説明

メタルコア基板の製造方法

【課題】高い導電率が求められるコア部と高い硬度が求められる端子部とを中間層に有するメタルコア基板を安価に製造すること。
【解決手段】メタルプレート11を、導電率(IACS%)が95%以上ある無酸素銅やタフピッチ銅等の金属板から作製する。また、メタルプレート11の左右にそれぞれ配置する各突起型端子12を、導電率(IACS%)が30〜80%程度の低さである代わりに無酸素銅やタフピッチ銅よりも硬度が高い黄銅等の金属板からそれぞれ作製する。作製した配線基板10の2つ分のメタルプレート11と突起型端子12を、配線基板10における相対位置関係に位置決めし、配線基板10の2つ分のメタルプレート11と突起型端子12の全体に跨って、金属箔を備えたプリプレグ(樹脂層)31を金属板25の片面或いは両面に重ね合わせ、加圧加熱して積層する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタが挿抜される端子部と均熱用のコア部とを有する中間層に、端子部と導通する回路パターンを表面に有する基板を積層したメタルコア基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の電気接続箱では、電子部品の発熱による局所的な温度上昇を回避するために、中間層にメタルプレート(コア部)を有するメタルコア基板を配線基板として用いる場合がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなメタルコア基板では、コア部と共に端子部が中間層に設けられる場合、これらコア部と端子部が、金型を用いた打ち抜きプレス加工によって、一枚の金属板から成型される。成型されたコア部と端子部は、これらと共にプレス加工後の金属板に残る四方のフレームに、リブを介して支持される。これにより、コア部と端子部は、最終レイアウトと同じ相対位置関係を保ったまま基板の積層工程に移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−333583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したコア部は、基板表面の均熱化や温度上昇の抑制を図るため、導電率の高い材料で形成することが望ましい。一方、端子部は、コネクタの度重なる挿抜にも耐え得るように、硬度の高い材料で形成することが望ましい。
【0006】
しかし、コア部として必要な導電率と端子部として必要な硬度とを同時に満たす材料は少なく高価である。また、そのような材料でコア部と端子部を製造した場合は、端子部ほど高い硬度を必要としないコア部を硬度の面でオーバースペックで製造し、かつ、コア部ほど高い導電率を必要としない端子部を導電率の面でオーバースペックで製造することになる。
【0007】
しかも、コア部と端子部が最終レイアウトと同じ相対位置関係で一枚の金属板から打ち抜きプレス加工されることから、コア部と端子部の間隔の部分やコア部と端子部を支持する四方のフレームの部分に費やされる金属板部分が発生する分、金属板からコア部や端子部を製造する際の歩留まりが悪くなる。
【0008】
このため、上述したメタルコア基板の従来の製造方法では、コスト面で改善の余地があった。
【0009】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、高い導電率が求められるコア部と高い硬度が求められる端子部とを中間層に有するメタルコア基板を安価に製造することができるメタルコア基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法は、コネクタが挿抜される端子部と均熱用のコア部とを有する中間層に、前記端子部と導通する回路パターンを表面に有する基板を積層したメタルコア基板の製造方法であって、前記コア部よりも相対的に硬度の高い材料により前記端子部をプレス成型すると共に、前記端子部よりも相対的に導電率の高い材料により前記コア部をプレス成型し、プレス成型された前記端子部及び前記コア部を、前記メタルコア基板におけるレイアウトに応じた相対位置に位置決めした状態で、前記基板の積層工程に投入することを特徴とする。
【0011】
請求項1に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法によれば、コア部と端子部とを別々の材料からそれぞれプレス成型するので、メタルコア基板におけるコア部と端子部との間隔に応じた形状を、それらの材料となる金属板からプレス成型により切り落とす必要がない。また、プレス成型したコア部と端子部とを位置決めするためのフレームを金属板から作製する必要もない。したがって、コア部の材料となる金属板や端子部の材料となる別の金属板を、コア部や端子部のプレス成型に効率良く使用することができ、それらの金属板からコア部や端子部をプレス成型する際の歩留まりを向上させることができる。
【0012】
また、請求項2に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法は、請求項1に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法において、前記コア部の両側に、互いに表裏反転させた同一のプレス成型品をそれぞれ加工して作製した前記端子部を配置して、これら端子部を前記コア部と共に前記積層工程に投入することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した本発明の本発明のメタルコア基板の製造方法によれば、請求項1に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法において、端子部のプレス成型に用いる金型を、コア部の各側部に配置する端子部どうしで共通化し、メタルコア基板の製造にかかるコストを低減させることができる。
【0014】
さらに、請求項3に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法は、請求項1又は2に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法において、前記端子部を黄銅板によりプレス成型すると共に、前記コア部を無酸素銅板又はタフピッチ銅板によりプレス成型することを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法によれば、請求項1又は2に記載した本発明のメタルコア基板の製造方法において、端子部に硬度の高い黄銅板を用いることで、コネクタの度重なる挿抜に対する耐久性を端子部に確実に持たせることができる。また、コア部に高い導電率を有する無酸素銅板又はタフピッチ銅板を用いることで、基板表面の均熱化や温度上昇の抑制を確実に図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のメタルコア基板の製造方法によれば、高い導電率が求められるコア部と高い硬度が求められる端子部とを中間層に有するメタルコア基板を安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る配線基板の、表面層の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る配線基板の、中間層の構成を示す説明図である。
【図3】図1及び図2の配線基板を作製する一般的な手順を示す説明図であり、加工前の金属板を示す説明図である。
【図4】図1及び図2の配線基板を作製する一般的な手順を示す説明図であり、金属板を加工する工程を示す。
【図5】図1及び図2の配線基板を作製する一般的な手順を示す説明図であり、プリプレグを積層する工程を示す。
【図6】(a)〜(c)は図1及び図2の配線基板を本発明の一実施形態に係る製造方法によって作製する場合の手順を示す説明図であり、加工前の金属板を示す説明図である。
【図7】(a)〜(c)は図1及び図2の配線基板を本発明の一実施形態に係る製造方法によって作製する場合の手順を示す説明図であり、金属板を加工する工程を示す。
【図8】図1及び図2の配線基板を本発明の一実施形態に係る製造方法によって作製する場合の手順を示す説明図であり、加工したメタルプレートと各突起型端子とを配線基板における相対位置関係に位置決めする工程を示す。
【図9】図1及び図2の配線基板を本発明の一実施形態に係る製造方法によって作製する場合の手順を示す説明図であり、位置決めしたメタルプレートと各突起型端子にプリプレグを積層する工程を示す。
【図10】図9の積層工程の手順を示す説明図である。
【図11】図6の金属板から突起型端子を作製する手順の別例を示す説明図である。
【図12】(a),(b)は図11の金属板から突起型端子を作製する手順の別例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるメタルコア基板の製造方法の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る配線基板10の表面層を示す説明図、図2は、中間層(即ち、表面層を取り除いた層)を示す説明図である。
【0020】
図2に示すように、配線基板10(請求項中のメタルコア基板に相当)の中間層のほぼ中央には、矩形状のメタルプレート(請求項中のコア部に相当)11が設けられている。該メタルプレート11は、金属製の材料で構成され、導電性を備える。
【0021】
また、配線基板10の左側の側辺部及び右側の側辺部には、短冊形状の突起型端子12(請求項中の端子部に相当)がそれぞれ複数個(図では12個ずつ)設けられ、各突起型端子12の一部は、配線基板10の外側に突起している。そして、配線基板10にコネクタ(図示省略)を接続する場合には、この突起した部分を端子として用いることができる。なお、各突起型端子12は、個々を区別する必要がある場合には、サフィックス「-n」を付して表記する。
【0022】
複数の突起型端子12のうちのいくつかは、連結部16を介して互いに連結されている。具体的には、図2に示す突起型端子12-1、12-2、12-3が連結部16により互いに連結され、突起型端子12-4、12-5が連結部16により互いに連結され、更に、突起型端子12-6、12-7が連結部16により互いに連結されている。
【0023】
図1に示すように、配線基板10の表面には、絶縁性材料であるプリプレグ31が設けられて表面層とされている。この表面層には各種の電子部品15が搭載され、また回路パターン14が配索される。また、配線基板10の表面に設けられる回路パターン14と、中間層に設けられる突起型端子12とを接続するために、複数の突起型端子12うちの少なくとも一つに、スルーホール13が穿設されている(図2参照)。即ち、導電性のスルーホール13を経由して、突起型端子12と回路パターン14を電気的に接続することができる。
【0024】
この際、3つの突起型端子12-1、12-2、12-3のうち、一つの突起型端子12-3にのみスルーホール13が形成され、他の突起型端子12-1、12-2にはスルーホール13は形成されない。同様に、2つの突起型端子12-4、12-5のうち、一つの突起型端子12-4にのみスルーホール13が形成され、2つの突起型端子12-6、12-7のうち、一つの突起型端子12-6にのみスルーホール13が形成されている。
【0025】
上述した配線基板10は、一般的に、図3乃至図5の説明図に示すような工程を経て作製される。図4及び図5に示す説明図では、説明を簡略化するために、突起型端子12の数を左右5個ずつとしている。
【0026】
まず、図3に示すように、メタルプレート11及び突起型端子12の材料となる一枚の金属板25の左右両側を、スズメッキ層に通してスズメッキする。図3中ハッチングを施した部分が金属板25のスズメッキされた部分である。そして、スズメッキされた一枚の金属板25を、エッチング、或いはプレス加工により、図4に示す如くの形状に加工する。具体的には、高い導電率と高い硬度とを兼ね備えた、ジルコニウム等を含んだ銅合金製の金属板25から、矩形状のメタルプレート11と、左右にそれぞれ5個ずつ設けられる短冊形状の突起型端子12とを、四方のフレーム25a,25b,25c,25cにリブ21を介して支持する形状に、金型を用いた打ち抜きプレス加工によって成型する。ここで、突起型端子12-11 、12-12 、12-13 は連結部16によって連結されており、また、突起型端子12-14 と12-15 も連結部16によって連結されている。
【0027】
次いで、図5に示すように、金属箔を備えたプリプレグ(樹脂層)31を金属板25の片面或いは両面に積層し、このプリプレグ31を加熱プレスすることにより、配線基板10の外形を作製する。
【0028】
以後、プリプレグ31の表面に回路パターンをマスキングしエッチングすることで、所望する回路パターン14を形成し、さらに、プリプレグ31を貫通するスルーホール13を穿設し金属メッキすることで、回路パターン14と突起型端子12とを適宜な箇所で電気的に導通させる。
【0029】
上述した一般的な作製工程では、一枚の金属板25からメタルプレート11と突起型端子12とを成型するので、メタルプレート11と突起型端子12とが同じ材料から成型されることになる。ところが、プリプレグ31の表面の均熱性と温度上昇の回避を図るためのメタルプレート11には、高い導電率が求められるのに対して、突起型端子12には、高い導電率ではなく、不図示のコネクタの挿抜に耐え得るだけの高い硬度が求められる。したがって、金属板25には高い導電率と高い硬度とを兼ね備えた高価な材料を使用しなければならなくなる。言い換えると、メタルプレート11には必要以上に高い硬度を備えた材料が使用され、突起型端子12には必要以上に高い導電率を備えた材料が使用されるため、双方ともオーバースペックのものが製造されてしまう。
【0030】
しかも、メタルプレート11と突起型端子12とを、プリプレグ31を積層した後の最終レイアウトと同じ相対位置関係で、一枚の金属板25から打ち抜きプレス加工するために、メタルプレート11と突起型端子12の間隔の部分やメタルプレート11と突起型端子12を支持する四方のフレーム25a,25b,25cの部分によって消費される金属板25部分が発生する分、金属板25からメタルプレート11や突起型端子12を製造する際の歩留まりが悪くなってしまう。
【0031】
そこで、本実施形態では、図6に示すように、配線基板10のメタルプレート11と突起型端子12とを別々の材料による金属板26,27から作製する。メタルプレート11は、例えば、無酸素銅やタフピッチ銅等の、導電率(IACS%)が95%以上ある金属板26から作製する。また、メタルプレート11の左右にそれぞれ配置する各突起型端子12は、例えば、黄銅等の、導電率(IACS%)が30〜80%程度の低さである代わりに金属板26よりも硬度が高い金属板27からそれぞれ作製する。なお、各金属板27,27の一方の側部はスズメッキしておく。図6中ハッチングを施した部分が金属板27のスズメッキされた部分である。
【0032】
図7に示すように、金属板26は、2つのメタルプレート11,11がリブ26aを介して連結された形状に加工する。また、各金属板27は、配線基板10の2つ分の各突起型端子12がリブ27aを介して1つのフレーム27bに接続された形状にそれぞれ加工する。メタルプレート11と突起型端子12との作製時には、メタルプレート11とフレーム27bとにそれぞれパイロットピン用ホール11a,27cが形成される。
【0033】
以上のようにして金属板26,27からそれぞれ作製した配線基板10の2つ分のメタルプレート11と突起型端子12は、図8に示すように、配線基板10における相対位置関係に位置決めされる。そして、図9に示すように、配線基板10の2つ分のメタルプレート11と突起型端子12の全体に跨って、金属箔を備えたプリプレグ(樹脂層)31を金属板25の片面或いは両面(本実施形態の場合は両面)に重ね合わせる。これにより、メタルプレート11及び突起型端子12による中間層とプリプレグ31による表面層とを重ねた配線基板積層体17が形成される。この配線基板積層体17において、メタルプレート11のパイロットピン用ホール11aは、プリプレグ31のパイロットピン用ホール31aと重なる。
【0034】
配線基板積層体17は、図10に示すチャンバ40に投入されてプレスマシン50にセットされる。プレスマシン50では、メタルプレート11及び突起型端子12による中間層とプリプレグ31による表面層との積層プレス加工が行われる。
【0035】
プレスマシン50は、固定盤51と可動盤52とを有しており、これらの間に複数の配線基板積層体17と加熱用ヒータ54とが、交互に重ねて配置される。各配線基板積層体17のパイロットピン用ホール11a,27c,31a(図8参照)や加熱用ヒータ54のパイロットピン用ホール54a(図8参照)には、固定盤51から立設された複数のパイロットピン53のいずれかが挿通される。この状態で、可動盤52が固定盤51側に移動して各配線基板積層体17を加圧することで、各加熱用ヒータ54により加熱された各配線基板積層体17の表面層(プリプレグ31)が中間層(メタルプレート11及び突起型端子12)に積層、接合される。
【0036】
最後に、各配線基板積層体17の2つのメタルプレート11の間でプリプレグ31とリブ26aを切断すると共に、各フレーム27bと各突起型端子12との間でリブ27aを切断することで、2つの配線基板10が製造される。
【0037】
以上の工程により製造される本実施形態の配線基板10は、導電率(IACS%)が95%以上ある金属板26から作製したメタルプレート11が、配線基板10の表面の均熱化や温度上昇の抑制を図り、金属板26よりも硬度が高い金属板27から作製した突起型端子12が、不図示のコネクタの度重なる挿抜にも十分耐えるという、互いに異なる特性を両方具備したものとなる。
【0038】
そして、本実施形態の配線基板10では、メタルプレート11の材料である金属板26に、突起型端子12のような硬度を求めなくて済み、また、突起型端子12の材料である金属板27に、メタルプレート11のような導電率を求めなくて済む。このため、メタルプレート11及び突起型端子12の材料として、ジルコニウム等を含んだ銅合金製の金属板25(図3参照)のような、必要以上のスペックを有する材料を用いる必要がなく、材料コストを低減させることができる。
【0039】
さらに、一枚の金属板25からメタルプレート11と突起型端子12とを作製する一般的な製造方法の場合には、配線基板10における配置に応じた間隔が作製後のメタルプレート11と突起型端子12との間に空くように、その間隔に対応する金属板25の部分を切り落とさなければならない。また、上記の間隔を空けてメタルプレート11と突起型端子12とを保持するフレーム25a,25b,25c,25cを、メタルプレート11や突起型端子12と共に金属板25から作製しなければならない。したがって、切り落とす上記の間隔の部分の金属板25や、フレーム25a,25b,25c,25cの作製に使われる部分の金属板25を、メタルプレート11や突起型端子12の作製に使えない分、金属板25からメタルプレート11や突起型端子12を作製する際の歩留まりが悪くなってしまう。
【0040】
しかし、本実施形態による配線基板10の製造方法では、メタルプレート11と突起型端子12とを別々の金属板26,27からそれぞれ作製するので、配線基板10におけるメタルプレート11と突起型端子12との間隔に応じた形状を、金属板26や金属板27から切り落とす必要がない。また、作製したメタルプレート11と突起型端子12とを位置決めするためのフレームを金属板26や金属板27から作製する必要もない。したがって、金属板26,27をメタルプレート11や突起型端子12の作製に効率良く使用することができ、金属板26,27からメタルプレート11や突起型端子12を作製する際の歩留まりを向上させることができる。
【0041】
なお、上述した実施形態では、図8や図9に示すように、メタルプレート11の左側に配置する5個の突起型端子12と、メタルプレート11の右側に配置する5個の突起型端子12とで、互いの形状が異なることから、各5個ずつの突起型端子12を別々の金属板27,27から作製するものとした。
【0042】
しかし、図6の(a)又は(c)に示す金属板27から、図11に示すように、隣り合う突起型端子12の先端間がジョイント部27dによって接続された形状のプレス成型品18を作製し、図12(a),(b)にそれぞれ示すように、互いに表裏を反転させたプレス成型品18からそれぞれ不要なジョイント部27dを切除することで、メタルプレート11の左右両側にそれぞれ配置するのに適した形状の突起型端子12を作製するようにしても良い。このようにすれば、突起型端子12を金属板27から作製するのに用いる金型を、メタルプレート11の左側の突起型端子12用とメタルプレート11の右側の突起型端子12用とで共通化することができる。これにより、突起型端子12の作製にかかるコストをさらに低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、コネクタが挿抜される端子部と均熱用のコア部とを有する中間層に、端子部と導通する回路パターンを表面に有する基板を積層した、メタルコア基板を製造する場合に用いて好適である。
【符号の説明】
【0044】
10 配線基板
11 メタルプレート
11a パイロットピン用ホール
12 突起型端子
12-1 突起型端子
12-2 突起型端子
12-3 突起型端子
12-4 突起型端子
12-5 突起型端子
12-6 突起型端子
12-7 突起型端子
12-11 突起型端子
12-12 突起型端子
12-13 突起型端子
12-14 突起型端子
12-15 突起型端子
13 スルーホール
14 回路パターン
15 電子部品
16 連結部
17 配線基板積層体
18 プレス成型品
21 リブ
25 金属板
25a フレーム
25b フレーム
25c フレーム
26 金属板
26a リブ
27 金属板
27a リブ
27b フレーム
27c パイロットピン用ホール
27d ジョイント部
31 プリプレグ
31a パイロットピン用ホール
40 チャンバ
50 プレスマシン
51 固定盤
52 可動盤
53 パイロットピン
54 加熱用ヒータ
54a パイロットピン用ホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタが挿抜される端子部と均熱用のコア部とを有する中間層に、前記端子部と導通する回路パターンを表面に有する基板を積層したメタルコア基板の製造方法であって、
前記コア部よりも相対的に硬度の高い材料により前記端子部をプレス成型すると共に、前記端子部よりも相対的に導電率の高い材料により前記コア部をプレス成型し、
プレス成型された前記端子部及び前記コア部を、前記メタルコア基板におけるレイアウトに応じた相対位置に位置決めした状態で、前記基板の積層工程に投入する、
ことを特徴とするメタルコア基板の製造方法。
【請求項2】
前記コア部の両側に、互いに表裏反転させた同一のプレス成型品をそれぞれ加工して作製した前記端子部を配置して、これら端子部を前記コア部と共に前記積層工程に投入することを特徴とする請求項1記載のメタルコア基板の製造方法。
【請求項3】
前記端子部を黄銅板によりプレス成型すると共に、前記コア部を無酸素銅板又はタフピッチ銅板によりプレス成型することを特徴とする請求項1又は2記載のメタルコア基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−14622(P2011−14622A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155547(P2009−155547)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】