説明

ヒンジ部抜け止め構造及び携帯端末

【課題】簡易な構成で組立作業中における部品の欠落を防止することができるようにする。
【解決手段】第1の筐体部は、第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部が形成され、第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域に、ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部が形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品が設けられ、支持部品は、内部が空洞状の筒形形状に形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とが接する位置に、突起部が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式携帯端末のヒンジ部のヒンジ部抜け止め構造に関する。また、本発明は、折り畳み式の携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヒンジ部を介して開閉可能に構成された折り畳み式の携帯電話機等の携帯端末が用いられている。このような折り畳み式携帯端末は、一般に、キー操作部を含むキーボタン側筐体と、液晶表示部を含む表示側筐体とを含む。また、各筐体に、ヒンジ部の一部を構成する筒型形状部がそれぞれ形成されている。そして、キーボタン側筐体に形成された筒型形状部と表示側筐体に形成された筒型形状部とを組み合わせ、ヒンジユニットやサポートと呼ばれる部品を左右両側から挿入することによって、ヒンジ部が構成される。
【0003】
また、折り畳み携帯端末のヒンジ部に関連する技術として、例えば、特許文献1には、ヒンジユニットのヒンジ半体に係合突起を設けるようにすることが記載されている。特許文献1では、その係合突起を支持筒(筐体の筒型形状部)側の端面に係合させることにより、ヒンジ体(ヒンジユニット)が支持筒から抜け出るのを防止するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−303832号公報(段落0010〜0014、図1−2、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
折り畳み式携帯端末の組み立て方法について説明する。以下、携帯端末が携帯電話機である場合を例に説明する。図8は、折り畳み式携帯電話機の組み立て手順の一例を示す説明図である。
【0006】
一般に、折り畳み式携帯電話機は、キーボタン側筐体と表示側筐体とがヒンジ部を介して接続される。図8に示す例では、キーボタン側筐体の一部を構成するキーボタン側フロントケース82のうち、表示側筐体と対向する側の領域に、ヒンジ部の一部を構成する筒形形状部801が形成されている。また、表示側筐体の一部を構成する表示側フロントケージ81のうち、キーボタン側筐体と対向する側の領域に、ヒンジ部の他の一部を構成する2つの筒形形状部802,803が形成されている。
【0007】
また、キーボタン側の筒形形状部801と表示側の筒形形状部802,803とは、キーボタン側筐体と表示側筐体とを組合わせた状態で互いに対向する位置とならないような位置に形成されている。そして、キーボタン側筐体と表示側筐体とは、表示側の2つの筒形形状部802,803でキーボタン側の筒形形状部801を挟み込むような態様で組み合わされる。そのような態様で構成されることによって、図8に示す例では、ヒンジ部は、外観上、恰も3つの部分に分割された態様で構成される。以下、このように、外観上3つの部分に分割された態様で構成されるヒンジ部の構成方式を3分割方式という。
【0008】
このような携帯電話機では、図8(a)に示すように、基板を取り付けたキーボタン側フロントケース82に、表示側フロントケース81を取り付ける。この場合、表示側フロントケース81に形成された2つの筒形形状部802,803で、キーボタン側フロントケース82に形成された筒形形状部801を挟み込むように組み合わせる。そして、組み合わされた筒形形状部801,802,803にヒンジユニット83及びサポート84を取り付ける。
【0009】
次に、携帯電話機を一旦折り畳んだ状態とし、図8(b)に示すように、表示側リアカバー88及びキーボタン側リアカバー87を取り付ける。なお、表示側リアカバー88には、当該表示側リアカバー88が携帯電話機に取り付けられた状態で、ヒンジユニット83及びサポート84を覆うように壁部881が形成されている。そのため、表示側リアカバー88が携帯電話機に取り付けられることによって、ヒンジユニット83及びサポート84がヒンジ部から抜け落ちないように固定される。すなわち、表示側リアカバー88に形成された壁部881は、ヒンジユニット83及びサポート84の抜け止めとして機能する。
【0010】
しかし、図8に示す例では、携帯電話機の組み立て作業中、キーボタン側リアカバー87が取り付けられるまでは、表示側フロントケース81、ヒンジユニット83及びサポート84は固定された状態とはならない。そのため、組み立て作業者は、表示側フロントケース81、ヒンジユニット83及びサポート84を両手に持って組み立て作業を行わなければならない。従って、それらの部品を両手に持って作業することは不安定であり、作業性が悪く組み立て作業に労力がかかる。また、キーボタン側リアカバー87が取り付けられるまでは、表示側フロントケース81、ヒンジユニット83及びサポート84が固定されておらず、抜け落ちやすい。
【0011】
また、特許文献1に記載された方法を用いれば、係合突起を支持筒の端面に係合させることによって、作業中に部品が抜け落ちることをある程度防止することができる。しかし、ヒンジユニットのみを用いて携帯端末のヒンジ部を構成しているため、ヒンジ部の構成が複雑で部品点数の軽減には適さない。
【0012】
そこで、本発明は、簡易な構成で組立作業中における部品の欠落を防止することができるヒンジ部抜け止め構造及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によるヒンジ部抜け止め構造は、第1の筐体部と第2の筐体部とが回動可能に接続されることによって開閉可能に構成されたヒンジ部のヒンジ部抜け止め構造であって、第1の筐体部は、第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部が形成され、第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域に、ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部が形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品が設けられ、支持部品は、内部が空洞状の筒形形状に形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とが接する位置に、突起部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明による携帯端末は、第1の筐体部と第2の筐体部とが回動可能に接続されることによって開閉可能に構成されたヒンジ部を備えた携帯端末であって、第1の筐体部は、第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部が形成され、第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域に、ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部が形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品が設けられ、支持部品は、内部が空洞状の筒形形状に形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とが接する位置に突起部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡易な構成で組立作業中における部品の欠落を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。本実施例では、折り畳み式携帯端末として携帯電話機を例に説明する。また、本実施例では、折り畳み式携帯電話機のヒンジ部が3分割方式であるものとする。なお、折り畳み式携帯端末は、ヒンジ部構造を備えたものであれば、携帯電話機に限らず、例えば、PDA等の端末であってもよい。
【0017】
本発明による折り畳み式携帯端末のヒンジ部抜け止め構造は、3分割方式のヒンジ部において、ヒンジ部の一端部にヒンジユニットが取り付けられ、ヒンジ部のもう一方の端部に筐体ヒンジ筒形形状部のガイドの役割を果たすサポートが取り付けられる。そして、ヒンジユニット及びサポートを筒形形状部内に組み込むときに、ヒンジユニット及びサポートが固定されるようにすることにより、折り畳み式携帯電話機の組み立て作業を容易にするものである。
【0018】
3分割方式のヒンジ部を備える折り畳み式携帯電話機では、キーボタン側筐体に形成された筒型形状部と表示側筐体に形成された筒型形状部とを組み合わせ、ヒンジユニットやサポートを左右両側から挿入することによって、ヒンジ部を組み立てる。本発明では、ヒンジユニット及びサポートに抜け止め用の突起部(リブ)を設けるようにし、組み立て作業の際に、その突起部が収納ケースに係合されるようにする。そのようにすることによって、組み立て作業中にヒンジユニットやサポートがヒンジ部から抜け落ちてしまうことを防止し、作業性を改善することができる。なお、「係合」とは、係わり合うことをいう。
【0019】
図1は、本発明によるヒンジ部構造を備えた折り畳み式携帯電話機の一例を示す斜視図である。図1に示すように、携帯電話機100は、表示部103を含む表示側筐体102と、複数のキーボタンを有する操作部113を含むキーボタン側筐体112とを含む。また、表示側筐体102は受話口101を含み、キーボタン側筐体112は送話口111を含む。
【0020】
また、表示側筐体102は、表示部103が面する側の筐体部品である表示側フロントケース1と、表示部103が面する側とは反対側の筐体部品である表示側リアカバー8とを含む。また、キーボタン側筐体112は、操作部113が面する側の筐体部品であるキーボタン操作側フロントケース2と、操作部113が面する側とは反対側の筐体部品であるキーボタン側リアカバー7とを含む。
【0021】
また、図1に示すように、受話部102と送話部112とは、ヒンジ部120を介して回動可能に接続されている。「回動」とは、ある軸に対して正逆方向に円運動できることをいう。本実施例では、携帯電話機100において、ヒンジ部120を軸として、例えば、表示側筐体102をキーボタン側筐体112側に折り畳んだり開いたりすることができる。
【0022】
図2は、図1に示すヒンジ部が3分割方式である折り畳み式携帯電話機のヒンジ部筐体構造を示す斜視図である。なお、図2では、表示側筐体102の一部を構成する表示側フロントケース1と、キーボタン側筐体112の一部を構成するするキーボタン操作側フロントケース2と、ヒンジユニット3と、サポート4とが図示されている。
【0023】
表示側フロントケース1及びキーボタン操作側フロントケース2は、例えば、合成樹脂製の筐体部品である。なお、図2では、表示側フロントケース1及びキーボタン操作側フロントケース2を裏面側(携帯電話機100を組み立てられた状態で見たときに視認できない方の面側)から見た図に相当する。
【0024】
また、表示側フロントケース1には、キーボタン操作側フロントケース2と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部120の一部を構成する筒形形状部201が形成されている。また、キーボタン操作側フロントケース2には、表示側フロントケース1と対向する側の面の領域のうち、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが組み合わされた状態で筒形形状部201と接しない領域に、ヒンジ部120の一部を構成する2つの筒形形状部202,203が形成されている。そして、キーボタン側の2つの筒形形状部202,203で表示側の筒形形状部201を挟み込むような態様で組み合わされることによって、3分割方式のヒンジ部120が形成される。
【0025】
なお、図2に示すように、筒形形状部201は、携帯電話機100が開いた状態で表示側フロントケース1のキーボタン側筐体112と面する側の側壁1a(壁部)よりも外側に位置するように形成されている。また、筒形形状部202,203は、携帯電話機100が開いた状態でキーボタン操作側フロントケース2の表示側筐体102と面する側の側壁2a(壁部)よりも外側に位置するように形成されている。従って、携帯電話機100を組み立てた状態において、ヒンジ部120は、それぞれ表示側フロントケース1の側壁1a及びキーボタン操作側フロントケース2の側壁2aよりも筐体に対して外側に位置することになる。
【0026】
言い換えると、筒側形状部201は、表示側フロントケース1の各側壁(壁部)のうち、表示側筐体102の長手方向に対して直交する側壁1a(表示側筐体102の長手方向端部側面)よりも外側に位置するように形成されている。また、筒側形状部202,203は、キーボタン操作側フロントケース2の各側壁(壁部)のうち、キーボタン側筐体112の長手方向に対して直交する側壁2a(キーボタン側筐体112の長手方向端部側面)よりも外側に位置するように形成されている。
【0027】
ヒンジユニット3は、表示側フロントケース1の筒形形状部201とキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202とを連結するとともに、携帯電話機100を開閉させるときにクリック力(ラッチ力)を発生させるためのユニット部品である。ヒンジユニット3は、略円柱型の部品であり、スプリング、金属製のボール形状部品、金属製又は合成樹脂製の筐体部品を含む。例えば、携帯電話機100をただヒンジ部120を介して回動可能とするだけでは、携帯電話機100を完全に開いた状態又は閉じた状態としたときの固定度が弱い。また、ユーザは、携帯電話機100を開閉操作するときに、完全に開いたのか閉じたのか感触を実感できない。
【0028】
図2に示すように、ヒンジ部120にヒンジユニット3を用いることによって、携帯電話機100が完全に開いた状態となるときや完全に閉じた状態となるときにクリック力(ラッチ力)を発生させることができ、ユーザが完全に開状態となったこと又は閉状態となったことを実感することができる。また、携帯電話機100を完全に開いた状態又は閉じた状態としたときの固定度を高めることができる。
【0029】
サポート4は、表示側フロントケース1の筒形形状部201とキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部203とを連結するともに、ヒンジ部120を介した回動運動を支持するための支持部品である。サポート4は、内部が空洞状の筒形形状の部品である。また、サポート4は、合成樹脂材料を用いて作製され、弾性変形が可能である。また、サポート4は、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが組み合わされた状態で、ヒンジ部120の内部に挿入された状態で取り付けられる。
【0030】
図2示すように、携帯電話機100において、表示側フロントケース1の筒形形状部201を、キーボタン操作側フロントケース2の2つの筒形形状部202,203で挟み込むように、互いにヒンジ筒形形状部が重ね合わされる。そして、ヒンジユニット3及びヒンジ筒形形状部のガイドの役割を果たすサポート4が左右から挿入されていることによって、ヒンジ部120が形成されている。
【0031】
図3は、携帯電話機100のヒンジ部120を拡大して示した図である。図3に示すように、表示側フロントケース1の筒形形状部201のうち、ヒンジユニット3が挿入される側の端部には、ヒンジユニット3を挿入し嵌め込むための凹型形状部210(筒形形状部201内を貫通はしていない)が形成されている。
【0032】
また、キーボタン操作側フロントケース2のヒンジユニット3が挿入される側の筒形形状部202は、内部にヒンジユニット3を挿入するための空洞部220が形成されている。また、キーボタン操作側フロントケース2のサポート4が挿入される側の筒形形状部203は、内部にサポート4を挿入するための空洞部230が形成されている。
【0033】
なお、ヒンジユニット3は、ヒンジ部を備える携帯電話機に一般的に用いられる部品であり、内部の詳細な構造については記載省略する。ヒンジユニット3は、摺動面の凹凸をスプリングによりラッチ力を働かせるユニット構造を備える。
【0034】
サポート4は、キーボタン側フロントケース2のヒンジ筒形形状部203内に収納される。また、サポート4の長さは、キーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部203の長さより長い。そのため、サポート4をキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部203の側から挿入すると、サポート4の切り欠き部41側の先端部分が、表示側フロントケース1のヒンジ筒形形状部201まで突出した位置に達するように取り付けられる。そのように取り付けられることによって、サポート4によって表示側フロントケース1の筒形形状部201とキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部203とが固定され、サポート4は筐体同士がずれないように支持する役割を果たす。
【0035】
同様に、ヒンジユニット3の長さは、キーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202の長さより長い。そのため、ヒンジユニット3をキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202の側から挿入すると、ヒンジユニット3の先端部分が、表示側フロントケース1の筒形形状部201まで突出した位置に達するように、かつ凹型形状部210に嵌め込まれた状態で取り付けられる。そのように取り付けられることによって、ヒンジユニット3によって表示側フロントケース1の筒形形状部201とキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202とが固定され、ヒンジユニット3は筐体同士がずれないように支持する役割を果たす。
【0036】
また、図3に示すように、表示側フロントケース1のヒンジ筒形形状部201には、その筒形形状の一部が切り取られた切り欠き部11が設けられている。また、キーボタン側フロントケース2のヒンジ筒形形状部203には、その筒形形状の一部が切り取られた切り欠き部21が設けられている。また、サポート4にも、その筒形形状の一部が切り取られた切り欠き部41が設けられている。
【0037】
サポート4は、合成樹脂製で弾性変形が可能であるので、切り欠き部41の部分で内側に弾性変形することによって、筒形形状部203内に挿入される際の押圧力を吸収できる。また、筒形形状部201,203及びサポート4にそれぞれ切り欠き部11,21,41が設けられているので、基板取り付けの際に、それら切り欠き部11,21,41が重なり合うことによって形成される経路を介して、フレキシブルプリント基板(図示せず)を収納することが可能である。
【0038】
また、サポート4には、筒形形状の外周面に、筒形形状部203と係合するための突起部42(以下、係合リブという)が形成されている。なお、サポート4には、切り欠き部41に対して対称な2つの係合リブ42が形成されている。また、係合リブ42は、キーボタン側の2つの筒形形状部202,203と表示側の筒形形状部201とが組み合わされた状態で、ちょうど筒形形状部201と筒形形状部203との間に位置するように形成されている。
【0039】
なお、各切り欠き部11,21,41は、表示側フロントケース1、キーボタン操作側フロントケース2及びサポート4を組み合わせた状態で、かつ携帯電話機100が開いた状態において、同じ側の面に位置するように形成される。なお、表示側の切り欠き部11とキーボタン操作側の切り欠き部21とは、携帯電話機100が閉じた状態においては相互に異なる面に位置する。
【0040】
また、表示側フロントケース1の側壁1aには、内部実装基板を接続するためのフレキシブルプリント基板(図示せず)を通すための開口部1bが設けられている。また、キーボタン操作側フロントケース2の側壁2aには、フレキシブルプリント基板を通すための開口部2bが設けられている。
【0041】
なお、既に説明したように、携帯電話機100は、ヒンジ部120が表示側フロントケース1の側壁1a及びキーボタン操作側フロントケース2の側壁2aよりも外側に位置するように構成されるので、側壁1aに設けられた開口部1b及び側壁2aに設けられた開口部2bは、携帯電話機100が組み立てられた状態(全てのフロントケース1,2と全てのリアカバー7,8とが取り付けられた状態)で、ヒンジ部120に隠れて外観上視認できない。
【0042】
また、図3に示すように、表示側フロントケース1の側壁1aのうち、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが接続された状態で各筒形形状部202,203と接する領域1cが、内側に反曲した形状(反り曲がった形状)に形成されている。言い換えると、表示側フロントケース1の側壁1aを長手方向で切断した断面で見たときに、領域1cが、内側に円弧状に反った形状に形成されている。そのため、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが接続された状態で、表示側フロントケース1の側壁1aと各筒形形状部202,203とが回動するときに相互に干渉しないようにすることができる。
【0043】
また、図3に示すように、キーボタン操作側フロントケース2の側壁2aのうち、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが接続された状態で筒形形状部201と接する領域2cが、内側に反曲した形状に形成されている。言い換えると、キーボタン操作側フロントケース2を長手方向で切断した断面で見たときに、領域2cが、内側に円弧状に反った形状に形成されている。そのため、表示側筐体102とキーボタン側筐体112とが接続された状態で、キーボタン操作側フロントケース2の側壁2aと筒形形状部201とが回動するときに相互に干渉しないようにすることができる。
【0044】
図4は、キーボタン操作側フロントケース2と対向する側から表示側フロントケース1を見た斜視図である。図4に示すように、表示側フロントケース1において、筒形形状部201の内周面のサポート4を挿入する側の端部には面取り部12が形成されている。
【0045】
図5は、携帯電話機100からキーボタン側リアカバー7及び表示側リアカバー8を取り外した状態を示す分解斜視図である。図5に示すように、キーボタン側リアカバー7には、ヒンジ部120の一部を覆う被覆部7aが形成されている。なお、図5では、1つの被覆部7aのみが示されているが、キーボタン側リアカバー7には、キーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202,203と重なるように2つの被覆部7aが形成されている。
【0046】
なお、被覆部7aは、キーボタン操作側フロントケース2とキーボタン側リアカバー7とが組み合わされた状態で、筒形形状部203に設けられた切り欠き部21を覆うように形成されている。
【0047】
また、表示側リアカバー8には、ヒンジ部120の一部を覆う被覆部8aが形成されている。表示側リアカバー8には、表示側フロントケース1の筒形形状部201の切り欠き部11が形成されている側の面を覆うように被覆部8aが形成されている。
【0048】
なお、被覆部8aは、表示側フロントケース1と表示側リアカバー8とが組み合わされた状態で、筒形形状部201に設けられた切り欠き部11を覆うように形成されている。
【0049】
また、キーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202,203には、キーボタン側リアカバー7と固定するためのスリット22がそれぞれ設けられている。また、キーボタン側リアカバー7の被覆部7aには、キーボタン操作側フロントケース2と固定するための突起部71が形成されている。なお、図5では、1つの突起部71のみが示されているが、キーボタン側リアカバー7には、2つの被覆部7aにそれぞれ突起部71が形成されている。被覆部7aに形成された突起部71を、筒形形状部202,203に設けられたスリット22にそれぞれ嵌め込むことによって、キーボタン側リアカバー7がキーボタン操作側フロントケース2に固定される。
【0050】
図6は、携帯電話機100のヒンジ部120を切断して示した断面図である。図6は、携帯電話機100のヒンジ部120を長手方向に切断して示した断面図(図2に示すA−A断面図)に相当する。図6に示すように、ヒンジユニット3及びサポート4には、それぞれ所定の被覆部品(以下、キャップという)9a,9bが取り付けられている。
【0051】
図5において、キーボタン側リアカバー7の被覆部7aに形成された突起部71の高さは、筒形形状部202,203の筒部分の厚みよりも高い。そのため、突起部71を筒形形状部202,203に設けられたスリット22に嵌め込むと、図6に示すように、突起部71の先端部分が筒形形状部202,203の内側に突き出た状態となる。
【0052】
図6に示すように、サポート4に取り付けられたキャップ9bには、溝部43(図3参照)が形成されている。そのため、サポート4を取り付けた状態で突起部71を嵌め込むと、突起部71の先端部分がキャップ9bの溝部43に嵌った状態となり、サポート4がヒンジ部120に固定される。従って、突起部71及びスリット22は、サポート4をヒンジ部120に固定する役割も果たす。
【0053】
同様に、図6に示すように、ヒンジユニット3に取り付けられたキャップ9aには溝部33が形成されている。そのため、ヒンジユニット3を取り付けた状態で突起部71を嵌め込むと、突起部71の先端部分がキャップ9aの溝部33に嵌った状態となり、ヒンジユニット3がヒンジ部120に固定される。従って、突起部71及びスリット22は、ヒンジユニット3をヒンジ部120に固定する役割も果たす。
【0054】
図7は、表示側フロントケース1の筒形形状部201とキーボタン操作側フロントケース2の筒形形状部202,203とを組み合わせた状態で、筒形形状部201と筒形形状部203とが接する部分を拡大して示した図である。なお、図7は、図6に示すB部分を拡大して示した図に相当する。
【0055】
図7に示すように、筒形形状部201と筒形形状部202,203とが組み合わされた状態において、筒形形状部201の内周面の端部に面取り部12が設けられていることによって、筒形形状部201と筒形形状部203との間に空間20が形成された状態となる。すなわち、ヒンジ部120が回動するときに摺動する摺動面23(筒形形状部201と筒形形状部203とが接する面)に空間20が形成された状態となる。
【0056】
サポート4が挿入され取り付けられると、サポート4に設けられた係合リブ42が空間20に嵌った状態となる。そのため、組み立て作業中の段階であっても、サポート4がヒンジ部120に固定された状態となり、安定性が高まる。
【0057】
次に、折り畳み式携帯電話機100のヒンジ部120の組み立て手順について説明する。まず、図2に示すように、表示側フロントケース1とキーボタン操作側フロントケース2とを、筒形形状部202,203で筒形形状部201を挟み込むような態様で組み合わせる。また、図2及び図3に示すように、ヒンジユニット3及びサポート4をそれぞれ筒形形状部201,202,203に嵌め込んで組み立てる。このように、表示側フロントケース1、キーボタン操作側フロントケース2、ヒンジユニット3及びサポート4を組み立てた状態のものを、フロントケースのサブアセンブリという。
【0058】
図3に示すように、サポート4をキーボタン側フロントケース2の筒形形状部203に挿入する際に、切り欠き部41の部分で内側に弾性変形させて押圧力を吸収させながら、サポート4が筒形形状部203内に挿入され嵌め込まれる。この場合、サポート4の先端部分が表示側フロントケース1の筒形形状部201まで突出した状態で嵌め込まれる。また、サポート4に設けられた係合リブ42は、図7に示すように、ヒンジ部120の摺動面23に形成される空間20に係わり合って嵌った状態となる。そのため、組み立て作業中の段階であっても、係合リブ42が筒形形状部203の摺動面23側の面にあたり、サポート4がヒンジ部120から抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0059】
また、図7に示すように、係合リブ42が表示側フロントケース1に設けられた面取り部12によって形成された空間20内に収まった状態で嵌め込まれるので、ヒンジ部120を回動する際に、係合リブ42が表示側フロントケース1の筒形形状部201と干渉することを防止することができる。そのため、係合リブ42が干渉することなく、ヒンジ部120の開閉動作が可能となる。
【0060】
以上のように、本実施例によれば、ヒンジ部抜け止め構造を備えた携帯端末(例えば、携帯電話機100)は、第1の筐体部(例えば、表示側筐体102)と第2の筐体部(例えば、キーボタン側筐体112)とが回動可能に接続されることによって開閉可能に構成されたヒンジ部(例えば、ヒンジ部120)を備えた携帯端末であって、第1の筐体部は、第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部(例えば、筒形形状部201)が形成され、第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域に、ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部(例えば、筒形形状部203)が形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品(例えば、サポート4)が設けられ、支持部品は、内部が空洞状の筒形形状に形成され、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とが接する位置に突起部(例えば、係合リブ42)が設けられている。
【0061】
上記のような構成により、第1の筒形形状部と第2の筒形形状部とが接する位置に突起部が設けられているので、組み立て作業中の段階であっても、突起部が筒形形状部の摺動面23側の面にあたり、支持部品がヒンジ部から抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0062】
また、内部が空洞状の筒形形状に形成された支持部品を用いるので、ヒンジ部の構成が複雑化するのを防止することができ、部品点数が増加することを防止することができる。また、ヒンジ部の構成部品を専用部品で固定する必要がないので、部品点数の削減が可能となり、部品コストを削減することができる。また、部品点数の削減により、組み立て作業の際の作業性を改善することができる。さらに、組み立て作業の工程において、フロントケースのサブアセンブリを作成することができるので、組み立て工程の順序に自由度をもたせることができる。
【0063】
従って、本実施例によれば、簡易な構成で組立作業中における部品の欠落を防止することができる。
【0064】
なお、本実施例では、筒形形状の部品であるサポート4を用いることによって、サポート4にも切り欠き部41を形成することを可能としている。そのため、フレキシブルプリント基板が収納される経路をサポート4側に寄った態様で形成することができ、携帯電話機100の細型化に有利となる。
【0065】
例えば、ヒンジユニット3を2つ用いた場合には、ヒンジユニット3に切り欠き部を設けることはできないので、フレキシブルプリント基板(図示せず)が収納される経路をヒンジ部120の略中央部を通る態様で形成することになる。すると、少なくともヒンジユニット3の2つ分の長さとフレキシブルプリント基板の経路分の長さとを確保するようにヒンジ部120の長さを確保する必要がある。
【0066】
本実施例では、内部が空洞状であるサポート4を用いているので、切り欠き部41を形成してサポート4にかかるようにフレキシブルプリント基板の経路を形成することができ、ヒンジユニット3を2つ用いる場合と比較して、ヒンジ部120の長さを短くすることができる。そのため、携帯電話機100の細型化に寄与することができ、携帯電話機100の小型・軽量化に寄与することができる。
【0067】
また、本実施例によれば、支持部品は、第2の筒形形状部の側から挿入された状態で取り付けられるとともに、支持部品の先端部分が第1の筒形形状部に達した状態で取り付けられ、第1の筒形形状部は、内周面の支持部品が挿入される側の端部に面取り部(例えば、面取り部12)が形成されている。
【0068】
上記のような構成により、突起部(例えば、係合リブ42)が第1の筒形形状部に設けられた面取り部によって形成された空間(例えば、空間20)内に収まった状態で嵌め込まれる。そのため、ヒンジ部を回動する際に、突起部が第1の筐体部の第1の筒形形状部と干渉することを防止することができる。従って、突起部が干渉することなく、ヒンジ部の開閉動作が可能となる。
【0069】
また、本実施例によれば、支持部品は、弾性変形可能な材料(例えば、合成樹脂)を用いて作製されている。そのような構成により、支持部品は弾性変形が可能であるので、内側に弾性変形することによって、第2の筒形形状部内に挿入される際の押圧力を吸収することができる。
【0070】
また、本実施例によれば、第2の筐体部は、携帯端末が閉じた状態で内側に位置する第2内側筐体部品(例えば、キーボタン操作側フロントケース2)と、携帯端末が閉じた状態で外側に位置する第2外側筐体部品(例えば、キーボタン側リアカバー7)とを含み、第2外側筐体部品は、第2内側筐体部品と組み合わされた状態で第2の筒側形状部を覆う被覆部(例えば、筒形形状部203を覆う被覆部7a)が形成され、被覆部は、突起部(例えば、筒形形状部203を覆う被覆部7aに形成された突起部71)が設けられ、第2の筒側形状部は、第2の筐体部のうちの第2内側筐体部品に形成されるとともに、被覆部に設けられた突起部を貫通するための穴部(例えば、筒形形状部203に設けられたスリット22)が設けられ、支持部品は、ヒンジ部の内部に取り付けられた状態で、被覆部に設けられた突起部が位置する部分に溝部(例えば、溝部43)が設けられている。
【0071】
上記のような構成により、被覆部に設けられた突起部が、第2の筒形形状部に設けられれた穴部を介して支持部品の溝部に嵌め込まれ、支持部品がヒンジ部により堅固に固定される。
【0072】
例えば、サポート4に設けられた係合リブ43のみによって固定したのでは、組み立て作業中にサポート4がヒンジ部120から抜け落ちてしまうことを防止できるものの、そのままでは携帯電話機100の出荷後にユーザの使用中に抜け落ちてしまうおそれがある。本実施例では、図6の断面図に示すように、キーボタン側リアカバー7に形成された突起部71が、キーボタン側フロントケース2の筒形形状部203に設けられたスリット22に挿入される。この場合、突起部71は、筒形形状部203を介してキャップ9bの溝部43にも挿入された状態となる。そのような状態となることにより、キャップ9bは、ヒンジ部120内部の目隠しとしての役割を果たすとともに、サポート4の抜け止めとしての役割も果たす。また、サポート4を恒久的にヒンジ部120に固定することができ、ユーザの使用中であっても、サポート4がヒンジ部120から抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【0073】
また、本実施例によれば、第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域であって第2の筒形形状部が設けられている領域以外の領域に、ヒンジ部の一部となる第3の筒形形状部(例えば、筒形形状部202)が形成され、ヒンジ部は、第2の筒形形状部及び第3の筒形形状部によって第1の筒形形状部を挟み込む態様で組み合わされることによって、外観上3つの部分に分割された態様で構成されている。
【0074】
上記のような構成により、3分割方式のヒンジ部構造とすることができ、携帯端末のデザイン性を向上させることができる。例えば、一般的に、折り畳み式携帯電話機において、デザイン性の観点から、ヒンジ部120が外観上できるだけ少ない分割数で分割された態様で構成されることが望ましい。そのため、技術的な制約も考慮すると、ヒンジ部を3分割方式程度で構成することが、デザイン性の点でも好ましく、デザインの自由度も向上させることができる。
【0075】
また、本実施例によれば、第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第3の筒形形状部とを連結して支持するとともに、所定のラッチ力を発生させるためのヒンジユニット部品(例えば、ヒンジユニット3)が設けられ、ヒンジユニット部品は、略円柱型の部品であり、第3の筒形形状部の側から挿入された状態で取り付けられるとともに、ヒンジユニット部品の先端部分が第1の筒形形状部に達した状態で取り付けられ、第1の筒形形状部は、ヒンジユニット部品の先端部分を嵌め込むための凹型形状部(例えば、凹型形状部210)が形成されている。
【0076】
上記のような構成により、ヒンジユニット部品についても凹型形状部に嵌め込むことによってある程度固定できるので、組み立て作業中におけるヒンジユニット部品の欠落を防止することができる。
【0077】
また、本実施例によれば、第2外側筐体部品は、第2内側筐体部品と組み合わされた状態で第3の筒側形状部を覆う被覆部(例えば、筒形形状部202を覆う被覆部7a)が形成され、被覆部は、突起部(例えば、筒形形状部202を覆う被覆部7aに形成された突起部71)が設けられ、第3の筒側形状部は、第2の筐体部のうちの第2内側筐体部品に形成されるとともに、被覆部に設けられた突起部を貫通するための穴部(例えば、筒形形状部202に設けられたスリット22)が設けられ、ヒンジユニット部品は、ヒンジ部の内部に取り付けられた状態で、被覆部に設けられた突起部が位置する部分に溝部(例えば、溝部33)が設けられている。
【0078】
上記のような構成により、被覆部に設けられた突起部が、第3の筒形形状部に設けられれた穴部を介してヒンジユニット部品の溝部に嵌め込まれ、ヒンジユニット部品がヒンジ部により堅固に固定される。
【0079】
例えば、凹型形状部210に嵌め込むだけで固定したのでは、組み立て作業中にヒンジユニット3がヒンジ部120から抜け落ちてしまうことを防止できるものの、そのままでは携帯電話機100の出荷後にユーザの使用中に抜け落ちてしまうおそれがある。本実施例では、図6の断面図に示すように、キーボタン側リアカバー7に形成された突起部71が、キーボタン側フロントケース2の筒形形状部202に設けられたスリット22に挿入される。この場合、突起部71は、筒形形状部202を介してキャップ9aの溝部33にも挿入された状態となる。そのような状態となることにより、キャップ9aは、ヒンジ部120内部の目隠しとしての役割を果たすとともに、ヒンジユニット3の抜け止めとしての役割も果たす。また、ヒンジユニット3を恒久的にヒンジ部120に固定することができ、ユーザの使用中であっても、ヒンジユニット3がヒンジ部120から抜け落ちてしまうことを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、折り畳み式の携帯電話機に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明によるヒンジ部構造を備えた折り畳み式携帯電話機の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示すヒンジ部が3分割方式である折り畳み式携帯電話機のヒンジ部筐体構造を示す斜視図である。
【図3】携帯電話機のヒンジ部を拡大して示した図である。
【図4】キーボタン操作側フロントケースと対向する側から表示側フロントケースを見た斜視図である。
【図5】携帯電話機からキーボタン側リアカバー及び表示側リアカバーを取り外した状態を示す分解斜視図である。
【図6】携帯電話機のヒンジ部を切断して示した断面図である。
【図7】表示側フロントケースの筒形形状部とキーボタン操作側フロントケースの筒形形状部とを組み合わせた状態で、摺動面の部分を拡大して示した図である。
【図8】折り畳み式携帯電話機の組み立て手順の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 表示側フロントケース
1a,2a 側壁
1b,2b 開口部
2 キーボタン操作側フロントケース
3 ヒンジユニット
4 サポート
5 表示側基板
6 キーボタン側基板
7 キーボタン側リアカバー
7a,8a 被覆部
8 表示側リアカバー
9a,9b キャップ
11,21,41 切り欠き部
12 面取り部
20 空間
22 スリット
23 摺動面
33,43 溝部
42 係合リブ42
71 突起部
100 携帯電話機
201,202,203 筒形形状部
210 凹型形状部
220,230 空洞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体部と第2の筐体部とが回動可能に接続されることによって開閉可能に構成されたヒンジ部のヒンジ部抜け止め構造であって、
前記第1の筐体部は、前記第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部が形成され、
前記第2の筐体部は、前記第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で前記第1の筒形形状部と接しない領域に、前記ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部が形成され、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、前記第1の筒形形状部と前記第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品が設けられ、
前記支持部品は、
内部が空洞状の筒形形状に形成され、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で前記第1の筒形形状部と前記第2の筒形形状部とが接する位置に、突起部が設けられている
ことを特徴とするヒンジ部抜け止め構造。
【請求項2】
第1の筐体部と第2の筐体部とが回動可能に接続されることによって開閉可能に構成されたヒンジ部を備えた携帯端末であって、
前記第1の筐体部は、前記第2の筐体部と対向する側の面の一部の領域に、ヒンジ部の一部となる第1の筒形形状部が形成され、
前記第2の筐体部は、前記第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で前記第1の筒形形状部と接しない領域に、前記ヒンジ部の一部となる第2の筒形形状部が形成され、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、前記第1の筒形形状部と前記第2の筒形形状部とを連結して支持するための支持部品が設けられ、
前記支持部品は、
内部が空洞状の筒形形状に形成され、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で前記第1の筒形形状部と前記第2の筒形形状部とが接する位置に突起部が設けられている
ことを特徴とする携帯端末。
【請求項3】
支持部品は、第2の筒形形状部の側から挿入された状態で取り付けられるとともに、当該支持部品の先端部分が第1の筒形形状部に達した状態で取り付けられ、
前記第1の筒形形状部は、内周面の前記支持部品が挿入される側の端部に面取り部が形成されている
請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
支持部品は、弾性変形可能な材料を用いて作製されている請求項2又は請求項3記載の携帯端末。
【請求項5】
第2の筐体部は、前記携帯端末が閉じた状態で内側に位置する第2内側筐体部品と、前記携帯端末が閉じた状態で外側に位置する第2外側筐体部品とを含み、
前記第2外側筐体部品は、前記第2内側筐体部品と組み合わされた状態で前記第2の筒側形状部を覆う被覆部が形成され、
前記被覆部は、突起部が設けられ、
第2の筒側形状部は、前記第2の筐体部のうちの前記第2内側筐体部品に形成されるとともに、前記被覆部に設けられた突起部を貫通するための穴部が設けられ、
支持部品は、ヒンジ部の内部に取り付けられた状態で、前記被覆部に設けられた突起部が位置する部分に溝部が設けられている
請求項2から請求項4のうちのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
第2の筐体部は、第1の筐体部と対向する側の面の領域のうち、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部とが接続された状態で第1の筒形形状部と接しない領域であって第2の筒形形状部が設けられている領域以外の領域に、ヒンジ部の一部となる第3の筒形形状部が形成され、
ヒンジ部は、前記第2の筒形形状部及び前記第3の筒形形状部によって前記第1の筒形形状部を挟み込む態様で組み合わされることによって、外観上3つの部分に分割された態様で構成されている
請求項2から請求項5のうちのいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
第1の筐体部と第2の筐体部とが接続された状態で、ヒンジ部の内部に挿入された状態で取り付けられ、第1の筒形形状部と第3の筒形形状部とを連結して支持するとともに、所定のラッチ力を発生させるためのヒンジユニット部品が設けられ、
前記ヒンジユニット部品は、
略円柱型の部品であり、
第3の筒形形状部の側から挿入された状態で取り付けられるとともに、当該ヒンジユニット部品の先端部分が第1の筒形形状部に達した状態で取り付けられ、
前記第1の筒形形状部は、前記ヒンジユニット部品の先端部分を嵌め込むための凹型形状部が形成されている
請求項6記載の携帯端末。
【請求項8】
第2外側筐体部品は、第2内側筐体部品と組み合わされた状態で第3の筒側形状部を覆う被覆部が形成され、
前記被覆部は、突起部が設けられ、
第3の筒側形状部は、第2の筐体部のうちの前記第2内側筐体部品に形成されるとともに、前記被覆部に設けられた突起部を貫通するための穴部が設けられ、
ヒンジユニット部品は、ヒンジ部の内部に取り付けられた状態で、前記被覆部に設けられた突起部が位置する部分に溝部が設けられている
請求項6又は請求項7記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−281051(P2008−281051A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124380(P2007−124380)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】