説明

乗用芝刈機

【課題】モーア駆動系と走行系への動力伝達系統を比較的単純化して小型化した乗用芝刈機を提供すること。
【解決手段】車体2の左右一側の前後方向に沿って設けた伝動軸27などによりエンジンクランクプーリ23からの動力を伝達し、カウンタ伝動ケース29の縦軸30からの出力を後方の走行用変速装置33に伝達する走行伝動系31,35,36と、カウンタ伝動ケース29の横軸40からの出力をカウンタ伝動ケース29の前方に設けたモーア伝動系41,42,44,45,53,54a,54bに伝達させる乗用芝刈機である。
モーア7の上部空間にエンジン動力伝動系24,25,27を配置する必要がなく、かさ張ることなくカウンタ伝動ケース29を介して走行伝動系31,35,36とモーア伝動系41,42,44,45,53,54の両方に分岐出力でき、伝動構成を簡素化できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用芝刈機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、前輪と後輪を備えた走行車体の腹部に2枚の刈刃を覆うモアデッキを昇降自在に設け、走行車体の後部に集草用のコレクタを装着し、モアデッキとコレクタとをシュータを介して連接した乗用芝刈機が知られている。
【0003】
特開2005−237218号公報には、モーアへの動力伝動はエンジンのクランクプーリからエンジンの下方に向けて行われ、走行系への動力伝動はエンジンから後方に向けて出力する出力軸によって静油圧式無段変速装置(HSTということがある)へ行われることが開示されている。
【0004】
特開2006−6168号公報には、エンジンから後方に向けて駆動力を出力する出力軸によって伝動ケースに伝達し、該伝動軸から走行系とモーア駆動系へそれぞれ出力がされる構成が開示されている。
【特許文献1】特開2005−237218号公報
【特許文献2】特開2006−6168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2記載の乗用芝刈機にあっては、エンジンからの動力をモーア駆動系と走行系とに分けて伝達する動力伝動系には伝動シャフトとギア機構を用いた構成を採用している。
しかし、モーア駆動系への動力伝達系統が比較的複雑であり、乗用芝刈機の小型化が満足すべき段階にはない。
そこで本発明の課題は、モーア駆動系と走行系への動力伝達系統を比較的単純化して小型化した乗用芝刈機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、走行車体(2)上の前方部位に設けたエンジン(6)と、走行車体(2)上の後方部位に設けた走行用変速装置(33)と、左右一対の前後輪(3,4)を備えた走行車体(2)の腹部に昇降自在に設けたモーア(7)と、走行車体(2)後部に装着した集草用のコレクタ(10)と、前記モーア(7)とコレクタ(10)とを連接するシュータ(13)を備えた乗用芝刈機であって、エンジン(6)からの動力を伝達する車体(2)の左右一側の前後方向に沿って設けたエンジン動力伝動系(24,25,27)と、該エンジン動力伝動系(24,25,27)からの動力を入力し、縦軸(30)と横軸(40)に出力する車体後方に設けたカウンタ伝動ケース(29)と、該カウンタ伝動ケース(29)の縦軸(30)からの出力を走行用変速装置(33)に伝達する走行伝動系(31,35,36)と、前記カウンタ伝動ケース(29)の横軸(40)からの出力をモーア(7)に伝動するモーア伝動系(41,42,44,45,53,54a,54b)とを備えた乗用芝刈機である。
【0007】
請求項2記載の発明は、カウンタ伝動ケース(29)と走行系変速装置(33)を車体(2)の左右いずれかの同じ側の一側に配置し、車体(2)の左右の他方の側の一側にシュータ(13)を配置した請求項1記載の乗用芝刈機である。
【0008】
請求項3記載の発明は、カウンタ伝動ケース(29)とモーア(7)の入力伝動ケース(42)との間に動力伝達用のベルト(45a,45b)を設け、該ベルト(45a,45b)の張力確保用のテンションプーリ(53)と2段アイドルプーリ(54a,54b)を設けた請求項1記載の乗用芝刈機である。
【0009】
請求項4記載の発明は、モーア(7)に進行方向左右一対の刈刃(47,47)を設け、該一対の刈刃(47,47)にはそれぞれ対応する各入力伝動ケース(57,42)から動力が伝達され、カウンタ伝動ケース(29)から動力伝達される一方のモーア入力伝動ケース(42)と他方の入力伝動ケース(57)は伝動軸(46)で連結される請求項3記載の乗用芝刈機である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、カウンタ伝動ケース(29)に向けてエンジン動力伝動系(24,25,27)を車体(2)の一側に配置するため、モーア(7)の上部空間にエンジン動力伝動系(24,25,27)を配置する必要がなく、かさ張らない。なお、カウンタ伝動ケース(29)を介して走行伝動系(31,35,36)とモーア伝動系(41,42,44,45,53,54a,54b)の両方に分岐出力でき、伝動構成を簡素化できる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、カウンタ伝動ケース(29)と走行系変速機構(33)とを接近して配置できるため、両者をコンパクトに構成でき、反対側にシュータ(13)などの芝草排出空間を確保できる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、モーア(7)の昇降位置に関係なくベルト張力を確保することができる。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、左右一対の刈刃(47,47)の伝動構成がシンプルな構成となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、この発明を具備した乗用芝刈機について説明する。
最初に乗用芝刈機の全体構成について説明する。図1に全体左側面図、図2にコレクタを外した全体平面図を示す。
なお、本明細書において、乗用芝刈機1の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左右と言い、前進方向を前、後進方向を後ろと言う。
また、図3に図1の乗用芝刈機のモーア部分の動力伝達系の側面図、図4に図1の乗用芝刈機の背面図、図5に図1の乗用芝刈機のモーアへの動力入力系の平面図を示す。
【0015】
乗用芝刈機1は、車体前部のボンネット5内にエンジン6を内装し、車体(シャーシ)2の前部に左右前輪3,3を備え、車体2の後部に左右後輪4,4を備える構成となっている。また前輪3,3の上方の車体2にはエンジン6が搭載され、車体2の下方にはモーア7が配置されている。また車体2の後部上方には操縦席9が設けられ、さらに、車体2の後端部にはコレクタ10が取り付けられており、該コレクタ10とモーア7の覆いであるモアデッキ11を接続するシュータ13が配置されている。
【0016】
また、燃料タンク14が操縦席9の両サイドのフェンダ15、15の間の下方に配置されている。ステアリングハンドル16はボンネット5の後方のハンドルポスト18に取り付けられている。
【0017】
図1、図2に示すように、エンジン6のクランクシャフト20からプーリ23、伝動ベルト24及びプーリ25を経由して回転連動する伝動軸27は、前後方向に配置される車体(シャーシ)2の一側に沿わせて配置され、後続のカウンタ伝動ケース29の入力軸29aに接続される。
【0018】
カウンタ伝動ケース29内に入力された動力はカウンタ伝動ケース29からモーア7の駆動系と後述する変速装置などの前後輪3,4を駆動する走行系に伝達される。
【0019】
すなわち、カウンタ伝動ケース29から突出して設けられた縦軸30に設けたプーリ31と該カウンタ伝動ケース29の後方に設けた走行系の静油圧式無段変速装置(HST)33の入力軸(ポンプ軸)34に設けたプーリ35の間にベルト36を掛け渡して該HST33を駆動させ、該HST33からミッションケース38内の歯車式変速装置(図示せず)に入力され、該変速装置から前輪3及び/又は後輪4に動力が出力される。これらHST33と図外歯車式変速装置をもって走行系変速装置を構成している。
【0020】
またカウンタ伝動ケース29から突出した横軸40に設けたプーリ41とカウンタ伝動ケース29の前方のモーア7への入力伝動ケース42の入力軸43に設けたプーリ44の間にベルト45を掛け渡してモーア7の刈刃47を駆動させる。
【0021】
伝動軸27をモーア7と走行車輪3,4の駆動用に、カウンタ伝動ケース29に向けて車体2の一側に配置するため、モーア7の上部空間に伝動軸27を配置する必要がなくなり、モーア装着部が高さ方向にも嵩張らない。また前記カウンタ伝動ケース29を介して走行系とモーア駆動系の両方に分岐出力でき、エンジン6からの動力伝動構成を簡素化できる。
また、車体2の一側にカウンタ伝動ケース29とHST33を接近して配置できるため、両者をコンパクトに構成でき、車体2の反対側に芝草排出空間を確保できる。
【0022】
また、モーア7の左右のデッキ11,11の中央部に設けた排出ダクト50はシュータ13に接続しているが、排出ダクト50は車両の前後方向の中央軸心に対して左側後方に傾斜した方向に向けられており、車両後方右側にはHST33などの変速装置が配置できる空間を確保している。
【0023】
また、排出ダクト50を前記したように左側後方に向けて傾斜して配置したため、モーア7のデッキ11は車両の左右方向に並列配置できるので、排出ダクト50を前後方向の軸心に沿って配置した場合に比較してホイールベースを短くでき、車両の小型化が図れる。
【0024】
またモーア7のデッキ11を車両の前後方向の軸心に対して直交する左右方向に並列配置できるので、2つのモアデッキ11を接続した中央部で一対の刈刃47のオーバーラップ量を多く設定でき、芝草などの刈残し半径を小さくできる。
【0025】
図3のモーア駆動系部分の右側面図と図5のモーア7への動力入力系の平面断面図を示すように、カウンタ伝動ケース29とモーア7の入力伝動ケース42との間をベルト45で伝動する構成するとともに、テンションプーリ53と2段アイドルプーリ54a,54bを設けている。
【0026】
すなわち、カウンタ伝動ケース29の横軸40から伝動ベルト45a及び中間軸55を介してモーア7を駆動させる構成であり、横軸40にはプーリ41が設けられている。また車体2に設けられた中間軸55に第1カウンタプーリ56aと第2カウンタプーリ56bが連設されている。前記プーリ41と第1カウンタプーリ56aと第2カウンタプーリ56bの間に伝動ベルト45aを張設し、第2カウンタプーリ56bとモーア7側の入力プーリ44との間に伝動ベルト45bを張設している。
【0027】
上記伝動ベルト45aはテンションプーリ53によって緊張・弛緩される構成で、動力入り切りできる構成となっていて、図外のPTOクラッチレバー操作によってモーア7への伝動を入り切りする。
【0028】
また、伝動ベルト45bは下部側が機体に対して揺動自在に連結されたブラケット54の2段アイドルプーリ54a,54bにより適度に緊張を保っている。すなわち、ブラケット54の枢支部にばね58を巻き掛けてあり、2段アイドルプーリ54a,54bはばね58で付勢され、モーア7が下降状態(図3の実線位置)では2段アイドルプーリ54a,54bの片側のアイドルプーリ54aがベルト45bに接触して緊張するが、モーア7が上昇状態(図3の二点鎖線位置)では双方の2段アイドルプーリ54a,54bがベルト45bに接触して緊張する。
【0029】
なお、2段アイドルプーリ54a,54bによるベルト45bの緊張は、駆動動力の伝動の入り切りを司るほどのものではなく、伝動ベルト45bが2段アイドルプーリ54a,54bからの脱落を防止する程度の緊張を意図している。
【0030】
モーア入力伝動ケース42の入力軸43に固着した入力プーリ44を介して入力された駆動力は、モーア入力伝動ケース42内の図示しない駆動軸に設けたベベルギア機構を介して右側の刈刃47の駆動軸に伝達され、伝動軸46を介して左側の刈刃47の駆動軸が収納された入力伝動ケース57内の左側の刈刃47の駆動軸に伝達される構成である。
なお、左右の刈刃47,47は90度の位相差を保ちながら同時に回転するように前記伝動機構が構成されている。
【0031】
上記構成で2段アイドルプーリ54a,54bとベルト45を用いてエンジン動力はモーア7の刈刃47,47に伝達されるので、モーア7の昇降位置に関係なくベルト45bの張力を確保することができる。
【0032】
図2などの平面図に示すようにモーア7の左右後側のゲージ輪7b,7bと芝草排出ダクト50の先端が略同一平面上となるように設けている。このため、図6に示すようにモーア7の刈刃47の交換等のメンテナンス時にモーア7の左右後側のゲージ輪7b,7bと芝草排出ダクト50の先端を地面に接地させた状態で安定良く、モアデッキ11を立て掛けることができる。
【0033】
次に、モーア7の構成について説明する。
モーア7のモアデッキ11は、左右2枚の刈刃47,47を覆う平面視略8の字形状の左右対称のハウジングであり、各刈刃47,47は互いに逆方向に回転する構成となっている。また左右のモアデッキ11,11には各刈刃47,47の回転方向に沿うように排出通路11a,11aが形成され、その排出通路11a,11aの終端部が左右中央部で合流し、斜め後ろ向きに傾斜した排出ダクト50を形成しており、該ダクト50の後端部はシュータ13の前端部に接続され、芝草類がシュータ13に送り込まれるように構成されている。
【0034】
また図1に示すように、前記走行車体2の下腹部にはモアデッキ11の先端部を連結した第1支持リンク59aとモアデッキ11の後部を連結した第2支持リンク59bが設けられていて、平行リンク機構59によりモアデッキ11は昇降自在に支持されている。モアデッキ11には前後に左右一対のゲージ輪7a,7bが設けられていて、後側のゲージ輪7bは高さを調節できる構成となっている。
【0035】
前述のように、エンジン6の回転動力を回転各部に伝達すると、左右の刈刃47,47が互いに逆方向に回転され、刈刃47,47により所定の刈高さで刈り取られた芝草類はモアデッキ11内の左右の排出通路11a,11aを通じて後側のシュータ13に放出され、シュータ13を経てコレクタ10に収容される。コレクタ10が芝草類で満杯になると、油圧操作レバーを操作して昇降シリンダ(図示せず)を伸長してコレクタ10を上昇回動して芝草類を落下放出する。
【0036】
次に、図7のシュータ部分の側面図に基づきシュータ13内のコレクタ10側の底部を二段の開閉式板とし、それらの開閉機構の構成について説明する。
シュータ13内のコレクタ10側の底板の一部はシュータ13端部に接続した第1底板62と該第1底板62に連続した第2底板63からなり、第1底板62の回動支点62aは第2底板63の接続部に設けられ、第2底板63の回動支点63aはコレクタ10との接続部に設けられている。前記第2底板63の回動支点63aには第2底板63と一体の回動アーム72の先端部が回動自在に連結されている。また、操縦席9の左側部下方に配置された開閉レバー64の基部に長孔65aと長孔65bを有する板材65が取り付けられている。
【0037】
前記第1底板62の回動支点62aの近傍にある第1底板側部62bと板材65の長孔65aとの間にはそれぞれ両端が回動自在に連結したリンク66が配置されている。また第2底板63と一体の回動アーム72の端部と板材65の長孔65bとの間にはそれぞれ両端が回動自在に連結したリンク68が配置されている。板材65の長孔65a側には、リンク66に該リンク66の長手方向に付勢されるバネ69を内蔵した調節ロッド70が螺合されており、該調節ロッド70の先端が板材65の長孔65aに摺動自在に係止されている。また板材65の長孔65b側には、リンク68に調節ロッド71が螺合されており、該調節ロッド71の先端が板材65の長孔65bに摺動自在に係止されている。
【0038】
上記構成において、まず、開閉レバー64を矢印a方向に引くと、まず該開閉レバー64の基部に取り付けた板材65の長孔65aに係止された調節ロッド70とリンク66の組合わせから先に第1底板62を回動支点62aを中心に矢印b方向に回動させる。この第1底板62の回動で第1底板62上に堆積した芝草を第2底板63側に移動させる。
【0039】
さらに、開閉レバー64を矢印a方向に引き、板材65の長孔65bに螺合された調節ロッド71の先端が長孔65bによる非作動範囲を過ぎると調節ロッド71とリンク68と回動アーム72との組合わせからなるリンク機構が第2底板63を回動支点63aを中心に矢印c方向に回動させ、第2底板63上に溜まった芝草をコレクタ10内に跳ね出す。
【0040】
第2底板63が回動している間には、調節ロッド70とリンク66との間に介在するバネ69の圧縮で第1底板62は所定の起立姿勢を維持しながら停止しており、後続の芝草の第2底板63側への移行が制限される。こうして第1底板62と第2底板63上の芝草はコレクタ10側に搬送される。
【0041】
次いで、リンク68に螺合する調整ロッド71の螺合位置を調整してリンク68と調整ロッド71からなる全長を短く設定しておくと、調整ロッド71が板材65の長孔65bに係止する位置が予め下がってくる。
【0042】
この状態で開閉レバー64を引くと、第1底板62及び第2底板63は略同時に(又は前記調整ロッド71の螺合位置と調整ロッド70の螺合位置の設定によっては、第2底板63を先に)矢印b方向及び矢印c方向に回動し、前記第2底板63を開放状態にさせるため、第1底板62上の芝草は第2底板63の開放された開放空間から下方に排出される。
【0043】
このように構成すると、コレクタ10に収容せず芝草を機外排出するため、詰まり現象を早期に解消できる。
また、第1底板62上に堆積した芝草は、第2底板63が開いた時にできる空間から地面に芝草を落下できる。
こうして芝草が詰まり易いシュータ部分での芝草の除去が、容易に確実に行える。
【0044】
なお、コレクタ10は、機体後部に左右方向の軸73によって支持され、シュータ13からの芝草を受け入れ可能な状態から該軸73回りに回動して前側解放部から芝草を排出する状態に切り換わる構成である。コレクタ10の前端には操作レバー106を備え、この操作レバー106を上方に引き出して前方に倒し操作することによって、コレクタ10全体を軸73回りに回動することができる構成である。なお、ダンパ105はコレクタ10の回動を補助する部材である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、小型乗用芝刈機として産業上の利用可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例の乗用芝刈機の左側面図である。
【図2】本発明の一実施例の乗用芝刈機の車体(コレクタなし)から下方の平面図である。
【図3】本発明の一実施例の乗用芝刈機のモーア部分の動力伝達系の右側面図である。
【図4】本発明の一実施例の乗用芝刈機の背面図である。
【図5】本発明の一実施例の乗用芝刈機のモーアへの動力入力系を示す平面図である。
【図6】図1の乗用芝刈機のモアデッキを地面に立て起こした状態の側面図である。
【図7】図1の乗用芝刈機のシュータとコレクタの接続部の底板連動機構の説明用側面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 乗用芝刈機 2 車体
3 前輪 4 後輪
5 ボンネット 6 エンジン
7 モーア 7a,7b ゲージ輪
9 操縦席 10 コレクタ
11 モアデッキ 11a 排出通路
13 シュータ 14 燃料タンク
15 フェンダ 16 ステアリングハンドル
18 ハンドルポスト 20 クランクシャフト
23 エンジンクランクプーリ 24 伝動ベルト
25 プーリ 27 伝動軸
29 カウンタ伝動ケース 29a 入力軸
30 縦軸 31 プーリ
33 静油圧式無段変速装置(HST)
34 入力軸(ポンプ軸) 35 プーリ
36 ベルト 38 ミッションケース
40 横軸 41 プーリ
42 入力伝動ケース 43 入力軸
44 入力プーリ 45,45a,45b 伝動ベルト
46 伝動軸 47 刈刃
50 排出ダクト 53 テンションプーリ
54a,54b 2段アイドルプーリ
55 中間軸 56a 第1カウンタプーリ
56b 第2カウンタプーリ 57 入力伝動ケース
58 常時ばね 59 平行リンク機構
59a 第1支持リンク 59b 第2支持リンク
62 第1底板 62a 回動支点
62b 第1底板側部 63 第2底板
63a 回動支点 63b 第2底板側部
64 開閉レバー 65 板材
65a,65b 長孔 66 リンク
68 リンク 69 バネ
70 調節ロッド 71 調節ロッド
72 回動アーム 73 軸
105 ダンパ 106 操作レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(2)上の前方部位に設けたエンジン(6)と、
走行車体(2)上の後方部位に設けた走行用変速装置(33)と、
左右一対の前後輪(3,4)を備えた走行車体(2)の腹部に昇降自在に設けたモーア(7)と、
走行車体(2)後部に装着した集草用のコレクタ(10)と、
前記モーア(7)とコレクタ(10)とを連接するシュータ(13)を備えた乗用芝刈機であって、
エンジン(6)からの動力を伝達する車体(2)の左右一側の前後方向に沿って設けたエンジン動力伝動系(24,25,27)と、
該エンジン動力伝動系(24,25,27)からの動力を入力し、縦軸(30)と横軸(40)に出力する車体後方に設けたカウンタ伝動ケース(29)と、
該カウンタ伝動ケース(29)の縦軸(30)からの出力を走行用変速装置(33)に伝達する走行伝動系(31,35,36)と、
前記カウンタ伝動ケース(29)の横軸(40)からの出力をモーア(7)に伝動するモーア伝動系(41,42,44,45,53,54a,54b)と
を備えたことを特徴とする乗用芝刈機。
【請求項2】
カウンタ伝動ケース(29)と走行系変速装置(33)を車体(2)の左右いずれかの同じ側の一側に配置し、車体(2)の左右の他方の側の一側にシュータ(13)を配置したことを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。
【請求項3】
カウンタ伝動ケース(29)とモーア(7)の入力伝動ケース(42)との間に動力伝達用のベルト(45a,45b)を設け、該ベルト(45a,45b)の張力確保用のテンションプーリ(53)と2段アイドルプーリ(54a,54b)を設けたことを特徴とする請求項1記載の乗用芝刈機。
【請求項4】
モーア(7)に進行方向左右一対の刈刃(47,47)を設け、該一対の刈刃(47,47)にはそれぞれ対応する各入力伝動ケース(57,42)から動力が伝達され、カウンタ伝動ケース(29)から動力伝達される一方のモーア入力伝動ケース(42)と他方の入力伝動ケース(57)は伝動軸(46)で連結されることを特徴とする請求項3記載の乗用芝刈機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−206468(P2008−206468A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−47479(P2007−47479)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】