説明

ロータリ耕耘装置

【課題】 各取付体や固定側フレーム形成片の端面が損傷等するという不具合の発生を防止すること。
【解決手段】 伝動ケースは、一側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各一側端部に一体的に取り付ける一方、サイドサポートは、他側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各他側端部に一体的に取り付け、各取付体には、ストッパー片を設けて、同ストッパー片を固定側フレーム形成片の端面に当接させてスライド規制を行わせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ耕耘部を左右方向にオフセット可能となしたロータリ耕耘装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロータリ耕耘装置の一形態として、左右方向に伸延して伝動機能を有するメインフレームと、同メインフレームの一側端部に上端部を連動連結して下方へ伸延する伝動ケースと、上記メインフレームの他側端部に上端部を連結して下方へ伸延するサイドサポートと、同サイドサポートの下端部と上記伝動ケースの下端部との間に架設したロータリ耕耘部とを具備するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、メインフレームは、左右方向に伸延する固定側フレーム形成片と、同固定側フレーム形成片の左右側端部にそれぞれ左右スライド自在に嵌入させた可動側フレーム形成片とを具備し、固定側フレーム形成片に左右一対のスライド支持体を介して左右方向に伸延するサブフレームを左右スライド自在に支持させ、同サブフレームの左右側端部をそれぞれ伝動ケースとサイドサポートに取り付けて、メインフレームの可動側フレーム形成片を左右スライド作動させることにより、サブフレームと伝動ケースとサイドサポートとを介してロータリ耕耘部を左右方向にオフセット可能となしている。
【特許文献1】特開2004−24051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記したロータリ耕耘装置では、左右側の可動側フレーム形成片を最大限に右側方へスライド移動させて、ロータリ耕耘部を右側方へオフセットさせた際に、伝動ケースの内側壁が固定側ケース形成片の左側端面に当接して、同伝動ケースの内側壁と固定側ケース形成片の左側端面のいずれか一方ないしは両方が損傷等する虞があるという不具合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明では、左右方向に伸延して伝動機能を有するメインフレームと、同メインフレームの一側端部に上端部を連動連結して下方へ伸延する伝動ケースと、上記メインフレームの他側端部に上端部を連結して下方へ伸延するサイドサポートと、同サイドサポートの下端部と上記伝動ケースの下端部との間に架設したロータリ耕耘部とを具備するロータリ耕耘装置において、メインフレームは、左右方向に伸延する固定側フレーム形成片と、同固定側フレーム形成片の左右側端部にそれぞれ左右スライド自在に嵌入させた可動側フレーム形成片とを具備し、固定側フレーム形成片にスライド支持体を介して左右方向に伸延するサブフレームを左右スライド自在に支持させ、同サブフレームの左右側端部をそれぞれ伝動ケースとサイドサポートに取り付けて、メインフレームの可動側フレーム形成片を左右スライド作動させることにより、サブフレームと伝動ケースとサイドサポートとを介してロータリ耕耘部を左右方向にオフセット可能となすと共に、伝動ケースは、一側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各一側端部に一体的に取り付ける一方、サイドサポートは、他側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各他側端部に一体的に取り付け、各取付体には、ストッパー片を設けて、同ストッパー片を固定側フレーム形成片の端面に当接させてスライド規制を行うようにしたことを特徴とするロータリ耕耘装置を提供するものである。
【0006】
また、本発明では、ストッパー片は、固定側フレーム形成片の端面に沿わせて周方向に均等に複数配置したことにも特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
(1)請求項1記載の本発明では、左右方向に伸延して伝動機能を有するメインフレームと、同メインフレームの一側端部に上端部を連動連結して下方へ伸延する伝動ケースと、上記メインフレームの他側端部に上端部を連結して下方へ伸延するサイドサポートと、同サイドサポートの下端部と上記伝動ケースの下端部との間に架設したロータリ耕耘部とを具備するロータリ耕耘装置において、メインフレームは、左右方向に伸延する固定側フレーム形成片と、同固定側フレーム形成片の左右側端部にそれぞれ左右スライド自在に嵌入させた可動側フレーム形成片とを具備し、固定側フレーム形成片にスライド支持体を介して左右方向に伸延するサブフレームを左右スライド自在に支持させ、同サブフレームの左右側端部をそれぞれ伝動ケースとサイドサポートに取り付けて、メインフレームの可動側フレーム形成片を左右スライド作動させることにより、サブフレームと伝動ケースとサイドサポートとを介してロータリ耕耘部を左右方向にオフセット可能となすと共に、伝動ケースは、一側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各一側端部に一体的に取り付ける一方、サイドサポートは、他側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各他側端部に一体的に取り付け、各取付体には、ストッパー片を設けて、同ストッパー片を固定側フレーム形成片の端面に当接させてスライド規制を行うようにしている。
【0008】
このようにして、各取付体にストッパー片を設けて、同ストッパー片を固定側フレーム形成片の端面に当接させてスライド規制を行うようにしているため、各取付体や固定側フレーム形成片の端面が損傷等するという不具合の発生を防止することができる。
【0009】
(2)請求項2記載の本発明では、ストッパー片は、固定側フレーム形成片の端面に沿わせて周方向に均等に複数配置している。
【0010】
このようにして、固定側フレーム形成片の端面に対して複数のストッパー片が均等に当接してスライド規制がなされるようにしているため、各取付体に偏倚荷重が作用して、各取付体に撓み等が生じるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明に係るロータリ耕耘装置Aを後方に連結したトラクタBの側面図である。
【0012】
まず、トラクタBについて簡単に説明すると、同トラクタBは、図1に示すように、車体フレーム1の前部に原動機部2を設け、後部に運転部3を設け、同運転部3の後部下方位置にミッション部4を設けると共に、車体フレーム1の前部下方位置にフロントアクスルケース(図示せず)を介して左右一対の前車輪5,5を設ける一方、ミッション部4の左右側部にリヤアクスルケース(図示せず)を介してそれぞれ後車輪6,6を設けている。7はキャビンである。
【0013】
そして、ミッション部4には昇降連結機構8を介してロータリ耕耘装置Aを昇降自在に連結しており、同昇降連結機構8は、ミッション部4とロータリ耕耘装置Aとを連結するトップリンク9及び左右一対のロワリンク10,10と、ミッション部4に連設した油圧昇降装置(図示せず)にその基端部を枢支して先端部を上下回動可能となした左右一対のリフトアーム11,11と、各リフトアーム11,11の先端部と各ロワリンク10,10の中途部とを連結するリフトリンク12,12と、トップリンク9と両ロワリンク10,10との間に介設して補強する立ち上がり支持片13,13とを具備している。
【0014】
このようにして、リフトアーム11,11を昇降作動させることにより、リフトリンク12,12を介して両ロワリンク10,10、トップリンク9、及び、立ち上がり支持片13,13を上下回動させて、ロータリ耕耘装置Aを昇降させることができるようにしている。
【0015】
また、ミッション部4にはPTO軸14を後方へ向けて突設して、同PTO軸14からロータリ耕耘装置Aに動力を伝達することができるようにしている。
【0016】
次に、本発明に係るロータリ耕耘装置Aの構成を、図2〜図12を参照しながら説明する。
【0017】
すなわち、ロータリ耕耘装置Aは、図2及び図3に示すように、左右方向に伸延して伝動機能を有するメインフレーム20と、同メインフレーム20の一側端部(本実施の形態では左側端部)に上端部を連動連結して下方へ伸延する伝動ケース21と、上記メインフレーム20の他側端部(本実施の形態では右側端部)に上端部を連結して下方へ伸延するサイドサポート22と、同サイドサポート22の下端部と上記伝動ケース21の下端部との間に架設したロータリ耕耘部23とを具備している。
【0018】
そして、メインフレーム20は、少なくとも一部(本実施の形態では、後述する左右一対の可動側フレーム形成片32,32)をその軸線方向にスライド(摺動)自在となして、同メインフレーム20の後方位置にて左右方向に伸延するサブフレーム24を、伝動ケース21とサイドサポート22との間に架設しており、メインフレーム20は、左右方向に進退作動するオフセット用アクチュエータとしてのオフセット用シリンダ25によりスライド作動させることにより、サブフレーム24と伝動ケース21とサイドサポート22とを介してロータリ耕耘部23を左右方向にオフセット可能となしている。
【0019】
また、図2及び図3中、15はトップリンク連結体、16は耕深調節支持フレーム、17は耕深調節部、18はスタンド、19はロータリカバー、26はリヤカバー、27はハンガーロッド、28はサイドカバーである。
【0020】
以下に、上記したロータリ耕耘装置Aの構成を、構成部材毎に詳細に説明する。
【0021】
〔メインフレーム20〕
メインフレーム20は、図2及び図3に示すように、中央部フレーム形成片30と、同中央部フレーム形成片30の左右側方に連結した左右一対の固定側フレーム形成片31,31と、各固定側フレーム形成片31,31に左右スライド自在に連結した左右一対の可動側フレーム形成片32,32とから形成している。
【0022】
そして、中央部フレーム形成片30は、図3に示すように、左右方向に伸延する筒状のギヤケース33と、同ギヤケース33の前壁部を形成する入力軸支持ボス部34と、同入力軸支持ボス部34に一体成形してギヤケース33内に張り出し状に配置した伝動軸支持片35とを具備している。
【0023】
また、入力軸支持ボス部34は、前後方向に軸線を向けた筒状に形成して、ベアリング(本実施の形態ではスラストベアリング)36を介して入力軸37の後端部を回動自在に支持しており、同入力軸37は、前端部を入力軸支持ボス部34より前方へ突出させて、前記PTO軸14にドライブシャフト等(図示せず)を介して連動連結するようにしている。
【0024】
伝動軸支持片35は、中央部に軸支持ベアリング38を設けると共に、同軸支持ベアリング38の中心をギヤケース33の軸線位置に符合させ、同軸支持ベアリング38に左右方向に伸延する伝動軸39の右側端部39aを回動自在に支持させている。
【0025】
しかも、伝動軸39の右側端部に設けた入力用傘歯車40と、前記入力軸37の後端部に設けた出力用傘歯車41とを歯合させて、PTO軸14から入力軸37に入力した伝動力を、出力用傘歯車41→入力用傘歯車40→伝動軸39に伝達することができるようにしている。
【0026】
ギヤケース33の左右側端部には、それぞれ板状の連結体42,42を連設し、各連結体42,42の前端部42a,42aを前方へ突出させて、各前端部42a,42aに前記ロワリンク10,10の後端部を着脱自在に連結している。43は、連結体42に形成した連通孔である。
【0027】
固定側フレーム形成片31は、図3に示すように、左右方向に伸延する筒状に形成して、連結体42の外側面に内側端面を連設し、外側部内周面にシール部44を設けており、同シール部44は、図4にも示すように、円筒状の基材45の内周面にダストシール46とOリング47とブッシュ48とを軸線方向に間隔を開けて配置している。
【0028】
可動側フレーム形成片32は、図3に示すように、左右方向に伸延する筒状に形成して、内側部を固定側フレーム形成片31の外側部にシール部44を介して左右スライド(摺動)自在に嵌入させると共に、重合面を密閉状態に保持している。
【0029】
〔伝動ケース21〕
伝動ケース21は、図2及び図3に示すように、上下方向に伸延する扁平箱型に形成しており、同伝動ケース21の内側壁21aの上部と下部にそれぞれ上・下部軸受部50,51を設け、上部軸受部50に前記伝動軸39の左側端部39bを抜き差し自在に挿通して支持させる一方、下部軸受部51に後述するロータリ耕耘部23の耕耘軸52の左側端部軸形成片52aを抜き差し自在に挿通して支持させるようにしている。
【0030】
そして、伝動ケース21内において、伝動軸39の左側端部39bと耕耘軸52の左側端部軸形成片52aとの間に入・出力用スプロケット53,54を介して伝動チェン55を巻回している。
【0031】
このようにして、伝動軸39に伝達された動力は、同伝動軸39の左側端部39b→入力用スプロケット53→伝動チェン55→出力用スプロケット54→耕耘軸52の左側端部52a→耕耘軸52に伝達することができるようにしている。
【0032】
〔サイドサポート22〕
サイドサポート22は、図3に示すように、上下方向に伸延する扁平板状に形成しており、同サイドサポート22の内面の上部に取付体受部56を設ける一方、同サイドサポート22の下部に軸受部57を設けて、同軸受部57に後述する耕耘軸52の右側端部軸形成片52cを抜き差し自在に挿通して支持させるようにしている。
【0033】
〔ロータリ耕耘部23〕
ロータリ耕耘部23は、図3に示すように、左右方向に伸延する耕耘軸52と、同耕耘軸52の外周面に多数の耕耘爪58を耕耘軸52の軸線方向に一定の間隔を開けて取り付けている。
【0034】
そして、耕耘軸52は、左右側端部にそれぞれ左・右連結フランジ52f,52gを設けて、伝動ケース21の下部軸受部51に組み付けた左側出力軸体52aの左側連結フランジ52dと、サイドサポート22の軸受部57に組み付けた右側出力軸体52cの右側連結フランジ52eとに、上記左・右連結フランジ52f,52gを対向状態に面接触させると共に、連結ボルト52h,52iにより着脱自在に連結している。
【0035】
〔サブフレーム24〕
サブフレーム24は、図2及び図3に示すように、左右方向に伸延する筒状に形成したフレーム本体60と、同フレーム本体60の左右側端部にそれぞれ設けた左・右側連結体61,62とから形成しており、各連結体61,62には、仮止め片としての植え込みボルト63,63,64,64を外側方へ突出させて設けると共に、図11及び図13に示すように、固定片としての固定ボルト65,65,66,66を螺着するための固定ボルト孔67,67,68,68を左右方向に貫通させて設けている。
【0036】
なお、植え込みボルト63,63,64,64に代えて通常のボルトを使用することもできる。
【0037】
そして、サブフレーム24は、メインフレーム20の一部を形成する固定側フレーム形成片31,31の外側端部にそれぞれ設けたスライド支持体69,69間に、左右方向にスライド(摺動)自在に架設すると共に、左側連結体61は、後述する一側取付体としての左側取付体70を介して伝動ケース21に連結する一方、右側連結体62は、後述する他側取付体としての右側取付体71を介してサイドサポート22に連結している。
【0038】
〔オフセット用シリンダ25〕
オフセット用シリンダ25は、図2及び図3に示すように、左右方向に伸延するシリンダ本体72と、同シリンダ本体72に沿って左右方向に進退摺動するピストンロッド73とを具備しており、右側の固定側フレーム形成片31に設けた本体側取付ブラケット74に、取付ピン75を介してシリンダ本体72の左側端部72aを取り付ける一方、右側取付体71に設けた取付片としてのピストン側取付ブラケット76に、ピストンロッド73の先端部73aを取付ピン77を介して取り付けている。
【0039】
そして、シリンダ本体72には、油圧ポンプ78を連通連結しており、同油圧ポンプ78には電動モータ79を連動連結すると共に、油圧タンク80を連通連結している。
【0040】
ここで、電動モータ79は、運転部3に設けた操作具(図示せず)、例えば、押圧式スイッチを押圧操作している間のみ作動するように構成している。
【0041】
このようにして、電動モータ79により油圧ポンプ78を駆動させて、油圧タンク80内の油をシリンダ本体72内に圧送したり、同シリンダ本体72の油を油圧タンク80内に戻したりすることにより、ピストンロッド73を左右方向に進退摺動させることができるようにしている。
【0042】
この際、ピストンロッド73を右側方へ適宜伸長摺動作動させると、右側取付体71を介してサイドサポート22に連結した右側の可動側フレーム形成片32が右側方へ移動されると共に、同右側取付体71に取り付けたサブフレーム24と、同サブフレーム24に左側取付体70を介して取り付けた伝動ケース21及び左側の可動側フレーム形成片32とが一体的に右側方へ移動されて、伝動ケース21とサイドサポート22の下部間に架設したロータリ耕耘部23が右側方へ適宜オフセットされるようにしている。
【0043】
ここで、ピストンロッド73の最大伸縮制限は、固定側フレーム形成片32,32の端部が後述するストッパー片115,125に当接すると共に、シリンダ本体72に設けたリリーフ機構が作動することによりなされるようにしている。
【0044】
なお、シリンダ本体72にリリーフ機構が設けられていない場合には、別途、リミットスイッチ等の検出手段を設けることにより、同検出手段の検出結果に基づいて電動モータ79の駆動を停止させるようにすることもできる。
【0045】
また、図3に示すように、ピストンロッド73を左側方へ最大限に短縮摺動作動させると、右側取付体71を介してサイドサポート22に連結した右側の可動側フレーム形成片32が左側方へ移動されると共に、同右側取付体71に取り付けたサブフレーム24と、同サブフレーム24に左側取付体70を介して取り付けた伝動ケース21及び左側の可動側フレーム形成片32とが一体的に左側方へ移動されて、伝動ケース21とサイドサポート22の下部間に架設したロータリ耕耘部23が標準位置、すなわち、ロータリ耕耘部23の左右中心位置がロータリ耕耘装置Aの左右中心位置に符合する位置に戻すことができるようにしている。
【0046】
すなわち、本実施の形態では、ロータリ耕耘部23を標準位置から右側方へ適宜オフセットさせることができるようにしている。
【0047】
ここで、オフセット用シリンダ25は、図5及び図12に示すように、側面視にて、メインフレーム20とサブフレーム24との間、すなわち、上方位置かつ近接位置に配置している。
【0048】
そして、図12に示すように、メインフレーム20の中心位置C1と、サブフレーム24の中心位置C2と、オフセット用シリンダ25の中心位置C3とを頂点とする仮想の三角形Tが形成されるようにしている。
【0049】
このようにして、メインフレーム20の左右一対の可動側フレーム形成片32,32を、その軸線方向である左右方向にスライド作動させるオフセット用シリンダ25を、側面視にて、メインフレーム20とサブフレーム24との間に配置しているため、従来のロータリ耕耘装置に比べて、簡単な構造でロータリ耕耘部23を左右方向にオフセットさせることができると共に、オフセット用シリンダ25をコンパクトに配置することができて、ロータリ耕耘装置Aをコンパクト化することができる。
【0050】
しかも、オフセット用シリンダ25は、メインフレーム20とサブフレーム24の上方位置かつ近接位置に配置して、メインフレーム20の中心位置C1と、サブフレーム24の中心位置C2と、オフセット用シリンダ25の中心位置C3とを頂点とする仮想の三角形Tが形成されるようにしているため、ロータリ耕耘装置の前後幅を少なくとも従来のロータリ耕耘装置の前後幅と同等に形成することができると共に、同オフセット用シリンダ25の左右方向への進退作動力を、左右一対の可動側フレーム形成片32,32のスライド作動力として円滑かつ確実に効率良く伝達することができる。
【0051】
その結果、ロータリ耕耘装置Aのコンパクト化を図ることができると共に、同ロータリ耕耘装置Aの美感の向上を図ることができる。
【0052】
次に、前記した左・右側取付体70,71とスライド支持体69の構成を具体的に説明する。
【0053】
〔スライド支持体69〕
スライド支持体69は、図4〜図9に示すように、メインフレーム20の一部を形成する固定側フレーム形成片31の外側端部より後方へ突出させて設けており、固定側フレーム形成片31に固設したステー85にスライド支持本体86を着脱自在に取り付けている。
【0054】
そして、ステー85は、固定側フレーム形成片31の外周面に固設した基端部85aと、同基端部85aより後方に張り出させて左右方向に開口するリング状に形成した先端部85bとから形成している。
【0055】
スライド支持体69は、サブフレーム24のフレーム本体60の外周面に摺接する摺接部材としてのブッシュ88と、同ブッシュ88の外周面に嵌合する短幅筒状の摺接部材保持片87と、同摺接部材保持片87の外周面に沿わせて配置した緩衝片89と、同緩衝片89と上記摺接部材保持片87と上記ブッシュ88とを一体的に支持する支持体本片90と、同支持体本片90の外周面に設けた鍔状の取付片91とを具備している。
【0056】
摺接部材保持片87は、短幅筒状に形成して、内周面にブッシュ88を重合状態に嵌合させて配置しており、ブッシュ88は、摺接部材保持片87よりも短幅の薄肉筒状に形成して、内周面をフレーム本体60の外周面に摺接させている。92は、摺接部材保持片87の内周面の左・右側端部にそれぞれ係合させたリング状のダストシールであり、ブッシュ88の左・右側方に配置している。
【0057】
緩衝片89は、弾性力を有する合成樹脂等により、摺接部材保持片87よりも短幅の筒状に形成して、摺接部材保持片87の外周面に沿わせて配置している。なお、本実施の形態では、緩衝片89を筒状に形成しているが、これに代えて、半筒状に形成した一対の緩衝片89,89を摺接部材保持片87の外周面に沿わせて対向状態に配置することもできる。
【0058】
支持体本片90は、左右一対のリング状の側壁形成片90a,90aと、両側壁形成片90a,90aの内側外周部間に架設した筒状の周壁形成片90bとから凹状の収容空間93を形成し、同収容空間93内に前記緩衝片89を収容・配置可能となしている。94は、支持体本片90が軸線方向に摺動するのを規制する摺動規制キー(止め輪)である。
【0059】
取付片91は、支持体本片90の外周面に溶接して、一体的に外方へ突出させて鍔状に形成しており、リング状に形成したステー85の先端部85bに外側方から面接触させて内外側に重合状態となすと共に、取付ボルト95により着脱自在に取り付け可能となしている。
【0060】
このようにして、スライド支持本体86に、サブフレーム24のフレーム本体60の外周面に摺接するブッシュ88と、同ブッシュ88の外周面に嵌合する短幅筒状の摺接部材保持片87と、同摺接部材保持片87の外周面に沿わせて配置した緩衝片89と、同緩衝片89と上記摺接部材保持片87と上記ブッシュ88とを一体的に支持する支持体本片90とを具備させているため、摺接部材保持片90によりブッシュ88を安定・保持させることができて、同ブッシュ88を介してサブフレーム24を円滑かつ確実にスライド自在に支持することができる。
【0061】
そして、ロータリ耕耘部23に衝撃荷重等が作用した場合でも、支持体本片90を介して摺接部材保持片87に伝播する衝撃等を、緩衝片89により吸収することができて、同摺接部材保持片87に保持されているブッシュ88をガタつかせることなくサブフレーム24のフレーム本体60の外周面に摺接・保持させることができる。
【0062】
その結果、サブフレーム24のフレーム本体60の外周面がスライド支持体69により損傷等されるのを確実に防止することができて、同サブフレーム24のスライド性能を良好に確保することができる。
【0063】
しかも、摺接部材保持片87の外周面に沿わせて配置した緩衝片89を、支持体本片90に形成した収容空間93内に収容・配置しているため、同緩衝片89が位置ずれや離脱等を起こすのを確実に防止することができて、同緩衝片89による緩衝機能を良好に確保することができる。
【0064】
さらには、本実施の形態では、特に図9に示すように、前記した収容空間93内に収容・配置した緩衝片89の外周面と、周壁形成片90bの内周面との間には、誤差吸収用の間隙96を形成している。
【0065】
このようにして、誤差吸収用の間隙96を形成しているため、サブフレーム24を支持するスライド支持体69に取付誤差等が生じていたとしても、かかる取付誤差等を上記誤差吸収用の間隙96により吸収して、上記サブフレーム24のスライド性能等を良好に確保することができる。
【0066】
その結果、ロータリ耕耘部23を所望の位置に円滑かつ確実にオフセットさせることができる。
【0067】
また、特に図9に示すように、左右一対の側壁形成片90a,90aの周端面と、摺接部材保持片87の外周面との間には、衝撃吸収用の間隙97を形成している。
【0068】
このようにして、衝撃吸収用の間隙97を形成しているため、耕耘作業中にロータリ耕耘装置A自体が衝撃を受けた場合でも、かかる衝撃を衝撃吸収用の間隙97により吸収して、上記サブフレーム24に衝撃が伝播するのを防止することができる。
【0069】
その結果、サブフレーム24の摺動面である外周面が損傷等されるのを防止することができて、同サブフレーム24のスライド性能等を良好に確保することができる。
【0070】
従って、この点からも、ロータリ耕耘部23を所望の位置に円滑かつ確実にオフセットさせることができる。
【0071】
そして、図9に示すように、衝撃吸収用の間隙97の幅t1は、誤差吸収用の間隙96の幅t2よりも大となるように形成している。
【0072】
このようにして、衝撃吸収用の間隙97を誤差吸収用の間隙96よりも大となるように形成しているため、誤差吸収用の間隙96を利用してメインフレーム20とサブフレーム24との平行度調整等を楽に行うことができると共に、衝撃吸収用の間隙97を利用して衝撃吸収も確実に行うことができる。
【0073】
その結果、サブフレーム24のスライド性能等を良好に確保することができて、ロータリ耕耘部23を所望の位置に円滑かつ確実にオフセットさせることができる。
【0074】
また、スライド支持本体86は、収容空間93内にグリスニップル100を配設しており、同グリスニップル100により支持体本片90内を通してブッシュ88の内周面とサブフレーム24のフレーム本体60の外周面との間にグリスを注入することができるようにしている。
【0075】
すなわち、グリスニップル100は、図4、図6及び図9に示すように、摺接部材保持片87に基端部101を固定し、先端部102を緩衝片89に形成した先端部収容孔103内に配置すると共に、周壁形成片90bに形成したグリス注入孔104内に配置しており、基端部101は、ブッシュ88に形成したグリス溜まり形成用孔105を通してフレーム本体60の外周面に連通させている。
【0076】
ここで、グリス注入孔104は、図6に示すように、後方かつやや下方へ向けて開口させている。
【0077】
このようにして、グリス注入孔104を後方かつやや下方へ向けて開口させているため、同グリス注入孔104内に配置しているグリスニップル100へのグリス注入作業を、ロータリ耕耘装置Aの後方から簡単にかつ確実に行うことができて、グリス注入作業性を良好に確保することができる。
【0078】
この際、グリスニップル100は、支持体本片90内に配置しているため、同グリスニップル100を支持体本片90により保護することができて、同グリスニップル100が他物と衝突等して損傷等されるのを防止することができる。
【0079】
その結果、グリスニップル100のグリス注入機能を良好に確保することができて、同グリスニップル100から支持体本片90内を通して摺接部材保持片87の内周面とフレーム本体60の外周面との間に注入されるグリスにより、サブフレーム24のスライド性能を良好に確保することができて、ロータリ耕耘部23のオフセット調整を円滑にかつ確実に行うことができる。
【0080】
しかも、支持体本片90に形成した凹状の収容空間93内に、緩衝片89とグリスニップル100を収容・配置しているため、緩衝片89が位置ずれや離脱等を起こすのを確実に防止することができて、同緩衝片89による緩衝機能を良好に確保することができると共に、グリスニップル100も確実に保護することができる。
【0081】
さらには、グリスニップル100の先端部102を周壁形成片90bに形成したグリス注入孔104内に配置しているため、グリスニップル100と支持体本片90との相対的位置関係をグリス注入孔104内に保持させることができて、同グリスニップル100を介したグリスの注入作業性を良好に確保することができる。
【0082】
〔左側取付体70〕
左側取付体70は、図2、図3、図5、図10及び図11に示すように、伝動ケース21をメインフレーム20とサブフレーム24の各左側端部に一体的に取り付けている。
【0083】
すなわち、左側取付体70は、特に図10及び図11に示すように、メインフレーム20の左側の可動側フレーム形成片32の左側端部を嵌合する筒状の嵌合片106と、同嵌合片106の外周面に設けた鍔状の取付フランジ107と、同取付フランジ107より後方へ伸延させて形成した後方伸延片108と、同後方伸延片108の後端部に設けてサブフレーム24の左側端部に仮止めすると共に固定する仮止め・固定部109とを具備している。
【0084】
ここで、嵌合片106には可動側フレーム形成片32の左側端部を嵌合すると共に、溶接により固定している。
【0085】
そして、取付フランジ107には、円周方向に一定の間隔を開けて複数(本実施の形態では六個)のボルト挿通孔110を形成する一方、前記伝動ケース21の上部軸受け部50に、上記各ボルト挿通孔110と符合する複数(本実施の形態では六個)のボルト孔111を形成している。
【0086】
このようにして、両孔110,111を符合させると共に、取付ボルト112を螺着することにより、伝動ケース21の上部軸受け部50に取付フランジ107を着脱自在に取り付けている。
【0087】
また、仮止め・固定部109は、本実施の形態では、後方伸延片108の後端部に仮止め孔113,113と固定孔114,114とを同一円周上に配置して形成している。
【0088】
そして、前記したサブフレーム24の左側連結体61に設けた植え込みボルト63,63の先端部に仮止め孔113,113を嵌合させることにより、固定孔114,114と左側連結体61に設けた固定ボルト孔67,67とが符合するようにしている。
【0089】
このようにして、仮止め孔113,113を嵌合させ植え込みボルト63,63の先端部に、ナット126,126を螺着すると共に、両孔114,114,67,67に固定ボルト65,65を螺着することにより、サブフレーム24の左側連結体61に仮止め・固定部109を着脱自在に取り付けている。
【0090】
なお、本実施の形態では、サブフレーム24の左側連結体61に植え込みボルト63を設ける一方、仮止め・固定部109に仮止め孔113を形成しているが、左側連結体61に仮止め孔113を形成する一方、仮止め・固定部109に植え込みボルト63を設けることもできる。
【0091】
また、左側取付体70には、ストッパー片115を設けて、同ストッパー片115を固定側フレーム形成片31の左側端面31aに当接させて右方向へのスライド規制を行うようにしている。
【0092】
ここで、ストッパー片115は、嵌合片106の外周面に複数(本実施の形態では三個)設けており、同嵌合片106の外周面に基端面を溶接して、同嵌合片106の右側端面127よりも右側方へ突出させると共に、固定側フレーム形成片31の左側端面31aに沿わせて周方向に均等に配置している。
【0093】
このようにして、三個のストッパー片115,115,115の先端部を、固定側フレーム形成片31の左側端面31aに均等に当接させて右方向へのスライド規制を行うようにしている。
【0094】
従って、左側取付体70や固定側フレーム形成片31の左側端面31aが損傷等されるという不具合の発生を防止することができる。
【0095】
しかも、固定側フレーム形成片31の左側端面31aに対して三個のストッパー片115,115,115が均等に当接してスライド規制がなされるようにしているため、左側取付体70に偏倚荷重が作用して、左側取付体70に撓み等が生じるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0096】
〔右側取付体71〕
右側取付体71は、図12及び図13に示すように、サイドサポート22をメインフレーム20とサブフレーム24の各右側端部に一体的に取り付けている。
【0097】
ここで、右側取付体71は、基本的構造を左側取付体70と同じくしているが、嵌合片106を設けることなく、前記したオフセット用シリンダ25のピストンロッド73の先端部(右側端部)73aを取り付けるための取付片であるピストン側取付ブラケット76を設けている点で異なる。
【0098】
すなわち、右側取付体71は、図12及び図13に示すように、メインフレーム20の右側の可動側フレーム形成片32の右側端面を当接させると共に溶接して支持する当接支持片116と、同当接支持片116の外周部に膨出させて形成した鍔状の取付フランジ117と、同取付フランジ117より後方へ伸延させて形成した後方伸延片118と、同後方伸延片118の後端部に設けてサブフレーム24の右側端部に仮止めすると共に固定する仮止め・固定部119と、上記取付フランジ117の上端部から後方伸延片118の上端部にわたって上方へ膨出させて形成した上方膨出部128と、同上方膨出部128に取り付けたピストン側取付ブラケット76とを具備している。
【0099】
このようにして、右側取付体71に、オフセット用シリンダ25のピストンロッド73の先端部73aを取り付けるためのピストン側取付ブラケット76を設けているため、同ピストン側取付ブラケット76にピストンロッド73の先端部73aを取付ピン77を介して取り付けると共に、メインフレーム20の右側の固定側フレーム形成片31に設けた本体側取付ブラケット74に、取付ピン75を介してシリンダ本体72の左側端部72aを取り付けることにより、同オフセット用シリンダ25を簡単にかつ確実に取り付けることができる。
【0100】
そして、取付フランジ117には、円周方向に一定の間隔を開けて複数(本実施の形態では六個)のボルト挿通孔120を形成する一方、前記サイドサポート22の上部に設けた取付体受部56に、上記各ボルト挿通孔120と符合する複数(本実施の形態では六個)のボルト孔121を形成している。
【0101】
このようにして、両孔120,121を符合させると共に、取付ボルト122を螺着することにより、サイドサポート22の取付体受部56に取付フランジ117を着脱自在に取り付けている。
【0102】
また、仮止め・固定部119は、本実施の形態では、後方伸延片118の後端部に仮止め孔123,123と固定孔124,124とを同一円周上に配置して形成している。
【0103】
そして、前記したサブフレーム24の右側連結体62に設けた植え込みボルト64,64の先端部に仮止め孔123,123を嵌合させることにより、固定孔124,124と右側連結体62に設けた固定ボルト孔68,68とが符合するようにしている。
【0104】
このようにして、仮止め孔123,123を嵌合させ植え込みボルト64,64の先端部に、ナット136,136を螺着すると共に、両孔124,124,67,67に固定ボルト66,66を螺着することにより、サブフレーム24の右側連結体62に仮止め・固定部119を着脱自在に取り付けている。
【0105】
なお、本実施の形態では、サブフレーム24の右側連結体62に植え込みボルト64を設ける一方、仮止め・固定部119に仮止め孔113を形成しているが、右側連結体62に仮止め孔113を形成する一方、仮止め・固定部119に植え込みボルト64を設けることもできる。
【0106】
また、右側取付体71には、ストッパー片125を設けて、同ストッパー片125を固定側フレーム形成片31の右側端面31bに当接させてスライド規制を行うようにしている。
【0107】
ここで、ストッパー片125は、当接支持片116の内側面に複数(本実施の形態では三個)設けており、同当接支持片116の内側面に基端面を溶接して、左側方へ片持ち状態に突出させると共に、固定側フレーム形成片31の右側端面31bに対向状態にて周方向に沿わせて均等に配置している。
【0108】
このようにして、三個のストッパー片125,125,125の先端部を、固定側フレーム形成片31の右側端面31bに均等に当接させて左側方へのスライド規制を行うようにしている。
【0109】
従って、右側取付体71や固定側フレーム形成片31の右側端面31bが損傷等されるという不具合の発生を防止することができる。
【0110】
しかも、固定側フレーム形成片31の右側端面31bに対して三個のストッパー片125,125,125が均等に当接してスライド規制がなされるようにしているため、右側取付体71に偏倚荷重が作用して、右側取付体71に撓み等が生じるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0111】
本実施の形態に係るロータリ耕耘装置Aは、上記のように構成しているものであり、以下に、図2、図3及び図4を参照しながらロータリ耕耘装置Aの組み付け手順の一例について説明する。
【0112】
(1)予め左側取付体70の嵌合片106に左側の可動側フレーム形成片32の左側端部を嵌合すると共に、溶接して固定しておく。
【0113】
また、予め右側取付体71の当接支持片116に右側の可動側フレーム形成片32の右側端面を当接させると共に、溶接して固定しておく。
【0114】
(2)左側の固定側フレーム形成片31の左側端部に、左側の可動側フレーム形成片32の右側端部を挿入する。
【0115】
(3)左側端部軸形成片52aを組み付けた伝動ケース21の上部軸受部50を、左側取付体70の取付フランジ107に、取付ボルト112により取り付ける(きつく締める)。
【0116】
(4)伝動軸39を伝動ケース21に設けた孔部→左側取付体70の嵌合片106中→左側の可動側フレーム形成片32中→固定側フレーム形成片31中→中央部フレーム形成片30中に挿通して、同中央部フレーム形成片30に設けた伝動軸支持片35に伝動軸39の右側端部39aを支持させる。
【0117】
(5)右側の固定側フレーム形成片31の右側端部に、右側の可動側フレーム形成片32の左側端部を挿入する。
【0118】
(6)右側端部軸形成片52cを組み付けたサイドサポート22の取付体受部56を右側取付体71の当接支持片116に、取付ボルト120により取り付ける(きつく締める)。
【0119】
(7)左・右側の固定側フレーム形成片31,31に、左右一対のスライド支持体69,69を介してサブフレーム24を取り付ける。
【0120】
(8)左側取付体70の仮止め・固定部109に設けた仮止め孔113,113を、サブフレーム24の左側連結体61に設けた植え込みボルト63,63の先端部に嵌合し、各植え込みボルト63,63の先端部にナット126,126を螺着して仮止めする。この際、ナット126は緩めに締め付けておく。
【0121】
(9)かかる状態にて符合している固定孔114,114と固定ボルト孔67,67中に固定ボルト65,65を螺着する。この際、固定ボルト65は緩めに締め付けておく。
【0122】
(10)右側取付体71の仮止め・固定部119に設けた仮止め孔123,123を、サブフレーム24の右側連結体62に設けた植え込みボルト64,64の先端部に嵌合し、各植え込みボルト64,64の先端部にナット136,136を螺着して仮止めする。この際、ナット136は緩めに締め付けておく。
【0123】
(11)かかる状態にて符合している固定孔124,124と固定ボルト孔68,68中に固定ボルト66,66を螺着する。この際、固定ボルト66は緩めに締め付けておく。
【0124】
(12)左側出力軸体52aに設けた左側連結フランジ52dと、右側端出力軸体52cに設けた右側連結フランジ52eとに、耕耘軸52の左右側端部にそれぞれ設けた左・右連結フランジ52f,52gを対向状態に面接触させると共に、連結ボルト52h,52iにより連結する。
【0125】
(13)緩めに締め付けていたナット126,136や固定ボルト65,66をきつく締める。
【0126】
(14)右側の固定側フレーム形成片31に設けた本体側取付ブラケット74に、取付ピン75を介してシリンダ本体72の左側端部72aを取り付けると共に、右側取付体71に設けたピストン側取付ブラケット76にピストンロッド73の先端部73aを取付ピン77を介して取り付ける。
【0127】
(15)耕深調節支持フレーム16、耕深調節部17、スタンド18、ロータリカバー19、リヤカバー26、ハンガーロッド27、及び、サイドカバー28等を取り付ける。
【0128】
このようにして、各構成部材の連結・組み付け作業を簡単にかつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明に係るロータリ耕耘装置を連結したトラクタの側面図。
【図2】同ロータリ耕耘装置の側面図。
【図3】同ロータリ耕耘装置の一部切欠平面説明図。
【図4】メインフレームとスライド支持体の断面平面説明図。
【図5】図4のI-I線断面図。
【図6】図4のII-II線断面図。
【図7】図6のX矢視図。
【図8】図4のIII-III線断面図。
【図9】スライド支持本体の断面平面説明図。
【図10】左側取付体の取付状態右側説明図。
【図11】同左側取付体の取付状態断面平面説明図。
【図12】右側取付体の取付状態左側説明図。
【図13】同右側取付体の取付状態断面平面説明図。
【符号の説明】
【0130】
A ロータリ耕耘装置
20 メインフレーム
21 伝動ケース
22 サイドサポート
23 ロータリ耕耘部
24 サブフレーム
25 オフセット用シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右方向に伸延して伝動機能を有するメインフレームと、同メインフレームの一側端部に上端部を連動連結して下方へ伸延する伝動ケースと、上記メインフレームの他側端部に上端部を連結して下方へ伸延するサイドサポートと、同サイドサポートの下端部と上記伝動ケースの下端部との間に架設したロータリ耕耘部とを具備するロータリ耕耘装置において、
メインフレームは、左右方向に伸延する固定側フレーム形成片と、同固定側フレーム形成片の左右側端部にそれぞれ左右スライド自在に嵌入させた可動側フレーム形成片とを具備し、
固定側フレーム形成片にスライド支持体を介して左右方向に伸延するサブフレームを左右スライド自在に支持させ、同サブフレームの左右側端部をそれぞれ伝動ケースとサイドサポートに取り付けて、メインフレームの可動側フレーム形成片を左右スライド作動させることにより、サブフレームと伝動ケースとサイドサポートとを介してロータリ耕耘部を左右方向にオフセット可能となすと共に、
伝動ケースは、一側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各一側端部に一体的に取り付ける一方、
サイドサポートは、他側取付体を介してメインフレームの可動側フレーム形成片とサブフレームの各他側端部に一体的に取り付け、
各取付体には、ストッパー片を設けて、同ストッパー片を固定側フレーム形成片の端面に当接させてスライド規制を行うようにしたことを特徴とするロータリ耕耘装置。
【請求項2】
ストッパー片は、固定側フレーム形成片の端面に沿わせて周方向に均等に複数配置したことを特徴とする請求項1記載のロータリ耕耘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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