説明

リニア軸受組立体とそれを用いたリニアソレノイドバルブ

【課題】外輪と可動軸が摺動自在に動くことを可能とするリニア軸受組立体を提供する。
【解決手段】軸受保持器50は、素材60が幅が一様な帯板の七等配になるように成形されている。帯板には、鋼球を嵌装する鋼球保持ポケット61乃至64が形成されている。
鋼球保持ポケット61乃至63は帯板の稜線部を中心にして長辺が円周方向に指向する略矩形状に形成され、長辺方向に略矩形状の一対の突起が対向して形成され、かつ内方に折れ曲げて鋼球保持ポペット61乃至63に嵌装された鋼球の脱落を防止している。鋼球保持ポケット64は略円形状に形成され、円周方向に4箇所に突起が形成され、うち2箇所の突起は外方に折れ曲がり、他の2箇所は内方に折れ曲がって鋼球保持ポケット64に嵌装された鋼球の脱落を防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリニア軸受組立体とそれを用いたリニアソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
リニアソレノイドバルブに用いたリニア軸受用保持器は、保持器でボールを転動自在な状態で保持しているが、この種の保持器は樹脂性材料を射出成形金型あるいは機械加工により形成している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平5−1022号公報
【特許文献2】特開平5−126275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の示す保持器は樹脂成形によって製造する場合には、円筒状の部品であり、鋼球保持ポケットを形成する金型を周方向にスライドさせる必要があるため、金型が複雑になりコストアップとなる。また、旋盤など切削加工で製造する場合は、加工が複雑であり同様にコストアップとなる。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、アクチュエータ等を駆動する、あるいは駆動される可動軸と、可動軸と同軸上に配置された円筒体に垂直な円周上に等間隔に配置された軸受鋼球保持ポケットを有する軸受保持器(ケージ)と、保持器の鋼球保持ポケットに転動自在な状態で保持され主軸と当接する軸受鋼球と、主軸と同軸上に配置され前述の軸受鋼球と当接する円筒状の外輪と、を有し、外輪と可動軸が摺動自在に移動することを可能とするリニア軸受組立体及びそれを用いたリニアソレノイドバルブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、
正多角形に成形された軸受保持器と、
前記軸受保持器の各面の角部に成形された略矩形状の第一の鋼球保持ポケットと、
前記軸受保持器の各面上に成形された略円形状の第二の鋼球保持ポケットと、
前記第一の鋼球保持ポケットに近接して設けられた鋼球押さえ逃げと、
前記第一の鋼球保持ポケットに前記各面の幅方向に形成された第一の突起と、
前記第二の鋼球保持ポケットに前記各面の軸心方向及び該軸心方向に直交する幅方向に形成された略矩形状の第二及び第三の突起と、
を備え、
第一の突起は前記各面に対して内方に折れ曲げ、前記第二の突起は各面に対して内方に折れ曲げ、前記第三の突起は前記各面に対して外方に折れ曲げ、前記第一及び第二の鋼球保持ポケットに鋼球を嵌装すると共に、前記第一乃至第三の突起により前記鋼球を回転自在に支承することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、多角形柱の平面部および角部に鋼球保持ポケットを配置できるため、鋼球の位相をずらして配置することが可能である。さらに、角部を利用して鋼球を保持することにより、曲げ加工による鋼球押さえ部の設置箇所を低減することが可能になり、構造がシンプルで製造が容易になることでコストを下げることができる。
請求項2記載の前記リニア軸受組立体において、
前記軸受保持器は対向する前記第一の鋼球保持ポケットの軸心方向の外方にそれぞれ該第一の鋼球保持ポケット、前記第二の鋼球保持ポケットを配置したので、リニアソレノイドバルブのシャフトを支持するリニア軸受のガタつきを低減することができるので、好適である。
【0007】
請求項3記載の発明は、供給ポート、出力ポート、ドレーンポート及びフィードバック圧室を有する弁スリーブ内をスプールが摺動自在に案内される調圧弁部と、
外周にリニア軸受組立体を配置したコアの中央孔にリニア型転がりベアリングを介してシャフトが摺動自在に支持される電磁石部と、
から構成され、前記スプールに前記シャフトが当接する状態で前記調圧弁部と前記電磁石部とが一体に連結・固定されており、前記電磁石部による荷重と出力圧フィードバック荷重とを作用して、これら荷重をバランスされることにより、供給圧を前記電磁石部への入力信号に対応した出力圧に調整して出力するリニアソレノイドバルブにおいて、前記リニア型転がりベアリングを正多角形のリニア軸受組立体で形成したことを特徴とする。
本発明によれば、プレス加工による薄板の多角形のリニア軸受組立体を用いるため、従来のリニア軸受組立体と比較して軸受保持器が薄いことにより、リニア軸受組立体の移動時に流体から受ける抵抗を低減でき、シャフトの応答性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、多角形柱の平面部および角部に鋼球保持ポケットを配置できるため、鋼球の位相をずらして配置することが可能である。さらに、角部を利用して鋼球を保持することにより、曲げ加工による鋼球押さえ部の設置箇所を低減することが可能になり、構造がシンプルで製造が容易になるため、コストを下げることができる。
さらに、プレス加工による薄板の多角形のリニア軸受組立体を用いるため、該リニア軸受組立体の移動時の流体抵抗を低減できるため、リニアソレノイドバルブの応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係るリニアソレノイドバルブの概略構造を示す縦断面図である。
【図2】図1のリニア軸受組立体の要部拡大詳細図である。
【図3】図1のリニア軸受保持器の外形図である。
【図4】リニア軸受保持器の展開図である。
【図5】図2のV−V線の断面図である。
【図6】図5のVI−VI線の断面図である。
【図7】図2のVII−VII線の断面図である。
【図8】図3の第一の鋼球保持ポケットの要部拡大斜視図である。
【図9】図3の第二の鋼球保持ポケットの要部拡大斜視図である。
【図10】(a)は第二の実施の形態に係るリニア軸受組立体の外形図である。 (b)は(a)の素材の展開図である。
【図11】(a)は第三の実施の形態に係るリニア軸受組立体の外形図である。 (b)は(a)の素材の展開図である。
【図12】(a)は第四の実施の形態に係るリニア軸受組立体の外形図である。 (b)は(a)の素材の展開図である。
【図13】(a)は第五の実施の形態に係るリニア軸受組立体の外形図である。 (b)は(a)の概略側面図である。 (c)は(a)の素材の展開図である。
【図14】(a)は第六の実施の形態に係るリニア軸受組立体の外形図である。 (b)は(a)の概略側面図である。 (c)は(a)の素材の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のリニアソレノイドバルブの実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施の形態に係るリニアソレノイドバルブ10の概略構造を示す縦断面図である。
図1に示すように、リニアソレノイドバルブ10は調圧弁部12及び電磁石部13から構成されている。さらに、調圧弁部12は、弁スリーブ15及びスプール16を備えており、前記弁スリーブ15は、その内部軸方向にスプリング17を収容する孔19と、それに続いてスプール16を摺動案内する大径の案内孔20及び小径の案内孔21が貫通して形成されている。
【0011】
そして、上記案内孔20に対応する弁スリーブ15の外周部には半径方向に開口したドレーンポート22、出力ポート23及び供給ポート25が順次形成されており、かつこれらポートの案内孔部分には環状溝がそれぞれ形成されている。
また、参照符号26で示すものは、後述するスプール段差によるフィードバック圧室を形成するもので、油路と連通せずに閉塞されている。また参照符号27は、室29の油圧変化を逃がすための開放通路であり、さらに参照符号28はスプリング用孔19の開放通路である。
【0012】
また、スプール16は、前記大径の案内孔20に摺接する2個のランド部30,31及び前記小径の案内孔21に摺接する1個のランド部32を有している。スリーブ15には出力ポート23とフィードバック圧室26とを連通する油路(図示しない)が形成されている。そして、他方の大径ランド部30は、出力ポート23及びドレーンポート22を絞り連通して、出力ポート23の出力圧が所定圧以上になることを規制し、また一方の大径ランド部31は、供給ポート25と出力ポート23とを絞り連通して、供給ポート25からの供給圧をスプール16の位置に対応した圧力に調圧して出力ポート23から出力圧として出力する。
【0013】
なお、これらポート及びランド部はオーバーラップにて形成され、通常時は、供給ポート25と出力ポート23との絞り連通のみにより調圧される。また、一方の大径ランド部31とそれに隣接する小径ランド部32により、面積差によるフィードバック圧室26が形成されており、該室26にフィードバック圧用の油孔(図示しない)から出力圧が供給され、スプール16をスプリング17に抗する方向にフィードバック圧を作用する。さらに、スプール16は、その一端にスプリング保持用突起部16aが形成されていると共に、他端に所定長さの足部16bが形成されている。
【0014】
前記弁スリーブ15における孔19の後端部分にはネジ19aが形成されており、該ネジ19aに調整ボルト33が螺合している。そして、該調整ボルト33と前記スプール16のスプリング保持用突起部16aとの間にはスプリング17が縮設されており、該スプリング17の弾発力は調整ボルト33を回転することにより調整される。
また、弁スリーブ15の前端側は、外径方向に拡がったフランジ部15aとなっており、該フランジ部15aにて調圧弁部12が電磁石部43に固定されている。
【0015】
一方、電磁石部13は、円筒形状のコア40及び該コア40の外周部に配設されたコイル組立体41を有しており、コイル組立体41にはコネクタ42を介して所定電流が供給されて、電磁石43を構成している。さらに、コア40はその調圧弁部側がフランジ部40aになっており、またコア40の中央孔44にはリニア軸受組立体45を介してシャフト46が摺動自在に支持されている。該シャフト46の一端は、前記調圧弁部12のスプール16に当接している。
【0016】
また、シャフト46の一端はスプール16の足部16bに当接しており、プランジャ48の作動によりスプール16と協動するようになっている。また、該シャフト46の他端部(図1で右端)にはプランジャ48が一体に固定されており、該プランジャ48は、前記電磁石43に吸引されて軸方向に移動しう得る。
【0017】
図2は、リニアソレノイドバルブ10に使用した第一の実施の形態に係るリニア軸受組立体45の構造を示す概略図で、該リニア軸受組立体45は、軸受保持器50と、該軸受保持器50に嵌装される鋼球51と、を備える。
本実施例ではリニア軸受組立体45は、リニアソレノイドバルブ10の電磁力特性の要求により、シャフト46の外径はφ4mm、コア40の内径はφ7mmに確保する必要があるから、鋼球51の径はφ1.5mmに決定される。
【0018】
また、シャフト46の径方向に1列に配置する鋼球51の数は、耐久性の観点から数が多いほうが望ましいため、本実施の形態に係るリニアソレノイドバルブ10では配置可能な最大数である7個を1列とし、360/7度毎に均等に配置される構造とし、図2に示すように径方向に4列のリニア軸受、すなわち参照符号52乃至55で示されるリニア軸受を設けている。
【0019】
さらに、リニア軸受は一般にシャフトのガタつきを低減する目的として、互いに異なる列のボール配置の角度位相をずらす方法が用いられているが、本実施のリニア軸受組立体45では、図2に示すようにリニア軸受52乃至54は同一位相に設けられ、リニア軸受55の鋼球は前記リニア軸受52乃至54の鋼球の間に配置されように、位相を360/14度ずらして設けることで位相をずらしている。
【0020】
図3は、軸受保持器50の概略構造を示す外形図であり、図4は展開図を示す。
図3に示すように軸受保持器50は、ステンレス材料の薄板、例えば板厚0.15mmを正七角形に成形されている。
図4に示すように、軸受保持器50を正七角形に成形する前の素材60は幅が一様な帯板60a乃至60gの七等配になるように区分される。
リニア軸受52には、鋼球51を帯板60a乃至60gに嵌装する略矩形状の鋼球保持ポケット(第一の鋼球保持ポケット)61a乃至61gが形成されている。
【0021】
前記鋼球保持ポケット61a乃至61gは帯板60a乃至60g間の角部69(図5参照)を中心にして長辺が円周方向(図4において縦方向)に指向する開口部に形成され、前記鋼球保持ポケット61a乃至61gには、図5に示すように該鋼球保持ポケット61a乃至61gの長辺方向に略矩形状の一対の突起65a乃至65g(第一の突起)が対向して形成され、かつ鋼球51に接触しないような寸法に斜め内方に折れ曲げることにより、鋼球51を回転可能な状態で保持している。よって、鋼球51の鋼球押さえの機能を備えて該鋼球51の脱落を防止している。
【0022】
また、図6及び図8に示すように、鋼球保持ポケット61a乃至61gにおいては帯板60a乃至60gの折れ曲げ部の角部69により形成される長さAを、鋼球51の径Bより小さくなるように形成し、該鋼球51の外径側への脱落を防止して鋼球51を回転可能な状態で保持することが出来る。
さらに、リニア軸受52には鋼球51を鋼球保持ポケット61a乃至61gに嵌装する際に、軸心方向に変形して逃げる必要があるため、鋼球保持ポケット61a乃至61gには該鋼球保持ポケット61a乃至61gに近接して鋼球押さえ逃げ66a乃至66g(図4参照)が形成されている。よって、鋼球保持ポケット61a乃至61gは、鋼球押さえ逃げ66a乃至66を含む。
【0023】
同様に、リニア軸受53及び54にも鋼球51を帯板60a乃至60gに嵌装する鋼球保持ポケット(第一の鋼球保持ポケット)62a乃至62g,63a乃至63gが形成され、これらの鋼球保持ポケット62a乃至62g,63a乃至63gにはリニア軸受52に同様に突起65a乃至65gが設けられ、かつ鋼球押さえ逃げ66a乃至66gが設けられている。
なお図4に示す展開図には、リニア軸受53及び54に形成される突起65a乃至65gの符号の記載は省略する。
【0024】
一方、リニア軸受55は図4に示すように、鋼球51を帯板60a乃至60gに嵌装する略円形状の開口部を有する鋼球保持ポケット(第二の鋼球保持ポケット)64a乃至64gが形成され、該鋼球保持ポケット64a乃至64gには軸心方向及び該軸心方向に直交する幅方向に一対の略矩形状の突起67a乃至67g(第二の突起),68a乃至68g(第三の突起)が形成されている。
【0025】
図7及び図9に示すように、突起67a乃至67gは帯板60a乃至60gの各面に対して軸心方向の内方に折り曲げており、突起68a乃至68gは帯板60a及び60gの各面に対して幅方向の内方に折り曲げている。この場合、突起67a乃至67g及び突起68a乃至68gはその先端部を鋼球51の外径より小さくすることにより該鋼球51の脱落を防止し、かつ鋼球51の外径が接触しないような寸法、すなわちシャフト46およびコア40の中央孔44の内周面(図1参照)と鋼球51が接する状態で組付け完了した状態で、鋼球押さえ(突起67a乃至67g及び突起68a乃至68g)から浮いているような寸法に斜めに折り曲げることにより、鋼球51を回転可能に保持する機能を有する。
【0026】
次にリニア軸受組立体45の成形、組立順序について説明する。
図3に示す軸受保持器50に成形する場合について説明する。先ず、ステンレス材料の薄板、例えば板厚0.15mmを正七角形に形状に成形するために、図4に示すように素材60を矩形状に形成する。
ここで、素材60の大きさは、前述したようにリニアソレノイドバルブ10におけるシャフト46の外径はφ4mm、コア40の内径はφ7mm、鋼球51の径はφ1.5mmよりなる軸受保持器50に形成されているので、図4に示す素材60の大きさは実際の大きさに対しておよそ2.5倍に拡大した状態を示している。
【0027】
次いで、素材60をプレス加工により図4に示す形状に成形した後に、プレスにより図3に示す素材60を正七角形の形状を有する軸受保持器50に成形する。
なお、図3において鋼球保持ポケット61乃至64、突起65、67、68、鋼球押さえ逃げ66に付与される詳細の符号は省略する。
そして、軸受保持器50に形成された鋼球保持ポケット61乃至64に鋼球51を嵌装
し回転可能なように組み付ける。
【0028】
本発明の第一の実施の形態に係るリニア軸受組立体45によれば、多角形柱の平面部および角部に鋼球保持ポケットを配置できるため、鋼球の位相をずらして配置することが可能である。
実施の形態に係るリニア軸受組立体45では1列のみ位相をずらしているが、必要に応じ、配列を容易に変更できることは言うまでもない。
さらに、リニア軸受組立体45の角部を利用して鋼球を保持することにより、曲げ加工による鋼球押さえ部の設置箇所を低減することが可能になり、構造がシンプルで製造が容易になる。
また、第一の実施の形態では鋼球保持ポケット64の鋼球押さえ、すなわち突起67a,67a,及び68a,68aをそれぞれ一組として円周方向に二箇所を設け、一組を内側に曲げ、他の一組を外側に曲げて設けているが、突起67a,67a,及び68a,68a(鋼球押さえ)は少なくとも2個以上を一組とし、内側および外側に一組以上設けてもよい。
【0029】
図10乃至図14はリニア軸受組立体45の第二乃至第六の実施の形態に係る概略構造図で、図10乃至図14中、図2の構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図10乃至図14において鋼球51は図示を省略する。
図10は素材60を正七角形に成形して各面上に鋼球保持ポケット63を軸心方向に左右対称位置に設け、該鋼球保持ポケット63の外方に鋼球保持ポケット64を配置したリニア軸受組立体70を示す。
【0030】
図11は素材60を正七角形に成形して各面上に鋼球押さえ逃げ66,鋼球保持ポケット63,64をこの順序で配置して一組にし、これらを同一方向に二組設けたリニア軸受組立体75を示す。
図12は素材60を正七角形に成形して各面上に鋼球保持ポケット64を軸心方向に左右対称位置に設け、該鋼球保持ポケット64の外方に鋼球保持ポケット63を配置したリニア軸受組立体80を示す。
【0031】
図13は素材60を正五角形に成形して各面上に鋼球保持ポケット63を軸心方向に左右対称位置に設け、該鋼球保持ポケット63の外方にそれぞれ鋼球保持ポケット63,64を配置したリニア軸受組立体85を示す。
体85を示す。
図14は素材60を正九角形に成形したリニア軸受組立体90を示し、鋼球保持ポケットの配置は図13に同じである。
【0032】
本実施の形態に係るリニアソレノイドバルブ10は、リニア軸受組立体45を使用することにより、シャフト46に保持されたプランジャ48がコア40に対し摺動自在に移動し、電磁石部13により発生する電磁力を調圧弁部12のスプール16に伝え、該スプール16を電磁力で作動させることが可能となる。
実施例では、スプール16が弁スリーブ15に対し相対的に軸心方向に移動し、供給ポート25から流入する流体、及びドレーンポート22から排出する流体の流れを調整することで出力ポート23の圧力が調整される。
【符号の説明】
【0033】
10 リニアソレノイドバルブ 12 調圧弁部
13 電磁石部 15 弁スリーブ
16 スプール 22 ドレーンポート
23 出力ポート 25 供給ポート
45、70、75、80、85、90 リニア軸受組立体
46 シャフト 47 コイルケース
48 プランジャ 50 軸受保持器
51 鋼球 52〜55 リニア軸受
60 素材 61〜64 鋼球保持ポケット
65、67、68 突起 66 鋼球押さえ逃げ









【特許請求の範囲】
【請求項1】
正多角形に成形された軸受保持器と、
前記軸受保持器の各面の角部に成形された略矩形状の第一の鋼球保持ポケットと、
前記軸受保持器の各面上に成形された略円形状の第二の鋼球保持ポケットと、
前記第一の鋼球保持ポケットに近接して設けられた鋼球押さえ逃げと、
前記第一の鋼球保持ポケットに前記各面の幅方向に形成された第一の突起と、
前記第二の鋼球保持ポケットに前記各面の軸心方向及び該軸心方向に直交する幅方向に形成された略矩形状の第二及び第三の突起と、
を備え、
第一の突起は前記各面に対して内方に折れ曲げ、前記第二の突起は各面に対して内方に折れ曲げ、前記第三の突起は前記各面に対して外方に折れ曲げ、前記第一及び第二の鋼球保持ポケットに鋼球を嵌装すると共に、前記第一乃至第三の突起により前記鋼球を回転自在に支承することを特徴とするリニア軸受組立体。
【請求項2】
請求項1記載のリニア軸受組立体において、
前記軸受保持器は対向する前記第一の鋼球保持ポケットの軸心方向の外方にそれぞれ該第一の鋼球保持ポケット、前記第二の鋼球保持ポケットを配置したことを特徴とするリニア軸受組立体。
【請求項3】
供給ポート、出力ポート、ドレーンポート及びフィードバック圧室を有する弁スリーブ内をスプールが摺動自在に案内される調圧弁部と、
外周にリニア軸受組立体を配置したコアの中央孔にリニア型転がりベアリングを介してシャフトが摺動自在に支持される電磁石部と、
から構成され、前記スプールに前記シャフトが当接する状態で前記調圧弁部と前記電磁石部とが一体に連結・固定されており、前記電磁石部による荷重と出力圧フィードバック荷重とを作用して、これら荷重をバランスされることにより、供給圧を前記電磁石部への入力信号に対応した出力圧に調整して出力するリニアソレノイドバルブにおいて、前記リニア型転がりベアリングを薄板の正多角形のリニア軸受体で形成したことを特徴とするリニアソレノイドバルブ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−261471(P2010−261471A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110332(P2009−110332)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000005197)株式会社不二越 (625)
【Fターム(参考)】