説明

リモコン装置

【課題】表示部における消費電力を低減することができる給湯器のリモコン装置を提供する。
【解決手段】給湯器50の動作が可能な運転状態において給湯器50の給湯運転が停止しているときに、作動状態表示部30を点灯状態とする「通常表示モード」と、前記運転状態において給湯器50の給湯運転が停止しているときに、作動状態表示部30を消灯状態とする「省電力表示モード」とを切替える省電力スイッチ17を備えたリモコン装置1において、前記運転状態及び給湯器50の作動が不能な待機状態において時刻表示部31を点灯状態とする「時刻表示モード」と、前記運転状態及び前記待機状態において時刻表示部31を消灯状態とする「時刻非表示モード」とを切替える時刻表示切替スイッチ13を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部の省電力処理を行う給湯器のリモコン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、給湯器を遠隔操作するリモコン装置においては、給湯器の作動状態や時刻を表示するための表示手段が備えられている。そして、表示手段における消費電力を抑制するために、予め設定された時刻になったときに表示手段の点灯/消灯を行なうようにしたリモコン装置や、自動湯張り運転の開始時に表示手段を点灯状態とし、自動湯張り運転の終了時に点灯手段を消灯状態にするようにしたリモコン装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
かかる従来のリモコン装置によれば、点灯表示手段を点灯状態とする時期を制限することにより点灯表示手段の消費電力を抑制することができるが、さらなる消費電力の低減に対する要請がある。
【特許文献1】特開2000−220886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記背景を鑑みてなされたものであり、表示部における消費電力を低減することができる給湯器のリモコン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、給湯器を遠隔操作するリモコン装置であって、前記給湯器の給湯運転が可能な運転状態と前記給湯器の給湯運転が不能な待機状態とを切替える運転スイッチと、計時手段と、前記給湯器の作動状態を点灯表示する作動状態表示部と、前記計時手段による計時時刻を点灯表示する時刻表示部とを有する表示手段と、前記運転状態において前記給湯器の給湯運転が停止しているときに、前記作動状態表示部を点灯状態とする「通常表示モード」と、前記運転状態において前記給湯器の給湯運転が停止しているときに、所定の条件により前記作動状態表示部を点灯状態又は消灯状態とする「省電力表示モード」とを切替える省電力スイッチとを備えたリモコン装置の改良に関する。
【0006】
そして、前記運転状態において前記時刻表示部を点灯状態とする「時刻表示モード」と、前記運転状態において前記時刻表示部を消灯状態とする「時刻非表示モード」とを切替える時刻表示切替スイッチを備えたことを特徴とする。
【0007】
かかる本発明によれば、前記時刻表示部による時刻表示が不要と判断した使用者は、前記時刻表示切替スイッチを操作して前記「時刻非表示モード」とし、前記運転状態において前記時刻表示部を消灯状態にすることができるため、使い勝手が向上すると共に前記表示手段の消費電力を低減することができる。また、前記表示部の省電力処理を行うリモコン装置において、前記省電力スイッチにより前記運転状態における前記作動状態表示部の省電力処理の有無を切り替えることができ、前記時刻表示切替スイッチにより前記運転状態における前記時刻表示部の点灯と消灯を切り替えることができる。そのため、使用者は、前記作動状態表示部と前記時刻表示部の省電力処理の有無を別個に設定することができ、使用者の使い勝手を向上させると共に前記表示部の消費電力の低減を図ることができる。
【0008】
また、前記時刻切替スイッチにより前記「時刻表示モード」に設定され、且つ、前記省電力スイッチにより前記「省電力表示モード」に設定された状態で、前記給湯器の給湯運転が停止しているときに、前記時刻表示部における時刻表示を禁止して前記時刻表示部を消灯状態とする時刻表示禁止手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
かかる本発明によれば、使用者は、前記「時刻表示モード」において、前記省電力スイッチを操作して前記「省電力表示モード」に設定することにより、該省電力スイッチの操作を優先させて、前記運転状態で前記給湯器が給湯運転を停止しているときに、前記作動状態表示部と共に前記時刻表示部も消灯状態として、前記表示手段の消費電力をさらに低減することができる。
【0010】
また、前記計時手段による計時開始時刻を設定する時刻設定スイッチと、前記「時刻非表示モード」において、該時刻設定スイッチにより前記計時手段による計時開始時刻の設定がなされていないときに、前記時刻表示部を点灯状態として計時開始時刻が設定されていないことを示す表示を行なう時刻未設定表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記「時刻非表示モード」であっても、前記計時手段による計時開始時刻が設定されていないときには、前記時刻表示部を点灯状態として計時開始時刻が設定されていないことを示す表示をすることにより、使用者に計時開始時刻の設定を促すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1は本発明の給湯器のリモコン装置の構成図、図2〜図3は図1に示したリモコン装置の作動フローチャートである。
【0013】
図1を参照して、リモコン装置1は給湯器50を遠隔操作するものであり、給湯器50の作動状態を表示する作動状態表示部30と時刻を表示する時刻表示部31とを有する表示手段10、給湯器50の給湯運転が可能な運転状態と給湯運転が不能な待機状態とを切替える運転スイッチ11、浴槽(図示しない)に所定量の湯を供給する自動湯張り運転の開始を指示する自動スイッチ12、時刻表示部31の点灯/消灯の切替え及び時刻設定モードへの移行を指示する時計スイッチ13、時刻設定モードにおいて現在時刻及び自動湯張り運転の予約時刻を設定する時設定スイッチ14と分設定スイッチ15、自動湯張り運転の予約を設定する風呂予約スイッチ16、作動状態表示部30の点灯/消灯を切替えるセーブスイッチ17(本発明の省電力スイッチに相当する)、スピーカ21の出力レベルを変更する音量スイッチ18、及び給湯温度の上げ下げを指示するUPスイッチ20とDOWMスイッチ19を備えている。
【0014】
また、リモコン装置1に内蔵されたマイクロコンピュータ40によりリモコン装置1の作動が制御され、マイクロコンピュータ40は通信回路45を介して給湯器50との間で制御信号の送受信等を行なう。そして、マイクロコンピュータ40は、各スイッチが操作されたときに、操作内容に応じてリモコン装置1の作動を制御すると共に、操作内容に応じた制御信号を通信回路45を介して給湯器50に送信する。
【0015】
例えば、運転スイッチ11が操作される毎に、マイクロコンピュータ40は、給湯器50の給湯運転が可能な運転状態と、給湯器50の給湯運転が不能な待機状態とを切替える。ここで、運転状態においては各スイッチの操作が有効となるが、待機状態においては運転スイッチ11以外のスイッチの操作は無効となり、使用者は自動スイッチ12を操作して自動湯張り運転の開始指示等を行なうことができない。
【0016】
また、セーブスイッチ17が操作される毎に、マイクロコンピュータ40は、運転状態で給湯器50の給湯運転が実行されていないときに作動状態表示部30を点灯状態にする「通常表示モード」と、運転状態で給湯器50の給湯運転が実行されていないときに作動状態表示部30を所定の条件により点灯状態又は消灯状態にする「省電力表示モード」とを切替える。
【0017】
なお、「省電力表示モード」において、作動状態表示部30を所定の条件により点灯状態又は消灯状態とする態様としては、例えば、いずれかのスイッチが操作された時から所定時間のみ作動状態表示部30を点灯する態様や、使用者の活動時間帯(起床時〜就寝時)にのみ作動状態表示部30を点灯する態様がある。
【0018】
また、時計スイッチ13の操作に応じて、マイクロコンピュータ40は、運転状態及び待機状態において時刻表示部31を点灯状態にする「時刻表示モード」と、運転状態及び待機状態において時刻表示部31を消灯状態にする「時刻非表示モード」とを切替える。
【0019】
また、マイクロコンピュータ40は、現在時刻を計時する計時手段41と、時刻表示禁止手段42と、時刻未設定表示手段43とを備えている。時刻表示禁止手段42と時刻未設定表示手段43については後述する。
【0020】
次に、図2〜図3に示したフローチャートに従って、マイクロコンピュータ40による時計表示部31の点灯/消灯の制御について説明する。
【0021】
給湯器50に電源が投入されると、給湯器50から供給される電源によってリモコン装置1は作動を開始する。そして、マイクロコンピュータ40は、STEP1で、既に計時手段41の計時開始時刻が設定されて計時手段による計時が実行されているか否かを判断し、計時手段41による計時が実行されていなかったときはSTEP10に分岐する。
【0022】
STEP10は時刻未設定表示手段43による処理であり、時刻未設定表示手段43は、「時刻表示モード」であるか「時刻非表示モード」であるかに拘らず、また、「通常表示モード」であるか「省電力表示モード」であるかに拘らず、時刻表示部31を点灯状態にして、計時手段41の計時開始初期値が設定されていないことを報知する表示(例えば[ −:−−]の点滅表示)を行なう。
【0023】
ここで、停電によりマイクロコンピュータ40の作動が停止すると計時手段41による計時も停止し、復電したときは計時手段41の計時開始初期値が設定されていないため、計時手段による計時がなされていない状態となる。そして、「時刻非表示モード」であったときに、時刻表示部31に何の表示も行なわないとすると、使用者はこのように計時手段41による計時がなされていない状態にあることを認識することができない。
【0024】
そして、計時手段41による計時がなされていない状態にあるときは、自動湯張り運転の予約動作を行なうことができないため、使用者が風呂予約スイッチ16を操作しても、自動湯張り運転の予約を設定することができず、使用者に不安感を与えることが考えられる。また、計時手段41による計時がなされていないことを表示する手段を専用に備えると、部品コストが増加する。
【0025】
そこで、このように、「時刻非表示モード」及び「省電力表示モード」に設定された場合であっても、時刻表示部31を点灯して計時手段41の計時開始初期値が設定されていないことの報知を優先して行ない、使用者に計時開始初期値の設定を促すことで、使用者に不安感を与えることを防止して、使用者の使い勝手を向上させることができる。
【0026】
また、続くSTEP2で「時刻非表示モード」に設定されていたとき、及びSTEP3で給湯器50が待機状態であったときは、STEP20に分岐する。そして、STEP20で、マイクロコンピュータ40は時刻表示部31を消灯状態とし、これにより、表示手段10の消費電力を低減している。
【0027】
次のSTEP4及びSTEP4から分岐したSTEP30は時刻表示禁止手段42による処理である。時刻表示禁止手段42は、STEP4で「省電力表示モード」であって、STEP30で給湯器50が給湯運転を停止しているときには、STEP20に分岐する。これにより、「時計表示モード」に設定されているときであっても、「省電力表示モード」に設定されているときには、給湯運転の停止中に時刻表示部31が消灯状態とされ、表示手段10の消費電力を一層低減させることができる。
【0028】
一方、STEP4で「通常表示モード」に設定されていたときにはSTEP5に進み、マイクロコンピュータ40は、時刻表示部31を点灯して計時手段により計時されている現在時刻を表示する。そして、図3のSTEP6に進み、いずれかのスイッチが操作されたときにSTEP40に分岐する。
【0029】
STEP40で、スイッチ操作が時計スイッチ13、時設定スイッチ14、及び分設定スイッチ15による時刻合わせ操作であったときは、STEP41に進み、マイクロコンピュータ40は、計時手段41による計時開始時刻を設定し、STEP42で計時手段41の計時を開始してSTEP7に進む。また、STEP40で、スイッチ操作が時刻合わせ操作以外の操作であったときには、STEP50に分岐して各操作に応じた処理を実行し、STEP7に進む。
【0030】
そして、STEP7において、マイクロコンピュータ40は給湯器50から供給される電源の状態が正常であるか否かを判断し、電源状態が正常であったときは図2のSTEP1に戻る。一方、STEP7で電源状態が正常でなかったときには、STEP8に進んでマイクロコンピュータ40は作動を停止する。
【0031】
なお、本実施の形態では、時刻未設定表示手段43を備えて、図2のSTEP1で計時手段41の計時が開始されていないときに、STEP10に分岐して時刻未設定を報知する表示を行なったが、時刻未設定手段43を備えない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【0032】
また、本実施の形態では、時刻表示禁止手段42を備えて、図2のSTEP4で「省電力表示モード」に設定され、且つSTEP30で給湯器50が給湯運転を停止しているときに、STEP20に分岐して時刻表示部31を消灯するようにしたが、時刻表示禁止手段42を備えない場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のリモコン装置の構成図。
【図2】図1に示したリモコン装置の作動フローチャート。
【図3】図1に示したリモコン装置の作動フローチャート。
【符号の説明】
【0034】
1…リモコン装置、10…表示手段、11…運転スイッチ、13…時計スイッチ、17…省電力スイッチ、30…作動状態表示部、31…時刻表示部、40…マイクロコンピュータ、41…計時手段、42…時刻表示禁止手段、43…時刻未設定表示手段、50…給湯器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給湯器を遠隔操作するリモコン装置であって、
前記給湯器の給湯運転が可能な運転状態と前記給湯器の給湯運転が不能な待機状態とを切替える運転スイッチと、
計時手段と、
前記給湯器の作動状態を点灯表示する作動状態表示部と、前記計時手段による計時時刻を点灯表示する時刻表示部とを有する表示手段と、
前記運転状態において前記給湯器の給湯運転が停止しているときに、前記作動状態表示部を点灯状態とする「通常表示モード」と、前記運転状態において前記給湯器の給湯運転が停止しているときに、所定の条件により前記作動状態表示部を点灯状態又は消灯状態とする「省電力表示モード」とを切替える省電力スイッチとを備えたリモコン装置において、
前記運転状態において前記時刻表示部を点灯状態とする「時刻表示モード」と、前記運転状態において前記時刻表示部を消灯状態とする「時刻非表示モード」とを切替える時刻表示切替スイッチを備えたことを特徴とする給湯器のリモコン装置。
【請求項2】
前記運転状態において前記時刻切替スイッチにより前記「時刻表示モード」に設定され、且つ、前記省電力スイッチにより前記「省電力表示モード」に設定されて前記所定の条件により前記作動状態表示部が消灯状態となったときに、前記時刻表示部における時刻表示を禁止して前記時刻表示部を消灯状態とする時刻表示禁止手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の給湯器のリモコン装置。
【請求項3】
前記計時手段による計時開始時刻を設定する時刻設定スイッチと、
前記「時刻非表示モード」において、該時刻設定スイッチにより前記計時手段による計時開始時刻の設定がなされていないときに、前記時刻表示部を点灯状態として計時開始時刻が設定されていないことを示す表示を行なう時刻未設定表示手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の給湯器のリモコン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−162112(P2006−162112A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351714(P2004−351714)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】