説明

マルチステージ係合アセンブリ及び関連方法

【課題】多重のラッチ止め、錠止及びまたは保持を提供する2つあるいはそれ以上のラッチ止め、錠止または保持ポイントを各備えるマルチステージ的なラッチ止め、錠止、または保持機構のアセンブリを提供することである。
【解決手段】第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24がラッチ止めまたは錠止結合される状態下に、第1傾斜コイルバネ26は第1コンポーネント22と第2コンポーネント24との間に位置付けた少なくとも1つの共通溝に係入する。第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24が保持連結される状態下に、第1傾斜コイルバネ26は第1コンポーネント22または第2コンポーネント24の何れかに位置付けた少なくとも1つの溝に係入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2011年1月7日付で提出された仮出願特許第61/430,912号及び2010年11月30日付で提出された仮出願特許第61,418,331号の通常の一般出願であり、それら仮出願特許の内容はここに参照することにより本明細書の一部とする。
本発明は一般に、マルチステージ型のラッチ止め、錠止、または保持機構に関し、詳しくは、多重のラッチ止め、錠止及びまたは保持を提供する2つあるいはそれ以上のラッチ止め、錠止または保持ポイントを各備えるマルチステージ型のラッチ止め、錠止、または保持機構のアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
装置内部の各部品を機械的に連結する用途では、それら各部品を連結するジョイントまたはデバイスを、装置にダメージを与えずに切断または離断するよう設計する必要がある。この連結用途の一例には、人工補綴物と、当該補綴物をユーザーの身体に係止させる金属製骨グラフトとの間におけるものがある。人工補綴物に大きな外力が付加されると人工補綴物と骨との間のバイオメカニカルジョイントがダメージを受け得る。従って、人工補綴物の全体または一部は代表的には、身体から分離させ、バイオメカニカルジョイント及びまたは人工補綴物連結骨へのダメージを防止する設計とされる。その他の連結または用途例には分割式の自動車部品、電子装置用ハウジングカバー、おもちゃ、遊園地の乗り物、宇宙空間用の部品またはデバイス等がある。
【0003】
ある用途では、2つの物体が相対移動し、各物体の相対位置に依存する多数の代替可能な連結力により相互連結し得ることが要求され得る。装置内部で各物体が機械的に連結される別の用途では、各物体間の連結部は装置へのダメージを避けるべく切断または離断する設計とされ得る。上述した各用途例には、人工補綴物と、ユーザーの身体に当該人工補綴物を係止する金属製骨グラフトとの間の連結部、分割式の自動車部品、電子装置用ハウジングカバー、おもちゃ、遊園地の乗り物、宇宙空間用の部品またはデバイス等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】公開番号第2010/0028076A1号明細書
【特許文献2】米国特許第4,678,210号明細書
【特許文献3】米国特許第5,082,390号明細書
【特許文献4】米国特許第5,411,348号明細書
【特許文献5】米国特許第5,545,842号明細書
【特許文献6】米国特許第6,749,358号明細書
【特許文献7】米国特許第6,835,084号明細書
【特許文献8】米国特許第7,070,455号明細書
【特許文献9】米国特許第7,195,523号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多重のラッチ止め、錠止及びまたは保持を提供する2つあるいはそれ以上のラッチ止め、錠止または保持ポイントを各備えるマルチステージ型のラッチ止め、錠止、または保持機構のアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1様相に従う進行的釈放(プログレッシブリリース)装置は、第1コンポーネント、該第1コンポーネントに第1傾斜コイルバネにより連結する第2コンポーネント、該第2コンポーネントに第2傾斜コイルバネにより連結する第3コンポーネント、を含む。第2及び第3の各コンポーネント間の連結釈放要求力は第1及び第2の各コンポーネント間の連結釈放要求力より小さい。
一例では第1傾斜コイルバネは第2コンポーネント上及び第1コンポーネント上に夫々位置付けた溝により捕捉される。
一例では第2傾斜コイルバネは第2コンポーネント上及び第3コンポーネント上に夫々位置付けた溝により捕捉される。
一例では第2コンポーネントは第1コンポーネントの内部に位置付けられる。
【0007】
一例では第3コンポーネントは第2及び第1の各コンポーネントに関して摺動自在である。
一例では第3コンポーネントは相互取付けした少なくとも2つの個別部品から作製される。
本発明の他の様相によれば、義肢等の身体部分用の補完または交換デバイスで使用し得る進行的釈放装置が提供される。前記身体部分用の補完または交換デバイスは、バイオメカニカルジョイント位置で身体に連結する構成の第1部品と、身体部分として機能する構成の第2部品とを含む。進行的釈放装置の第1コンポーネントが前記第1部品に連結され、第3コンポーネントが前記第2部品に連結される。進行的釈放装置は、第1力で第1部品及び第2部品を少なくとも部分的に分離させることで、切迫した身体部分損傷の恐れをユーザーに警告する。進行的釈放装置は次いで、第1力より大きい第2力で第1及び第2の各部品を完全に分離させ、かくして前記身体部分の損傷を防止する。
【0008】
本発明によれば進行的釈放装置の組み立て方法が提供され、本方法には、第1傾斜コイルバネにより第1コンポーネントを第2コンポーネントに釈放自在に連結することが含まれ、当該連結は第1または第2の各コンポーネントの少なくとも一方に付加される第1力により釈放され得る。本方法には、第2傾斜コイルバネにより第2コンポーネントを第3コンポーネントに釈放自在に連結することも含まれ、当該連結は第2または第3の各コンポーネントの少なくとも一方に付加される第2力により釈放され得る。前記第2力は前記第1力よりも小さい。
【0009】
本発明によれば、マルチステージ係合装置の作製方法が提供され、本方法には、第1傾斜コイルバネにより第1コンポーネントを第2コンポーネントに釈放自在に連結すること、第2傾斜コイルバネにより第2コンポーネントを第3コンポーネントに釈放自在に連結すること、を含み、前記第1及び第2の各コンポーネント間の連結は前記第1または第2の各コンポーネントの少なくとも一方に付加される第1力により釈放され得、前記第2及び第3の各コンポーネント間の連結は第2または第3の各コンポーネントの少なくとも一方に付加される第2力により釈放され得、前記第2力は前記第1力よりも小さい。
【0010】
前記方法の一例には、第1傾斜コイルバネを捕捉する共通溝にして、第1または第2のコンポーネントに軸力を付加すると第1傾斜コイルバネを捕捉してその短軸を撓ませる共通溝を提供することで、該第1コンポーネントを第2コンポーネントにラッチ止めすることが更に含まれる。
他の前記方法例には、第2傾斜コイルバネを捕捉する共通溝にして、第2または第3のコンポーネントに軸力を付加すると第2傾斜コイルバネを捕捉してその短軸を撓ませる共通溝を提供することで、該第2コンポーネントを第3コンポーネントにラッチ止めすることが更に含まれる。
【0011】
他の前記方法例には、第2傾斜コイルバネを捕捉し、該第2傾斜コイルバネをその長軸に沿って負荷する共通溝を提供することにより第2コンポーネントを第3コンポーネントに錠止することが更に含まれる。
他の前記方法例には、第3コンポーネントを第2コンポーネントに関して摺動させることが更に含まれる。
他の方法実施例には、第2コンポーネントを第1コンポーネントの内側に配置することが更に含まれる。
【0012】
本発明の他の様相によれば、マルチステージラッチ止め装置であって、シャフトと、該シャフトを受ける構成の穿孔を有するハウジングと、該ハウジングの穿孔内または前記シャフト上の少なくとも2つの溝と、該溝の何れかに格納される構成の少なくとも1つの傾斜コイルバネにして、前記ハウジングとシャフトとの間における多重的なラッチ連結を提供する傾斜コイルバネと、を含むラッチ止め装置が提供される。
【0013】
本発明の更に他の様相によれば、2部品のラッチ係合法であって、傾斜コイルバネを受ける構成の少なくとも2つの溝を含む第1部品または第2部品において、第1部品を第2部品の穿孔内に挿入すること、前記傾斜コイルバネを前記溝の一方の内部に位置付けた状態下に前記穿孔内で第1部品を移動させて該第1部品を第1ラッチ位置で第2部品にラッチ係合させること、前記傾斜コイルバネを前記溝の他方の内部に位置付けた状態下に前記穿孔内で第1部品を移動させて該第1部品を前記第2部品にラッチ係合させること、を含むラッチ係合法が提供される。
【0014】
本発明の更に他の様相によれば、マルチステージ係合装置であって、シャフトと、該シャフトを受ける構成の穿孔を有するハウジングと、該ハウジングの穿孔内またはシャフト上の第1及び第2の溝と、傾斜コイルバネにして、前記シャフトまたはハウジングに第1軸力を付加することで前記第1溝内に位置決め自在であり、前記シャフトまたはハウジングに前記第1軸力より大きい第2軸力を付加することで前記第2溝内に位置決め自在である傾斜コイルバネと、を含む係合装置が提供される。
【0015】
1装置例では装置は、ハウジングの穿孔内にシャフトを挿入組み込みする以前に傾斜コイルバネを維持する維持用溝を更に含む。
1装置例では、第2溝の側壁の、シャフト中心線に関するテーパが第1溝の側壁におけるそれより大きい。
1装置例では、第1溝及び第2溝の各底壁がシャフト中心線に関する異なる深さを有する。
1装置例ではシャフトが第1製造物品に連結される。
1装置例では第2溝の底壁が第1溝の底壁よりも少なくとも1.5倍長い。
【0016】
本発明の進行的釈放装置の各実施例は、その1つのみでは所望の属性を有し得ないところの幾つかの特徴部分を有する。以下に、本発明の進行的釈放装置の優れた特徴部分を、付随する請求項に記載の実施例の範囲を限定することなく説明する。本明細書の前記各実施例の特徴部分の種々用途における利益は、特に“発明の詳細な説明”において明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の1実施例に従う進行的釈放装置の略断面図である。
【図2A】バイオメカニカル的人工補綴物での使用状況を示す図1の進行的釈放装置の例示図である。
【図2B】バイオメカニカル的人工補綴物での使用状況を示す図1の進行的釈放装置の例示図である。
【図3A】バイオメカニカル的人工補綴物での使用状況を示す図1の進行的釈放装置の例示図である。
【図3B】バイオメカニカル的人工補綴物での使用状況を示す図1の進行的釈放装置の例示図である。
【図4】義足での使用状況を示す進行的釈放装置の例示図である。
【図5A】他の実施例に従う進行的釈放装置の例示図である。
【図5B】他の実施例に従う進行的釈放装置の例示図である。
【図5C】他の実施例に従う進行的釈放装置の例示図である。
【図6】他の実施例に従うラッチ止め装置の側方断面図である。
【図7】他の実施例に従うラッチ止め装置の側方断面図である。
【図8】他の実施例に従うラッチ止め装置の側方断面図である。
【図9】他の実施例に従うラッチ止め装置の側方断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明のコネクタ、システム及び関連方法を図面を参照して説明する。添付図面及び関連説明では装置の特定コンポーネントは一体形成され、その他の特定コンポーネントは個別部品として形成されるが、一体形成物として説明される各コンポーネントは他の実施例では個別部品として形成され得、また個別形成される各部品は一体形成され得るものとする。ここで、「一体」とは、単一ユニットまたはユニットピースを意味し、ユニットピースとは単独形成した単一ピース、例えば、単独形成した型または鋳物を言うものとする。また、ここで“第1”及び“第2”とは異なる部品の区別上のみにおぴて使用され、特に断りのない限り、“第1”及び“第2”は異なる2つのコンポーネントを限定しないものとする。
【0019】
図1には本発明のシステム及び方法の1実施例に従う装置20が例示される。本装置は、進行的釈放装置またはマルチステージ的なラッチ止め、錠止または保持用装置20として参照され得、第1傾斜コイルバネ26により相互に保持、ラッチ止めまたは錠止された構成を有し得る第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24を含む。以下に詳しく説明する如く、第1傾斜コイルバネ26が、第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24がラッチ止めまたは錠止結合される状態下に第1コンポーネント22と第2コンポーネント24との間に位置付けた少なくとも1つの共通溝に係入する。第1傾斜コイルバネ26は、第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24が保持連結される状態下に、第1コンポーネント22または第2コンポーネント24の何れかに位置付けた少なくとも1つの溝に係入する。本装置は、保持、ラッチ止め、錠止、またはそれらの組み合わせであり得るマルチステージ係合装置として参照され得る。進行的釈放装置20は、第2傾斜コイルバネ30により第2コンポーネント24にラッチ止めまたは錠止連結する第3コンポーネント28を更に含む。以下に詳しく説明する如く、第2傾斜コイルバネ30が、第3コンポーネント28及び第2コンポーネント24がラッチ止めまたは錠止連結される状態下に、第2コンポーネント24と第3コンポーネント28との間に位置付けた少なくとも1つの共通溝に係入する。第2傾斜コイルバネ30が、第3コンポーネント28及び第2コンポーネント24が保持連結される状態下に、第3コンポーネント28または第2コンポーネント24の何れかに位置付けた少なくとも1つの溝に係入する。第2コンポーネント24及び第3コンポーネント28間の連結は第1連結として理解され得、第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24間の連結は第2連結として理解され得る。
【0020】
以下に、第1連結及び第2連結をラッチ連結部として説明するが、その何れかの連結は、所定用途での進行的釈放装置の機能及び能力要件あるいは設定に基づき、保持連結部または錠止連結部であり得る。以下に詳しく説明する如く、第1連結を釈放するに要する力は第2連結を釈放または分離するに要する力よりも小さい。従って、第1コンポーネント22及びまたは第3コンポーネント28への付加力を漸増させると第2連結より先に第1連結が分離する。ここで、バネのラッチ止めとは、バネが2つの溝、即ち共通溝間に捕捉されるが、アンラッチが許容される捕捉を含み、バネの錠止とは、バネが2つの溝間に捕捉されるが、アンラッチはバネの破壊により許容される捕捉を含むものとする。
【0021】
図2Aを参照するに、第1コンポーネント22は、中心線CLに沿って第1コンポーネント22に力Faを行使し得る外部装置(図示せず)に連結され得る。力Faが、第1コンポーネント22を前記中心線に沿って力Fa方向に移動させる。第3コンポーネント28は、中心線CLに沿って前記力Faに等しい、Fa未満の、またはFa以上の力Fbを行使し得る同一のまたは他の外部装置(図示せず)に連結され得る。力Fbは第3コンポーネント28を前記中心線CLに沿って移動させる。力Fa及びFbは中心線CLに沿って外側方向に相互に逆向きである。従って、力Fa及びFbは第3コンポーネント28及び第1コンポーネント22を離間させるように作用する。当該状況下において、第1及び第2の両連結には中心線CLに沿った力Fa及びFbの合力に等しい正味の力F1が作用する。当該正味の力F1は、図2Bに示す如く第1コンポーネント22を固定する仮定条件下に第3コンポーネント28に作用する単一力として理解され得る。
【0022】
図3Aを参照するに、力Fa及びFbが中心線CLに沿って相互に対向する状況が示される。従って、力Fa及びFbは第3コンポーネント28及び第1コンポーネント22を相互に押圧する。この場合、第1及び第2の両連結部には中心線CLに沿った力Fa及びFbの合力に等しい正味の力F2が作用する。当該正味の力F2は、図3Bに示す如く第1コンポーネント22を固定する仮定条件下に第3コンポーネント28に作用する単一力として理解され得る。中心線CLに沿った力Fa及びFbの各方向が同じである場合の正味の力は、強い方の力Fa及びFbの方向と同じ方向の、力Fa及びFbと間の差分力となる。従って、進行的釈放装置20の第1連結及びまたは第2連結に行使される種々の力の効果を説明する目的上、第3コンポーネント28に作用する全体に中心線CLに沿った正味の力Fを、第1コンポーネント22を固定する仮定条件下において説明する。第1コンポーネント22を固定する仮定条件下では、第1コンポーネント22、第2コンポーネント24及びまたは第3コンポーネント28に行使される多数の異なる力は、中心線CLに沿って第3コンポーネント28に作用する単一の正味の力成分Fとなり得る。
【0023】
図1の実施例では第1コンポーネント22はスリーブであり、開放端部40、閉鎖端部42、内壁44を有する。第1コンポーネント22は円、楕円、四角、それらの複合または矩形等の断面形状を有し得る。更に、第1コンポーネント22の開放端部40及び閉鎖端部42は何れも開放され、肩部、テーパ付けセクションその他を有し得る。第2コンポーネント24はカラーであり、外壁46と、内壁48を画定する貫通穿孔とを有する。外壁46の断面形状は、当該外壁及び前記内壁間の相対移動を許容する受け入れ可能な多少の誤差を有する状況下に、第1コンポーネント22の内壁44のそれと類似する。また、中心線CLに関する外壁46のディメンションは、前記中心線CLに関する内壁44の相当するディメンションより若干小さい。例えば、内壁44が円筒状である場合、外壁46の外径は内壁44の内径より若干小さい。従って、第2コンポーネント24を第1コンポーネント22に挿通し、中心線CLに沿って移動させ得る。他の実施例では、2つ以上のラッチ止めまたは錠止位置を有する進行的釈放装置を提供するべく、カラー及びカップリング等の追加部品を組み込み得る。
【0024】
第3コンポーネント28は第1セクション50及び2つの端部セクション52、54を有する。組み立てを容易化するために、2つの端部セクション52、54の一方を別個に形成し、次いでこれを第1セクション50に装着し得る。あるいは、またはそれに加え、第2コンポーネント24を2つ以上の部品から形成し、これら部品を相互に組み立て、次いでこれを第3コンポーネント28に連結させ得る。第1セクション50の外壁56の断面形状は、当該外壁及び第2コンポーネント24の内壁48間の相対移動を許容する受け入れ可能な多少の誤差を有する状況下に、第2コンポーネント24の内壁48のそれと類似する。例えば、中心線CLに関する外壁56のディメンションは、前記中心線CLに関する第2コンポーネント24の内壁48の相当するディメンションより若干小さい。内壁48の断面が円形である場合、外壁56の外径は内壁48の内径より若干小さい.従って、第3コンポーネント28を第2コンポーネント24に挿通し、中心線CLに沿って移動させ得る。他の実施例では潤滑剤またはベアリングを使用して前記移動を容易化させ得る。例えばテフロン(登録商標)製スリーブベアリングを組み込み得る。
【0025】
第3コンポーネント28の第1セクション50の軸方向長さは第2コンポーネント24のそれよりも長い。更には、端部セクション52、54の各外径は内壁48、即ち穿孔の直径より大きい。従って、第1セクション50は、端部セクション52、54が第2コンポーネント24の相当する端部表面に衝突するまで、内壁48の画定する穿孔内で移動自在である。かくして、端部セクション52、54は、移動中の第3コンポーネント28の、第2コンポーネント24に関するストッパとして機能する。他の実施例では第3コンポーネント28は第2コンポーネント24からの完全脱落を防止する端部セクション54のみを含み得る。当該実施例では第1コンポーネント22の閉鎖端部42が第3コンポーネント28と係合し、かくして第3コンポーネント28の第1セクション50の移動制限用ストッパとして機能する。ある実施例では、種々のコンポーネント間の相対移動中に生じ得る衝撃を緩和させるバンパーまたは緩衝材を組み込み得る。
【0026】
図1〜図4の各実施例では第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24間の第2連結はラッチ連結部である。第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24は、ラッチ連結部を提供するための、バネ26を受ける円周方向の共通溝を有する。当該共通溝は、第1コンポーネント22の内壁44の、バネ26の一部を受ける構成の溝60と、第2コンポーネント24の外壁46の、バネ26の他の一部を受ける構成の溝62とにより画定される。図1の実施例ではバネ26は軸方向傾斜コイルバネである。他の実施例では半径方向傾斜コイルバネを、当該半径方向傾斜コイルバネの負荷力を所望方向に配向させるテーパ付き溝と共に使用し得る。バネ26は溝60及び62内でこれら溝の壁と圧縮状態下に係合し、かくして第2コンポーネント24を第1コンポーネント22にラッチ止めする。第2連結のラッチ止め強度は少なくとも部分的には、溝60、62、バネ自身の各形状あるいはその両者に依存する。例えば、バネの空間、傾斜角度、バネ用ワイヤの径及び材質を、バネが所望の保持、ラッチ止め及びまたは錠止の各強度を提供するよう調節し得る。溝60及び62は環状を有し得、または第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24の全円周未満において伸延し得る。例えば、溝60及び62は第1コンポーネント22及び第2コンポーネント24の周囲を部分的に伸延し得る。各溝は種々の溝ジオメトリを有し得、それらジオメトリには、平底壁、テーパ底壁、2つ以上のテーパ面を持つ複合底壁、テーパ側壁または直線的、即ち非テーパ側壁、が含まれ得る。溝ジオメトリは、バネ軸を所定方向に回転させてのアンラッチに際し、バネ軸を撓ませるに要する力を増減させるよう影響し得る。
【0027】
図1〜図4の各実施例において、第1連結はラッチ連結部である。第3コンポーネント28及び第2コンポーネント24はラッチ連結部を提供するための、バネ30を受ける円周方向共通溝を有する。この共通溝は、第2コンポーネント24の内壁48の、バネ30の一部を受ける形態の溝70と、第3コンポーネント28の第1セクション50の外壁56の、バネ30の他の部分を受ける溝72とにより画定される。図1の実施例ではバネ30は軸方向傾斜コイルバネである。バネ30は、溝70及び72内でこれら溝70及び72の壁と圧縮状態下に係合し、かくして第2コンポーネント24を第3コンポーネント28にラッチ止めする。第2連結のラッチ止め強度は少なくとも部分的には溝70及び72の形状、バネ形式、またはその両方に依存する。溝70及び72は第2コンポーネント24及び第3コンポーネント28の全周囲には伸延され得ない。溝70及び72は環状または第2コンポーネント24及び第3コンポーネント28のの各周囲の一部分のみを伸延し得る。
【0028】
図2B及び図3Bを参照するに、各溝及び各バネは力F1が力F2より強い、弱い、あるいは実質等しくなるよう構成され得る。例えば、進行的釈放装置20の特定用途では、第2コンポーネント24から第3コンポーネント28を引き離すに要する力と考え得るF1を、第2コンポーネント24から第3コンポーネント28を押し離すに要する力と考え得る力F2より強くする必要があり得る。この用途では溝70及び72は、第2コンポーネント24から第3コンポーネント28を引き離す(図2B)方が、それら溝を押し開く(図3B)より容易化される形状を有し得る。あるいは2つの共通溝用の各バネを異なる力で分離するようサイズ化し、他方、2つの溝を同一化し得る。更に他の実施例では各溝が異なる溝形態を有し、他方、各バネは同一のままとされ得る。更に他の実施例では第1連結及び第2連結間で各溝及びバネを相違させ得る。
【0029】
先に議論した如く、2つの部品間の、ラッチ連結部または錠止連結部等の連結部形式は少なくとも各部品における溝形状に依存する。例えば、テーパまたは傾斜側壁を持つ溝は、各側壁のテーパが、共通溝から出てガイドされるバネを持ち上げて徐々に圧縮させ得ることからラッチ連結部を提供し得る。1つまたは2つの垂直側壁(即ち、中心線に直交する)間に平底壁またはテーパ底壁等位置付けた矩形形状を有する溝は錠止連結部を提供し得る。垂直側壁はバネを持ち上げて圧縮させ得ず、従って、共通溝からのバネ外れを、バネを破壊させることなく防止する。しかしながら、錠止形態では十分に強い分離力がバネを変形または損傷させ得、かくして第1コンポーネントと第2コンポーネントとを、または第2コンポーネントと第3コンポーネントとを分離させ得る。従って、ラッチ連結部は再使用自在であるが錠止連結部再使用にはバネ交換を要する。更に、溝の側壁のテーパまたは傾斜はラッチ連結部の強度上の少なくとも1つのファクタである。かくして、傾斜のきつい側壁の溝は傾斜の弱い(比較的少ない)側壁を持つ溝と比較して高強度のラッチ連結部を提供する。傾斜のきつい側壁では第2コンポーネントからの第1コンポーネント分離、または第3コンポーネントからの第2コンポーネント分離に要する分離力が大きくなる。連結及び分離の各力や傾斜負荷及び釈放角度に関するその他情報はここへの引用によりその内容を本明細書の一部とする公開番号第2010/0028076A1に記載される。
【0030】
保持連結部の場合、代表的には一方のコンポーネントのみに傾斜コイルバネ受け用溝が組み込まれる。従って、2つの各部品を連結するとバネの一部が一方の部品の溝内に位置決めされ、バネの他の部分が他方の部品の外側表面に押し付けられる。バネと、溝を持たない部品の外側表面との間の摩擦接触が保持連結部を提供する。従って、保持連結部による連結力は一般に弱く、例えばその分離力は、3つの全形態において同じバネを使用したと仮定した場合、その連結強度が錠止連結部におけるそれよりも弱いラッチ連結部の分離力より小さい。図1〜図4の各実施例では第1連結及び第2連結は、連結部品間のラッチ連結部または錠止連結部を画定する共通溝をベースにして示される。然し乍ら、第1連結及びまたは第2連結は、単一の、しかし非共通の溝を用いる保持連結部でもあり得る。当業者においては、第1連結または第2連結の各々が、進行的釈放装置の特定用途上好ましい連結強度に依存して保持、ラッチ止め、または錠止の各連結部として構成され得ることを容易に認識されよう。傾斜コイルバネを使用しての2つのコンポーネントの連結と、連結形式に関わる溝形状及びバネ特性の効果に関する詳細は、ここへの引用によりその内容を本明細書の一部とする米国特許第4,678,210号、同5,082,390号、同5,411,348号、同5,545,842号、同6,749,358号、同6,835,084号、同7,070,455号、同7,195,523号に記載される。
【0031】
図4には進行的釈放装置20の用途例が示される。進行的釈放装置20は人体または動物の身体部分への、バイオメカニカルジョイントを介した義肢90の連結に使用し得る。義肢90のユーザーはここでは“ユーザー”として参照する。義肢90は義脚、義足、義手、義腕あるいはその他の、手足の部分的交換、手足機能の補助、あるいは外部装置への骨連結用の人工構造物であり得る。図4の例では義肢90は義脚であり、義脚90として参照され得る。義脚90は、ユーザーの切断した脚に代替機能する構成を持つ主部材、脚ジョイント、シャフト、または第1下方延長部100を含む。主部材100は関節動作するまたは固定した義足101に連結され得る。義脚90は、バイオメカニカルジョイント102の一端に連結または一体化した、ベース部材、上方脚ジョイント、上方シャフト、または第2延長部あるいはベース部材104をも含む。バイオメカニカルジョイント102の反対側端部はユーザーの胴部106、例えば上部大腿骨、膝あるいは臀部等に連結または一体化される。バイオメカニカルジョイント102は骨グラフト構造108により形成され得る。骨グラフト構造108は、骨グラフト、骨セメント及びまたはその他の、代表的には骨折接続及びまたは骨成長促進に用いる材料を有するメッシュまたはラティスを含み得る。このメッシュは構造的支持を提供して骨成長を更に促進させる。上述したバイオメカニカルジョイント102は、骨または生細胞等の生物部材への人工部材の連結または溶着に使用し得る種々の装置、システム及び方法の一例に過ぎない。当業者には当該目的上多数のその他装置、システム及び方法を使用し得ることを認識されよう。
【0032】
進行的釈放装置20は主部材100をベース部材104に連結する。図4に示す如く、主部材100は第3コンポーネント28に連結され、ベース部材104は第1コンポーネント22に連結される。ベース部材104はユーザーの動作による骨106の移動に基づく種々の方向に力を発生する。例えば、ユーザーの歩行またはジャンプによりベース部材104に力が行使される。義足101もまた、主部材100に力を行使する。例えば、ユーザーが歩行またはジャンプすると義足101に衝撃力が生じ、この衝撃力が主部材100に移行される。他の実施例ではユーザーは物体の持ち上げまたは主部材100に力を作用させる運動に際し、義足101を用いてそれら作用を安定化及びまたは平均化させる。
【0033】
バイオメカニカルジョイント102は骨106を義脚90に連結するため、上述した全ての力を受ける。以下に詳しく説明する如く、骨106の負傷及びまたはバイオメカニカルジョイント102の損傷を防止するべく、進行的釈放装置20はバイオメカニカルジョイント102及びまたは骨106を2段階において保護する。先ず、進行的釈放装置20はバイオメカニカルジョイント102への作用力が当該バイオメカニカルジョイント102または骨106を損傷/負傷させる力に近い場合にユーザーに警告する。この警告は、第3コンポーネント28に作用する正味の力Fが第1所定力レベルを超える場合の第1連結の分離を伴う。進行的釈放装置20は、前記作用力が継続する場合にユーザーの、例えば、バイオメカニカルジョイント102または骨106の損傷/負傷を防止するための追加手段を有する。図示実施例の装置は、第3コンポーネント28への作用力が、前記第1所定力レベルより大きいがバイオメカニカルジョイント102及びまたは骨106を損傷させる力未満の第2所定力レベルを超える場合に第2連結を分離する構成を有する。第1、第2及び第3の各コンポーネント22、24、28は、第1連結及び第2連結の分離に際して相対移動するための所望の分離、ギャップ、余裕または空間が許容される任意数の形態において寸法付け及び構造化され得る。かくして、図4の実施例では第3コンポーネント28の端部セクション54と第2コンポーネント24の端縁部との間には第1連結の分離を許容するギャップを設け得る。進行的釈放装置は少なくとも2つのラッチ止めポイントを有し、かくして、作用力に依存して連続的にラッチ止めするマルチラッチ止め装置として参照され得る。
【0034】
図4を参照するに、力Fが主部材100に作用する状況が示される。力Fは歩行またはジャンプ中の義脚90と物体との間の衝撃により発生され得る。力Fは主部材100を介し第3コンポーネント28に移行する。次いで第3コンポーネント28は前記力をバネ30、第2コンポーネント24、バネ26を介して第1コンポーネント22に移行させる。第1連結500の分離に要する力F2は、第2連結510を分離させる力F1より小さい。また、力F2は、バイオメカニカルジョイント102を損傷させ及びまたは骨106を負傷させる力F3より小さい。力Fが力F1になると第1連結500が分離するが、第2コンポーネント24はF1<F2であるからそのままの状態に維持される。この状況では第3コンポーネント28は第2コンポーネント24内で移動自在である。端部セクション52及び54が、第2コンポーネント24からの第3コンポーネント28の完全分離を防止する。ストッパを構成するところの前記端部セクション52及び54により可能とされる範囲での第3コンポーネント28の自由移動がユーザーへの警告として作用し、かくして第1連結500を分離させた活動を停止させ、第3コンポーネント28を第2コンポーネント24に再連結させる。ユーザーが第1連結の分離を無視するかまたは力Fがユーザーに制御されないままF2に急増すると、第2連結510が分離してバイオメカニカルジョイント102への損傷/損傷が防止される。第1連結、第2連結、あるいはその両方が分離すると義脚90はもはや機能せず、ユーザーは義脚90を使用するために第1及びまたは第2の各連結部を再確立させる必要がある。
【0035】
上述した如く、進行的釈放装置20は2つの部品を相互連結させ得、この進行的釈放装置20への作用力が増大してこれら2つの部品が完全分離し得る状況を表示する警告として機能する第1釈放または分離機構を提供する。更に、進行的釈放装置20は、2つの部品の一方または両方への過剰な作用力によるこれら2つの部品の損傷を防止するべく完全分離する第2釈放または分離機構を含む。他の実施例において、可聴アラームまたは可聴信号を組み込み、ユーザーに、例えば第1連結及びまたは第2連結の何れかの分離に際しての過剰な作用力の潜在リスクを更に警告させ得る。
【0036】
第1コンポーネント22、第2コンポーネント24、第3コンポーネント28は、進行的釈放装置20の特的機能を提供する任意の断面に形状を有し得る。例えば、図5A〜図5Cには他の各実施例に従う進行的釈放装置120、220、320が例示される。図5Aの実施例では進行的釈放装置120は第1コンポーネント122、第2コンポーネント124、第3コンポーネント128を有し、これら全てのコンポーネントは円形断面を有する。詳しくは、第1コンポーネント122の内壁144及び第2コンポーネント124の外壁146は円形断面を有する。従って、2つのコンポーネントは特定用途上好ましい相対回転を生じる。同様に、第2コンポーネント124の内壁148と第3コンポーネント128の外壁156とは円形断面を有する.従って、これら2つのコンポーネントは特定用途上好ましい相対回転を生じる。
【0037】
図5Bの実施例では進行的釈放装置220は第1コンポーネント222、第2コンポーネント224、第3コンポーネント228を有し、これらコンポーネントは全て四角形断面を有している。詳しくは、第1コンポーネント222の内壁244と第2コンポーネント224の外壁246とは四角形断面を有する。従って、これら2つのコンポーネントは相対回転せず、その特定用途に好適であり得る。第2コンポーネント244の内壁248及び第3コンポーネント228の外壁256も同様に四角形断面を有する。従って、これら2つのコンポーネントは相対回転せず、その特定用途に好適であり得る。例えば、上述した義脚90の場合、当該義脚90の回転は専らユーザーが制御すべきであるため、進行的釈放装置220は好ましいものとなる。従って、進行的釈放装置220は義脚90用には好適であり得る。
【0038】
図5Cの実施例では進行的釈放装置320が第1コンポーネント322、第2コンポーネント324、第3コンポーネント328、を有している。第1コンポーネント322の内壁344と第2コンポーネント324の外壁346とは四角形断面を有する.従って、これら2つのコンポーネントは相対回転せず、その特定用途に好適であり得る。然し乍ら、第2コンポーネント324の内壁348と第3コンポーネント328の外壁356とは円形断面を有する。従って、これら2つのコンポーネントは相対回転し得、その特定用途に好適であり得る。
【0039】
ここで例示及び説明する進行的釈放装置は入れ子式の3つのコンポーネント、即ち、第1コンポーネント、第1コンポーネント内で可動の第2コンポーネント、第2コンポーネント内で可動の第3コンポーネント、を有する。別の実施例では進行的釈放装置は特定用途上好ましい多数の機能を提供するべく任意数、例えば4あるいはそれ以上の入れ子式コンポーネントを有し得る。入れ子状態において各コンポーネントは外側に隣り合うコンポーネント内で保持、ラッチ止めあるいは錠止され得、その釈放に際しては他のコンポーネントの相対的釈放に要する釈放力と同じまたは異なり得る釈放力が要求される。
【0040】
ここでの開示により理解される如く、少なくとも3つあるいはそれ以上の入れ子式コンポーネントを含む進行的釈放装置は多数の異なる用途、例えば宇宙空間、エネルギー分与、コンシューマエレクトロニクス、自動車、医療装置、家庭用品、おもちゃ、及びその他の、各入れ子コンポーネント間の連結及び分離の力を進行的に制御する工業用途で使用可能である。進行的釈放装置はここで議論する如き警報装置としてだけではなく、2つの個別の連結・分離力を利用するフィードバック及びインジケータとしても使用できる。かくして、図4を参照するに、主部材100及びベース部材104が、義肢に代わるコンシューマープロダクトあるいは工業製品として使用し得る構造または物体となり得る。例えば、主部材100とベース部材104とは、ジム設備の一部を構成し得、進行的釈放装置としての義脚90は分離してケガを防止する構成を有し得る。他の例では主部材100とベース部材104とが負荷支承構造、例えば棚の一部を構成し得、義脚90が分離することでユーザーに過負荷を警告する構成を有し得る。
【0041】
図6を参照するに、本発明の1実施例に従うマルチステージラッチ止め装置400が示される。ラッチ止め装置400は、中心線CLに沿ってハウジング406の穿孔404に挿通され、かくしてハウジング406を少なくとも1つの傾斜コイルバネ408と係合させるシャフト402を含む。シャフト402は図6で矢印で示す方向に力を付加することで穿孔404に挿入される。シャフト402は円筒状、矩形、三角形、楕円等の任意の断面形状を有し得る。シャフト402は、図6の実施例では矩形形状を有するものとして示す少なくとも1つの環状溝410を有し得る。溝410は、中心線CL方向に平坦(図6の断面で見た場合の)な底壁410aと、2つの側壁410b及び410cとを有する。バネ408は傾斜コイルバネであり、本実施例では半径方向傾斜コイルバネであるが、溝に対する相当変化を生じる軸方向傾斜コイルバネであっても良い。バネ408はシャフト402をハウジング406に挿通する前に溝410に位置決めする。ハウジング406は少なくとも1つの環状の第1溝412と、環状の第2溝414とを含む。第1溝412は底壁、中心線CL方向に平坦(図6の断面で見た場合の)な壁または側壁412aと、中心線CL方向に傾斜する2つの傾斜側壁412b及び412cとを有する。第1溝412は傾斜側壁412bにおいて第2溝414内に移行する。第2溝414は中心線CL方向に平坦(図6の断面で見た場合の)な底壁414aを含む。第2溝414は、第1溝412の傾斜側壁412bから離間する傾斜側壁414bをも含む。他の実施例ではシャフトの溝410と、ハウジングの溝412、414とを入れ替え、ハウジングが単一の溝を有し、シャフトが2つの溝を有しても良い。
【0042】
シャフト402をハウジング406の穿孔404に挿通すると傾斜コイルバネ408が、バネ408が第1溝412に到達するまで、穿孔404の内壁により圧縮される。次いでバネ408は2つの溝412、410の底壁410a、412aにより尚圧縮されつつ若干伸張して第1溝412と係合する。当該位置は、図6に示すシャフト402及びハウジング404間の第1ラッチ止め位置を表す。シャフト402を図示される方向の力により穿孔404へと更に挿通させると傾斜側壁412bがバネ408と係合または接触し、かくしてバネをその短軸に沿って半径方向に圧縮する。側壁412bの傾斜度合いが、シャフト402を穿孔404に更に挿通させるに要する力の量に影響し得る。シャフト402がその第1ラッチ止め位置から穿孔404に更に挿通されるに従い、傾斜側壁412bは、バネ408が第2溝414の底壁414aと係合して当該第2溝414内に位置付けられるまでバネ408を圧縮する。当該位置は、シャフト402及びハウジング404(図示せず)間の第2ラッチ位置を表す。第2溝414は第1溝412よりも浅いため、バネ408は第2ラッチ止め位置では第1ラッチ止め位置におけるよりも更に圧縮される。かくして、第2ラッチ止め位置でのラッチ止め力は、2つの底壁410a、414a間の溝間隙が傾斜コイルバネの、代表的には平坦または一定負荷の範囲部分に直角に作用する構成を有する場合は特に、第1ラッチ止め位置における場合より強くなる。ラッチ止め装置400はラッチ止め力の異なる多数のラッチ止め連結部を必要とする用途で使用できる。例えば、別の実施例(図示せず)ではハウジング406に第3の溝が設けられる。また別の実施例ではハウジング406に3つ以上の溝が設けられる。更に他の実施例ではラッチ止め装置400は図4に示す義足と共に使用され得る。あるいは先に議論した如く、ラッチ止め装置400はジム設備における衝撃緩和用途または負荷支承用途に使用され得る。
【0043】
図示及び説明された如く、第2溝414は第1溝412の底壁412aより1.5倍長い底壁414aを有する。ある実施例では前記長さは第1溝の底壁412aの約1.6〜約3.5倍である。然し乍ら、前記長さは第2ラッチ止めまたは錠止位置の位置に依存して第1溝の底壁412aの3.5倍以上であり得る。更に、第2溝414はバネ408が、第1溝の底壁414aにより圧縮され、次いで第2溝の傾斜側壁414bに接触するまで底壁414aの長手方向に沿って摺動し得る構成を有する。図示実施例では第2溝の底壁414aは、第2溝の傾斜側壁414bと第1溝の傾斜側壁412bとの間の直径が一定である。
【0044】
図7を参照するに、本発明の他の実施例に従うマルチステージラッチ止め装置520が示される。ラッチ止め装置520は、ハウジング526の穿孔524にシャフト522を中心線CLに沿って挿通し、ハウジング526を少なくとも1つの傾斜コイルバネ528と係合させることにより形成される。シャフト522は図7の矢印で示す方向に力を付加することにより穿孔524内に挿通される。シャフト522は円筒形、矩形、三角形、楕円等の任意の断面形状を有し得る。シャフト522は、図7の実施例では台形の少なくとも1つの環状溝530を含む。溝530は中心線CLに関して傾斜した、例えば底壁または底面530aを含む。溝530は2つの側壁530b及び530cを含む。図示の如く、前記2つの側壁530b及び530cは中心線CLに直交するラインに関して直線的または非テーパ状を有し、全体に相互に平行である。バネ528は傾斜コイルバネであり、本実施例では軸方向傾斜コイルバネであり得る。バネ528は、シャフト522をハウジング526に挿通する以前に溝530内に位置決めする。ハウジングは、少なくとも1つの環状の第1溝532と、第2溝534とを含む。第1溝532は、中心線CL方向において平坦(図7の断面で見た場合に)な底壁532aと、中心線CL方向において傾斜した2つの傾斜側壁532b及び532cを有する。第2溝534は、中心線CL方向において(図7の断面で見た場合に)平坦な底壁534aと、中心線CL方向において傾斜した2つの傾斜側壁534b及び534cを有する。2つの溝532及び534、詳しくはこれら溝532及び534の2つの傾斜側壁532b及び534cは、ハウジング526の内側分割壁540により相互に分離される。
【0045】
シャフト522をハウジング526の穿孔524に挿通すると、傾斜コイルバネ528が、傾斜コイルバネ528が溝532に到達するまで穿孔524の内壁542により圧縮される。次いで傾斜コイルバネ528は、2つの溝530及び532の底壁532a及び530aにより尚圧縮されつつ、若干伸張して溝532と係合する。当該位置は、図7に示すシャフト522とハウジング524との間の第1ラッチ止め位置を表す。シャフト522を矢印方向で穿孔524に更に挿通させると第1溝532の側壁532bが傾斜コイルバネ528と係合または接触して傾斜コイルバネ528を圧縮する。側壁532b及びシャフトの溝の底壁530aの傾斜の度合いは、穿孔524内にシャフト522を更に挿通するに要する力の量に影響し得る。シャフト522を第1ラッチ止め位置から穿孔524内に更に挿入すると、側壁532bが、続いて穿孔524の内側分離壁540がバネ528を圧縮し、バネが第2溝534に到達するまで当該バネを時計方向に旋回させる。次いでバネ528は、軸方向に尚圧縮されつつ若干伸張し且つ反時計方向に回転して溝534と係合する。当該位置はシャフト522とハウジング526(図示せず)との間の第2ラッチ止め位置を表す。
【0046】
側壁534bは、第1溝の側壁532bよりもきつい傾斜を有するように示される。従って、シャフト522を穿孔534内により深く挿通させて第1ラッチ止め位置からシャフト522をアンラッチさせるに要する力は、シャフト522を矢印方向で穿孔524から出す方向に移動させて第2ラッチ止め位置からアンラッチさせる力より小さい。従って、第2ラッチ止め位置でシャフトを矢印方向に沿って移動させる力は、第1ラッチ止め位置におけるそれを上回る。当業者においては、溝532、534の深さ、側壁532b及び534cの傾斜、底壁530a及び532aの傾斜が、第1及び第2の各ラッチ止め位置において提供される相対的なラッチ止め力を決定し得ることを容易に認識されよう。溝の構成は更に、穿孔524内の2つのラッチ止め位置間でシャフト522を移動させるに要する力も決定する。ラッチ止め装置520は、図4を参照して説明した如き人工補綴デバイス等の、ラッチ止め力の異なる多数のラッチ止め連結を必要とする用途で使用し得る。
【0047】
かくして、本発明の装置、システム及び方法は、ラッチ止め装置であって、内側分離壁540により相互に分離された、各々が底壁表面を有する2つの溝を含み、前記内側分離壁540の壁直径が、第1底壁532a、第2底壁534a、またはこれら第1底壁532a、第2底壁534aの両方の壁の直径より小さいラッチ止め装置を含む。他の実施例では第1溝が、第2溝の相当する傾斜側壁534bよりも傾斜の少ない傾斜側壁532bを有し、かくしてバネが、第2溝から当該バネを分離させるより少ない力で第1溝から同じ分離方向に分離される。
【0048】
図8を参照するに、本発明の他の実施例に従う、マルチステージラッチ止め機構を有するラッチ止め装置600が示される。ラッチ止め装置600は、ハウジング606の穿孔604内にその中心線CLに沿ってシャフト602を挿通させ、ハウジング606を少なくとも1つの傾斜コイルバネ608と係合させることにより形成される。シャフト602は、図8の矢印で示す方向に力を付加することにより穿孔604内に挿通される。シャフト602は円筒状、矩形、三角形、楕円等の任意の断面形状を有し得る。ハウジング606は、図3の実施例では矩形または四角形を有する少なくとも1つの環状溝610を含む。従って、溝610は、中心線CL方向に沿って平坦(図8の断面で見た場合の)な底壁610aと、当該底壁に直交する2つの側壁610b及び610cとを含む。バネ608は、本実施例では軸方向傾斜ガーターコイルバネである傾斜コイルバネである。バネ608はハウジング606にシャフト602を挿通する以前にハウジング606の溝610に位置決めする。シャフト602は少なくとも1つの環状の第1溝614と、環状の第2溝612を含む。第1溝614は、中心線CL方向に沿って平坦(図8の断面で見た場合の)な底壁614aと、中心線CLから離れる方向に傾斜する2つの側壁614b及び614cとを含む。第2溝612は、中心線CL方向に沿って平坦(図8の断面で見た場合の)な底壁612aと、中心線CLから離れる方向に傾斜する2つの側壁612b及び612cとを含む。
【0049】
ハウジング606の穿孔604にシャフト602を挿通すると、傾斜コイルバネはハウジングの溝610内で半径方向に伸張し、第1溝614が傾斜コイルバネ608に到達するまで、シャフト602により軸方向に圧縮される。次いで傾斜コイルバネ608は半径方向内側に圧縮され、かくして、尚、軸方向において2つの側壁610c及び610bに押し当てられつつ、第1溝614と係合する。当該位置はシャフト602とハウジング606との間の第1ラッチ止め位置(図示せず)を表す。バネは当該第1ラッチ止め位置ではハウジングの溝610の底壁610aから離間されることを銘記されたい。シャフト602を穿孔604内に更に挿通すると、側壁614bがバネ608と係合し、かくしてバネ608は半径方向及び軸方向に共に圧縮される。側壁614bの傾斜の度合いは、穿孔604内にシャフト602を更に挿通させるに要する力量に影響し得る。シャフト602を第1ラッチ止め位置から穿孔604内に更に挿通させると、側壁614bが、次いで穿孔604の内壁がバネ608を半径方向に圧縮し、かくしてバネ608は、当該バネが第2溝612に達するまで、ハウジングの溝610内の深い方へと半径方向に伸張する。次いでバネ608は尚、軸方向に圧縮されつつ若干縮んで溝612と係合する。当該位置は、シャフト602と、ハウジング604との間の図示されない第2ラッチ止め位置を表す。第2ラッチ止め位置(図示せず)ではバネはハウジングの溝610の底壁610aからもまた離間されることを銘記されたい。側壁614cは側壁614cよりきつい傾斜を有するように示される。従って、シャフト602を穿孔614内により深く、即ち矢印方向に更に移動させて第1ラッチ止め位置からアンラッチさせるに要する力は、第2溝612及び穿孔604から出る方向にシャフト602を移動させて第2ラッチ位置からシャフト602をアンラッチさせるに要する力より小さい。当業者には、溝612及び614の深さ、傾斜側壁612c及び614cの傾斜が、第1及び第2の各ラッチ止め位置に於て提供される相対的なラッチ止め力を決定し得、また更には、2つのラッチ止め位置間の穿孔604内でシャフト602を移動させるに要する力を決定することを容易に認識されよう。ラッチ止め装置600は異なるラッチ止め力による多数のラッチ止め連結を必要とする用途において使用可能である。
【0050】
図9には本発明の他の様相に従うマルチステージラッチ止め装置700が略示される。図6〜図8の装置と同様、本装置は、バネ702を第1コネクタコンポーネント708の溝704と、第2コネクタコンポーネント710の第1溝706との間に捕捉した場合における第1ラッチ止め位置(図9に示す)を有する。本装置は、図9に示す矢印方向において力を付加した場合等において、第2コネクタコンポーネント710の溝704及び第2溝712間にバネが捕捉される場合の第2ラッチ止め位置(図示せず)を有する。先に議論した如きと同様に、装置を第1ラッチ止め位置に移動させ、次いで第2ラッチ止め位置に移動させ、次いで、第1及び第2の各溝706及び712の傾斜側壁により少なくとも部分的に決定される第2ラッチ止め位置を更に超えて移動させるに要する力は進行的に高くなる。本実施例では、ピン、円筒状部材またはシャフトであり得る第1コネクタコンポーネント708は第1製造物品714に連結され、第2コネクタコンポーネント710は第2製造物品716の一部であり得、あるいは第2製造物品に装着され得る。
【0051】
実用上、第1及び第2の製造物品714、716は、進行的に増大する力を伴うマルチラッチ止め能力を利用する、任意数のアイテム、構造または装置、例えば、付加された力に応じて任意の特定位置でラッチ止めする2つ以上のラッチ止めポイントを組み入れることで連続的にラッチ止めする装置に於て具体化され得る。
例えば、図4を参照して先に議論した如く、第1製造物品714は主部材であり、第2製造物品716はベース部材であり得る。他の実施例では第1製造物品は窓であり、第2製造物品は窓を維持する壁フレームであり得る。第1ラッチ止め位置では窓を壁フレームに初期設置し得、第2ラッチ止め位置では窓を壁フレームに恒久的に設置し得る。他の実施例では自動車のドアパネルに、同様に飛行機のパネルに、本発明のマルチラッチ止め装置を組み込み得る。
【0052】
当業者においては、ハウジングのシャフト及びまたは(単数あるいは複数の)溝の(単数または複数の)溝の形態を相違化すればラッチ止め装置のラッチ止め力を相違化させ得ることを容易に認識されよう。溝は深くなる程傾斜コイルバネの大きな部分を捕捉し、バネの圧縮度は低下し、かくしてそのラッチ力は、類似形状を有するがもっと浅い溝におけるそれより小さくなる。溝の側壁の傾斜は、シャフトとハウジングとの間の連結をアンラッチするに要する力に影響する。例えば、傾斜のきつい側壁のラッチ力は、類似形状の同じ深さの傾斜の浅い側壁におけるそれより大きい。従って、本発明に従うラッチ止め装置の各溝は好ましいラッチ力を提供する構成を有し得る。各溝もまた、シャフトとハウジングとの間の錠止連結または保持連結を提供する構成を有し得る。傾斜コイルバネによる2つのコンポーネントの連結に関する詳細及び、連結形式を決める溝形状やバネ特性の影響については、ここへの参照によりその内容を本明細書の一部とする米国特許第4,678,210号、同第5,082,390号、同第5,411,348号、同第5,545,842号、同第6,749,358号、同第6,835,084号、同第7,070,455号、同第7,195,523号に記載される。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0053】
20 進行的釈放装置
22 第1コンポーネント
24 第2コンポーネント
26 第1傾斜コイルバネ
28 第3コンポーネント
30 第2傾斜コイルバネ
40 開放端部
42 閉鎖端部
44 内壁
46 外壁
48 内壁
50 第1セクション
52、54 端部セクション
56 外壁
60、62、70、72 溝
90 義脚
100 主部材または第1下方延長部
101 義足
102 バイオメカニカルジョイント
104 第2延長部(ベース部材)
108 骨グラフト構造
120 進行的釈放装置
122 第1コンポーネント
124 第2コンポーネント
128 第3コンポーネント
144、148 内壁
146、156 外壁
220 進行的釈放装置
222 第1コンポーネント
224 第2コンポーネント
228 第3コンポーネント
244 第2コンポーネント
246、256 外壁
248 内壁
320 進行的釈放装置
322 第1コンポーネント
324 第2コンポーネント
328 第3コンポーネント
344、348 内壁
346、356 外壁
400 装置
402 シャフト
404 穿孔404
406 ハウジング
408 傾斜コイルバネ
410 環状溝
410a 底壁
410b 側壁
412 第1溝
412a 傾斜側壁
412b 傾斜側壁
414 第2溝
414a 底壁
414b 傾斜側壁
500 第1連結
504 穿孔
510 第2連結
520 装置
522 シャフト
524 穿孔
526 ハウジング
528 傾斜コイルバネ
530 環状溝
530a 底壁
530b 側壁
532 第1溝
532a 第1底壁
532b 傾斜側壁
534 第2溝
534a 第2底壁
534b 傾斜側壁
540 内側分離壁
542 内壁
600 装置
602 シャフト
604 ハウジング
604 穿孔
606 ハウジング
608 傾斜コイルバネ
610 環状溝
610a 底壁
610b 側壁
610c 側壁
612 第2溝
612a 底壁
612b 側壁
612c 側壁
614 第1溝
614a 底壁
614b 側壁
614c 側壁
700 装置
702 バネ
704 溝
706 第1溝
708 第1コネクタコンポーネント
710 第2コネクタコンポーネント
714 第1製造物品
716 第2製造物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチステージ係合装置であって、
第1コンポーネントと、
第1傾斜コイルバネにより該第1コンポーネントに連結する第2コンポーネントと、
第2傾斜コイルバネにより該第2コンポーネントに連結する第3コンポーネントと、
を含み、
第2コンポーネント及び第3コンポーネント間の連結釈放に要する力が第1コンポーネント及び第2コンポーネント間の連結釈放に要する力より小さい装置。
【請求項2】
前記第1傾斜コイルバネが、前記第2コンポーネント上に位置付けた溝と、前記第1コンポーネント上に位置付けた溝との間に捕捉される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2傾斜コイルバネが、前記第2コンポーネント上に位置付けた溝と、前記第3コンポーネント上に位置付けた溝との間に捕捉される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1コンポーネントの溝が底壁と2つの側壁とを有する請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第2コンポーネントが前記第1コンポーネントの内部に位置付けられる請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第3コンポーネントが前記第2及び第1の各コンポーネントに関して摺動自在である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第3コンポーネントが、相互取り付けした少なくとも2つの別個のパーツから作製される請求項1に記載の装置。
【請求項8】
マルチステージ係合装置の製造方法であって、
第1傾斜コイルバネにより第1コンポーネントを第2コンポーネントに釈放自在に連結し、当該連結を、前記第1コンポーネントまたは第2コンポーネントの少なくとも一方に第1力を行使することにより釈放自在とすること、
第2傾斜コイルバネにより前記第2コンポーネントを第3コンポーネントに釈放自在に連結し、当該連結を、前記第2コンポーネントまたは第3コンポーネントの少なくとも一方に第2力を行使することにより釈放自在とすること、
を含み、
前記第2力は前記第1力より小さい方法。
【請求項9】
前記第1傾斜コイルバネを捕捉する共通溝を設け、前記第1コンポーネントまたは第2コンポーネントに軸方向力を付加して前記第1傾斜コイルバネの短軸を撓ませることにより前記第1コンポーネントを前記第2コンポーネントにラッチ止めすることを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2傾斜コイルバネを捕捉する共通溝を設け、前記第2コンポーネントまたは第3コンポーネントに軸方向力を付加して前記第2傾斜コイルバネの短軸を撓ませることにより前記第2コンポーネントを前記第3コンポーネントにラッチ止めすることを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第2傾斜コイルバネを捕捉し且つ該第2傾斜コイルバネをその長軸に沿って負荷することにより前記第2コンポーネントを前記第3コンポーネントに錠止することを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第3コンポーネントを前記第2コンポーネントに関して摺動させることを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2コンポーネントを前記第1コンポーネント内に配置すること更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項14】
マルチステージ係合装置であって、
シャフトと、
該シャフトを受ける構成を有する穿孔を有するハウジングと、
該ハウジングの穿孔内または前記シャフト上の第1及び第2の各溝と、
前記シャフトまたはハウジングに第1軸方向力を付加した場合に前記第1溝内に位置決め自在であり、前記シャフトまたはハウジングに第2軸方向力を付加すると前記第2溝内に位置決め自在の傾斜コイルバネと、
を含み、
前記第2軸方向力が前記第1軸方向力より大きい装置。
【請求項15】
前記シャフトを前記ハウジングの穿孔内に組み込む以前に前記傾斜コイルバネを保持する保持用溝を更に含む請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2溝の側壁の、前記シャフトの中心線に関するテーパが、前記第1溝の側壁におけるそれよりも強い請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記第1溝の底壁と、前記第2溝の底壁との、前記シャフトの中心線に関する深さが相違する請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記シャフトが第1製造物品に連結される請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記ハウジングが第2製造物品に連結される請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記第2溝の底壁が前記第1溝の底壁より少なくとも1.5倍長い請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−115676(P2012−115676A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−262381(P2011−262381)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(510007425)バル・シール・エンジニアリング・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】BAL SEAL ENGINEERING,INC.
【住所又は居所原語表記】19650 PAULING,FOOTHILL RANCH,CALIFORNIA 92610−2610 U.S.A.
【Fターム(参考)】