説明

パーソナルケア装置において使用される、複合型の誘導性充電コイル及びオーディオスピーカ

充電コイル及びオーディオスピーカコイル複合組立体(30)は、パーソナルケア装置において、単一コイル(32)を有する。該単一コイルは、電池充電回路に対する充電コイルとして、並びにオーディオスピーカコイルとして、作用する。オーディオスピーカ膜(42)は、始動される際にオーディオ音声を発出するよう取り付けられる。磁石(40)は、オーディオスピーカに対して有され、単一コイルは、駆動信号に応じて膜を駆動させるようスピーカ膜に対して取り付けられる。コイルに対する電気接点部材(50,52)は、オーディオ音声を発出するために膜を動かすよう駆動信号を受信するよう接続され、また、装置電池(16)の充電に対する充電回路(34)に対して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動歯ブラシ等であるパーソナルケア装置に係る。該電動歯ブラシは、装置内における電池を充電するコイル、及び装置用のオーディオスピーカに対する別個のコイルを有する。
【背景技術】
【0002】
電動歯ブラシ等を有するパーソナルケア装置は、より小さな構造/配置へとパッケージされると同時に、一般的には同一の総括的機能性を保持する。これには、典型的に、構成要素の寸法の低減、及び/又は創意工夫した構成要素のレイアウトが求められる。しかしながら、総括的機能性が維持される場合には、求められる構成要素の総数は、寸法に下限を与え且つ装置の形状に制限を与える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コストを低減させるよう、より小さな寸法及び構成要素のレイアウトの利点は、パーソナルケア装置に対する設計手法において重要な懸案事項である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、パーソナルケア装置における充電コイル及びオーディオスピーカコイル複合組立体(a combined charging coil and speaker coil assembly)である。該組立体は:充電器から充電電流を誘導的に受け、且つオーディオスピーカ装置において使用される、単一コイルと;始動される際にオーディオ音声を発出するよう取り付けられるオーディオスピーカ膜と;オーディオスピーカ装置において使用される磁石と;接点部材と、を有する。単一コイル及び磁石は、駆動信号がコイルに与えられる際にスピーカ膜が可聴音声を発出するために動くように取り付けられる。前出の接点部材は、オーディオ音声を発出するように膜を動かすよう駆動信号を受信するコイルに対してリード線によって接続され、また、充電式電池に対する充電回路に対して接続される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は、全体的に参照符号10によって電動歯ブラシを示す。電動歯ブラシは、充電式電池16によって駆動される駆動システム14の制御下で振動するブラシヘッド12を有する。駆動システム14は、多種の既知の駆動システムのいずれか1つであり得る。一例は、本発明の譲受人によって所有される米国特許第5,378,153号明細書において示される。しかしながら、他の駆動システムは、使用され得る。歯ブラシは、参照符号56において示されるマイクロプロセッサによって作動時に制御される。電動歯ブラシは、使用されない際、電源コード22によって電源コンセントに対して接続可能である充電器20に置かれる。電動歯ブラシ10は、他の制御もあるが特にはオン/オフスイッチ26を有するユーザインターフェイスパネル24を有する。電動歯ブラシ10はまた、事前に録音されたメッセージ、多種のトーン又は音楽、あるいは他のオーディオ情報のいずれかによる、ユーザとのコミュニケーションに対してオーディオスピーカ装置を有する。
スピーカグリルは、参照符号27で図示される。スピーカ組立体は、歯ブラシ内にある。
【0006】
本発明は、全体的に参照符号30で図示される、充電コイル及びスピーカコイル複合組立体であり、以下においてコイル複合組立体(combined coil assembly)と称される。該組立体は、図1中の電動歯ブラシ等であるパーソナルケア装置において使用される。コイル複合組立体30は、充電回路34を有して電池16を充電する充電コイルとしても、またオーディオスピーカに対するオーディオコイルとしても機能する、単一コイル(single coil)32を有する。
【0007】
図2A及び2Bを参照すると、コイル複合組立体30は、プラスチックから作られ、且つ歯ブラシの内側に対して取り付けられる筐体又はボビン34を有する。図2Bにおけるコイル/磁石配置は、図2Aと比較して僅かに修正されている。図示される実施例における筐体は、円筒形であり、基部36及び短い周壁を有する。永久磁石40は、図2B中に示される通り、筐体34内に位置付けられ、筐体に対して接着される。膜43は、壁38の上方周辺エッジ44に対して取り付けられる。膜43は、金属膜又はポリマ薄膜であり、振動するよう配置され、始動される際に音声を発出するようにされる。膜の直径は、典型的には20mmまで変化し得、所望される範囲は、10乃至12mmである。
【0008】
銅コイル32は、図示される通り、コイルと磁石との間に空間を有して磁石40の周囲に巻かれ、また、膜42に対して取り付けられる(接着される)。
【0009】
図示される実施例では、コイル32は、特定の用途に依存して、40乃至200の巻線を有する。コイル32の夫々の端部は、電気接点50及び52において終了する。電気的接続は、接点50及び52から装置電池16に対する充電回路34まで延在し、また、マイクロプロセッサ56に対して接続される。該マイクロプロセッサは、歯ブラシの動作を制御し、また、所望の音声を発出するようコイル32を駆動する駆動信号を作る。故にコイル32は、歯ブラシが充電器20において位置付けられる際には電池16に対する充電コイルとして、また、歯ブラシが使用されている際には所望のオーディオ音声を発出するようスピーカ組立体の一部であるオーディオコイルとして、機能する。いずれの機能も達成する構成要素の全ては、単一組立体30内に有される。
【0010】
歯ブラシ10が充電装置(charging device)にある際、電力は、従来の充電器(charger)20におけるコイル60からコイル32まで、続いて充電回路34まで、誘導的に伝達される。該回路は、再充電式電池を再充電するよう既知の通りに作動する。複合組立体は、電動歯ブラシ内に位置付けられ、コイル60とコイル32との間における電力の誘導結合が既知の通りに発生し得る。
【0011】
歯ブラシ10が使用される際、マイクロプロセッサ56は、通常の動作の過程において、声、音楽、又は他のオーディオであり得る所望される音声を発出するようスピーカ組立体に対する駆動信号をもたらす。マイクロプロセッサからの駆動信号は、コイル32の接点50及び52に対してリード線を介して適用され、所望されるオーディオ音声を発出するために膜42を駆動するよう磁石40によって作られる磁場と相互作用する磁場を作る。
【0012】
図3中に示される他の一実施例では、コイル70は、筐体/ボビン72の外部の周囲に巻かれる。可撓性の薄膜74は、ボビンの上方表面に対して取り付けられ、永久磁石76は、膜の内側表面に対して接着される。コイルを通る信号によって、膜は、オーディオ音声を発出するよう通常のスピーカと同様に振動される。
【0013】
図4中に示される他の実施例では、筐体ボビン82は、その上方表面に対して取り付けられる可撓性の薄膜84を有する。永久磁石86は、該筐体に対して接着される。第1のコイル88は、磁石86を取り囲み、薄いフィルム膜に対して取り付けられる。第2のコイル80は、筐体ボビン82の外部の周囲に巻かれ、特定の装置において必要である場合には充電器20からのより高い充電電流を受けるようにする。しかしながら、第2のコイル80は、本願装置において必須ではない。
【0014】
このように、装置に対する充電コイル及びオーディオスピーカ組立体に対するオーディオコイルの複合機能をもたらす、充電コイル及びオーディオコイルの複合組立体は、開示されてきた。これは、構成要素の数及び電動歯ブラシ内の全体的空間要件の低減という利点を有する。
【0015】
本発明の望ましい実施例が例証を目的として開示されてきたが、多種の変更、修正、及び代替は、添付の請求項によって定義される本発明の趣旨から逸脱することなく実施例におい組み込まれ得る、ことは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】電動歯ブラシにおいて音声コイルを有する充電コイル及びオーディオスピーカの複合組立体を図示する。
【図2A】充電コイル及びオーディオスピーカの複合組立体をより詳細な形状で示す正面図である。
【図2B】僅かに修正されたコイル構造を有する、図2Aに類似する組立体の断面図である。
【図3】図2A及び2B中の組立体の他の配置の断面図である。
【図4】図2A及び2B中の組立体の他の配置の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーソナルケア装置における電荷コイルとオーディオスピーカコイルとの複合組立体であって:
単一コイルと;
オーディオスピーカ膜と;
磁石と;
接点部材と、
を有し、
前記単一コイルは、充電器からの充電電流を誘導的に受け且つオーディオスピーカ装置において使用され、
前記オーディオスピーカ膜は、始動される際にオーディオ音声を発出するよう取り付けられ、
前記磁石は、前記オーディオスピーカ装置において使用され、前記単一コイル及び前記磁石は、駆動信号が前記コイルに対して与えられる際に前記スピーカ膜が可聴音声を発出するために動くよう、取り付けられ、
前記接点部材は、オーディオ音声を発出するために前記膜を動かすよう前記駆動信号を受信するコイルに対してリード線によって接続され、また、充電式電池に対する充電回路に対して接続される、
組立体。
【請求項2】
解放上部を有する前記コイル及び前記磁石に対する筐体ボビンを有し、
前記膜は、前記上部に対して取り付けられる、
請求項1記載の組立体。
【請求項3】
前記スピーカ磁石は、前記コイルによって取り囲まれ、前記コイルは、前記膜に対して接着される、
請求項2記載の組立体。
【請求項4】
前記スピーカ磁石は、前記筐体ボビンの外部の周囲に巻かれる前記コイルによって取り囲まれ、前記磁石は、前記膜に対して接着される、
請求項2記載の組立体。
【請求項5】
前記膜は、金属薄膜である、
請求項2記載の組立体。
【請求項6】
前記膜は、ポリマ薄膜である、
請求項2記載の組立体。
【請求項7】
増大された充電電流を収容する第2のコイルを有する、
請求項2記載の組立体。
【請求項8】
前記第2のコイルは、前記磁石及び前記第1のコイルを取り囲み、前記筐体ボビンの外部表面の周囲に巻かれ、前記磁石は、前記筐体に対して接着される、
請求項7記載の組立体。
【請求項9】
前記単一コイルは、約40乃至200の巻線を有する、
請求項1記載の組立体。
【請求項10】
前記膜の直径は、10−12mmの範囲内であり、
前記コイルは、直径約4mm及び長さ5mmである、
請求項2記載の組立体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−514228(P2010−514228A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546768(P2008−546768)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2006/054870
【国際公開番号】WO2007/072366
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】