説明

バッテリ暖機装置およびバッテリ暖機方法

【課題】バッテリへの負担の少ない小型で低コストのバッテリ暖機装置およびバッテリへの負担の少ないバッテリ暖機方法の提供。
【解決手段】車両Vは、駆動輪1FR,1FLを駆動するモータジェネレータ2、車載バッテリ4、発電用モータ6および駆動輪1FR,1FLは駆動せずに発電用モータ6を駆動するエンジン7を備えている。エンジン7内を通過する冷却管路8aは閉回路を形成し、内部にクーラント液が流通している。冷却管路8aからはヒートブランチ8bが分岐し、ヒートブランチ8bは車載バッテリ4を通過した後、再び冷却管路8a上に接続されている。冷却管路8a上のヒートブランチ8bが分岐される部位には第1三方弁13が設けられ、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに対して断続している。車載バッテリ4の温度がバッテリ動作下限温度Tsc2未満の時、第1三方弁13が作動して、ヒートブランチ8bにクーラント液が流通し、車載バッテリ4が暖機される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載バッテリの暖機作動を行うバッテリ暖機装置およびバッテリ暖機方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両の低温時におけるエンジンおよびバッテリの加熱装置に関する従来技術として、エンジン温度とバッテリ温度が所定温度よりも低い場合、エンジンおよびバッテリを加熱するための熱源を備えたものがあった(例えば、特許文献1参照)。この従来技術は、熱源において燃料を燃焼させ、加熱した熱媒体をエンジンまたはバッテリへと供給している。これにより、ハイブリッド車両においてエンジンおよびバッテリの温度を上昇させ、始動用のスタータを用いることなく低温時の始動性を向上させている。
【0003】
また、特許文献2には、ハイブリッド車両用のバッテリ暖機装置に関する従来技術が記載されている。これは、エンジン始動後、発電機の出力電圧をバッテリの許容充電電圧まで上昇させている。バッテリの充電電圧が上昇すると、充電抵抗による発熱が増大してバッテリの暖機が促進される。
さらに、特許文献3には、低温時にエンジンの廃熱に代えて、温水PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを使用して加熱した温度媒体を循環させる車両暖房に関する従来技術が記載されている。当該従来技術によれば、バッテリの電圧変動にもかかわらず、一定の暖房能力を発揮することができる。したがって、このような温水PTCヒータを、低温始動時のバッテリの加熱用にも使用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−234840号公報
【特許文献2】特開平7−79503号公報
【特許文献3】「安全性・搭載性に優れた温水PTCヒータの開発−電気自動車やプラグインハイブリッド車に適用−」三菱重工技報Vol.47No.4(2010)自動車関連技術特集、p.29−31
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した特許文献1に開示された従来技術によれば、車両駆動用のエンジンとは別に熱源としての燃焼装置を必要とし、装置の大型化を招くとともに、発熱効率の悪化およびコストの増大が避けられない。
また、特許文献2に開示された従来技術のように、低温時において、長時間バッテリの充放電を継続すると、バッテリにおいて劣化が発生しバッテリの低寿命化へとつながる。
【0006】
さらに、特許文献3に記載された温水PTCヒータを、低温始動時のバッテリの暖機用として使用した場合、ヒータにおいて大きな電力を消費するため、バッテリへの負担が増大し、ハイブリッド車やEV(Electric Vehicle)においては車両の航続距離の減少へとつながる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バッテリへの負担の少ない小型で低コストのバッテリ暖機装置およびバッテリへの負担の少ないバッテリ暖機方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係るバッテリ暖機装置の発明は、車輪駆動用の電動モータと、電動モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電するための発電機と、車輪は駆動せずに、発電機を駆動するためのエンジンと、エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部に温度媒体が流通する冷却循環路と、冷却循環路上に設けられた熱交換器と、冷却循環路から分岐し、バッテリを通過した後、再び冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、冷却循環路上において、バッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、バッテリ加熱路を冷却循環路に対して断続する第1切換弁と、バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、検出されたバッテリの温度に基づいて第1切換弁を作動させ、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させるコントローラと、を備えたことである。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1のバッテリ暖機装置において、バッテリ加熱路上には、車室内ヒータ用のヒータコアが設けられていることである。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2のバッテリ暖機装置において、エンジンにはエンジン温度センサが設けられ、冷却循環路には熱交換器を迂回するようにバイパス路が接続されるとともに、冷却循環路上においてバイパス路が分岐される部位には、熱交換器およびバイパス路に対する温度媒体の流入を選択的に行う第2切換弁が設けられ、コントローラは、検出されたバッテリまたはエンジンの温度に基づいて第2切換弁を作動させ、温度媒体の熱交換器への流通を停止させることである。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3のバッテリ暖機装置において、コントローラは、検出されたエンジンの温度が、所定の第1閾値温度未満または第1閾値温度以下である場合、エンジンを作動させ、第1切換弁によりバッテリ加熱路を冷却循環路から遮断するとともに、第2切換弁により熱交換器を冷却循環路から遮断し、温度媒体を冷却循環路およびバイパス路内を循環させ、検出されたエンジンの温度が、第1閾値温度に到達するまたは第1閾値温度を超えるとともに、バッテリの温度が第1閾値温度よりも高い第2閾値温度未満または第2閾値温度以下である場合、エンジンを作動させるとともに、第1切換弁を作動させて、バッテリ加熱路を冷却循環路に接続させ、温度媒体を冷却循環路、バッテリ加熱路およびバイパス路内を循環させてバッテリに供給し、検出されたバッテリの温度が、第2閾値温度に到達するまたは第2閾値温度を超えた場合、エンジンを作動させるとともに、第2切換弁を作動させて、バイパス路を冷却循環路から遮断し、温度媒体を冷却循環路およびバッテリ加熱路内を循環させて、バッテリおよび熱交換器に供給することである。
【0011】
請求項5に係るバッテリ暖機方法の発明は、車両には、車輪駆動用の電動モータと、電動モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電するための発電機と、車輪は駆動せずに、発電機を駆動するためのエンジンと、エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部に温度媒体が流通する冷却循環路と、冷却循環路上に設けられた熱交換器と、冷却循環路から分岐し、バッテリを通過した後、再び冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、冷却循環路上においてバッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、バッテリ加熱路を冷却循環路に対して断続する第1切換弁と、バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、が設けられており、検出されたバッテリの温度に基づいて第1切換弁を作動させ、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させることである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るバッテリ暖機装置によれば、検出されたバッテリの温度に基づいて第1切換弁を作動させ、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させるコントローラを備えたことにより、発電用のエンジンによって発生した熱を使用してバッテリを暖機できるため、バッテリの電力使用を増大させることなくバッテリの暖機を行うことができ、バッテリへの負担の少ないバッテリ暖機装置にすることができる。
【0013】
また、発電機を駆動するためのエンジンは小型にすることが可能であるため、バッテリ暖機装置を小型で低コストにすることができる。
尚、本出願においてバッテリの暖機とは、バッテリの低温時にバッテリを加熱して、充放電可能な温度に上昇させることをいう。
【0014】
請求項2に係るバッテリ暖機装置によれば、バッテリ加熱路上には、車室内ヒータ用のヒータコアが設けられていることにより、発電用のエンジンによって発生した熱を使用して、車室内の暖房も行うことができる。
【0015】
請求項3に係るバッテリ暖機装置によれば、コントローラは、検出されたバッテリまたはエンジンの温度に基づいて第2切換弁を作動させ、温度媒体の熱交換器への流通を停止させることにより、バッテリまたはエンジンの温度に基づいて、温度媒体の温度調節をすることが可能になる。
【0016】
請求項4に係るバッテリ暖機装置によれば、エンジンの温度が、所定の第1閾値温度未満または第1閾値温度以下である場合、エンジンを作動させ、第1切換弁によりバッテリ加熱路を冷却循環路から遮断するとともに、第2切換弁により熱交換器を冷却循環路から遮断し、温度媒体を冷却循環路およびバイパス路内を循環させることにより、エンジンの低温始動時に、エンジンおよび温度媒体を早期に加熱することができる。
【0017】
また、エンジンの温度が、第1閾値温度に到達するまたは第1閾値温度を超えるとともに、バッテリの温度が第1閾値温度よりも高い第2閾値温度未満または第2閾値温度以下である場合、エンジンを作動させるとともに、第1切換弁を作動させて、バッテリ加熱路を冷却循環路に接続させ、温度媒体を冷却循環路、バッテリ加熱路およびバイパス路内を循環させて、バッテリに供給することにより、エンジンの始動後にバッテリの温度が低い場合、温度媒体をバッテリに供給して暖機することができる。
【0018】
また、バッテリの温度が、第2閾値温度に到達するまたは第2閾値温度を超えた場合、エンジンを作動させるとともに、第2切換弁を作動させて、バイパス路を冷却循環路から遮断し、温度媒体を冷却循環路およびバッテリ加熱路内を循環させて、バッテリおよび熱交換器に供給することにより、暖機によりバッテリの温度が第2閾値温度まで上昇した場合、温度媒体を熱交換器に通過させて、バッテリおよびエンジンの過度の加熱を抑制することができる。
【0019】
請求項5に係るバッテリ暖機方法によれば、検出されたバッテリの温度に基づいて第1切換弁を作動させ、バッテリ加熱路に温度媒体を流通させることにより、発電用のエンジンによって発生した熱を使用してバッテリを暖機できるため、バッテリの電力使用を増大させることなくバッテリの暖機を行うことができ、バッテリへの負担の少ないバッテリ暖機方法にすることができる。
また、発電機を駆動するためのエンジンは小型にすることが可能であるため、バッテリ暖機装置を小型で低コストにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるバッテリ暖機装置を搭載したハイブリッド車両の走行システムを簡略的に示したブロック図
【図2】図1に示したバッテリ暖機装置における、エンジンおよびバッテリの温度と各作動モードとの関係を示した簡略図
【図3】図2に示した各作動モードにおける、エンジンおよび各々の三方弁の作動状態を示した表を表した図
【図4】図1に示したコントローラによるバッテリ暖機装置の制御方法を示したフローチャートを表した図
【図5】エンジン暖機モードにおける、クーラント液の流通状態を示したブロック図
【図6】バッテリ暖機モード1における、クーラント液の流通状態を示したブロック図
【図7】バッテリ暖機モード2における、クーラント液の流通状態を示したブロック図
【図8】通常作動モードにおける、クーラント液の流通状態を示したブロック図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至図8に基づき、本発明の一実施形態によるバッテリ暖機装置について説明する。図1は、本実施形態によるバッテリ暖機装置を搭載したハイブリッド車両のパワートレーンの概略を示している。図1に示した車両は前輪駆動車両であって、図の左方が車両前方に該当している。しかしながら、本発明の適用車両は、前輪駆動車両のみに限定されるべきものではなく、後輪駆動車両または四輪駆動車両にも適用可能である。また、図1において、太線は電力の供給線を表し、ハッチングを付した通路はクーラント液の流通路を示している。さらに、図5乃至図8においてハッチングを付した通路は、各モードにおいて実際にクーラント液が流通している管路を示している。
【0022】
図1に示したように、車両Vは右駆動輪1FRおよび左駆動輪1FL(ともに、本発明の車輪に該当する)と、右従動輪1RRおよび左従動輪1RLを備えている。以下、右駆動輪1FRおよび左駆動輪1FLを包括して駆動輪1FR、1FLという。
車両Vのモータジェネレータ2(電動モータに該当する)は同期機であり、駆動輪1FR、1FLを駆動するために、駆動輪1FR、1FLに対し機械的に接続されている。また、モータジェネレータ2は、インバータ3を介して車載バッテリ4(バッテリに該当する)に対し電気的に接続されている。上述したモータジェネレータ2、インバータ3および車載バッテリ4により、車両Vの駆動ユニットDが形成されている。
【0023】
車載バッテリ4(リチウムイオン電池、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、空気電池、ナトリウム硫黄電池等)には、AC−DCコンバータ5が接続されている。また、AC−DCコンバータ5には、発電用モータ6(発電機に該当する)が電気的に接続されており、さらに、発電用モータ6にはエンジン7が機械的に連結されている。エンジン7は発電用モータ6を駆動するために設けられたもので、駆動輪1FR、1FLを駆動することはない。エンジン7は発電用モータ6を駆動するためにのみ使用されるため、小排気量(小出力)の内燃機関によって形成されている。上述したAC−DCコンバータ5、発電用モータ6およびエンジン7により、車両Vの発電ユニットPが形成されている。
【0024】
発電用モータ6により発生された電力は、AC−DCコンバータ5により直流に変換された後、車載バッテリ4に充電される。車載バッテリ4に充電された電力は、インバータ3により再び交流に変換され、モータジェネレータ2を駆動する。また、車両Vにおいてブレーキ操作が行われると、モータジェネレータ2において回生が実行され、車載バッテリ4に充電される。
【0025】
エンジン7内に形成されたウォータジャケット(図示せず)には、流体管路である冷却管路8a(冷却循環路に該当する)が接続されている。エンジン7内を通過した冷却管路8aは、ラジエータ9(熱交換器に該当する)に接続されることにより閉回路を形成している。冷却管路8a上には、リザーバタンク10および電動ウォータポンプ11が設けられている。
【0026】
冷却管路8a内には、冷却水であるクーラント液(温度媒体に該当する)が充填されており、電動ウォータポンプ11は、リザーバタンク10内に貯蔵されたクーラント液をエンジン7に向けて圧送することが可能に形成されている。冷却管路8aは、上述したAC−DCコンバータ5を通過しており、クーラント液がAC−DCコンバータ5を冷却可能に形成されている。
【0027】
冷却管路8aと同様の流体管路であるヒートブランチ8b(バッテリ加熱路に該当する)は、冷却管路8aから分岐した後、再び、冷却管路8aに接続されるように形成されている。ヒートブランチ8b内には、クーラント液が流通可能となっている。ヒートブランチ8bは、上述した車載バッテリ4を通過しており、クーラント液が車載バッテリ4に対して熱を供与するように形成されている。
【0028】
ヒートブランチ8b上には、室内ヒータ12(車室内ヒータに該当する)のヒータコア12aが設けられている。ヒータコア12aは熱交換器であり、その内部にはクーラント液が流通して、クーラント液から空気に放熱させることが可能に形成されている。また、室内ヒータ12内には、車載バッテリ4から供給される電力によって加熱される電熱ヒータ12bが収容されている。電熱ヒータ12bは、ヒータコア12a内にクーラント液が流通していない状態において、室内ヒータ12の起動スイッチがオンされた場合に機能する。室内ヒータ12は図示しないブロアを備えており、ヒータコア12aおよび電熱ヒータ12bに対して送風し、車室内を暖房している。
さらに、冷却管路8aには、前述したラジエータ9を迂回するように、流体管路であるショートカット8c(バイパス路に該当する)が接続されている。ショートカット8c内には、クーラント液が流通可能となっている。
【0029】
図1に示したように、冷却管路8a上において、ヒートブランチ8bが分岐される部位には第1三方弁13(第1切換弁に該当する)が設けられている。第1三方弁13は、3ポートの電磁弁によって形成されている。第1三方弁13は、冷却管路8a上のエンジン7からの流入口13aを、ラジエータ9へとつながる流出口13bと、ヒートブランチ8bへの排出口13cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第1三方弁13は、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに対して断続するように作動する。
【0030】
また、冷却管路8a上において、ショートカット8cが分岐される部位には第2三方弁14(第2切換弁に該当する)が設けられている。第2三方弁14も第1三方弁13と同様に、3ポートの電磁弁によって形成されている。第2三方弁14は、冷却管路8aにより第1三方弁13の流出口13bとつながった流入口14aを、ラジエータ9へとつながる流出口14bと、ショートカット8cへの排出口14cとに対し選択的に接続させる。すなわち、第2三方弁14は、ラジエータ9およびショートカット8cに対するクーラント液の流入を選択的に行う。
【0031】
上述した駆動ユニットD、発電ユニットP、室内ヒータ12、電動ウォータポンプ11、第1三方弁13および第2三方弁14にはコントローラ15が接続され、コントローラ15によって制御可能に形成されている。さらにコントローラ15には、それぞれエンジン7および車載バッテリ4に設けられたエンジン温度センサ7aとバッテリ温度センサ4aが接続されている。
【0032】
これまで説明したモータジェネレータ2、車載バッテリ4、発電用モータ6、エンジン7、冷却管路8a、ヒートブランチ8b、ショートカット8c、ラジエータ9、ヒータコア12a、第1三方弁13、第2三方弁14、コントローラ15、バッテリ温度センサ4aおよびエンジン温度センサ7aにより、本実施形態によるバッテリ暖機装置が形成されている。
【0033】
以下、車両Vの状態に基づいて、コントローラ15によって実行されるバッテリ暖機装置の制御方法について説明する。
図2は、車両Vを使用可能な温度範囲を表し、図2において、上方に行くにつれ温度が上昇している。図2において、エンジン7は、主にエンジン動作下限温度Tsc1以上で正常に動作する。また、図2において、車載バッテリ4は、主にバッテリ動作下限温度Tsc2以上で正常に動作する。
【0034】
図2に示すように、エンジン7の温度がエンジン動作下限温度Tsc1(第1閾値温度に該当する)未満(エンジン動作下限温度Tsc1以下でもよい)の時、バッテリ暖機装置はエンジン暖機モードに設定される。また、エンジン7の温度が、エンジン動作下限温度Tsc1に到達する(エンジン動作下限温度Tsc1を超えてもよい)とともに、車載バッテリ4の温度がエンジン動作下限温度Tsc1よりも高いバッテリ動作下限温度Tsc2(第2閾値温度に該当する)未満(バッテリ動作下限温度Tsc2以下でもよい)である時、バッテリ暖機装置はバッテリ暖機モード1に設定される。また、車載バッテリ4の温度が、バッテリ動作下限温度Tsc2に到達した(バッテリ動作下限温度Tsc2を超えてもよい)時、バッテリ暖機装置はバッテリ暖機モード2に設定される。さらに、車載バッテリ4の温度が、基準上限温度Tshに到達した(基準上限温度Tshを超えてもよい)時、バッテリ暖機装置は通常作動モードに設定される。
【0035】
図3に示したように、上述したエンジン暖機モードにおいて、エンジン7は常時駆動されている。また、エンジン暖機モードにおいて、第1三方弁13の流入口13aは流出口13bと連通し、ヒートブランチ8bを冷却管路8aから遮断している。さらに、エンジン暖機モードにおいて、第2三方弁14の流入口14aは排出口14cと連通し、ラジエータ9を冷却管路8aから遮断している。尚、エンジン暖機モードにおいて、AC−DCコンバータ5から車載バッテリ4へ電流は流れず、車載バッテリ4への充電は停止されている。
【0036】
また、図3に示したように、上述したバッテリ暖機モード1において、エンジン7は常時駆動されている。また、バッテリ暖機モード1において、第1三方弁13の流入口13aは排出口13cと連通し、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに接続させている。さらに、バッテリ暖機モード1において、第2三方弁14の流入口14aは排出口14cと連通し、ラジエータ9を冷却管路8aから遮断している。尚、バッテリ暖機モード1において、原則としてAC−DCコンバータ5から車載バッテリ4へ電流は流れず、車載バッテリ4への充電は停止されているが、車載バッテリ4への充電を開始するようにしてもよい。
【0037】
また、図3に示したように、上述したバッテリ暖機モード2において、エンジン7は常時駆動されている。また、バッテリ暖機モード2において、第1三方弁13の流入口13aは排出口13cと連通し、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに接続させている。さらに、バッテリ暖機モード2において、第2三方弁14の流入口14aは流出口14bと連通し、ショートカット8cを冷却管路8aから遮断している。尚、バッテリ暖機モード2においては、AC−DCコンバータ5から車載バッテリ4へ電流が流れ、車載バッテリ4への充電が正常に行われる。
【0038】
また、図3に示したように、上述した通常作動モードにおいて、エンジン7は車両Vにおける発電要求に応じて駆動される。また、通常作動モードにおいて、第1三方弁13の流入口13aは流出口13bと連通し、ヒートブランチ8bを冷却管路8aから遮断している。さらに、通常作動モードにおいて、第2三方弁14の流入口14aは流出口14bと連通し、ショートカット8cを冷却管路8aから遮断している。尚、通常作動モードにおいては、AC−DCコンバータ5から車載バッテリ4へ電流が流れ、車載バッテリ4への充電が正常に行われる。
【0039】
図4にあるフローチャートに示すように、車両Vにおいてイグニションスイッチ(図示せず)が作動されると(ステップS401)、バッテリ暖機装置の電動ウォータポンプ11が駆動される(ステップS402)。エンジン温度センサ7aおよびバッテリ温度センサ4aによって、それぞれ検出されたエンジン温度TEとバッテリ温度TBが、コントローラ15に入力されると(ステップS403)、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1未満であるか否かが判定される(ステップS404)。
【0040】
車両Vの低温始動時等において、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1未満である場合、エンジン7の暖機が必要と判断し、上述したエンジン暖機モードが設定される(ステップS405)。したがって、暖機のためにエンジン7が常時駆動されるとともに、第1三方弁13の流入口13aを流出口13bと連通させ、第2三方弁14の流入口14aを排出口14cと連通させる。これにより、冷却管路8aおよびショートカット8c内に、電動ウォータポンプ11によって圧送されたクーラント液が循環する(図5示)。クーラント液は、電動ウォータポンプ11、エンジン7、AC−DCコンバータ5、第1三方弁13、第2三方弁14、リザーバタンク10の順に循環する。クーラント液はラジエータ9をバイパスしているため、エンジン7およびクーラント液は急激に加熱される。
【0041】
エンジン暖機モード中、所定の時間間隔によってエンジン温度TEとバッテリ温度TBが常に検出され(ステップS403)、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1と比較される(ステップS404)。エンジン暖機モードが継続され、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1に到達すると、バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2未満であるか否かが判定される(ステップS406)。
【0042】
バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2未満である場合、車載バッテリ4の暖機が必要と判断し、上述したバッテリ暖機モード1が設定される(ステップS407)。すなわち、エンジン7が常時駆動されるとともに、第1三方弁13の流入口13aを排出口13cと連通させ、第2三方弁14の流入口14aを排出口14cと連通させる。これにより、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに接続させるとともに、ラジエータ9を冷却管路8aから遮断する。したがって、冷却管路8a、ヒートブランチ8bおよびショートカット8c内にクーラント液が循環する(図6示)。クーラント液は、電動ウォータポンプ11、エンジン7、AC−DCコンバータ5、第1三方弁13、車載バッテリ4、ヒータコア12a、第2三方弁14、リザーバタンク10の順に循環する。
【0043】
エンジン7により加熱されたクーラント液は、ヒートブランチ8bを流通して車載バッテリ4を暖機する。また、ヒートブランチ8bを通過するクーラント液は、室内ヒータ12のヒータコア12aにて放熱する。この時、室内ヒータ12の起動スイッチがオンされていれば、クーラント液による放熱が車室内の暖房に使用される。
【0044】
バッテリ暖機モード1中、所定の時間間隔によってエンジン温度TEとバッテリ温度TBが常に検出され(ステップS403)、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1と比較された(ステップS404)後、バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2と比較される(ステップS406)。バッテリ暖機モード1が継続され、バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2に到達すると、バッテリ温度TBが基準上限温度Tsh未満であるか否かが判定される(ステップS408)。
【0045】
バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2に到達するとともに、基準上限温度Tsh未満である場合、クーラント液を冷却する必要があると判断し、上述したバッテリ暖機モード2が設定される(ステップS409)。すなわち、エンジン7が常時駆動されるとともに、第1三方弁13の流入口13aを排出口13cと連通させ、第2三方弁14の流入口14aを流出口14bと連通させる。これにより、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに接続させるとともに、ショートカット8cを冷却管路8aから遮断し、ラジエータ9を冷却管路8aに接続する。したがって、冷却管路8a、ヒートブランチ8bおよびラジエータ9内にクーラント液が循環する(図7示)。クーラント液は、電動ウォータポンプ11、エンジン7、AC−DCコンバータ5、第1三方弁13、車載バッテリ4、ヒータコア12a、第2三方弁14、ラジエータ9、リザーバタンク10の順に循環する。
【0046】
エンジン7により加熱されたクーラント液は、ヒートブランチ8bを流通して車載バッテリ4を暖機した後、ラジエータ9において空気に対して放熱することにより冷却される。バッテリ暖機モード1の場合と同様に、この時にも、室内ヒータ12の起動スイッチがオンされていれば、クーラント液による放熱が車室内の暖房に使用される。
【0047】
バッテリ暖機モード2中、所定の時間間隔によってエンジン温度TEとバッテリ温度TBが常に検出され(ステップS403)、エンジン温度TEがエンジン動作下限温度Tsc1と比較され(ステップS404)、さらに、バッテリ温度TBがバッテリ動作下限温度Tsc2と比較された(ステップS406)後、バッテリ温度TBが基準上限温度Tshと比較される(ステップS408)。
【0048】
バッテリ暖機モード2が継続され、バッテリ温度TBが基準上限温度Tshに到達すると、車載バッテリ4の暖機が完了したと判断し、上述した通常作動モードが設定される(ステップS410)。すなわち、エンジン7が車両Vにおける発電要求に応じて駆動されるとともに、第1三方弁13の流入口13aを流出口13bと連通させ、第2三方弁14の流入口14aを流出口14bと連通させる。これにより、ヒートブランチ8bを冷却管路8aから遮断するとともに、ラジエータ9を冷却管路8aに接続する。したがって、冷却管路8aおよびラジエータ9内にクーラント液が循環する(図8示)。クーラント液は、電動ウォータポンプ11、エンジン7、AC−DCコンバータ5、第1三方弁13、第2三方弁14、ラジエータ9、リザーバタンク10の順に循環する。
エンジン7内を通過したクーラント液は、ラジエータ9において放熱することにより、エンジン7を冷却する。通常作動モードにおいては、車室内温度が十分に上昇している場合が多いため、クーラント液がヒータコア12aに流通していなくても支障はない。
【0049】
本実施形態によれば、検出された車載バッテリ4の温度に基づいて第1三方弁13を作動させ、ヒートブランチ8bにクーラント液を流通させるコントローラ15を備えたことにより、発電用のエンジン7によって発生した熱を使用して車載バッテリ4を暖機できるため、車載バッテリ4の電力使用を増大させることなく暖機を行うことができ、車載バッテリ4への負担の少ないバッテリ暖機装置にすることができる。
【0050】
特に、車載バッテリ4からの電力の持ち出しは、エンジン7の始動時のわずかな電力であるため、車載バッテリ4の負担を極力低減することができ、車両の航続距離を増大させることができる。
また、発電用モータ6を駆動するためのエンジン7は、駆動輪1FR、1FLを駆動しないため小型にすることが可能であり、バッテリ暖機装置を小型で低コストにすることができる。
【0051】
また、ヒートブランチ8b上には、車室ヒータ12用のヒータコア12aが設けられていることにより、発電用のエンジン7によって発生した熱を使用して、車室内の暖房も行うことができ、車室ヒータ12の使用が航続距離に与える影響を低減することができる。
また、車載バッテリ4の暖機後、車載バッテリ4への充電が可能となるため、車室ヒータ12を使用しても、暖房使用分のエネルギーは発電用モータ6で賄うことができ、また、車室ヒータ12の使用分を差し引いた熱量で車載バッテリ4への充電が可能となる。
【0052】
また、コントローラ15は、検出された車載バッテリ4またはエンジン7の温度に基づいて第2三方弁14を作動させ、クーラント液のラジエータ9への流通を停止させることにより、車載バッテリ4またはエンジン7の温度に基づいて、クーラント液の温度調節をすることが可能になる。
【0053】
また、エンジンの7の温度が、所定のエンジン動作下限温度Tsc1未満またはエンジン動作下限温度Tsc1以下である場合、エンジン7を作動させ、第1三方弁13によりヒートブランチ8bを冷却管路8aから遮断するとともに、第2三方弁14によりラジエータ9を冷却管路8aから遮断し、クーラント液を冷却管路8aおよびショートカット8c内を循環させることにより、エンジン7の低温始動時に、エンジン7およびクーラント液を早期に加熱することができる。
【0054】
また、エンジン7の温度が、エンジン動作下限温度Tsc1に到達するまたはエンジン動作下限温度Tsc1を超えるとともに、車載バッテリ4の温度がエンジン動作下限温度Tsc1よりも高いバッテリ動作下限温度Tsc2未満またはバッテリ動作下限温度Tsc2以下である場合、エンジン7を作動させるとともに、第1三方弁13を作動させて、ヒートブランチ8bを冷却管路8aに接続させ、クーラント液を冷却管路8a、ヒートブランチ8bおよびショートカット8c内を循環させて車載バッテリ4に供給することにより、エンジン7の始動後に車載バッテリ4の温度が低い場合、クーラント液を車載バッテリ4に供給して暖機することができる。
【0055】
また、車載バッテリ4の温度が、バッテリ動作下限温度Tsc2に到達するまたはバッテリ動作下限温度Tsc2を超えた場合、エンジン7を作動させるとともに、第2三方弁14を作動させて、ショートカット8cを冷却管路8aから遮断し、クーラント液を冷却管路8aおよびヒートブランチ8b内を循環させて、車載バッテリ4およびラジエータ9に供給することにより、暖機により車載バッテリ4の温度がバッテリ動作下限温度Tsc2まで上昇した場合、クーラント液をラジエータ9に通過させて、車載バッテリ4およびエンジン7の過度の加熱を抑制することができる。
また、冷却管路8aに対して、ヒートブランチ8bおよびラジエータ9を接続するか遮断するかを、電磁弁により形成された第1三方弁13および第2三方弁14にて切り換えているため、車両Vの各構成の温度状態を正確に制御することができる。
【0056】
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
エンジン暖機モードにおいて、室内ヒータ12の起動スイッチがオンされた場合、第1三方弁13を切り換えて、ヒートブランチ8b上のヒータコア12aにクーラント液を流通させてもよい。
バッテリ暖機モード1中において、エンジン7の温度が所定温度に達した場合に、バッテリ暖機モード2に移行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
図面中、1FRは右駆動輪(車輪)、1FLは左駆動輪(車輪)、2はモータジェネレータ(電動モータ)、4は車載バッテリ(バッテリ)、4aはバッテリ温度センサ、6は発電用モータ(発電機)、7はエンジン、7aはエンジン温度センサ、8aは冷却管路(冷却循環路)、8bはヒートブランチ(バッテリ加熱路)、8cはショートカット(バイパス路)、9はラジエータ(熱交換器)、12は室内ヒータ(車室内ヒータ)、12aはヒータコア、13は第1三方弁(第1切換弁)、14は第2三方弁(第2切換弁)、15はコントローラ、Vは車両、Tsc1はエンジン動作下限温度(第1閾値温度)、Tsc2はバッテリ動作下限温度(第2閾値温度)を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪駆動用の電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリに充電するための発電機と、
前記車輪は駆動せずに、前記発電機を駆動するためのエンジンと、
前記エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部に温度媒体が流通する冷却循環路と、
前記冷却循環路上に設けられた熱交換器と、
前記冷却循環路から分岐し、前記バッテリを通過した後、再び前記冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、
前記冷却循環路上において、前記バッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、前記バッテリ加熱路を前記冷却循環路に対して断続する第1切換弁と、
前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、
検出された前記バッテリの温度に基づいて前記第1切換弁を作動させ、前記バッテリ加熱路に前記温度媒体を流通させるコントローラと、
を備えたバッテリ暖機装置。
【請求項2】
前記バッテリ加熱路上には、車室内ヒータ用のヒータコアが設けられている請求項1記載のバッテリ暖機装置。
【請求項3】
前記エンジンにはエンジン温度センサが設けられ、
前記冷却循環路には、前記熱交換器を迂回するようにバイパス路が接続されるとともに、前記冷却循環路上において、前記バイパス路が分岐される部位には、前記熱交換器および前記バイパス路に対する前記温度媒体の流入を選択的に行う第2切換弁が設けられ、
前記コントローラは、検出された前記バッテリまたは前記エンジンの温度に基づいて前記第2切換弁を作動させ、前記温度媒体の前記熱交換器への流通を停止させる請求項1または2に記載のバッテリ暖機装置。
【請求項4】
前記コントローラは、
検出された前記エンジンの温度が、所定の第1閾値温度未満または前記第1閾値温度以下である場合、前記エンジンを作動させ、前記第1切換弁により前記バッテリ加熱路を前記冷却循環路から遮断するとともに、前記第2切換弁により前記熱交換器を前記冷却循環路から遮断し、前記温度媒体を前記冷却循環路および前記バイパス路内を循環させ、
検出された前記エンジンの温度が、前記第1閾値温度に到達するまたは前記第1閾値温度を超えるとともに、前記バッテリの温度が前記第1閾値温度よりも高い第2閾値温度未満または前記第2閾値温度以下である場合、前記エンジンを作動させるとともに、前記第1切換弁を作動させて、前記バッテリ加熱路を前記冷却循環路に接続させ、前記温度媒体を前記冷却循環路、前記バッテリ加熱路および前記バイパス路内を循環させて前記バッテリに供給し、
検出された前記バッテリの温度が、前記第2閾値温度に到達するまたは前記第2閾値温度を超えた場合、前記エンジンを作動させるとともに、前記第2切換弁を作動させて、前記バイパス路を前記冷却循環路から遮断し、前記温度媒体を前記冷却循環路および前記バッテリ加熱路内を循環させて、前記バッテリおよび前記熱交換器に供給する請求項3記載のバッテリ暖機装置。
【請求項5】
車両には、
車輪駆動用の電動モータと、
前記電動モータに電力を供給するバッテリと、
前記バッテリに充電するための発電機と、
前記車輪は駆動せずに、前記発電機を駆動するためのエンジンと、
前記エンジン内を通過するとともに閉回路を形成し、内部に温度媒体が流通する冷却循環路と、
前記冷却循環路上に設けられた熱交換器と、
前記冷却循環路から分岐し、前記バッテリを通過した後、再び前記冷却循環路上に接続されるバッテリ加熱路と、
前記冷却循環路上において、前記バッテリ加熱路が分岐される部位に設けられ、前記バッテリ加熱路を前記冷却循環路に対して断続する第1切換弁と、
前記バッテリの温度を検出するバッテリ温度センサと、
が設けられており、
検出された前記バッテリの温度に基づいて前記第1切換弁を作動させ、前記バッテリ加熱路に前記温度媒体を流通させるバッテリ暖機方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−95409(P2013−95409A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243404(P2011−243404)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】