説明

フタロシアンニンを側鎖に持つ発光材料及びその製造方法

【課題】フタロシニンをベースにした新たな発光材料の提供。
【解決手段】下式の反応により得たケイ素置換基を有すフタロシニン誘導体とジアルキルジクロロシラン、あるいはアルキルフェニルジクロロシランとをナトリウムの存在下反応させ、ケイ素含有オリゴマーを側鎖に有すフタロシニン化合物を合成する。


(式中、Mは、Ni、CuまたはCoである)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フタロシアンニンを側鎖に持つ発光材料及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フタロシアンニンは、古くから顔料として利用されてきたが、近年は情報記録用色素としての重要性が極めて高い化合物である。無置換のフタロシアニンは有機溶媒等への可溶性が極めて低いため、昇華法で薄膜等の作成が行われている。そこで近年塗布法等で利用することを目的にして、有機溶媒に可溶なフタロシアニンの合成が盛んに研究されている。特に、4-tert-ブチルフタロニトリルから合成されたteterakis-(tert-ブチル)フタロシアニンは各種有機溶媒に可溶であることが明らかになり、新しい機能性色素としての色素としての利用法が盛んに検討されている。
【0003】
4-tert-ブチルフタロニトリルから合成されたteterakis-(tert-ブチル)フタロシアニンを高分子に導入する等して更に機能化するためにはアミノ基を1つ持った化合物(2)を合成することが有用であることが知られている(非特許文献1)。しかし、一般にフタロシアニンを合成する際は高温で反応させるため、高温の反応で安定な4-ニトロフタロニトリルを用いてニトロ基を1つ持った化合物を単離精製したのち還元することでアミノ基に変換する方法が知られている(非特許文献1)。
【0004】
【化1】

【0005】
また、ポリシランはケイ素ケイ素間の結合に由来する発光が約340 nm付近に見られることから、有機EL等の発光材料として注目を集めている(非特許文献2、3)。主鎖のケイ素にフェニル基とメチル基が付いた高分子は有機溶媒に可溶であるため塗布法を用いた大面積デバイスの開発に注目が集まっている(非特許文献4、5)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Achar, B. N.ら; J. Polyhedron 1987, 6, 1463
【非特許文献2】Aihara S., Kamata N., Umeda M., Kanezaki S., Nagumo K., Terunuma D., Yamada K., Electroluminescence of Poly Bis (p-propoxyphenyl)Silane from Double-Layer Device with 8-Hydroxyquinoline Aluminum, Optical Review, Vol. 6, pp. 393-395, 1999.
【非特許文献3】Aihara S., Hirano Y., Tajima T., Tanioka K., Abe M., Saito N., Kamata N., Terunuma D., Wavelength Selectivities of Organic Photoconductive Films: Dye-Doped Polysilanes and Zinc Phthalocyanine/Tris-8-Hydroxyquinoline Aluminium Double Layer, Appl. Phys. Lett., Vol. 82, pp. 511-513, 2003.
【非特許文献4】T. Fukuda, B. Wei, M. Ichikawa, and Y. Taniguchi, "Transient characteristics of organic light-emitting diode with efficient energy transfer in emitting material", Thin Solid Films, vol.518, pp.567-670 (2009)
【非特許文献5】T. Fukuda, M. Komoriya, R. Kobayashi, Y. Ishimaru and N. Kamata, "Wavelength-Selectivity of Organic Photoconductive Devices by Wet Process", Jpn. J. Appl. Phys. vol.47, 04C162 (5page) (2009).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
高分子材料で有機EL素子を作成する場合、層間の材料同士が溶解しやすく有機ELに不可欠なヘテロ構造を持たせることが非常に困難である。そのため単層ないし少数の層の素子構造しかできず、多くの機能(各層の機能)をこれら単数または少数の層や材料に持たせる必要がある。したがって高分子材料の分子設計への要求は低分子材料のそれに比べて非常に高いと言われている。また、金属フタロシアニンは、様々の光材料に用いられてきたが、蛍光物質として機能する分子は亜鉛フタロシアンニン及びフタロシアニンフリーベースのみであり、他の金属フタロシニンを発光材料として利用することは不可能であった。
【0008】
そこで本発明の目的は、フタロシニンをベースにした新たな発光材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の以下のとおりある。
[1]
下記一般式(1)で表される化合物。
【化2】

(一般式(1)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基であり、nは1〜60の整数であり、mは1〜240の整数であり、n/mは0.05〜20の範囲である。)
[2]
[1]に記載の一般式(1)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物を反応させることを含む方法。
【化3】

(一般式(2)及び(3)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基である。)
[3]
[2]に記載の一般式(2)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(4)で表される化合物と一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシラン(R2は、炭素数1〜6のアルキル基である)を反応させることを含む方法。
【化4】

(一般式(4)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1は、炭素数1〜6のアルキル基である。)
【発明の効果】
【0010】
一般式(1)で示される本発明の化合物では、主鎖のポリシランからの発光と、主鎖発光からのエネルギー移動によるフタロシアニン環からの発光とが観測される。即ち、一般式(1)で示される本発明の化合物は、二発光型(発光間が例えば、約360 nm)の高分子である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1で得られた化合物のTOF-MASSの測定結果である。
【図2】実施例2で得られた化合物及び基準物質の可視吸収スペクトルである。
【図3】実施例2で得られた化合物の分子量分布を示す。
【図4】実施例2で得られた化合物の蛍光特性を示す。
【図5】実施例3で得られた化合物の可視吸収スペクトルを示す。
【図6】実施例3で得られた化合物の分子量分布を示す。
【図7】実施例3で得られた化合物の蛍光スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、下記一般式(1)で表される化合物に関する。
【化5】

(一般式(1)中、Mは、Ni、CuまたはCo等の金属イオンであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基であり、nは1〜60の整数であり、mは1〜240の整数であり、n/mは0.05〜20の範囲である。)
【0013】
1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜6のアルキル基は、例えば、メチル、エチル、iso-プロピル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルを挙げることができる。R4で示される炭素数1〜6のアルキル基も、例えば、メチル、エチル、iso-プロピル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルを挙げることができる。R4が置換フェニル基の場合の置換基は、例えば、炭素数1〜6のアルキル基であることができる。
【0014】
ポリシラン鎖における、nは1〜60の整数であり、mは1〜240の整数であり、n/mは0.05〜20の範囲である。nの繰返単位とmの繰返単位の配列は、ランダムである。平均分子量は、数平均分子量Mnが3,000〜50,000範囲であり、質量平均分子量Mwが10,000〜100,000の範囲であり、Mw/Mnが0.05〜20の範囲であることができる。ポリシラン鎖における、nは好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10の整数であり、mは好ましくは1〜100、より好ましくは1〜20の整数であり、n/mは好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.1〜5の範囲である。数平均分子量Mnは好ましくは10,000〜50,000、より好ましくは20,000〜50,000の範囲であり、質量平均分子量Mwは好ましくは15,000〜100,000、より好ましくは20,000〜100,000の範囲であり、Mw/Mnは好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.1〜3の範囲であることができる。
【0015】
<一般式(1)で表される化合物の製造方法>
一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物を反応させることを含む方法で製造することができる。
【0016】
【化6】

(一般式(2)及び(3)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基である。)
【0017】
1、R2、R3、及びR4は、一般式(1)と同様である。一般式(3)で表されるジクロロシラン化合物は、市販品として入手可能である。一般式(2)で表される化合物は後述する方法で製造することができる。
【0018】
一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とは、金属ナトリウムの存在下、有機溶媒中、加熱下で反応させることができる。一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の比率は、目的とする一般式(1)で表される化合物のn及びmに応じて適宜選択できる。金属ナトリウムの使用量は、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物の合計量に対して、例えば、モル比で10〜1000倍の範囲である。有機溶媒としては、例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン等を用いることができ、加熱温度は、例えば、100〜160℃とすることができる。加熱時間は、適宜選択できるが、例えば、1〜5時間の範囲である。
【0019】
<一般式(2)で表される化合物の製造方法>
一般式(2)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物と一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシラン(R2は、炭素数1〜6のアルキル基である)を反応させることを含む方法で製造することができる。
【0020】
【化7】

(一般式(4)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、炭素数1〜6のアルキル基である。)
【0021】
1及びR2は、一般式(1)と同様である。一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシラン一般式(4)は、市販品として入手可能である。一般式(4)で表される化合物は後述する方法で製造することができる。
【0022】
一般式(4)で表される化合物と一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシランとは、例えば、白金触媒の存在下、有機溶媒中、加熱下で反応させることができる。一般式(4)で表される化合物と一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシランの比率は、例えば、一般式(4)で表される化合物に対してモル比で1〜100倍の一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシランを用いることができる。白金触媒の使用量は、一般式(4)で表される化合物の量に対して、例えば、モル比で0.01〜10倍の範囲である。有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等を用いることができ、加熱温度は、例えば、70〜80℃とすることができる。加熱時間は、適宜選択できるが、例えば、3〜12時間の範囲である。
【0023】
<一般式(4)で表される化合物の製造方法>
一般式(4)で表される化合物は、一般式(5)で表される化合物と一般式(6)で表される4-アリルフタロニトリル化合物とを反応させることで製造することができる。
【0024】
【化8】

【0025】
上記反応は、式(5)で示される4−アルキルフタロニトリルと式(6)で示される4−アリルフタロニトリルをモル比で、例えば、1:3〜3:1の範囲とし、かつ金属塩は、式(5)で示される4−アルキルフタロニトリルと式(6)で示される4−アリルフタロニトリルの合計に対してモル比で1:3〜3:1の範囲とした混合物を溶媒中で加熱して行うことができる。加熱温度は、溶媒及び原料となるフタロニトリルや金属塩の種類を考慮して適宜決定できるが、例えば、130〜150℃の範囲することができる。反応時間は、溶媒、加熱温度及び原料となるフタロニトリルや金属塩の種類を考慮して適宜決定できるが、例えば、3〜12時間の範囲とすることができる。溶媒は、反応温度を考慮して適宜決定でき、例えば、ジメチルアミノメタノール、キノリン、n-ペンタン-1-オール等を用いることができる。金属塩の金属は、例えば、ニッケル、銅、亜鉛、鉄、コバルト、アルミニウム等であることができる。金属塩は、例えば、有機酸塩、無機酸塩等であることができ、有機酸塩を形成する有機酸としては、例えば、酢酸等を挙げることができ、無機酸塩を形成する無機酸としては塩酸および硫酸を挙げることができる。尚、式(6)で示される4−アリルフタロニトリルは、公知の方法(例えば、Barret, P. A.;Dent, C. E.;Linstead, R. P., J. Chem. Soc., 1936, 1719)で合成することができる。
【0026】
反応終了後、反応溶液は、例えば、水に添加する。式(4)で示される金属トリスアルキル−4−アリルフタロシアニンは、アリルを有するために水に不溶性または溶解度が低い。それに対して、副生する式(5)の4量体である金属テトラキスアルキルフタロシアニンは水に対する溶解度が、式(4)で示される金属トリスアルキル−4−アリルフタロシアニンに比べて高い。そのため、式(4)で示される金属トリスアルキル−4−アリルフタロシアニンは沈殿するので、これを常法により固液分離して、固体として回収することができる。回収した式(4)で示される金属トリスアルキル−4−アリルフタロシアニンは、さらに常法により精製することもできる。
【実施例】
【0027】
実施例1
4-アリルフタロニトリルの合成
50 ml二口ナスフラスコに4-ヨードフタロニトリル(0.1 g、0.4 mmol)、Pd(PPh3)4(2.1 mg、0.02 mmol)をいれ還流管とセプタムを取り付けた。還流管上部にラインを取り付け脱気、アルゴン置換を行った。トルエン(25 ml)、トリアリルスズ(0.26 g、0.8 mmol)をセプタムよりシリンジを用いて加えた。100 ℃で12時間加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液をエバポレータで濃縮した。ジクロロメタンに溶かし、水で洗浄した後有機層をエバポレータで濃縮する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより単離精製した。
収量;1.2647 g
収率;94 %
【0028】
【化9】

【0029】
30 ml二口ナスフラスコに撹拌子、4-t-ブチルフタロニトリル(1.7683 g, 8.42 mmol, 1 eq.)、4-アリルフタロニトリル(0.640 g, 16.84 mmol, 2 eq.)、酢酸ニッケル四水和物(6.315 g, 25.26 mmol, 3 eq.)を入れ、還流管とセプタムを取り付けた。還流管上部にラインを取り付け脱気、アルゴン置換を行った。2-ジメチルエタノール(40 ml)をセプタムよりシリンジを用いて加えた。135 ℃で18〜20時間加熱撹拌した。反応終了後、反応溶液を水に加え固体を析出させた。析出した固体を真空中で乾燥させた後、クロロホルムに溶かし再度吸引ろ過した。ろ液をエバポレータで濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Rf = 0.60;クロロホルム:ヘキサン = 8:2)によって第1フラクションを回収し、化合物を単離した。
【0030】
収量;0.8711 g
収率;40 %
TOF-MASS ;7 78.278 (E.M. = 778.3, Calc. for C46H43N9ONi)
TOF-MASSの結果を図1に示す。
【0031】
実施例2
フタロシアニンを側鎖に持つポリシラン化合物()の合成
フタロシアニンのヒドロシリル化
100ml三口ナスフラスコに撹拌子とNi(II)tris-t-butyl-4-allyl-phthalocyanineを450mg入れた。リフラックス管、滴下ロート、セプタムを取り付け、アルゴン置換した。THFをセプタムより5ml加え、Spier触媒を数的加えた。メチルジクロロシランを0.2mlにTHFを1ml加え滴下した。3時間リフラックスさせた後減圧蒸留し、トルエンを加えた。
【0032】
【化10】

【0033】
【化11】

【0034】
300 ml三口ナスフラスコにメカニカルスターラー、アリーン冷却機セプタムを取り付けた。ナトリウムを0.940 g入れて、アルゴン置換を行った。トルエンをセプタムより加えて、リフラックスさせた。メカニカルスターラーを高速回転させ、ナトリウムを砕いた。トルエンをシリンジでできるだけとり、ヒドロシリル化したフタロシアニンとジメチルジクロロシラン0.275 mlを加えた。3時間加熱撹拌の後、ガラスフィルターでろ過した。ろ液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去し、THFに溶かして撹拌しながら水に滴下し、再沈殿を行った。
粗収量;33.3 mg
得られた化合物及び基準物質の可視吸収スペクトルを図2に示す。
得られた化合物の分子量分布を図3に示す。
得られた化合物の蛍光特性を図4に示す。
【0035】
得られた化合物のnは1であり、mは6であり、n/mは0.17であり、数平均分子量Mnは26900であり、質量平均分子量Mwは48800であり、Mw/Mnは0.55である。
【0036】
実施例3
フタロシアニンを側鎖に持つポリシラン化合物()の合成
【化12】

【0037】
300ml三口ナスフラスコにメカニカルスターラー、アリーン冷却機セプタムを取り付けた。ナトリウムを0.904 g入れて、アルゴン置換を行った。トルエンをセプタムより加えて、リフラックスさせた。メカニカルスターラーを高速回転させ、ナトリウムを砕いた。トルエンをシリンジでできるだけとり、ヒドロシリル化したフタロシアニンを加えた。3時間加熱撹拌の後、ガラスフィルターでろ過した。ろ液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒留去し、THFに溶かして撹拌しながら水に滴下し、再沈殿を行った。
粗収量;200. 8mg
得られた化合物の可視吸収スペクトルを図5に示す。
得られた化合物の分子量分布を図6に示す。
得られた化合物の蛍光スペクトルを図7に示す。
【0038】
得られた化合物のnは1であり、mは6であり、n/mは0.17であり、数平均分子量Mnは3300であり、質量平均分子量Mwは16100であり、Mw/Mnは0.20である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、有機EL素子及び生体分子マーカー等の発光材料に関連する分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される化合物。
【化1】


(一般式(1)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基であり、nは1〜60の整数であり、mは1〜240の整数であり、n/mは0.05〜20の範囲である。)
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(1)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(2)及び(3)で表される化合物を反応させることを含む方法。
【化2】

(一般式(2)及び(3)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1、R2、及びR3は、独立に、炭素数1〜6のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜6のアルキル基または置換若しくは無置換フェニル基である。)
【請求項3】
請求項2に記載の一般式(2)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(4)で表される化合物と一般式HSiCl22で表されるアルキルジクロロシラン(R2は、炭素数1〜6のアルキル基である)を反応させることを含む方法。
【化3】

(一般式(4)中、Mは、Ni、CuまたはCoであり、R1は、炭素数1〜6のアルキル基である。)

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−51860(P2012−51860A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197708(P2010−197708)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(504190548)国立大学法人埼玉大学 (292)
【Fターム(参考)】