説明

ビューファインダーおよび撮像装置

【課題】ディスプレイ部から接眼ユニットを取り外した状態においてもディスプレイパネルの表示面を視認しやすく、使い勝手の向上を図る上で有利なビューファインダーおよび撮像装置を提供する。
【解決手段】ビューファインダー30は、本体部32と、ディスプレイ部34と、接眼ユニット36とを含んで構成されている。ディスプレイ部34は、支持体40と、ディスプレイパネル42と、連結機構44とを含んで構成されている。支持体40は、本体部32の連結面3220上に回転可能に連結されている。連結機構44により、支持体40とディスプレイパネル42とは、支持体40にディスプレイパネル42が重ね合わされた倒伏状態と、支持体40からディスプレイパネル42が起立した起立状態との間で支軸60を中心として揺動可能に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビューファインダーおよび撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送局などで使用される業務用の撮像装置として、被写体を撮影して映像信号を生成するカメラボディと、カメラボディに取着され映像信号に基づいて映像を表示するビューファインダーとを備えるものがある。
そして、この種の撮像装置では、撮影者はカメラボディを肩に載せ、ビューファインダーを覗きながら撮影することが行われている。
このような撮像装置のビューファインダーとして、ディスプレイパネルを有し該ディスプレイパネルに映像を表示するディスプレイ部と、ディスプレイ部に装脱可能に装着されディスプレイパネルに表示された映像を拡大する接眼ユニットとが装脱可能に設けられたものが提供されている(特許文献1参照)。
このビューファインダーでは、カメラボディを肩から外し、カメラボディを上や下に向けたりして撮影することができるように、ディスプレイパネルは回転可能に設けられており、接眼ユニットも、ディスプレイ部に装着された状態でディスプレイパネルと一体に回転可能となっている。
また、このビューファインダーでは、撮影状況によって、接眼ユニットをディスプレイ部から取り外し、ディプレイパネルに表示された映像を直接視認しながら撮影できるようになっている。
【特許文献1】特開2004−147232
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記ビューファインダーでは、接眼ユニットをディスプレイ部から取り外した状態では、ディスプレイパネルの表示面は常に一方向に向いた状態であり、例えば、カメラボディを肩に載せた状態でディスプレイパネルの表示面は左右側方に向いた状態であるため、カメラボディを肩に載せた状態で撮影者はディスプレイパネルの表示面をカメラボディの側方から覗き込まなくてはならず、撮影者は不自然な姿勢を強いられ、撮影アングルの自由度も少ない不都合があった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、ディスプレイ部から接眼ユニットを取り外した状態においてディスプレイパネルの表示面を視認しやすく、使い勝手の向上を図る上で有利なビューファインダーおよび撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の目的を達成するため、本発明のビューファインダーは、カメラボディに装脱可能に装着される本体部と、前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、前記ディスプレイ部は、前記本体部に回転可能に連結された支持体と、表示面を有するディスプレイパネルと、前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構とを備えることを特徴とする。
また本発明の撮像装置は、映像を撮像するカメラボディと、前記カメラボディに設けられたビューファインダーとを備え、前記ビューファインダーは、前記カメラボディに装脱可能に装着される本体部と、前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、前記ディスプレイ部は、前記本体部に回転可能に連結された支持体と、表示面を有するディスプレイパネルと、前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構とを備えることを特徴とする。
また本発明の撮像装置は、映像を撮像するカメラボディと、前記カメラボディに設けられたビューファインダーとを備え、前記ビューファインダーは、前記カメラボディに一体的に設けられた本体部と、前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、前記ディスプレイ部は、前記本体部に回転可能に連結された支持体と、表示面を有するディスプレイパネルと、前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ディスプレイパネルの表示面を直接視認する場合、ディスプレイパネルを起立状態にでき、また、起立状態としたディスプレイパネルを本体部上で回転できるので、撮影者は不自然な姿勢を強いられることがなく、ディスプレイパネルの表示面を視認しやすく、自由に撮影アングルを変えることができ、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本実施の形態の撮像装置について説明し、次いで、撮像装置に装着されるビューファインダーについて説明する。
図1、図2はビューファインダー30が装着された撮像装置10の斜視図、図3、図4はビューファインダー30から接眼ユニット36が取り外されディスプレイパネル42が左側方を向いた状態を示す撮像装置10の斜視図、図5はビューファインダー30から接眼ユニット36が取り外されディスプレイパネル42が起立状態となった斜視図、図6は撮像装置10の構成を示すブロック図である。
【0007】
本実施の形態において撮像装置10は放送局などで使用される業務用のビデオカメラである。
図1に示すように、撮像装置10は、前後に延在するカメラボディ14を備え、カメラボディ14の前部にレンズ鏡筒12が装着されている。
なお、本明細書において左右は、撮像装置10を後方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
レンズ鏡筒12は、撮影光学系16を収容するものである。
撮影光学系16は、被写体像を図6に示す撮像素子14Bに導くものである。なお、撮像素子14Bは、CCD、あるいは、C−MOSセンサなど従来公知のさまざまな撮像素子が採用可能である。
【0008】
図1に示すように、カメラボディ14は、外装を構成する筐体18を有している。
筐体18は、前方に臨む前面18A、後方に臨む後面18B、左右側方に臨む左右の側面18C、18D、上方に臨む上面18E、下方に臨む下面18Fを備えている。
本実施の形態では、筐体18は、左右の側面18C、18Dの間の左右方向の幅よりも上面18Eと後面18Fとの間の上下方向の高さが大きい寸法で形成され、この高さよりも前面18Aと後面18Bとの間の前後方向の長さが大きい寸法で形成され、したがって、筐体18は前後に長い直方体状を呈している。
図2に示すように、筐体18の前部には、後述するビューファインダー30を装脱可能に装着するためのカメラ本体側取り付け部19が設けられ、カメラ本体側取り付け部19の後方に持ち運び用のハンドル20が設けられている。
図1に示すように、下面18Dには、撮像装置10を肩に載せるための上方に窪んだ肩パッド22が設けられている。肩パッド22は、弾性および柔軟性を有する部材で形成されている。
【0009】
次に、図6を参照してカメラボディ14の制御系の構成について説明する。
図6に示すように、カメラボディ14は、前記の撮像素子14Bの他に、プリズム14A、信号処理部14C、制御部14D、操作部14E、表示部14F、記録再生部14G、I/F部14H、電源部14Iなどを含んで構成されている。
【0010】
本実施の形態では、3色(赤、緑、青)のそれぞれに対応して3つの撮像素子14Bが設けられており、プリズム14Aは、撮影光学系16から導かれた被写体像を構成する光束を3色(赤、緑、青)に分離して、各色に対応した撮像素子14Bに導くものである。
信号処理部14Cは、各撮像素子14Bを駆動すると共に、各撮像素子14Bから供給される映像信号に対して、例えば、CDS(Correlated Double Sampling)処理を行って、S/N比を良好に保つようにするとともに、AGC(Automatic Gain Control)処理を行って、利得を制御し、さらに、A/D(Analog/Digital)変換を行って、デジタル信号とした映像データを生成するなどの一連の前処理を行い、さらに、前処理がなされた映像データを所定の圧縮方式によって圧縮(エンコード)することにより、前記の記録用の映像データを生成するものである。生成された記録用の映像データは、制御部14Dを介して記録再生部14Gに供給される。
また、信号処理部14Cは、デジタル信号に処理される前のアナログ信号の映像信号をコネクタ14Jを介して後述するビューファインダー30に供給することで撮影中の映像をビューファインダー30に表示させる。また、前記前処理がなされた映像信号をコネクタ14Jを介して外部のディスプレイ装置などに供給することで撮影中の映像を外部のディスプレイ装置に表示させる。
【0011】
記録再生部14Gは、信号処理部14Cから制御部14Dを介して供給される記録用の映像データを、記録媒体に記録し、また、前記記録媒体から再生した映像データを制御部14Dを介してビューファインダー30あるいは外部のディスプレイ装置に供給するものである。
前記記録媒体としては、例えば、磁気記録テープ、光ディスク、あるいは、ハードディスクなどの従来公知のさまざまな記録媒体が利用可能である。
【0012】
I/F部14Hは、制御部14Dとビューファインダー30との間で前記映像信号の授受やその授受にまつわる制御信号などのやり取りを行うものである。
【0013】
操作部14Eは、撮像装置10の動作にまつわる種々の設定を行うために操作されるスイッチやボリュームなどで構成されている。
表示部14Fは、撮像装置10の動作状態を表示するディスプレイやLEDランプなどで構成されている。
制御部14Dは、上述した信号処理部14C、I/F部14H、操作部14E、表示部14F、記録再生部14Gの制御を司るものである。
具体的には、制御部14Dは、CPU、ワーキングエリアを提供するRAM、制御プログラムなどを格納するROM、信号処理部14C、I/F部14H、操作部14E、表示部14Fとの間で制御信号やデータ信号を授受するための周辺LSIなどを含むマイクロコンピュータによって構成されており、前記CPUが前記ROMの制御プログラムを実行することによって種々の制御動作を実行する。
【0014】
電源部14Iは、不図示の外部電源から供給される電力に基づいて生成した電力を、撮像素子14B、信号処理部14C、I/F部14H、操作部14E、表示部14F、記録再生部14Gに供給することで、それら各部を動作させるものである。また、電源部14Iからの電力はコネクタ14Jを介してビューファインダー30に供給されることでビューファインダー30を動作させるものである。
なお、本実施の形態では、記録再生部14Gがカメラボディ14に内蔵されている場合について説明したが、記録再生部14Gがカメラボディ14の外部に設けられていてもよい。その場合には、記録再生部14Gとカメラボディ14とをケーブルで接続し、ケーブルを介して映像信号などの授受を行うようにすればよい。
【0015】
次に、ビューファインダー30について説明する。
図2、図3に示すように、ビューファインダー30は、ディスプレイユニット31と、接眼ユニット36とを含んで構成されている。
ディスプレイユニット31は、本体部32と、ディスプレイ部34とを含んで構成されている。
本体部32には、ディスプレイ部34を動作させるための回路が収容されている。
ディスプレイ部34は、カメラボディ14から供給される映像信号に基づいて表示面3402に映像を表示するものである。
接眼ユニット36はディスプレイ部34の表示面3402に表示される映像を拡大表示するものである。
本実施の形態では、ディスプレイ部34は映像を表示する表示装置として液晶ディスプレイ装置を含んで構成されている。
なお、表示装置は液晶ディスプレイ装置に限定されるものではなく、有機ELディスプレイ装置など従来公知のさまざまな表示装置が採用可能である。
【0016】
図7は本体部32およびディスプレイ部34の斜視図、図8は本体部32およびディスプレイ部34の上下を反転させた斜視図である。
図9は本体部32とディスプレイ部34との分解斜視図である。
図10はディスプレイ部34の起立状態を示す斜視図、図11(A)は図10のA矢視図、(B)は図10のB矢視図、(C)は図10のC矢視図である。
図7、図8に示すように、本体部32は、ケース3202を有し、ケース3202にはカメラボディ側取り付け部19に装脱可能に装着される本体部側取り付け部3204が設けられている。
本実施の形態では、本体部側取り付け部3204は、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態で後方に臨む後面に、左右方向に延在形成された係合溝3204Aを含んで構成されている。なお、本体部側取り付け部3204とカメラボディ側取り付け部19と装脱する構成には従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
図9に示すように、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態で、ケース3202が前方に臨む前面と下方に臨む下面に、ディスプレイ部34の動作にまつわる種々の操作を行うための操作部材3210が設けられている。
操作部材3210は、複数のボリューム3210A、複数の切り替えスイッチ3210B、複数の押しボタンスイッチ3210Cなどを含んでいる。
また、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態で、図7、図8に示すように、左外側方に臨む面は、ディスプレイ部34が連結される連結面3220として形成されている。
【0017】
ディスプレイ部34は、図7乃至図10に示すように、支持体40と、ディスプレイパネル42と、連結機構44とを含んで構成されている。
支持体40は、本体部32の連結面3220上に回転可能に連結されている。この支持体40の本体部32への連結は連結機構38によりなされ、連結機構38は、本体部32により回転可能に支持され支持体40に取着された支軸46を含んで構成され、図10において符号L1は支持体40の回転中心を示し、この回転中心L1は、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態で、カメラボディ14の左右方向に延在している。
なお、連結機構38は摩擦抵抗が支軸46に付与され、支持体40は所望の揺動角度で保持されるように構成されており、連結機構38として、このような摩擦抵抗式のものやクリック機構式のものなど従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
支持体40は、上下の高さよりも左右方向の幅が大きい細長形状の板材で形成されている。
連結面3220と反対に位置する支持体40の面に弾性材48が設けられている。この支持体40の面は、後述する倒伏状態でディスプレイパネル42の背面5604に臨む面である。
弾性材48は、例えば、ゴムや発泡ウレタンなどのような弾性を有する材料で薄い円板状に形成され、本実施の形態では、支持体40の面に形成された凹部に収容され前記面から突出するように設けられている。
【0018】
図9に示すように、支持体40の長手方向の端部に複数の軸受け部50が膨出形成されている。
また、図7、図9に示すように、支持体40の長手方向と直交する方向の両側のうちの一方の側部に円弧状の軸受け壁52が設けられ、また、図8、図9に示すように、前記両側のうちの他方の側部に係止凹部54が設けられている。
【0019】
図9、図10に示すように、ディスプレイパネル42は、長方形板状のケース56を有し、ケース56に前記液晶ディスプレイ装置が収容されている。
図10、図11(A)乃至(C)に示すように、ケース56は、前面5602と、前面5602の反対側に位置する背面5604とを有している。
前面5602は、開口5606が形成された前面板5610と、開口5606の内側に位置するように設けられた表示面3402とを含んで構成されている。
図9に示すように、ケース56の短辺部分には、複数の軸受け部50の間に挿入される軸受け部58が膨出形成されている。
支持体40とディスプレイパネル42は軸受け部50の間に軸受け部58が挿入され、それら軸受け部50、58の間に支軸60(図7参照)が挿入されることで結合される。
したがって、本実施の形態では、連結機構44は、ディスプレイパネル42の短辺部分と、支持体40の長手方向の端部とを連結しており、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態で支軸60は、カメラボディ14の上下方向に延在している。
また、本実施の形態では、軸受け部50、軸受け部58、支軸60などにより連結機構44が構成され、この連結機構44は摩擦抵抗が支軸60に付与され、ディスプレイパネル42は所望の揺動角度で保持されるように構成されており、連結機構44として、このような摩擦抵抗式のものやクリック機構式のものなど従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
そして、連結機構44により、支持体40とディスプレイパネル42とは、支持体40にディスプレイパネル42が重ね合わされた倒伏状態(図3、図7参照)と、支持体40からディスプレイパネル42が起立した起立状態(図5、図10参照)との間で支軸60を中心として揺動可能に連結される。なお、図7において符号L2はディスプレイパネル42の揺動中心を示す。
そして、図7に示すように、倒伏状態で、背面5604が支持体40に臨み、前面5602が外方に向けられる。
より詳細には、図3に示すように、本体部32がカメラボディ14に取り付けられた状態において、ディスプレイパネル42が倒伏状態となると、ディスプレイパネル42の表示面3402は、カメラボディ14の左外側方に向き、図5に示すように、ディスプレイパネル42が起立状態となると、ディスプレイパネル42の表示面3402は後方に向けられる。
【0020】
図12、図13は接眼ユニット36の斜視図、図14は本体部32、ディスプレイ部34、接眼ユニット36の平面図、図15は図14のA矢視図、図16は接眼ユニット36の装着状態の説明図である。
図12、図13に示すように、接眼ユニット36は、ミラーおよび複数のレンズを含む光学系3602と、光学系を収容する筒状のハウジング3604と、ハウジング3604の長手方向の一方の端部に設けられた接眼ユニット側取り付け部3606と、ハウジング3604の長手方向の他方の端部に設けられたアイピース3608などを含んで構成されている。
接眼ユニット側取り付け部3606は、表示面3402に対応した大きさの横長の開口3610を有している。
図12乃至図15に示すように、開口3610の周囲に沿って、ディスプレイパネル42の前面板5610を押圧可能な枠部3612が延在形成されている。
また、開口3610の上部には、軸受け壁52に装脱される支軸62が設けられ、開口3610の下部には、係止凹部54に係脱する係止爪64が設けられている。
図16に示すように、接眼ユニット36のディスプレイ部34への装着状態は、倒伏状態において、枠部3612が前面板5610を押圧し、弾性材48が支持体40とディスプレイパネル42の背面5604により圧縮されることで形成される。
より詳細に説明すると、倒伏状態において支軸62が軸受け壁52に係合され、係止爪64が係止凹部54に係止される。これにより、枠部3612が前面板5610を押圧し、弾性材48が支持体40とディスプレイパネル42の背面5604により圧縮され、接眼ユニット36のディスプレイ部34への装着状態が形成される。
したがって、接眼ユニット36のディスプレイ部34への装脱を行なう装脱機構が、支軸62、軸受け壁52、係止爪64、係止凹部54により構成されている。なお、このような装脱機構として従来公知のさまざまな構造が採用可能である。
【0021】
図17(A)、(B)、図18(A)、(B)は、ディスプレイ部34から接眼ユニット36を取り外す際の説明図である。
図17(A)に示すようにディスプレイ部34に接眼ユニット36が装着された状態で、図17(B)に示すように係止爪64を係止凹部54から外れる方向に操作する。
係止爪64が係止凹部54から外れたならば、図18(A)に示すように、支軸62を支点に接眼ユニット36を回動させ、図18(B)に示すように、支軸62を軸受け壁52から外す。
これにより、ディスプレイ部34から接眼ユニット36が取り外される。
【0022】
次に、撮像装置10およびビューファインダー30の使用方法について説明する。
図1、図2に示すように、ディスプレイ部34に接眼ユニット36を装着した場合には、撮影者はアイピース3608内を覗くことにより、拡大された表示面3402の映像を視認することができる。
この場合、ディスプレイパネル42および接眼ユニット36を回転中心L1を中心に回動させることで撮影アングルを上下方向に任意に変えることができる。
したがって、例えば、撮影者は肩にカメラボディ14の肩パッド22を載せても、カメラボディ14を抱えてもアイピース3608内を楽な姿勢で覗くことができる。
【0023】
また、図3、図4に示すように、ディスプレイ部34から接眼ユニット36を取り外し、図5に示すように、ディスプレイパネル42を揺動中心L2を中心に揺動させ起立状態とした場合、撮影者は肩にカメラボディ14の肩パッド22を載せても表示面3402は後方を向いているので、撮影者は表示面3402を直接肉眼で見ることができる。また、カメラボディ14を抱えてもディスプレイパネル42を回転中心L1を中心に回転させることができるので、撮影者は表示面3402を楽な姿勢で直接肉眼で見ることができ、したがって、表示面3402を直接肉眼で見ながら撮影アングルを上下方向に変えつつ撮影を行うことも可能となる。
したがって、撮影者はカメラボディ14を肩に載せても抱えてもディスプレイパネル42の表示面3402を楽な姿勢で直接視認しつつ撮影を行うことが可能となる。
【0024】
本実施の形態によれば、ディスプレイ部34から接眼ユニット36を取り外してディスプレイパネル42の表示面3402を直接視認する場合、ディスプレイパネル42を起立状態にでき、しかも、起立状態としたディスプレイパネル42を本体部32上で回転できるので、撮影者は不自然な姿勢を強いられることがなく、ディスプレイパネル42の表示面3402を視認しやすく、自由に撮影アングルを変えることができ、使い勝手の向上を図る上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、ディスプレイ部34に接眼ユニット36を装着して使用する場合には、ディスプレイパネル42が倒伏状態となり、接眼ユニット36の装着状態で、弾性材48が支持体40とディスプレイパネル42の背面5604により圧縮されているので、起立状態と倒伏状態との間で揺動するディスプレイパネル42が接眼ユニット36の装着状態でがたつくことがなく、したがって、アイピース3608を覗いた際の表示面3402の視認性を確保する上で有利となる。
【0025】
なお、本実施の形態では、撮像装置10のカメラボディ14に装脱可能に装着に装着されるビューファインダー30について説明したが、ビューファインダー30の本体部32がカメラボディ14に一体的に設けられていてもよく、そのような撮像装置10についても本発明は無論適用される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】ビューファインダー30が装着された撮像装置10の斜視図である。
【図2】ビューファインダー30が装着された撮像装置10の斜視図である。
【図3】ビューファインダー30から接眼ユニット36が取り外されディスプレイパネル42が左側方を向いた状態を示す撮像装置10の斜視図である。
【図4】ビューファインダー30から接眼ユニット36が取り外されディスプレイパネル42が左側方を向いた状態を示す撮像装置10の斜視図である。
【図5】ビューファインダー30から接眼ユニット36が取り外されディスプレイパネル42が起立状態となった斜視図である。
【図6】撮像装置10の構成を示すブロック図である。
【図7】本体部32およびディスプレイ部34の斜視図である。
【図8】本体部32およびディスプレイ部34の上下を反転させた斜視図である。
【図9】本体部32とディスプレイ部34との分解斜視図である。
【図10】ディスプレイ部34の起立状態を示す斜視図である。
【図11】図11(A)は図10のA矢視図、(B)は図10のB矢視図、(C)は図10のC矢視図である。
【図12】接眼ユニット36の斜視図である。
【図13】接眼ユニット36の斜視図である。
【図14】本体部32、ディスプレイ部34、接眼ユニット36の平面図である。
【図15】図14のA矢視図である。
【図16】接眼ユニット36の装着状態の説明図である。
【図17】(A)、(B)はディスプレイ部34から接眼ユニット36を取り外す際の説明図である。
【図18】(A)、(B)は、ディスプレイ部34から接眼ユニット36を取り外す際の説明図である。
【符号の説明】
【0027】
10……撮像装置、14……カメラボディ、30……ビューファインダー、32……本体部、34……ディスプレイ部、36……接眼ユニット、40……支持体、42……ディスプレイパネル、44……連結機構。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラボディに装脱可能に装着される本体部と、
前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、
前記ディスプレイ部は、
前記本体部に回転可能に連結された支持体と、
表示面を有するディスプレイパネルと、
前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構と、
を備えることを特徴とするビューファインダー。
【請求項2】
前記支持体は、高さよりも幅が大きい細長形状を呈し、
前記連結機構は、前記ディスプレイパネルの端部と、前記支持体の長手方向の端部とを連結している、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項3】
前記支持体は、高さよりも幅が大きい細長形状を呈し、
前記ディスプレイパネルは、長方形を呈し、
前記連結機構は、前記ディスプレイパネルの短辺部分と、前記支持体の長手方向の端部とを連結している、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項4】
前記支持体と前記ディスプレイパネルは共に板状を呈し、
前記倒伏状態で、前記ディスプレイパネルと前記支持体は平行し、前記起立状態で、前記ディスプレイパネルは前記支持体に対して直交する、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項5】
前記ディスプレイパネルは、前記表示面を有する前面と、前記前面の反対側に位置する背面とを有し、
前記倒伏状態で、前記背面が前記支持体に臨み、前記前面が外方に向けられる、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項6】
前記ディスプレイパネルは、前記表示面を有する前面と、前記前面の反対側に位置する背面とを有し、
前記倒伏状態で、前記背面が前記支持体に臨み、前記前面が外方に向けられ、
前記倒伏状態で前記支持体が前記ディスプレイパネルの前記背面に臨む面に弾性材が設けられ、
前記接眼ユニットの前記ディスプレイ部への装着状態は、前記倒伏状態において形成され、
前記装着状態で、前記弾性材が前記支持体と前記ディスプレイパネルの背面により圧縮される、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項7】
前記ディスプレイパネルは、前面と、前記前面の反対側に位置する背面とを有し、
前記前面は、開口が形成された前面板と、前記開口の内側に位置するように設けられた前記表示面とを含んで構成され、
前記倒伏状態で、前記背面が前記支持体に臨み、前記前面が外方に向けられ、
前記倒伏状態で前記支持体が前記ディスプレイパネルの前記背面に臨む面に弾性材が設けられ、
前記接眼ユニットは、前記ディスプレイパネルの前記前面板を押圧可能な枠部を有し、
前記接眼ユニットの前記ディスプレイ部への装着状態は、前記倒伏状態において、前記枠部が前記前面板を押圧し、前記弾性材が前記支持体と前記ディスプレイパネルの背面により圧縮されることで形成される、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項8】
前記ディスプレイパネルは、前面と、前記前面の反対側に位置する背面とを有し、
前記前面は、開口が形成された前面板と、前記開口の内側に位置するように設けられた前記表示面とを含んで構成され、
前記倒伏状態で、前記背面が前記支持体に臨み、前記前面が外方に向けられ、
前記倒伏状態で前記支持体が前記ディスプレイパネルの前記背面に臨む面に弾性材が設けられ、
前記接眼ユニットは、前記ディスプレイ部に装脱可能に装着される接眼ユニット側取り付け部を有し、
前記接眼ユニット側取り付け部は、前記表示面に対応した大きさの開口と、前記開口の周囲を延在し前記ディスプレイパネルの前記前面板を押圧可能な枠部を有し、
前記接眼ユニットの前記ディスプレイ部への装着状態は、前記倒伏状態において、前記枠部が前記前面板を押圧し、前記弾性材が前記支持体と前記ディスプレイパネルの背面により圧縮されることで形成される、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項9】
前記接眼ユニットの前記ディスプレイ部への装脱を行なう装脱機構が設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載のビューファインダー。
【請求項10】
映像を撮像するカメラボディと、
前記カメラボディに設けられたビューファインダーとを備え、
前記ビューファインダーは、
前記カメラボディに装脱可能に装着される本体部と、
前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、
前記ディスプレイ部は、
前記本体部に回転可能に連結された支持体と、
表示面を有するディスプレイパネルと、
前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
前記カメラボディは前後に延在し、
前記支持体は、前記本体部が前記カメラボディに装着された状態で、前記カメラボディの左右方向を延在する仮想軸の周りに回転可能に前記本体部に連結されており、
前記表示面は、前記倒伏状態で前記カメラボディの左右側方に向けられ、前記起立状態で後方に向けられる、
ことを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
映像を撮像するカメラボディと、
前記カメラボディに設けられたビューファインダーとを備え、
前記ビューファインダーは、
前記カメラボディに一体的に設けられた本体部と、
前記カメラボディ側で撮像する映像が表示されるディスプレイ部と、
前記ディスプレイ部に装脱可能に装着され前記ディスプレイ部で表示された映像を拡大する接眼ユニットとを備え、
前記ディスプレイ部は、
前記本体部に回転可能に連結された支持体と、
表示面を有するディスプレイパネルと、
前記支持体と前記ディスプレイパネルとを、前記支持体に前記ディスプレイパネルが重ね合わされた倒伏状態と、前記支持体から前記ディスプレイパネルが起立した起立状態との間で揺動可能に連結する連結機構と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項13】
前記カメラボディは前後に延在し、
前記支持体は、前記カメラボディの左右方向を延在する仮想軸の周りに回転可能に前記本体部に連結されており、
前記表示面は、前記倒伏状態で前記カメラボディの左右側方に向けられ、前記起立状態で後方に向けられる、
ことを特徴とする請求項12記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−205532(P2008−205532A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35847(P2007−35847)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】