述のように、電流供給部6は、フレームの開始時に合わせて、そのフレーム内の最初の一定期間Tにおける電流供給を開始する。
【0046】
電流制御部5は、デューティ比導出部3が定めたデューティ比に基づいて、電流供給部6に対して電流供給期間を指示し、その期間内にLEDへの電流供給を行わせる。また、電流制御部5は、デューティ比導出部3が定めたデューティ比を補正する場合には、その補正結果に基づいて、電流供給部6に対して電流供給期間を指示し、その期間内にLEDへの電流供給を行わせる。電流制御部5は、電流供給部6に対するこの動作を、白色、赤色、緑色、青色の各色毎に行う。各LEDは、電流が供給されると発光し、電流の供給が停止されると消灯する。
【0047】
電流制御部5は、例えば、色の種類毎に、電流供給を指示する時にハイレベルとし、電流供給の停止を指示するときにローレベルとする制御信号を電流供給部6に出力すればよい。そして、電流供給部6は、制御信号がハイレベルであるならば、その制御信号に対応するLEDに対して電流を供給し、その制御信号がローレベルであるならばそのLEDに対する電流供給を停止する。電流制御部5は、色の種類毎の制御信号を個別にハイレベルまたはローレベルに切り替えることで、個々の色のLEDに対して電流供給を行わせるか停止させるかを制御することができる。ここでは、電流制御部5が色の種類毎に制御信号を出力して電流供給部6による電流供給期間を制御する場合を示したが、他の態様で制御を行ってもよい。
【0048】
後述するように、デューティ比導出部3は白色LED21のデューティ比を100%と定める。電流制御部5に入力される輝度調整信号が、白色LED21のデューティ比を100%にすることを示しているならば、電流制御部5は、デューティ比導出部3によって定められた各色のデューティ比を補正せずにそのまま用いる。
【0049】
一方、電流制御部5に入力される輝度調整信号が、白色LED21のデューティ比を100%未満の値に指定しているならば、電流制御部5は、輝度調整信号によって指定された白色LED21のデューティ比に応じて、デューティ比導出部3によって定められた赤色LED22、緑色LED23、および青色LED24の各デューティ比を補正する。具体的には、電流制御部5は、デューティ比導出部3によって定められた赤色LED22、緑色LED23、および青色LED24の各デューティ比に対してそれぞれ、輝度調整信号によって指定された白色LED21のデューティ比を乗じる。その乗算結果を、赤色LED22、緑色LED23、および青色LED24の補正後のデューティ比とする。そして、電流制御部5は、その補正後のデューティ比で赤色LED22、緑色LED23、および青色LED24への電流供給期間を制御する。例えば、デューティ比導出部3によって定められた赤色LED22に関するデューティ比が0.5(換言すれば50%)であり、輝度調整信号によって指定された白色LED21のデューティ比が0.7(換言すれば70%)であったとする。すると、電流制御部5は、赤色LED22に関するデューティ比を0.5×0.7=0.35(すなわち、35%)に補正する。
【0050】
また、このように補正を行う場合、電流制御部5は、白色LED21に関しては、輝度調整信号によって指定された白色LED21のデューティ比に基づいて、電流供給期間を制御する。
【0051】
また、デューティ比導出部3は、個々のフレーム毎に各色のデューティ比を定める。電流制御部5は、あるフレームにおいて、電流供給部6に対して電流供給期間を指示する場合、そのフレームの1つ前のフレームでデューティ比導出部3が定めたデューティ比に基づいて電流供給期間を指示する。また、上記のようにデューティ比を補正する場合には、1つ前のフレームでデューティ比導出部3が定めたデューティ比に対して補正を行い、その補正後のデューティ比に基づいて、電流供給部6に電流供給期間を指示すればよい。
【0052】
従って、デューティ比導出部3があるフレームで定めたデューティ比は、次のフレームにおけるLED群1への電流供給に反映される。
【0053】
次に、デューティ比導出部3について説明する。デューティ比導出部3は、輝度割合計算部31と、デューティ比演算部32とを含む。
【0054】
輝度割合計算部31は、1画面分の画像データに含まれるR画素の輝度値の平均値、G画素の輝度値の平均値、およびB画素の輝度値の平均値を算出する。さらに、輝度割合計算部31は、輝度値の最大値に対する輝度値の平均値の割合をR,G,Bの各色毎に計算する。以下、この計算の例を説明する。
【0055】
あるフレームで表示される1画面分の画像データは、1行分ずつ順次、タイミングコントローラ12に入力され、タイミングコントローラ12は、1行分の画像データが入力されると、その画像データを輝度割合計算部31に出力する。
【0056】
輝度割合計算部31は、1行分の画像データが入力されると、その1行分の画像データに含まれるR画素の輝度値の平均値を算出し、1画面を構成する各行毎に算出したR画素の輝度値の平均値から、1画面分の画像データに含まれるR画素の輝度値の平均値を計算する。
【0057】
同様に、輝度割合計算部31は、1行分の画像データが入力されると、その1行分の画像データに含まれるG画素の輝度値の平均値を算出し、1画面を構成する各行毎に算出したG画素の輝度値の平均値から、1画面分の画像データに含まれるG画素の輝度値の平均値を計算する。
【0058】
同様に、輝度割合計算部31は、1行分の画像データが入力されると、その1行分の画像データに含まれるB画素の輝度値の平均値を算出し、1画面を構成する各行毎に算出したB画素の輝度値の平均値から、1画面分の画像データに含まれるB画素の輝度値の平均値を計算する。
【0059】
そして、輝度割合計算部31は、輝度値の最大値に対する、上記のように計算したR,G,Bそれぞれの輝度値の平均値の割合を計算する。例えば、R,G,Bの個々の画素の輝度値がそれぞれ6ビットで表される場合、個々の画素の輝度値の最大値(以下、最大輝度値と記す。)は、“111111(2進数)”であり、10進数では“63”となる。従って、1画面分の画像データに含まれるR画素の輝度値の平均値は、0〜63の範囲に収まる。輝度割合計算部31は、最大輝度値“63”に対する、1画面分の画像データに含まれるR画素の輝度値の平均値の割合を計算する。以下、この割合を第1の割合と記す。
【0060】
同様に、1画面分の画像データに含まれるG画素の輝度値の平均値は、0〜63の範囲に収まる。輝度割合計算部31は、最大輝度値“63”に対する、1画面分の画像データに含まれるG画素の輝度値の平均値の割合を計算する。以下、この割合を第2の割合と記す。
【0061】
同様に、1画面分の画像データに含まれるB画素の輝度値の平均値は、0〜63の範囲に収まる。輝度割合計算部31は、最大輝度値“63”に対する、1画面分の画像データに含まれるB画素の輝度値の平均値の割合を計算する。以下、この割合を第3の割合と記す。
【0062】
なお、上述の輝度値を表すビット数(6ビット)や、そのビット数における最大値“63(10進数)”は例示であり、他の値であってもよい。
【0063】
デューティ比演算部32は、白色LED21に関するデューティ比(以下、白色デューティ比と記す。)を、毎フレーム、100%と定める。
【0064】
また、デューティ比演算部32は、赤色LED22に関するデューティ比(以下、赤色デューティ比と記す。)、緑色LED23に関するデューティ比(以下、緑色デューティ比と記す。)、および青色LED24に関するデューティ比(以下、青色デューティ比と記す。)については、輝度割合計算部31が計算した第1の割合、第2の割合および第3の割合を用いて、以下のように定める。
【0065】
図6は、第1の割合、第2の割合および第3の割合の例を示す説明図である。図6に示す例では、第1の割合、第2の割合および第3の割合の順に減少しており、これらの割合の算出に用いた画像データは、全体的に赤の画素値が大きく、青の画素値が小さい画像を表していることになる。
【0066】
デューティ比演算部32は、第1の割合、第2の割合および第3の割合が算出された後、それらの割合の最大値である100%から、それぞれの割合を減算する。すなわち、100%と第1の割合との差分、100%と第2の割合との差分、100%と第3の割合との差分を計算する。図7は、この差分の例を示す説明図である。この差分は、デューティ比100%の状態から、デューティ比をどれだけ低下させるかを意味する値である。
【0067】
デューティ比演算部32は、100%から上記の差分(100%と第1の割合との差分)を減算し、その値を、赤色デューティ比として定める。同様に、デューティ比演算部32は、100%から上記の差分(100%と第2の割合との差分)を減算し、その値を、緑色デューティ比として定める。同様に、デューティ比演算部32は、100%から上記の差分(100%と第3の割合との差分)を減算し、その値を、青色デューティ比として定める。
【0068】
なお、上記のデューティ比の計算において、例えば、赤色を例にとると、デューティ比演算部32は、まず、100%から第1の割合を減算した差分を計算し、さらに、100%からその差分を減算した値を赤色デューティ比として定めている。上記の計算方法では、最終的に得る値は、第1の割合の値と等しくなる。よって、デューティ比演算部32は、上記のように2回の減算を行わずに、第1の割合をそのまま、赤色デューティ比として定めてもよい。
【0069】
同様に、デューティ比演算部32は、第2の割合をそのまま、緑色デューティ比として定めてもよい。また、デューティ比演算部32は、第3の割合をそのまま、青色デューティ比として定めてもよい。
【0070】
デューティ比演算部32は、上記のように定めた白色デューティ比(100%)、赤色デューティ比、緑色デューティ比、および青色デューティ比を、電流制御部5に出力する。なお、デューティ比演算部32は、この4種類のデューティ比をそれぞれ別々の配線を介して、電流制御部5に出力する。また、例えば、白色用電流配線41を2系統以上とする構成の場合には、それに合わせて、白色デューティ比を電流制御部5に出力するための配線も2系統以上にしてもよい。
【0071】
なお、既に説明したように、デューティ比演算部32が電流制御部5に出力した各デューティ比は、電流制御部5によって補正される場合がある。
【0072】
次に、デューティ比を定めるフレームと、そのデューティ比に基づいてLED群に電流を供給するフレームとの関係を説明する。図8は、この関係を示す説明図である。
【0073】
あるフレーム(フレームAとする。)に着目した場合、そのフレームAの前のフレームをフレーム0と記し、フレームAの次のフレームをフレームBと記す。LEDドライバ4の電流制御部5には、デューティ比演算部32が定めた白色デューティ比、赤色デューティ比、緑色デューティ比および青色デューティ比がフレーム0において入力されている。
【0074】
電流制御部5は、フレームAの期間において、輝度調整信号が白色デューティ比を100%にすることを指定しているならば、前のフレーム0に入力された各デューティ比をそのまま用いて、一定期間T中に、白色LED21に電流を供給する期間、赤色LED22に電流を供給する期間、緑色LED23に電流を供給する期間、および青色LED24に電流を供給する期間を決定する。
【0075】
また、電流制御部5は、フレームAの期間において、輝度調整信号が白色デューティ比として100%未満の値を指定しているならば、前のフレーム0に入力された赤色デューティ比、緑色デューティ比、青色デューティ比それぞれに対し、輝度調整信号に指定された白色デューティ比を乗じることによって、各デューティ比を補正する。例えば、前述の例のように、輝度調整信号によって指定された白色デューティ比が70%であり、前のフレーム0に入力された赤色デューティ比が50%であるならば、その赤色デューティ比を35%に補正する。緑色デューティ比および青色デューティ比に関しても同様に補正する。そして、電流制御部5は、輝度調整信号によって指定された白色デューティ比を用いて、白色LED21に電流を供給する期間を決定する。また、電流制御部5は、補正後の赤色デューティ比、緑色デューティ比、青色デューティ比を用いて、赤色LED22に電流を供給する期間、緑色LED23に電流を供給する期間、および青色LED24に電流を供給する期間を決定する。
【0076】
そして、電流制御部5は、一定期間T毎に、電流供給部6(図1参照)に、色の種類毎に、一定期間T内において、決定した期間の間、電流をLEDに供給させる。LED群1に属する白色LED21、赤色LED22、緑色LED23および青色LED24は、電流供給部6から電流供給を受けている間、発光する。
【0077】
フレームA内において、一定期間T中に、白色LED21に電流を供給する期間、赤色LED22に電流を供給する期間、緑色LED23に電流を供給する期間、および青色LED24に電流を供給する期間は、それぞれ一定である。
【0078】
なお、タイミングコントローラ12は、フレームAにおいて画像データが入力されると、ドライバIC13を制御し、ドライバIC13によって、その画像データに応じた画像を液晶パネル11に表示させる。
【0079】
また、この間、タイミングコントローラ12は、1行分の画像データが入力される毎に、その1行分の画像データをデューティ比導出部3の輝度割合計算部31に出力する。
【0080】
輝度割合計算部31は、フレームAにおいて第1行から最終行までの画像データが入力され、それらの画像データに基づいて、第1の割合、第2の割合、第3の割合を計算する。そして、その計算結果(第1の割合、第2の割合および第3の割合)をデューティ比演算部32に送る。デューティ比演算部32は、第1の割合に基づいて赤色デューティ比を定め、第2の割合に基づいて緑色デューティ比を定め、第3の割合に基づいて青色デューティ比を定める。輝度割合計算部31が第1の割合、第2の割合および第3の割合を計算する動作に関しては既に説明したので、ここでは説明を省略する。同様に、デューティ比演算部32が赤色デューティ比、緑色デューティ比および青色デューティ比を定める動作に関しても既に説明したので、ここでは説明を省略する。また、デューティ比演算部32は、白色デューティ比を100%とする。
【0081】
デューティ比演算部32は、定めた白色デューティ比、赤色デューティ比、緑色デューティ比および青色デューティ比をLEDドライバ4の電流制御部5に出力する。フレームAで定められた各デューティ比は、次のフレームBにおいて、電流制御部5が電流供給期間を決定する際に用いられる。
【0082】
液晶表示装置およびバックライトユニットは、毎フレーム、上記と同様の動作を行う。従って、デューティ比導出部3が各フレームで定めたデューティ比は、次のフレームで、各一定期間T内での電流供給期間を決定するために使用される。
【0083】
本発明では、フレーム毎に第1の割合、第2の割合、第3の割合を計算し、その各割合に基づいて、次のフレームに反映される赤色デューティ比、緑色デューティ比および青色デューティ比を定める。従って、例えば、R画素の輝度値は高いがG画素やB画素の輝度値は低い画像の画像データが入力された場合、赤色デューティ比を高くし、緑色デューティ比や青色デューティ比を低くすることができる。この結果、図9に例示する色再現範囲93(三角形93)を赤色領域側に広げ、緑色側や青色側にはあまり広げないようにして、消費電力の増加を防止することができる。そして、上記のように、R画素の輝度値は高いがG画素やB画素の輝度値は低い画像の場合、図9に例示する色再現範囲93を緑色側や青色側に広げる必要はない。つまり、本発明では、色再現範囲93の拡張範囲を必要な範囲に抑え、電力を必要以上に消費することを防止することができる。また、色再現範囲の拡張範囲は、入力される画像毎に可変とすることができ、各フレームで、色再現範囲の拡張と、消費電力の低減とを適切に実現することができる。ここでは、R画素の輝度値が高くG画素やB画素の輝度値が低い画像の画像データが入力される場合を例にして説明したが、他の画像データが入力された場合にも同様の効果が得られる。
【0084】
本発明では、デューティ比を定めるフレームと、そのデューティ比、あるいはそのデューティ比の補正結果でLED群1を駆動するフレームとが1フレームずれている。一般に、フレーム間での表示画像の変化はあまり大きくなく、上述の第1の割合、第2の割合および第3の割合の変化も少ない。よって、デューティ比を定めるフレームと、そのデューティ比が用いられるフレームとが1フレームずれていても、上記のような効果が得られる。
【0085】
なお、フレームの切り替わりとともに、表示画像が大きく変化することもあり得る。例えば、あるフレームでは全面が白色の画像を表示し、次のフレームでは全面が黒色の画像を表示することもあり得る。このような場合、先のフレームでデューティ比演算部32が定めたデューティ比と、次のフレームで定めたデューティ比の差は大きくなる。このように、デューティ比の差が大きい場合には、デューティ比を急激に変動させるのではなく、段階的に変動させることが好ましい。そこで、デューティ比演算部32は、フレーム間でのデューティ比の差が、閾値以上であった場合、その差に基づいて、デューティ比を定め直すことが好ましい。以下に、具体例を示す。
【0086】
1つ前のフレームPにおいてデューティ比演算部32が定めた赤色デューティ比がU%であり、現フレームQでデューティ比演算部32が定めた赤色デューティ比がV%であるとする。デューティ比演算部32は、現フレームQで定めた赤色デューティ比(V%)から、前フレームPで定めた赤色デューティ比(U%)を減算し、その減算結果の絶対値と閾値とを比較する。そして、減算結果の絶対値が閾値以上であれば、デューティ比演算部32は、例えば、以下の式(1)の計算を行って、赤色デューティ比を定め直す。
【0087】
赤色デューティ比=U+(V−U)・K 式(1)
【0088】
なお、Kは0より大きく1未満の定数であり、予め定めておけばよい。
【0089】
−Uの絶対値が閾値未満である場合には、赤色デューティ比を定め直さなくてよい。
【0090】
同様に、1つ前のフレームPにおいてデューティ比演算部32が定めた緑色デューティ比がU%であり、現フレームQでデューティ比演算部32が定めた緑色デューティ比がV%であるとする。デューティ比演算部32は、現フレームQで定めた緑色デューティ比(V%)から、前フレームPで定めた緑色デューティ比(U%)を減算し、その減算結果の絶対値と閾値とを比較する。そして、減算結果の絶対値が閾値以上であれば、デューティ比演算部32は、例えば、以下の式(2)の計算を行って、緑色デューティ比を定め直す。
【0091】
緑色デューティ比=U+(V−U)・K 式(2)
【0092】
Kは、式(1)におけるKと同一である。
【0093】
−Uの絶対値が閾値未満である場合には、緑色デューティ比を定め直さなくてよい。
【0094】
同様に、1つ前のフレームPにおいてデューティ比演算部32が定めた青色デューティ比がU%であり、現フレームQでデューティ比演算部32が定めた青色デューティ比がV%であるとする。デューティ比演算部32は、現フレームQで定めた青色デューティ比(V%)から、前フレームPで定めた青色デューティ比(U%)を減算し、その減算結果の絶対値と閾値とを比較する。そして、減算結果の絶対値が閾値以上であれば、デューティ比演算部32は、例えば、以下の式(3)の計算を行って、青色デューティ比を定め直す。
【0095】
青色デューティ比=U+(V−U)・K 式(3)
【0096】
Kは、式(1)、式(2)におけるKと同一である。
【0097】
−Uの絶対値が閾値未満である場合には、緑色デューティ比を定め直さなくてよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、液晶表示装置に用いられるバックライトユニットに好適に適用される。
【符号の説明】
【0099】
1 LED群
2 導光板
3 デューティ比導出部
4 LEDドライバ
5 電流制御部
6 電流供給部
11 液晶パネル
12 タイミングコントローラ
13 ドライバIC
21 白色LED
22 赤色LED
23 緑色LED
24 青色LED
31 輝度割合計算部
32 デューティ比演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶表示装置が備える液晶パネルに光を照射するバックライトユニットであって、
電流を供給されることによって白色光を発光する白色光源と、
電流を供給されることによって赤色光を発光する赤色光源と、
電流を供給されることによって緑色光を発光する緑色光源と、
電流を供給されることによって青色光を発光する青色光源と、
前記白色光源と、前記赤色光源と、前記緑色光源と、前記青色光源に対して、一定期間毎に、当該一定期間以下の期間、電流を供給する光源駆動手段と、
個々のフレーム毎に、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各赤色画素の輝度値の平均値の割合である第1の割合と、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各緑色画素の輝度値の平均値の割合である第2の割合と、画素の輝度値の最大値に対する、画像データにおける各青色画素の輝度値の平均値の割合である第3の割合とを計算する輝度割合計算手段と、
前記第1の割合に応じて、前記一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め、前記第2の割合に応じて、前記一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め、前記第3の割合に応じて、前記一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を定める電流供給期間割合導出手段とを備え、
光源駆動手段は、1つ前のフレームで定められた前記一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合、前記一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合、および前記一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合に基づいて、前記赤色光源、前記緑色光源、および前記青色光源に対してそれぞれ電流を供給する
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項2】
電流供給期間割合導出手段は、
一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、前記差に基づいて、一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直し、
一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、前記差に基づいて、一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直し、
一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を定めたときに、その割合と、1つ前のフレームにおける当該割合との差の絶対値が閾値以上である場合、前記差に基づいて、一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を定め直す
請求項1に記載のバックライトユニット。
【請求項3】
光源駆動手段は、
1つのフレームが一定期間の整数倍になるという条件を満たすように定められた一定期間毎に、白色光源と、赤色光源と、緑色光源と、青色光源に対して、当該一定期間以下の期間、電流を供給し、
フレームの開始時に合わせて当該フレーム内の最初の一定期間における電流供給を開始する
請求項1または請求項2に記載のバックライトユニット。
【請求項4】
光源駆動手段は、一定期間内で白色光源に対して電流を供給する期間の割合として100%未満の割合を外部から指定された場合に、当該割合に応じて、前記一定期間内で赤色光源に対して電流を供給する期間の割合、前記一定期間内で緑色光源に対して電流を供給する期間の割合、および前記一定期間内で青色光源に対して電流を供給する期間の割合を補正する
請求項1から請求項3のうちのいずれか1項に記載のバックライトユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−123298(P2012−123298A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275616(P2010−275616)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000103747)京セラディスプレイ株式会社 (843)
【Fターム(参考)】