説明

マルチ画面表示装置

【課題】光源の温度が過度に上昇するのを抑制しつつ、輝度、色度およびホワイトバランスの均一性を維持できるマルチ画面表示装置を提供する。
【解決手段】マルチ画面表示装置100を構成する複数の単位表示装置101は、光源部1R,1G,1Bの各LED12の温度を測定する温度センサ13、及び、複数の単位表示装置101で共有される共通設定値に基づき各LED12に流す電流を制御する電流制御回路11、当該共通設定値に応じて設定される行列を用いたマトリクス演算による色調整を行う色変換回路7aを備える。マルチ画面表示装置100の制御処理部は、温度センサ13が測定した各LED12の温度を監視して、それらの温度が最大許容温度を超えないように共通設定値を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像表示装置から構成されるマルチ画面表示装置に関し、特に光源の温度制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の画像表示装置の画面を並べて配設して大画面を実現するマルチ画面表示装置が種々提案されている。以下、マルチ画面表示装置を構成する複数の画像表示装置のそれぞれを「単位表示装置」と称し、複数の単位表示装置の画面で構成されるマルチ画面表示装置の画面全体を「マルチ大画面」と称す。
【0003】
投射型の単位表示装置を用いるマルチ画面表示装置では、近年、従来のランプ光源に代わり発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下「LED」という)の光源が使用されつつある。一般に、LEDはランプよりも長寿命であるが、LEDの寿命は温度に大きく影響されることが分かっている。LEDの温度は、使用環境の温度の他、LEDに流す電流や冷却条件などに依存するため、実際の寿命が公称寿命(所定条件下における寿命の期待値)とは大きく異なる可能性がある。このため、LED光源を使用した表示装置では、LED光源の温度を適切に管理することが重要である。
【0004】
そこで、LED光源を用いた投射型表示装置において、LED光源の温度が所定値を超えないように、LED光源の温度に基づいてLED光源の発光量を制御する技術が提案されている(例えば下記の特許文献1)。特許文献1では、LED光源の温度に応じて、LED光源の駆動パルスのデューティ比を変化させることで、LED光源の発光量および発熱量を制御している。また特許文献2には、入力される映像信号に対して3×3の行列を用いた演算(3×3マトリクス演算)による色変換を行うことで、映像の色補正を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−274884号公報
【特許文献2】特開2002−116750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のようにLED光源の発光量が温度に応じて変化する単位表示装置を用いてマルチ画面表示装置を構成すると、各単位表示装置で個別にLED光源の発光量が制御されるため単位表示装置ごとに画面の輝度がばらつき、マルチ大画面の輝度が均一でなくなる可能性がある。また個々の単位表示装置において、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)それぞれのLED光源の発光量が個別に制御されると、ホワイトバランスにも単位表示装置ごとのばらつきが生じる。またLED光源は、デバイスの製造上のばらつきや流す電流によっても輝度や色度にばらつきが生じる。従って、マルチ大画面の輝度、色度およびホワイトバランスの均一性が維持されず、表示品質が低下する問題が生じる。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、光源の温度が過度に上昇するのを抑制しつつ、輝度、色度およびホワイトバランスの均一性を維持できるマルチ画面表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマルチ画面表示装置は、映像信号に基づく画像を光源を用いて表示する複数の単位表示装置から成るマルチ画面表示装置であって、前記複数の単位表示装置の各々は、前記光源の温度を測定する温度センサと、前記複数の単位表示装置で共有される共通設定値に基づき、前記光源に流す電流を制御する電流制御回路と、前記共通設定値に基づいて決定される行列を用いたマトリクス演算により、前記映像信号の色変換を行う色変換回路とを備え、前記マルチ画面表示装置は、前記複数の単位表示装置の前記温度センサが測定した前記光源の温度を監視して、各光源の温度が所定の第1閾値を超えないように前記共通設定値を調整する制御処理部を備え、前記共通設定値は、予め定められた複数の値の一つが選択されることにより決められ、前記行列は、前記共通設定値の各値において、前記複数の単位表示装置の輝度、色度およびホワイトバランスが同じになるように設定されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光源の温度が所定値を超えないように制御されるため光源の寿命短縮が防止される。また各単位表示装置の光源の電流が、複数の単位表示装置で共有された共通設定値を用いて調整されるため、各単位表示装置で個別に光源の電流が調整されることを防止できる。さらに単位表示装置の各々において、色変換回路が行うマトリクス演算に用いられる行列も共通設定値に基づいて決定され、しかもその行列は、複数の単位表示装置の輝度、色度およびホワイトバランスが同じになるように設定される。従って本発明のマルチ画面表示装置では、高原の温度制御が行われる間、各単位表示装置で輝度、色度およびホワイトバランスが同様に変化することになり、マルチ画面表示装置の画面(マルチ大画面)の輝度、色度およびホワイトバランスの均一性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るマルチ画面表示装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る単位表示装置の概略構成図である。
【図3】本発明に係る単位表示装置の光源部の概略構成図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るマルチ画面表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態2に係るマルチ画面表示装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係るマルチ画面表示装置100の構成例を示す図である。当該マルチ画面表示装置100の画面(マルチ大画面)は、複数の単位表示装置101の画面を並べて構成されるため、より大きな表示が得られる。
【0012】
例えば図1に示すマルチ画面表示装置100は、第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]から構成されている。ここで、第1の単位表示装置101[1]は、当該マルチ画面表示装置100全体の動作を統括するマスター単位表示装置であり、第2〜第4の単位表示装置101[2]〜101[4]は、マスター単位表示装置により制御されるスレーブ画像表示装置であるとする。
【0013】
各単位表示装置101間は通信ケーブル102を介して接続される。図1では第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]が縦続接続した例を示している。第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]の接続構成は縦続接続に限られず、例えば第1の単位表示装置101[1](マスター)に対し第2〜第4の単位表示装置101[2]〜101[4](スレーブ)の各々が接続するスター型接続でもよいし、図1の構成に更に第1の単位表示装置101[1]と第4の単位表示装置101[4]とを接続する通信ケーブル102を設けるリング型接続でもよい。
【0014】
一般に、マルチ画面表示装置100を構成する複数の単位表示装置101は同様の構成を有している。図2は、単位表示装置101の構成例を示す図である。例えば図1の第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]は、いずれも図2と同様の構成のものを用いることができる。
【0015】
図2の単位表示装置101は、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1B、ダイクロイックミラー部2、DMD(Digital Micromirror Device)3、投写レンズ4、スクリーン5、画像信号入力部6、画像信号処理部7、制御処理部8および通信部9を備えている。
【0016】
ダイクロイックミラー部2は、2枚のダイクロイックミラーで構成されており、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bが出力した光を反射あるいは透過して、DMD3へと供給する。具体的には、赤色光源部1Rが出力する赤色光(R光)は一方のダイクロイックミラーで反射されてDMD3に入射し、青色光源部1Bが出力する青色光(B光)はもう一方のダイクロイックミラーで反射されてDMD3に入射し、緑色光源部1Gが出力する緑色光(G光)は両方のダイクロイックミラーを透過してDMD3に入射する。
【0017】
画像信号入力部6は、外部から入力された映像信号を画像信号処理部7に供給する。画像信号処理部7は、入力された映像信号に対して画像の拡大・縮小や色度の変換(色変換)等の信号処理を行うものであり、3×3マトリクス演算による色変換処理を行う色変換回路7aを含んでいる。また画像信号入力部6は、信号処理を施した映像信号をDMD3を駆動するためのドライブ信号に変換してDMD3に入力する。
【0018】
画像信号処理部7の色変換回路7aは、入力された各色の映像信号Ri,Gi,Biに対し、次の式(1)に示す3×3マトリクス演算による色変換を行い、色変換後の信号Ro,Go,Boを出力する。
【0019】
【数1】

【0020】
なお、3×3マトリクス演算による色変換自体は、上記の特許文献2に開示された技術である。また画像信号処理部7は、自ら生成した色度調整用のテストパターン等の映像信号に対して、上記の3×3マトリクス演算を行うこともできる。
【0021】
DMD3は、画像信号処理部7からのドライブ信号に基づいて、ダイクロイックミラー部2を介して入力される光(R光、G光、B光)を強度変調して投写レンズ4へと出力する。投写レンズ4はその光を画像信号処理部7へと投射し、その結果、スクリーン(画面)5上に映像が表示される。
【0022】
図1の第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]が図2の構成を有する場合、それぞれのスクリーン5が図1のように並べて配置されることによってマルチ大画面が構成される。
【0023】
制御処理部8は、画像信号処理部7の色変換回路7aが行う色変換処理を制御すると共に、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bの動作を制御することにより、スクリーン5に表示される映像の輝度、色度およびホワイトバランスを調整する。通信部9は、通信ケーブル102を通して他の単位表示装置101との間で情報の送受信を行うものである。マスターの単位表示装置101(図1の第1の単位表示装置101[1])の制御処理部8は、通信部9を用いてスレーブの単位表示装置101(図1の第2〜第4の単位表示装置101[2]〜101[4])の制御処理部8を制御することができる。
【0024】
図3(a)〜(c)は、それぞれ赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bの構成図である。赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bは同様に構成されており、それぞれ電流制御回路11、LED12、温度センサ13を備えている。当然のことながら、赤色光源部1RのLED12はR光を生成する「赤色LED」であり、緑色光源部1GのLED12はG光を生成する「緑色LED」であり、青色光源部1BのLED12はB光を生成する「青色LED」である。
【0025】
赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bのそれぞれにおいて、電流制御回路11は、制御処理部8からの制御信号(電流制御信号)を受け、それに応じた大きさの電流をLED12に流す。制御処理部8は、各LED12の発光量がそれを流れる電流に応じて変化することを利用して、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bがそれぞれ出力する光の強度を制御し、スクリーン5に表示する映像の輝度およびホワイトバランスを調整できる。つまり制御処理部8は、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bの各LED12に流す電流IR,IG,IBを大きくすれば輝度を高くでき、電流IR,IG,IBを小さくすれば輝度を低くできる。
【0026】
温度センサ13は、LED12の温度(あるいはLED12の周囲の温度)を測定し、その測定結果を示す信号(測定温度信号)を制御処理部8へと送信する。制御処理部8は、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bの各LED12の温度測定値TR,TG,TBに基づいて、上記の電流IR,IG,IBを調整し、それによって各LED12の発熱量を調整することもできる。LED12の発熱量はそれを流れる電流に応じて変化するため、電流IR,IG,IBを小さくすれば温度の上昇を抑えることができる。
【0027】
なお、温度センサ13は、LED12に内蔵されてもよいし、LED12の近傍に配置されてもよい。温度センサ13をLED12の近傍に配置する場合、LED12と温度センサ13との間は熱抵抗の低い材料で結合されることが望ましい。
【0028】
単位表示装置101のスクリーン5の輝度、色度およびホワイトバランス(すなわち色変換回路7aにより色変換された白色の映像を赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bそれぞれの発光量で表示したときの白色)は、個別に調整可能であるが、本実施の形態のマルチ画面表示装置100では、マルチ大画面の輝度、色度およびホワイトバランスの均一性が維持されるように、複数の単位表示装置101で統一してそれらの調整が行われる。例えば図1の例では、マスターの第1の単位表示装置101[1]の制御処理部8が、第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]の輝度、色度およびホワイトバランスの制御を統括する。
【0029】
本実施の形態のマルチ画面表示装置100では、複数の単位表示装置101が輝度、色度およびホワイトバランスに関する複数の設定値mを共有する。即ち、複数の単位表示装置101において設定値mは共通の値をとる。以下、この設定値mを「共通設定値」と称する。本実施の形態では、共通設定値mとしてM個の値が用意されており、1〜Mの整数の1つが選択可能である。また、共通設定値mの値が大きいほど輝度が高くなるように規定されるものとする。すなわちm=1のとき最低輝度が得られ、m=Mのとき最高輝度が得られる。
【0030】
共通設定値mの選択はユーザが行ってもよいが、周囲の環境や表示映像に応じて自動的に設定されるようにしてもよい。例えば、マルチ画面表示装置100が光センサを有し、共通設定値mが周囲の明るさに応じて自動的に設定される場合、明るい環境ではmを大きくして輝度を上げることで視認性を高め、暗い環境ではmを小さくして輝度を下げることで消費電力を抑えるような動作が可能である。あるいは、画面に表示されるコンテンツの変化に合わせて自動的に共通設定値mを変化させて、コンテンツに応じて色温度が切り替わるようにしてもよい。
【0031】
またマルチ画面表示装置100においては、複数の単位表示装置101の赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1BそれぞれのLED12に流す電流IR,IG,IBの設定値iR,iG,iB、および色変換回路7aが色変換に用いる式(1)の3×3の行列の要素である9個の係数K1〜K9の設定値k1〜k9が、共通設定値mごとに予め定められている。これら予め用意される設定値iR,iG,iB,k1〜k9を「プリセット値」と称す。プリセット値iR,iG,iB,k1〜k9は、例えばマルチ画面表示装置100の設置後の初期調整時に設定される。
【0032】
マルチ画面表示装置100がN個の単位表示装置101で構成され、M段階の輝度(共通設定値m)を設定可能な場合、プリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]が定められることになる(n=1,2,…,N、m=1,2,…,M)。iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]は、単位表示装置101[n]における共通設定値mに対応するプリセット値iR,iG,iB,k1〜k9を表している。つまりマルチ画面表示装置100は、M×N×12個のプリセット値が規定される。
【0033】
プリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]は、マルチ画面表示装置100自身が保持してもよいし、外部の記憶装置(例えばマルチ画面表示装置100に接続させるコンピュータのハードディスク等)に保持させてもよい。
【0034】
マルチ画面表示装置100にプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]を保持させる場合、マスターの単位表示装置101が全ての単位表示装置101のプリセット値を一括して保持する保持手段(メモリ等)を有してもよいし、個々の単位表示装置101が自己のプリセット値の保持手段を有してもよい(例えば第1の単位表示装置101[1]の保持手段にはプリセット値iR[1,m],iG[1,m],iB[1,m],k1[1,m],k2[1,m],k3[1,m],k4[1,m],k5[1,m],k6[1,m],k7[1,m],k8[1,m],k9[1,m]のみが保持される)。
【0035】
図1のマルチ画面表示装置100において、例えば第1の単位表示装置101[1](マスター)の制御処理部8のメモリ(保持手段)にプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m](n=1,2,…,N、m=1,2,…,M)の全てが保持される場合、第1の単位表示装置101[1]は、通信部9および通信ケーブル102を介して、第2〜第4の単位表示装置101[2]〜101[4](スレーブ)のそれぞれへ、必要とされるプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]を送信する。
【0036】
また例えば、図1のマルチ画面表示装置100のプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]を外部の記憶装置(不図示)に保持させる場合、第1〜第4の単位表示装置101[1]〜101[4]のそれぞれが通信部9を用いて当該記憶装置から必要なプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]を受信してもよいし、第1の単位表示装置101[1](マスター)が代表的に記憶装置からプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]を受信し、それを単位表示装置101[2]〜101[4](スレーブ)へと転送してもよい。
【0037】
単位表示装置101[n]の制御処理部8は、赤色光源部1R、緑色光源部1G、青色光源部1Bそれぞれの電流制御回路11を制御して、赤色光源部1RのLED12(以下「赤色LED」)の電流値IR[n]、緑色光源部1GのLED12(以下「緑色LED」)の電流値IG[n]、青色光源部1BのLED12(以下「青色LED」)の電流値IB[n]を、それぞれ共通設定値mに応じたプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m]に設定する。単位表示装置101[n]の制御処理部8はさらに、画像信号処理部7を制御して、色変換回路7aが行う3×3マトリクス演算(式(1))に用いる9個の係数K1[n],K2[n],K3[n],K4[n],K5[n],K6[n],K7[n],K8[n],K9[n]を、それぞれ共通設定値mに応じたプリセット値k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]に設定する。
【0038】
プリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m],k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]は、mが同一のとき、全ての単位表示装置101において同一の輝度、色度およびホワイトバランスが得られるように予め設定されている。共通設定値mは全ての単位表示装置101で共有されるので、各単位表示装置101で個別に光源の電流や3×3マトリクス演算の9個の係数が調整されて輝度、色度およびホワイトバランスがばらつくことが防止できる。
【0039】
つまり本実施の形態のマルチ画面表示装置100では、共通設定値mの値を変更すると全ての単位表示装置101で同様に輝度、色度およびホワイトバランスが変更される。従って、共通設定値mを調整することにより、マルチ大画面全体の輝度、色度およびホワイトバランスを均一に維持しながら、その輝度、色度およびホワイトバランスを瞬時に切り替えることができる。
【0040】
さらに、本実施の形態のマルチ画面表示装置100は、各単位表示装置101の光源(LED)の温度を監視して、その温度が過度に上昇することを防止する機能を備えている。以下、本実施の形態のマルチ画面表示装置100の温度制御について説明する。
【0041】
上記したように、LEDの温度は、使用環境の温度やLEDの電流、冷却条件などに依存するものであり、LEDを用いて表示する画像の色度やホワイトバランスには直接関係しない。つまりLEDの温度には、3×3マトリクス演算の9個の係数K1〜K9は殆ど影響しない。そのためここでは係数K1〜K9に関する記述は省略する。但し、この温度制御が行われてる間も、単位表示装置101[1]〜101[n]の色変換回路7aでは共通設定値mおよびプリセット値k1[n,m]〜k9[n,m]を用いた係数K1[n]〜K9[n]の設定が並行して行われている。係数K1[n]〜K9[n]が共通設定値mに基づいて設定される限り、マルチ大画面全体の輝度、色度およびホワイトバランスを均一に維持できるという上記の効果は継続して得られる。
【0042】
図4は、マルチ画面表示装置100における温度制御の動作を示すフローチャートである。このマルチ画面表示装置100の動作は、複数の単位表示装置101のうちのマスターの単位表示装置101の制御処理部8によって統括制御される。
【0043】
前提として、マルチ画面表示装置100はN個の単位表示装置101[1]〜101[N]により構成されており、共通設定値mはM段階の設定が可能であるとする。さらに、マルチ画面表示装置100(あるいは外部記憶装置)には、既に調整済みのプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m](n=1,2,…,N、m=1,2,…,M)が保存されているとする。また共通設定値mが大きいほど、マルチ画面表示装置100の輝度が高くなるように規定されている。すなわち、mの値が大きくなるほど各LEDに流れる電流は増加する。また説明の簡単のため、単位表示装置101[1]がマスターであり、それ以外の単位表示装置101[2]〜101[N]がスレーブであると仮定する。
【0044】
電源投入後、共通設定値mは所定の初期値MSEL(MSELは、1≦MSEL≦Mの整数)に設定される(S1)。MSELの値は任意でよいが、ここではユーザが任意に選択した値(ユーザ設定値)であるとする。共通設定値mの値は、マルチ画面表示装置100を構成する単位表示装置101[1]〜101[N]の全てに通知される(S2)。
【0045】
各単位表示装置101[n]の制御処理部8は、最新の共通設定値mに基づいて、赤色LEDの電流値IR[n]、緑色LEDの電流値IG[n]、青色LEDの電流値IB[n]を、それぞれプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m]に設定(更新)する(S3)。
【0046】
マスター単位表示装置101[1]の制御処理部8は、各LEDの温度が安定するのに充分長さの時間だけ待ち(S4)、その後、単位表示装置101[1]〜101[N]それぞれの赤色LEDの温度測定値TR[n]、緑色LEDの温度測定値TG[n]、青色LEDの温度測定値TB[n]を取得する(S5)。
【0047】
続いて、マスター単位表示装置101[1]の制御処理部8は、赤色LEDの温度測定値TR[n]の最大値TR_MAX、緑色LEDの温度測定値TG[n]の最大値TG_MAX、青色LEDの温度測定値TB[n]の最大値TB_MAXを求める(S6)。そしてTR_MAXが赤色LEDの最大許容温度である閾値T1Rを超えていないか、TG_MAXが緑色LEDの最大許容温度である閾値T1Gを超えていないか、TB_MAXが青色LEDの最大許容温度である閾値T1Bを超えていないか、それぞれ判定する(S7)。
【0048】
R_MAX,TG_MAX,TB_MAXのいずれか1つでも最大許容温度(第1閾値)を超えていた場合は(ステップS7において“Yes”)、共通設定値mを1に設定し(S8)、ステップS2に戻る。
【0049】
R_MAX,TG_MAX,TB_MAXがいずれも最大許容温度以下だった場合は(ステップS7において“No”)、続いてマスター単位表示装置101[1]の制御処理部8は、共通設定値mがユーザ設定値MSEL(初期値)より小さいか、またTR_MAX,TG_MAX,TB_MAXがそれぞれ所定の閾値T2R,T2G,T2Bよりも低いかを判定する。この閾値T2R,T2G,T2B(第2閾値)は、それぞれ上記のT1R,T1G,T1Bよりも低い温度(定常状態復帰温度)である(T2R<T1R,T2G<T1G,T2B<T1B)。
【0050】
その結果、mがMSELより小さく、且つ、TR_MAX,TG_MAX,TB_MAXがそれぞれ定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)より低ければ(ステップS9において“Yes”)、共通設定値mを1増加させて(S10)、ステップS2に戻る。それ以外の場合、すなわちmがMSELに等しい、またはTR_MAX,TG_MAX,TB_MAXのいずれかが定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)を超えていれば(ステップS9において“No”)、何もせずにステップS2に戻る。以降はステップS2〜S10の動作が繰り返し実行される。
【0051】
以上の動作によれば、マルチ画面表示装置100を構成する複数の単位表示装置101のLED(赤色LED、緑色LEDおよび青色LED)のいずれかの温度が最大許容温度(T1R,T1G,T1B)を超えると、共通設定値mは1に設定される。それにより各LEDを流れる電流は最も小さくなり、LEDの温度が最大許容温度を超えた状態が続くことが防止される。またその後は、LEDのいずれか1つの温度が定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)に達するか、あるいは共通設定値mがユーザ設定値MSELに達するまで(つまり、輝度がユーザにより設定されたレベルに達するまで)、共通設定値mを徐々に(1ずつ)増加させる。
【0052】
その結果、LEDの最高温度が最大許容温度以下の範囲で共通設定値mがユーザ設定値MSELに設定されるか、あるいは、共通設定値mがユーザ設定値MSELを超えない範囲でLEDの最高温度が定常状態復帰温度と最大許容温度との間になる。従って、LEDの温度が過度に上昇することが防止される。
【0053】
またこの温度制御が行われている間、単位表示装置101[1]〜101[n]のそれぞれの色変換回路7aでは、上記の温度制御の動作により決定された共通設定値mに応じたプリセット値k1[n,m]〜k9[n,m]が係数K1[n]〜K9[n]として自動的に設定された上で、色変換処理が行われる。従って、マルチ大画面全体の輝度、色度およびホワイトバランスを均一に維持できるという上記の効果は継続して得られる。
【0054】
定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)が最大許容温度(T1R,T1G,T1B)に近いほど、共通設定値mをユーザ設定値MSELに近い値にでき、より高い輝度を得ることができる。しかし定常状態復帰温度が最大許容温度に近すぎる場合、LEDの温度が最大許容温度を超えて共通設定値mが1に設定されてから(S8)1ずつ増加したとき(S10)、再びLEDの温度が最大許容温度を超えて共通設定値mが1に設定される(S8)という動作が繰り返され、輝度が不安定になる恐れがある。それを防止するために、定常状態復帰温度と最大許容温度との差は、ある程度の大きさを確保する必要があり、共通設定値mを1だけ変化させたときのLEDの温度変化量より大きいことが好ましい。
【0055】
なお本実施の形態では、単位表示装置101[1]〜101[N]それぞれの赤色LEDの温度測定値TR[n]、緑色LEDの温度測定値TG[n]および青色LEDの温度測定値TB[n]の全てを検出し、それに基づいて共通設定値mを調整する方式をとったが、簡易的に、いずれか1色のLEDの温度測定値に基づいて共通設定値mを調整する方式としてもよい。
【0056】
また本実施の形態では共通設定値mの初期値MSELを、ユーザが予め設定するものとしたが、それが未設定の場合には、例えばMSEL=Mとすればよい。この場合、マルチ画面表示装置100の輝度は、LEDの最高温度が最大許容温度を超えない範囲で最高値に調整される。
【0057】
図1ではマルチ画面表示装置100が4台の単位表示装置101により構成される例を示したが、本発明は2台以上の単位表示装置101で構成されるマルチ画面表示装置100に広く適用可能である。
【0058】
さらに、図2では単位表示装置101の構成として、光を強度変調するデバイスとしてDMDを用いた例を示したが、例えば透過型液晶素子や反射型液晶素子など他のライトバルブデバイスを用いてもよい。また本発明の適用は3色(R,G,B)の光源を用いたマルチ画面表示装置に限定されず、1色以上の光源を使用したマルチ画面表示装置に適用可能である。なお、1色の光源のみが用いられるマルチ画面表示装置の場合、ホワイトバランスの調整については考慮する必要がないことは言うまでもない。
【0059】
また本発明はLEDをはじめとする半導体光源を用いたマルチ画面表示装置に適用可能であるのはもちろん、半導体光源に限らず、寿命や電気的特性が温度の影響を受ける光源を用いたマルチ画面表示装置に対して広く適用可能である。
【0060】
<実施の形態2>
図5は、実施の形態2に係るマルチ画面表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。マルチ画面表示装置100およびそれを構成する複数の単位表示装置101の構成は、実施の形態1と同様である。
【0061】
本実施の形態でも、マルチ画面表示装置100はN個の単位表示装置101[1]〜101[N]から構成され、その輝度に対応する共通設定値mはM段階に調整可能であると仮定する。また各単位表示装置101のLEDに流す電流のプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m]、画像信号処理部7の色変換回路7aが行う3×3マトリクス演算の行列式の要素である9個の係数K1〜K9のプリセット値,k1[n,m],k2[n,m],k3[n,m],k4[n,m],k5[n,m],k6[n,m],k7[n,m],k8[n,m],k9[n,m]、各LEDの最大許容温度(T1R,T1G,T1B)、定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)等も、実施の形態1と同様に予め設定されており、所定の場所(単位表示装置101あるいは外部の記憶装置)に保存されている。
【0062】
なお、本実施の形態でもLED電流のプリセット値iR[n,m],iG[n,m],iB[n,m]は、共通設定値mが1のとき最も小さく、mの値が大きくなるほど大きくなるように規定される。つまりマルチ画面表示装置100の輝度は、共通設定値mが1のとき最低になり、mがMのとき最高となる。
【0063】
本実施の形態のマルチ画面表示装置100は、実施の形態1に対して、LEDの温度制御の方法が異なり、それ以外の動作は同じである。そのため、ここでは係数K1〜K9の設定に関する記述は省略する。実施の形態1と同様に、LEDの温度制御が行われてる間も、単位表示装置101[1]〜101[n]の色変換回路7aでは、共通設定値mおよびプリセット値k1[n,m]〜k9[n,m]を用いた係数K1[n]〜K9[n]の設定が並行して行われている。係数K1[n]〜K9[n]が共通設定値mに基づいて設定される限り、マルチ大画面全体の輝度、色度およびホワイトバランスを均一に維持できるという効果は継続して得られる。
【0064】
図5に示すマルチ画面表示装置100の動作は、実施の形態1(図4)に対して、各LEDの最高温度値(TR_MAX,TG_MAX,TB_MAX)のいずれかが最大許容温度(T1R,T1G,T1B)を超えたケース(ステップS7において“Yes”)での動作が異なっている。すなわち実施の形態2では、TR_MAX,TG_MAX,TB_MAXのいずれかが最大許容温度を超えると、共通設定値mが1より大きいか判定し(S11)、mが1より大きければそれを1だけ小さくした上で(S12)、ステップS2に戻る。
【0065】
実施の形態1ではTR_MAX,TG_MAX,TB_MAXのいずれかが最大許容温度を超えると共通設定値mは最低値の1に設定されるため、そのときの輝度の落差が大きく、表示品質を損なうことが懸念される。本実施の形態では、共通設定値mが1段階ずつ小さくされるので、輝度が一度に大きく低下することが防止される。
【0066】
なお、図5のフローでもステップS12が短い間隔で連続的に実行されると輝度の低下が目立つ可能性があるが、共通設定値mの段階数Mを多くしてmが1変化したときの輝度の変化量を小さくしたり、ステップS4の待ち時間を長くしたりすれば、輝度の変化が緩やかになって急峻な輝度の低下を防止できる。
【0067】
本実施の形態に係るマルチ画面表示装置100では、複数の単位表示装置101のLED(赤色LED、緑色LEDおよび青色LED)のいずれかの温度が最大許容温度(T1R,T1G,T1B)を超えた場合、それらが最大許容温度より低くなるか又は共通設定値mが1に達するまで、共通設定値mが1ずつ小さくされる。それにより各LEDを流れる電流は徐々に小さくなり、LEDの温度が最大許容温度を超えた状態が続くことが防止される。
【0068】
なお各LEDの電流が小さくなった結果、全てのLEDの温度が定常状態復帰温度(T2R,T2G,T2B)以下になると、共通設定値mは徐々に(1ずつ)増加される(図5のステップS10)。これにより、共通設定値mを初期値MSELにより近い値に設定され、より高い輝度を得ることができる。
【0069】
またこの温度制御が行われている間、単位表示装置101[1]〜101[n]のそれぞれの色変換回路7aでは、上記の温度制御の動作により決定された共通設定値mに応じたプリセット値k1[n,m]〜k9[n,m]が係数K1[n]〜K9[n]として自動的に設定された上で、色変換処理が行われる。従って、マルチ大画面全体の輝度、色度およびホワイトバランスを均一に維持できるという上記の効果は継続して得られる。
【0070】
従って実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、LEDの最高温度が最大許容温度以下の範囲で共通設定値mがユーザ設定値MSELに設定されるか、あるいは、共通設定値mがユーザ設定値MSELを超えない範囲でLEDの最高温度が定常状態復帰温度と最大許容温度との間になる。よってLEDの温度が過度に上昇することが防止される。
【符号の説明】
【0071】
100 マルチ画面表示装置、101 単位表示装置、1R 赤色光源部、1G 緑色光源部、1B 青色光源部、2 ダイクロイックミラー部、3 DMD、4 投写レンズ、5 スクリーン、6 画像信号入力部、7 画像信号処理部、7a 色変換回路、8 制御処理部、9 通信部、11 電流制御回路、12 LED、13 温度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号に基づく画像を光源を用いて表示する複数の単位表示装置から成るマルチ画面表示装置であって、
前記複数の単位表示装置の各々は、
前記光源の温度を測定する温度センサと、
前記複数の単位表示装置で共有される共通設定値に基づき、前記光源に流す電流を制御する電流制御回路と、
前記共通設定値に基づいて決定される行列を用いたマトリクス演算により、前記映像信号の色変換を行う色変換回路とを備え、
前記マルチ画面表示装置は、
前記複数の単位表示装置の前記温度センサが測定した前記光源の温度を監視して、各光源の温度が所定の第1閾値を超えないように前記共通設定値を調整する制御処理部を備え、
前記共通設定値は、予め定められた複数の値の一つが選択されることにより決められ、
前記行列は、前記共通設定値の各値において、前記複数の単位表示装置の輝度、色度およびホワイトバランスが同じになるように設定されている
ことを特徴とするマルチ画面表示装置。
【請求項2】
請求項1記載のマルチ画面表示装置であって、
前記共通設定値の各値に対応した前記光源の電流および前記行列の各要素のプリセット値を保持する保持手段をさらに備える
ことを特徴とするマルチ画面表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載のマルチ画面表示装置であって、
前記制御処理部は、
いずれかの光源の温度が前記第1閾値を超えると前記光源の電流が最小になるように前記共通設定値を調整し、その後、前記共通設定値が特定の値に達するか又はいずれかの光源の温度が前記第1閾値より小さい第2閾値に達するまで、前記光源の電流が徐々に大きくなるように前記共通設定値を調整する
ことを特徴とするマルチ画面表示装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載のマルチ画面表示装置であって、
前記制御処理部は、
いずれかの光源の温度が前記第1閾値を超えると前記光源の温度が前記第1閾値未満になるか又は前記共通設定値が特定の値に達するまで、前記光源の電流が徐々に小さくなるように前記共通設定値を調整し、その後、前記共通設定値が特定の値に達するか又はいずれかの光源の温度が前記第1閾値より小さい第2閾値に達するまで、前記光源の電流が徐々に大きくなるように前記共通設定値を調整する
ことを特徴とするマルチ画面表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−242419(P2012−242419A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108999(P2011−108999)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】