説明

レセプタクル、プリント配線板、及び電子機器

【課題】プリント配線板の製造コストの増大を抑制可能なレセプタクル、プリント配線板、及び電子機器を提供する。
【解決手段】レセプタクル12は、プリント配線板12Cに接続される後側接続部102aを有するシグナル端子TS1+と、後側接続部102aよりも開口12Bから離間してプリント配線板12Cに接続される前側接続部202aを有するグランド端子TG1とを備える。前側接続部202aの幅γ2は、後側接続部102の幅δ2よりも狭い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レセプタクル、プリント配線板、及びレセプタクルとプリント配線板とを備える電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)規格やUSB(Universal Serial Bus)規格などに準拠するインターフェースを介して、電子機器(例えば、AV機器や携帯端末など)間でデジタル信号を高速伝送する技術が広く用いられている。このようなインターフェースは、プリント配線板の実装面に実装されるレセプタクルと、レセプタクルに挿入されるプラグとによって構成される。
レセプタクルは、端子絶縁板、複数の下側端子、及び複数の上側端子を備える。端子絶縁板は、プリント配線板側に設けられる下面と、下面の反対側に設けられる上面とを備える。各下側端子は、端子絶縁板の下面とプリント配線板とに接続される。各上側端子は、端子絶縁板の上面とプリント配線板とに接続される。
プリント配線板は、実装面に形成される複数の前側ランド、複数の後側ランド、及び配線を有する。各前側ランドには、各上側端子が接続される。各後側ランドには、各下側端子が接続される。配線は、各前側ランド及び各後側ランドから実装面の内側に向かって延びる。
【0003】
ここで、端子構造の簡素化を図るために、通常、各下側端子は、各上側端子よりも端子絶縁板側でプリント配線板に接続される(例えば、特許文献1参照)。すなわち、各後側ランドは、各前側ランドよりも端子絶縁板側に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−9728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実装面において配線面積を縮小するには、1つの後側ランドから延びる配線を2つの前側ランド間に通す必要がある。そのため、微細な配線パターンを高精度に形成可能なプリント配線板を用いなければならないので、プリント配線板の製造コストが増大するという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、プリント配線板の製造コストの増大を抑制可能なレセプタクル、プリント配線板、及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴に係るレセプタクルは、プラグが挿入される開口を有する筐体と、プリント配線板側に設けられる下面と、下面の反対側に設けられる上面とを有し、筐体内に配置される端子絶縁板と、プリント配線板に接続される第1後側接続部を有し、端子絶縁板に接続される第1端子と、上面側から見た場合に第1後側接続部よりも幅狭であり、第1後側接続部よりも開口から離間してプリント配線板に接続される第1前側接続部を有し、端子絶縁板に接続される第2端子とを備える。
本発明の特徴に係るプリント配線板は、レセプタクルが実装される実装面を有する基板本体と、実装面上に設けられる第1ランドと、実装面上において第1ランドよりも基板本体の端部から離間して設けられ、第1ランドよりも幅狭な第2ランドとを備える。
本発明の特徴に係る電子機器は、プラグが挿入されるレセプタクルと、レセプタクルが実装されるプリント配線板とを備える。レセプタクルは、プラグが挿入される開口を有する筐体と、プリント配線板側に設けられる下面と、下面の反対側に設けられる上面とを有し、筐体内に配置される端子絶縁板と、プリント配線板に接続される後側接続部を有し、端子絶縁板に接続される第1端子と、上面側から見た場合に後側接続部よりも幅狭であり、後側接続部よりも開口から離間してプリント配線板に接続される前側接続部を有し、端子絶縁板に接続される第2端子とを有する。プリント配線板は、レセプタクルが実装される実装面を有する基板本体と、後側接続部に接続されており、実装面上に設けられる第1ランドと、前側接続部に接続されており、実装面上において第1ランドよりも開口から離間して設けられ、第1ランドよりも幅狭な第2ランドとを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プリント配線板の製造コストの増大を抑制可能なレセプタクル、プリント配線板、及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るインターフェース10の構成を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係るレセプタクル12を開口12B側から見た平面図である。
【図3】実施形態に係るレセプタクル12の内部構成を示す斜視図である。
【図4】実施形態に係るプリント配線板11を実装面FMNT側から見た平面図である。
【図5】図3の拡大斜視図である。
【図6】図5に示される端子の側面図である。
【図7】図5に示される端子、ランド及び配線を上面FTOP側から見た平面図である。
【図8】図6のA-A線における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なっている場合がある。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(インターフェース10の構成)
実施形態に係るインターフェース10の構成について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、電子機器間のインターフェースの一例として、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)規格に準拠するインターフェース10について説明する。なお、電子機器とは、例えば、AV機器、携帯端末、パーソナルコンピュータなどである。
【0010】
図1は、実施形態に係るインターフェース10の構成を示す斜視図である。図1に示すように、インターフェース10は、プリント配線板11、レセプタクル12、及びプラグ13によって構成される。
プリント配線板11は、第1電子機器(不図示)に内蔵される。プリント配線板11は、基板本体11A及び配線群11Bを備える。基板本体11Aは、実装面FMNTを有する。プリント配線板11の構成については後述する。
レセプタクル12は、プリント配線板11の端部11EDGにおいて、実装面FMNT上に実装される。レセプタクル12は、筐体12A、開口12B、端子絶縁板12C及び複数の端子12Dを有する。レセプタクル12の構成については後述する。
プラグ13は、第2電子機器(不図示)に設けられる。プラグ13は、開口12Bに挿入されることによって、レセプタクル12と電気的に接続される。プラグ13は、第1電子機器と第2電子機器との間でデジタル信号を伝送する。
【0011】
(レセプタクルの構成)
次に、実施形態に係るレセプタクルの構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係るレセプタクル12を開口12B側から見た平面図である。図3は、レセプタクル12の内部構成を示す斜視図である。なお、図3において、筐体12Aは省略されている。
レセプタクル12は、図2及び図3に示すように、筐体12A、開口12B、端子絶縁板12C、及び複数の端子12Dを備える。
筐体12Aは、端子絶縁板12C及び複数の端子12Dを収容する容器である。
開口12Bは、筐体12Aに形成される。開口12Bには、プラグ13が挿入される。図示しないが、開口12Bは、第1電子機器の筐体から露出する。
【0012】
端子絶縁板12Cは、筐体12A内に設けられる板状の基板である。端子絶縁板12Cは、プラグ13に嵌入される。端子絶縁板12Cは、図2及び図3に示すように、下面FBTM及び上面FTOPを有する。下面FBTMは、実装面FMNT側に設けられる。上面FTOPは、下面FBTMの反対側に設けられる。
複数の端子12Dは、端子絶縁板12Cとプリント配線板11(具体的には、配線群11B)とに接続される。複数の端子12Dは、プリント配線板11とプラグ13との間でデジタル信号を伝送する。複数の端子12Dは、複数の下側端子TBTM及び複数の上側端子TTOPを有する。各下側端子TBTMは、図2に示すように、各上側端子TTOPと互い違いに配置されている。
複数の下側端子TBTMは、開放端子TOPEN、グランド端子TG2、一対のシグナル端子TS1+,TS1-、グランド端子TG0、一対のシグナル端子TSC+,TSC-、グランド端子TGD、及びSDA端子TSDAを含む。各下側端子TBTMは、端子絶縁板12Cの下面FBTMとプリント配線板11とに接続される。各下側端子TBTMは、曲げ加工された平板状の金属部材によって構成される。各下側端子TBTMの詳細な構成については後述する。
【0013】
複数の上側端子TTOPは、HPDシグナル端子THPD、一対のシグナル端子TS2+,TS2-、グランド端子TG1、一対のシグナル端子TS0+,TS0-、グランド端子TGC、CEC端子TCEC、SCL端子TSCL、及び電源端子T5Vを含む。各上側端子TTOPは、端子絶縁板12Cの上面FTOPとプリント配線板11とに接続される。各上側端子TTOPは、曲げ加工に加えてねじり加工された平板状の金属部材によって構成される。これにより、各上側端子TTOPの先端は、各下側端子TBTMの先端よりも幅狭に形成されている。各上側端子TTOPの詳細な構成については後述する。
なお、シグナル端子TSは、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling:登録商標)方式などの擬似差動伝送方式によるデジタル信号を伝送する。従って、シグナル端子TS1+によって伝送されるデジタル信号の位相は、シグナル端子TS1-によって伝送される信号の位相に対して逆である。
【0014】
また、グランド端子TGは、対応するシグナル端子TSのグランドを確保する。例えば、グランド端子TG1は、一対のシグナル端子TS1+,TS1-のグランドを確保する。
(プリント配線板11の構成)
次に、実施形態に係るプリント配線板11の構成について、図面を参照しながら説明する。図4は、実施形態に係るプリント配線板11を実装面FMNT側から見た平面図である。なお、図4では、レセプタクル12の開口12B及び端子絶縁板12Cの位置が破線で示されている。
プリント配線板11は、基板本体11A及び配線群11Bを備える。
基板本体11Aは、実装面FMNTを有する多層基板である。実装面FMNTには、レセプタクル12や図示しない各種素子が実装される。
【0015】
配線群11Bは、レセプタクル12と各種素子とを電気的に接続する。配線群11Bは、レセプタクル12と各種素子との間でデジタル信号を伝送する。配線群11Bは、複数の後側ランドLr、複数の前側ランドLf、複数の後側配線Wr、複数の前側配線Wf、及び複数のグランド配線WGを有する。
複数の後側ランドLrは、複数の下側端子TBTMを接続するための金属部材である。複数の後側ランドLrは、図4に示すように、4つのシグナル端子用ランドLSを含む。4つのシグナル端子用ランドLSは、一対のシグナル端子TS1+,TS1-に対応する一対のシグナル端子用ランドLS1+,LS1-と、一対のシグナル端子TSC+,TSC-に対応する一対のシグナル端子用ランドLSC+,LSC-である。
複数の前側ランドLfは、複数の上側端子TTOPを接続するための金属部材である。複数の前側ランドLfは、図4に示すように、2つのグランド端子用ランドLGを含む。2つのグランド端子用ランドLGは、グランド端子TG1に対応するグランド端子用ランドLG1と、グランド端子TGCに対応するグランド端子用ランドLGCである。
【0016】
グランド端子用ランドLG1は、一対のシグナル端子用ランドLS1+,LS1-よりも端部11EDGから離間している。同様に、グランド端子用ランドLGCは、一対のシグナル端子用ランドLSC+,LSC-よりも端部11EDGから離間している。すなわち、グランド端子用ランドLG1は、実装面FMNTの平面視において、一対のシグナル端子用ランドLS1+,LS1-よりも実装面FMNTの内側に配置される。グランド端子用ランドLGCは、実装面FMNTの平面視において、一対のシグナル端子用ランドLSC+,LSC-よりも実装面FMNTの内側に配置される。
ここで、本実施形態において、各前側ランドLfは、各後側ランドLrよりも幅狭に形成されている。各前側ランドLf及び各後側ランドLrの詳細な構成については後述する。
【0017】
複数の後側配線Wrは、複数の後側ランドLrに接続される。図示しないが、各後側配線Wrは、実装される各種素子に接続される。各後側配線Wrは、2つの前側ランドLfの間に配線される。
複数の前側配線Wfは、複数の前側ランドLfに接続される。図示しないが、各前側配線Wfは、実装される各種素子に接続される。
複数のグランド配線WGは、ビア配線を介して、4つのグランド端子用ランドLGに接続される。具体的に、複数のグランド配線WGは、グランド端子用ランドLG2に接続されるグランド配線WG2と、グランド端子用ランドLG1に接続されるグランド配線WG1と、グランド端子用ランドLG0に接続されるグランド配線WG0と、及びグランド端子用ランドLGCに接続されるグランド配線WG2Cとを含む。
【0018】
グランド配線WG2は、一対のシグナル端子用ランドLS2+,LS2-から延びる前側配線Wfのグランドを確保する。グランド配線WG1は、一対のシグナル端子用ランドLS1+,LS1-から延びる後側配線Wrのグランドを確保する。グランド配線WG0は、一対のシグナル端子用ランドLS0+,LS0-から延びる前側配線Wfのグランドを確保する。グランド配線WGCは、一対のシグナル端子用ランドLSC+,LSC-から延びる後側配線Wrのグランドを確保する。
(端子及びランドの全体構成)
次に、端子及びランドの全体構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、図3の拡大斜視図である。
図5に示すように、シグナル端子TS1+は、端子絶縁板12Cの下面FBTMとシグナル端子用ランドLS1+とに接続される。グランド端子TG1は、端子絶縁板12Cの上面FTOPとグランド端子用ランドLG1とに接続される。シグナル端子TS2-は、端子絶縁板12Cの上面FTOPとシグナル端子用ランドLS2-とに接続される。シグナル端子TS1-は、端子絶縁板12Cの下面FBTMとシグナル端子用ランドLS1-とに接続される。シグナル端子TS0+は、端子絶縁板12Cの上面FTOPとシグナル端子用ランドLS0+とに接続される。
【0019】
シグナル端子TS1+及びシグナル端子TS1-は、各端子が延在する方向(以下、「延在方向」という。)と直交する方向(以下、「直交方向」という。)において互いに隣接する。
グランド端子TG1、シグナル端子TS2-、及びシグナル端子TS0+は、直交方向において互いに隣接する。
シグナル端子用ランドLS1+及びシグナル端子用ランドLS1-は、直交方向において、実装面FMNT(図4参照)上で互いに隣接する。すなわち、シグナル端子用ランドLS1-は、シグナル端子用ランドLS1+の側方に隣接する。
グランド端子用ランドLG1、シグナル端子用ランドLS2-、及びシグナル端子用ランドLS0+は、直交方向において、実装面FMNT上で互いに隣接する。すなわち、シグナル端子用ランドLS2-は、グランド端子用ランドLG1の側方に隣接する。シグナル端子用ランドLS0+は、グランド端子用ランドLG1を挟んでシグナル端子TS2-の反対側に設けられる。
【0020】
複数の後側配線Wrに含まれる後側配線WrS1+は、シグナル端子用ランドLS1+に接続される。後側配線WrS1+は、シグナル端子用ランドLS1+からグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLS2-との間に配線される。
複数の後側配線Wrに含まれる後側配線WrS1-は、シグナル端子用ランドLS1-に接続される。後側配線WrS1-は、シグナル端子用ランドLS1-からグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLS0+との間に配線される。
(端子及びランドの詳細構成)
次に、端子及びランドの詳細構成について、図面を参照しながら説明する。図6は、図5に示される端子の側面図である。図7は、図5に示される端子、ランド及び配線を上面FTOP側から見た平面図である。
【0021】
シグナル端子TS1+は、下面接続部101a、後側接続部102a、及び連結部103aを有する。
下面接続部101aは、端子絶縁板12Cの下面FBTMに接続される。下面接続部101aは、開口12Bに露出する(図2参照)。下面接続部101aは、開口12Bに挿入されるプラグ13と直接接触する。後側接続部102aは、半田などの導電性接合剤によってランドLに接続される。連結部103aは、下面接続部101と後側接続部102とを連結する。
シグナル端子TS1-は、下面接続部101b、後側接続部102b、及び連結部103bを有する。シグナル端子TS1-の構成は、シグナル端子TS1+と同様である。
グランド端子TG1+は、上面接続部201a、前側接続部202a、及び連結部203aを有する。上面接続部201aは、端子絶縁板12Cの上面FTOPに接続される。上面接続部201aは、開口12Bに露出する(図2参照)。上面接続部201aは、開口12Bに挿入されるプラグ13と直接接触する。前側接続部202aは、半田などの導電性接合剤によってランドLに接続される(図8参照)。連結部203aは、上面接続部201と前側接続部202とを連結する。
【0022】
シグナル端子TS2-は、上面接続部201b、前側接続部202b、及び連結部203bを有する。シグナル端子TS0+は、上面接続部201c、前側接続部202c、及び連結部203cを有する。シグナル端子TS2-及びシグナル端子TS0+それぞれの構成は、シグナル端子TS2-と同様である。
ここで、連結部203(連結部203a、203b、203cを含む)には、ねじり加工が施されている。具体的に、連結部203は、延在方向を軸として略90度ねじ曲げられている。これによって、連結部203には、幅広部203S及び幅狭部203Tが形成される。幅広部203Sは、上面接続部201と幅狭部203Tとに繋がる。幅狭部203Tは、幅広部203Sと前側接続部202とに繋がる。
ここで、上述の通り、各端子は平板状の金属部材によって構成されているため、幅狭部203Tの厚みα1は、幅広部203Sの厚みβ1よりも大きい。前側接続部202(前側接続部202a、202b、202cを含む)の厚みγ1は、幅狭部203Tの厚みα1と略同じである。後側接続部102(後側接続部102a、102b、102cを含む)の厚みδ1は、幅広部203Sの厚みβ1と略同じである。従って、前側接続部202の厚みγ1は、後側接続部102の厚みδ1よりも大きい。なお、本実施形態において、「厚み」は、上面FTOPに対して垂直な方向における大きさである。
【0023】
図7に示すように、幅狭部203Tの幅α2は、幅広部203Sの幅β2よりも狭い。前側接続部202の幅γ2は、幅狭部203Tの幅α2と略同じである。後側接続部102の幅δ2は、幅広部203Sの幅β2と略同じである。従って、前側接続部202の幅γ2は、後側接続部102の幅δ2よりも狭い。
また、各前側ランドLf(グランド端子用ランドLG1、シグナル端子用ランドLS2-及びシグナル端子用ランドLS0+を含む)の幅Xは、各後側ランドLr(シグナル端子用ランドLS1-及びシグナル端子用ランドLS1+を含む)の幅Yよりも狭い。
また、各前側ランドLfの間隔Pは、各後側ランドLrの間隔Qよりも広い。
(端子とランドの接続構造)
図8は、図6のA-A線における断面図である。図8に示すように、シグナル端子TS0+の前側接続部202は、導電性接合層300を介して、シグナル端子用ランドLS0+に接続されている。導電性接合層300は、例えば半田などの導電性接合剤によって構成される。
【0024】
ここで、シグナル端子用ランドLS0+は、表面に形成された複数の凸部301及び複数の凹部302を有する。複数の凸部301は、導電性接合層300に食い込んでいる。複数の凹部302には、導電性接合層300が入り込んでいる。
なお、図示しないが、複数の凸部301及び複数の凹部302は、シグナル端子用ランドLS0+の表面うち半田層300が接する領域に形成されていればよい。
(作用及び効果)
(1) 実施形態に係るレセプタクル12は、プリント配線板12Cに接続される後側接続部102a(第1後側接続部)を有するシグナル端子TS1+(第1端子)と、後側接続部102aよりも開口12Bから離間してプリント配線板12Cに接続される前側接続部202a(第1前側接続部)を有するグランド端子TG1(第2端子)とを備える。前側接続部202aの幅γ2は、後側接続部102aの幅δ2よりも狭い。
【0025】
このように、グランド端子TG1の前側接続部202aが幅狭であるので、グランド端子TG1が接続されるグランド端子用ランドLG1の幅Xを狭くできる。そのため、後側配線WrS1+をグランド端子用ランドLG1の側方に配線する際における配線パターンの自由度を向上できる。従って、配線の精度に余裕を持たせることができるので、微細な配線パターンを高精度に形成可能なプリント配線板を用いる必要がない。その結果、プリント配線板11の製造コストが増大することを抑制できる。
(2) 実施形態に係るレセプタクル12は、プリント配線板12Cに接続される前側接続部202b(第2前側接続部)を有するシグナル端子TS2-(第3端子)をさらに備える。シグナル端子TS2-の前側接続部202bは、グランド端子TG1の前側接続部202aの側方に隣接する。シグナル端子TS2-の前側接続部202bの幅γ2は、後側接続部102aの幅δ2よりも狭い。
【0026】
このように、シグナル端子TS2-の前側接続部202bが幅狭であるので、シグナル端子TS2-が接続されるシグナル端子用ランドLS2-の幅Xを狭くできる。そのため、後側配線WrS1+をグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLS2-との間に配線する際における配線パターンの自由度をより向上させることができる。
(3) 実施形態に係るレセプタクル12は、プリント配線板12Cに接続される後側接続部102b(第2後側接続部)を有するシグナル端子TS1-(第4端子)と、前側接続部202aを挟んで前側接続部202bの反対側に設けられる前側接続部202c(第3前側接続部)を有するシグナル端子TS0+(第5端子)とを備える。シグナル端子TS0+の前側接続部202cの幅γ2は、後側接続部102の幅δ2よりも狭い。
このように、シグナル端子TS0+の前側接続部202cが幅狭であるので、シグナル端子TS0+が接続されるシグナル端子用ランドLSo+の幅Xを狭くできる。そのため、後側配線WrS1-をグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLSo+との間に配線する際における配線パターンの自由度をより向上させることができる。
(4) 実施形態に係るレセプタクル12において、シグナル端子TS1+が後側接続部102aを有し、グランド端子TG1が前側接続部202aを有する。
【0027】
従って、後側配線WrS1+をグランド端子用ランドLG1の側方に配線できるので、デジタル信号を伝送する配線パターンを短縮できる。その結果、伝送されるデジタル信号の品質が低下することを抑制できる。
(5) グランド端子TG1(第2端子)は、ねじり加工された平板状の金属部材によって構成される。そのため、金属部材に切削加工などを施すことなく前側接続部202aを形成できる。その結果、レセプタクル12の製造コストが増大することを抑制できる。
(6) 実施形態に係るプリント配線板11は、シグナル端子用ランドLS1+(第1ランド)と、シグナル端子用ランドLS1+よりも基板本体11Aの端部11EDGから離間して設けられるグランド端子用ランドLG1(第2ランド)とを備える。グランド端子用ランドLG1の幅Xは、シグナル端子用ランドLS1+の幅Yよりも狭い。
【0028】
そのため、後側配線WrS1+をグランド端子用ランドLG1の側方に配線する際における配線パターンの自由度を向上できる。従って、配線の精度に余裕を持たせることができるので、微細な配線パターンを高精度に形成可能なプリント配線板を用いる必要がない。その結果、プリント配線板11の製造コストが増大することを抑制できる。
(7) 実施形態に係るプリント配線板11は、グランド端子用ランドLG1の側方に隣接するシグナル端子用ランドLS2-(第3ランド)を備える。シグナル端子用ランドLS2-の幅Xは、シグナル端子用ランドLS1+の幅Yよりも狭い。
そのため、後側配線WrS1+をグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLS2-との間に配線する際における配線パターンの自由度をより向上させることができる。
(8) 実施形態に係るプリント配線板11は、シグナル端子用ランドLS1-の側方に隣接するシグナル端子用ランドLS1+(第4ランド)と、グランド端子用ランドLG1を挟んでシグナル端子用ランドLS2-の反対側に設けられるシグナル端子用ランドLS0+(第5ランド)を備える。シグナル端子用ランドLS0+の幅Xは、シグナル端子用ランドLS1-の幅Yよりも狭い。
【0029】
そのため、後側配線WrS1-をグランド端子用ランドLG1とシグナル端子用ランドLSo+との間に配線する際における配線パターンの自由度をより向上させることができる。
(9) 実施形態に係るプリント配線板11は、グランド端子用ランドLG1は、表面に形成される複数の凸部301及び複数の凹部302を有する。
従って、複数の凸部301を導電性接合層300に食い込ませることができる。また、複数の凹部302に導電性接合層300を入り込ませることができる。そのため、アンカー効果によって、グランド端子用ランドLG1とグランド端子TG1との接続強度を向上することができる。その結果、グランド端子用ランドLG1の幅Xを狭くした場合であっても、グランド端子用ランドLG1とグランド端子TG1との接続強度が低下することを抑制できる。
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
(1) 上記実施形態では、複数の上側端子TTOPの全てが前側接続部202を有し、複数の下側端子TBTMの全てが後側接続部102を有することとしたが、これに限られるものではない。例えば、複数の上側端子TTOPの一部のみが前側接続部202を有していてもよい。さらに、複数の上側端子TTOPの全てが後側接続部102を有し、複数の下側端子TBTMの全てが前側接続部202を有することとしてもよい。
【0030】
このように、上記実施形態では、複数の端子12Dの構造について図面を用いて説明したが、複数の端子12Dの構造は図示された形態に限られない。複数の端子12Dの構造には、種々の設計変更を施すことができる。
(2) 上記実施形態では、全ての前側接続部202が幅狭に形成されることとしたが、これに限られるものではない。例えば、1つの前側接続部202のみが幅狭に形成されていてもよい。
(3) 上記実施形態では、ねじり加工によって幅狭部203Tを形成することとしたが、これに限られるものではない。例えば、切削加工などによって幅狭部203Tを形成してもよい。なお、幅広部203Sと幅狭部203Tとの境界では、幅広部203Sから幅狭部203Tに向かうにしたがって徐々に幅が狭くなることが好ましい。また、幅広部203Sと幅狭部203Tとの境界では、幅広部203Sから幅狭部203Tに向かうにしたがって徐々に厚み大きくなることが好ましい。
(4) 上記実施形態では、端子絶縁板12Cは、平面視において、前側接続部102及び後側接続部202と重ならないこととしたが、これに限られるものではない。端子絶縁板12Cは、平面視において、前側接続部102及び後側接続部202の少なくとも一方と重なっていてもよい。
(5) 上記実施形態では、電子機器間におけるインターフェースの一例として、HDMI規格に準拠するインターフェースについて説明したが、これに限られるものではない。例えば、電子機器間におけるインターフェースとしては、USB(Universal Serial Bus)、DVI(Digital Visual Interface:登録商標)、或いはIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394などの規格に準拠するシリアルインターフェースを用いることができる。
(6) 上記実施形態では、シグナル端子TSは、TMDS方式などに基づく擬似差動伝送方式による信号を伝送することとしたが、これに限られるものではない。例えば、シグナル端子TSは、USB規格に基づく差動伝送方式による信号を伝送してもよい。
(7) 上記実施形態では特に触れていないが、シグナル端子TSの幅、グランド端子TGの幅、及びシグナル端子TSとグランド端子TGとの間隔は、適宜設定することができる。これによって、線路の特性インピーダンスを調整することができる。
【0031】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本実施形態に係るレセプタクル、プリント配線板、及び電子機器によれば、プリント配線板の製造コストの増大を抑制できるので、電子機器分野において有用である。
【符号の説明】
【0033】
10…インターフェース
11…プリント配線板
11A…基板本体
11B…配線群
11EDG…端部
12…レセプタクル
12A…筐体
12B…開口
12C…端子絶縁板
12D…複数の端子
13…プラグ
101…下面接続部
102…後側接続部
103…連結部
201…上面接続部
202…前側接続部
203…連結部
203S…幅広部
203T…幅狭部
300…導電性接合層
301…凸部
302…凹部
MNT…実装面
TOP…上面
BTM…下面
TOP…上側端子
BTM…下側端子
S…シグナル端子
G…グランド端子
Wr…後側配線
Wf…前側配線
G…グランド配線
Lr…後側ランド
Lf…前側ランド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント配線板に実装され、プラグが挿入されるレセプタクルであって、
前記プラグが挿入される開口を有する筐体と、
前記プリント配線板側に設けられる下面と、前記下面の反対側に設けられる上面とを有し、前記筐体内に配置される端子絶縁板と、
前記プリント配線板に接続される第1後側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第1端子と、
前記上面側から見た場合に前記第1後側接続部よりも幅狭であり、前記第1後側接続部よりも前記開口から離間して前記プリント配線板に接続される第1前側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第2端子と、
を備えるレセプタクル。
【請求項2】
前記上面側から見た場合に前記第1後側接続部よりも幅狭であり、前記第1前側接続部の側方に隣接する第2前側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第3端子を備える請求項1に記載のレセプタクル。
【請求項3】
前記第1後側接続部の側方に隣接する第2後側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第4端子と、
前記上面側から見た場合に前記第1後側接続部よりも幅狭であり、前記第1前側接続部を挟んで前記第2前側接続部の反対側に設けられる第3前側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第5端子と、
を備える請求項2に記載のレセプタクル。
【請求項4】
前記第1端子は、シグナル端子であり、
前記第2端子は、グランド端子である、
請求項1乃至3のいずれかに記載のレセプタクル。
【請求項5】
前記第2端子は、ねじり加工された平板状の金属部材によって構成される、
請求項1乃至4のいずれかに記載のレセプタクル。
【請求項6】
レセプタクルが実装されるプリント配線板であって、
前記レセプタクルが実装される実装面を有する基板本体と、
前記実装面上に設けられる第1ランドと、
前記実装面上において前記第1ランドよりも前記基板本体の端部から離間して設けられ、前記第1ランドよりも幅狭な第2ランドと、
を備えるプリント配線板。
【請求項7】
前記実装面上において前記第2ランドの側方に隣接し、前記第1ランドよりも幅狭な第3ランドを備える請求項6に記載のプリント配線板。
【請求項8】
前記実装面上において前記第1ランドの側方に隣接する第4ランドと、
前記実装面上において前記第2ランドを挟んで前記第3ランドの反対側に設けられ、前記第1ランドよりも幅狭な第5ランドと、
を備える請求項7に記載のプリント配線板。
【請求項9】
前記第2ランドは、表面に形成される凸部又は凹部を有する請求項6乃至8に記載のプリント配線板。
【請求項10】
前記第1ランドは、前記レセプタクルのシグナル端子に接続され、
前記第2ランドは、前記レセプタクルのグランド端子に接続される、
請求項6乃至9に記載のプリント配線板。
【請求項11】
プラグが挿入されるレセプタクルと、前記レセプタクルが実装されるプリント配線板とを備え、
前記レセプタクルは、
前記プラグが挿入される開口を有する筐体と、
前記プリント配線板側に設けられる下面と、前記下面の反対側に設けられる上面とを有し、前記筐体内に配置される端子絶縁板と、
前記プリント配線板に接続される後側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第1端子と、
前記上面側から見た場合に前記後側接続部よりも幅狭であり、前記後側接続部よりも前記開口から離間して前記プリント配線板に接続される前側接続部を有し、前記端子絶縁板に接続される第2端子と、
を有し、
前記プリント配線板は、
前記レセプタクルが実装される実装面を有する基板本体と、
前記後側接続部に接続されており、前記実装面上に設けられる第1ランドと、
前記前側接続部に接続されており、前記実装面上において前記第1ランドよりも前記開口から離間して設けられ、前記第1ランドよりも幅狭な第2ランドと、
を有する電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−171123(P2011−171123A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33996(P2010−33996)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】