説明

リリーフ弁およびその製造方法

【課題】閉弁状態で長時間にわたり放置した後においても、その作動圧力が、設定圧力から大きく変化しない低圧用のリリーフ弁を提供すること。
【解決手段】弁座に対して接離するOリングを備えた弁体を有し、100KPa以下の圧力で作動する低圧用のリリーフ弁であって、前記Oリングが、下記一般式(I)で示されるフッ素含有化合物と、式:Si(OR4 n 5 4-n (式中、R4 はアルキル基を表し、R5 は水素原子または1価の有機基を表し、nは2〜4の整数である)で示される多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤と、これらを溶解する溶剤とを含有する表面処理剤により処理されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁座に対して接離するOリングを備えた弁体を有し、100KPa以下の圧力で作動する低圧用のリリーフ弁、およびそのようなリリーフ弁の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管路内における加圧流体の圧力が一定の値を超えたときに、当該加圧流体を低圧側(大気圧)に解放する圧力調整弁としてリリーフ弁が広く使用されており、本出願人においても、種々の構造のリリーフ弁を提案している(例えば、下記特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
リリーフ弁は、一般に、弁座(固定部)と、弁体(可動部)と、弁座に対して弁体を圧接させるよう付勢するスプリングと、スプリングの圧縮手段とを備えてなる。
リリーフ弁の可動部である弁体は、弁座に対し接離するOリングを備えており、これにより、閉弁時における弁座との気密性が確保される。
【0004】
リリーフ弁の作動圧力、すなわち、開弁によって加圧流体が解放されるときの圧力は、これ構成するスプリングによる弁体への付勢力(弁体を弁座へ押し付ける力)に依存する。
例えば、スプリングによる付勢力をFとし、加圧流体の圧力を受ける弁体の受圧面積をAとすると、加圧流体の圧力が上昇して(F/A)以上になったときに、前記付勢力(F)に抗して弁体が弁座から離間(開弁)して加圧流体が解放される。
ここで、スプリングによる付勢力(F)は、前記圧縮手段により、スプリングの圧縮量を適宜変更することにより調整することができる。
【0005】
リリーフ弁に設定される作動圧力(以下、「設定圧力」という。)は、これが装着される管路(空気圧回路)の仕様によって様々であり、また、種々の用途において、100KPa以下の圧力で作動する低圧用のリリーフ弁が望まれている。
【特許文献1】特開2000− 97369号公報
【特許文献2】特開2000−170934号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のようなリリーフ弁を、閉弁状態(弁体を構成するOリングと弁座とが接触している状態)で一定時間(例えば1時間以上)放置すると、Oリングが弁座に粘着してしまい、弁体が弁座から離間(開弁)しにくくなり、この結果、管路内の圧力が設定圧力を超えて更に上昇してもリリーフ弁が作動しない、という問題がある。
特に、スプリングによる付勢力の小さい低圧用のリリーフ弁においては、その作動圧力がOリングの粘着による影響を受けやすく、例えば、設定圧力の1.5倍以上に上昇してもリリーフ弁が作動しないこともある。
【0007】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、閉弁状態で長時間にわたり放置した後においても、放置後の作動圧力が、設定圧力(放置前の作動圧力)から大きく変化しない低圧用のリリーフ弁を提供することにある。
本発明の他の目的は、そのようなリリーフ弁の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のリリーフ弁は、弁座に対して接離するOリングを備えた弁体を有し、100KPa以下の圧力において作動する(加圧流体を解放する)低圧用のリリーフ弁であって、弁体を構成する前記Oリングが、下記一般式(I)で示されるフッ素含有化合物(以下、「特定のフッ素含有化合物」という。)と、式:Si(OR4 n 5 4-n (式中、R4 はアルキル基を表し、R5 は水素原子または1価の有機基を表し、nは2〜4の整数である)で示される多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤と、これらを溶解する溶剤とを含有する表面処理剤(以下「特定の処理剤」ともいう。)により処理されていることを特徴とする。
【0009】
【化3】

【0010】
(式中、RF はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R1 はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、R2 およびR3 は、同一または異なる、水素原子または1価の有機基を表す。xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
【0011】
本発明のリリーフ弁においては、下記の形態が好ましい。
〔1〕特定のフッ素含有化合物として、下記一般式(II)で示されるフッ素含有化合物を含有すること。
〔2〕特定のフッ素含有化合物を示す上記一般式(I)または下記一般式(II)において、RF で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、−CF3 、−C2 5 、−C3 7 、−C6 13、−C7 15または−CF(CF3 )[OCF2 CF(CF3 )]p OC3 7 (式中、pは0,1もしくは2である。)で表されること。
〔3〕前記多官能性アルコキシシランが、テトラアルコキシシラン、特に、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランであること。
〔4〕特定の処理剤が、酸または塩基を含有すること。
〔5〕特定の処理剤が、上記一般式(II)で示される特定のフッ素含有化合物と、テトラエトキシシランと、シランカップリング剤と、塩酸と、有機溶剤とを含有すること。
〔6〕特定のフッ素含有化合物0.01〜30質量%と、特定のフッ素含有化合物の0.5〜10倍の質量のテトラエトキシシランと、特定のフッ素含有化合物の0.1〜5倍の質量のシランカップリング剤と、塩酸と、有機溶剤とを含有すること。
〔7〕特定のフッ素含有化合物0.05〜5質量%と、特定のフッ素含有化合物の1〜5倍の質量のテトラエトキシシランと、特定のフッ素含有化合物の0.5〜3倍の質量のシランカップリング剤と、塩酸と、有機溶剤とを含有すること。
〔8〕特定のフッ素含有化合物0.08〜2質量%と、特定のフッ素含有化合物の1.5〜3倍の質量のテトラエトキシシランと、特定のフッ素含有化合物の0.8〜1.5倍の質量のシランカップリング剤と、塩酸と、有機溶剤とを含有すること。
〔9〕50KPa以下の圧力において作動する(加圧流体を解放する)ものであること。
〔10〕40KPa以下の圧力において作動するものであること。
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、RF はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R1 はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、xは1〜100の整数である。)
【0014】
本発明の製造方法は、本発明のリリーフ弁を製造する方法であって、特定の表面処理剤をOリングに塗布し、当該処理剤による塗膜を加熱することにより当該Oリングを表面処理する(Oリングの表面において、特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤とを反応させる)工程と、表面処理された当該Oリングを、弁体の構成部品として装着する工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
(1)本発明のリリーフ弁は、これを構成するOリングの粘着性が極めて低いものであるため、閉弁状態で長時間にわたり放置した後においても、放置後の作動圧力が、設定圧力(放置前の作動圧力)から大きく変化することはない。
【0016】
(2)本発明のリリーフ弁を構成するOリングは、特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤と、これらを溶解する溶剤とを含有してなる特定の処理剤により表面処理されたものである。
ここに、特定のフッ素含有化合物は、加水分解性基(−OR1 )を分子中に複数有し、多官能性アルコキシシランも、加水分解性基(−OR4 )を分子中に複数有し、シランカップリング剤は、加水分解性基および反応性有機官能基を分子中に有する。
特定の処理剤によるOリングの表面処理においては、特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤とが反応(加水分解・縮合反応)するとともに;シランカップリング剤の有する反応性有機官能基が、Oリングを構成するゴムのポリマー鎖と反応する。
これにより、Oリングの表面には、特定のフッ素含有化合物に由来する構造およびシロキサン架橋構造を有するハイブリッド化合物(フッ素含有架橋ポリシロキサン)からなる表面処理層が形成され、この表面処理層は、Oリングを構成するゴムに対して強固に密着したものとなる。
従って、そのようなOリングを弁体の構成部品として装着してなる本発明のリリーフ弁によれば、閉弁状態での長時間の放置を含む弁の開閉操作を多数回にわたり繰り返しても、Oリングに形成されている表面被覆層が剥離するようなことはなく、表面処理層による性能(特定のフッ素含有化合物に由来の構造による非粘着性または低粘着性)を長期にわたり安定的に発現させることができ、その作動圧力が、設定圧力から大きく変化することはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
<リリーフ弁の構造>
本発明のリリーフ弁は、弁座に対して接離(接触/離間)するOリングを備えた弁体を有する低圧用のリリーフ弁である。
【0018】
図1は、本発明のリリーフ弁の一例を示す概略断面図であり、同図では閉弁時の状態を示している。
図1において、10はハウジング、20は弁座、30は弁体、40はスプリング、50はスプリングの圧縮手段である。
この例のリリーフ弁は、加圧流体の管路(図示省略)に装着され、この管路内の圧力(1次側の圧力)が設定圧力を超えたときに、弁座20から弁体30が離間(開弁)して、当該加圧流体を低圧側(2次側)に解放するよう作動するものである。
【0019】
ハウジング10は、アルミニウムなどの金属製であり、その一部において弁座20(固定部)が形成されているとともに、弁体30、スプリング40および圧縮手段50を収容する空間を有している。
【0020】
ハウジング10内に収容されている弁体30は、バルブの可動部であり、Oリング31と、ガイド部32とからなる。
弁体30を構成するOリング31は、閉弁時には弁座20と接触し、開弁時には弁座20から離間する。Oリング31により、閉弁時の気密性(シール性)が確保される。
弁体30を構成するガイド部32は、Oリング31を保持するとともに、Oリング31にスプリング40による付勢力を伝達している。このガイド部32には、切り欠きにより加圧流体の流路33が形成されている。
「低圧用の」リリーフ弁を構成するOリング31の寸法としては、線径が1.0〜5.0mm、内径が0.5〜4.0mm、外径(内径+線径×2)が2.5〜14.0mmとされる。
【0021】
ハウジング10内に収容されているスプリング40は、その一端が、弁体30のガイド部32に当接され、その他端が、スプリングの圧縮手段50に当接されている。
スプリング40は、弁体30(Oリング31)を弁座20に圧接させるよう付勢している。
「低圧用の」リリーフ弁を構成するスプリング40のばね定数としては、0.05〜1.0N/mmとされる。
【0022】
ハウジング10内に収容されているスプリングの圧縮手段50は、弁体30(ガイド部32)とともにスプリング40を挟持して圧縮することにより、当該スプリング40に弁体30への付勢力を発現させるものである。
圧縮手段50の外周面51にはネジ(外ネジ)が形成されており、これをハウジング10の内周面11に形成されているネジ(内ネジ)と螺合させることにより、当該圧縮手段50を、スプリング40の圧縮・伸張方向に移動させることができ、これにより、スプリング40の圧縮量、延いてはスプリング40による付勢力を適宜調整することができる。52は、圧縮手段50に設けられた加圧流体の流路である。
【0023】
図1に示したリリーフ弁において、管路内の圧力(1次側の圧力)が設定圧力に達すると、弁座20から弁体30(Oリング31)が離間して開弁する。これにより、管路内の加圧流体は、弁座20からハウジング10内に浸入し、ガイド部32に形成された流路33、スプリング40の内部空間、圧縮手段50に形成された流路52を通って、低圧側(2次側)に解放される。
【0024】
本発明のリリーフ弁の作動圧力(開弁するときの圧力)は、100KPa以下とされ、好ましくは50KPa以下、更に好ましくは40KPa以下とされる。
作動圧力が100KPa以下である低圧用のリリーフ弁は、スプリングによる付勢力が小さいために、弁体(Oリング)と弁座との間の粘着の影響を受けやすい。
従って、本発明により達成される弁体(Oリング)と弁座との間の低い粘着性は、このような低圧用のリリーフ弁において重要な意義を有する。
【0025】
<特定の処理剤>
弁体を構成するOリングと弁座との間の低い粘着性は、当該Oリングが特定の処理剤により表面処理されることにより達成される。
特定の処理剤は、特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤と、これらを溶解する溶剤とを含有してなる。
以下、各構成成分について説明する。
【0026】
(1)特定のフッ素含有化合物:
特定のフッ素含有化合物は、フルオロアルキル基を含有する基(RF )を分子両末端に有するとともに、−Si(OR1 3 で示される基(トリアルコキシシリル基もしくはトリアルコキシアルコキシシリル基)が結合されてなる中間鎖を有し、さらに(−CH2 −CR2 3 −)で示される中間鎖を有していてもよいフッ素系のオリゴマーである。
【0027】
特定のフッ素含有化合物を構成するフルオロアルキル基を含有する基(RF )の具体例としては、−CF3 、−C2 5 、−C3 7 、−C6 13および−C7 15など−Cq 2q+1(q=1〜10)で表されるフルオロアルキル基;−CF(CF3 )OC3 7 、−CF(CF3 )[OCF2 CF(CF3 )]OC3 7 、および−CF(CF3 )[OCF2 CF(CF3 )]2 OC3 7 で表される基(オキシフルオロアルキレン基およびフルオロアルキル基を含有する基)を例示することができ、これらのうち、−CF(CF3 )OC3 7 で表される基が特に好ましい。
【0028】
特定のフッ素含有化合物を構成する必須の中間鎖の有する−Si(OR1 3 で示される基の具体例としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;トリ(メトキシメトキシ)シリル基、トリ(メトキシエトキシ)シリル基、トリ(エトキシメトキシ)シリル基、トリ(エトキシエトキシ)シリル基などのトリアルコキシアルコキシシリル基を挙げることができる。これらのうち、トリアルコキシシリル基が好ましく、トリメトキシシリル基が特に好ましい。
【0029】
特定のフッ素含有化合物における任意の中間鎖(−CH2 −CR2 3 −)を構成する基(R2 ,R3 )は、同一または異なる基であって、水素原子または1価の有機基である。R2 またはR3 で示される有機基としては、下記の式(i)〜(v)で示される基などを例示することができる。
【0030】
【化5】

【0031】
特定のフッ素含有化合物を示す上記一般式(I)において、必須の中間鎖の数(x)は1〜100とされ、好ましくは1〜50、更に好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜5とされる。
また、任意の中間鎖の数(y)は0〜100とされ、好ましくは0〜50、更に好ましくは0〜10とされる。
【0032】
特定のフッ素含有化合物を構成する好適な化合物としては、下記式(1)乃至(5)で示される化合物を挙げることができる。特に、下記式(1)または式(2)で示される化合物(上記の一般式(I)においてy=0である化合物)は、1分子中に占めるフッ素原子(表面特性の向上に寄与する原子)の割合が大きいため、Oリングの表面近傍において高い効率でフッ素原子を存在させることができ、十分な処理効果(非粘着性または低粘着性)をOリングの表面に付与することができるので好ましい。
【0033】
【化6】

【0034】
(式中、x’は2または3である。)
【0035】
【化7】

【0036】
〔式(2)および式(3)において、RF ’は、式:−CF(CF3 )OCF2 CF(CF3 )OC3 7 で示される基である。
式(2)中、xaは1〜100の整数である。
式(3)中、xbは1〜100の整数、ybは1〜500の整数である。〕
【0037】
【化8】

【0038】
〔式(4)中、xcは1〜10の整数、ycは0〜100の整数である。式(5)中、xdは1〜10の整数、ydは0〜100の整数である。〕
【0039】
上記一般式(I)で示される特定のフッ素含有化合物は、下記一般式(IA)で示されるフッ素含有過酸化物の存在下に、下記一般式(IB)で示される単量体と、下記一般式(IC)で示される単量体とを重合させることにより得ることができる。
なお、この反応生成物中には、フルオロアルキル基を含有する基(RF )が片末端のみに導入されているオリゴマーが任意の割合で含まれていてもよい。
【0040】
【化9】

【0041】
(式中、RF 、R1 、R2 およびR3 は、先に定義したとおりである。)
【0042】
特定の処理剤における特定のフッ素含有化合物の含有割合としては、0.01〜30質量%であることが好ましく、更に好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.08〜2質量%とされる。特定のフッ素含有化合物の含有割合が過小である場合には、十分な処理効果(非粘着性または低粘着性)をOリングの表面に付与することができないため、そのようなOリングを備えてなるリリーフ弁では、放置後における作動圧力の上昇を十分に抑制することが困難となる。他方、30質量%を超える割合で特定のフッ素含有化合物を含有させても、含有量に見合う処理効果が得られない。
【0043】
(2)多官能性アルコキシシラン:
特定の処理剤を構成する多官能性アルコキシシラン〔Si(OR4 n 5 4-n 〕には、2官能性のジアルコキシシラン〔Si(OR4 2 5 2 〕、3官能性のトリアルコキシシラン〔Si(OR4 3 5 〕、および4官能性のテトラアルコキシシラン〔Si(OR4 4 〕が含まれる。
多官能性アルコキシシランを示す上記式中、R4 は、メチル基、エチル基などのアルキル基を表し、R5 は水素原子または1価の有機基を表す。R5 で表される1価の有機基には、メチル基、エチル基などのアルキル基、およびフェニル基などのアリール基が含まれる。
【0044】
ここに、ジアルコキシシランの具体例としては、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジメトキシジメチルシランおよびジメトキシメチルオクチルシランなどが挙げられる。
また、トリアルコキシシランの具体例としては、トリエトキシシラン、トリエトキシ(メチル)シラン、トリエトキシ(フェニル)シラン、トリメトキシ(メチル)シランおよびトリメトキシ(フェニル)シランなどが挙げられる。
さらに、テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン(TMOS)およびテトラエトキシシラン(TEOS)を挙げることができる。
これらのうち、テトラアルコキシシランが好ましく、特にTMOSおよびTEOSは、液状であって特定のフッ素含有化合物との相溶性が高く、これらを使用することにより、特定の処理剤の均質性を向上させることができる。
【0045】
特定の処理剤において、多官能性アルコキシシランの含有割合としては、特定のフッ素含有化合物の含有量の0.5〜10倍(質量)であることが好ましく、更に好ましくは1〜5倍、特に好ましくは1.5〜3倍とされる。多官能性アルコキシシランの含有割合(特定のフッ素含有化合物に対する相対的な割合)が過小である場合には、これによるネットワーク(シロキサン架橋構造)の形成が不十分となり、Oリングの表面に均質な表面処理層を形成する(粘着性のあるゴム表面を完全に覆う)ことが困難となる。
一方、この割合が過大である場合には、特定のフッ素含有化合物の割合が相対的に過小となり、所期の処理効果(非粘着性または低粘着性)をOリングの表面に付与することが困難となる傾向がある。
【0046】
(3)シランカップリング剤:
特定の処理剤を構成するシランカップリング剤としては、下記式(6)で示されるものを挙げることができる。
【0047】
【化10】

【0048】
上記式(6)において、R6 はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、R7 はアルキル基を表し、mは1〜3の整数、好ましくは3であり、nは0〜5の整数、好ましくは0〜3の整数である。また、R8 は、Oリングを構成するゴムのポリマー主鎖との反応性を有する有機官能基を表す。
【0049】
上記式(6)において、Si(OR6 m 7 3-m −で表される基は、少なくとも1個、好ましくは3個の加水分解性基(−OR6 )を有する。これにより、上記式(6)で示されるシランカップリング剤は、複数の加水分解性基(−OR1 )を有する特定のフッ素含有化合物、および複数の加水分解性基(−OR4 )を有する多官能性アルコキシシランと反応することができる。
ここに、Si(OR6 m 7 3-m −で表される基としては、トリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基であることが好ましい。
【0050】
また、ゴムのポリマー主鎖との反応性を有する有機官能基(R8 )としては、アミノ基、メルカプト基、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、エポキシ基、ウレイド基などを挙げることができる。これらのうち、不飽和結合を有するゴムのポリマー主鎖に対して反応性を有するメルカプト基、不飽和結合を有しないゴムのポリマー主鎖に対して反応性を有するビニル基を好適なものとして挙げることができる。
このように、ゴムの種類(ポリマー主鎖中の不飽和結合の有無など)に応じて、反応性有機官能基(R8 )を選択することによれば、特定のフッ素含有化合物として同一種類の化合物を種々のゴム(Oリングの構成材料)に対して使用することが可能となる。
【0051】
特定の処理剤によるOリングの表面処理においては、特定のフッ素含有化合物(−OR1 )と、多官能性アルコキシシラン(−OR4 )と、シランカップリング剤(−OR6 )とが反応(加水分解・縮合反応)するとともに;シランカップリング剤の有する反応性の有機官能基(R8 )が、Oリングを構成するゴムのポリマー鎖と反応する。
これにより、Oリングの表面には、特定のフッ素含有化合物に由来する構造およびシロキサン架橋構造を有するハイブリッド化合物(フッ素含有架橋ポリシロキサン)からなる表面処理層が形成される。そして、この表面処理層と、Oリングを構成するゴムのポリマー主鎖との間には、シランカップリング剤を介して、化学的な結合が形成されているため、当該表面処理層は、Oリングを構成するゴムに対して強固に密着したものとなる。
【0052】
特定の処理剤において、シランカップリング剤の含有割合としては、特定のフッ素含有化合物の含有量の0.1〜5倍(質量)であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜3倍、特に好ましくは0.8〜1.5倍とされる。
シランカップリング剤の含有割合(特定のフッ素含有化合物に対する相対的な割合)が過小である場合には、得られる処理剤によって形成される表面処理層が、Oリングを構成するゴムに対して十分な密着性を有するものとならない。一方、この割合が過大である場合には、特定のフッ素含有化合物の割合が相対的に過小となり、所期の処理効果(非粘着性または低粘着性)をOリングの表面に付与することが困難となる傾向がある。
【0053】
(4)溶剤:
特定の処理剤を構成する溶剤としては、特定のフッ素含有化合物、多官能性アルコキシシランおよびシランカップリング剤を共に溶解することができるものの中から選択することができ、これらの種類によっても異なるが、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、トルエン、アセトンなどの有機溶剤を例示することができ、これらのうち、メタノール、エタノール、ジクロロメタン、アセトンが好ましい。
なお、特定の処理剤には、その効果が損なわれない限度において、上記の必須成分以外に各種の任意成分が含有されていてもよい。
【0054】
特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤との反応(加水分解・縮合反応)を効率的に行わせて、ハイブリッド化合物におけるシロキサン架橋構造の形成を促進させる観点から、特定の処理剤は、酸性またはアルカリ性であることが好ましく、酸性(pHが6以下、特に2〜5)であることが特に好ましい。
特定の処理剤を酸性とするために含有される酸としては、無機酸であっても有機酸であってもよい。
ここに、無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸などを挙げることができ、塩酸が好ましい。また、有機酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸などを挙げることができ、酢酸が好ましい。
また、特定の処理剤をアルカリ性とするために含有される塩基としては、アンモニア水および各種アミン類などを挙げることができる。
【0055】
(5)特定の処理剤の調製方法:
特定の処理剤は、特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤とを溶剤に溶解させることにより容易に調製することができる。
なお、得られた処理剤を室温下に長時間静置すると、構成成分(特に多官能性アルコキシシラン)の縮合物が形成されて沈澱物を生じるおそれがある。
このため、特定の処理剤は、調製後24時間以内に使用することが好ましく、また、使用前に十分に(例えば1〜6時間)攪拌して処理剤の均質化を図ることが肝要である。また、必要に応じて、60〜70℃に加温してもよい。
【0056】
<Oリングを構成するゴム>
Oリングを構成するゴム(原料ゴム)としては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、アクリルゴム(ACM,ANM)、エピクロロヒドリンゴム(CO,ECO)、シリコーンゴム(VMQ,FVMQ)、ウレタンゴム(AU,EU)、フッ素ゴム(FKM,FEPM)などを例示することができ、これらのうち、ニトリルゴムが好ましい。
【0057】
<表面処理>
Oリングを表面処理する方法としては、特定の処理剤をOリングに塗布し、当該処理剤による塗膜を加熱する方法を挙げることができる。
【0058】
特定の処理剤の塗布方法としては、当該処理剤中に、Oリングを浸漬する浸漬法、刷毛やローラなどの塗布手段を使用する方法など特に制限されるものではない。
なお、処理剤の塗布後、Oリングの表面に形成された塗膜から溶剤を除去するために乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥条件としては、処理剤を構成する溶剤の種類および含有割合などによっても異なるが、例えば室温で1分間〜24時間とされ、好ましくは3分間〜1時間とされる。
塗膜の加熱方法としては、オーブンによる加熱、熱プレスによる加熱など、特に制限されるものではない。加熱条件としては、例えば50〜150℃で5分間〜24時間とされ、好ましくは80〜120℃で10〜120分間とされる。
【0059】
Oリングの表面に塗布された塗膜(特定の処理剤による塗膜)を加熱することにより、(i)特定のフッ素含有化合物と、多官能性アルコキシシランと、シランカップリング剤との反応(加水分解・縮合による架橋構造の形成反応)が進行するとともに、(ii)シランカップリング剤の有する反応性有機官能基と、Oリングを構成するゴムのポリマー主鎖との反応が進行する。
これにより、(i)シロキサン架橋構造(フッ素含有架橋ポリシロキサン)とシランカップリング剤との間、および、(ii)シランカップリング剤とゴムのポリマー主鎖との間に化学的な結合が形成され、この結果、Oリングを構成するゴムに対する密着性に優れた表面処理層(被覆層/改質層)が形成される。
【0060】
特定の処理剤によって形成される表面処理層(ハイブリッド化合物)によれば、これを構成する特定のフッ素含有化合物と同等もしくはそれ以上の表面特性(非粘着性または低粘着性)を、Oリングの表面に付与することができる。
しかも、ハイブリッド化合物からなる表面処理層と、Oリングを構成するゴムのポリマー主鎖との間には、シランカップリング剤を介して、化学的な結合が形成されているため、当該表面処理層は、Oリングを構成するゴムに対して強固に密着することができる。
従って、そのようなOリングを弁体の構成部品として装着してなる本発明のリリーフ弁によれば、閉弁状態での長時間の放置を含む弁の開閉操作を多数回にわたり繰り返しても、Oリングに形成されている表面被覆層が剥離するようなことはなく、表面処理層による性能(特定のフッ素含有化合物に由来の構造による非粘着性または低粘着性)を長期にわたり安定的に発現させることができ、その作動圧力が、設定圧力から大きく変化することはない。
【実施例】
【0061】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
【0062】
<実施例1>
(a)Oリングの作製:
ニトリルゴム「JSR N240S」(ジェイエスアール(株)製)100質量部と、老化防止剤「ノクラックCD」1.5質量部と、ステアリン酸「アデカ脂肪酸SA−300」1.5質量部と、酸化亜鉛5質量部と、カーボンブラック「サーマックスMT」70質量部と、炭酸カルシウム「白艶華CC」(白石工業(株)製)10質量部と、フタル酸ジオクチル(DOP)30質量部と、硫黄0.3質量部と、加硫促進剤「ノクセラーTT」(大内新興化学(株)製)1.5質量部と、加硫促進剤「ノクセラーCZ−G」(大内新興化学(株)製)1.5質量部とを8インチロールによって混練してニトリルゴム組成物(未加硫ゴム)を得た。
次いで、この未加硫ゴムを熱プレスを用いて加熱処理(150℃×20分間)することにより、Oリング(線径=1.42mm、内径=1.53mm、外径=4.37mm)を作製した。
【0063】
(b)特定の処理剤の調製:
上記式(1)で示される特定のフッ素含有化合物0.01gと、テトラエトキシシラン(TEOS)0.02gと、式:Si(OCH3 3 −(CH2 3 −SHで示されるシランカップリング剤「A−189」〔日本ユニカー(株)製〕0.01gと、0.1Nの塩酸0.2mLとを、アセトン10mLに添加し、この系を室温下に1時間攪拌することにより、特定の処理剤(特定のフッ素含有化合物濃度=0.12質量%,TEOS濃度=0.25質量%,シランカップリング剤濃度=0.12質量%)を調製した。
【0064】
(c)Oリングの表面処理:
上記(b)により調製された特定の処理剤(1時間の攪拌操作の終了直後における処理剤)中に、上記(a)により作製されたOリングを室温下に3分間浸漬することにより、当該Oリングの表面に特定の処理剤を塗布した。次いで、当該Oリングを室温下に10分間放置して塗膜を乾燥させた後、100℃のオーブン内で60分間加熱処理することにより、特定の処理剤によって表面処理剤されたOリング(フッ素含有架橋ポリシロキサンからなる表面処理層が形成されたOリング)を製造した。
【0065】
(d)リリーフ弁の製造:
上記(c)により表面処理されたOリングをガイド部に装着して弁体とし、この弁体と、スプリングと、スプリングの圧縮手段とをハウジングに収容して、図1に示したような構造を有する低圧用のリリーフ弁を製造した。
このリリーフ弁において、弁体の受圧面積(A)≒0.07cm2 、スプリングのばね定数≒0.16N/mm、スプリングによる付勢力(F)=0.14〜0.70N、作動圧力=20〜100KPaである。
【0066】
<比較例1>
実施例1(a)と同様にしてOリングを作製し、これをガイド部に装着して弁体としたこと以外は実施例1(d)と同様にして低圧用のリリーフ弁を製造した。
【0067】
<比較例2>
実施例1(a)と同様にしてOリングを作製した。
一方、TEOSおよびシランカップリング剤を添加しなかったこと以外は実施例1(b)と同様にして比較用の処理剤(特定のフッ素含有化合物を含有する処理剤)を調製し、得られた処理剤を使用したこと以外は実施例1(c)と同様にしてOリングを表面処理し、このOリングをガイド部に装着して弁体としたこと以外は実施例1(d)と同様にして低圧用のリリーフ弁を製造した。
【0068】
<比較例3>
実施例1(a)と同様にしてOリングを作製した。
一方、シランカップリング剤を添加しなかったこと以外は実施例1(b)と同様にして比較用の処理剤(特定のフッ素含有化合物およびTEOSを含有する処理剤)を調製し、得られた処理剤を使用したこと以外は実施例1(c)と同様にしてOリングを表面処理し、このOリングをガイド部に装着して弁体としたこと以外は実施例1(d)と同様にして低圧用のリリーフ弁を製造した。
【0069】
<比較例4>
実施例1(a)と同様にしてOリングを作製した。
一方、TEOSを添加しなかったこと以外は実施例1(b)と同様にして比較用の処理剤(特定のフッ素含有化合物およびシランカップリング剤を含有する処理剤)を調製し、得られた処理剤を使用したこと以外は実施例1(c)と同様にしてOリングを表面処理し、このOリングをガイド部に装着して弁体としたこと以外は実施例1(d)と同様にして低圧用のリリーフ弁を製造した。
【0070】
<リリーフ弁の評価実験(1)>
実施例1および比較例1〜4で得られたリリーフ弁を3機ずつ(合計15機)準備し、それぞれについて、閉弁状態で一定時間放置することによる作動圧力の上昇率を測定した。具体的には、空気圧の調整手段(減圧弁)を備えた管路にリリーフ弁を装着し、その作動圧力を30〜35KPaの範囲に設定した後、管路内の空気圧を0KPaとすることにより当該リリーフ弁を閉弁状態で1時間にわたり放置し、その後、管路内の空気圧を上昇させて作動圧力を再度測定し、放置前の作動圧力(設定圧力)に対する、放置後の作動圧力の比率を求めた。結果を下記表1に示す。
なお、リリーフ弁の作動圧力の設定は、圧縮手段でスプリングの圧縮量を調整することにより行った。
【0071】

【表1】

【0072】
<リリーフ弁の評価実験(2)>
実施例1および比較例1〜4で得られたリリーフ弁の各々について、空気圧の調整手段(減圧弁)を備えた管路にリリーフ弁を装着し、その作動圧力を30〜35KPaの範囲に設定した後、閉弁状態(1時間)と開弁状態(10秒間)を1サイクルとして、300サイクルの開閉操作を繰り返した後、作動圧力を再度測定し、放置前の作動圧力(設定圧力)に対する、開閉操作繰り返し後の作動圧力の比率を求めた。結果を下記表2に示す。
【0073】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明のリリーフ弁は、種々の分野において、空気圧力回路に装着される圧力調製弁(リリーフ弁)として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明のリリーフ弁の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0076】
10 ハウジング
20 弁座
30 弁体
31 Oリング
32 ガイド部
33 加圧流体の流路
40 スプリング
50 圧縮手段
51 外周面
52 加圧流体の流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座に対して接離するOリングを備えた弁体を有し、100KPa以下の圧力において作動する低圧用のリリーフ弁であって、
前記Oリングが、下記一般式(I)で示されるフッ素含有化合物と、
式:Si(OR4 n 5 4-n (式中、R4 はアルキル基を表し、R5 は水素原子または1価の有機基を表し、nは2〜4の整数である)で示される多官能性アルコキシシランと、
シランカップリング剤と、
これらを溶解する溶剤とを含有する表面処理剤により処理されているリリーフ弁。
【化1】

(式中、RF はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R1 はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、R2 およびR3 は、同一または異なる、水素原子または1価の有機基を表す。xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。)
【請求項2】
前記フッ素含有化合物が、下記一般式(II)で示される化合物である請求項1に記載のリリーフ弁。
【化2】

(式中、RF はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R1 はアルキル基またはアルコキシアルキル基を表し、xは1〜100の整数である。)
【請求項3】
前記フッ素含有化合物を示す上記一般式(I)または上記一般式(II)において、RF で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、−CF3 、−C2 5 、−C3 7 、−C6 13、−C7 15または−CF(CF3 )[OCF2 CF(CF3 )]p OC3 7 (式中、pは0,1もしくは2である。)で表される請求項1または請求項2に記載のリリーフ弁。
【請求項4】
前記多官能性アルコキシシランが、テトラアルコキシシランである請求項1乃至請求項3の何れかに記載のリリーフ弁。
【請求項5】
前記多官能性アルコキシシランが、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランである請求項1乃至請求項3の何れかに記載のリリーフ弁。
【請求項6】
前記表面処理剤が、酸または塩基を含有する請求項1乃至請求項5の何れかに記載のリリーフ弁。
【請求項7】
前記表面処理剤が、上記一般式(II)で示されるフッ素含有化合物と、テトラエトキシシランと、シランカップリング剤と、塩酸と、有機溶剤とを含有する請求項1に記載のリリーフ弁。
【請求項8】
50KPa以下の圧力において作動する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のリリーフ弁。
【請求項9】
40KPa以下の圧力において作動する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のリリーフ弁。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れかに記載のリリーフ弁を製造する方法であって、
前記表面処理剤をOリングに塗布し、当該処理剤による塗膜を加熱することにより当該Oリングを表面処理する工程と、
表面処理された当該Oリングを、弁体の構成部品として装着する工程とを含むリリーフ弁の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−9978(P2006−9978A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189244(P2004−189244)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000005175)藤倉ゴム工業株式会社 (120)
【Fターム(参考)】