ファイル転送装置、ファイル転送方法及びファイル転送プログラム
【課題】情報端末で行うファイル転送において、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすること。
【解決手段】ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを画面に表示する。
【解決手段】ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを画面に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末間のファイル転送を可視化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では数多くの情報端末が存在し、日常生活においてそれら情報端末を利用して各種のファイルを取り扱うことができる。特に、携帯電話やスマートフォンなどに代表される携帯型情報端末の性能や機能が高度化しており、音楽や写真だけでなく映像などの様々なマルチメディアファイル(以下、ファイル)を容易に利用することが可能である。
【0003】
最近では、そのようなファイルを情報端末間で転送して利用することが多く、例えば、デジタルカメラなどの撮像機器で撮影した映像ファイルを情報端末に転送したり、自己の個人情報ファイルを相手の情報端末に転送することにより、転送先の情報端末で受信して表示・再生する処理や操作が頻繁に行われる。
【0004】
ここで、そのようなファイルに対する様々な処理のうち、すぐに完了しないような処理が行われた場合には、ユーザに対してその処理の進捗状況を視覚的にフィードバックすることが重要である(非特許文献1参照)。
【0005】
例えば、図22に示すようなプログレスバーは、処理全体の何%が完了しているかを視覚的に表現するのに適している。特に、情報端末間で行うファイル転送処理は、情報処理において人が長いと感じる程度の処理時間を要することから、そのようなプログレスバーを画面に表示することにより、ユーザに対して転送処理の進捗状況を視覚的にフィードバックすることが通常行われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Brad A.Myers、「The Inportance of Percent-Done Progress Indicators for Computer-Human Interfaces」、In Proc.CHI’85、p.11-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、サイズの大きいファイルや複数のファイルを転送する場合、前述したようなプログレスバーの表示では、ユーザに対して正確に進捗状況を伝えることが難しい場合がある。
【0008】
例えば、映像ファイルは、画像ファイルよりもファイルサイズが大きく転送処理に膨大な時間を要するため、プログレスバーの進行速度が遅く、その画面変化が極めて小さいことから、転送処理の進捗状況を正しく伝えることが困難である。
【0009】
このような課題に対し、ファイル転送率やファイル転送量を数字で表示することにより、ユーザによる進捗状況の把握を支援する方法もある。
【0010】
しかし、転送処理全体の何%が完了しているかを把握できるにすぎず、転送中のファイルの内容がどのようなものであるかについては把握できない。そのため、意図した内容のファイルを転送していたとしても、ユーザはその内容を確認できないことから、途中で転送処理を中断するような操作をファイル内容の確認結果に基づいて実行することは不可能である。
【0011】
また、複数のファイルを転送する場合には、どのようなファイルが転送済で、どのようなファイルが転送中なのかをファイル名から推測できるが、視覚的にそのファイルの内容を確認することは難しい。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、情報端末で行うファイル転送において、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載のファイル転送装置は、記憶手段からファイルを読み出して転送する転送手段と、前記ファイルのサムネイルを生成する生成手段と、前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを画面に表示するため、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【0015】
請求項2記載のファイル転送装置は、請求項1記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、前記ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながらそのファイルのサムネイルを表示するため、例えば、ファイルのサムネイルが送信端末から受信端末に移動するように表示することが可能となることから、視覚的にファイルの転送を表現することができる。
【0017】
請求項3記載のファイル転送装置は、請求項1又は2記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、前記ファイルの転送率が増加するに従って、前記ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示し、前記ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するため、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0019】
請求項4記載のファイル転送装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示するため、ファイルの転送順を視覚的に確認することができる。
【0021】
請求項5記載のファイル転送装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記ファイルは映像ファイルであって、前記生成手段は、前記映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成するため、複数のサムネイルが映像ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら画面に表示されることから、どの映像区間まで転送が完了したかを視覚的に確認することができる。
【0023】
請求項6記載のファイル転送装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、前記転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信するため、転送を受ける側であっても、意図しないファイルの転送を途中で中断することができる。
【0025】
請求項7記載のファイル転送方法は、ファイル転送装置で行うファイル転送方法において、記憶手段からファイルを読み出して転送する転送ステップと、前記ファイルのサムネイルを生成する生成ステップと、前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するため、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0027】
請求項8記載のファイル転送プログラムは、請求項7記載のファイル転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、情報端末で行うファイル転送において、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ファイル転送システムの機能ブロック構成例を示す図である。
【図2】ファイル選択例を示す図である。
【図3】転送ファイル情報例を示す図である。
【図4】ファイル転送制御の操作例を示す図である。
【図5】ファイル転送制御状態情報例を示す図である。
【図6】受信ファイル情報例を示す図である。
【図7】ファイル転送システムの全体動作フロー例を示す図である。
【図8】ファイル選択処理の動作フロー例を示す図である。
【図9】ファイル転送処理の動作フロー例を示す図である。
【図10】サムネイル生成処理の動作フロー例を示す図である。
【図11】映像ファイルのサムネイル例を示す図である。
【図12】画像ファイルの送信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図13】画像ファイルの送信状態表示例を示す図である。
【図14】映像ファイルの送信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図15】映像ファイルの送信状態表示例を示す図である。
【図16】受信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図17】送信状態表示例を示す図である。
【図18】送信端末と受信端末間でのサムネイルの表示例を示す図である。
【図19】サムネイル到達状態通知の管理例を示す図である。
【図20】ファイル転送システムの実施形態例を示す図である。
【図21】クラウド環境を利用したファイル転送システムの機能ブロック構成例を示す図である。
【図22】プログレスバーによる処理進捗状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、情報端末で行うファイル転送において、写真や映像などのファイル転送時に、そのファイルを用いて生成したサムネイルを、現在ファイル転送中であることが把握できるように変化させながら画面に表示することにより、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にするものである。
【0031】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0032】
〔ファイル転送システムの構成について〕
図1は、本実施の形態に係るファイル転送システムの機能ブロック構成を示す図である。このファイル転送システムは、転送によりファイルを送信する送信端末100と、無線通信路500を介して送信端末100から転送(送信)されたファイルを受信する受信端末300とで主に構成される。
【0033】
なお、送信端末100の各機能部(後述)を受信端末300に具備させ、受信端末300の各機能部(後述)を送信端末100に具備させることも可能である。即ち、送信端末100及び受信端末300の全機能を一装置に具備させて、転送(送信)及び受信の両機能を備えた1つのファイル転送装置としてもよい。
【0034】
送信端末100及び受信端末300の全機能部(後述)は、例えば、CPUなどの制御手段やメモリなどの記憶手段により実現できる。また、それら機能部で行う各処理は、それら各処理を実行可能なプログラムにより実現できる。
【0035】
(送信端末の機能について)
最初に、送信端末100の有する機能について説明する。送信端末100は、情報端末であり、ファイル保持部11と、ファイル選択部12と、転送ファイル記憶部13と、サムネイル生成部14と、転送制御受付部15と、現状態記憶部16と、ファイル通信部17と、ファイル表示部18とで主に構成される。
【0036】
ファイル保持部11は、送信端末100に搭載されているフラッシュメモリやハードディスクなどの記憶手段を利用して、1以上のファイルを保持・記憶する機能を有する。
【0037】
ファイルとは、送信端末100や受信端末300で保持・記憶・利用可能なものであれば、種類などにより何ら制限されない。例えば、コンピュータが実行可能なプログラムファイルや、ユーザにより生成された音楽、写真、映像などのデータファイルが一例とされる。
【0038】
ファイル選択部12は、ファイル保持部11から全てのファイルを読み出して、ユーザの指定条件に該当するファイルを転送対象ファイルとして選択する機能を有する。
【0039】
例えば、図2(a)に示すように、ファイル保持部11に保持されている全てのファイルを送信端末100の画面に一覧表示し、ユーザにより直接指定されたファイルを選択する方法や、同図(b)に示すように、日付やファイルサイズなどの条件が与えられたフィルタによりフィルタリングされたファイルを選択する方法がある。
【0040】
転送ファイル記憶部13は、ファイル選択部12によって選択された転送対象ファイルのファイル名と、そのファイルのサイズと、そのファイルのサムネイルIDと、そのファイルの転送状態とを関連付けて転送ファイル情報として記憶し、その転送対象ファイルを記憶する機能を有する。
【0041】
サムネイルIDとは、転送対象ファイルのサムネイルを識別する識別情報であり、サムネイル生成部14によって生成される。
【0042】
転送状態とは、転送対象ファイルの転送状態を示し、「転送前」,「転送中」,「完了」の3つの状態で定義され、ファイル転送処理時に利用される。特に、「転送中」の場合には、転送処理が完了しているファイルのサイズが記憶される。
【0043】
図3に、file1〜file4が転送対象ファイルとして選択された場合の転送ファイル情報例を示す。file1は、転送処理が既に完了している。file2とfile3は、現在転送中で、それぞれ2メガバイトずつ転送が完了している。file4は、転送前である。
【0044】
file1とfile2は、画像ファイルなので、その1つの画像ファイルから生成されたサムネイルのIDが1つ記憶されている。一方、file3とfile4は、複数の画像ファイルからなる映像ファイルなので、それら複数の画像ファイルから生成された複数のサムネイルのIDがそれぞれ記憶されている。
【0045】
サムネイル生成部14は、ファイル保持部11からファイルを読み出して、そのファイルのサムネイルを生成し、生成したサムネイルを識別するID(サムネイルID)を当該サムネイルに与え、そのサムネイルIDを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記録する機能を有する。このサムネイルは、ファイル転送処理の進捗状態を表示する際に利用される。
【0046】
サムネイルとは、ファイルの内容を視覚的に把握可能なファイルの縮小画像である。例えば、写真であれば、その写真の絵を絵柄が分かる程度に小さくして表示したものである。
【0047】
転送対象ファイルが、写真などの1つの画像ファイルで構成されている場合には、その画像ファイルから1つのサムネイルを生成し、映像ファイルなどの時系列で連続する複数の画像フレームデータで構成されている場合には、それら複数の画像フレームデータの先頭から一定時間間隔で複数のサムネイルを生成する。
【0048】
なお、サムネイル生成部14は、転送対象ファイルを含む全てのファイルについてサムネイルを生成してもよいし、転送ファイル記憶部13から転送対象ファイルを読み出して、その転送対象ファイルについてのみサムネイルを生成してもよい。
【0049】
転送制御受付部15は、転送開始や転送中断などのファイル転送制御に関するユーザ指示を受け付けて、その指示内容に対応するファイル転送制御状態を現状態記憶部16に記憶させ、その指示内容に応じたファイル転送処理を実行(開始、中断など)する機能を有する。
【0050】
例えば、図4に示すように、転送開始や転送中断を実行する各種操作ボタンの押下、フリック操作などのタッチディスプレイ上での特別なジェスチャ、送信端末100を傾けるといった、送信端末100に対する所定の操作をユーザ指示として受け付けて、その指示内容に対応するファイル転送制御状態を現状態記憶部16に記憶させ、その指示内容に応じたファイル転送処理を実行する。
【0051】
具体的には、図4(a)の場合、転送開始ボタンが押し下げられた際にファイル転送処理を開始し、転送中断ボタンが押し下げられた際に中断する。同図(b)の場合には、画面に表示されているサムネイルが画面の上端側(受信端末300側)にフリックされた際にファイル転送処理を開始し、画面に表示されているサムネイルが画面の下端側(受信端末300と逆側)やサムネイルの移動方向に逆らう方向にフリックされた際に終了する。同図(c)の場合には、送信端末100が基準角度からしきい値の角度以上傾けられた際にファイル転送処理を開始し、その傾きがしきい値を下回った場合に終了する。
【0052】
現状態記憶部16は、送信端末100と受信端末300のファイル転送制御状態をファイル転送制御状態情報として記憶する機能を有する。この情報を利用して、ファイル通信部17によりファイル転送処理が実行(開始・中断など)される。
【0053】
図5に、ファイル転送制御状態情報例を示す。ファイル転送制御状態は、「転送可能」と「転送不可能」の2つの状態で定義され、送信端末100と受信端末300のそれぞれの状態が記憶される。また、ファイル転送率もあわせて記載され、送信端末100内のファイル通信部17や他の制御手段(図1において不図示)により随時更新される。
【0054】
ファイル通信部17は、送信端末100から転送(送信)され、送信端末100で受信される全ての実データ(ファイルやサムネイルなどの実データなど)を制御(転送(送信)・受信)する機能を有する。
【0055】
例えば、転送ファイル記憶部13から転送ファイル情報を読み出して、受信端末300に事前に送信(転送)すると共に、サムネイル生成部14によって生成された転送対象ファイルのサムネイルを受信端末300に事前に送信(転送)する。また、転送ファイル記憶部13に記憶されている転送対象ファイルを読み出して、無線通信路500を介して受信端末300に転送する。
【0056】
なお、受信端末300との間の通信路には、無線LANやBluetoothなどの無線が利用されるが、有線を利用するようにしてもよい。
【0057】
ファイル表示部18は、サムネイル生成部14によって生成された転送対象ファイルのサムネイルの動きを利用することにより、ファイル転送の進捗状態や進捗状況を送信端末100の画面に表示する機能を有する。
【0058】
具体的には、ファイル通信部17による転送対象ファイルのファイル転送度にあわせて、転送送信中であることが把握できるように、表示状態(例えば、表示位置、表示サイズ、表示色など、2つ以上の組み合わせも可)を変化させながらその転送対象ファイルのサムネイルを送信端末100の画面に表示する。転送対象ファイルが映像ファイルの場合には、その映像ファイルから生成した複数のサムネイルをその生成順に順次表示する。
【0059】
(受信端末の機能について)
次に、受信端末300の有する機能について説明する。受信端末300は、情報端末であり、図1に示したように、ファイル通信部31と、ファイル表示部32と、受信ファイル記憶部33と、ファイル保持部34と、転送制御受付部35と、現状態記憶部36とで主に構成される。
【0060】
ファイル通信部31は、送信端末100のファイル通信部17と同様に、受信端末300から転送(送信)され、受信端末300で受信される全ての実データを制御(転送(送信)・受信)する機能を有する。
【0061】
例えば、送信端末100から事前に送信(転送)された転送ファイル情報や転送対象ファイルのサムネイルを受信する。また、送信端末100から転送された転送対象ファイルを受信する。
【0062】
ファイル表示部32は、送信端末100のファイル表示部18と同様に、送信端末100から送信(転送)された転送対象ファイルのサムネイルの動きを利用することにより、ファイル転送の進捗状態や進捗状況を受信端末300の画面に表示する機能を有する。
【0063】
具体的には、送信端末100の画面に表示されているサムネイルの動作やファイル転送度にあわせて、転送受信中であることが把握できるように、表示状態を変化させながらそのサムネイルを受信端末300の画面に表示する。
【0064】
受信ファイル記憶部33は、送信端末100から送信された転送ファイル情報を用いて、転送対象ファイルのファイル名と、そのファイルのサイズと、そのファイルのサムネイルIDと、受信が完了したファイルのサイズとを関連付けて受信ファイル情報として記憶し、転送されたファイルを一旦記憶する機能を有する。このサムネイルIDは、送信端末100からの転送が完了したサムネイルIDである。
【0065】
図6に、file1〜file3の受信ファイル情報例を示す。file1は、受信が完了している。file2とfile3は、現在受信中で、それぞれ2メガバイトずつ受信が完了している。
【0066】
ファイル保持部34は、送信端末100からの転送が完了したファイルを継続的に保持する機能を有する。
【0067】
転送制御受付部35と現状態記憶部36は、送信端末100の転送制御受付部15と現状態記憶部16とそれぞれ同様であることから、ここでの説明は省略する。
【0068】
〔ファイル転送システムの動作について〕
次に、本実施の形態に係るファイル転送システムの動作について説明する。最初に、ファイル転送システムの全体動作について説明した後に、その全体動作内で行う各処理の動作を個別に説明する。
【0069】
(ファイル転送システムの全体動作について)
まず、ファイル転送システムの全体動作について説明する。図7は、送信端末100と受信端末300間で行うファイル転送システムの全体動作フローを示す図である。
【0070】
ファイル転送が開始されると、最初に、送信端末100が、ファイル選択処理(ステップS101)を実行して転送対象ファイルを選択し、ファイル転送処理(ステップS102)を開始する。
【0071】
次に、送信端末100は、転送相手の受信端末300で転送によるファイル受信が可能であるか否かを確認するため、その受信端末300に現状態通知リクエストを送信する(ステップS103)。
【0072】
次に、受信端末300は、送信端末100から現状態通知リクエストを受信した場合、受信状態確認処理(ステップS104)を実行して受信端末300での現在のファイル転送制御状態を取得し、その状態に基づいて、転送によるファイル受信が可能であるか否かを示す現状態通知を送信端末100に返信する(ステップS105)。
【0073】
例えば、受信端末300での転送開始ボタンや受信開始ボタンなどの押下操作の有無により、ファイル受信が可能か否かを決定する。また、近接センサによる送信端末100との間の距離に基づく通信相手検出・非検出や、受信キャンセルボタンの押下操作などにより、その状態を変更してもよい。
【0074】
次に、送信端末100は、受信端末300で転送によるファイル受信が可能な場合、送信状態表示処理(ステップS106)を開始して転送対象ファイルのサムネイルを画面に表示し、転送ファイル情報と転送対象ファイルのサムネイルを受信端末300に送信(転送)する(ステップS107)。
【0075】
次に、送信端末100は、受信端末からサムネイル転送完了通知を受信した後に(ステップS108)、転送対象ファイルの転送を開始すると共に(ステップS109)、その転送対象ファイルのサムネイルを、転送送信中であることが把握できるように、ファイルの転送率に応じて当該サムネイルの表示状態を変化させながら送信端末100の画面に表示する(ステップS110)。
【0076】
一方、受信端末300も、送信端末100からの転送対象ファイルを受信すると共に、受信状態表示処理を開始して(ステップS111)、受信している転送対象ファイルのサムネイルを、転送受信中であることが把握できるように、ファイルの転送率に応じて当該サムネイルの表示状態を変化させながら受信端末300の画面に表示する(ステップS112)。
【0077】
これにより、転送対象ファイルのサムネイルが送信端末100や受信端末300の各画面に表示されていることから、現在転送されているファイルの内容を視覚的に把握することが可能となる。また、そのサムネイルの表示状態を転送率に応じて変化させることから、ファイル転送処理の進捗状況を視覚的に把握することができる。
【0078】
ここで、受信端末300は、ファイル転送中に、転送対象であるファイルの内容を確認したユーザにより、現在転送中のファイルの受信を中断するか否かを受け付けることが可能であり、ファイル受信を中断する場合には、転送中断リクエストを送信端末100に送信し、中断しない場合には、ファイル受信を継続する(ステップS113)。
【0079】
次に、送信端末100は、受信端末300から転送中断リクエストを受信した場合、現在転送中のファイル転送処理や送信状態表示処理(サムネイル表示)を終了してステップS102に戻る(ステップS114)。
【0080】
最後に、送信端末100は、受信端末300からファイル転送完了通知を受信した後に、ステップS101で選択された全ファイルの転送が完了したか否かを判定する(ステップS115)。
【0081】
全ての転送対象ファイルが転送された場合には、処理を終了する。一方、未転送のファイルがある場合には、ステップS102に戻り、選択された全ての転送対象ファイルの転送処理が完了するまで、ステップS102〜S115を繰り返す。
【0082】
(ファイル選択処理の動作について)
次に、図7で示したステップS101のファイル選択処理の動作について説明する。図8は、ファイル選択処理の動作フロー例を示す図である。
【0083】
最初に、送信端末100のファイル選択部12が、ファイル保持部11に保持されている全てのファイルを読み出して、ユーザによって指定されたファイルを転送対象ファイルとして選択する(ステップS201)。
【0084】
最後に、ファイル選択部12は、ステップS201で選択された転送対象ファイルを転送ファイル記憶部13に記憶すると共に、その転送対象ファイルのファイル名やそのファイルサイズを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記憶し、更に、その転送ファイル情報内の転送状態を「転送前」とする(ステップS202)。
【0085】
(ファイル転送処理の動作について)
次に、図7で示したステップS109のファイル転送処理の動作について説明する。図9は、ファイル転送処理の動作フローを示す図である。なお、ここでは、サムネイル生成処理についてもあわせて説明する。
【0086】
最初に、送信端末100が、転送ファイル記憶部13から転送ファイル情報を読み出して(ステップS301)、転送状態が「転送前」のファイルが存在するか否かを判定する(ステップS302)。
【0087】
次に、ステップS302で「転送前」のファイルが存在する場合、サムネイル生成部14は、そのファイルをファイル保持部11又は転送ファイル記憶部13から読み出して、サムネイルを生成する(ステップS303)。
【0088】
次に、転送開始操作が検出され(ステップS304)、その転送開始操作が実行された場合(ステップS305)、ファイル通信部17が、送信端末100の現状態を示したファイル転送制御状態情報を現状態記憶部16から読み出して(ステップS306)、受信端末300で転送によるファイル受信が可能な状態であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0089】
次に、ステップS307で転送によるファイル受信が可能な状態である場合、ファイル通信部17が、転送ファイル情報を受信端末300に送信(転送)する(ステップS308)。このとき、受信端末300での受信状態表示処理で必要となるサムネイルもあわせて送信(転送)される。
【0090】
次に、ファイル通信部17が、転送前の転送対象ファイルを受信端末300に転送する(ステップS309)。このとき、ファイル表示部18によって送信状態表示処理(サムネイル表示)もあわせて実行される。
【0091】
最後に、ファイル転送処理終了後、ファイル通信部17が、転送ファイル情報の転送状態を「完了」に変更する(ステップS310)。
【0092】
なお、ステップS307で転送によるファイル受信が不可能な状態である場合には、ステップS308〜S310を行うことなく、処理を終了する。
【0093】
(サムネイル生成処理の動作について)
次に、図9で示したステップS303のサムネイル生成処理の動作について説明する。図10は、サムネイル生成処理の動作フローを示す図である。
【0094】
最初に、送信端末100のサムネイル生成部14が、転送対象ファイルが映像ファイルであるか否かを判定する(ステップS401)。
【0095】
次に、ステップS401で映像ファイルでないと判定された場合、すなわち、転送対象ファイルが1つの画像ファイルの場合、サムネイル生成部14は、その1つ画像ファイルを用いて、幅w×高さhのサムネイルTを1つ生成する(ステップS402)。
【0096】
一方、ステップS401で映像ファイルであると判定された場合、すなわち、転送対象ファイルが時系列な複数の画像ファイルの集合体の場合、サムネイル生成部14は、その映像ファイルを用いて、幅w×高さhのサムネイルTiを一定の生成時間間隔dで複数生成する(ステップS403)。なお、iは、生成されたサムネイルの番号であり、i=1〜nである(nは2以上の自然数)。
【0097】
最後に、サムネイル生成部14は、ステップS402又はステップS403で生成したサムネイルにIDを付与し、そのサムネイルIDを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記憶する(ステップS404)。
【0098】
図11に、映像ファイルから生成されたサムネイル例を示す。同図に示すように、映像の先頭から一定の生成時間間隔dでサムネイルが生成される。この生成時間間隔dは、映像長から動的に求めてもよいし、1秒毎というように固定長で設定してもよい。映像ファイルを構成している全ての画像フレームデータについてそれぞれサムネイルを生成してもよいし、2〜3つの画像フレームデータについて1つのサムネイルを生成してもよい。
【0099】
(送信状態表示処理の動作について)
次に、図7で示したステップS106〜S115の送信状態表示処理(サムネイル表示を含む)について、画像ファイルと映像ファイルの2つの場合に分けて説明する。
【0100】
最初に、画像ファイルの送信状態表示処理の動作について説明する。図12は、画像ファイルの送信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0101】
最初に、送信端末100のファイル通信部17が、サムネイル生成部14によって生成されたサムネイルを受信端末300に送信(転送)し(ステップS501)、全てのサムネイルの送信(転送)が完了した後に(ステップS502)、転送が開始されるファイルのサムネイル表示を開始する(ステップS503)。このとき、ファイル通信部17によって、図9で示したステップS309のファイル転送処理があわせて開始される。
【0102】
次に、ファイル表示部18は、そのサムネイル(幅w×高さh)の中心点pを、送信端末100の画面(幅W×高さHs)の座標(W/2,0)に配置して画面に表示する(ステップS504)。
【0103】
次に、ファイル表示部18は、そのサムネイルの中心点pが送信端末100の画面座標(W/2,Hs)に到達したか否かを判定し(ステップS505)、到達していない場合には、現状態記憶部16から現在のファイル転送率Eを読み出して(ステップS506)、以下の(1),(2)の更新式を利用してサムネイルの中心点p(x,y)をp’(x’,y’)に変更して画面に表示する(ステップS507)。
【0104】
x’=W/2 (1)
y’=2Hs・E (2)
その後、ファイル表示部18は、一定時間待機した後に(ステップS508)、ステップS505に戻り、サムネイルの中心点pが画面座標(W/2,Hs)に到達するまで、その中心点pを更新する処理を繰り返す。
【0105】
次に、ステップS505の判定で、ファイル転送率E=50%により、サムネイルの中心点pが画面座標(W/2,Hs)に到達した場合、ファイル表示部18は、サムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信端末300に送信する(ステップS509)。
【0106】
最後に、全ての転送対象ファイルの転送が完了したか否かを判定する(ステップS510)。全ての転送対象ファイルが転送された場合には、処理を終了する。一方、未転送の転送対象ファイルがある場合には、ステップS505に戻り、全ての転送対象ファイルの転送処理が完了するまで、ステップS505〜S510を繰り返す。
【0107】
なお、転送対象の画像ファイルが複数の場合には、それら複数の画像ファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを、各ファイルの転送順に順次表示する。
【0108】
以上より、例えば、図13に示すように、転送対象である画像ファイルから生成されたサムネイルTが、その画像ファイルのファイル転送率Eが0%から50%に増加するに従って、画面の下端(下辺)から上端(上辺:下辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0109】
なお、ステップS505におけるサムネイルの中心点pの到達座標や式(1),(2)の更新式を適宜変更することにより、ファイル転送率Eが増加するに従って、サムネイルを画面の上端から下端に移動するように表示することも可能である。また、図13のx軸とy軸を入れ替えることにより、画面の左端から右端に、又は右端から左端に移動するように表示することも可能である。
【0110】
また、式(1),(2)の更新式を適宜変更することにより、ファイル転送率Eが例えば40%になった場合に、サムネイルを画面に上端に移動するように表示することも可能である。
【0111】
次に、映像ファイルの送信状態表示処理の動作について説明する。図14は、映像ファイルの送信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0112】
最初に、送信端末100のファイル通信部17が、サムネイル生成部14によって生成されたサムネイルを受信端末300に送信(転送)し(ステップS601)、全てのサムネイルの送信(転送)が完了した後に(ステップS602)、転送が開始されるファイルのサムネイルの表示を開始する(ステップS603)。このとき、ファイル通信部17によって、図9で示したステップS309のファイル転送処理があわせて開始される。
【0113】
次に、ファイル表示部18が、現状態記憶部16から現在のファイル転送率Eを読み出して(ステップS604)、映像ファイルを構成している複数のフレーム数Fmと当該ファイル転送率Eとを床関数floorの変数に用いて、以下の式(3)より、既に転送された転送済ファイルのサムネイルの番号iを計算する(ステップS605)。
【0114】
i=floor(Fm/d・E) (3)
例えば、フレーム数Fmが100、サムネイル生成時間間隔dが10、現在のファイル転送率Eが9%の場合には、サムネイル位置番号iはfloor(100/10×9%)=floor(0.9)=0となる。これは、現在、1つ目のフレームが転送中であり、ファイル転送は、サムネイル位置番号i=0まで終了したことを表している。
【0115】
一方、現在のファイル転送率Eが16%の場合には、サムネイル位置番号iはfloor(100/10×16%)=floor(1.6)=1となり、ファイル転送は、サムネイル位置番号i=1まで終了したことを表している。
【0116】
次に、送信端末100の画面の高さHsとファイル転送率Eとサムネイルの高さhとを天井関数ceilの変数に用いて、以下の式(4)より、送信端末100の画面に表示するサムネイルの番号nを計算する(ステップS606)。
【0117】
n=ceil(2Hs・E/h−1/2) (4)
例えば、画面の高さHsが5cm、サムネイルの高さhが1cm、現在のファイル転送率Eが9%の場合には、画面に表示するサムネイルの番号nはceil(2×5×9%/1−1/2)=ceil(0.4)=1となる。
【0118】
一方、現在のファイル転送率Eが16%の場合には、画面に表示するサムネイルの番号nはceil(2×5×16%/1−1/2)=ceil(1.1)=2となる。
【0119】
次に、i<1が成立するか否かを判定し(ステップS607)、i<1が成立する場合には、上述したように現在1つ目のフレームが転送中であることから、上述した式(1),(2)の更新式を用いて、サムネイルT1の中心点p1(x,y)をp1’(x’,y’)=p1’(W/2,2Hs・E)にして画面に表示する(ステップS608)。
【0120】
更に、T2〜T(1+n)のサムネイルを連続するように表示する(ステップS609)。具体的には、サムネイルT2については、その中心点p2をp2(x’,y’−h)=p2(W/2,2Hs・E−h)とし、サムネイルT3については、その中心点p3をp3(x’,y’−2h)=p3(W/2,2Hs・E−2h)として画面に表示する。
【0121】
一方、ステップS607の判定でi<1が成立しない場合には、サムネイルTiの中心点piをpi(x’,y’)=p1’(W/2,2Hs・E)にして画面に表示し(ステップS610)、Ti〜T(i+n)のサムネイルをステップS609と同様に連続するように表示した後に(ステップS611)、TiのサムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信端末300に送信する(ステップS612)。
【0122】
次に、ステップS609又はステップS612の後、一定時間待機して(ステップS613)、全てのフレーム及び全ての転送対象ファイルの転送が完了した場合には、処理を終了し、完了していない場合には、ステップS604〜S613を繰り返す(ステップS614)。
【0123】
以上より、例えば、図15に示すように、映像ファイルを構成している複数のフレーム(画像ファイル)から生成された複数のサムネイルが、その映像ファイルのファイル転送率Eが増加するに従って、画面の下端から上端に連続して連動するように順次表示される。
【0124】
映像ファイル内の複数のフレームに対応する複数のサムネイルが生成順に表示されるため、そのサムネイルを見ることにより、映像ファイルのどの映像区間まで転送処理が進んでいるかを確認することが可能となる。
【0125】
(受信状態表示処理の動作について)
次に、図7で示したステップS111〜S112の受信状態表示処理の動作について説明する。受信端末300においても、送信端末100から転送されたサムネイルをファイル転送率に応じて移動させながら画面に表示することにより、ファイルが受信端末300に転送されていることを可視化する。図16は、受信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0126】
最初に、送信端末100からTiのサムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信した場合、受信端末300のファイル表示部32は、そのサムネイルTiの中心点qを、送信端末100の画面(幅W×高さHr)の座標(W/2,Hr)に配置して画面に表示する(ステップS701)。
【0127】
次に、現在のファイル転送率Eを取得して(ステップS702)、受信端末300の画面の高さHrと当該ファイル転送率Eとサムネイルの高さhを天井関数ceilの変数に用いて、以下の式(5)より、受信端末300の画面に表示するサムネイルの番号nを計算する(ステップS703)。
【0128】
n=ceil((2Hr・(1−E))/h−1/2) (5)
次に、全ての転送対象ファイルの転送が完了したか否か(映像ファイルの場合には、全てのフレームの転送が完了したか否かも含む)を判定し(ステップS704)、以下の(6),(7)の更新式を利用してサムネイルの中心点q(x,y)をq’(x’,y’)に変更して画面に表示する(ステップS705)。
【0129】
x’=W/2 (6)
y’=2Hr・(1−E) (7)
また、Ti〜T(i+n)のサムネイルを連続するように表示する(ステップS706)。具体的には、サムネイルT2については、その中心点q2をq2(x’,y’+h)=q2(W/2,2Hr・(1−E)+h)とし、サムネイルT3については、その中心点q3をq3(x’,y’+2h)=p3(W/2,2Hr・E+2h)として画面に表示する。
【0130】
その後、一定時間待機した後に(ステップS707)、サムネイルTiの中心点qが画面座標(W/2,0)に到達するまで、ステップS702〜S707を繰り返す。
【0131】
以上より、例えば、図17に示すように、画像ファイルについては、その画像ファイルから生成されたサムネイルが、その画像ファイルの転送率Eが増加するに従って、画面の上端(上辺)から下端(下辺:上辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0132】
また、映像ファイルについては、映像ファイルを構成している複数のフレーム(画像ファイル)から生成された複数のサムネイルが、その映像ファイルのファイル転送率Eが増加するに従って、画面の上端から下端に連続して連動するように順次表示される。
【0133】
すなわち、送信端末100は、ファイル転送率が半分になるまで、画面の下端から上端に向けて表示位置を移動させながらサムネイルを表示し、受信端末300は、ファイル転送率が半分を超えて転送完了するまで、画面の上端から下端に向けて表示位置を移動させながらサムネイルを表示することになる。
【0134】
従って、図18に示すように、送信端末100の画面の下端にサムネイルの上半分が見えた状態から表示が開始され、その画面の上端にサムネイルが到達後、受信端末300の画面の下端にそのサムネイル(映像ファイルの場合には、最後のサムネイル)の下半分が見えた状態で表示が終了するように表示される。換言すれば、転送中のファイルのサムネイルが、送信端末100から受信端末300に移動するように表示されることになる。
【0135】
なお、受信状態表示処理の場合も同様に、式(1),(2)の更新式を適宜変更し、図17のx軸とy軸を入れ替えることにより、サムネイルを受信端末300の画面の下端から上端に移動するように表示することや、画面の左端から右端に、又は右端から左端に移動するように表示すること、更には、ファイル転送率が例えば40%になった場合に、サムネイルを画面の上端に表示することも可能である。
【0136】
(ファイル転送中断処理について)
次に、図7に示したステップS113のファイル転送中断処理について説明する。まず、ファイル転送処理中に、転送中断の操作された場合には、ファイル転送の中断処理を発生させる。
【0137】
その中断処理が発生した場合、送信端末100は、転送ファイル記憶部13に未転送のファイルが記憶されていたとしても、ファイル転送処理を終了する。
【0138】
このとき、転送処理を中断するタイミングは、(1)「転送中」のファイルが「転送完了」の状態になるまで転送処理を継続する形態と、(2)ファイル転送制御状態情報のファイル転送制御状態が転送不可能に変化したらすぐに転送処理を中断する形態の2通りの実施形態が考えられる。
【0139】
また、この中断するタイミングは、転送対象ファイルの種別に応じて変更してもよい。例えば、複数の画像ファイルを転送する場合には、「転送中」のファイルが完了するまで転送処理を継続してもよい。一方、映像ファイルを転送する場合には、すぐに転送処理を中断し、処理中断時に、転送が完了している映像区間までをカットして映像ファイルを生成してもよい。
【0140】
(ファイル転送処理時の映像編集処理について)
映像ファイルの転送処理の際に送信端末100に表示されている複数のサムネイルから任意のサムネイルを「受信端末300での非表示サムネイル」として選択し、転送された映像ファイルと選択された非表示サムネイルとを利用して映像ファイルを生成(編集)する映像編集処理を同時に行ってもよい。
【0141】
上述の通り、ファイル転送処理時に送信端末100の画面にはサムネイルが画面の下端(下辺)から上端(上辺:下辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0142】
このとき、送信端末100に表示されている任意のサムネイルがフリックやタップなどの動作により選択されると、そのサムネイルが画面上端に達した際に通知されるサムネイル到達状態通知内に「サムネイル非表示指示」(以下、非表示)が受信端末300に通知される。
【0143】
受信端末300は、転送率Eに基づいて表示するサムネイルを決定するが、「転送済」かつ「非表示」でない到達状態通知を受けたサムネイルのみを表示する。そして、受信端末300は、サムネイル到達通知を図19(a)に示すように管理する。
【0144】
例えば、サムネイル位置番号iが2、サムネイルの番号nが5の場合において、受信端末300で表示されるサムネイルを決定する例を図19(b)に示す。受信端末300で何らサムネイルが選択されなければ、id=2からの5つのサムネイル、すなわち、サムネイルidが2,3,4,5,6のサムネイルが表示される。
【0145】
一方、図19(a)に示すように、3,6のサムネイル位置番号iが非表示として選択された際には、2,4,5,7,8のサムネイルが表示される。
【0146】
そして、転送処理終了時又は処理中断時に、受信端末300において、送信端末100により選択された映像区間をカットして編集した映像ファイルを生成してもよい。
【0147】
〔ファイル転送システムの他の構成について〕
本発明は、2つの端末間でのファイル転送処理において、転送処理の進捗状況やファイルの内容を視覚的に把握できることを目的とすることから、ファイルを保持するファイル保持部11,34(以下、ストレージ)は、必ずしもそれら端末内に存在する必要はない。
【0148】
つまり、そのストレージがクラウド上などの端末外に存在し、端末はそのストレージを閲覧するような場合にも実施可能である。すなわち、図20に示すように、(a)各端末内のストレージ間でファイル転送する形態と、(b)クラウド上のストレージ間でファイル転送する形態の2つの実施形態がある。
【0149】
図21に、そのようなクラウド環境を利用したファイル転送システムの機能ブロック構成を示す。破線はデータ通信路を表し、送信端末100と受信端末300間の他に、第1クラウド700aと第2クラウド700b間、第1クラウド700aと送信端末100間、第2クラウド700bと受信端末300間での各ファイル転送を表す。
【0150】
図21に示す通り、このようなクラウド環境では、ファイル保持部11とサムネイル生成部14を、送信端末100内に配置するのに代えて、第1クラウド700a側に配置する。送信端末100では、第1クラウド700aで生成されたサムネイルを自己の端末で表示することにより、ファイル転送の進捗状態を示す。
【0151】
具体的には、第1クラウド700aが、転送対象ファイルのサムネイルを生成し、その生成完了を送信端末100に通知する。送信端末100は、その生成完了通知を受けた後に、生成されたサムネイルをサムネイル保持部19にコピーして保存する。それにあわせて、コピーしたサムネイルのIDを転送ファイル記憶部13に記憶する。
【0152】
その後、前述したように送信端末100と受信端末300間でファイル転送処理やサムネイル表示を開始するが、ファイル転送処理は、第1クラウド700aと第2クラウド700b間で実行され、そのファイルの転送状況は、第2クラウド700bにより受信端末300の受信ファイル記憶部33へ記憶される。
【0153】
以上より、本実施の形態によれば、ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを送信端末100や受信端末300の画面に表示するので、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながらそのファイルのサムネイルを表示するので、例えば、ファイルのサムネイルが送信端末100から受信端末300に移動するように表示することが可能となることから、視覚的にファイルの転送を表現することができる。
【0155】
また、本実施の形態によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、送信端末100は、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、受信端末300は、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するので、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0156】
また、本実施の形態によれば、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示するので、ファイルの転送順を視覚的に確認することができる。
【0157】
また、本実施の形態によれば、映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成するので、複数のサムネイルが映像ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら画面に表示されることから、どの映像区間まで転送が完了したかを視覚的に確認することができる。
【0158】
また、本実施の形態によれば、受信端末300は、転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信するので、転送を受ける側であっても、意図しないファイルの転送を途中で中断することができる。
【0159】
これらより、ユーザは、転送処理がどこまで完了したかを確認することができる。また、例えば、フィルタで選択した複数の画像ファイルの中から必要なファイルだけを選択したり、映像ファイルの必要な映像区間だけを転送することも可能になる。
【0160】
なお、本実施の形態では、サムネイルの表示位置を変化させながら画面に表示する方法について説明したが、前述したように、サムネイルの表示サイズや表示色を変化させながら、画面に表示するようにしてもよい。
【0161】
例えば、ファイル転送率が増加するに従って、送信端末100と受信端末300の各画面に、サムネイルを次第に大きくするように表示する方法も採用できる。また、ファイル転送率が増加するに従って、送信端末100では、サムネイルの色の濃淡を次第に淡くし、受信端末300では、その色の濃淡を次第に濃くするように表示する方法も採用できる。
【0162】
サムネイルは端末の画面上に配置され表示されることから、上述した更新式を適宜変更したり、ファイル転送率に基づいて表示色を可変する数式を利用することにより、実施することが可能である。
【符号の説明】
【0163】
100…送信端末
11…ファイル保持部
12…ファイル選択部
13…転送ファイル記憶部(記憶手段)
14…サムネイル生成部(生成手段)
15…転送制御受付部
16…現状態記憶部
17…ファイル通信部(転送手段)
18…ファイル表示部(表示手段)
19…サムネイル保持部
300…受信端末
31…ファイル通信部
32…ファイル表示部
33…受信ファイル記憶部
34…ファイル保持部
35…転送制御受付部
36…現状態記憶部
500、500a、500b…無線通信路
S101〜S115、S201〜S202、S301〜S310、S401〜S404、S501〜S510、S601〜S614、S701〜S707…ステップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末間のファイル転送を可視化する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では数多くの情報端末が存在し、日常生活においてそれら情報端末を利用して各種のファイルを取り扱うことができる。特に、携帯電話やスマートフォンなどに代表される携帯型情報端末の性能や機能が高度化しており、音楽や写真だけでなく映像などの様々なマルチメディアファイル(以下、ファイル)を容易に利用することが可能である。
【0003】
最近では、そのようなファイルを情報端末間で転送して利用することが多く、例えば、デジタルカメラなどの撮像機器で撮影した映像ファイルを情報端末に転送したり、自己の個人情報ファイルを相手の情報端末に転送することにより、転送先の情報端末で受信して表示・再生する処理や操作が頻繁に行われる。
【0004】
ここで、そのようなファイルに対する様々な処理のうち、すぐに完了しないような処理が行われた場合には、ユーザに対してその処理の進捗状況を視覚的にフィードバックすることが重要である(非特許文献1参照)。
【0005】
例えば、図22に示すようなプログレスバーは、処理全体の何%が完了しているかを視覚的に表現するのに適している。特に、情報端末間で行うファイル転送処理は、情報処理において人が長いと感じる程度の処理時間を要することから、そのようなプログレスバーを画面に表示することにより、ユーザに対して転送処理の進捗状況を視覚的にフィードバックすることが通常行われる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Brad A.Myers、「The Inportance of Percent-Done Progress Indicators for Computer-Human Interfaces」、In Proc.CHI’85、p.11-17
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、サイズの大きいファイルや複数のファイルを転送する場合、前述したようなプログレスバーの表示では、ユーザに対して正確に進捗状況を伝えることが難しい場合がある。
【0008】
例えば、映像ファイルは、画像ファイルよりもファイルサイズが大きく転送処理に膨大な時間を要するため、プログレスバーの進行速度が遅く、その画面変化が極めて小さいことから、転送処理の進捗状況を正しく伝えることが困難である。
【0009】
このような課題に対し、ファイル転送率やファイル転送量を数字で表示することにより、ユーザによる進捗状況の把握を支援する方法もある。
【0010】
しかし、転送処理全体の何%が完了しているかを把握できるにすぎず、転送中のファイルの内容がどのようなものであるかについては把握できない。そのため、意図した内容のファイルを転送していたとしても、ユーザはその内容を確認できないことから、途中で転送処理を中断するような操作をファイル内容の確認結果に基づいて実行することは不可能である。
【0011】
また、複数のファイルを転送する場合には、どのようなファイルが転送済で、どのようなファイルが転送中なのかをファイル名から推測できるが、視覚的にそのファイルの内容を確認することは難しい。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、情報端末で行うファイル転送において、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1記載のファイル転送装置は、記憶手段からファイルを読み出して転送する転送手段と、前記ファイルのサムネイルを生成する生成手段と、前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを画面に表示するため、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【0015】
請求項2記載のファイル転送装置は、請求項1記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、前記ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながらそのファイルのサムネイルを表示するため、例えば、ファイルのサムネイルが送信端末から受信端末に移動するように表示することが可能となることから、視覚的にファイルの転送を表現することができる。
【0017】
請求項3記載のファイル転送装置は、請求項1又は2記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、前記ファイルの転送率が増加するに従って、前記ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示し、前記ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するため、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0019】
請求項4記載のファイル転送装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記表示手段は、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示することを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示するため、ファイルの転送順を視覚的に確認することができる。
【0021】
請求項5記載のファイル転送装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記ファイルは映像ファイルであって、前記生成手段は、前記映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成するため、複数のサムネイルが映像ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら画面に表示されることから、どの映像区間まで転送が完了したかを視覚的に確認することができる。
【0023】
請求項6記載のファイル転送装置は、請求項1乃至5のいずれかに記載のファイル転送装置において、前記ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、前記転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信するため、転送を受ける側であっても、意図しないファイルの転送を途中で中断することができる。
【0025】
請求項7記載のファイル転送方法は、ファイル転送装置で行うファイル転送方法において、記憶手段からファイルを読み出して転送する転送ステップと、前記ファイルのサムネイルを生成する生成ステップと、前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示ステップと、を有することを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するため、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0027】
請求項8記載のファイル転送プログラムは、請求項7記載のファイル転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、情報端末で行うファイル転送において、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ファイル転送システムの機能ブロック構成例を示す図である。
【図2】ファイル選択例を示す図である。
【図3】転送ファイル情報例を示す図である。
【図4】ファイル転送制御の操作例を示す図である。
【図5】ファイル転送制御状態情報例を示す図である。
【図6】受信ファイル情報例を示す図である。
【図7】ファイル転送システムの全体動作フロー例を示す図である。
【図8】ファイル選択処理の動作フロー例を示す図である。
【図9】ファイル転送処理の動作フロー例を示す図である。
【図10】サムネイル生成処理の動作フロー例を示す図である。
【図11】映像ファイルのサムネイル例を示す図である。
【図12】画像ファイルの送信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図13】画像ファイルの送信状態表示例を示す図である。
【図14】映像ファイルの送信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図15】映像ファイルの送信状態表示例を示す図である。
【図16】受信状態表示処理の動作フロー例を示す図である。
【図17】送信状態表示例を示す図である。
【図18】送信端末と受信端末間でのサムネイルの表示例を示す図である。
【図19】サムネイル到達状態通知の管理例を示す図である。
【図20】ファイル転送システムの実施形態例を示す図である。
【図21】クラウド環境を利用したファイル転送システムの機能ブロック構成例を示す図である。
【図22】プログレスバーによる処理進捗状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、情報端末で行うファイル転送において、写真や映像などのファイル転送時に、そのファイルを用いて生成したサムネイルを、現在ファイル転送中であることが把握できるように変化させながら画面に表示することにより、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にするものである。
【0031】
以下、本発明を実施する一実施の形態について図面を用いて説明する。但し、本発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。
【0032】
〔ファイル転送システムの構成について〕
図1は、本実施の形態に係るファイル転送システムの機能ブロック構成を示す図である。このファイル転送システムは、転送によりファイルを送信する送信端末100と、無線通信路500を介して送信端末100から転送(送信)されたファイルを受信する受信端末300とで主に構成される。
【0033】
なお、送信端末100の各機能部(後述)を受信端末300に具備させ、受信端末300の各機能部(後述)を送信端末100に具備させることも可能である。即ち、送信端末100及び受信端末300の全機能を一装置に具備させて、転送(送信)及び受信の両機能を備えた1つのファイル転送装置としてもよい。
【0034】
送信端末100及び受信端末300の全機能部(後述)は、例えば、CPUなどの制御手段やメモリなどの記憶手段により実現できる。また、それら機能部で行う各処理は、それら各処理を実行可能なプログラムにより実現できる。
【0035】
(送信端末の機能について)
最初に、送信端末100の有する機能について説明する。送信端末100は、情報端末であり、ファイル保持部11と、ファイル選択部12と、転送ファイル記憶部13と、サムネイル生成部14と、転送制御受付部15と、現状態記憶部16と、ファイル通信部17と、ファイル表示部18とで主に構成される。
【0036】
ファイル保持部11は、送信端末100に搭載されているフラッシュメモリやハードディスクなどの記憶手段を利用して、1以上のファイルを保持・記憶する機能を有する。
【0037】
ファイルとは、送信端末100や受信端末300で保持・記憶・利用可能なものであれば、種類などにより何ら制限されない。例えば、コンピュータが実行可能なプログラムファイルや、ユーザにより生成された音楽、写真、映像などのデータファイルが一例とされる。
【0038】
ファイル選択部12は、ファイル保持部11から全てのファイルを読み出して、ユーザの指定条件に該当するファイルを転送対象ファイルとして選択する機能を有する。
【0039】
例えば、図2(a)に示すように、ファイル保持部11に保持されている全てのファイルを送信端末100の画面に一覧表示し、ユーザにより直接指定されたファイルを選択する方法や、同図(b)に示すように、日付やファイルサイズなどの条件が与えられたフィルタによりフィルタリングされたファイルを選択する方法がある。
【0040】
転送ファイル記憶部13は、ファイル選択部12によって選択された転送対象ファイルのファイル名と、そのファイルのサイズと、そのファイルのサムネイルIDと、そのファイルの転送状態とを関連付けて転送ファイル情報として記憶し、その転送対象ファイルを記憶する機能を有する。
【0041】
サムネイルIDとは、転送対象ファイルのサムネイルを識別する識別情報であり、サムネイル生成部14によって生成される。
【0042】
転送状態とは、転送対象ファイルの転送状態を示し、「転送前」,「転送中」,「完了」の3つの状態で定義され、ファイル転送処理時に利用される。特に、「転送中」の場合には、転送処理が完了しているファイルのサイズが記憶される。
【0043】
図3に、file1〜file4が転送対象ファイルとして選択された場合の転送ファイル情報例を示す。file1は、転送処理が既に完了している。file2とfile3は、現在転送中で、それぞれ2メガバイトずつ転送が完了している。file4は、転送前である。
【0044】
file1とfile2は、画像ファイルなので、その1つの画像ファイルから生成されたサムネイルのIDが1つ記憶されている。一方、file3とfile4は、複数の画像ファイルからなる映像ファイルなので、それら複数の画像ファイルから生成された複数のサムネイルのIDがそれぞれ記憶されている。
【0045】
サムネイル生成部14は、ファイル保持部11からファイルを読み出して、そのファイルのサムネイルを生成し、生成したサムネイルを識別するID(サムネイルID)を当該サムネイルに与え、そのサムネイルIDを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記録する機能を有する。このサムネイルは、ファイル転送処理の進捗状態を表示する際に利用される。
【0046】
サムネイルとは、ファイルの内容を視覚的に把握可能なファイルの縮小画像である。例えば、写真であれば、その写真の絵を絵柄が分かる程度に小さくして表示したものである。
【0047】
転送対象ファイルが、写真などの1つの画像ファイルで構成されている場合には、その画像ファイルから1つのサムネイルを生成し、映像ファイルなどの時系列で連続する複数の画像フレームデータで構成されている場合には、それら複数の画像フレームデータの先頭から一定時間間隔で複数のサムネイルを生成する。
【0048】
なお、サムネイル生成部14は、転送対象ファイルを含む全てのファイルについてサムネイルを生成してもよいし、転送ファイル記憶部13から転送対象ファイルを読み出して、その転送対象ファイルについてのみサムネイルを生成してもよい。
【0049】
転送制御受付部15は、転送開始や転送中断などのファイル転送制御に関するユーザ指示を受け付けて、その指示内容に対応するファイル転送制御状態を現状態記憶部16に記憶させ、その指示内容に応じたファイル転送処理を実行(開始、中断など)する機能を有する。
【0050】
例えば、図4に示すように、転送開始や転送中断を実行する各種操作ボタンの押下、フリック操作などのタッチディスプレイ上での特別なジェスチャ、送信端末100を傾けるといった、送信端末100に対する所定の操作をユーザ指示として受け付けて、その指示内容に対応するファイル転送制御状態を現状態記憶部16に記憶させ、その指示内容に応じたファイル転送処理を実行する。
【0051】
具体的には、図4(a)の場合、転送開始ボタンが押し下げられた際にファイル転送処理を開始し、転送中断ボタンが押し下げられた際に中断する。同図(b)の場合には、画面に表示されているサムネイルが画面の上端側(受信端末300側)にフリックされた際にファイル転送処理を開始し、画面に表示されているサムネイルが画面の下端側(受信端末300と逆側)やサムネイルの移動方向に逆らう方向にフリックされた際に終了する。同図(c)の場合には、送信端末100が基準角度からしきい値の角度以上傾けられた際にファイル転送処理を開始し、その傾きがしきい値を下回った場合に終了する。
【0052】
現状態記憶部16は、送信端末100と受信端末300のファイル転送制御状態をファイル転送制御状態情報として記憶する機能を有する。この情報を利用して、ファイル通信部17によりファイル転送処理が実行(開始・中断など)される。
【0053】
図5に、ファイル転送制御状態情報例を示す。ファイル転送制御状態は、「転送可能」と「転送不可能」の2つの状態で定義され、送信端末100と受信端末300のそれぞれの状態が記憶される。また、ファイル転送率もあわせて記載され、送信端末100内のファイル通信部17や他の制御手段(図1において不図示)により随時更新される。
【0054】
ファイル通信部17は、送信端末100から転送(送信)され、送信端末100で受信される全ての実データ(ファイルやサムネイルなどの実データなど)を制御(転送(送信)・受信)する機能を有する。
【0055】
例えば、転送ファイル記憶部13から転送ファイル情報を読み出して、受信端末300に事前に送信(転送)すると共に、サムネイル生成部14によって生成された転送対象ファイルのサムネイルを受信端末300に事前に送信(転送)する。また、転送ファイル記憶部13に記憶されている転送対象ファイルを読み出して、無線通信路500を介して受信端末300に転送する。
【0056】
なお、受信端末300との間の通信路には、無線LANやBluetoothなどの無線が利用されるが、有線を利用するようにしてもよい。
【0057】
ファイル表示部18は、サムネイル生成部14によって生成された転送対象ファイルのサムネイルの動きを利用することにより、ファイル転送の進捗状態や進捗状況を送信端末100の画面に表示する機能を有する。
【0058】
具体的には、ファイル通信部17による転送対象ファイルのファイル転送度にあわせて、転送送信中であることが把握できるように、表示状態(例えば、表示位置、表示サイズ、表示色など、2つ以上の組み合わせも可)を変化させながらその転送対象ファイルのサムネイルを送信端末100の画面に表示する。転送対象ファイルが映像ファイルの場合には、その映像ファイルから生成した複数のサムネイルをその生成順に順次表示する。
【0059】
(受信端末の機能について)
次に、受信端末300の有する機能について説明する。受信端末300は、情報端末であり、図1に示したように、ファイル通信部31と、ファイル表示部32と、受信ファイル記憶部33と、ファイル保持部34と、転送制御受付部35と、現状態記憶部36とで主に構成される。
【0060】
ファイル通信部31は、送信端末100のファイル通信部17と同様に、受信端末300から転送(送信)され、受信端末300で受信される全ての実データを制御(転送(送信)・受信)する機能を有する。
【0061】
例えば、送信端末100から事前に送信(転送)された転送ファイル情報や転送対象ファイルのサムネイルを受信する。また、送信端末100から転送された転送対象ファイルを受信する。
【0062】
ファイル表示部32は、送信端末100のファイル表示部18と同様に、送信端末100から送信(転送)された転送対象ファイルのサムネイルの動きを利用することにより、ファイル転送の進捗状態や進捗状況を受信端末300の画面に表示する機能を有する。
【0063】
具体的には、送信端末100の画面に表示されているサムネイルの動作やファイル転送度にあわせて、転送受信中であることが把握できるように、表示状態を変化させながらそのサムネイルを受信端末300の画面に表示する。
【0064】
受信ファイル記憶部33は、送信端末100から送信された転送ファイル情報を用いて、転送対象ファイルのファイル名と、そのファイルのサイズと、そのファイルのサムネイルIDと、受信が完了したファイルのサイズとを関連付けて受信ファイル情報として記憶し、転送されたファイルを一旦記憶する機能を有する。このサムネイルIDは、送信端末100からの転送が完了したサムネイルIDである。
【0065】
図6に、file1〜file3の受信ファイル情報例を示す。file1は、受信が完了している。file2とfile3は、現在受信中で、それぞれ2メガバイトずつ受信が完了している。
【0066】
ファイル保持部34は、送信端末100からの転送が完了したファイルを継続的に保持する機能を有する。
【0067】
転送制御受付部35と現状態記憶部36は、送信端末100の転送制御受付部15と現状態記憶部16とそれぞれ同様であることから、ここでの説明は省略する。
【0068】
〔ファイル転送システムの動作について〕
次に、本実施の形態に係るファイル転送システムの動作について説明する。最初に、ファイル転送システムの全体動作について説明した後に、その全体動作内で行う各処理の動作を個別に説明する。
【0069】
(ファイル転送システムの全体動作について)
まず、ファイル転送システムの全体動作について説明する。図7は、送信端末100と受信端末300間で行うファイル転送システムの全体動作フローを示す図である。
【0070】
ファイル転送が開始されると、最初に、送信端末100が、ファイル選択処理(ステップS101)を実行して転送対象ファイルを選択し、ファイル転送処理(ステップS102)を開始する。
【0071】
次に、送信端末100は、転送相手の受信端末300で転送によるファイル受信が可能であるか否かを確認するため、その受信端末300に現状態通知リクエストを送信する(ステップS103)。
【0072】
次に、受信端末300は、送信端末100から現状態通知リクエストを受信した場合、受信状態確認処理(ステップS104)を実行して受信端末300での現在のファイル転送制御状態を取得し、その状態に基づいて、転送によるファイル受信が可能であるか否かを示す現状態通知を送信端末100に返信する(ステップS105)。
【0073】
例えば、受信端末300での転送開始ボタンや受信開始ボタンなどの押下操作の有無により、ファイル受信が可能か否かを決定する。また、近接センサによる送信端末100との間の距離に基づく通信相手検出・非検出や、受信キャンセルボタンの押下操作などにより、その状態を変更してもよい。
【0074】
次に、送信端末100は、受信端末300で転送によるファイル受信が可能な場合、送信状態表示処理(ステップS106)を開始して転送対象ファイルのサムネイルを画面に表示し、転送ファイル情報と転送対象ファイルのサムネイルを受信端末300に送信(転送)する(ステップS107)。
【0075】
次に、送信端末100は、受信端末からサムネイル転送完了通知を受信した後に(ステップS108)、転送対象ファイルの転送を開始すると共に(ステップS109)、その転送対象ファイルのサムネイルを、転送送信中であることが把握できるように、ファイルの転送率に応じて当該サムネイルの表示状態を変化させながら送信端末100の画面に表示する(ステップS110)。
【0076】
一方、受信端末300も、送信端末100からの転送対象ファイルを受信すると共に、受信状態表示処理を開始して(ステップS111)、受信している転送対象ファイルのサムネイルを、転送受信中であることが把握できるように、ファイルの転送率に応じて当該サムネイルの表示状態を変化させながら受信端末300の画面に表示する(ステップS112)。
【0077】
これにより、転送対象ファイルのサムネイルが送信端末100や受信端末300の各画面に表示されていることから、現在転送されているファイルの内容を視覚的に把握することが可能となる。また、そのサムネイルの表示状態を転送率に応じて変化させることから、ファイル転送処理の進捗状況を視覚的に把握することができる。
【0078】
ここで、受信端末300は、ファイル転送中に、転送対象であるファイルの内容を確認したユーザにより、現在転送中のファイルの受信を中断するか否かを受け付けることが可能であり、ファイル受信を中断する場合には、転送中断リクエストを送信端末100に送信し、中断しない場合には、ファイル受信を継続する(ステップS113)。
【0079】
次に、送信端末100は、受信端末300から転送中断リクエストを受信した場合、現在転送中のファイル転送処理や送信状態表示処理(サムネイル表示)を終了してステップS102に戻る(ステップS114)。
【0080】
最後に、送信端末100は、受信端末300からファイル転送完了通知を受信した後に、ステップS101で選択された全ファイルの転送が完了したか否かを判定する(ステップS115)。
【0081】
全ての転送対象ファイルが転送された場合には、処理を終了する。一方、未転送のファイルがある場合には、ステップS102に戻り、選択された全ての転送対象ファイルの転送処理が完了するまで、ステップS102〜S115を繰り返す。
【0082】
(ファイル選択処理の動作について)
次に、図7で示したステップS101のファイル選択処理の動作について説明する。図8は、ファイル選択処理の動作フロー例を示す図である。
【0083】
最初に、送信端末100のファイル選択部12が、ファイル保持部11に保持されている全てのファイルを読み出して、ユーザによって指定されたファイルを転送対象ファイルとして選択する(ステップS201)。
【0084】
最後に、ファイル選択部12は、ステップS201で選択された転送対象ファイルを転送ファイル記憶部13に記憶すると共に、その転送対象ファイルのファイル名やそのファイルサイズを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記憶し、更に、その転送ファイル情報内の転送状態を「転送前」とする(ステップS202)。
【0085】
(ファイル転送処理の動作について)
次に、図7で示したステップS109のファイル転送処理の動作について説明する。図9は、ファイル転送処理の動作フローを示す図である。なお、ここでは、サムネイル生成処理についてもあわせて説明する。
【0086】
最初に、送信端末100が、転送ファイル記憶部13から転送ファイル情報を読み出して(ステップS301)、転送状態が「転送前」のファイルが存在するか否かを判定する(ステップS302)。
【0087】
次に、ステップS302で「転送前」のファイルが存在する場合、サムネイル生成部14は、そのファイルをファイル保持部11又は転送ファイル記憶部13から読み出して、サムネイルを生成する(ステップS303)。
【0088】
次に、転送開始操作が検出され(ステップS304)、その転送開始操作が実行された場合(ステップS305)、ファイル通信部17が、送信端末100の現状態を示したファイル転送制御状態情報を現状態記憶部16から読み出して(ステップS306)、受信端末300で転送によるファイル受信が可能な状態であるか否かを判定する(ステップS307)。
【0089】
次に、ステップS307で転送によるファイル受信が可能な状態である場合、ファイル通信部17が、転送ファイル情報を受信端末300に送信(転送)する(ステップS308)。このとき、受信端末300での受信状態表示処理で必要となるサムネイルもあわせて送信(転送)される。
【0090】
次に、ファイル通信部17が、転送前の転送対象ファイルを受信端末300に転送する(ステップS309)。このとき、ファイル表示部18によって送信状態表示処理(サムネイル表示)もあわせて実行される。
【0091】
最後に、ファイル転送処理終了後、ファイル通信部17が、転送ファイル情報の転送状態を「完了」に変更する(ステップS310)。
【0092】
なお、ステップS307で転送によるファイル受信が不可能な状態である場合には、ステップS308〜S310を行うことなく、処理を終了する。
【0093】
(サムネイル生成処理の動作について)
次に、図9で示したステップS303のサムネイル生成処理の動作について説明する。図10は、サムネイル生成処理の動作フローを示す図である。
【0094】
最初に、送信端末100のサムネイル生成部14が、転送対象ファイルが映像ファイルであるか否かを判定する(ステップS401)。
【0095】
次に、ステップS401で映像ファイルでないと判定された場合、すなわち、転送対象ファイルが1つの画像ファイルの場合、サムネイル生成部14は、その1つ画像ファイルを用いて、幅w×高さhのサムネイルTを1つ生成する(ステップS402)。
【0096】
一方、ステップS401で映像ファイルであると判定された場合、すなわち、転送対象ファイルが時系列な複数の画像ファイルの集合体の場合、サムネイル生成部14は、その映像ファイルを用いて、幅w×高さhのサムネイルTiを一定の生成時間間隔dで複数生成する(ステップS403)。なお、iは、生成されたサムネイルの番号であり、i=1〜nである(nは2以上の自然数)。
【0097】
最後に、サムネイル生成部14は、ステップS402又はステップS403で生成したサムネイルにIDを付与し、そのサムネイルIDを転送ファイル記憶部13の転送ファイル情報に記憶する(ステップS404)。
【0098】
図11に、映像ファイルから生成されたサムネイル例を示す。同図に示すように、映像の先頭から一定の生成時間間隔dでサムネイルが生成される。この生成時間間隔dは、映像長から動的に求めてもよいし、1秒毎というように固定長で設定してもよい。映像ファイルを構成している全ての画像フレームデータについてそれぞれサムネイルを生成してもよいし、2〜3つの画像フレームデータについて1つのサムネイルを生成してもよい。
【0099】
(送信状態表示処理の動作について)
次に、図7で示したステップS106〜S115の送信状態表示処理(サムネイル表示を含む)について、画像ファイルと映像ファイルの2つの場合に分けて説明する。
【0100】
最初に、画像ファイルの送信状態表示処理の動作について説明する。図12は、画像ファイルの送信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0101】
最初に、送信端末100のファイル通信部17が、サムネイル生成部14によって生成されたサムネイルを受信端末300に送信(転送)し(ステップS501)、全てのサムネイルの送信(転送)が完了した後に(ステップS502)、転送が開始されるファイルのサムネイル表示を開始する(ステップS503)。このとき、ファイル通信部17によって、図9で示したステップS309のファイル転送処理があわせて開始される。
【0102】
次に、ファイル表示部18は、そのサムネイル(幅w×高さh)の中心点pを、送信端末100の画面(幅W×高さHs)の座標(W/2,0)に配置して画面に表示する(ステップS504)。
【0103】
次に、ファイル表示部18は、そのサムネイルの中心点pが送信端末100の画面座標(W/2,Hs)に到達したか否かを判定し(ステップS505)、到達していない場合には、現状態記憶部16から現在のファイル転送率Eを読み出して(ステップS506)、以下の(1),(2)の更新式を利用してサムネイルの中心点p(x,y)をp’(x’,y’)に変更して画面に表示する(ステップS507)。
【0104】
x’=W/2 (1)
y’=2Hs・E (2)
その後、ファイル表示部18は、一定時間待機した後に(ステップS508)、ステップS505に戻り、サムネイルの中心点pが画面座標(W/2,Hs)に到達するまで、その中心点pを更新する処理を繰り返す。
【0105】
次に、ステップS505の判定で、ファイル転送率E=50%により、サムネイルの中心点pが画面座標(W/2,Hs)に到達した場合、ファイル表示部18は、サムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信端末300に送信する(ステップS509)。
【0106】
最後に、全ての転送対象ファイルの転送が完了したか否かを判定する(ステップS510)。全ての転送対象ファイルが転送された場合には、処理を終了する。一方、未転送の転送対象ファイルがある場合には、ステップS505に戻り、全ての転送対象ファイルの転送処理が完了するまで、ステップS505〜S510を繰り返す。
【0107】
なお、転送対象の画像ファイルが複数の場合には、それら複数の画像ファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを、各ファイルの転送順に順次表示する。
【0108】
以上より、例えば、図13に示すように、転送対象である画像ファイルから生成されたサムネイルTが、その画像ファイルのファイル転送率Eが0%から50%に増加するに従って、画面の下端(下辺)から上端(上辺:下辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0109】
なお、ステップS505におけるサムネイルの中心点pの到達座標や式(1),(2)の更新式を適宜変更することにより、ファイル転送率Eが増加するに従って、サムネイルを画面の上端から下端に移動するように表示することも可能である。また、図13のx軸とy軸を入れ替えることにより、画面の左端から右端に、又は右端から左端に移動するように表示することも可能である。
【0110】
また、式(1),(2)の更新式を適宜変更することにより、ファイル転送率Eが例えば40%になった場合に、サムネイルを画面に上端に移動するように表示することも可能である。
【0111】
次に、映像ファイルの送信状態表示処理の動作について説明する。図14は、映像ファイルの送信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0112】
最初に、送信端末100のファイル通信部17が、サムネイル生成部14によって生成されたサムネイルを受信端末300に送信(転送)し(ステップS601)、全てのサムネイルの送信(転送)が完了した後に(ステップS602)、転送が開始されるファイルのサムネイルの表示を開始する(ステップS603)。このとき、ファイル通信部17によって、図9で示したステップS309のファイル転送処理があわせて開始される。
【0113】
次に、ファイル表示部18が、現状態記憶部16から現在のファイル転送率Eを読み出して(ステップS604)、映像ファイルを構成している複数のフレーム数Fmと当該ファイル転送率Eとを床関数floorの変数に用いて、以下の式(3)より、既に転送された転送済ファイルのサムネイルの番号iを計算する(ステップS605)。
【0114】
i=floor(Fm/d・E) (3)
例えば、フレーム数Fmが100、サムネイル生成時間間隔dが10、現在のファイル転送率Eが9%の場合には、サムネイル位置番号iはfloor(100/10×9%)=floor(0.9)=0となる。これは、現在、1つ目のフレームが転送中であり、ファイル転送は、サムネイル位置番号i=0まで終了したことを表している。
【0115】
一方、現在のファイル転送率Eが16%の場合には、サムネイル位置番号iはfloor(100/10×16%)=floor(1.6)=1となり、ファイル転送は、サムネイル位置番号i=1まで終了したことを表している。
【0116】
次に、送信端末100の画面の高さHsとファイル転送率Eとサムネイルの高さhとを天井関数ceilの変数に用いて、以下の式(4)より、送信端末100の画面に表示するサムネイルの番号nを計算する(ステップS606)。
【0117】
n=ceil(2Hs・E/h−1/2) (4)
例えば、画面の高さHsが5cm、サムネイルの高さhが1cm、現在のファイル転送率Eが9%の場合には、画面に表示するサムネイルの番号nはceil(2×5×9%/1−1/2)=ceil(0.4)=1となる。
【0118】
一方、現在のファイル転送率Eが16%の場合には、画面に表示するサムネイルの番号nはceil(2×5×16%/1−1/2)=ceil(1.1)=2となる。
【0119】
次に、i<1が成立するか否かを判定し(ステップS607)、i<1が成立する場合には、上述したように現在1つ目のフレームが転送中であることから、上述した式(1),(2)の更新式を用いて、サムネイルT1の中心点p1(x,y)をp1’(x’,y’)=p1’(W/2,2Hs・E)にして画面に表示する(ステップS608)。
【0120】
更に、T2〜T(1+n)のサムネイルを連続するように表示する(ステップS609)。具体的には、サムネイルT2については、その中心点p2をp2(x’,y’−h)=p2(W/2,2Hs・E−h)とし、サムネイルT3については、その中心点p3をp3(x’,y’−2h)=p3(W/2,2Hs・E−2h)として画面に表示する。
【0121】
一方、ステップS607の判定でi<1が成立しない場合には、サムネイルTiの中心点piをpi(x’,y’)=p1’(W/2,2Hs・E)にして画面に表示し(ステップS610)、Ti〜T(i+n)のサムネイルをステップS609と同様に連続するように表示した後に(ステップS611)、TiのサムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信端末300に送信する(ステップS612)。
【0122】
次に、ステップS609又はステップS612の後、一定時間待機して(ステップS613)、全てのフレーム及び全ての転送対象ファイルの転送が完了した場合には、処理を終了し、完了していない場合には、ステップS604〜S613を繰り返す(ステップS614)。
【0123】
以上より、例えば、図15に示すように、映像ファイルを構成している複数のフレーム(画像ファイル)から生成された複数のサムネイルが、その映像ファイルのファイル転送率Eが増加するに従って、画面の下端から上端に連続して連動するように順次表示される。
【0124】
映像ファイル内の複数のフレームに対応する複数のサムネイルが生成順に表示されるため、そのサムネイルを見ることにより、映像ファイルのどの映像区間まで転送処理が進んでいるかを確認することが可能となる。
【0125】
(受信状態表示処理の動作について)
次に、図7で示したステップS111〜S112の受信状態表示処理の動作について説明する。受信端末300においても、送信端末100から転送されたサムネイルをファイル転送率に応じて移動させながら画面に表示することにより、ファイルが受信端末300に転送されていることを可視化する。図16は、受信状態表示処理の動作フローを示す図である。
【0126】
最初に、送信端末100からTiのサムネイルIDとサムネイル到達状態通知を受信した場合、受信端末300のファイル表示部32は、そのサムネイルTiの中心点qを、送信端末100の画面(幅W×高さHr)の座標(W/2,Hr)に配置して画面に表示する(ステップS701)。
【0127】
次に、現在のファイル転送率Eを取得して(ステップS702)、受信端末300の画面の高さHrと当該ファイル転送率Eとサムネイルの高さhを天井関数ceilの変数に用いて、以下の式(5)より、受信端末300の画面に表示するサムネイルの番号nを計算する(ステップS703)。
【0128】
n=ceil((2Hr・(1−E))/h−1/2) (5)
次に、全ての転送対象ファイルの転送が完了したか否か(映像ファイルの場合には、全てのフレームの転送が完了したか否かも含む)を判定し(ステップS704)、以下の(6),(7)の更新式を利用してサムネイルの中心点q(x,y)をq’(x’,y’)に変更して画面に表示する(ステップS705)。
【0129】
x’=W/2 (6)
y’=2Hr・(1−E) (7)
また、Ti〜T(i+n)のサムネイルを連続するように表示する(ステップS706)。具体的には、サムネイルT2については、その中心点q2をq2(x’,y’+h)=q2(W/2,2Hr・(1−E)+h)とし、サムネイルT3については、その中心点q3をq3(x’,y’+2h)=p3(W/2,2Hr・E+2h)として画面に表示する。
【0130】
その後、一定時間待機した後に(ステップS707)、サムネイルTiの中心点qが画面座標(W/2,0)に到達するまで、ステップS702〜S707を繰り返す。
【0131】
以上より、例えば、図17に示すように、画像ファイルについては、その画像ファイルから生成されたサムネイルが、その画像ファイルの転送率Eが増加するに従って、画面の上端(上辺)から下端(下辺:上辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0132】
また、映像ファイルについては、映像ファイルを構成している複数のフレーム(画像ファイル)から生成された複数のサムネイルが、その映像ファイルのファイル転送率Eが増加するに従って、画面の上端から下端に連続して連動するように順次表示される。
【0133】
すなわち、送信端末100は、ファイル転送率が半分になるまで、画面の下端から上端に向けて表示位置を移動させながらサムネイルを表示し、受信端末300は、ファイル転送率が半分を超えて転送完了するまで、画面の上端から下端に向けて表示位置を移動させながらサムネイルを表示することになる。
【0134】
従って、図18に示すように、送信端末100の画面の下端にサムネイルの上半分が見えた状態から表示が開始され、その画面の上端にサムネイルが到達後、受信端末300の画面の下端にそのサムネイル(映像ファイルの場合には、最後のサムネイル)の下半分が見えた状態で表示が終了するように表示される。換言すれば、転送中のファイルのサムネイルが、送信端末100から受信端末300に移動するように表示されることになる。
【0135】
なお、受信状態表示処理の場合も同様に、式(1),(2)の更新式を適宜変更し、図17のx軸とy軸を入れ替えることにより、サムネイルを受信端末300の画面の下端から上端に移動するように表示することや、画面の左端から右端に、又は右端から左端に移動するように表示すること、更には、ファイル転送率が例えば40%になった場合に、サムネイルを画面の上端に表示することも可能である。
【0136】
(ファイル転送中断処理について)
次に、図7に示したステップS113のファイル転送中断処理について説明する。まず、ファイル転送処理中に、転送中断の操作された場合には、ファイル転送の中断処理を発生させる。
【0137】
その中断処理が発生した場合、送信端末100は、転送ファイル記憶部13に未転送のファイルが記憶されていたとしても、ファイル転送処理を終了する。
【0138】
このとき、転送処理を中断するタイミングは、(1)「転送中」のファイルが「転送完了」の状態になるまで転送処理を継続する形態と、(2)ファイル転送制御状態情報のファイル転送制御状態が転送不可能に変化したらすぐに転送処理を中断する形態の2通りの実施形態が考えられる。
【0139】
また、この中断するタイミングは、転送対象ファイルの種別に応じて変更してもよい。例えば、複数の画像ファイルを転送する場合には、「転送中」のファイルが完了するまで転送処理を継続してもよい。一方、映像ファイルを転送する場合には、すぐに転送処理を中断し、処理中断時に、転送が完了している映像区間までをカットして映像ファイルを生成してもよい。
【0140】
(ファイル転送処理時の映像編集処理について)
映像ファイルの転送処理の際に送信端末100に表示されている複数のサムネイルから任意のサムネイルを「受信端末300での非表示サムネイル」として選択し、転送された映像ファイルと選択された非表示サムネイルとを利用して映像ファイルを生成(編集)する映像編集処理を同時に行ってもよい。
【0141】
上述の通り、ファイル転送処理時に送信端末100の画面にはサムネイルが画面の下端(下辺)から上端(上辺:下辺に対向する辺)に表示位置を移動するように表示される。
【0142】
このとき、送信端末100に表示されている任意のサムネイルがフリックやタップなどの動作により選択されると、そのサムネイルが画面上端に達した際に通知されるサムネイル到達状態通知内に「サムネイル非表示指示」(以下、非表示)が受信端末300に通知される。
【0143】
受信端末300は、転送率Eに基づいて表示するサムネイルを決定するが、「転送済」かつ「非表示」でない到達状態通知を受けたサムネイルのみを表示する。そして、受信端末300は、サムネイル到達通知を図19(a)に示すように管理する。
【0144】
例えば、サムネイル位置番号iが2、サムネイルの番号nが5の場合において、受信端末300で表示されるサムネイルを決定する例を図19(b)に示す。受信端末300で何らサムネイルが選択されなければ、id=2からの5つのサムネイル、すなわち、サムネイルidが2,3,4,5,6のサムネイルが表示される。
【0145】
一方、図19(a)に示すように、3,6のサムネイル位置番号iが非表示として選択された際には、2,4,5,7,8のサムネイルが表示される。
【0146】
そして、転送処理終了時又は処理中断時に、受信端末300において、送信端末100により選択された映像区間をカットして編集した映像ファイルを生成してもよい。
【0147】
〔ファイル転送システムの他の構成について〕
本発明は、2つの端末間でのファイル転送処理において、転送処理の進捗状況やファイルの内容を視覚的に把握できることを目的とすることから、ファイルを保持するファイル保持部11,34(以下、ストレージ)は、必ずしもそれら端末内に存在する必要はない。
【0148】
つまり、そのストレージがクラウド上などの端末外に存在し、端末はそのストレージを閲覧するような場合にも実施可能である。すなわち、図20に示すように、(a)各端末内のストレージ間でファイル転送する形態と、(b)クラウド上のストレージ間でファイル転送する形態の2つの実施形態がある。
【0149】
図21に、そのようなクラウド環境を利用したファイル転送システムの機能ブロック構成を示す。破線はデータ通信路を表し、送信端末100と受信端末300間の他に、第1クラウド700aと第2クラウド700b間、第1クラウド700aと送信端末100間、第2クラウド700bと受信端末300間での各ファイル転送を表す。
【0150】
図21に示す通り、このようなクラウド環境では、ファイル保持部11とサムネイル生成部14を、送信端末100内に配置するのに代えて、第1クラウド700a側に配置する。送信端末100では、第1クラウド700aで生成されたサムネイルを自己の端末で表示することにより、ファイル転送の進捗状態を示す。
【0151】
具体的には、第1クラウド700aが、転送対象ファイルのサムネイルを生成し、その生成完了を送信端末100に通知する。送信端末100は、その生成完了通知を受けた後に、生成されたサムネイルをサムネイル保持部19にコピーして保存する。それにあわせて、コピーしたサムネイルのIDを転送ファイル記憶部13に記憶する。
【0152】
その後、前述したように送信端末100と受信端末300間でファイル転送処理やサムネイル表示を開始するが、ファイル転送処理は、第1クラウド700aと第2クラウド700b間で実行され、そのファイルの転送状況は、第2クラウド700bにより受信端末300の受信ファイル記憶部33へ記憶される。
【0153】
以上より、本実施の形態によれば、ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながらそのファイルのサムネイルを送信端末100や受信端末300の画面に表示するので、転送処理の進捗状況とファイルの内容を視覚的に把握可能にすることができる。
【0154】
また、本実施の形態によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながらそのファイルのサムネイルを表示するので、例えば、ファイルのサムネイルが送信端末100から受信端末300に移動するように表示することが可能となることから、視覚的にファイルの転送を表現することができる。
【0155】
また、本実施の形態によれば、ファイルの転送率が増加するに従って、送信端末100は、画面の下から上に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示し、受信端末300は、画面の上から下に向けて位置を移動させながらサムネイルを表示するので、視覚的にファイルの転送をより適切に表現することができる。
【0156】
また、本実施の形態によれば、複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示するので、ファイルの転送順を視覚的に確認することができる。
【0157】
また、本実施の形態によれば、映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成するので、複数のサムネイルが映像ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら画面に表示されることから、どの映像区間まで転送が完了したかを視覚的に確認することができる。
【0158】
また、本実施の形態によれば、受信端末300は、転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信するので、転送を受ける側であっても、意図しないファイルの転送を途中で中断することができる。
【0159】
これらより、ユーザは、転送処理がどこまで完了したかを確認することができる。また、例えば、フィルタで選択した複数の画像ファイルの中から必要なファイルだけを選択したり、映像ファイルの必要な映像区間だけを転送することも可能になる。
【0160】
なお、本実施の形態では、サムネイルの表示位置を変化させながら画面に表示する方法について説明したが、前述したように、サムネイルの表示サイズや表示色を変化させながら、画面に表示するようにしてもよい。
【0161】
例えば、ファイル転送率が増加するに従って、送信端末100と受信端末300の各画面に、サムネイルを次第に大きくするように表示する方法も採用できる。また、ファイル転送率が増加するに従って、送信端末100では、サムネイルの色の濃淡を次第に淡くし、受信端末300では、その色の濃淡を次第に濃くするように表示する方法も採用できる。
【0162】
サムネイルは端末の画面上に配置され表示されることから、上述した更新式を適宜変更したり、ファイル転送率に基づいて表示色を可変する数式を利用することにより、実施することが可能である。
【符号の説明】
【0163】
100…送信端末
11…ファイル保持部
12…ファイル選択部
13…転送ファイル記憶部(記憶手段)
14…サムネイル生成部(生成手段)
15…転送制御受付部
16…現状態記憶部
17…ファイル通信部(転送手段)
18…ファイル表示部(表示手段)
19…サムネイル保持部
300…受信端末
31…ファイル通信部
32…ファイル表示部
33…受信ファイル記憶部
34…ファイル保持部
35…転送制御受付部
36…現状態記憶部
500、500a、500b…無線通信路
S101〜S115、S201〜S202、S301〜S310、S401〜S404、S501〜S510、S601〜S614、S701〜S707…ステップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段からファイルを読み出して転送する転送手段と、
前記ファイルのサムネイルを生成する生成手段と、
前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示手段と、
を有することを特徴とするファイル転送装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする請求項1記載のファイル転送装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記ファイルの転送率が増加するに従って、前記ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示し、前記ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする請求項1又は2記載のファイル転送装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項5】
前記ファイルは映像ファイルであって、
前記生成手段は、
前記映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項6】
前記ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、前記転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項7】
ファイル転送装置で行うファイル転送方法において、
記憶手段からファイルを読み出して転送する転送ステップと、
前記ファイルのサムネイルを生成する生成ステップと、
前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示ステップと、
を有することを特徴とするファイル転送方法。
【請求項8】
請求項7記載のファイル転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とするファイル転送プログラム。
【請求項1】
記憶手段からファイルを読み出して転送する転送手段と、
前記ファイルのサムネイルを生成する生成手段と、
前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示手段と、
を有することを特徴とするファイル転送装置。
【請求項2】
前記表示手段は、
前記ファイルの転送率が増加するに従って、画面の一辺からその対向辺に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする請求項1記載のファイル転送装置。
【請求項3】
前記表示手段は、
前記ファイルの転送率が増加するに従って、前記ファイル転送装置が転送する側である場合に、画面の下から上に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示し、前記ファイル転送装置が転送を受ける側である場合に、画面の上から下に向けて位置を移動させながら前記サムネイルを表示することを特徴とする請求項1又は2記載のファイル転送装置。
【請求項4】
前記表示手段は、
複数のファイルからそれぞれ生成された複数のサムネイルを各ファイルの転送順に表示することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項5】
前記ファイルは映像ファイルであって、
前記生成手段は、
前記映像ファイルを構成している複数の画像フレームデータを用いて複数のサムネイルを生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項6】
前記ファイル転送装置が転送を受ける側の場合に、前記転送を中断する転送中断リクエストを転送する側に送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のファイル転送装置。
【請求項7】
ファイル転送装置で行うファイル転送方法において、
記憶手段からファイルを読み出して転送する転送ステップと、
前記ファイルのサムネイルを生成する生成ステップと、
前記ファイルの転送度にあわせて表示状態を変化させながら前記サムネイルを画面に表示する表示ステップと、
を有することを特徴とするファイル転送方法。
【請求項8】
請求項7記載のファイル転送方法をコンピュータに実行させることを特徴とするファイル転送プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−110640(P2013−110640A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255042(P2011−255042)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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