説明

リキッドフィーディングシステム

【課題】米飯等の高粘度のバイプロが有効利用され且つ乳酸菌が豊富に含まれた発酵リキッド飼料が安全かつ自動的に豚に給餌される。
【解決手段】穀物飼料が所定の混合比で湯温水と混合された穀物溶液を生成し、その穀物溶液がポンプ10によって発酵タンク9へ移送されて乳酸発酵する。そして、水素イオン濃度がアルカリタンク16によってpH=5.5〜6.0に設定され且つ液温がヒータHによって37℃に設定される。なお、pH調整は発酵の1時間の間行われる。そして、所定の時間経過後、発酵飼料はポンプ10によって計量混合タンク4に移送されて所定の混合比率でバイプロと混合されて発酵リキッド飼料となる。そして、発酵リキッド飼料は、システム制御装置20によって各バルブが操作されることにより各餌箱Fに給餌される。この時、システム制御装置20は圧力センサ12および流量センサ13からの信号を監視し、異常の場合はポンプ10を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リキッドフィーディングシステム、特に食品工場副産物としてのバイプロが有効利用されたリキッド飼料又はリキッド飼料に乳酸菌が豊富に含まれた発酵リキッド飼料が安全かつ自動的に豚に給餌されることが可能となる高粘度の食品工場副産物に対応したリキッドフィーディングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、豚の飼料というと、日本では残飯等の食物残渣が連想され、事実、食物残渣が豚の飼料として広く利用されている。それに対して養豚先進国であるヨーロッパ、特にイギリス、オランダまたはデンマークでは、食品製造の過程において廃棄される食品工場副産物(主として、形状不良等により商品として市場に置くことができないもの)、いわゆるバイプロが豚の飼料として広く利用されている。例えば、これらのバイプロを穀物飼料に加えて、或いはその穀物飼料に更に配合飼料を加えた上でリキッド飼料とし、あるいは、そのリキッド飼料に乳酸菌や乳酸発酵飼料を添加した発酵リキッド飼料として利用されている。
このように、リキッドフィーディングシステムは、養豚業界にとっては飼料コストの削減をもたらす一方、食品業界にとってもバイプロの処理コストの削減をもたらし、食品業界と養豚業界にとって有効なシステムとして機能している。近年、我が国の養豚業界においても、発酵リキッドフィーディングシステムの導入が推進され、数としてはヨーロッパと比較することができない程少数であるが実際にそのシステムを導入して運用している養豚農家も存在する(例えば、非特許文献1を参照。)。
リキッドフィーディングシステムの上記以外のメリットは、液状で給餌されるので飼料効率が良いこと、乾燥することがなく、液状の牛乳および乳製品、米飯、豆腐なども飼料として用いることが可能で飼料コストを下げることが可能であること、更に畜舎内の飼料に起因する粉塵を少なくし豚の呼吸器疾患を改善することができることが挙げられる。
最近では、乳酸菌の酵母および大腸菌といった有害菌に対する抑制作用と、消化吸収促進作用が注目されており、乳酸菌を用い飼料を乳酸発酵させた発酵リキッドフィーディングシステムも普及し始めている。
また、従来のリキッドフィーディングシステムは、国内代理店を介して畜産先進国であるヨーロッパのメーカから輸入され、国内の養豚農家に提供されている。当然のことではあるが、これらのリキッドフィーディングシステムはパンおよび乳製品等のヨーロッパのバイプロを基に設計されている。
【0003】
【非特許文献1】"有機性資源飼料化関連情報"、[online]、[平成17年1月28日検索]、インターネット<URL:http:/group.lin.go.jp/mf-kikou/yuuki7-4.htm>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のリキッドフィーディングシステムでは、乳酸発酵させた液状の飼料をポンプによって各豚舎に非金属の配管、例えば塩化ビニルの配管を介して豚舎の各餌箱に移送している。発酵リキッド飼料が配管内周面に残留していると、酵母が発酵する過程で炭酸ガスが発生するので、その炭酸ガスによって配管の内圧が異常に上昇して配管が破裂する場合がある。配管の破裂を防止するために、定期的に配管の内部を水道水で洗浄する必要がある。
しかし、日本のバイプロは、豆腐、麺類および米飯等の粘性の高い副産物が多く含まれており配管内周面に付着した残留飼料は、一旦乾燥すると水洗浄のみでは容易に除去できない場合があり、酵母の異常発酵によって発生する炭酸ガスが給餌配管に充満し配管が破裂し、その復旧の間豚に対し給餌をすることができず、その結果、豚の発育停滞が生じ経済的に損害を被る問題があった。
他方、従来のシステムを長い間使用していると、上記残留飼料が配管の内周面に漸次堆積して配管を詰まらせる問題点がある。更に、上述した通りバイプロは、米飯等の高粘度の物質を多量に含んでおり、ポンプにて豚舎の各餌箱に移送される場合、配管が目詰まりを起こしポンプが空転してポンプが破損しあるいはポンプ内部が詰まり作動不能になり、その復旧の間豚に給餌をすることが出来ないという同様な問題があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであって、食品工場副産物としてのバイプロが有効利用されたリキッド飼料又はリキッド飼料に乳酸菌が豊富に含まれた発酵リキッド飼料が安全かつ自動的に豚に給餌されることが可能となる高粘度の食品工場副産物に対応したリキッドフィーディングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための第1の発明では、穀物飼料を貯蔵する飼料貯蔵手段と、該穀物飼料を溶媒に溶解し穀物溶液を生成する第1混合手段と、食品工場副産物を貯蔵する資源貯蔵手段と、前記穀物溶液と前記食品工場副産物とを混合しリキッド飼料を生成する第2混合手段と、前記穀物飼料等を計量する計量手段と、前記リキッド飼料を移送する移送手段と、遠隔操作されるバルブと、圧力を検知する圧力検知手段と、流量を検知する流量検知手段と、前記移送手段および前記バルブを制御するシステム制御手段と、該バルブの開状態によって移送手段の作動を制限するインターロック手段とを具備し、食品工場副産物を含むリキッド飼料が自動生成され自動的に給餌されることを特徴とする。
上記第1の発明のリキッドフィーディングシステムでは、穀物飼料が第1混合手段によって穀物溶液となり、更に第2混合手段によってバイプロと混合されてリキッド飼料となるプロセスがシステム制御手段および計量手段によって自動的かつ正確に行われる。また、システム制御手段によってバルブが遠隔制御されてリキッド飼料の給餌が自動的に行われる。さらに、バルブが故障した場合は、インターロック手段によって移送手段の作動が制限されるので、システム全体が故障することを好適に防止する。また、リキッド飼料による目詰まりは、圧力検知手段からの圧力情報および流量検知手段からの流量情報によって事前に検知される。これにより、米飯等の高粘度のバイプロが使用される場合であっても、システムが安全に保護される。その結果、食品工場副産物としてのバイプロが有効利用されたリキッド飼料が自動生成され自動的に豚に給餌することが可能になる。
【0006】
前記目的を達成するため第2の発明では、穀物飼料を貯蔵する飼料貯蔵手段と、該穀物飼料を溶媒に溶解し穀物溶液を生成する第1混合手段と、該穀物溶液を発酵させ発酵飼料を生成する発酵手段と、食品工場副産物を貯蔵する資源貯蔵手段と、前記発酵飼料と前記食品工場副産物とを混合し発酵リキッド飼料を生成する第2混合手段と、前記穀物飼料等を計量する計量手段と、該発酵リキッド飼料を移送する移送手段と、遠隔操作されるバルブと、圧力を検知する圧力検知手段と、流量を検知する流量検知手段と、前記移送手段および前記バルブを制御するシステム制御手段と、該バルブの開状態によって移送手段の作動を制限するインターロック手段とを具備し、食品工場副産物を含む発酵リキッド飼料が自動生成され自動的に給餌されることを特徴とする。
上記第2の発明のリキッドフィーディングシステムでは、穀物飼料が第1混合手段によって穀物溶液となり、発酵手段によって発酵飼料となり、更に第2混合手段によってバイプロと混合されて発酵リキッド飼料となるプロセスがシステム制御手段および計量手段によって自動的かつ正確に行われる。また、システム制御手段によってバルブが遠隔制御されて発酵リキッド飼料の給餌が自動的に行われる。さらに、バルブが故障した場合は、インターロック手段によって移送手段の作動が制限されるので、システム全体が故障することを好適に防止する。また、発酵リキッド飼料による目詰まりは、圧力検知手段からの圧力情報および流量検知手段からの流量情報によって事前に検知される。これにより、米飯等の高粘度のバイプロが使用される場合であっても、システムが安全に保護される。その結果、食品工場副産物としてのバイプロが有効利用され且つ乳酸菌が豊富に含まれた発酵リキッド飼料が自動生成され自動的に豚に給餌することが可能になる。
【0007】
第3の発明では、圧力または流量のいずれか1つが異常の場合、前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の移送を停止するフェール・セーフ手段と、配管内部の圧力を逃気する圧力逃気手段とを具備していることとした。
上記第3の発明のリキッドフィーディングシステムでは、圧力情報または流量情報から発酵リキッド飼料等による目詰まりが検知されると、フェール・セーフ手段によってシステム移送手段が停止され、圧力逃気手段によって残留圧力が外部に逃気される。これにより、米飯等の高粘度のバイプロが使用される場合であっても、システムが安全に保護される。
【0008】
第4の発明では、前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の給餌が完了した後、所定の間配管内部を洗浄する配管洗浄手段を具備していることとした。
上記第4の発明のリキッドフィーディングシステムでは、発酵リキッド飼料等の給餌後に、配管洗浄手段によって配管内部が洗浄される。これにより、配管の目詰まりや異常発酵による配管内圧の異常上昇が好適に防止され得る。
【0009】
第5の発明では、前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の給餌が完了した後、配管内部の圧力を監視し、異常の場合は圧力を逃気する圧力監視手段を具備していることとした。
上記第5の発明のリキッドフィーディングシステムでは、給餌が完了した運転停止時に配管内部に固着した残留飼料中の酵母が発酵し配管内部の圧力が異常に上昇する場合は、圧力監視手段によってその異常上昇が検知され、生成ガスが外部に逃気されることによって配管内圧の異常上昇が抑えられ配管が破裂することがなくなる。
【0010】
第6の発明では、前記移送手段は移送流体の脈動を吸収する軸流回転容積式のポンプであることとした。
上記第6の発明のリキッドフィーディングシステムでは、移送手段は、軸流回転容積式のポンプであるから、ターボ式の遠心ポンプまたはターボ式の軸流ポンプと異なり、流体の流速が高くなく且つ流体の脈動を好適に吸収する。その結果、目詰まりが起こりにくく米飯等の高粘度のバイプロを移送することに適する。
【0011】
第7の発明では、前記発酵手段または前記資源貯蔵手段は水素イオン濃度または環境温度を調整する手段を備えていることとした。
上記第7の発明のリキッドフィーディングシステムでは、発酵手段または資源貯蔵手段は水素イオン濃度または環境温度を調整する手段を具備しているため、大腸菌や酵母等の有害菌の生育を抑制し且つ腸内温度および腸内酸性条件で活発に働く乳酸菌の生育を促進することが可能になる。その結果、発酵リキッド飼料が豚の腸内に入った場合、乳酸菌のプロバイオティク作用により腸内のバランスが整えられ、抗生物質を投与しない豚の飼育ができるようになる。
【0012】
第8の発明では、前記資源貯蔵手段は、ギ酸により水素イオン濃度がpH4から4.5に維持されていることとした。
本願の発明者が鋭意研究したところによると、ギ酸により水素イオン濃度がpH4から4.5に維持されている場合、酵母や大腸菌等の豚に有害な細菌の活動が抑制されることを見いだした。
そこで、上記第8の発明のリキッドフィーディングシステムでは、ギ酸により水素イオン濃度をpH4から4.5に維持する手段を備えていることとした。これにより、豚に対しては酵母や大腸菌等の細菌濃度が低く乳酸菌濃度の高い発酵リキッド飼料を給餌することが可能になり、豚の健全な発育に寄与することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のリキッドフィーディングシステムによれば、穀物飼料が第1混合手段によって穀物溶液となり、発酵リキッド飼料の場合は発酵手段によって発酵飼料となり、更に第2混合手段によってバイプロと混合されてリキッド飼料または発酵リキッド飼料となるプロセスがシステム制御手段および計量手段によって自動的かつ正確に行われる。また、システム制御手段によってバルブが遠隔制御されてリキッド飼料または発酵リキッド飼料の給餌が自動的に行われる。また、システム制御手段によってバルブが遠隔制御されてリキッド飼料または発酵リキッド飼料の給餌が自動的に行われる。さらに、バルブが故障した場合は、インターロック手段によって移送手段の作動が制限されるので、システム全体が故障することを好適に防止する。また、リキッド飼料または発酵リキッド飼料による目詰まりは、圧力検知手段からの圧力情報および流量検知手段からの流量情報によって事前に検知される。加えて、圧力情報または流量情報からリキッド飼料または発酵リキッド飼料による目詰まりが検知されると、フェール・セーフ手段によって移送手段が停止され、圧力逃気手段によって残留圧力が外部に逃気される。これにより、米飯等の高粘度のバイプロが使用される場合であっても、システムが安全に保護される。その結果、食品工場副産物としてのバイプロが有効利用され且つ乳酸菌が豊富に含まれたリキッド飼料または発酵リキッド飼料が自動生成され自動的に豚に給餌されることが可能になる。また、リキッド飼料または発酵リキッド飼料の給餌後に、配管洗浄手段によって配管内部が洗浄される。これにより、配管の目詰まりや異常発酵による配管内圧の異常上昇が好適に防止され得る。さらに、給餌が完了した運転停止時に配管内部に固着した残留飼料中の酵母が発酵し配管内部の圧力が異常上昇する場合は、圧力監視手段によってその異常上昇が検知され、生成ガスが外部に逃気されることによって配管内圧の異常上昇が抑えられ配管が破裂することがなくなる。
他方、移送手段は、移送流体の脈動を吸収する軸流回転容積式のポンプであるから、ターボ式の遠心ポンプまたはターボ式の軸流ポンプと異なり、流体の流速が高くなく且つ流体の脈動を好適に吸収する。その結果、目詰まりが起こりにくく米飯等の高粘度のバイプロを移送することに適する。
更に、発酵手段または資源貯蔵手段は水素イオン濃度および環境温度を調整する手段を具備しているため、大腸菌や酵母等の有害菌の生育を抑制し且つ腸内温度および腸内酸性条件で活発に働く乳酸菌の生育を促進することが可能になる。その結果、発酵リキッド飼料が豚の腸内に入った場合、乳酸菌のプロバイオティク作用により腸内のバランスが整えられ、抗生物質を投与しない豚の飼育ができるようになり、豚の健全な発育に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明に係るリキッドフィーディングシステムの一実施例である発酵リキッドフィーディングシステム100を示すシステム系統図である。
この発酵リキッドフィーディングシステム100は、穀物飼料が貯蔵される飼料貯蔵手段としての穀物タンク1と、熱水を生成するボイラー2と、熱水に対し加水することによって生成された湯温水を貯蔵する湯温水タンク3と、穀物飼料と湯温水が所定の比率で混合された穀物溶液または発酵飼料とバイプロが所定の比率で混合された発酵リキッド飼料を混合貯蔵する第1混合手段または第2混合手段としての計量混合タンク4と、計量混合タンク4の重量を計測する計量手段としてのロードセル5と、バイプロを貯蔵する資源貯蔵手段としての第1バイプロタンク6と、同第2バイプロタンク7と、同第3バイプロタンク8と、穀物溶液を発酵させ発酵飼料とする発酵手段としての発酵タンク9と、穀物溶液またはバイプロを移送する移送手段としてのポンプ10と、ポンプの吸入側に外径の大きな異物が混入することを阻止する阻集器11と、ポンプの吐出圧を計測する圧力検知手段としての圧力センサ12と、ポンプの吐出側の流量を計測する流量検知手段としての流量センサ13と、各バイプロタンク6,7,8および発酵タンク9の水素イオン濃度を検知するpHセンサ14a,14b,14c,14dと、各バイプロタンク6,7,8および発酵タンク9の水素イオン濃度を調整する手段としてのギ酸タンク15およびアルカリタンク16と、配管内部を洗浄または配管内部の発酵リキッド飼料を排出する加圧媒体としての循環水を貯蔵する戻り水タンク17と、給餌配管の内周面を洗浄するパイプピッグPを送り出すランチャー18とそれを受け取るキャッチャー19と、遠隔操作弁V1,・・・,V14,V25,V27,・・・,V31と、フィードバルブV14,・・・,V24,V26と、圧力センサ12からの信号や流量センサ13からの信号やpHセンサからの信号に基づいてポンプ10の作動や遠隔操作弁の開閉作動を行うシステム制御手段としてのシステム制御装置20とを具備して構成されている。また、遠隔操作弁以外のバルブは全て手動弁であり、常時開とする。
【0016】
なお、システム制御装置20の動作については、図2を参照しながら後述するが、ポンプ10の作動に関し、システム制御装置20の制御プログラムでインターロックが構成されている。例えば、発酵飼料を発酵タンク9から計量混合タンク4へ移送する場合、バルブV2、バルブV9、バルブV10およびバルブV1が開となっていない場合は、ポンプ10は作動しないことになる。これにより、バルブ開閉不具合による配管内圧上昇等を防止し、その結果、配管破裂を防止することが可能になる。
【0017】
計量混合タンク4では、穀物タンク1から穀物飼料が導入され、その穀物飼料に所定の量の湯温水が加水されて攪拌されることによって穀物溶液が生成される。そして、その穀物溶液は、ポンプ10によって発酵タンク9に移送され、乳酸発酵し発酵飼料となる。そして、その発酵飼料は、豚に給餌される時に、再びポンプ10によって計量混合タンク4へ移送され、その発酵飼料に所定の量のバイプロがポンプ10によって移送され混合されて攪拌されることによって発酵リキッド飼料が生成され、その発酵リキッド飼料はポンプ10によって豚に給餌される。なお、発酵飼料とバイプロの混合比は、例えば発酵飼料:バイプロ=1:1の比率である。
【0018】
第1バイプロタンク6に対しては、例えば豆腐類の食品工場副産物が貯蔵され、第2バイプロタンク7に対しては、例えば米飯等の食品工場副産物が貯蔵され、第3バイプロタンク8に対しては、例えば生麺等の食品工場副産物が貯蔵される。
【0019】
発酵タンク9では、穀物飼料が所定の濃度で湯温水に溶解している穀物溶液に対して乳酸菌が添加され、後述するpH調整が行われた後、液温が37℃に維持された状態で穀物溶液は乳酸発酵する。なお、液温の調整は、システム制御装置20が温度センサThからの信号に基づいてヒータHを作動させることによって行われる。ここで、液温が室温ではなく37℃に維持されているのは、大腸菌や酵母等の有害菌の生育を抑制し且つ豚の腸内温度で活発に働く乳酸菌の生育を促進するため為である。その結果、豚の腸内に入った乳酸菌のプロバイオティク作用により腸内のバランスが整えられ、抗生物質を投与しない豚の飼育が可能となる。
【0020】
ポンプ10は、ロータおよびステータから成り、ロータが真円断面の金属性雄ねじを形成し、ステータが長円形断面の弾性材料の雌ねじを形成し、ロータの回転に伴ってその雌雄ねじが互いに嵌合しながら吸入口から流体を吸い込み、吸い込まれた流体は雄ねじと雌ねじによって圧縮されて吐出口より送り出される。雄ねじと雌ねじによって形成される隙間は小さいが、雌ねじは弾性材料で作られているために流体がポンプ内部で目詰まりを起こすことなく流体を送り出すことができ、弾性材料によって流体の脈動が好適に吸収される。従って、移送される流体が米飯等の高粘度のバイプロであっても、ポンプ10は好適に流体を目的とする地点へ移送することができる。ポンプ10としては、例えばモーノポンプを使用することが望ましい。また、ポンプ10は、所定のバルブが開の時のみ動作することができるようにシステム制御装置20によってインターロックされ、なお且つ圧力センサ12または流量センサ13の指示値が異常の場合ポンプ10は停止するようにシステム制御装置20によってフェール・セーフされる。
【0021】
阻集器11は、マグネットを有し金属等を捕獲することが出来るように構成されている。
【0022】
圧力センサ12は、指示値の閾値が0.6MPa(=6.1kgf/cm)に設定され、その閾値以上の圧力を検知するとシステム制御装置20に接点信号を出力する。システム制御装置20は、その信号に基づいてポンプ10の作動を停止する。従って、ポンプ10の下流の配管が詰まっている場合は、ポンプ10の吐出圧が上昇して配管およびポンプを破損させることがあるが、システム制御装置20は圧力センサ12からの信号に基づいてポンプ10を停止させてシステムを安全な方向にする、いわゆるフェール・セーフの措置をとることが可能になる。また、配管内部に残留した発酵リキッド飼料中の酵母が異常発酵し二酸化炭素を生成し、配管の内圧が上昇して配管を破裂させることがあるが、このような場合もシステム制御装置20は、所定のバルブを開にし内圧を大気に開放して配管の破裂を防止する。
【0023】
流量センサ13は、流量500g(比重換算後)で1パルスの信号をシステム制御装置20に出力する。ポンプ10の正常運転時の配管内部の流量は1.5[kg/sec]であるから、3パルス/秒(30パルス/10秒)をシステム制御装置20に出力する。システム制御装置20は、例えば10秒間のパルスの入力をチェックして10秒間当たり20パルス以下となった場合はポンプ10を停止させる。従って、ポンプ10の上流の配管またはポンプ10の吸入口が詰まっている場合は、ポンプが空転して破損に到ることがあるが、システム制御装置20は、流量センサ13からの信号に基づいてポンプを安全な方向にする、いわゆるフェール・セーフの措置をとることが可能になる。
【0024】
ギ酸タンク15は、例えば酸性であるギ酸(HCOOH)が貯蔵され、システム制御装置20からの制御信号に基づいて、各バイプロタンク6,7,8へギ酸を供給し、これにより、各バイプロタンク6,7,8に貯蔵されている各バイプロの水素イオン濃度は、常時pH4.0〜4.5に維持される。その結果、各バイプロにおいて酵母や大腸菌といった豚の体内に有害な細菌の生育が好適に抑制される。
【0025】
アルカリタンク16は、例えば強アルカリ性である苛性ソーダ(NaOH)が貯蔵され、システム制御装置20からの制御信号に基づいて、発酵タンク9へ苛性ソーダを供給し、これにより、発酵飼料の水素イオン濃度は、pH=5.5〜6.0の範囲に調整される。なお、このpH調整は、後述するように発酵の初期の間、例えば1時間の間のみ行われる。その結果、発酵飼料において、乳酸菌の増殖が好適に促進される反面、酵母や大腸菌といった豚の体内に有害な細菌の生育が好適に抑制されることになる。因みに、発酵飼料内では7〜15億個/ml程度の乳酸菌が確認される。
【0026】
戻り水タンク17内の水は、発酵リキッド飼料の給餌後に配管内部を循環して洗浄するための洗浄水または配管内部の発酵リキッド飼料を移送するための加圧媒体として使用される。これにより、豚に発酵リキッド飼料を給餌した後の配管内部に残留する発酵リキッド飼料を除去し、これらによる配管内部の目詰まりや酵母の異常発酵による配管内圧の上昇を好適に防止する。なお、配管内部の洗浄については、図2を参照して後述するが、自動給餌動作完了後にバルブV6、バルブV13、バルブV26およびバルブV8を開とし、ポンプ10にて戻り水タンク17の水を循環させることによって行われる。循環時間は、例えば5分間である。
【0027】
遠隔操作弁V1,・・・,V14,V25,V27,・・・,V31は、例えば空気圧作動弁であり、システム制御装置20からの制御信号に基づいてコンプレッサ(図示せず)がバルブに圧縮空気を供給し、その圧縮空気によってバルブが開閉動作する。
【0028】
餌箱FにはレベルセンサLGが設置されており、発酵リキッド飼料が所定のレベルまで給餌されると、システム制御装置20はフィードバルブV15,・・・,V24,V26をオフとし、給餌が停止される。
【0029】
図2は、システム制御装置20の動作を説明するフロー図である。
先ず、ステップS1において、システム制御装置20は、操作者が予め設定した穀物飼料に対する湯温水の混合比率ならびに発酵飼料に対するバイプロの混合比率ならびに穀物溶液を乳酸発酵させる際の発酵温度を読み込む。因みに、本実施例では、穀物飼料および湯温水の混合比率は1:2.5であり、発酵飼料およびバイプロの混合比率は1:1であり、発酵温度は37℃に設定されている。
【0030】
ステップS2では、システム制御装置20は所定量の穀物飼料をコンベア(図示せず)を駆動することによって穀物タンク1から計量混合タンク4へ導入する。そして、バルブV29およびバルブV30を開として穀物飼料に所定量の湯温水を加水する。なお、穀物飼料の重量および湯温水の重量はロードセル5によって正確に計測される。そして、攪拌機を作動させてこれらの液を十分に攪拌して穀物溶液とする。そして、バルブV29およびバルブV30を閉とした後、ボイラー2を停止する。ボイラー2内のスチームは、バルブV28を開閉して大気に放出される。
【0031】
ステップS3では、システム制御装置20は、バルブV1、バルブV7、バルブV12およびバルブV2を開とし、ポンプ10を作動させ、計量混合タンク4の穀物溶液を発酵タンク9へ移送する。ロードセル5の指示値がゼロになる時に、ポンプ10を停止しバルブV1、バルブV7、バルブV12およびバルブV2を閉とする。
【0032】
ステップS4では、操作者は、穀物溶液に乳酸菌培養液を添加すると共に、システム制御装置20は、pHセンサ14dの指示値に基づいて穀物溶液の水素イオン濃度をpH=5.5〜6.0に設定する。同時に、温度センサThの指示値に基づいてヒータHを作動させ穀物溶液の温度を37℃に設定する。なお、温度センサThは、例えば熱電対またはサーミスタである。
【0033】
ステップS5では、システム制御装置20は、水素イオン濃度および液温を監視しながら所定の時間、例えば6〜9時間、穀物溶液を乳酸発酵させる。なお、上記pH調整は、例えば発酵開始から1時間の間のみ行う。また、詳細な発酵工程等については、図3および図4を参照しながら後述することとする。
【0034】
図3は、乳酸菌の発酵工程を示す説明図である。
第1工程10では、上記穀物溶液Mに対して種菌として乳酸菌培養液を4%重量濃度になるように、例えば40[kg]を接種して、第1次発酵準備液P1を生成する。なお、以降、頭の次数は、接種した乳酸菌培養液Lに対する乳酸菌の発酵回数を示し、従って、一般に第n次発酵準備液Pnとは、第n回目の乳酸発酵が起こる直前の発酵飼料溶液であり、後述する第n次発酵飼料Hnとは、第n回目の乳酸発酵によって生成された発酵飼料溶液であることを示している。また、後述する第n次残留発酵飼料Bnとは、第n次発酵飼料Hnのうちから次なる乳酸発酵の菌床として残された発酵飼料溶液であることを示している。
【0035】
図4は、乳酸菌の発酵サイクルを示す説明図である。
図4(a)の第2工程20では、前述のステップS4に示すように、第1次発酵準備液P1にpH調整液、アルカリタンク16から例えば苛性ソーダを添加して水素イオン濃度を下げる(pHを上げる)ことを行う。
【0036】
同(b)の第3工程30では、前述のステップS4に示すように、pHを調整した第1次発酵準備液P1Hの液温を38±1[℃]に設定し、望ましくは37[℃]に設定し、同(a)の発酵時間と合わせ6時間から9時間発酵させて第1次発酵飼料H1を生成する。
【0037】
同(c)の第4工程40では、例えば、第1次発酵飼料H1の80%を発酵リキッド飼料の発酵飼料として取り出し、残りの第1次発酵飼料H1の20%に相当する第1次残留発酵飼料B1を次の菌床として確保する。なお、取り出された第1次発酵飼料H1は、後述のステップS6に示すように、ポンプ10によって計量混合タンク4へ移送されバイプロと所定の比率で混合され発酵リキッド飼料となる。
【0038】
なお、この第1次残留発酵飼料B1の量は、上記第1工程10の乳酸菌培養液Lの接種量および接種後の発酵サイクルの回数によっても変動する。本実施形態では、乳酸培養液の接種量が発酵飼料の4%重量濃度であり且つ発酵サイクル回数が7回であるため、発酵飼料の約20%に相当する量を菌床として確保している。
【0039】
図4(d)の第5工程50では、取り出した第1次発酵飼料に相当する分の穀物溶液Mを補充して第2次発酵準備液P2を生成する。なお、発酵温度を38±1[℃]に設定し、望ましくは37℃に設定して第2次発酵準備液P2を発酵させる。
【0040】
そして、再び上記第2工程20に戻り、同様な処理を繰り返し、第2次発酵飼料H2、第2次残留発酵飼料B2、第3次発酵準備液P3、・・・、第n次発酵飼料Hn、・・・を順に生成する。なお、本実施形態では、第2工程20から第5工程50に至る発酵サイクルを7回繰り返す毎に、再び図1の第1工程10に戻り、乳酸菌培養液Lを接種する。使い古しの乳酸菌に代わり新たな乳酸菌を接種し乳酸菌全体に活性力を与えるためである。
【0041】
再び図2に戻り、ステップS6では、システム制御装置20は、バルブV1、バルブV2バルブV9およびバルブV10を開とし且つポンプ10を作動させて発酵タンク9内の発酵飼料を再び計量混合タンク4へ移送する。なお、発酵飼料の重量はロードセル5によって正確に計測される。そして、所定の量の発酵飼料が計量混合タンク4へ移送されると、システム制御装置20はポンプ10を停止しバルブV1、バルブV2、バルブV9およびバルブV10を閉とする。
【0042】
ステップS7では、システム制御装置20は、バルブV1、バルブV3、バルブV4、バルブV5およびバルブV10を開とし且つポンプ10を作動させて所定量のバイプロを計量混合タンク4へ移送する。なお、バイプロの重量はロードセル5によって正確に計測される。そして、所定の量のバイプロが計量混合タンク4へ移送されると、システム制御装置20はポンプ10を停止しバルブV1、バルブV3、バルブV4、バルブV5およびバルブV10を閉とする。
【0043】
ステップS8では、システム制御装置20は、発酵飼料およびバイプロを攪拌して発酵リキッド飼料とし、バルブV1、バルブV7、バルブV13、バルブV27、フィードバルブV15,・・・,V24,V26を開とし且つポンプ10を作動させて発酵リキッド飼料を各餌箱Fに給餌する。
【0044】
ステップS9では、システム制御装置20は、圧力センサ12の指示値からポンプ吐出圧が閾値、例えば0.6MPa近傍であることを確認すると共に流量センサ13の指示値から閾値、例えば1.5[kg/sec]近傍であることを確認する。そして、ポンプ吐出圧が閾値未満である場合は、吸込口の上流において配管が詰まっていることが考えられ、一方、ポンプ吐出圧が閾値を越える場合は、吐出口より下流において配管が詰まっていることが考えられる。また、流量センサ13の指示値が閾値未満の場合はポンプ上流またはポンプ下流の配管が詰まっていることが考えられる。従って、システム制御装置20は、いずれか一方の指示値が異常の場合はポンプ10を停止し、両指示値が正常の場合はステップS10へ進む。
【0045】
ステップS10では、システム制御装置20はロードセル5の指示値から所定の量の発酵リキッド飼料が計量混合タンク4から移送されたか否かを確認する。そして、所定の量の発酵リキッド飼料が計量混合タンク4から移送された場合は、ステップS11へ進み、所定の発酵リキッド飼料が移送されていない場合は、ステップS9へ戻る。
【0046】
ステップS11では、システム制御装置20は、バルブV1およびバルブV7を閉とし、バルブV6を開とし戻り水を使用して配管内部の発酵リキッド飼料を移送する。これは、ロードセル5がゼロになると、計量混合タンク5の発酵リキッド飼料は全て配管内部に移送され、ポンプ10の上流において移送される発酵リキッド飼料がなくなりポンプが空転して破損することを防止するためであることと、給餌箱Fまでの配管内部に残留している発酵リキッド飼料を完全に給餌箱Fに供給するためである。
【0047】
ステップS12では、システム制御装置20は、レベルセンサLGの指示値から、発酵リキッド飼料が所定のレベルまで給餌された場合は、ポンプ10を停止し、逐次フィードバルブV15,・・・,V24を閉とする。
【0048】
ステップS13では、システム制御装置20は、バルブV8を開とし、ポンプ10を作動させて戻り水を使用して給餌ラインを洗浄する。所定の時間、例えば5分間洗浄した後、ポンプ10を停止し、バルブV27を閉とする。次に、バルブV11およびバルブV14を開とし、ランチャー18のパイプピッグPをバルブV14の下流に移動させ、バルブV11、バルブV14およびバルブV25を閉とし、ポンプ10を作動させて所定の時間、例えば5分間給餌ラインを洗浄する。なお、パイプピッグPは戻り水に押されて配管内周面と摺動しながらキャッチャー19に移動する。
【0049】
ステップS14では、システム制御装置20は、ポンプ10を停止し、バルブV6、バルブV8、バルブV13、バルブV25およびバルブV26を閉とする。
【0050】
ステップS15では、システム制御装置20は、所定の時刻、例えば運転停止中の22時、24時および26時に圧力センサ12の指示値から残留発酵リキッド飼料中の酵母が配管内部で異常発酵していないかを確認する。圧力センサ12の指示値が閾値、例えば0.6MPaを越える場合は、バルブV1,V2,V3,V4,V5,V6,V7,V8,V9,V10,V12,V13,V26,V27を開とし内圧を計量混合タンク4、各バイプロタンク6,7,8、発酵タンク9および戻り水タンク17を介して大気に開放し、配管の内圧を閾値未満にする。なお、バルブの開時間は、例えば2秒間とし、システム制御装置20は開時間経過後に上記バルブを閉とする。システム制御装置20は所定時間だけ圧力の監視を行い、所定時間が経過した後終了する。
【0051】
上記発酵リキッドフィーディングシステム100によれば、穀物飼料が所定の混合比で湯温水と混合されて穀物溶液となり、発酵タンク9へポンプ10によって移送されて発酵飼料となり、更に計量混合タンク4にポンプ10によって移送され所定のバイプロ比でバイプロと混合されて発酵リキッド飼料となるプロセスがシステム制御装置20によって自動的に行われる。また、システム制御装置20によってバルブが遠隔制御されて発酵リキッド飼料の給餌が自動的に行われる。さらに、発酵リキッド飼料が配管内部に残留し異常発酵する場合は、システム制御装置20が所定のバルブを開閉することによって生成ガスが外部に逃気され配管内圧の上昇が抑えられて配管が破裂することがなくなる。加えてバルブが故障した場合は、システム制御装置20によってポンプ10の作動が制限される。また、発酵リキッド飼料が内部に堆積し目詰まりが発生する場合は、圧力センサ12からの信号および流量センサ13からの信号を基にシステム制御装置20はポンプ10を停止する。これにより、米飯等の高粘度のバイプロが使用される場合であっても、システムが安全に保護され、配管の破裂およびポンプの故障がなくなる。その結果、食品工場副産物としてのバイプロが有効利用され且つ乳酸菌が豊富に含まれた発酵リキッド飼料が安全かつ自動的に豚に給餌されることが可能になる。
他方、ポンプ10は、軸流回転容積式のポンプ例えばモーノポンプであるから、ターボ式の遠心ポンプまたはターボ式の軸流ポンプと異なり、流体の流速が高くなく且つ流体の脈動を好適に吸収する。その結果、目詰まりが起こりにくく米飯等の高粘度のバイプロを移送することに適する。
更に、各バイプロタンク6,7,8はギ酸タンク15を具備する一方、発酵タンク9はアルカリタンク16およびヒータHを具備しているため、酵母や大腸菌等の有害菌の生育を好適に抑制し且つ、腸内温度および腸内酸性条件で活発に働く乳酸菌の生育を促進することが可能になる。その結果、発酵リキッド飼料が豚の腸内に入った場合、乳酸菌のプロバイオティク作用により腸内のバランスが整えられ、抗生物質を投与しない豚の飼育ができるようになる。そして、システム制御装置20は、発酵温度および水素イオン濃度を、乳酸菌の生育を促進し且つ大腸菌や酵母等の有害菌の生育を抑制する範囲に調整または維持することにより、豚に対して乳酸菌濃度の高い発酵リキッド飼料を給餌することが可能になり、豚の健全な発育に寄与することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のリキッドフィーディングシステムは、畜産業において豚または鶏等の家畜に対し液状の飼料を給餌する装置として好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係るリキッドフィーディングシステムの一実施例である発酵リキッドフィーディングシステムを示すシステム系統図である。
【図2】システム制御装置の動作を説明するフロー図である。
【図3】乳酸菌の発酵工程を示す説明図である。
【図4】乳酸菌の発酵サイクルを示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 穀物タンク
2 ボイラー
3 湯温水タンク
4 計量混合タンク
5 ロードセル
6,7,8 バイプロタンク
9 発酵タンク
10 ポンプ
11 阻集器
12 圧力センサ
13 流量センサ
14a,14b,14c,14d pHセンサ
15 ギ酸タンク
16 アルカリタンク
17 戻り水タンク
18 ランチャー
19 キャッチャー
20 システム制御装置
100 発酵リキッドフィーディングシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物飼料を貯蔵する飼料貯蔵手段と、該穀物飼料を溶媒に溶解し穀物溶液を生成する第1混合手段と、食品工場副産物を貯蔵する資源貯蔵手段と、前記穀物溶液と前記食品工場副産物とを混合しリキッド飼料を生成する第2混合手段と、前記穀物飼料等を計量する計量手段と、前記リキッド飼料を移送する移送手段と、遠隔操作されるバルブと、圧力を検知する圧力検知手段と、流量を検知する流量検知手段と、前記移送手段および前記バルブを制御するシステム制御手段と、該バルブの開状態によって移送手段の作動を制限するインターロック手段とを具備し、食品工場副産物を含むリキッド飼料が自動生成され自動的に給餌されることを特徴とするリキッドフィーディングシステム。
【請求項2】
穀物飼料を貯蔵する飼料貯蔵手段と、該穀物飼料を溶媒に溶解し穀物溶液を生成する第1混合手段と、該穀物溶液を発酵させ発酵飼料を生成する発酵手段と、食品工場副産物を貯蔵する資源貯蔵手段と、前記発酵飼料と前記食品工場副産物とを混合し発酵リキッド飼料を生成する第2混合手段と、前記穀物飼料等を計量する計量手段と、該発酵リキッド飼料を移送する移送手段と、遠隔操作されるバルブと、圧力を検知する圧力検知手段と、流量を検知する流量検知手段と、前記移送手段および前記バルブを制御するシステム制御手段と、該バルブの開状態によって移送手段の作動を制限するインターロック手段とを具備し、食品工場副産物を含む発酵リキッド飼料が自動生成され自動的に給餌されることを特徴とするリキッドフィーディングシステム。
【請求項3】
圧力または流量のいずれか1つが異常の場合、前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の移送を停止するフェール・セーフ手段と、配管内部の圧力を逃気する圧力逃気手段とを具備している請求項1又は2に記載のリキッドフィーディングシステム。
【請求項4】
前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の給餌が完了した後、所定の間配管内部を洗浄する配管洗浄手段を具備している請求項1又は2に記載のリキッドフィーディングシステム。
【請求項5】
前記リキッド飼料または前記発酵リキッド飼料の給餌が完了した後、配管内部の圧力を監視し、異常の場合は圧力を逃気する圧力監視手段を具備している請求項1又は2に記載のリキッドフィーディングシステム。
【請求項6】
前記移送手段は移送流体の脈動を吸収する軸流回転容積式のポンプである請求項1又は2に記載のリキッドフィーディングシステム。
【請求項7】
前記発酵手段または前記資源貯蔵手段は水素イオン濃度または環境温度を調整する手段を備えている請求項1又は2に記載のリキッドフィーディングシステム。
【請求項8】
前記資源貯蔵手段は、ギ酸により水素イオン濃度がpH4から4.5に維持されている請求項7に記載のリキッドフィーディングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−6753(P2007−6753A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−190361(P2005−190361)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【出願人】(000132493)株式会社セキネ (4)
【Fターム(参考)】