説明

作業車輌の走行装置

【課題】走行車速を変速する主変速レバーの操作荷重を軽減すると共に、該主変速レバーが設定操作位置から自然に移動することを防止する。
【解決手段】走行用のミッションケース(4)と、該ミッションケース(4)に設ける油圧式無段変速装置(5)と、該油圧式無段変速装置(5)を操作する主変速レバー(6)と、該主変速レバー(6)を左右回動自在に装着する前後回動自在な主変速アーム(7)とを設ける。そして、主変速アーム(7)における前後回動中心(イ)の前方部に主変速レバー(6)の左右回動中心(ロ)を設け、該主変速レバー(6)の前方部にアシスト用スプリング(7a)を設けて、該アシスト用スプリング(7a)の弾発力を該主変速アーム(7)の前後回動中心(イ)側に向けて作用すべく構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車輌の走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばコンバインで立毛穀稈を収穫するときは、走行車台の下側の左右一対の走行クローラを回転駆動させて、圃場面をこれら各走行クローラを走行させ、穀稈を刈取り、及び刈取穀稈を脱穀し、脱穀済みで選別済みの穀粒を、このコンバインの所定位置に一時貯留する。
【0003】
このコンバインの走行装置として、例えば特許文献1には、走行クローラ回転駆動用の走行ミッションケース内に設けた変速機構を変速操作する副変速レバーと、該走行ミッションケースに設けた油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバーとを設ける技術が記載されている。このコンバインで立毛穀稈の収穫作業を行なう時には、これら両レバーを所定位置へ回動移動操作して、穀稈の収穫作業を開始する。
【特許文献1】特開2003−2080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、主・副変速レバーに操作力をアシストする機構が備えられておらず、例えば主変速レバーを中立位置から前進側へ増速操作して作業を開始する場合に、この操作荷重が大きいために、老人や女性には操作しにくいものとなっている。また、このように特に中立位置付近での操作荷重が大きいために、車速を微調整することが難しい欠点がある。また、この変速レバーの操作力をアシストする機構として、電動モータや油圧シリンダの推力を利用することも考えられるが、コストが高くなって安価に提供できなくなる問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、左右一対の走行クローラ(3a)を回転駆動する走行用のミッションケース(4)と、該ミッションケース(4)に設けて走行車速を変速することのできる油圧式無段変速装置(5)と、該油圧式無段変速装置(5)を操作する主変速レバー(6)と、該主変速レバー(6)を左右回動自在に装着する前後回動自在な主変速アーム(7)とを設け、該主変速アーム(7)における前後回動中心(イ)の前方部に主変速レバー(6)の左右回動中心(ロ)を設け、該主変速レバー(6)の前方部にアシスト用スプリング(7a)を設けて、該アシスト用スプリング(7a)の弾発力を該主変速アーム(7)の前後回動中心(イ)側に向けて作用すべく構成したことを特徴とする作業車輌の走行装置としたものである。
【0006】
請求項2に記載の発明においては、前記ミッションケース(4)内に設けた駆車ブレーキ機構(4c)を解除する駆車ブレーキ解除装置(5a)を、主変速アーム(7)の前後回動中心(イ)と主変速レバー(6)との間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車輌の走行装置としたものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明においては、アシスト用スプリング7aにより、主変速レバー7の操作荷重の低減を図ることができる。又、該アシスト用スプリング7aの弾発力を、主変速アーム7の前後回動中心(イ)に向けて作用させることにより、該主変速レバー6の左右回動中心(ロ)部が左右方向に移動することを防止でき、この主変速レバー6を安定した位置に保持して適正な操作を行なうことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、上記請求項1記載の発明の効果に加え、駆車ブレーキ解除操作時に主変速レバー(6)の左右回動中心(ロ)部が左右方向に移動することを防止でき、この主変速レバー(6)を安定した位置保持して駐車ブレーキの解除操作を適正に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の下側に走行装置3を設け、この走行装置3には、左右一対の走行クローラ3aを設け、この各走行クローラ3aを回転駆動する走行用のミッションケース4を、該走行車台2の前端部へ装着して設けている。又、該ミッションケース4の一方側には、走行車速を変速する油圧式無段変速装置5を設け、この注圧無段変則装置5を操作する主変速レバー6と、この主変速レバー6を装着する回動自在な主変速アーム7等とを、操作装置17の近傍部に設けている。
【0010】
又、前記走行車台2の前方部には、立毛穀稈を刈取りする刈取装置8を設け、該走行車台2の上側面には、刈取り穀稈の供給を受けて脱穀する脱穀装置9を載置している。
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図4で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを張設した走行装置3を配設し、走行車台2の上側面に脱穀装置9を載置している。走行車台2の前方部の刈取装置8で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、該脱穀装置9のフィードチェン10aと、挟持杆10bとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀装置9の右横側へ配設した穀粒貯留タンク11内へ供給され、一時貯留される。
【0011】
前記走行車台2の前方部には、図4で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド12a、及び分草体12bと、立毛穀稈を引起す引起装置12cと、引起された穀稈を掻込み移送する穀稈掻込移送装置13の各掻込装置13aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置12dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀装置9のフィードチェン10aと、挟持杆10bとへ受渡しする穀稈掻込移送装置13の根元・根先移送装置14a、14b等からなる刈取装置8を設けている。該刈取装置8は、油圧駆動による伸縮シリンダ15により、土壌面に対して昇降する。
【0012】
前記刈取装置8の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆16aの上端部に設ける支持パイプ杆16bを、走行車台2の上側面に設けた支持装置16cで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ15を作動させると支持杆16aと共に、刈取装置8が上下回動する。
【0013】
前記刈取装置8の穀稈掻込移送装置13によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀装置9への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ8aを設けている。
【0014】
前記穀粒貯留タンク11側の前部には、図4で示すように、コンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置17と、操縦席18とを設け、この操縦席18の下側にエンジン19を載置している。
【0015】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース4内には、内の伝動機構4aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ4bを設けている。更に、このミッションケース4の一側部には、走行車速を変更する油圧式無段変速装置5を装着している。
【0016】
前記穀粒貯留タンク11内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク11の後側には、図4で示すように、縦移送螺旋20aを内装した排出支持筒20を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒20の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋21aを伸縮自在に内装した排出オーガ21を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設している。
【0017】
前記主変速レバー6と、主変速アーム7との装着方法、及びこの主変速アーム7の回動機構等を主に図示して説明する。
走行車速を変速する前記ミッションケース4の一側部には、図4で示すように、コンバイン1の走行車速を変速する油圧式無段変速装置5を設けている。この油圧式無段変速装置5を操作する主変速レバー6は、図1〜図4で示すように、回動自在に軸支して設けた主変速アーム7に回動操作自在に軸支して設けている。
【0018】
前記主変速レバー6は、図1で示すように、操縦席18の前方左横に設けた操作装置17を経て、下端部にコ字形状の受板6aを固着して設け、この受板6aを主変速アーム7の略L字形状の主変速アーム板7bの上下方向の前方上端部に固着して設けた支持ボス6bの前後側に挿入し、ボルト、及びナット等により、装着すると共に、このボルトを左右回動中心(ロ)として、機体の前後方向を向いた軸芯を中心として左右に回動自在に設けている。
【0019】
前記主変速アーム7の主変速アーム板7bの前後回動中心(イ)の支持孔(7c)には、支持杆7dを支持する支持軸7eを挿入し、ナット等により、装着して設け、該主変速アーム7の主変速アーム板7bは、該支持軸7eを前後回動中心(イ)として、機体の左右方向を向いた軸芯を中心として前後回動自在に設けている。この主変速アーム板7bの支持軸7eの前後回動中心(イ)の前方部には、アシスト用スプリング7aの弾発力を該主変速アーム装置7の該主変速アーム7bに設けた支持軸7eの前後回動中心(イ)に向けて作用させる。
【0020】
図1、及び図2で示すように、前記主変速アーム7の主変速アーム7bの前部に設けた支持ピン7fに略T字形状に形成した支持板7hを挿入し、ヘアーピン7jで抜け止めを施している。左横側の操作装置17の外側面には、接続板6cを設け、この接続晩6cの後端部に取付板6dを設けている。この取付板6dの前側には、支持軸22aを装着した押え板22bをボルト、及びナット等で装着すると共に、この支持軸22aには、アシスト用スプリング7aと、座金22cを挿入し、この支持軸22aの後端部を支持板7hへ挿入して設け、これらアシスト用スプリング7aと座金22cとは、支持板7hと、接続板6cの取付板6dとの間に位置させて設けている。又、支持軸22aと、操作装置17の外側面との間には、スプリング22dを設けている。
【0021】
前記アシスト用スプリング7aの弾発力により、支持軸22aに挿入した支持板7hを介して、支持ピン7fが押され、主変速アーム7の主変速アーム板7bの前後回動中心(イ)である支持軸7eに向けて、この弾発力が作用する。
【0022】
前記主変速アーム7の主変速アーム板7bに設けた支持軸7eの前後回動中心(イ)の前方部に主変速レバー6の左右回動中心(ロ)を設けると共に、該主変速レバー6の前方部位置には、アシスト用スプリング7aを設け、このアシスト用スプリング7aの弾発力を該主変速アーム7の主変速アーム板7bに設けた支持軸7eの前後回動中心(イ)に向けて作用すべく設けたことにより、このアシスト用スプリング7aにより、該主変速アーム7の操作時荷重の低減を図ることができる。又、該アシスト用スプリング7aの弾発力を、該主変速アーム7の前後回動中心(イ)に向けて作用させることにより、この主変速レバー6の左右回動中心(ロ)が左右方向に移動することを防止でき、常に設定操作した位置にこの主変速レバー6を保持することができる。
【0023】
前記ミッションケース4には、図4で示すように、コンバイン1を停止操作し、その後は路上、又は圃場内に駆車させるときに、駐車ブレーキペダル(図示省略)を「切」操作すると、ミッションケース4の駐車ブレーキ機構4cを作動させ、左右の車軸を制動して走行停止状態に保持する駆車ブレーキ機構4cを内装している。この駆車ブレーキ機構4cを解除する駆車ブレーキ解除装置5aは、図1で示すように、主変速アーム装置7の前後回動中心(イ)と、主変速レバー6との間に位置させて(連結して)設けている。
【0024】
前記駆車ブレーキ解除装置5aは、駆車ブレーキ解除用ワイヤー5aであり、このブレーキ解除用ワイヤー5aの一方側の端部は、主変速レバー6を装着した受板6aの後側下部に設けた支持ピン6eへ挿入して設け、抜け止めを施している。又、他方側の端部は、ミッションケース4に内装した駆車ブレーキ機構4cに設けて、このミッションケース4の外側へ突出したアーム(図示せず)に装着している。
【0025】
前記ミッションケース4内に設けた駐車ブレーキ機構4cを解除する駐車ブレーキ解除装置5aは、主変速アーム7の前後回動中心(イ)と、主変速レバー6との間に設けたことにより、アシスト用スプリング7aにより、該主変速レバー6の操作荷重の低減を図ることができる。又、該主変速アーム7の前後回動中心(イ)の前方に該主変速レバー6の左右回動中心(ロ)を設け、該アシスト用スプリング7aの弾発力を、該主変速アーム7の前後回動中心(イ)に向けて作用させることで、この主変速アーム7には、このアシスト用スプリング7aの弾発力が作用し、駐車ブレーキ解除時に該主変速レバー6の左右回動中心(ロ)部が左右方向に移動することを防止でき、操作した位置にこの主変速レバー6を保持することができる。
【0026】
図5〜図7で示すように、前記主変速アーム7の主変速アーム板7bの底板の上側面には、上下方向に所定長さのストッパ23aを固着して設けると共に、この主変速アーム板7bの支持ボス6bに挿入する、主変速レバー6に装着した受板6aには、隙間調節用のボルト23bを挿入し、上下両側にナット23c、23cを螺挿入し、このボルト23bと、該ストッパ23aとの隙間がゼロになるように各ナット23cで調節し、主変速レバー6の外径部が、この主変速レバー6を挿入した操作装置17の操作溝17aに当接を防止している。
【0027】
これにより、前記主変速レバー6の中心位置を、操作装置17の操作溝17aの中心位置に調節が可能であり、当接を防止できる。
前記操縦席18の左側に設ける操作装置17には、図8〜図12で示すように、主変速レバー6を設け、この主変速レバー6の上部には、主変速レバーグリップ24を設けている。
【0028】
前記主変速レバーグリップ24は、円形のパイプ状で、略L字形状に形成し、上部の水平部(A)を握り部とし、L字形状の鉛直方向部(B)を操作部側に配設し、又、この鉛直方向部(B)に水平部(A)を握りながら操作可能な各種の「ON」―「OFF」スイッチ24dを複数個を設け、更に水平部(A)の左右両側には、前方に突出させて左・右アーム24a、24bを設けると共に、これら左・右アーム24a、24bの前方部には、前アーム24cを設けて接続させ、この前アーム24c部には、各種の操作ダイアル24e、及び各種の操作スイッチ24f等を複数個設けている。水平部(A)の握り巾(L1)の中心(L2)、(L2)の中心位置(ハ)と、主変速レバー6の中心位置(ニ)とは、略同じ位置にして設けている。
【0029】
前記上部の水平部(A)の左右方向略中央部には、この水平部(A)を握りながら手の平で押し操作ができる、下方へ突出する突出部24h部を、図9、図10、及び図12で示すように設けている。
【0030】
これにより、前記主変速レバー6を円周方向にしっかりと、丸ごと握った状態での親指操作で、スイッチ操作ができることにより、安全性、及び操作性の向上を図ることができる。又、該主変速レバー6の操作による、操作モーメントが、この主変速レバー6と、主変速レバーグリップ24の連結部に発生しないことにより、この主変速レバーグリップ24の強度が向上する。
【0031】
図9〜図11で示すように、前記上部の水平部(A)の横側で、前記鉛直方向部(B)の上部には、この水平部(A)を握りながら操作できるスイッチ25aを設けている。又、図12で示すように、主変速レバーグリップ24の外径部より、突出部24hを所定寸法(L3)外側に突出して設けている。更に、図11で示すように、この水平部(A)には、空間部25bを設けている。
【0032】
これらにより、前記スイッチ25aの操作が容易である。又、手のひらで主変速レバー6の操作可能であり、このために操作性が向上する。空間部25bを設けたことにより、この主変速レバー6を操作しながら、操作ダイヤル24e、及び操作スイッチ24fの操作が可能である。
【0033】
前記操縦席18の左側前方部に設けた操作装置17には、主変速レバー6を設け、この主変速レバー6の操作溝17aの近傍部には、図13、及び図14で示すように、上方へ突出する突出部17bを設けている。この突出部17bの下側には、該主変速レバー6を中立位置に保持する中立調整機構26を設けている。
【0034】
前記中立調整機構26は、操作装置17の突出部17bの下側面には、ストッパ26aを固着して設け、このストッパ26aにボルト23bを挿入すると共に、このボルト23bにはナット23c、23cを螺挿入し、この各ナット23cはストッパ26aの前後両側に位置させて設け、これらナット23c、23cの螺挿入位置により、該ボルト23bのストッパ26aからの突出量を調節して、主変速レバー6を中立位置に保持させる。
【0035】
これにより、前記主変速レバー6を中立位置に操作したときには、中立調整機構26の調整により、常に中立位置にこの主変速レバー6を保持することができる。
図15、及び図16で示すように、前記コンバイン1の刈取位置8は、支持パイプ杆16bを支持する支持装置16cを回動中心として、上下回動移動自在に設けている。
【0036】
前記刈取装置8には、刈取り穀稈を後方上部へ移送する穀稈掻込移送装置13の根元・穂先移送装置14a、14bを設け、この根元移送装置14aの下側には、移送される穀稈の有無を検出する穀稈センサ8aを設けている。刈取装置8を最下降位置に下降操作したときには、この刈取装置8と同時に、この根元移送移送装置14aも最下降位置に下降する。最下降位置に下降した該根元移送装置14aの下側には、株元ガイド27を設けている。
【0037】
前記株元ガイド27と、該根元移送装置14aを最下降位置に操作したときであっても、この根元移送装置14aの下側に設けた穀稈センサ8aとは、当接しない位置に設けている。又、この穀稈センサ8aのセンサアーム8bの下端部は、該株元ガイド27の下端部より、下方に位置させて設けている。
【0038】
これにより、前記刈取装置8と、脱穀装置9とは近接させた状態になることにより、機体1aの全長を短縮することができる。又、この刈取装置8の穀稈掻込移送装置13の移送始端部側を大きく下降させることができ、これにより、短稈適応性の向上を図ることができる。
【0039】
図17〜図19で示すように、伝動機構28aを内装した前下ギヤーケース28の前方部には、刈刃装置12dを受け、この刈刃装置12dの刈刃(図示せず)を左右方向に摺動移動させる摺動装置12eを、この刈刃装置12dに設けている。該前下ギヤーケース28から前方に突出した駆動軸29bは、伝動ケース29に内装した伝動機構29a内に設けている。この駆動軸29bには、該刈刃装置12dの左右に往復移動による加振力を低減するバランスウエイト30を軸支して設け、この駆動軸29bは偏芯させて設け、この駆動軸29bの前端部に設けた駆動具29cにより、該刈刃装置12dに設けた摺動装置12eを介して、この刈刃装置12dを左右に往復移動する。又、引起パイプ12fに設けたギヤーケース13bで掻込装置13aの掻込スターホイル13c等を回転自在に軸支している。
【0040】
前記バランスウエイト30は駆動軸29bに偏芯させて設け、前方部より見てこのバランスウエイト30の右側部を穀稈は移送される。又、回転方向は前方部より見て時計廻り(右廻り)に回転する。
【0041】
これにより、移送する穀稈の株元側の偏芯したバランスウエイト30が、株元を上から下に向けてしごくことになり、穀稈に付着する雑草を予め落とす効果がある。又、穀稈の移送時の詰りを防止できる。更に、脱穀性能の向上を図ることができる。
【0042】
前記支持パイプ杆16bの下端部の支持は、図20〜図23で示すように、伝動機構16dを軸支内装した、この支持パイプ杆16dの下端部に下支持メタル16eを挿入して設けている。この下支持メタル16eの下側には、刈取スライド支持フレーム装置31の支持フレームメタル31bを設け、この支持フレーム31bの一方側端部の下側には、略L字形状の支持杆31aの上端部を挿入して支持させると共に、この支持フレームメタル31bの下側には、伝動機構29aを内装した伝動ケース29を装着して設ける。該支持フレームメタル31bには、伝動軸31cを設け、この伝動軸31cを介して、該伝動ケース29に内装した該伝動機構29aを回転駆動する。
【0043】
前記伝動ケース29は、伝動機構28aを内装した前下ギヤーケース28の略中央部の取付部28bに装着し、この前下ギヤーケース28のこの伝動機構28aを回転駆動する。
【0044】
これにより、前記刈取スライド支持フレーム装置31を設けたことにより、部品点数の簡略化ができる。又、コスト低減を図ることができると共に、コンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】主変速レバー、及びアシスト用スプリングの取付部の拡大側面図
【図2】アシスト用スプリング取付部の平面図
【図3】主変速レバー操作時の側面図
【図4】コンバインの左側の全体側面図
【図5】主変速レバーの取付部の拡大側面図
【図6】操作装置と、主変速レバー部との平面図
【図7】操作装置と、主変速レバー部との背面図
【図8】操作装置と、主変速レバー部との平面図
【図9】主変速レバーと、主変速レバーグリップとの拡大平面図
【図10】主変速レバーと、主変速レバーグリップとの拡大側面図
【図11】主変速レバーグリップの拡大平面図
【図12】図9のS−S断面図
【図13】主変速レバーの中立調整機構の平面図
【図14】主変速レバーの中立調整機構の背断面図
【図15】穀稈センサの取付部の側面図
【図16】穀稈センサの取付部の平面図
【図17】刈刃装置の伝動部の平面図
【図18】刈刃装置の伝動部の背断面図
【図19】刈刃装置の伝動部の平面図
【図20】伝動ケースの取付部の背断面図
【図21】伝動ケースの取付部の拡大背断面図
【図22】伝動ケースの拡大平面図
【図23】伝動ケース部と、刈刃装置との拡大平面図
【符号の説明】
【0046】
(2) 走行車台
(3a) 走行クローラ
(4) ミッションケース
(4c) 駆車ブレーキ機構
(5) 油圧式無段変速装置
(5a) 駆車ブレーキ解除装置
(6) 主変速レバー
(7) 主変速アーム
(7a) アシスト用スプリング
(イ) 前後回動中心
(ロ) 左右回動中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の走行クローラ(3a)を回転駆動する走行用のミッションケース(4)と、該ミッションケース(4)に設けて走行車速を変速することのできる油圧式無段変速装置(5)と、該油圧式無段変速装置(5)を操作する主変速レバー(6)と、該主変速レバー(6)を左右回動自在に装着する前後回動自在な主変速アーム(7)とを設け、該主変速アーム(7)における前後回動中心(イ)の前方部に主変速レバー(6)の左右回動中心(ロ)を設け、該主変速レバー(6)の前方部にアシスト用スプリング(7a)を設けて、該アシスト用スプリング(7a)の弾発力を該主変速アーム(7)の前後回動中心(イ)側に向けて作用すべく構成したことを特徴とする作業車輌の走行装置。
【請求項2】
前記ミッションケース(4)内に設けた駆車ブレーキ機構(4c)を解除する駆車ブレーキ解除装置(5a)を、主変速アーム(7)の前後回動中心(イ)と主変速レバー(6)との間に設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業車輌の走行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−49962(P2008−49962A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230748(P2006−230748)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】