説明

フィルム吸着装置

【課題】フィルムの引き離しを容易に行うことができるフィルム吸着装置の提供。
【解決手段】フィルムAの上面を吸着するフィルム吸着装置1であって、長さ方向に複数の圧力室12を有すると共に、複数の圧力室12とそれぞれ独立して連通し且つ上記長さ方向の両端部の間において膨出した吸着面10aを有する真空チャック10と、吸着面10aをフィルムAの上面に対して上記長さ方向の両端部のうち一方の端部から他方の端部まで順次接触させるハンド装置と、を有するフィルム吸着装置1を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム吸着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸着面を有した多孔質体と、該多孔質体の周囲を閉塞しその吸着面と面一のワーク接触面を有する閉塞部とを備え、真空源からの吸引力を多孔質体内部の微細孔を介して吸着面に作用させることで、該吸着面にワークを吸着する真空チャックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4141877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術のような真空チャックを用いて、台上に支持されたフィルムあるいは積層されたフィルムを吸着しようとした場合、フィルムの台からの引き離しあるいはその下のフィルムからの引き離しが容易でないという問題がある。これは、フィルムと台あるいはフィルムとその下のフィルムが互いに面接触しており、両者の間には互いに引き寄せあう力、例えば、大気圧力、静電気力、二面間でそれぞれの原子・分子が引き合う引力等の様々な力が作用するため、フィルムの引き離しには大きな力が必要となるためである。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、フィルムの引き離しを容易に行うことができるフィルム吸着装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、フィルムの一方のフィルム面を吸着するフィルム吸着装置であって、長さ方向に複数の圧力室を有すると共に、上記複数の圧力室とそれぞれ独立して連通し且つ上記長さ方向の両端部の間において膨出した吸着面を有する真空チャックと、上記吸着面を上記フィルム面に対して上記長さ方向の両端部のうち一方の端部から他方の端部まで順次接触させる移動装置と、を有するという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、膨出した吸着面を有する真空チャックを移動させて、フィルムを順次吸着しながら、フィルムを順次引き離すことができる。これにより、フィルム全体を一度に引き離すことなく、その一部を端から順次引き離すことができるので、大きな力を作用させずにフィルムの引き離しを行うことができる。
【0007】
また、本発明においては、上記吸着面の上記両端部のうち少なくとも上記一方の端部に対応する位置に設けられた上記圧力室の負圧は、上記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた上記圧力室の負圧よりも大きいという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、吸着面の少なくとも一方の端部に対応する位置に設けられた圧力室の負圧が他の位置の圧力室の負圧よりも大きいので、最初にフィルム面と接触する当該一方の端部における吸着の安定性を高め、フィルムの端を脱落させることなく順次フィルムの引き離しを行うことができる。
【0008】
また、本発明においては、上記吸着面の上記両端部のうち少なくとも上記一方の端部に対応する位置に設けられた上記圧力室の上記長さ方向における幅は、上記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた上記圧力室の上記長さ方向における幅よりも小さいという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、吸着面の少なくとも一方の端部に対応する位置に設けられた圧力室の幅が他の位置の圧力室の幅よりも小さいので、膨出した形状の吸着面であっても、最初にフィルム面と接触する当該一方の端部における負圧の立ち上りを確実に行うことができ、フィルムの端を脱落させることなく順次フィルムの引き離しを行うことができる。
【0009】
また、本発明においては、上記吸着面の上記両端部のうち少なくとも上記一方の端部に対応する位置に設けられた上記圧力室の容積は、上記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた上記圧力室の容積よりも小さいという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、吸着面の少なくとも一方の端部に対応する位置に設けられた圧力室の容積が他の位置の圧力室の容積よりも小さいので、最初にフィルム面と接触する当該一方の端部における負圧の立ち上りの速応性を高めることができ、フィルムの端を脱落させることなく順次フィルムの引き離しを行うことができる。
【0010】
また、本発明においては、上記吸着面は、多孔質体から形成されているという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、無数の微細な孔部によって吸着面が形成されるので、吸着したフィルムの引き込み変形等による窪みやシワよれを抑制できる。
【0011】
また、本発明においては、上記吸着面の上記両端部のうち少なくとも上記一方の端部に対応する位置に設けられた上記多孔質体の孔部の径は、上記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた上記多孔質体の孔部の径よりも大きいという構成を採用する。
この構成を採用することによって、本発明では、吸着面の少なくとも一方の端部に対応する位置に設けられた多孔質体の孔部の径が他の位置の多孔質体の孔部の径よりも大きいので、最初にフィルム面と接触する当該一方の端部における負圧の立ち上りの速応性を高めることができ、フィルムの端を脱落させることなく順次フィルムの引き離しを行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フィルムの一方のフィルム面を吸着するフィルム吸着装置であって、長さ方向に複数の圧力室を有すると共に、上記複数の圧力室とそれぞれ独立して連通し且つ上記長さ方向の両端部の間において膨出した吸着面を有する真空チャックと、上記吸着面を上記フィルム面に対して上記長さ方向の両端部のうち一方の端部から他方の端部まで順次接触させる移動装置と、を有するという構成を採用することによって、膨出した吸着面を有する真空チャックを移動させて、フィルムを順次吸着しながら、フィルムを順次引き離すことができる。これにより、フィルム全体を一度に引き離すことなく、その一部を端から順次引き離すことができるので、大きな力を作用させずにフィルムの引き離しを行うことができる。
したがって、本発明では、フィルムの引き離しを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態におけるフィルム吸着装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態における真空チャックの底面側を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態における真空チャックの平面側を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態におけるフィルム吸着装置の吸着動作を説明するための図である。
【図5】本発明の一別実施形態におけるフィルム吸着装置を示す構成図である。
【図6】本発明の一別実施形態におけるフィルム吸着装置を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。所定方向をX軸方向、X軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。
【0015】
図1は、本発明の実施形態におけるフィルム吸着装置1を示す構成図である。図2は、本発明の実施形態における真空チャック10の底面側を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態における真空チャック10の平面側を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、フィルム吸着装置1は、フィルムを吸着する吸着面10aを有する真空チャック10と、真空チャック10を移動させるハンド装置(移動装置)20と、を有する。フィルム吸着装置1の吸着対象としては、正極、負極、セパレータ、用紙等を用いることができる。
【0017】
真空チャック10は、略長方体形状のチャックベース11を有する(図2及び図3参照)。チャックベース11は、金属体から形成され、静電気対策として電気的接地をとる構成となっている(図1参照)。チャックベース11の底部は、吸着面10aを構成する。チャックベース11の頂部は、ハンド装置20と接続されている。
【0018】
ハンド装置20は、少なくとも、チャックベース11をその幅方向(Y軸方向)に延びる軸周りに回転させ、且つ、チャックベース11を水平方向(X軸方向)及び鉛直方向(Z軸方向)に移動させることが可能な構成を有する。本実施形態ではハンド装置20として、6軸関節駆動機構を有するロボットアームを用いており、チャックベース11を任意の方向に移動、回転させることが可能な構成となっている。
【0019】
チャックベース11には、長さ方向(X軸方向)に複数の圧力室12が形成されている。圧力室12は、それぞれ独立して吸着面10aと連通している。また、圧力室12は、それぞれ独立した吸引流路13を有し、ポンプやエジェクタ等の吸引装置14と接続されている。したがって、吸着面10aは、長さ方向において吸引経路の異なる分割した吸引領域を複数有し、それぞれの吸引領域における負圧の大きさを独立して調節できる構成となっている。また、吸着面10aは、吸引領域の一部での吸着できない(気密室が形成できない)場合であっても、吸引経路の異なる他の吸引領域での吸着が行える構成となっている。
【0020】
吸着面10aは、長さ方向(X軸方向)における両端部の間において膨出した形状を有する。詳しくは、吸着面10aの領域を、長さ方向において、一端部10a1、中央部10a2、他端部10a3と分けると、中央部10a2の中央を頂部として、一端部10a1及び他端部10a3の端から漸次連続的に凸となるように膨出するよう構成されている。本実施形態の吸着面10aは、断面視で所定の曲率を有する円弧形状を有している。
【0021】
吸着面10aの少なくとも一部は、多孔質体15から形成されている。多孔質体15は、内部に無数の微細な孔部を備え、底面が吸着面10aの膨出した形状に沿った形状を有する。多孔質体15の種類は、多孔質セラミックス、多孔質プラスチック、多孔質金属等の材料から適宜選択されて構成されている。多孔質体15は、圧力室12内にそれぞれ嵌入して設けられている。
【0022】
圧力室12は、吸着面10aの一端部10a1に対応する位置に2つ、吸着面10aの中央部10a2に対応する位置に2つ、吸着面10aの他端部10a3に対応する位置に2つ、計6つ設けられている。各圧力室12は、Y軸方向において同一の長さを有する(図2及び図3参照)。一方で、一端部10a1及び他端部10a3に対応する位置に設けられた圧力室12のX軸方向における幅は、中央部10a2に対応する位置に設けられた圧力室12のX軸方向における幅よりも小さい構成となっている。
【0023】
なお、後述するフィルム吸着時において、各ポンプやエジェクタ等の吸引装置14は、一端部10a1及び他端部10a3に対応する位置に設けられた圧力室12の負圧を、中央部10a2に対応する位置に設けられた圧力室12の負圧よりも大きく(真空度を高く)するように設定されている。
【0024】
フィルムの脱落は端部から生じるため、このように、吸着面10aの一端部10a1及び他端部10a3における吸着力を、中央部10a2の吸着力よりも相対的に大きくすることで、吸着の安定性を高めることができる。一方、中央部10a2においては、フィルムAの端の吸着が確実に行われていれば、吸着力を大きくしなくても脱落が生じないため、吸着力を相対的に小さくすることで、エネルギー効率を向上させることができる。
【0025】
続いて、上記構成を有するフィルム吸着装置1の一連の吸着動作について図4を参照して説明する。なお、本実施形態のフィルム吸着装置1は、不図示の制御部を備えている。そして、特に断りが無い限り、当該制御部が、主体者として以下の動作を制御する。
図4は、本発明の実施形態におけるフィルム吸着装置1の吸着動作を説明するための図である。
【0026】
フィルムAは、台2上に載置されている。台2の一方側(−X側)の側部には、フィルムAを支持する支持面3に沿って除電イオンを吹き付けるブロアタイプのイオナイザー4が設けられている。イオナイザー4は、例えばコロナ放電等により空気を分解しイオンを発生させ、フィルムAと台2との間の静電気を電気的に中和する構成となっている。
【0027】
先ず、ハンド装置20(図4において不図示、図1参照)によって、図4(a)に示すように、真空チャック10を幅方向(Y軸方向)に延びる軸周りに傾け、吸着面10aの長さ方向の両端部のうち一方の端部(−X側の端部、より詳しくは、一端部10a1のうち−X側の圧力室12に連通する部位)を、フィルムAの上面に接触させる。
【0028】
一端部10a1のうち−X側の圧力室12の幅は小さいので、吸着面10aが膨出した形状を有していても当該接触により、フィルムAの上面と略平行に接触でき、対応する吸引領域を閉塞し、気密室を形成することができる。この状態で、ポンプやエジェクタ等の吸引装置14(図4において不図示、図1参照)を駆動させると、一端部10a1のうち−X側の圧力室12においては、多孔質体15内部の微細孔の空気を含めた内部空気が吸引流路13を介して引かれて負圧となる。
【0029】
また、一端部10a1のうち−X側の圧力室12の容量は小さいので、最初にフィルムAの上面と接触する吸着面10aの−X側の端部における負圧の立ち上りの速応性を高めることができる。したがって、この負圧により、吸着面10aの−X側の端部と接触したフィルムAの一部が、速やかに且つリークを生じさせることなく確実に吸着される。
【0030】
次に、ハンド装置20によって、図4(b)に示すように、吸着面10aをフィルムAの上面に接触させつつ転がすように真空チャック10を移動させる。この移動により、吸着面10aのうち一端部10a1及び中央部10a2の半分(より詳しくは、中央部10a2のうち−X側の圧力室12に連通する部位)までが、フィルムAに順次接触する。そして、接触したフィルムAが、吸着面10aに順次吸着される。
【0031】
これと同時に、最初に吸着面10aの−X側の端部と接触し吸着されたフィルムAの一部は、支持面3に対して反り上がる。したがって、フィルムAは、台2の支持面3に対してその一部を端から順次引き離されることとなる。このように、フィルムA全体を一度に引き離すことなく、その一部を端から順次引き離すことで、二面間に作用する力(大気圧力、静電気力、分子間力等)の影響を小さくし、大きな力を作用させずにフィルムAの引き離しを行うことが可能となる。
【0032】
フィルムAの端を吸着する吸着面10aの−X側の端部は、フィルムAの引き離し開始時において、フィルムAの下面と支持面3との引き寄せ力に打ち勝つための力を必要とするため、その吸着力をポンプやエジェクタ等の吸引装置14の設定により予め中央部10a2の吸着力よりも相対的に大きくすることで、吸着の安定性を高め、引き離し時のフィルムAの端の脱落を防止することができる。
【0033】
さらに、本実施形態のように、チャックベース11を電気的に接地し、フィルムAの台2から剥がされる部分へ向けてイオナイザー4による除電を行えば、フィルムAを台2から引き離すときの静電気の発生を抑制することができる。これにより、二面間に作用する静電気力を除去あるいは低減できるので、フィルムAの引き離しを行うことがさらに容易となる。
【0034】
そして、ハンド装置20によって、図4(c)に示すように、吸着面10aをフィルムAの上面に接触させつつ転がすように真空チャック10を移動させる。このように、吸着面10aをフィルムAの上面に対して、長さ方向の両端部のうち一方の端部(−X側の端部)から他方の端部(+X側の端部、より詳しくは、他端部10a3のうち+X側の圧力室12に連通する部位)まで順次接触させることにより、吸着が終了する。
【0035】
吸着面10aへのフィルムAの吸着が終了したら、ハンド装置20は、真空チャック10を上方に持ち上げ、所定の位置に搬送する。
なお、所定の位置に搬送した後、フィルムAを置く場合は、上記の反対の動作をすれば良い。また、フィルムAが吸着面10aから剥がれ難いときは、各圧力室12を正圧として噴き付けるようにしても良い。
【0036】
したがって、上述の本実施形態によれば、フィルムAの上面を吸着するフィルム吸着装置1であって、長さ方向に複数の圧力室12を有すると共に、複数の圧力室12とそれぞれ独立して連通し且つ上記長さ方向の両端部の間において膨出した吸着面10aを有する真空チャック10と、吸着面10aをフィルムAの上面に対して上記長さ方向の両端部のうち一方の端部から他方の端部まで順次接触させるハンド装置20と、を有するという構成を採用することによって、膨出した吸着面10aを有する真空チャック10を移動させて、フィルムAを順次吸着しながら、フィルムAを順次引き離すことができる。これにより、フィルムA全体を一度に引き離すことなく、その一部を端から順次引き離すことができるので、大きな力を作用させずにフィルムAの引き離しを行うことができる。
したがって、本実施形態では、フィルムAの引き離しを容易に行うことができる。
【0037】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0038】
例えば、図5に示す別実施形態のように、吸着面10aの両端部に対応する位置に設けられた多孔質体15の孔部の径を、他の位置に設けられた多孔質体15の径よりも大きくする構成としても良い。この構成によれば、径の大きい多孔質体15では密度が粗となり、流路抵抗が相対的に小さくなるので吸着面10aの両端部における負圧の立ち上りの速応性をさらに高めることができ、効率的なフィルムAの引き離しを行うことができる。
【0039】
また、例えば、上述した実施形態では、真空チャック10がその長さ方向において左右対称の構成を有していたが、フィルムAの引き剥がし方向を一方に規定すれば、左右対称の構成でなくても良い。この場合、引き剥がしの際に、最初にフィルムAの上面と接触する吸着面10aの両端部のうちの少なくともいずれか一方の端部(例えば図1に示す一端部10a1のうち−X側の圧力室12に連通する部位)に対応する位置に設けられた圧力室12の負圧を、他の位置に設けられた圧力室12の負圧よりも大きくし、また、当該対応する位置に設けられた圧力室12の幅及び容積を、他の位置に設けられた圧力室12の幅及び容積よりも小さくし、また、当該対応する位置に設けられた多孔質体15の径を、他の位置に設けられた多孔質体15の径よりも大きくする構成を採用することが好ましい。
【0040】
また、例えば、上述した実施形態では、吸着面10aの膨出する形状として、曲率が全面に亘る構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、図6(a)に示すように、その両端部のみ曲率を有する構成であっても良いし、図6(b)に示すように、その両端部の曲率と中央部の曲率を変化させる構成であっても、図6(c)に示すように、その両端部と中央部とを平面にしてその間を曲面で連続的に連ねる構成であっても良い。
【符号の説明】
【0041】
1…フィルム吸着装置、A…フィルム、10…真空チャック、10a…吸着面、12…圧力室、15…多孔質体、20…ハンド装置(移動装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの一方のフィルム面を吸着するフィルム吸着装置であって、
長さ方向に複数の圧力室を有すると共に、前記複数の圧力室とそれぞれ独立して連通し且つ前記長さ方向の両端部の間において膨出した吸着面を有する真空チャックと、
前記吸着面を前記フィルム面に対して前記長さ方向の両端部のうち一方の端部から他方の端部まで順次接触させる移動装置と、を有することを特徴とするフィルム吸着装置。
【請求項2】
前記吸着面の前記両端部のうち少なくとも前記一方の端部に対応する位置に設けられた前記圧力室の負圧は、前記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた前記圧力室の負圧よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のフィルム吸着装置。
【請求項3】
前記吸着面の前記両端部のうち少なくとも前記一方の端部に対応する位置に設けられた前記圧力室の前記長さ方向における幅は、前記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた前記圧力室の前記長さ方向における幅よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム吸着装置。
【請求項4】
前記吸着面の前記両端部のうち少なくとも前記一方の端部に対応する位置に設けられた前記圧力室の容積は、前記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた前記圧力室の容積よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフィルム吸着装置。
【請求項5】
前記吸着面は、多孔質体から形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のフィルム吸着装置。
【請求項6】
前記吸着面の前記両端部のうち少なくとも前記一方の端部に対応する位置に設けられた前記多孔質体の孔部の径は、前記両端部に対応する位置と異なる他の位置に設けられた前記多孔質体の孔部の径よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載のフィルム吸着装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate