説明

ポット苗移植機

【課題】ポット苗移植機において、苗載台上のポット苗箱を確実に1ポットピッチずつ送り、かつ位置決めをできるようにする。
【解決手段】ポット苗の取出位置付近の上下2箇所に、ポット苗箱9の送り穴9cに嵌入及び脱出する苗箱保持爪22,23が設置されている。前記取出位置の上流側及び下流側に、ポット苗箱9の上縁9bを苗載台1の上縁ガイド部1bとの間で挟んで間欠回転する苗箱送りローラ16,17が設置されている。苗箱送りローラ16,17はポット苗箱9を1回の間欠回転ごとに1ポットピッチずつ下流側に送り出す。苗箱保持爪22,23は、苗箱送りローラの間欠回転の1サイクルごとに、交互に前進して前記送り穴に嵌入し後退して前記送り穴から脱出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両側上縁に一定間隔で送り穴が形成された可撓性のポット苗箱を、該ポット苗箱を摺動自在に案内する苗載台に装填して1ポットピッチずつ間欠的に送り、前記苗載台上の取出位置で停止した前記ポット苗箱の横一列のポット苗室からポット苗を取り出し、そのポット苗を植付装置により順次圃場に植え付けるポット苗移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のポット苗移植機において、苗載台上でのポット苗箱の送りは、例えば特許文献1に記載されているように、前記送り穴に下降しながら嵌入し、上昇しながら脱出する送り爪と、同じ送り穴に対し前記送り爪の下降に伴い嵌入し、上昇に伴い脱出する固定爪により行われている。
【0003】
しかし、特許文献1に記載された手段の場合、次のような問題が生じる。
(1)ポット苗箱を繰り返し使用すると、両側上縁の前後両端部に形成されている突起(特許文献2参照)が欠損することが多くなるが、その場合、前記突起に最も近い送り穴が閉じた穴でなくなる(穴が開放状態となる)ため、送り爪が前記穴の縁に引っ掛からず、ポット苗箱を送れなくなる。
(2)送り爪と固定爪が両方とも送り穴に嵌入していない時があり、そのときポット苗箱は苗載台との摩擦力(特許文献3の板ばね7参照)で所定位置に保持されているが、振動等により苗載台内を下方にズレ落ちる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公昭58−11135号公報
【特許文献2】意匠登録第507139号公報
【特許文献3】実公昭59−12013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来のポット苗移植機の上記問題点に鑑みてなされたもので、破損部分(ほとんど前記突起の欠損)があるポット苗箱でも苗載台内を間欠的に送ることができ、かつ苗載台内でのポット苗箱のズレ落ちを確実に防止できるポット苗移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、両側の上縁に一定間隔で送り穴が形成された可撓性のポット苗箱を、該ポット苗箱を摺動自在に案内する苗載台に装填して1ポットピッチずつ間欠的に送り、前記苗載台上の取出位置で停止した前記ポット苗箱の横一列のポット苗室からポット苗を取り出し、そのポット苗を植付装置により順次圃場に植え付けるポット苗移植機に関し、前記取出位置付近において両側の上下2箇所に、前進して前記送り穴に嵌入し後退して前記送り穴から脱出する苗箱保持爪がそれぞれ設置され(2個1組で計2組)、前記取出位置の上流側及び下流側の両側に、ポット苗箱の上縁を苗載台との間で挟んで間欠回転し、ポット苗箱を1回の間欠回転ごとに1ポットピッチずつ下流側に送り出す苗箱送りローラがそれぞれ設置され(2個1組で計2組)、上下2箇所に設置された前記苗箱保持爪は、苗箱送りローラの間欠回転の1サイクルごとに交互に前進及び後退することを特徴とする。
【0007】
本発明に係るポット苗移植機において、ポット苗箱の上縁を苗載台との間で挟んで間欠回転する苗箱送りローラの代わりに、ポット苗箱の上縁を両面から挟んで間欠回転する苗箱送りローラ(2つのローラでポット苗箱の上縁を両面から挟持)を設置することもできる。
以上述べたポット苗移植機の具体的形態の1つとして、苗載台はポット苗箱の上縁を摺動自在に案内する上縁ガイド部を両側に有し、上縁ガイド部は前記取出位置付近に苗箱保持爪が出入り可能な爪穴を有し、苗箱保持爪は前記爪穴を通してポット苗箱の上縁の送り穴に嵌入する。この場合、苗箱送りローラはポット苗箱の上縁を苗載台の上縁ガイド部との間で挟んで間欠回転することが望ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るポット苗移植機によれば、破損部分(上縁部の突起の欠損)があるポット苗箱でも問題なく間欠送りすることができ、また、苗載台内でのポット苗箱のズレ落ちを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るポット苗移植機の要部説明図である。
【図2】上記ポット苗移植機の中でポット苗箱の間欠送りに関わる部分のみを取り出した説明図である。
【図3】上記ポット苗移植機における苗箱保持爪の経時的な動きを示す図で、右図は爪部材付近のみ、左図は苗箱送りローラを含めた図である。
【図4】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【図5】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【図6】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【図7】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【図8】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【図9】同じく苗箱保持爪の経時的な動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図1〜9を参照して、本発明に係るポット苗移植機について説明する。
図1において、1は苗載台、2は苗載台1を機体に固定するフレーム、3は駆動機構部、4は植付装置、5は苗載台1に装填されたポット苗箱の送り装置である。植付装置4は、苗搬送ベルト6、ガイド板7、植付爪8等を有する。このポット苗移植機の構造及び機能は、ポット苗箱の送り装置5を除いて、周知のポット苗移植機(例えば特許文献3、特公昭55−38082号公報等参照)と基本的に同一である。
【0011】
前記ポット苗箱は、特許文献1〜3等に記載されているように、多数のポット苗室が碁盤目状に形成され、左右両側にフランジ(上縁という)が形成され、該上縁に一定ピッチ(1ポットピッチごとに)で送り穴が形成されている。図3にポット苗箱9のポット苗室9a(一部)、上縁9b、及び送り穴9cが図示されている。
苗載台1は、例えば特許文献3に記載されているように、ポット苗箱9の底面(ポット苗室9aの底面)が摺動する湾曲した台板と、ポット苗箱9の両側の上縁9bが摺動する上縁ガイド部(特許文献3には掛止縁と記載されている)を有する。前記上縁ガイド部は、台板の両側に側板を介して該台板の湾曲に沿って形成され、ポット苗箱は前記台板と上縁ガイド部に挟まれ、摺動案内されて下流側へ送られる。図3に台板1aと上縁ガイド部(上縁ガイド板)1bが図示されている。
【0012】
苗載台1に装填されたポット苗箱は、送り装置5により1ポットピッチずつ下方に間欠的に送られ、取出位置に停止した横一列のポット苗室からポット苗が押出杆11により押し出される。押し出された横一列のポット苗は図示しない反転移送装置の苗受け台に保持され、反転しながら下方へ移送され、下端において跳ね出し板12により前記苗受け台から押し出され、苗搬送ベルト6上に落下する。苗搬送ベルト6上のポット苗はベルト端部に送られ、ベルト端部から落下し、続いて回転する植付爪8によりガイド板7に沿って下方に運ばれ、直立状態で圃場に植え付けられる。
【0013】
送り装置5は、苗載台1のフレームに固定された支軸13に回動自在に軸支された2つの爪部材14,15、前記取出位置の上流側及び下流側に一方向に回転(図1において左回転)可能に設置された2つの苗箱送りローラ16,17、駆動機構部3の動力を前記爪部材14,15及び苗箱送りローラ16,17に伝達する伝達機構18等からなる。なお、爪部材14,15、苗箱送りローラ16,17は苗載台の両側(左右)に対称的に配置されている。
【0014】
爪部材14,15の上端は、それぞれ苗載台1のフレームに設置された圧縮ばね19,21に連結され、図1において左側に付勢されている。爪部材14,15には、支軸13の下方位置において苗載台1側に突出する苗箱保持爪22,23が形成され、それぞれの下方に後述するカムローラと協働するカム部24,25を有している。苗箱保持爪22,23は前記取出位置付近に位置し、かつ苗箱保持爪22が苗箱保持爪23より所定間隔上方に位置している。爪部材14,15は、前記圧縮ばね19,21により図1において支軸13を中心として左回転の方向に付勢され、苗箱保持爪22,23は前方(図1において右側)に付勢されている。
【0015】
苗箱送りローラ16,17は、いずれも苗載台1の背面側(図1において右側)において苗載台1のフレームに一方向クラッチ26を介して軸支され、その周表面に滑り止めの凹凸部が形成されている。一方向クラッチ26にそれぞれレバー27,28が連結され、レバー27,28は連結杆29により互いに平行な状態で連結されている。レバー27が往復回動すると、連結杆29を開してレバー28も往復回動する。レバー27,28が往動回転(図1において右回転)するときは、苗箱送りローラ16,17は回転せず、レバー27,28が復動回転(図1において左回転)するとき、苗箱送りローラ16,17は同方向に所定角度回転する。
【0016】
伝達機構18は、主として図1,2に示すように、駆動機構部3に連結し軸部31を中心として所定角度範囲を往復揺動する駆動アーム32、苗載台1のフレームに往復回動自在に軸支(支持軸30)されたレバー33、アーム32の先端とレバー33のアーム34の先端を連結する連結杆35、レバー33のアーム36の先端に回転自在に設置されたカムローラ37、駆動レバー33のアーム38の先端に一端が連結されたリンク39、及びリンク39の他端と苗箱送りローラ16側の一方向クラッチ26に連結されたレバー41等からなる。爪部材14,15のカム部24,25が、前記圧縮ばね19,21によりカムローラ37に押し付けられている。
【0017】
図2に明瞭に示されているように、駆動アーム32が揺動すると、連結杆35を介してレバー33が回動し、カムローラ37が爪部材14,15のカム部24,25のカム面に沿って転動しながら移動し、爪部材14,15が揺動する。同時に、レバー33が回動することによりリンク39を介してレバー41が回動し、苗箱送りローラ16,17の一方向クラッチ26,26が回動し、該クラッチ26,26が図1において左回転したとき苗箱送りローラ16,17が一緒に左回転する。
【0018】
爪部材14,15の苗箱保持爪22,23は、図3に示すように、苗載台1の上縁ガイド板1bに形成された爪穴42(特許文献1に記載された爪穴9と同様の穴)を通して、ポット苗箱9の送り穴9cに嵌入する。ただし、苗箱保持爪22,23は上下に隣接する送り穴(異なる送り穴)に嵌入するように高さ設定されている。苗箱保持爪22,23の高さの差H(送り穴に嵌入したときの高さの差)は、送り穴の送り方向長さをp1とし、隣接する送り穴間の間隔をp2としたとき、p2<H<p1+p2の範囲内で設定すればよい。なお、本発明において、苗箱保持爪22,23が苗載台1に装填された苗箱9の送り穴9cに嵌入する方向に移動することを前進といい、逆に送り穴9cから脱出する方向に移動することを後退と表現している。
【0019】
また、苗箱送りローラ16,17は、同じく図3に示すように、苗載台1の上縁ガイド板1bの背面側から、ポット苗箱9の上縁9bに当接し、上縁ガイド板1bとの間で前記上縁9bを挟み、その状態で間欠的に回転する。1回の回転周長は1ポットピッチ(p1+p2)よりやや大きく設定される。なお、苗載台1の台板1aには、苗箱送りローラ16,17が遊嵌し得るローラ穴43,44が形成されている。
【0020】
上記送り装置5において、駆動アーム32が、図1の位置を始点として右側に所定角度前進揺動し、再び図1に示す始点に復帰揺動することで、苗箱9の送りの1サイクル、すなわち1ポットピッチの送りと位置決めが行われる。
図3に示すように、揺動アーム32が上記始点に位置しているとき、下方の苗箱保持爪23が所定位置(図3の例では押出杆11の位置)において送り穴9cに嵌入し、該送り穴9cの上端を引っ掛けて、苗箱9を所定位置に位置決めしている。このとき、苗箱9は苗箱送りローラ16,17により下向きの負荷を受け、その負荷を苗箱保持爪23が受け止めている。
【0021】
駆動アーム32が前記始点から前進揺動する間、苗箱送りローラ16,17は回転せず、一方、苗箱保持爪22,23側は、上方の苗箱保持爪22が下方の苗箱保持爪23より1ポットピッチ上の送り穴9cに嵌入し、続いて下方の苗箱保持爪23が送り穴9cから脱出する。また、駆動アーム32が前進揺動後、復帰揺動する間、苗箱送りローラ16,17は回転(図2において左回転)して苗箱9を下方に送り、一方、苗箱保持爪22,23側は、上方の苗箱保持爪22が送り穴9cから脱出し、続いて下方の苗箱保持爪23が同じ送り穴9c(それまで上方の苗箱保持爪22が嵌入していた送り穴)に嵌入し、下方に送られる苗箱9を受け止め、位置決めする。
【0022】
次に、若干繰り返しになるが、図3〜9を参照して、駆動アーム32が、前記始点(図1の位置)から図1の右側に所定角度前進揺動し、再び前記始点まで復帰揺動する1サイクルの往復揺動に伴う、苗箱保持爪22,23と苗箱送りローラ16,17の作動について、図3〜9を参照して説明する。なお、図3〜9において爪部材14,15及び苗箱送りローラ16,17は簡略化して図示され、図4〜9では苗載台1が図示省略されている。
(1)図3
図3は、駆動アーム32が図1の位置にあり、カムローラ37が図2のIIIの位置にあるときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。このとき、カムローラ37が爪部材14,15のカム部24,25の下端に当接している。これにより、上方の苗箱保持爪22が後退し、下方の苗箱保持爪23が前進して、苗載台1の上縁ガイド板1bに形成された爪穴42を通して苗箱9の送り穴9c内に嵌入し、送り穴9cの上端を引っ掛けた状態となっている。
【0023】
(2)図4
揺動アーム32が図1の位置から少し前進(右側に)揺動し、カムローラ37が図2のIVの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。カムローラ37が上方に揺動し、それに伴い、苗箱保持爪22が圧縮ばね19の付勢力で前進して苗箱保持爪23より1ポットピッチ上の送り穴9cに少し嵌入している(この時点では、送り穴9cの入口に引っ掛かって嵌入し切れていない)。苗箱保持爪23の移動はなく、送り穴9c内に嵌入したままである。この間、レバー27,28は少し往動回転(図2において右回転)するが、一方向クラッチが効いているため、苗箱送りローラ16,17は回転しない。なお、レバー27,28の往動回転の開始に伴い、苗箱送りローラ16,17から可撓性の苗箱9に掛かっていた下方への負荷が開放される。
【0024】
(3)図5
揺動アーム32が図1の位置から右側端まで所定角度揺動しカムローラ37が図2のVの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。この間、カムローラ37はさらに上方に揺動し(上方終点位置まで)、苗箱保持爪23は送り穴9cから脱出して後退する。苗箱保持爪22は送り穴9cの入口に引っ掛かった状態が継続している。一方、レバー27,28は往動回転(図2において右回転)の終点位置に達する。この間、苗箱送りローラ16,17は回転しない。
【0025】
(4)図6
揺動アーム32が復帰揺動を始め、カムローラ37が図2のVIの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。このとき、レバー27,28は復動回転(図2において左回転)を始めている。レバー27,28の復動回転に伴い、苗箱送りローラ16,17が回転(図2において左回転)し、ポット苗箱9がその分下方に移動し、苗箱保持爪22が圧縮ばね19の付勢力により送り穴9c内に嵌入し、さらに該送り穴9cの上端を引っ掛けている。一方、カムローラ37が上方終点位置から少し下方に揺動することに伴い、苗箱保持爪23が圧縮ばね21の付勢力により少し前進している。
【0026】
(5)図7
揺動アーム32がさらに復帰揺動し、カムローラ37が図2のVIIの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。苗箱保持爪22が後退して送り穴9cから脱出し、苗箱保持爪23は前進するが、先端がポット苗箱9の上縁9bに当たって次の送り穴9cにまだ嵌入できないでいる。この間、苗箱送りローラ16,17が回転(図2において左回転)しており、ポット苗箱9は下方に移動している。
【0027】
(6)図8
揺動アーム32がさらに復帰揺動し、カムローラ37が図2のVIIIの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。苗箱送りローラ16,17がさらに回転(図2において左回転)し、ポット苗箱9が下方に移動する。苗箱保持爪23はポット苗箱9が下降したことに伴い、圧縮ばね21の付勢力で前進し次の送り穴9cに嵌入する。
【0028】
(7)図9
揺動アーム32が図1の位置(左側端)まで復帰揺動し、カムローラ37が図2のIXの位置にきたときの苗箱保持爪22,23の位置を示す。このとき、レバー27,28は復動回転(図2において左回転)の終点位置に復帰している。苗箱保持爪22が後退し、ポット苗箱9がさらに下降したことにより、送り穴9cに嵌入していた苗箱保持爪23に送り穴9cの上端が引っ掛かり、ポット苗箱9の下降が止められ、苗箱9の位置決めが行われる。これにより、苗箱送りローラ16,17から苗箱9に負荷(圧縮力が掛かる。この時点で、ポット苗箱9は、図3の状態から1ポットピッチ下降している。苗箱9の位置決め後、押出杆11が作動し、横一列のポット苗室9aからポット苗を押し出す。
【0029】
このように、本発明に係るポット苗移植機によれば、ポット苗箱をポット苗の取出位置の上流側及び下流側に配置した苗箱送りローラで間欠的に送り、1回の間欠送りの間、前記取出位置付近に配置した上下の苗箱保持爪を交互に前進(送り穴への嵌入)及び後退(送り穴からの脱出)させることにより、ポット苗箱を確実に1ポットピッチずつ送り、かつ位置決めすることができる。また、この送り及び位置決めは、上縁部の突起の欠損があるポット苗箱でも確実に行うことができる。
なお、上記の例では、苗箱送りローラ16,17によりポット苗箱の上縁(左右両側の上縁)を苗載台との間で挟んで、前記ポット苗箱を送っていたが、その代わりに、ポット苗箱の上縁を両面から苗箱送りローラで挟んで(2つのローラでポット苗箱の上縁を両面から挟持して)を前記ポット苗箱を送ることもできる。
【符号の説明】
【0030】
1 苗載台
1b 上縁ガイド部
5 送り装置
9 苗箱
9b 上縁
9c 送り穴
14,15 爪部材
16,17 苗箱送りローラ
19,21 圧縮ばね
22,23 苗箱保持爪
24,25 カム部
26 一方向クラッチ
32 駆動アーム
33 レバー
35 連結杆
37 カムローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側の上縁に一定間隔で送り穴が形成された可撓性のポット苗箱を、該ポット苗箱を摺動自在に案内する苗載台に装填して1ポットピッチずつ間欠的に送り、前記苗載台上の取出位置で停止した前記ポット苗箱から横一列のポット苗を取り出し、そのポット苗を植付装置により順次圃場に植え付けるポット苗移植機であり、前記取出位置付近において両側の上下2箇所に、前進して前記送り穴に嵌入し後退して前記送り穴から脱出する苗箱保持爪がそれぞれ設置され、前記取出位置の上流側及び下流側の両側に、前記ポット苗箱の上縁を前記苗載台との間で挟んで間欠回転し、前記ポット苗箱を1回の間欠回転ごとに1ポットピッチずつ下流側に送り出す苗箱送りローラがそれぞれ設置され、上下2箇所に設置された前記苗箱保持爪は、前記苗箱送りローラの間欠回転の1サイクルごとに、交互に前進及び後退することを特徴とするポット苗移植機。
【請求項2】
前記苗載台は前記ポット苗箱の上縁を摺動自在に案内する上縁ガイド部を両側に有し、前記上縁ガイド部は前記取出位置付近に前記苗箱保持爪が出入り可能な爪穴を有し、前記苗箱保持爪は前記爪穴を通して前記送り穴に嵌入することを特徴とする請求項1に記載されたポット苗移植機。
【請求項3】
前記苗箱送りローラは前記ポット苗箱の上縁を前記苗載台の上縁ガイド部との間で挟んで間欠回転することを特徴とする請求項2に記載されたポット苗移植機。
【請求項4】
両側の上縁に一定間隔で送り穴が形成された可撓性のポット苗箱を、該ポット苗箱を摺動自在に案内する苗載台に装填して1ポットピッチずつ間欠的に送り、前記苗載台上の取出位置で停止した前記ポット苗箱から横一列のポット苗を取り出し、そのポット苗を植付装置により順次圃場に植え付けるポット苗移植機であり、前記取出位置付近において両側の上下2箇所に、前進して前記送り穴に嵌入し後退して前記送り穴から脱出する苗箱保持爪がそれぞれ設置され、前記取出位置の上流側及び下流側の両側に、前記ポット苗箱の前記上縁を両面から挟んで間欠回転し、前記ポット苗箱を一度に1ポットピッチずつ下流側に送り出す苗箱送りローラがそれぞれ設置され、上下2箇所に設置された前記苗箱保持爪は、前記苗箱送りローラの間欠回転の1サイクルごとに、交互に前進及び後退することを特徴とするポット苗移植機。
【請求項5】
前記苗載台は前記ポット苗箱の上縁を摺動自在に案内する上縁ガイド部を両側に有し、前記上縁ガイド部は前記取出位置付近に前記苗箱保持爪が出入り可能な爪穴を有し、前記苗箱保持爪は前記爪穴を通して前記送り穴に嵌入することを特徴とする請求項1に記載されたポット苗移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−200199(P2011−200199A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72804(P2010−72804)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】