ヘッド接続用継手及び継手固定構造
【課題】天井下地材に支持された角バーに対する継手の固定強度を高めると共に多方向となる配管方向を必要に応じて選択可能として配管レイアウトの自由度を高めるヘッド接続用継手を提供する。
【解決手段】ヘッド接続用継手となるT形継手10は、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に多角形取付面30を形成する。取付金具18は横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位にT形継手10の多角形取付面30に係合する多角形係合穴を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト22を設ける。継手取付構造は、取付金具18を角バー20に横方向から嵌め入れ、且つ取付金具18の係合穴に多角形取付面30を形成した継手胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具18のボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20を押圧することにより、角バー20にT形継手10の任意の多角形取付面30の一面を押し当てて面接触で取付固定する。
【解決手段】ヘッド接続用継手となるT形継手10は、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に多角形取付面30を形成する。取付金具18は横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位にT形継手10の多角形取付面30に係合する多角形係合穴を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト22を設ける。継手取付構造は、取付金具18を角バー20に横方向から嵌め入れ、且つ取付金具18の係合穴に多角形取付面30を形成した継手胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具18のボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20を押圧することにより、角バー20にT形継手10の任意の多角形取付面30の一面を押し当てて面接触で取付固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水道を供給する配管の途中に設けられてスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手及び継手固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅、共同住宅などでは、上水道と同じ配管にT形継手を使用して閉鎖型のスプリンクラーヘッドを接続し、火災時に上水道を使用して消火を行う消火設備が知られている。
【0003】
図22は天井裏面から見た従来のスプリンクラーヘッドの取付構造を示す。図22において、天井材100は天井下地材102に取り付け固定されており、天井材100にはスプリンクラーヘッド104を取り付けるための天井穴106が形成されている。スプリンクラーヘッド104は停滞水防止構造を備えたT形継手108を使用して接続される。
【0004】
T形継手108の取付固定は、天井下地材102の上に張り渡して固定した角バー110に、取付金具としての巻き出しバンド112を使用して行われる。T形継手108の左右の接続口には、上水道が供給される合成樹脂管114が接続され、下方に位置するヘッド接続口にはヘッド先端の感熱部が天井穴106から出るようにスプリンクラーヘッド104が接続される。
【0005】
図23は図22のT形継手によるスプリンクラーヘッドの取付部分を取り出して側面を示している。図23において、巻き出しバンド112はコ字形に屈曲した板部材であり、左右に位置する横辺部位の下側に開口して角バー110に嵌め入れる矩形切欠116を形成し、二股に分かれた先端部を蝶ボルト120をねじ込みにより締め付け、T形継手108のヘッド接続口側の胴部を角バー110に押し当てて取り付け固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−210604号公報
【特許文献1】特開2009−095638号公報
【特許文献1】実開平3−69793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の継手固定構造にあっては、T形継手の円筒状胴部を巻き出しバンドのボルト締めにより角バーに押し当てて固定する構造としていたため、平面的に見るとT形継手の円筒状胴部と角バーは1点を通る線で線接触しているだけであり、充分な固定強度が得られないという問題がある。
【0008】
このためT形継手を固定した後に、下向きに開口したヘッド接続口にスプリンクラーヘッドを接続する場合、工具によりT形継手を押さえていないとT形継手が水平回りに回転し、T形継手に接続している合成樹脂管を破損してしまう問題がある。しかし天井裏に配置したT型継手を押さえた状態で天井下からスプリンクラーヘッドを取り付けることは不可能である。
【0009】
このような問題を解決するため、T形継手のヘッド接続口側の円筒胴部にフラットな当接面を設けるものもあるが、角バーに対し円筒胴部の当接面を当てて固定することからT形継手は配管接続口に対する合成樹脂管の配管方向が角バーに対し平行となる位置しか固定できず、例えば角バーに対し直交する固定配置などができないという問題がある。
【0010】
また合成樹脂管は巻き出し管であるため、巻き方向に変形する撓みをもっており撓みによる変形が大きい場合には、角バーに対しT形継手の配管方向が斜めになるように取付固定することが望ましいが、角バーに対し円筒胴部の当接面を当てて固定することから斜め方向の固定はできないという問題がある。また合成樹脂管の撓み変形により継手接続部分が緩んで微漏水を起す可能性があり、微漏水による水がスプリンクラーヘッドの感熱板にたまると、火災時に熱気流を受けても作動温度に上昇するまでに時間がかかり、適切に作動しない恐れもある。
【0011】
更にT形継手の固定構造から配管方向が一方向に制約され、配管損失を考慮した配管レイアウト通りの工事ができない場合が多いという問題もある。
【0012】
本発明は、角バーに対する継手の固定強度を高めると共に多方向となる配管方向を必要に応じて選択可能として配管レイアウトの自由度を高めたヘッド接続用継手及び継手固定構造を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0013】
(本発明の第1形態)
本発明は、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部の外側に形成され、複数の取付け面を連設した多角形取付面と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、多角形取付面の下側に位置するヘッド接続口の外側に、多角形取付面より最外周径の大きなナット部を形成する。
【0015】
本発明は、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された角バーと、
横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具を角バーに嵌め入れ、且つ取付金具の係合部にヘッド接続用継手の多角形取付面を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具の縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定する構造とする。
【0016】
ここで、角バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定する。
【0017】
取付金具はヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を多角形係合穴とし、多角形係合穴はヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとする。
【0018】
取付金具はヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を鉤形とする。
【0019】
(本発明の第2形態)
本発明の別の形態にあっては、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
ここで、複数の嵌合突起の下側に位置するヘッド接続口の外側に、嵌合突起より最外周径の大きなナット部を形成する。
【0021】
本発明の別の形態にあっては、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合突起を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
横長のコ字形に屈曲形成され、上下に位置する横辺部位にヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具を角バーに嵌め入れ、且つ係合部にヘッド接続用継手の複数の嵌合突起を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の隣接する任意の2つの嵌合突起を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする。
【0022】
ここで、取付バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする。
【0023】
取付金具はヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を多角形係合穴とし、多角形係合穴はヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとする。
【0024】
取付金具はヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を鉤形する。
【0025】
本発明の別の形態にあっては、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝と、
を備えたことを特徴とする。
【0026】
ここで、複数の嵌合溝の下側に位置するヘッド接続口の外側に、嵌合溝より開口外周径の大きなナット部を形成する。
【0027】
本発明の別の形態にあっては、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合溝を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
U字形に屈曲形成され、U字形底部にヘッド接続用継手の嵌合溝に嵌合する嵌合突起を形成し、左右に位置する横辺部位に角バーに嵌合する矩形切欠を形成し、一方の矩形切欠の後方に配置したねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具の矩形切欠を角バーに嵌め入れ、且つU字形底部の嵌合突起にヘッド接続用継手の嵌合溝を嵌め入れ、更に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に前記U字形底部の嵌合突起を嵌合した状態で、ねじ穴にボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の嵌合溝を押し当てて固定する構造とする。
【0028】
ここで、角バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手におけるヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面(または複数の嵌合突起あるいは複数の嵌合溝)を形成したため、天井下地材に固定した角バーに取付金具を使用して取付固定する場合、取付金具の多角形係合穴にヘッド接続用継手の多角形取付面を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具のボルト部材をねじ込むことにより、角バーにヘッド接続用継手の多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定することができ、両者は面接触で固定され、固定強度を高めることができる。
【0030】
このためヘッド接続用継手を取り付け固定した後に、ヘッド接続口にスプリンクラーヘッドをねじ込み固定する場合、継手側を工具で押さえていなかったとしても、継手側が動いて合成樹脂管を破損したり、緩みを生じて水漏れを起すことを確実に防止でき、スプリンクラーヘッドの取付作業及び取外し作業を効率化できる。
【0031】
またヘッド接続用継手は多角形取付面のいずれか1面を角バーに押し当てるように選択して取付け固定することから、配管接続口の軸芯線方向(配管方向)を角バーと平行する方向は勿論のこと、角バーに直交する方向、更には角バーに対し斜め方向とする取付固定でき、ヘッド接続用継手に対する配管方向の自由度を高め、配管損失などを考慮した配管レイアウト通りの工事を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるスプリンクラーヘッドの取付け構造を示した説明図
【図2】図1の取付け構造の側面を示した説明図
【図3】本発明によるヘッド接続用継手の実施形態を示した説明図
【図4】図3のヘッド接続用継手の滞留水防止構造を一部断面で示した説明図
【図5】図3のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図6】図3のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図7】図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の側面を示した説明図
【図8】図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の平面を示した説明図
【図9】ヘッド接続用継手の配管接続方向を角バーに対して斜めにした取付構造を平面で示した説明図
【図10】本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図
【図11】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図12】図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図13】図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の平面を示した説明図
【図14】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図
【図15】図14の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図16】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図
【図17】図16の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図18】本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図
【図19】図18のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図20】図19の取付金具を展開して示した説明図
【図21】図18のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図22】従来のスプリンクラーヘッドの取付け構造を示した説明図
【図23】図22のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を取り出して側面から示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は本発明によるスプリンクラーヘッドの取付構造を示した説明図であり、図2に図1の取付構造の側面を示している。
【0034】
図1及び図2において、天井材12は天井下地材14,15により取り付け固定されており、天井材12にはスプリンクラーヘッド24を取り付けるための天井穴16が形成されている。スプリンクラーヘッド24は多角形取付け面30を備えたヘッド接続用継手として機能するT形継手10を使用して接続される。
【0035】
T形継手10は、天井下地材15の上に張り渡して固定した角バー20に、取付金具18を使用して取付固定される。取付金具18はコ字形に屈曲した板部材であり、角バー20の横から嵌め入れ且つT形継手10の下方に位置するヘッド接続口側の胴部を取付金具18の多角形係合穴に挿入した状態でボルト22を締め込み、多角形取付面30の一面を角バー20の横に押し当てて取付固定している。
【0036】
T形継手10に対するスプリンクラーヘッド24の接続は、本実施形態にあってはスプリンクラーヘッド24の高さ位置を調整するため延長ソケット28を介して接続し、ヘッド下端が天井穴16の開口部より僅かに下方に出た位置としている。またスプリンクラーヘッド24と天井穴16の間には隙間を塞ぐシーリングカバー26が装着される。
【0037】
本実施形態にあっては、T形継手10にスプリンクラーヘッド24を接続した状態で取付金具18により角バー20に取付固定することができるが、T形継手10を取付金具18により角バー20に取付固定した後にスプリンクラーヘッド24をT形継手10や延長ソケット28に接続することもできる。
【0038】
また図1及び図2にあっては、角バー20の長手方向に対し、T形継手10の左右の配管接続口の軸芯線が通る配管接続方向を平行とした取付固定を示しているが、垂直方向とする取付固定も可能であり、更に、後の説明で明らかにするように、斜め方向とする取付固定も可能である。
【0039】
図3は本発明によるヘッド接続用のT形継手の実施形態を示した説明図であり、図3(A)は正面、図3(B)はヘッド接続口に対する継手胴部で下側から見た断面、図3(C)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面を示している。
【0040】
図3において、ヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、T字形に形成された継手本体32の左右にねじ穴を形成した配管接続口34,36を開口し、その外側をナット部34a,36aとしており、また下方に分岐した継手胴部の先端にねじ穴を形成したヘッド接続口38を開口し、その外側をナット部38aとしている。
【0041】
ヘッド接続口38を設けた継手胴部の外側には多角形取付面30が形成され、本実形態にあっては、図3(B)(C)の胴部断面から明らかなように、8角形の多角形取付面30としている。多角形取付面30は図1及び図2に示したように、取付金具18により角バー20の横にT形継手10を取付固定する場合の押し当て面として一面が使用され、角バー20との面接触による固定を実現する。
【0042】
図4は図3のヘッド接続用継手の滞留水防止構造を一部断面で示した説明図である。図4において、T型継手10は継手本体32の左右に配管接続口34,36を形成してストレート流路40により連通しており、ストレート流路40の中央から下方に分岐流路41を分岐して下端にヘッド接続口38を形成している。分岐流路41の内部には隔壁42が形成され、滞留防止構造を構成している。
【0043】
T型継手10の例えばヘッド接続口36から流入した水道水は矢印Aに示すように配管接続口34に流れるが、その一部が隔壁42で仕切られた分岐流路41を矢印Bに示すように迂回して流れ、ヘッド接続口38側に水道水の滞留が起きないようにしている。
【0044】
図5は図3のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図5(A)に平面を、図5(B)に横断面を示している。
【0045】
図5において、取付金具18は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位44にT形継手の多角形取付面に係合する多角形係合穴46として本実施形態にあっては6角形係合穴を形成し、横辺部位44を繋ぐ縦辺部位48にねじ穴50を形成し、ボルト22をねじ込み可能としている。また多角形係合穴46は図3に示したT形継手10のヘッド接続口38の外側に形成したナット部38aを挿通可能な大きさとしている。
【0046】
図6は図3のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、また図7に図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の側面を示し、更に図8にヘッド接続用継手の配管接続方向を角バーに対して水平にした取付構造を平面で示している。
【0047】
図6〜図8において、T形継手10の取付固定は、まず角バー20に対し取付金具18の開放側を横から嵌め入れ、取付金具18先端側に形成した上下の多角形係合穴46にT形継手10のヘッド接続口38側のナット部38を通して継手胴部に形成した多角形取付面30に位置させる。
【0048】
この状態で例えば角バー20の長手方向とT形継手10の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めし、ボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20の外側面20bを押圧する。このボルト22のねじ込みを受けて取付金具18は継手胴部を角バー20に押付ける方向に移動し、T形継手10の多角形取付面30の中の一面30aを角バー20の内側面20aに押し当て、両者の面接触により取付固定する。
【0049】
このとき取付金具18に設けられた一対の6角形の多角形係合穴46の端部側の辺はT形継手20の多角形取付面30の別の一面に面接触(少なくともい2箇所の線接触)しており、角バー20に対し直交する方向から力を加えることで安定した固定押圧力が得られる。
【0050】
ここで、図6〜図8にあっては、T型継手10のみの取付固定を示しているが、ヘッド取付口38に接続するスプリンクラーヘッドの最大径がナット部38の外径以下であれば、T形継手10にスプリンクラーヘッドを接続した状態で取付金具18の多角形係穴46にスプリンクラーヘッドを通すことができ、これによってT形継手10にスプリンクラーヘッドを接続した状態で角バー20に取付固定でき、T形継手10の固定後にスプリンクラーヘッドを接続する高所作業を不要にし、作業効率を大幅に高めることができる。
【0051】
またT形継手10を取付固定した後にスプリンクラーヘッドを接続する場合にあっても、T形継手10に形成した多角形取付面30の一面と角バー20との面接触、及び多角形取付面30の他の一面と取付金具18の多角形係穴46の一辺の接触により取付固定されていることから充分な固定強度が確保され、スプリンクラーヘッドをT形継手10のヘッド接続口38にねじ込み接続する際に、T形継手10のナット部38aを工具で押さえていなくとも回転してしまうことはなく、合成樹脂管の破損や緩みを起すことなく簡単にスプリンクラーヘッドの接続作業が効率良くできる。
【0052】
図9はT形継手の配管接続方向を角バーに対して斜めにした取付構造を平面で示した説明図である。図9の取付構造にあっては、角バー20の長手方向に対しT形継手10の配管接続口34,36の軸芯線52による配管接続方向を左回りにθ=45°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定している。
【0053】
この場合、ボルト22のねじ込みによる取付金具18の角バー20側への移動で、T形継手10に設けた多角形取付面30の一面30bが角バー20の内側面20aに押し当てられて面接触し、かつ多角形取付面30の一面30bの反対の面が取付金具18の一対の多角形係穴46の一辺に接触することにより取付固定される。
【0054】
このようにT形継手10を角バー20に対し左回りにθ=45°回転した斜め位置での取付固定以外に、T形継手10を角バー20に対し右回りにθ=45°回転した斜め位置、更に、θ=90°回転した直交位置での取付固定を必要に応じて任意に選択でき、配管レイアウトの自由度を高めることができる。
【0055】
図10は本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図であり、図10(A)は正面、図10(B)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面、図10(C)は平面を示している。
【0056】
図10において、本実施形態でヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、ヘッド接続口38を設けた継手胴部32aの外周に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起54を設けたことを特徴とする。
【0057】
複数の嵌合突起54は本実施形態にあっては図10(B)の断面に示すように、継手胴部32の外周の6箇所に等間隔に配置され、嵌合突起54の先端を結んだ線は正六角形を形成する。この正六角形の相対する二辺は、T形継手10の配管接続口34,36を通る軸芯線52と平行となるように配置する。それ以外の構造は図3及び図4と同じになる。
【0058】
図11は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図11(A)に平面を、図11(B)に横断面を示している。
【0059】
図11において、取付金具18は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位44にT形継手の多角形取付面に係合する多角形係合穴56として本実施形態にあっては6角形係合穴を形成し、横辺部位44を繋ぐ縦辺部位48にねじ穴50を形成し、ボルト22をねじ込み可能としている。また多角形係合穴46は図10に示したT形継手10のヘッド接続口38の外側に形成したナット部38aを挿通可能な大きさとしている。
【0060】
ここで多角形係合穴56は図5に示した取付金具18の多角形係合穴46に対し30度だけ六角形の向きが異なっており、六角形の辺ではなく、頂点が角バーに直交する位置となるように多角形係合穴56を形成している。
【0061】
図12は図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、図13に取付構造の平面を示している。図12及び図13において、T形継手10の取付固定は、角バー20に対し取付金具18の開放側を横から嵌め入れ、取付金具の先端側に形成した上下の多角形係合穴46にT形継手10のヘッド接続口38側のナット部38を通して継手胴部に形成した多角形取付面30に位置させる。
【0062】
この状態で例えば角バー20の長手方向とT形継手10の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めし、ボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20の外側面20bを押圧する。このボルト22のねじ込みを受けて取付金具18は継手胴部を角バー20に押付ける方向に移動し、T形継手10の継手胴部32aに設けた2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当て、嵌合突起52の2箇所での線接触により、面接触と同等な強度により取付固定できる。
【0063】
このとき取付金具18の6角形の多角形係合穴56はT形継手10の継手胴部32の別の2つの嵌合突起54に当っており、角バー20に対し直交する方向から力を加えることで安定した固定押圧力が得られる。この実施形態においては、図13に示すように、T型継手10の二つの嵌合突起54が取付金具18の多角形係合穴56の別々の辺に接触して固定され、T型継手10の継手胴部32aの軸心が、ボルト22の軸心の延長線と直交する位置となり、T型継手10を角バー20に対して強固に固定することができる。
【0064】
なお、図13はT形継手10の軸芯線52による配管接続方向を角バー20と平行にセットした取付固定であるが、T形継手10を左回りまたは右回りにθ=60°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定することもでき、これにより配管レイアウトの自由度を高めることができる。また図11の取付金具18は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0065】
なお、図10の実施形態のT型継手と図5の取付金具と組み合わせで取付固定することもできる。この場合は、T型継手10の二つの嵌合突起54が、取付金具18の多角形係合穴46の端部側の一辺に接触することとなる。
【0066】
図14は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図であり、図14(A)に平面を、図14(B)に横断面を示している。
【0067】
図14において、取付金具18の構造は図11の実施形態と基本的に同じになるが、横辺部位44に設けた多角形係合穴58を異なった形状としている。即ち、本実施形態の多角形係合穴58は5角形であり、具体的には図11の多角形係合穴56の6角形の右側を矩形としている。これは図13の取付構造に示すように、取付金具18の多角形係穴56は角バー20の反対側の2辺がT形継手10の2つの嵌合突起54を押しており、相対する角バー20に近い2辺は機能してないとから、この部分を矩形とし、多角形係合穴58の開口面積を大きくして、取付作業や取り外し作業を効率化したものである。
【0068】
図15は図14の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、取付金具18の5角形の多角形係合穴46の外側の2辺がT形継手20の継手胴部32の外側の2つの嵌合突起54に当って押圧し、反対側の2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当てて取付固定しており、図13に示したと同等の取付固定が実現できる。なお、図14の取付金具18は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0069】
図16は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図であり、図16(A)に平面を、図16(B)に横断面を示している。
【0070】
図16において、取付金具60は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位にT形継手の複数の嵌合突起に係合する鉤形係合部62を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位64にねじ穴70を形成し、ボルト68をねじ込んでいる。また板部材としての強度を確保するためリブ66を形成している。ねじ穴70の縦辺部位64内の位置は鉤型係合部62内にT型継手を嵌め入れて固定した際に、T型継手の継手胴部の軸心とボルト68の軸心の延長線が直交する位置に設けている。
【0071】
図17は図16の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、取付金具18の鉤形係合部62の内側がT形継手10の継手胴部32の外側の2つの嵌合突起54に当って押圧し、反対側の2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当てて取付固定しており、図13に示したと同等の取付固定が実現できる。なお図16の取付金具60は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0072】
図18は本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図であり、図18(A)は正面、図18(B)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面、図18(C)は平面を示している。
【0073】
図18において、本実施形態でヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、ヘッド接続口38を設けた継手胴部32aの外周に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝72を設けたことを特徴とする。複数の嵌合溝72は本実施形態にあっては図18(B)の断面に示すように、継手胴部32aの外周の6箇所に等間隔に配置され、正六角形に配置される。正六角形に配置された6箇所の嵌合溝72の内の2つは、T形継手10の配管接続口34,36を通る軸芯線52と直交する方向に配置する。それ以外の構造は図3及び図4と同じになる。
【0074】
図19は図18のT形継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図19(A)に左側面、図19(B)に平面、図19(C)に右側面を示している。図19において、取付金具74は横長のU字形に屈曲形成された板部材であり、左右に位置する横辺部位76a,76bに角バーに嵌合する嵌合切欠80,82を下向きに開口し、嵌合切欠80には嵌合突起80aが形成されている。
【0075】
取付金具74のU字形底部76cの内側には、中央及びその両側の3箇所に分けて縦方向に嵌合突起78が形成されている。また横辺部位76aの後端には外側と内側への円筒状の押し出しを交互に行なって形成した穴部にねじを切ることでねじ穴部84が形成され、頭部を蝶形とした蝶ボルト86をねじ込んでいる。
【0076】
図20は図19の取付金具を展開して示した説明図であり、図20(A)に左側面、図20(B)に平面を示している。図19から明らかなように、屈曲加工した際にU字形底部の内側となる中央部には、3箇所に分けて嵌合突起78が押出し加工により形成され、中央の嵌合突起78は1つであるが、その両側は位相をずらすことで2箇所に分けて形成している。
【0077】
図21は図18のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図である。図21において、T形継手10の取付固定は、角バー20に対し図17に示した取付金具74の嵌合切欠80,82を上から嵌め入れ、取付金具74の先端側に形成したU字形底部内側の中央の嵌合突起78をT形継手20の継手胴部に形成した嵌合突起72に嵌め入れ、この状態で角バー20の長手方向とT形継手20の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めされ、蝶ボルト86をねじ込んで角バー20の外側面に押し当て、横辺部位76の角バー20に対する嵌合を固定側として横辺部位76aを後方に引くことで、T形継手10の嵌合溝72を角バー20の内側面20aに押付けて取付固定する。このとき、U字形底部内側の中央の嵌合突起78の両側に位置する別の嵌合突起78はT形継手10の対応する嵌合溝72に一部が嵌り込み、略3点でT形継手10のヘッド接続側の継手胴部を押さえて角バー20に固定する。
【0078】
このため角バー20との接触が1つの嵌合突起72による接触であっても、取付金具74の嵌合突起78に対するT形継手10の嵌合溝72の3箇所の嵌合接触によって充分に高い固定強度が得られる。
【0079】
また、図21はT形継手10の軸芯線52による配管接続方向を角バー20と平行にセットした取付固定であるが、T形継手10を左回りまたは右回りにθ=60°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定することもでき、これにより配管レイアウトの自由度を高めることができる。
【0080】
なお、上記の実施形態において、図3のT形継手10の多角形取付面30を8角形としているが、これ以外の多角形取付面としても良いし、また、少なくとも2箇所に取付面を配置した多角形状の一部としても良い。
【0081】
また図10のT形継手10に設けた嵌合突起54及び図18のT形継手10に設けた嵌合溝72についても、正6角形配置に限定されず、これ以外の多角形配置としても良いし、また、少なくとも2箇所に嵌合突起又は嵌合溝を配置した多角形状の一部としても良い。
【0082】
また上記の実施形態に示した取付金具は、T形継手のヘッド接続口側の継手胴部を係合する係合部と角バーに対するボルト締めによる押付け固定部を備えるものであれば、適宜の形状または構造のものを含む。
【0083】
また上記実施形態のヘッド接続用継手としてT型の継手を使用しているが、これに限らず例えばY型などの継手の一部分に多角形取付面もしくは複数の嵌合突起又は嵌合溝を設けた継手であれば本発明を適用できる。
【0084】
また、ヘッド接続用10とスプリンクラーヘッド24の間に設けられる継手延長ソケット28は設けなくても良いし、また延長ソケット28は金属製部材もしくは屈曲性を有する配管であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態においては、取付金具のボルトの先端を角バーに直接押し当てる構造としているが、ボルトの先端に角バー20の側面20bに面接触する平板を設けて、接触面積を拡げることでより強固に固定させる構成としても良い。
【0086】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0087】
10:T形継手
12:天井材
14,15:天井下地材
16:天井穴
18,60,74:取付金具
20:角バー
22,68:ボルト
24:スプリンクラーヘッド
26:シーリングカバー
28:延長ソケット
30:多角形取取付面
32:継手本体
32a:継手胴部
34,36:配管接続口
3a,46a,38a:ナット部
38:ヘッド接続口
40:ストレート流路
41:分岐流路
42:隔壁
44:横辺部位
46,56,58:多角形係合穴
48,64:縦辺部位
50,70:ねじ穴
52:継手軸芯線
54,78:嵌合突起
62:鉤形係合部
72:嵌合溝
80,82:矩形切欠
84:ねじ部
86:蝶ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水道を供給する配管の途中に設けられてスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手及び継手固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般住宅、共同住宅などでは、上水道と同じ配管にT形継手を使用して閉鎖型のスプリンクラーヘッドを接続し、火災時に上水道を使用して消火を行う消火設備が知られている。
【0003】
図22は天井裏面から見た従来のスプリンクラーヘッドの取付構造を示す。図22において、天井材100は天井下地材102に取り付け固定されており、天井材100にはスプリンクラーヘッド104を取り付けるための天井穴106が形成されている。スプリンクラーヘッド104は停滞水防止構造を備えたT形継手108を使用して接続される。
【0004】
T形継手108の取付固定は、天井下地材102の上に張り渡して固定した角バー110に、取付金具としての巻き出しバンド112を使用して行われる。T形継手108の左右の接続口には、上水道が供給される合成樹脂管114が接続され、下方に位置するヘッド接続口にはヘッド先端の感熱部が天井穴106から出るようにスプリンクラーヘッド104が接続される。
【0005】
図23は図22のT形継手によるスプリンクラーヘッドの取付部分を取り出して側面を示している。図23において、巻き出しバンド112はコ字形に屈曲した板部材であり、左右に位置する横辺部位の下側に開口して角バー110に嵌め入れる矩形切欠116を形成し、二股に分かれた先端部を蝶ボルト120をねじ込みにより締め付け、T形継手108のヘッド接続口側の胴部を角バー110に押し当てて取り付け固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−210604号公報
【特許文献1】特開2009−095638号公報
【特許文献1】実開平3−69793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の継手固定構造にあっては、T形継手の円筒状胴部を巻き出しバンドのボルト締めにより角バーに押し当てて固定する構造としていたため、平面的に見るとT形継手の円筒状胴部と角バーは1点を通る線で線接触しているだけであり、充分な固定強度が得られないという問題がある。
【0008】
このためT形継手を固定した後に、下向きに開口したヘッド接続口にスプリンクラーヘッドを接続する場合、工具によりT形継手を押さえていないとT形継手が水平回りに回転し、T形継手に接続している合成樹脂管を破損してしまう問題がある。しかし天井裏に配置したT型継手を押さえた状態で天井下からスプリンクラーヘッドを取り付けることは不可能である。
【0009】
このような問題を解決するため、T形継手のヘッド接続口側の円筒胴部にフラットな当接面を設けるものもあるが、角バーに対し円筒胴部の当接面を当てて固定することからT形継手は配管接続口に対する合成樹脂管の配管方向が角バーに対し平行となる位置しか固定できず、例えば角バーに対し直交する固定配置などができないという問題がある。
【0010】
また合成樹脂管は巻き出し管であるため、巻き方向に変形する撓みをもっており撓みによる変形が大きい場合には、角バーに対しT形継手の配管方向が斜めになるように取付固定することが望ましいが、角バーに対し円筒胴部の当接面を当てて固定することから斜め方向の固定はできないという問題がある。また合成樹脂管の撓み変形により継手接続部分が緩んで微漏水を起す可能性があり、微漏水による水がスプリンクラーヘッドの感熱板にたまると、火災時に熱気流を受けても作動温度に上昇するまでに時間がかかり、適切に作動しない恐れもある。
【0011】
更にT形継手の固定構造から配管方向が一方向に制約され、配管損失を考慮した配管レイアウト通りの工事ができない場合が多いという問題もある。
【0012】
本発明は、角バーに対する継手の固定強度を高めると共に多方向となる配管方向を必要に応じて選択可能として配管レイアウトの自由度を高めたヘッド接続用継手及び継手固定構造を提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0013】
(本発明の第1形態)
本発明は、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部の外側に形成され、複数の取付け面を連設した多角形取付面と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで、多角形取付面の下側に位置するヘッド接続口の外側に、多角形取付面より最外周径の大きなナット部を形成する。
【0015】
本発明は、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された角バーと、
横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具を角バーに嵌め入れ、且つ取付金具の係合部にヘッド接続用継手の多角形取付面を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具の縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定する構造とする。
【0016】
ここで、角バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定する。
【0017】
取付金具はヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を多角形係合穴とし、多角形係合穴はヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとする。
【0018】
取付金具はヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を鉤形とする。
【0019】
(本発明の第2形態)
本発明の別の形態にあっては、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
ここで、複数の嵌合突起の下側に位置するヘッド接続口の外側に、嵌合突起より最外周径の大きなナット部を形成する。
【0021】
本発明の別の形態にあっては、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合突起を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
横長のコ字形に屈曲形成され、上下に位置する横辺部位にヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具を角バーに嵌め入れ、且つ係合部にヘッド接続用継手の複数の嵌合突起を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の隣接する任意の2つの嵌合突起を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする。
【0022】
ここで、取付バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする。
【0023】
取付金具はヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を多角形係合穴とし、多角形係合穴はヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとする。
【0024】
取付金具はヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を鉤形する。
【0025】
本発明の別の形態にあっては、配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝と、
を備えたことを特徴とする。
【0026】
ここで、複数の嵌合溝の下側に位置するヘッド接続口の外側に、嵌合溝より開口外周径の大きなナット部を形成する。
【0027】
本発明の別の形態にあっては、配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合溝を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
U字形に屈曲形成され、U字形底部にヘッド接続用継手の嵌合溝に嵌合する嵌合突起を形成し、左右に位置する横辺部位に角バーに嵌合する矩形切欠を形成し、一方の矩形切欠の後方に配置したねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
取付金具の矩形切欠を角バーに嵌め入れ、且つU字形底部の嵌合突起にヘッド接続用継手の嵌合溝を嵌め入れ、更に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に前記U字形底部の嵌合突起を嵌合した状態で、ねじ穴にボルト部材をねじ込んで角バーを押圧することにより、角バーにヘッド接続用継手の嵌合溝を押し当てて固定する構造とする。
【0028】
ここで、角バーの長手方向に対しヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定する。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手におけるヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面(または複数の嵌合突起あるいは複数の嵌合溝)を形成したため、天井下地材に固定した角バーに取付金具を使用して取付固定する場合、取付金具の多角形係合穴にヘッド接続用継手の多角形取付面を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、取付金具のボルト部材をねじ込むことにより、角バーにヘッド接続用継手の多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定することができ、両者は面接触で固定され、固定強度を高めることができる。
【0030】
このためヘッド接続用継手を取り付け固定した後に、ヘッド接続口にスプリンクラーヘッドをねじ込み固定する場合、継手側を工具で押さえていなかったとしても、継手側が動いて合成樹脂管を破損したり、緩みを生じて水漏れを起すことを確実に防止でき、スプリンクラーヘッドの取付作業及び取外し作業を効率化できる。
【0031】
またヘッド接続用継手は多角形取付面のいずれか1面を角バーに押し当てるように選択して取付け固定することから、配管接続口の軸芯線方向(配管方向)を角バーと平行する方向は勿論のこと、角バーに直交する方向、更には角バーに対し斜め方向とする取付固定でき、ヘッド接続用継手に対する配管方向の自由度を高め、配管損失などを考慮した配管レイアウト通りの工事を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明によるスプリンクラーヘッドの取付け構造を示した説明図
【図2】図1の取付け構造の側面を示した説明図
【図3】本発明によるヘッド接続用継手の実施形態を示した説明図
【図4】図3のヘッド接続用継手の滞留水防止構造を一部断面で示した説明図
【図5】図3のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図6】図3のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図7】図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の側面を示した説明図
【図8】図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の平面を示した説明図
【図9】ヘッド接続用継手の配管接続方向を角バーに対して斜めにした取付構造を平面で示した説明図
【図10】本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図
【図11】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図12】図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図13】図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の平面を示した説明図
【図14】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図
【図15】図14の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図16】図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図
【図17】図16の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図18】本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図
【図19】図18のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図
【図20】図19の取付金具を展開して示した説明図
【図21】図18のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図
【図22】従来のスプリンクラーヘッドの取付け構造を示した説明図
【図23】図22のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を取り出して側面から示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は本発明によるスプリンクラーヘッドの取付構造を示した説明図であり、図2に図1の取付構造の側面を示している。
【0034】
図1及び図2において、天井材12は天井下地材14,15により取り付け固定されており、天井材12にはスプリンクラーヘッド24を取り付けるための天井穴16が形成されている。スプリンクラーヘッド24は多角形取付け面30を備えたヘッド接続用継手として機能するT形継手10を使用して接続される。
【0035】
T形継手10は、天井下地材15の上に張り渡して固定した角バー20に、取付金具18を使用して取付固定される。取付金具18はコ字形に屈曲した板部材であり、角バー20の横から嵌め入れ且つT形継手10の下方に位置するヘッド接続口側の胴部を取付金具18の多角形係合穴に挿入した状態でボルト22を締め込み、多角形取付面30の一面を角バー20の横に押し当てて取付固定している。
【0036】
T形継手10に対するスプリンクラーヘッド24の接続は、本実施形態にあってはスプリンクラーヘッド24の高さ位置を調整するため延長ソケット28を介して接続し、ヘッド下端が天井穴16の開口部より僅かに下方に出た位置としている。またスプリンクラーヘッド24と天井穴16の間には隙間を塞ぐシーリングカバー26が装着される。
【0037】
本実施形態にあっては、T形継手10にスプリンクラーヘッド24を接続した状態で取付金具18により角バー20に取付固定することができるが、T形継手10を取付金具18により角バー20に取付固定した後にスプリンクラーヘッド24をT形継手10や延長ソケット28に接続することもできる。
【0038】
また図1及び図2にあっては、角バー20の長手方向に対し、T形継手10の左右の配管接続口の軸芯線が通る配管接続方向を平行とした取付固定を示しているが、垂直方向とする取付固定も可能であり、更に、後の説明で明らかにするように、斜め方向とする取付固定も可能である。
【0039】
図3は本発明によるヘッド接続用のT形継手の実施形態を示した説明図であり、図3(A)は正面、図3(B)はヘッド接続口に対する継手胴部で下側から見た断面、図3(C)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面を示している。
【0040】
図3において、ヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、T字形に形成された継手本体32の左右にねじ穴を形成した配管接続口34,36を開口し、その外側をナット部34a,36aとしており、また下方に分岐した継手胴部の先端にねじ穴を形成したヘッド接続口38を開口し、その外側をナット部38aとしている。
【0041】
ヘッド接続口38を設けた継手胴部の外側には多角形取付面30が形成され、本実形態にあっては、図3(B)(C)の胴部断面から明らかなように、8角形の多角形取付面30としている。多角形取付面30は図1及び図2に示したように、取付金具18により角バー20の横にT形継手10を取付固定する場合の押し当て面として一面が使用され、角バー20との面接触による固定を実現する。
【0042】
図4は図3のヘッド接続用継手の滞留水防止構造を一部断面で示した説明図である。図4において、T型継手10は継手本体32の左右に配管接続口34,36を形成してストレート流路40により連通しており、ストレート流路40の中央から下方に分岐流路41を分岐して下端にヘッド接続口38を形成している。分岐流路41の内部には隔壁42が形成され、滞留防止構造を構成している。
【0043】
T型継手10の例えばヘッド接続口36から流入した水道水は矢印Aに示すように配管接続口34に流れるが、その一部が隔壁42で仕切られた分岐流路41を矢印Bに示すように迂回して流れ、ヘッド接続口38側に水道水の滞留が起きないようにしている。
【0044】
図5は図3のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図5(A)に平面を、図5(B)に横断面を示している。
【0045】
図5において、取付金具18は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位44にT形継手の多角形取付面に係合する多角形係合穴46として本実施形態にあっては6角形係合穴を形成し、横辺部位44を繋ぐ縦辺部位48にねじ穴50を形成し、ボルト22をねじ込み可能としている。また多角形係合穴46は図3に示したT形継手10のヘッド接続口38の外側に形成したナット部38aを挿通可能な大きさとしている。
【0046】
図6は図3のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、また図7に図6のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造の側面を示し、更に図8にヘッド接続用継手の配管接続方向を角バーに対して水平にした取付構造を平面で示している。
【0047】
図6〜図8において、T形継手10の取付固定は、まず角バー20に対し取付金具18の開放側を横から嵌め入れ、取付金具18先端側に形成した上下の多角形係合穴46にT形継手10のヘッド接続口38側のナット部38を通して継手胴部に形成した多角形取付面30に位置させる。
【0048】
この状態で例えば角バー20の長手方向とT形継手10の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めし、ボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20の外側面20bを押圧する。このボルト22のねじ込みを受けて取付金具18は継手胴部を角バー20に押付ける方向に移動し、T形継手10の多角形取付面30の中の一面30aを角バー20の内側面20aに押し当て、両者の面接触により取付固定する。
【0049】
このとき取付金具18に設けられた一対の6角形の多角形係合穴46の端部側の辺はT形継手20の多角形取付面30の別の一面に面接触(少なくともい2箇所の線接触)しており、角バー20に対し直交する方向から力を加えることで安定した固定押圧力が得られる。
【0050】
ここで、図6〜図8にあっては、T型継手10のみの取付固定を示しているが、ヘッド取付口38に接続するスプリンクラーヘッドの最大径がナット部38の外径以下であれば、T形継手10にスプリンクラーヘッドを接続した状態で取付金具18の多角形係穴46にスプリンクラーヘッドを通すことができ、これによってT形継手10にスプリンクラーヘッドを接続した状態で角バー20に取付固定でき、T形継手10の固定後にスプリンクラーヘッドを接続する高所作業を不要にし、作業効率を大幅に高めることができる。
【0051】
またT形継手10を取付固定した後にスプリンクラーヘッドを接続する場合にあっても、T形継手10に形成した多角形取付面30の一面と角バー20との面接触、及び多角形取付面30の他の一面と取付金具18の多角形係穴46の一辺の接触により取付固定されていることから充分な固定強度が確保され、スプリンクラーヘッドをT形継手10のヘッド接続口38にねじ込み接続する際に、T形継手10のナット部38aを工具で押さえていなくとも回転してしまうことはなく、合成樹脂管の破損や緩みを起すことなく簡単にスプリンクラーヘッドの接続作業が効率良くできる。
【0052】
図9はT形継手の配管接続方向を角バーに対して斜めにした取付構造を平面で示した説明図である。図9の取付構造にあっては、角バー20の長手方向に対しT形継手10の配管接続口34,36の軸芯線52による配管接続方向を左回りにθ=45°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定している。
【0053】
この場合、ボルト22のねじ込みによる取付金具18の角バー20側への移動で、T形継手10に設けた多角形取付面30の一面30bが角バー20の内側面20aに押し当てられて面接触し、かつ多角形取付面30の一面30bの反対の面が取付金具18の一対の多角形係穴46の一辺に接触することにより取付固定される。
【0054】
このようにT形継手10を角バー20に対し左回りにθ=45°回転した斜め位置での取付固定以外に、T形継手10を角バー20に対し右回りにθ=45°回転した斜め位置、更に、θ=90°回転した直交位置での取付固定を必要に応じて任意に選択でき、配管レイアウトの自由度を高めることができる。
【0055】
図10は本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図であり、図10(A)は正面、図10(B)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面、図10(C)は平面を示している。
【0056】
図10において、本実施形態でヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、ヘッド接続口38を設けた継手胴部32aの外周に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起54を設けたことを特徴とする。
【0057】
複数の嵌合突起54は本実施形態にあっては図10(B)の断面に示すように、継手胴部32の外周の6箇所に等間隔に配置され、嵌合突起54の先端を結んだ線は正六角形を形成する。この正六角形の相対する二辺は、T形継手10の配管接続口34,36を通る軸芯線52と平行となるように配置する。それ以外の構造は図3及び図4と同じになる。
【0058】
図11は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図11(A)に平面を、図11(B)に横断面を示している。
【0059】
図11において、取付金具18は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位44にT形継手の多角形取付面に係合する多角形係合穴56として本実施形態にあっては6角形係合穴を形成し、横辺部位44を繋ぐ縦辺部位48にねじ穴50を形成し、ボルト22をねじ込み可能としている。また多角形係合穴46は図10に示したT形継手10のヘッド接続口38の外側に形成したナット部38aを挿通可能な大きさとしている。
【0060】
ここで多角形係合穴56は図5に示した取付金具18の多角形係合穴46に対し30度だけ六角形の向きが異なっており、六角形の辺ではなく、頂点が角バーに直交する位置となるように多角形係合穴56を形成している。
【0061】
図12は図10のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、図13に取付構造の平面を示している。図12及び図13において、T形継手10の取付固定は、角バー20に対し取付金具18の開放側を横から嵌め入れ、取付金具の先端側に形成した上下の多角形係合穴46にT形継手10のヘッド接続口38側のナット部38を通して継手胴部に形成した多角形取付面30に位置させる。
【0062】
この状態で例えば角バー20の長手方向とT形継手10の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めし、ボルト22をねじ込んでボルト先端により角バー20の外側面20bを押圧する。このボルト22のねじ込みを受けて取付金具18は継手胴部を角バー20に押付ける方向に移動し、T形継手10の継手胴部32aに設けた2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当て、嵌合突起52の2箇所での線接触により、面接触と同等な強度により取付固定できる。
【0063】
このとき取付金具18の6角形の多角形係合穴56はT形継手10の継手胴部32の別の2つの嵌合突起54に当っており、角バー20に対し直交する方向から力を加えることで安定した固定押圧力が得られる。この実施形態においては、図13に示すように、T型継手10の二つの嵌合突起54が取付金具18の多角形係合穴56の別々の辺に接触して固定され、T型継手10の継手胴部32aの軸心が、ボルト22の軸心の延長線と直交する位置となり、T型継手10を角バー20に対して強固に固定することができる。
【0064】
なお、図13はT形継手10の軸芯線52による配管接続方向を角バー20と平行にセットした取付固定であるが、T形継手10を左回りまたは右回りにθ=60°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定することもでき、これにより配管レイアウトの自由度を高めることができる。また図11の取付金具18は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0065】
なお、図10の実施形態のT型継手と図5の取付金具と組み合わせで取付固定することもできる。この場合は、T型継手10の二つの嵌合突起54が、取付金具18の多角形係合穴46の端部側の一辺に接触することとなる。
【0066】
図14は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図であり、図14(A)に平面を、図14(B)に横断面を示している。
【0067】
図14において、取付金具18の構造は図11の実施形態と基本的に同じになるが、横辺部位44に設けた多角形係合穴58を異なった形状としている。即ち、本実施形態の多角形係合穴58は5角形であり、具体的には図11の多角形係合穴56の6角形の右側を矩形としている。これは図13の取付構造に示すように、取付金具18の多角形係穴56は角バー20の反対側の2辺がT形継手10の2つの嵌合突起54を押しており、相対する角バー20に近い2辺は機能してないとから、この部分を矩形とし、多角形係合穴58の開口面積を大きくして、取付作業や取り外し作業を効率化したものである。
【0068】
図15は図14の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、取付金具18の5角形の多角形係合穴46の外側の2辺がT形継手20の継手胴部32の外側の2つの嵌合突起54に当って押圧し、反対側の2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当てて取付固定しており、図13に示したと同等の取付固定が実現できる。なお、図14の取付金具18は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0069】
図16は図10のヘッド接続用継手の固定に使用する取付金具の他の実施形態を示した説明図であり、図16(A)に平面を、図16(B)に横断面を示している。
【0070】
図16において、取付金具60は横長のコ字形に形成された板部材であり、上下に位置する横辺部位にT形継手の複数の嵌合突起に係合する鉤形係合部62を形成し、横辺部位を繋ぐ縦辺部位64にねじ穴70を形成し、ボルト68をねじ込んでいる。また板部材としての強度を確保するためリブ66を形成している。ねじ穴70の縦辺部位64内の位置は鉤型係合部62内にT型継手を嵌め入れて固定した際に、T型継手の継手胴部の軸心とボルト68の軸心の延長線が直交する位置に設けている。
【0071】
図17は図16の取付金具を用いたヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図であり、取付金具18の鉤形係合部62の内側がT形継手10の継手胴部32の外側の2つの嵌合突起54に当って押圧し、反対側の2つの嵌合突起54を角バー20の内側面20aに押し当てて取付固定しており、図13に示したと同等の取付固定が実現できる。なお図16の取付金具60は図3に示した多角形取付面30を設けたT形継手10の取付固定にも使用できる。
【0072】
図18は本発明によるヘッド接続用継手の他の実施形態を示した説明図であり、図18(A)は正面、図18(B)はヘッド接続口に対する継手胴部の上側から見た断面、図18(C)は平面を示している。
【0073】
図18において、本実施形態でヘッド接続用継手として機能するT型継手10は、ヘッド接続口38を設けた継手胴部32aの外周に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝72を設けたことを特徴とする。複数の嵌合溝72は本実施形態にあっては図18(B)の断面に示すように、継手胴部32aの外周の6箇所に等間隔に配置され、正六角形に配置される。正六角形に配置された6箇所の嵌合溝72の内の2つは、T形継手10の配管接続口34,36を通る軸芯線52と直交する方向に配置する。それ以外の構造は図3及び図4と同じになる。
【0074】
図19は図18のT形継手の固定に使用する取付金具の実施形態を示した説明図であり、図19(A)に左側面、図19(B)に平面、図19(C)に右側面を示している。図19において、取付金具74は横長のU字形に屈曲形成された板部材であり、左右に位置する横辺部位76a,76bに角バーに嵌合する嵌合切欠80,82を下向きに開口し、嵌合切欠80には嵌合突起80aが形成されている。
【0075】
取付金具74のU字形底部76cの内側には、中央及びその両側の3箇所に分けて縦方向に嵌合突起78が形成されている。また横辺部位76aの後端には外側と内側への円筒状の押し出しを交互に行なって形成した穴部にねじを切ることでねじ穴部84が形成され、頭部を蝶形とした蝶ボルト86をねじ込んでいる。
【0076】
図20は図19の取付金具を展開して示した説明図であり、図20(A)に左側面、図20(B)に平面を示している。図19から明らかなように、屈曲加工した際にU字形底部の内側となる中央部には、3箇所に分けて嵌合突起78が押出し加工により形成され、中央の嵌合突起78は1つであるが、その両側は位相をずらすことで2箇所に分けて形成している。
【0077】
図21は図18のヘッド接続用継手の角バーに対する取付構造を示した説明図である。図21において、T形継手10の取付固定は、角バー20に対し図17に示した取付金具74の嵌合切欠80,82を上から嵌め入れ、取付金具74の先端側に形成したU字形底部内側の中央の嵌合突起78をT形継手20の継手胴部に形成した嵌合突起72に嵌め入れ、この状態で角バー20の長手方向とT形継手20の配管接続方向となる軸芯線52が平行となるように位置決めされ、蝶ボルト86をねじ込んで角バー20の外側面に押し当て、横辺部位76の角バー20に対する嵌合を固定側として横辺部位76aを後方に引くことで、T形継手10の嵌合溝72を角バー20の内側面20aに押付けて取付固定する。このとき、U字形底部内側の中央の嵌合突起78の両側に位置する別の嵌合突起78はT形継手10の対応する嵌合溝72に一部が嵌り込み、略3点でT形継手10のヘッド接続側の継手胴部を押さえて角バー20に固定する。
【0078】
このため角バー20との接触が1つの嵌合突起72による接触であっても、取付金具74の嵌合突起78に対するT形継手10の嵌合溝72の3箇所の嵌合接触によって充分に高い固定強度が得られる。
【0079】
また、図21はT形継手10の軸芯線52による配管接続方向を角バー20と平行にセットした取付固定であるが、T形継手10を左回りまたは右回りにθ=60°回転して斜め方向にセットして接続金具18により取付固定することもでき、これにより配管レイアウトの自由度を高めることができる。
【0080】
なお、上記の実施形態において、図3のT形継手10の多角形取付面30を8角形としているが、これ以外の多角形取付面としても良いし、また、少なくとも2箇所に取付面を配置した多角形状の一部としても良い。
【0081】
また図10のT形継手10に設けた嵌合突起54及び図18のT形継手10に設けた嵌合溝72についても、正6角形配置に限定されず、これ以外の多角形配置としても良いし、また、少なくとも2箇所に嵌合突起又は嵌合溝を配置した多角形状の一部としても良い。
【0082】
また上記の実施形態に示した取付金具は、T形継手のヘッド接続口側の継手胴部を係合する係合部と角バーに対するボルト締めによる押付け固定部を備えるものであれば、適宜の形状または構造のものを含む。
【0083】
また上記実施形態のヘッド接続用継手としてT型の継手を使用しているが、これに限らず例えばY型などの継手の一部分に多角形取付面もしくは複数の嵌合突起又は嵌合溝を設けた継手であれば本発明を適用できる。
【0084】
また、ヘッド接続用10とスプリンクラーヘッド24の間に設けられる継手延長ソケット28は設けなくても良いし、また延長ソケット28は金属製部材もしくは屈曲性を有する配管であってもよい。
【0085】
また、上記実施形態においては、取付金具のボルトの先端を角バーに直接押し当てる構造としているが、ボルトの先端に角バー20の側面20bに面接触する平板を設けて、接触面積を拡げることでより強固に固定させる構成としても良い。
【0086】
また本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0087】
10:T形継手
12:天井材
14,15:天井下地材
16:天井穴
18,60,74:取付金具
20:角バー
22,68:ボルト
24:スプリンクラーヘッド
26:シーリングカバー
28:延長ソケット
30:多角形取取付面
32:継手本体
32a:継手胴部
34,36:配管接続口
3a,46a,38a:ナット部
38:ヘッド接続口
40:ストレート流路
41:分岐流路
42:隔壁
44:横辺部位
46,56,58:多角形係合穴
48,64:縦辺部位
50,70:ねじ穴
52:継手軸芯線
54,78:嵌合突起
62:鉤形係合部
72:嵌合溝
80,82:矩形切欠
84:ねじ部
86:蝶ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部の外側に形成され、複数の取付面を連設した多角形取付面と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項2】
請求項1記載のヘッド接続用継手に於いて、前記多角形取付面の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記多角形取付面より最外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項3】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、前記ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された角バーと、
横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を形成し、前記横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記取付金具の係合部に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面が位置するように嵌め入れた状態で、前記取付金具のねじ穴のボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手における前記多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項4】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【請求項5】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を多角形係合穴とし、前記多角形係合穴は前記ヘッド接続用継手のヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとしたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項6】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を鉤形としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項7】
配管に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項8】
請求項7記載のヘッド接続用継手に於いて、前記複数の嵌合突起の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記嵌合突起より最外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項9】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合突起を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
横長のコ字形に屈曲形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を形成し、前記横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記係合部に前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、前記縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手の隣接する任意の2つの嵌合突起を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項10】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【請求項11】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を多角形係合穴とし、前記多角形係合穴は前記ヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとしたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項12】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を鉤形としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項13】
配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項14】
請求項13記載のヘッド接続用継手に於いて、前記複数の嵌合溝の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記嵌合溝より開口外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項15】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合溝を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
U字形に屈曲形成され、U字形底部に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に嵌合する嵌合突起を形成し、左右に位置する横辺部位に前記角バーに嵌合する矩形切欠を形成し、前記一方の矩形切欠の後方に配置したねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具の矩形切欠を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記U字形底部の嵌合突起に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝を嵌め入れ、更に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に前記U字形底部の嵌合突起を嵌合した状態で、前記ねじ穴にボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手の前記嵌合溝を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項16】
請求項15記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【請求項1】
配管に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部の外側に形成され、複数の取付面を連設した多角形取付面と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項2】
請求項1記載のヘッド接続用継手に於いて、前記多角形取付面の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記多角形取付面より最外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項3】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、前記ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、多角形取付面を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された角バーと、
横長のコ字形に形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を形成し、前記横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記取付金具の係合部に前記ヘッド接続用継手の多角形取付面が位置するように嵌め入れた状態で、前記取付金具のねじ穴のボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手における前記多角形取付面の任意の一面を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項4】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【請求項5】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を多角形係合穴とし、前記多角形係合穴は前記ヘッド接続用継手のヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとしたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項6】
請求項3記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の多角形取付面に係合する係合部を鉤形としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項7】
配管に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合突起と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項8】
請求項7記載のヘッド接続用継手に於いて、前記複数の嵌合突起の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記嵌合突起より最外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項9】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合突起を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
横長のコ字形に屈曲形成され、上下に位置する横辺部位に前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を形成し、前記横辺部位を繋ぐ縦辺部位のねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記係合部に前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起を形成した胴部が位置するように嵌め入れた状態で、前記縦辺部位のねじ穴のボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手の隣接する任意の2つの嵌合突起を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項10】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【請求項11】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を多角形係合穴とし、前記多角形係合穴は前記ヘッド接続用継手におけるヘッド接続口の外側に形成したナット部を挿通可能な大きさとしたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項12】
請求項9記載の継手固定構造に於いて、前記取付金具は前記ヘッド接続用継手の複数の嵌合突起に係合する係合部を鉤形としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項13】
配管の途中に設けられ、火災による熱気流を受けて作動するスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続用継手に於いて、
前記配管を接続する配管接続口を設けると共に前記スプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設けた継手本体と、
前記ヘッド接続口を設けた継手本体の立下り胴部外周面に等間隔で且つ軸方向に形成された複数の嵌合溝と、
を備えたことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項14】
請求項13記載のヘッド接続用継手に於いて、前記複数の嵌合溝の下側に位置するヘッド接続口の外側に、前記嵌合溝より開口外周径の大きなナット部を形成したことを特徴とするヘッド接続用継手。
【請求項15】
配管を接続する配管接続口を設けると共にスプリンクラーヘッドを接続するヘッド接続口を設け、ヘッド接続口を設けた立下り胴部の外周に、等間隔で且つ軸方向に複数の嵌合溝を形成したヘッド接続用継手を、天井裏面の天井下地材に固定する継手固定構造に於いて、
天井面内のスプリンクラー取付け位置に対応して前記天井下地材に固定された断面矩形の角バーと、
U字形に屈曲形成され、U字形底部に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に嵌合する嵌合突起を形成し、左右に位置する横辺部位に前記角バーに嵌合する矩形切欠を形成し、前記一方の矩形切欠の後方に配置したねじ穴にボルト部材を設けた取付金具と、
を有し、
前記取付金具の矩形切欠を前記角バーに嵌め入れ、且つ前記U字形底部の嵌合突起に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝を嵌め入れ、更に前記ヘッド接続用継手の嵌合溝に前記U字形底部の嵌合突起を嵌合した状態で、前記ねじ穴にボルト部材をねじ込んで前記角バーを押圧することにより、前記角バーに前記ヘッド接続用継手の前記嵌合溝を押し当てて固定する構造としたことを特徴とする継手固定構造。
【請求項16】
請求項15記載の継手固定構造に於いて、前記角バーの長手方向に対し前記ヘッド接続用継手の配管接続方向が平行、直交または斜めとなるように取付け固定したことを特徴とする継手固定構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−143433(P2012−143433A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4745(P2011−4745)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(000151025)株式会社タブチ (86)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【出願人】(000151025)株式会社タブチ (86)
【Fターム(参考)】
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