説明

ラック式穀粒乾燥設備における自動排出装置

【課題】コンテナによって各別に乾燥処理を行って荷口ごとに柔軟な対応が可能であるというラック式穀粒乾燥設備の利点を生かし、乾燥工程終了後の排出作業を無人化して、効率よく排出工程を行うことができる出庫管理装置を提供する。
【解決手段】制御手段9には、穀物乾燥装置5内の複数の乾燥済みコンテナを排出対象として排出動作を予約する自動排出入力手段39bが設けられ、自動排出入力手段39bから穀粒の品種、品位及び排出対象コンテナ数を含んだ特定情報を入力すると、制御手段9が、乾燥済みコンテナの在庫確認を行うとともに、穀物乾燥装置5、搬送手段4及び反転手段6を作動させて複数の乾燥済みコンテナについて排出動作を実行するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラック式穀粒乾燥設備における自動排出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通風可能に形成された複数個のコンテナに穀粒を投入し、該コンテナをラック棚形式の乾燥設備に搬入し、各コンテナごとに乾燥処理するよう構成されたラック式穀粒乾燥設備がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1のラック式穀粒乾燥設備の構成は、通風用のコンテナを収容する乾燥装置を、縦・横に棚状に複数配設して立体乾燥庫となし、前記コンテナを、制御部からの指令により前記乾燥装置に搬入・搬出するための移動フォークリフトを備え、前記乾燥装置に送風路を介して乾燥風を供給する熱風発生装置を設けるとともに、前記各乾燥装置には、該コンテナの収納によって前記送風路を開とするシャッタを設けたものである。また、特許文献2のラック式穀粒乾燥設備は、前記立体乾燥庫において現在何個のコンテナが乾燥途中であるかというデータを入手して、その数量に応じて乾燥装置の送風能力を段階的に管理する入出庫管理システムを備えたものである。
【0004】
【特許文献1】特許第2787877号公報
【特許文献2】特許第3385878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2記載の入出庫管理システムは、乾燥装置の送風能力を段階的に管理することができるものの、出庫管理においては不十分であった。すなわち、上記ラック式穀粒乾燥設備は、基本的に荷受工程・乾燥工程・排出工程(乾燥終了後のコンテナ内の穀粒を、サイロ等の貯蔵装置へ移し替える作業)の一連のサイクルを24時間で管理しており、例えば、オペレータが昼夜交代勤務する場合は、夜間であっても所定のラック棚にあるコンテナの乾燥工程が終了する都度、当該コンテナの穀粒の排出作業を手動で行うことが可能であるが、夜間勤務に対する人件費が高騰する問題がある。つまり、穀粒乾燥設備は、翌日の荷受けスケジュールに合わせて乾燥工程を行っているために、乾燥工程が終了したコンテナ内の穀粒は翌朝までに必ず排出して空にし、翌朝持ち込まれる穀粒を荷受けするために、必要な数量のコンテナを確保しておく必要があるのである。
【0006】
本発明は上記問題点にかんがみ、例えば、1トン容量のコンテナによって各別に乾燥処理を行って荷口ごとに柔軟な対応が可能であるというラック式穀粒乾燥設備の利点を生かし、乾燥工程終了後の排出作業を無人化して、効率よく排出工程を行うことができる出庫管理装置を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、穀粒を投入した通風可能なコンテナを複数個収容して穀粒の乾燥を行う棚状の穀物乾燥装置と、該穀物乾燥装置の後段に配置され、前記コンテナ内の穀粒を当該コンテナから流出させて穀粒の排出を行う反転装置と、該反転装置と前記穀物乾燥装置との間で前記コンテナの搬送を行う搬送手段と、前記穀物乾燥装置、反転装置及び搬送手段に連絡して各装置を集中制御するとともに、前記穀物乾燥装置に収容されている複数個のコンテナの出し入れ及び前記反転装置による穀粒の排出を管理する制御手段と、を備えたラック式穀粒乾燥設備であって、前記制御手段には、前記穀物乾燥装置内の複数の乾燥済みコンテナを排出対象として排出動作を予約する自動排出入力手段が設けられ、該自動排出入力手段から穀粒の品種、品位及び排出対象コンテナ数を含んだ特定情報を入力すると、前記制御手段が、乾燥済みコンテナの在庫確認を行うとともに、前記穀物乾燥装置、搬送手段及び反転手段を作動させて複数の乾燥済みコンテナについて排出動作を実行するように構成する、ことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記制御手段は、乾燥済みコンテナの在庫確認を行った結果、排出対象となる乾燥済みコンテナが不足するとき、仕上がり残時間の少ない乾燥中のコンテナを乾燥済みコンテナとみなして排出対象に加算する、という技術的手段を講じた。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、乾燥済みコンテナを排出対象として排出動作を予約する自動排出入力手段に、穀粒の品種、品位及び排出対象コンテナ数を含む特定情報を入力して排出動作の予約がなされると、制御手段が、乾燥済みコンテナの在庫確認を行うとともに、穀物乾燥装置、搬送手段及び反転装置を作動させて、複数の乾燥済みコンテナに対しての排出動作を連続して実行することが可能となり、例えば、オペレータが昼間勤務を終えて自動排出予約の設定を行っておくと、夜間はオペレータを介することなく、無人で排出動作が連続して実行されることになる。そして、排出後の空コンテナは元の乾燥ラックに戻され、オペレータが翌朝出勤したときには、当日持ち込まれる穀粒の荷受量に相当する空コンテナが確保されていることとなる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、前記制御手段は、乾燥済みコンテナの在庫確認を行った結果、排出対象となる乾燥済みコンテナが不足するとき、仕上がり残時間の少ない乾燥中のコンテナを乾燥済みコンテナとみなして排出対象に加算するので、排出対象となる乾燥済みコンテナが不足する場合であっても、排出動作を停止させることがない。また、乾燥中のコンテナは乾燥終了後、無人で排出動作が行われるので、翌日の荷受けスケジュールに合わせて排出動作の予約を行っておくと、翌朝には必要な数量の空コンテナが確保されていることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。図1は本発明のラック式穀粒乾燥設備の構成を示す概略説明図であり、ラック式穀粒乾燥設備1は、荷受装置2、穀物投入装置3、スタッカークレーン4、乾燥装置5、反転装置6、サイロ7等からなる貯蔵設備8及び各装置を集中制御する制御装置9からなる。
【0012】
荷受装置2は複数の荷受ホッパー10,11と、該荷受ホッパー10,11から揚穀機12を介して接続される粗選機13と、該粗選機13から穀物投入装置3に連絡する揚穀機14,15とから構成される。符号10a,11aは荷受ホッパー10,11の排出口に設けられる排出装置であり、符号13aは粗選機13に接続された塵埃除去用の吸引ファンである。
【0013】
穀物投入装置3は、荷受装置2の揚穀機15から連絡する、穀粒(例えば、籾)の貯留タンク16と、このタンク16から流出する穀粒を計量する計量器17と、計量器17下方に設けた二口切換弁18と、さらに下方に設けたダブルタンク19と、該ダブルタンク19の排出側下方で複数の空のコンテナ20a,20bを待機させてを投入する投入ステーション21a,21bとから構成される。前記計量器17には、計量後の穀粒の一部を荷受サンプルとして取り出すサンプル取り出し装置を備えており(図示せず)、該荷受サンプルを自主検定装置へ移送して自主検定することが可能な構成となっている。また、この穀物投入装置3のタンク16上方には、穀粒のローテーションの際、乾燥途中にあるコンテナ20…内の穀粒の移し替えを行うための反転装置6aを備えている。
【0014】
コンテナ20…の搬送手段としてのスタッカークレーン4は、ラック式の乾燥装置5内を左右方向に移動し、更に、上下方向にはクレーン部22により昇降するような構成であり、コンテナ20…の乾燥装置5等への出し入れはリフト部23により行われる構成である。符号36はクレーン部22の移動制御や、リフト部23のコンテナ20…の出し入れ制御を行うスタッカークレーン制御部であり、該スタッカークレーン制御部36には、図2に示すように、無線通信システム49及び測距センサ50が接続されている。
【0015】
乾燥装置5は複数幅で複数段に区分した複数個の乾燥ラック24で形成され、各乾燥ラック24には、それぞれに乾燥風を送風する送風路25を配設するとともに、該送風路25の始端側に熱風発生装置26及び送風機27を接続している。そして、各乾燥ラック24は、上面が開放され、下面には通風可能な有孔棚を設け、穀粒を投入したコンテナ20…を前記スタッカークレーン4により出し入れ可能な構成としてある。乾燥装置5の大きさは、設置面積や規模により適宜変更可能であり、例えば、横方向に12列、縦方向に10段の計120個の乾燥ラック24から構成される大型のものや、横方向に6列、縦方向に10段の計60個の乾燥ラック24から構成される小型のものを適用することができる。そして、各コンテナ20…にはICタグなどの標識を取り付けるとともに、各乾燥ラック24に横方向及び縦方向の番地を割り当てて前記各コンテナ20…を収納することにより、例えば、荷受サンプルの自主検定結果(例えば、品種、品位、水分など)により乾燥条件を制御するとか、荷受後の異物混入事故の未然防止に繋げるなどのトレーサビリティ(履歴追跡システム)を確立することも可能である。
【0016】
乾燥装置5の後段にあるスタッカークレーン4は、上記同様、クレーン部22、リフト部23及びスタッカークレーン制御部36により構成され、主に乾燥済みの穀粒が収容されたコンテナ20…を乾燥装置5から取り出すものである。そして、いずれかの反転装置6b,6cの反転動作によってコンテナ20…内の籾を中継タンク28a,28bに投入するとともに、計量器29a,29bにより計量し、返還用揚穀機30a,30b上部の二口切換弁31a,31bの切り換えることにより穀粒を貯蔵装置8側へ搬送するか、又は、再度計量するかが選択される。なお、前記反転装置6a,6b,6c下方に設置された計量器17,29a,29bには、水分センサ48a,48b,48cが内装されており、穀粒のローテーションの際に水分を測定して、乾燥の仕上がり具合をチェックすることができる。
【0017】
貯蔵装置8の前段には、サイロ投入用揚穀機32及び二口切換弁33が設けられ、穀粒をサイロ7に投入するか、又は、籾摺・選別工程へ搬送するかが切換可能となっており、サイロ7側に切り換えたときは、穀粒はサイロ7上方に設けた上部フローコンベア34を介して各サイロ7内に収容される。また、穀粒を取り出す場合は、サイロ7下方に設けた下部フローコンベア35により取り出すことができる。
【0018】
各装置を集中制御する制御装置9は、ラック式穀粒乾燥設備1のオペレータ室(図示せず)に設けられており、図2に示すように、ラック式穀粒乾燥設備における各装置を統括する中央制御盤37を中心に、表示パネル40、マウス51、及び各装置との制御指令を遣り取りする通信システム38が接続されている。そして、表示パネル40上にはメニュー画面として、図3に示すように、荷受・搬送・乾燥・反転などの各装置を起動又は停止させるための通常操作に関するアイコン39a、コンテナの排出動作を予約するアイコン39b、データ処理のアイコン39c、履歴表示・帳票印刷のアイコン39d、及び実績表示・帳票印刷のアイコン39eからなる入力手段39が表示される。
【0019】
そして、マウス51により通常操作のアイコン39aをクリックすると、図4に示すように、各乾燥ラック24…内の状態が、段番号及び列番号の番地ごとに色分けして表示される。すなわち、図4で示される左端から4列目までの黒色で示す乾燥ラック24…については、現在「乾燥中」であり、薄い灰色で示す乾燥ラック24…については、現在「反転(ローテーション)待ち」であり、左端から5列目の網かけの乾燥ラック24…については、現在「乾燥済み」であるが、未だ、排出予約がかけられていない状態を示されている。その他、各乾燥ラック24…の状態として「空コンテナ」、「空き乾燥棚」、「水分異常棚」、「乾燥待ち」、「優先反転」、「排出予約」、「入庫禁止棚」、及び「空き待機棚」として色分けして表示される。
【0020】
次に、図3乃至図6を参照して排出動作の予約について説明する。オペレータが昼間勤務を終え、夜間に複数のコンテナ20…について自動排出予約の設定を行おうとする場合(図6のステップ1)、排出動作を予約するアイコン39b(図3参照)をクリックすることにより、複数のコンテナ20…を順次排出していく自動排出予約モードとなる(図6のステップ2)。自動排出予約の設定を行わない場合は、実績表示・帳票印刷のアイコン39e(図3参照)から通常の排出動作を行うことが可能であり、オペレータが特定した単数のコンテナ20の手動排出処理となし(図6のステップ3)、番地を特定して通常排出データとして記憶する(図6のステップ4)。
【0021】
自動排出予約モードにおいては、まず、中央制御盤37が図4に示す乾燥ラック24…の状態図に基づいて、「乾燥済み」コンテナの一覧表を自動作成し(図5(a)−(1)参照)、コンテナ20…の在庫の確認を行う。図5の一覧表を参照すれば、コンテナ20…は水分が14.5〜15.0%の範囲にあり、全てのコンテナ…について排出可能であることが分かり、コンテナ20…の在庫が一目で確認できる。
【0022】
そして、オペレータが自ら作業データの設定を行う(図6のステップ5)。設定する作業データとしては「品種」、「品位」、「排出するコンテナの数」、「反転装置6a,6b,6cの稼動の指定」及び「排出先サイロ7の指定」があり、図5の符号41乃至45で示される5種類のプルダウンメニューを操作して「品種」、「品位」、「排出するコンテナの数」、「反転装置の稼動の指定」及び「排出先サイロの指定」の順に設定していく。例えば、「品種」を「ひとめぼれ」、「品位」を「優良品」、「排出するコンテナの数」を「50コンテナ」、「反転装置の稼動の指定」は「反転装置6aは停止、反転装置6b及び6cは稼動させる」、「排出先サイロの指定」は「サイロ1に投入する」を設定し、これを1単位の排出設定とする。引き続き2単位目の排出設定として、例えば、「品種」を「こしひかり」、「品位」を「有機栽培」、「排出するコンテナの数」を「20コンテナ」、「反転装置の稼動の指定」は「反転装置6aは停止、反転装置6b及び6cは稼動させる」、「排出先サイロの指定」は「サイロ2に投入する」と設定する。このように、排出する単位ごとに「品種」等を含む特定情報を設定し、翌朝持ち込まれる穀粒の量に相当するコンテナ数を排出する設定を行えばよい。
【0023】
作業データの設定を終了すると、中央制御盤37は図5(a)−(1)の表から、設定した条件に合致するものを検索し(図6のステップ6)、図7(b)−(1)の表のように排出予定コンテナとして一覧表が作成される。
【0024】
そして、前記設定したコンテナ数と排出予定コンテナ数(「乾燥済み」コンテナの在庫)とを比較し(図6のステップ7)、排出予定コンテナ数が多い(在庫有り)と確認されると、複数のコンテナ20…についてそれぞれの番地を特定するとともに、複数のコンテナ20…を順次排出していく自動排出データとして記憶する(図6のステップ8)。
【0025】
排出予定コンテナ数が少ない場合(「乾燥済み」コンテナの在庫無し)、図4に示す乾燥ラック24…の状態図に基づいて、「乾燥中」コンテナの一覧表を自動作成し(図7(a)−(3)参照)、これを排出予定コンテナ数に追加するか否か判断される(図6のステップ9)。「乾燥中」コンテナの一覧表は、乾燥が仕上がる残時間が少ない複数のコンテナ20…を抽出したものであり、コンテナの排出動作中に「乾燥済み」となるため、排出予定コンテナ数に追加することができる。「乾燥中」コンテナを排出予定コンテナ数に追加しない場合は、ステップ5で設定した「排出コンテナ数」の設定をやり直すエラーメッセージが出力される(図6のステップ10)。
【0026】
以下、オペレータによって上述のように設定された「自動排出予約データ」に基づく自動排出作業を、図8に基づいて説明する。まず、中央制御盤37は、自動排出予約データを検索して(ステップ1)、現在実行しなければならない排出作業データの有無を確認する。次に、スタッカークレーン4が荷受装置2から乾燥装置4への入庫や、乾燥装置4から反転装置6への出庫など他の入出庫作業を実行中か否かを確認し(ステップ2)、実行中のときは終了を待ってから次のステップに至る。スタッカークレーン4の作業が終了すると、図6のステップ5で設定された反転装置の稼動の指定及び排出先サイロの指定の作業データに基づき、反転装置6、揚穀機30,32、及びフローコンベア34,35に稼動許可信号を出力するとともに、二口切換弁31,33に対し所定方向への切換動作を行う信号を出力する(ステップ3)。次に、図6のステップ8で特定されたコンテナ20及び乾燥ラック24の番地からなる出庫データを、スタッカークレーン制御部36に出力する(ステップ4)。
【0027】
出庫データがスタッカークレーン制御部36に入力されると、スタッカークレーン4が指定された乾燥ラック24に移動し、クレーン部22及びリフト部23により所定のコンテナ20の出庫を行う(ステップ5)。出庫されたコンテナ20は、反転装置6に移載された後、反転されて穀粒の排出が行われ(ステップ6)、揚穀機及びフローコンベア等を介して所定のサイロ7へ貯留されることとなる。
【0028】
穀粒の排出が終了すると、排出終了信号が中央制御盤37に出力され、反転装置6からスタッカークレーン4に空コンテナ20を移載して元の乾燥ラック24に戻される(ステップ7)。
【0029】
次に、コンテナ20の排出完了をカウントアップし(ステップ8)、図6のステップ5でオペレータが設定した「排出するコンテナの数」に達したか否かが判断される(ステップ9)。「排出するコンテナの数」に達していない場合はステップ2に戻り、上述と同様の排出作業が繰り返し実行されることになる。
【0030】
そして、「排出するコンテナの数」に達した場合、自動排出予約データを全て実行済みか否かが判断され(ステップ10)、実行済みでない場合はステップ1に戻り、2単位目として排出設定した自動排出予約データなどを検索して上述と同様の排出作業が繰り返し実行されることになる。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、穀粒を投入した通風可能なコンテナ20…を複数個収容して穀粒の乾燥を行う棚状の穀物乾燥装置5と、該穀物乾燥装置5の後段に配置され、前記コンテナ20…内の穀粒を当該コンテナから流出させて穀粒の排出を行う反転装置6と、該反転装置6と前記穀物乾燥装置5との間で前記コンテナ20…の搬送を行う搬送手段4と、前記穀物乾燥装置5、反転装置6及び搬送手段4に連絡して各装置を集中制御するとともに、前記穀物乾燥装置5に収容されている複数個のコンテナ20…の出し入れ及び前記反転装置6による穀粒の排出を管理する制御手段9と、を備えたラック式穀粒乾燥設備であって、前記制御手段9には、前記穀物乾燥装置5内の複数の乾燥済みコンテナ20…を排出対象として排出動作を予約する自動排出入力手段39bが設けられ、該自動排出入力手段39bから穀粒の品種、品位及び排出対象コンテナ数を含んだ特定情報を入力すると、前記制御手段9が、乾燥済みコンテナ20…の在庫確認を行うとともに、前記穀物乾燥装置5、搬送手段4及び反転手段6を作動させて複数の乾燥済みコンテナ20…について排出動作を実行するように構成するので、例えば、オペレータが昼間勤務を終えて自動排出予約の設定を行っておくと、夜間はオペレータを介することなく、無人で排出動作が連続して実行されることになる。そして、排出後の空コンテナは元の乾燥ラックに戻され、オペレータが翌朝出勤したときには、当日持ち込まれる穀粒の荷受量に相当する空コンテナが確保されていることになる。
【0032】
なお、本実施の形態によれば、制御手段9は、乾燥済みコンテナ20…の在庫確認を行った結果、排出対象となる乾燥済みコンテナ20…が不足するとき、仕上がり残時間の少ない乾燥中のコンテナ20…を乾燥済みコンテナ20…とみなして排出対象に加算するので、排出対象となる乾燥済みコンテナ20…が不足する場合であっても、排出動作を停止させることがない。また、乾燥中のコンテナ20…は乾燥終了後、無人で排出動作が行われるので、翌日の荷受けスケジュールに合わせて排出動作の予約を行っておくと、翌朝には必要な数量の空コンテナが確保されていることになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のラック式穀粒乾燥設備の構成を示す概略図である。
【図2】ラック式穀粒乾燥設備の制御構成図である。
【図3】制御装置内に設けた表示パネルのメニュー画面を示す図である。
【図4】各乾燥ラック内の状態を段及び列の番地ごとに表示した図である。
【図5】自動排出予約モードにおける乾燥済みコンテナの一覧表及び作業データの設定を行うプルダウンメニューを示す図である。
【図6】排出動作の予約管理を行うフローチャートである。
【図7】自動排出予約モードにおける乾燥中コンテナの一覧表及び設定条件検索後の排出予定コンテナの一覧表である。
【図8】排出作業を行うフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
1 ラック式穀粒乾燥設備
2 荷受装置
3 穀物投入装置
4 スタッカークレーン
5 乾燥装置
6 反転装置
7 サイロ
8 貯蔵設備
9 制御装置
10 荷受ホッパー
11 荷受ホッパー
12 揚穀機
13 粗選機
14 揚穀機
15 揚穀機
16 貯留タンク
17 計量器
18 二口切換弁
19 ダブルタンク
20 コンテナ
21 投入ステーション
22 クレーン部
23 リフト部
24 乾燥ラック
25 送風路
26 熱風発生装置
27 送風機
28 中継タンク
29 計量器
30 返還用揚穀機
31 二口切換弁
32 サイロ投入用揚穀機
33 二口切換弁
34 上部フローコンベア
35 下部フローコンベア
36 スタッカークレーン制御部
37 中央制御盤
38 通信システム
39 入力手段
40 表示パネル
41 プルダウンメニュー
42 プルダウンメニュー
43 プルダウンメニュー
44 プルダウンメニュー
45 プルダウンメニュー
46 登録ボタン
47 キャンセルボタン
48 水分センサ
49 無線通信システム
50 測距センサ
51 マウス



【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀粒を投入した通風可能なコンテナを複数個収容して穀粒の乾燥を行う棚状の穀物乾燥装置と、
該穀物乾燥装置の後段に配置され、前記コンテナ内の穀粒を当該コンテナから流出させて穀粒の排出を行う反転装置と、
該反転装置と前記穀物乾燥装置との間で前記コンテナの搬送を行う搬送手段と、
前記穀物乾燥装置、反転装置及び搬送手段に連絡して各装置を集中制御するとともに、前記穀物乾燥装置に収容されている複数個のコンテナの出し入れ及び前記反転装置による穀粒の排出を管理する制御手段と、を備えたラック式穀粒乾燥設備であって、
前記制御手段には、前記穀物乾燥装置内の複数の乾燥済みコンテナを排出対象として排出動作を予約する自動排出入力手段が設けられ、該自動排出入力手段から穀粒の品種、品位及び排出対象コンテナ数を含んだ特定情報を入力すると、前記制御手段が、乾燥済みコンテナの在庫確認を行うとともに、前記穀物乾燥装置、搬送手段及び反転手段を作動させて複数の乾燥済みコンテナについて排出動作を実行するように構成したことを特徴とするラック式穀粒乾燥設備における自動排出装置。
【請求項2】
前記制御手段は、乾燥済みコンテナの在庫確認を行った結果、排出対象となる乾燥済みコンテナが不足するとき、仕上がり残時間の少ない乾燥中のコンテナを乾燥済みコンテナとみなして排出対象に加算してなる請求項1記載のラック式穀粒乾燥設備における自動排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−17823(P2009−17823A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−182854(P2007−182854)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】