説明

作物掘起機

【課題】圃場から掘り起こすと共に親芋から子芋や孫芋を分離し、同時に人手によらないで、親芋を廃棄物として回収し、子芋や孫芋を収穫物として回収できる里芋などの作物掘起機を提供すること。
【解決手段】里芋を地中から掘起刃1で掘り起し、掘り起こされた作物を汲上装置2で後上方に搬送し、汲上装置2から引き継いだ作物を搬送装置6で後方に搬送中に搬送装置6上の作物を分離装置9で上方から押圧して親芋と子芋・孫芋とに分離し、搬送装置6の搬送終端部に設けた選別シュータ10で親芋を後方の回収台11上のコンテナ12内に回収させ、子芋・孫芋を下方の畝上に落下させる。また、搬送装置6の搬送方向下手側の下部に設けた鎮圧ローラ13で作物を掘り取った後の畝を押し固める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中から作物を掘り起こして汲み上げた後、廃棄物と収穫物を分離し、収穫物を回収する作物掘起機に関する。
【背景技術】
【0002】
里芋などの作物は親芋から子芋や孫芋が成長するので掘り起こし時には親芋と一体で子芋や孫芋が収穫される。基本的に子芋(孫芋)が可食部となる。また、里芋の品種によっては、親芋も食べられる。この子芋は親芋にしっかりとくっついているため、非常に外れにくく、人手で尖った棒を親芋と子芋の間に差し込み、子芋をえぐり取るという方法が伝統的に行われているが、これは非常に労力とこつを要する作業であるため、機械による労力のかからない方法が望まれている。
【0003】
そして、一部の品種を除いて廃棄される親芋は、そのまま圃場に放置すると腐食に時間がかかり、圃場に還元されるまでに連作障害の原因となる菌類やウイルスの温床になってしまう。そもそも里芋は連作に適さない作物であり、一度作ると里芋を育成した圃場は3年ほど間隔を空けて次の里芋の育成をしなければならない。その間、里芋畑は稲作や連作に強い作物用の圃場として利用されるが、連作障害を生じさせる菌類やウイルスが発生していると、これらの作物が被害を受けることがある。
【0004】
このように、里芋は収穫した後に親芋から子芋や孫芋を分離して子芋や孫芋を収穫物とし、さらに親芋を適切に廃棄することが必要である。
そのため、掘り起こし作業と掘り起こした後に親芋から子芋や孫芋を分離する作業を一つの作業機で行うことができる里芋分離機の開発が行われている。例えば特開平9−191734号公報に記載されている里芋分離機は、圃場から掘り起こした後の里芋を掘取コンベアで搬送中に該掘取コンベアの作動方向とは逆方向に作動する補助コンベアを、掘取コンベアの上方に間隔を開けて配置し、掘取コンベア上で搬送されている里芋に対して反対方向に作動する補助コンベアが接触させて親芋から子芋や孫芋を分離させる構成を採用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−191734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1記載の里芋分離機は、圃場から掘り起こした後の里芋を掘取コンベアで搬送中に親芋から子芋や孫芋を分離させる構成からなり、作業者の里芋の収穫作業を大幅に改善することができる優れた発明である。そして上記里芋分離機には、掘取コンベアで搬送中の里芋を上方の補助コンベアで挟んで分離する構成を備えており、この補助コンベアの前側と掘取コンベアとの上下間隔が広く、補助コンベアの後側と掘取コンベアとの上下間隔が狭くなるように配置されている。また、補助コンベアの前側にテンション機構を設け、押圧力を変更できる構成としている。
【0007】
しかしながら、補助コンベアの後部と掘取コンベアとの上下間隔は一定であるため、親芋が設定幅よりも大きいものであれば、この上下間隔に詰まってしまい、作業が中断されてしまうという欠点がある。
また、分離した親芋と子芋などを選別コンベアに移動させて人手で選別しなければならず、作業人数が多くなる欠点や、作業者の労力が増大するという欠点がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、圃場から掘り起こすと共に親芋から子芋や孫芋を分離し、同時に人手によらないで、親芋を廃棄物として回収し、子芋や孫芋を収穫物として回収できる里芋などの作物掘起機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
すなわち、請求項1記載の発明は、作物を地中から掘り起こす掘起部材(1)と、掘起部材(1)に掘り起こされた作物を後上方に搬送する汲上装置(2)と、汲上装置(2)から引き継いだ作物を後方に搬送する搬送装置(6)と、搬送装置(6)で搬送される作物を上方から押圧して廃棄物(親芋)と収穫物(子芋・孫芋)とに分離する分離装置(9)と、搬送装置(6)の搬送終端部に廃棄物を後方に移動させ、収穫物を下方に落下させる回動自在な選別部材(10)と、選別部材(10)の下方に廃棄物を回収する収容体(12)を設置する回動自在な回収部(11)と、搬送装置(6)の搬送方向下手側の下部に作物を掘り取った後の畝を押し固める押圧力調節自在な押圧部材(13)と、搬送装置(6)の左右両側に廃棄物が満載された収容体(12)を載置しておく載置台(48)を設けたことを特徴とする作物掘起機である。
【0010】
請求項2記載の発明は、搬送方向下手側に向かうにつれて搬送装置(6)と分離装置(9)との上下間隔が小さくなる構成とし、分離装置(9)の搬送終端部を張圧部材(39)で上方から張圧する構成としたことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機である。
【0011】
請求項3記載の発明は、搬送装置(6)と分離装置(9)を左右中央部が左右両側部よりも低い凹形状に構成したことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機である。
【0012】
請求項4記載の発明は、搬送装置(6)の非搬送作用面(下面)の駆動軸と従動軸の近傍に、搬送装置(6)の搬送無端帯(26)を張圧する前後のテンション部材(28)を設けたことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、搬送装置(6)の搬送方向下手側の下部に、作物を掘り取った後の畝を押圧する押圧部材(13)を設けたことにより、柔らかくなった畝を押し固めることができ、選別部材(10)から落下した収穫物が畝に潜り込んでしまうことが防止され、掘り起こし作業後の収穫物の回収作業の際、土の塊と収穫物を見間違えることがなく、作業能率が向上する。
【0014】
また、選別部材(10)により収穫物を下方に落下させる構成としたことにより、作物に付着していた土や夾雑物を取り除く作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0015】
そして、廃棄物が選別部材(10)を通過して後方の回収部(11)に設置した収容体(12)に投入される構成としたことにより、廃棄物が畝上に落ちないので、収穫物の回収作業の能率が従来より向上する。
【0016】
さらに、選別部材(10)と回収部(11)が回動自在であることによって、作物掘起機を倉庫などに格納する際には、選別部材(10)と回収部(11)とを搬送装置(6)に向かって折り畳むことができるので、機体の前後幅を短くすることができ、軽トラック等の運送手段に積載しやすく、また収容スペースが狭くても作物掘起機を容易に収容できる。
【0017】
また、回収部(11)が回動自在であるので、例えば回収部(11)を後上がり傾斜姿勢にしておくと、収容体(12)に廃棄物が収容されても収容体(12)が後方に向かって移動しなくなるので、収容体(12)が回収台(11)から落下することを防止でき、作業能率が従来より向上すると共に作業の安全性が従来より向上する。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、搬送装置(6)の搬送始端部側の搬送装置(6)と分離装置(9)の上下間隔が搬送後端部側より大きくなるので、作物が大きくても搬送装置(6)と分離装置(9)の上下間隔に入り込ませることができるので、作物を確実に分離させ、作業能率が従来より向上する。
【0019】
そして、分離装置(9)の終端部を張圧部材(39)で上方から張圧することにより、作物の大きさに合わせて適切な力で作物を押圧することができるので、作物が収穫物と廃棄物とに確実に分離することができ、回収後の廃棄物に残る分離されなかった収穫物を人手で分離させる作業が省略され、作業能率が従来より向上すると共に作業車の労力が軽減される。
【0020】
また、作物が大きい場合でも分離装置(9)が適切な位置まで上方移動するため、作物が搬送装置(6)と分離装置(9)との間に詰まることを防止できるので、詰まった作物を取り除く必要がなく、作業能率が従来より向上する。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、搬送装置(6)と分離装置(9)を左右中央部が左右両側部よりも低い凹形状に構成したことにより、作物は搬送装置(6)と分離装置(9)の凹形状の部分で分離されつつ搬送されるので、作物が左右側方に逃げることを防止でき、確実に分離作業が行われて作業能率が従来より向上する。
【0022】
また、分離された収穫物が左右方向に逃げて搬送装置(6)から落下することを防止できるので、収穫物が畝上に集められ、回収作業の能率が従来より向上する。
【0023】
請求項4記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、搬送装置(6)の非搬送作用面(下面)の駆動軸と従動軸の近傍にそれぞれテンション部材(28)を設けたことにより、駆動軸と従動軸の近傍で搬送無端帯の弛みがなくなるので、搬送無端帯(26)が駆動軸または従動軸から外れることを防止でき、作業が中断されることがなく、作業能率が従来より向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例の作物掘起機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の汲上装置の平面図(図2(a))と側面図(図2(b))である。
【図3】図1の作物掘起機の搬送コンベアと分離ベルト部分の平面図(図3(a))と搬送コンベアと分離ベルト部分の側面図(図3(b))である。
【図4】図1の作物掘起機の搬送コンベアとその上の平面視で「ハ」字状に配置されてた分離ベルトの平面概略図((図4(a))と搬送コンベアと分離ベルトの側面概略図(図4(b))である。
【図5】図1の作物掘起機の搬送コンベアの部分平面図((図5(a))と搬送コンベアの部分側面図(図5(b))である。
【図6】図1の作物掘起機の搬送コンベアの部分平面図((図6(a))と搬送コンベアの部分側面図(図6(b))である。
【図7】図1の作物掘起機の分離ベルトと搬送コンベアの各種実施例の機体背面から見た場合の図である。
【図8】図1の作物掘起機の搬送コンベアと分離ベルト設置部分の側面略図である。
【図9】図1のトラクタの後ろに連結される作物掘起機の平面図(図9(a))と側面図(図9(b))である。
【図10】図1のトラクタの後ろに連結される作物掘起機の構成例で一対の分離ベルトからなり、機体上面視で「ハ」字状に配置した部分の平面図である。
【図11】図1の選別シュータ部分の平面図である。
【図12】図1の作物掘起機の機体背面から見たシュータの実施例を示す図である。
【図13】図1の作物掘起機の鎮圧ローラの背面図である。
【図14】図1の作物掘起機の回収台の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1に本実施例の作物掘起機の斜視図を示す。作物掘起機はトラクタ(図示せず)等の車両に接続され、掘起し刃1で圃場から里芋を掘り起こし、掘り起こした里芋を汲上コンベア3を備えた汲上装置2で作業機の機体後上方へ汲上搬送し、機体後上方へ汲上搬送された里芋は、次いで搬送コンベア5を備えた搬送装置6と該搬送装置6で搬送中の里芋を上方から分離ベルト7で押圧、親芋と子芋(及び孫芋、子芋と孫芋を単に子芋ということである)に分離させる分離装置9と、分離した子芋や土、夾雑物をスノコ状(もしくはフォーク状)の選別シュータ10の空間部から畝上に落下させ、親芋を機体後部の回収台11に設置したコンテナ12に移動させる構成からなる。
【0026】
本実施例の作物掘起機の各部の構成について説明する。
まず、図2には汲上装置2の平面図(図2(a))と側面図(図2(b))を示す。汲上コンベア3は、左右一対の汲上搬送フレーム15,15の間に里芋などの作物の搬送方向の始端側と終端側に左右の駆動スプロケット14aと従動スプロケット14bを設け、該駆動スプロケット14aと従動スプロケット14bとにそれぞれ無端状の伝動チェーン18を左右に取り付ける。該左右の伝動チェーン18には作物搬送方向に等間隔を空けて複数の搬送プレート16を等間隔で掛け渡している。搬送プレート16同士の間に隙間があることで、土や雑草等の夾雑物が下方に落下し、後工程に夾雑物が運ばれにくく、土等を取り除くメンテナンスが楽になるというメリットがある。該搬送プレート16は数枚毎に一つの作物(里芋)の落下を防止するために作物搬送側の表面に作物(里芋)の落下を防止する凸体21が設けられている。
【0027】
また左右の汲上搬送フレーム15の前端下部の左右間に、地中の里芋を掘り起こす掘起し刃1を取り付けており、作物掘起機が前進すると掘起し刃1により地中の里芋が掘り起こされて汲上コンベア3の搬送プレート16上に載せることができる。
【0028】
また、左右の汲上搬送フレーム15の前端部の外側に、作物掘起機をトラクタと連結する左右のリンクアーム17が設けられている。
【0029】
汲上コンベア3の伝動チェーン18の巻回域内には、該伝動チェーン18に接触する偏心カム23を設けており、該偏心カム23が間欠的に伝動チェーン18に接触することにより、伝動チェーン18が振動して里芋に付着した土を落とすことができるので、土が里芋の分離を妨げることが防止され、里芋の分離精度が向上する。
【0030】
また、土が後工程に運ばれる量を減少させることができるので、機体から土を除去する作業が簡潔に行え、メンテナンス性の向上、及び作業者の労力の軽減が図られる。
【0031】
汲上装置2の汲上コンベア3の搬送方向下手側に、搬送装置6及び分離装置9へと作物(里芋)を導く左右一対の案内ガイド19,19を設けた。該案内ガイド19,19は搬送方向上手側が広く、搬送方向下手側が狭くなるように配置し、里芋を搬送装置6及び分離装置9へと誘導しやすくしているので、汲上装置2の終端部に里芋が滞留することが防止され、作業能率が向上する。
【0032】
汲上コンベア3を構成する伝動チェーン18の左右間に設ける搬送プレート16の前後間隔よりも、搬送コンベア5を構成する伝動チェーン26の左右間に設ける搬送プレート22の前後間隔を狭くしたことにより、親芋から分離された子芋や孫芋のうち、小粒のものを搬送プレート22同士の前後間から落下させてしまうことを防止できるので、圃場に落ちた小粒の子芋や孫芋を作業者が拾い集める必要がなく、作業能率が向上すると共に作業者の労力が軽減される。
【0033】
また、里芋に付着していた細かい土を搬送プレート22同士の前後間から落下させることができるので、里芋を回収する際に土の塊が混ざりにくく、里芋の選別が容易になる。
【0034】
次に搬送装置6について説明する。
汲上コンベア3の搬送終端部よりも後方に左右一対の搬送フレーム20を配置し、該左右の搬送フレーム20の搬送始端側と終端側に図3に示す左右の駆動スプロケット24と従動スプロケット25を設け、これら左右の駆動スプロケット24従動スプロケット25とにそれぞれ無端状の伝動チェーン26を掛け渡し、左右の伝動チェーン26に作物搬送方向に等間隔を空けて複数の搬送プレート22を取り付ける。
【0035】
また、図3((図3(a)は搬送コンベア5と分離ベルト7部分の平面図、図3(b)は搬送コンベア5と分離ベルト7部分の側面図))に示すように伝動チェーン26の作物非搬送作用側(下面側)で且つ駆動スプロケット24と従動スプロケット25の近傍であって伝動チェーン26の回動軌跡下面には少なくとも前後一対のテンションバー28を前記伝動チェーン26に接触させて設け、該前後のテンションバー28の前後間で弛ませる。これにより、伝動チェーン26が駆動スプロケット24と従動スプロケット25から外れにくくなると共に、張り過ぎによる伝動チェーン26の切断を防止することができるので、伝動チェーン26を取り付け直す作業が省略され、作業能率が向上する。本構成では、前後一対のテンションバー28を用いているが、図示しないテンションローラやテンションプレートを伝動チェーン26に接触させる構成としてもよい。
【0036】
なお、前後のテンションバー28の前後間の伝動チェーン26は該チェーン26の張り方向とは逆に弛むので、図3に示すようにテンションバー28の前後間の伝動チェーン26の下方に、伝動チェーン26が一定以上弛むと接触する、あるいは近接するスイッチまたはセンサ30を設ける。近接するスイッチまたはセンサ30は、従動スプロケット25に近い位置にあるテンションバー28近傍の搬送コンベア5が最も弛む位置に設ける。そして近接スイッチまたはセンサ30が作動すると伝動チェーン26が弛みすぎていると判断し、搬送コンベア5の動きを停止させる。このとき、警告音を出す構成にすることもできる。
なお、図3には、搬送コンベア5上には分離ベルト7を有する分離装置9が配置されている。
搬送装置6と分離装置9の別実施例を図4、図5に示す。図4(図4(a)は搬送コンベア5とその上方に配置されてた分離ベルト7の平面概略図、図4(b)は搬送コンベア5と分離ベルト7の側面概略図と図5(図5(a)は搬送コンベア5の部分平面図、図5(b)は搬送コンベア5の部分側面図)に示すように搬送コンベア5の伝動チェーン26に接触プレート32を等間隔に取り付け、伝動チェーン26の回動軌跡の近傍にはテンションバー28を設ける。接触プレート32がテンションバー28に接触すると、搬送コンベア5全体が揺動され、搬送中の里芋の分離性能が向上すると共に、里芋に付着した土等を振るい落としやすくなるので、土が里芋の分離の邪魔を摺ることが防止でき、里芋の分離精度が向上すると共に、分離された里芋に土の塊が混ざりにくく、里芋の回収を能率的に行うことができる。伝動チェーン26に取り付けたプレート32は取外し可能な構成とすることで、揺動の有無を選択できる。
【0037】
なお、図6(図6(a)は搬送コンベア5の部分平面図、図6(b)は搬送コンベア5の部分側面図、図6(c)は揺動プレート33の拡大側面図)に示すように、テンションバー28にボルト等の固定軸33aを支点として、側面視で略三角形状の揺動プレート33を所定間隔毎に取り付けることにより、移動する伝動チェーン26が揺動プレート33に押し上げられて上下に揺動するので、他の構成に比較して、さらに搬送コンベア5の揺動回数が多くなり、里芋の分離効果と里芋に付着した土等の振るい落とし効果が向上する。
【0038】
固定軸33aをボルト等で構成し、固定軸33aを外すして揺動プレート33が上下方向に回動する構成とすることにより、前記角度を調節して揺動プレート33の揺動角度を可変することができる。このように揺動を強くしたいときには前記角度を大きく、揺動を弱くしたいときには前記角度を小さくして調節できる。
【0039】
なお、揺動プレート33の前記角度を所定角度で固定し、テンションバー28の上下位置を調節して揺動量を調節する構成としてもよい。具体的には、左右の搬送フレーム20,20に長穴を開け、テンションバー28の左右両端部に螺子穴を形成し、この螺子穴に搬送フレーム20,20に設けた長穴を通してボルト等の固定部材を取り付ける構成である。
【0040】
この構成では、ボルトを締めるとテンションバー28が固定され、緩めると上下調節できるので、揺動プレート33の角度調節よりも揺動量の調節が容易となる。
【0041】
また、搬送プレート22は、左右中央部が左右両側部よりも小径とし、正面視または背面視で凹形状となる構成とすると、搬送中の里芋や分離された子芋が左右外側に逃げることを防止できる。
【0042】
次に分離装置9の説明をする。搬送装置6の搬送フレーム20の上方に分離装置9の左右一対の分離装置9が設けられる。
図1に示すように汲上装置2の汲上フレーム15と汲上コンベア3の搬送フレーム20は左右一対に支持フレーム36に支持されていて、該支持フレーム36の搬送フレーム20を支持する領域の上方に分離装置9を支持する左右一対の分離フレーム37(図1では図示省略)が取り付けられている。
【0043】
なお、左右一対の支持フレーム36にはトラクタからの動力を作物掘起機に伝達するための伝動機構が設けられており、トラクタからの動力が動力伝動シャフト42から一対の支持フレーム36に掛け渡された伝動ケース43内部のギア伝動機構に伝達され、伝動チェーン(図示せず)を経由して汲上コンベア3、搬送コンベア5及び分離ベルト7にそれぞれ動力が伝達される。
【0044】
前記分離フレーム37は、里芋の搬送方向上手側から所定距離まで後下方に向かって下り傾斜し、前記所定距離以降は搬送終端部までほぼ水平方向に向いた側面視で二等辺三角形状としている。ただし二等辺三角形状の代わりに上下に幅広な矩形状の板体でもよい。
【0045】
左右の分離フレーム37の作物搬送方向上手側上部に従動ローラ38を設け、搬送方向下手側下部に駆動ローラ39を設け、駆動ローラ39と従動ローラ38の前後間で且つ駆動ローラ39とほぼ同じ高さにテンションローラ41を設けて、これら駆動ローラ39と従動ローラ38とテンションローラ41に里芋に接触する分離ベルト7を無端状に巻回する。分離ベルト7はコンバイン等のクローラに用いられるような硬いゴム材を用いることが望ましい。
【0046】
搬送装置6の搬送コンベア5に対向する分離装置9の側面に設けられる分離ベルト7は、搬送下手側に向かう程、搬送コンベア5との間隔が狭くなるように配置され、図示しない左右一対のチェーンで作動される。これにより、里芋が大きくても搬送コンベア5と分離装置9の間に入ることができる。
【0047】
分離装置9の搬送方向上手側では分離装置9と搬送装置6との上下間隔が大きくし、搬送方向下手側では上下間隔を小さくすることにより里芋の大きさに関わらず分離装置9と搬送装置6との間に里芋を入れることができるので、里芋が分離されないまま滞留してしまうことを防止し、作業能率が従来より向上する。なお、里芋は周囲に子芋、時期によっては孫芋が生えているので、その大きさのバラつきが大きい。
【0048】
分離ベルト7と搬送コンベア5を設置した場合の作物掘起機の機体背面から見た概略図を図7に示す。図7(a)には分離ベルト7と搬送コンベア5の機体背面から似た外形が互いに向き合う面の中央部を共に凹部形状とする場合を示し、この上下の分離ベルト7と搬送コンベア5の間の凹部形状部分で里芋などの作物が里芋を搬送コンベア5の中央部からずれることなく搬送できるので機体外部に落下することがない。
【0049】
図7(b)には分離ベルト7を2つに分けて互いに反り上がって向き合うように、機体背面視で「ハ」字状に配置した例を示し、この場合は向き合った2つの分離ベルト7と搬送コンベア5の間に里芋が挟み込まれ、左右方向にずれるおそれがない。また、図7(c)には分離ベルト7を左右両側部から曲線を描いて中央部が一番細くなる構成、いわゆる「つづみ型」形状とすると、角部がないので里芋が引っかかることを防止できる。図7(b)と図7(c)に示すいずれの構成の場合も分離ベルト7と搬送コンベア5の間に里芋が挟み込まれ、左右方向にずれるおそれがない。
【0050】
また、図7(d)には分離ベルト7の左右の幅を搬送コンベア5の左右幅より小さくした場合の構成を示し、この場合は搬送コンベア5の幅が分離ベルト7の幅より大きいので、搬送コンベア5上から落下する里芋が少なくなる。
【0051】
図3、図4に示すように、分離装置9のテンションローラ41の回転軸を、左右の分離フレーム37,37に形成した長穴に接触させ、該テンションローラ41の回転軸の両端に夫々ボルト等の着脱自在な固定部材を設け、テンションローラ41をボルトの締め・緩めで調節自在にする構成を採用することができる。
【0052】
この構成により、収穫される里芋に大径のものが多く、分離装置9と搬送装置6の搬送方向上手側で詰まることがあるときには、テンションローラ41を上方に移動させて分離装置9と搬送装置6の搬送方向上手側の上下間隔を大きくすることで、搬送中の里芋が滞留することが防止され、作業能率が向上する。
【0053】
また、収穫される里芋に小径のものが多く、分離装置9に接触しない場合には、テンションローラ41を下方移動させて分離装置9と搬送装置6の上下間隔を狭くすることにより、分離装置9の分離作用が及ぶ距離を長くすることができるので、里芋が確実に分解され、収穫後に親芋に残っている子芋や孫芋を手作業で取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【0054】
上記に加え、テンションローラ41の回転軸を前後方向にも移動可能な構成(長穴の前後幅を大きくする、長穴を十字形状にする、等)とすると、分離装置9が里芋に接触し始める位置を変更することができるので、里芋の大小や子芋・孫芋の生え方に合わせて分離開始位置を合わせられ、里芋が確実に分解され、収穫後に親芋に残っている子芋や孫芋を手作業で取り除く必要がなくなり、作業者の労力が軽減される。
【0055】
また、親芋も収穫可能な品種の場合、里芋が長時間に亘って上方から押圧されることを防止できるので、親芋の傷付きが防止され、里芋の品質が保持される。
【0056】
また、図8の側面図に搬送コンベア5と分離ベルト7を設置した部分を示すように、分離ベルト7の前後搬送距離の中間部より後ろ側に偏心ローラ44を配置すると、里芋を揺動させながら子芋や孫芋を親芋から分離できるので、里芋の分離性能が従来より向上すると共に、付着した里芋に土等を落としやすくなる。
【0057】
なお、テンションローラ41は分離装置9と搬送装置6との上下間隔を大きく取るために分離ベルト7を屈曲させる円形のローラである。一方、偏心ローラ44は間欠的に分離ベルト7に接触することにより、里芋を上方から押圧する力に変動を加えることにより、里芋が前進しながら分離されていくことで、作業能率を向上させるものである。里芋が分離装置9から均一に押圧されていると、分離されにくい里芋が通過する場合、子芋や孫芋が分離されるまでその場から動かなくなり、里芋の滞留を招いて作業能率を低下させたり、搬送装置6や分離装置9に負荷がかかり、故障の原因となるおそれがある。
【0058】
また図8の側面図に示すように、分離ベルト7の前後搬送距離Lの中間部より後ろ側の搬送コンベア5の移動面に対向する平面が略水平面になるようにすることで、親芋から子芋や孫芋が分離されて里芋の径が小さくなっても、里芋は分離装置9の分離作用を受け続けることができ、且つ里芋を分離装置9と搬送装置6との間に詰まらせない上下間隔が維持されるので、里芋の分離性能が向上すると共に、里芋の後方へ確実に移送されるため、作業能率が向上する。
【0059】
また、図3と図8に示すように、分離ベルト7の従動ローラ38の回転軸38aに張圧スプリング46を設け、常時、回転軸38aの上方から搬送コンベア5と分離ベルト7の間の里芋を張圧する。この構成により里芋を大きさに拘わらず、確実に回転軸38aが分離ベルト7を押圧することができると共に、搬送コンベア5と分離ベルト7の間に里芋が詰まって動かなくなることを防止できる。また分離装置9の終端部を張圧スプリング46で上方から張圧することにより、作物の大きさに合わせて適切な力で作物を押圧することができるので、作物が収穫物と廃棄物に確実に分離することができ、回収後の親芋に残る分離されなかった子芋や孫芋を人手で分離させる作業が省略され、作業能率が従来以上に向上すると共に作業車の労力が従来よりも軽減される。
【0060】
図1に示すように搬送コンベア5の後方には選別シュータ10を設けている。選別シュータ10は左右方向に複数の細い棒体を並列配置してスリットを設けた「スノコ型」や搬送方向下手側に複数の細い棒体を並列配置して左右方向に間隔部を空けて設けた「フォーク型」としている。
【0061】
選別シュータ10の前記「スノコ型」のスリットや前記「フォーク型」の間隔部から分離された子芋や孫芋や土、夾雑物を畝上に落とすことができ、親芋は前記スリットまたは前記間隔部から下方に落下せず、選別シュータ10を滑り降りて、選別シュータ10の後方に設けた回収台11に設置したコンテナ12に投入される。
【0062】
また、選別シュータ10の両端に選別シュータ10と一体に設けた支持アーム10aを搬送コンベア5の左右の搬送フレーム20の搬送終端部側に、上下回動自在に取り付けることにより、親芋や子芋などの落下角度を変更できると共に、作物掘起機を収容する際には、選別シュータ10を搬送コンベア5側に折り畳んでコンパクト化することができる。
【0063】
図9に示す構成に示す実施例で用いる搬送装置6と分離装置9の場合、選別シュータ10の左右幅L1と搬送コンベア5の左右幅L2は、L1≒L2もしくはL1>L2とすることで、搬送コンベア5の搬送終端部の左右両側から里芋が圃場に直接落下するおそれがなくなる。
【0064】
図9に示すように選別シュータ10を構成する桟の先端部の成す形状が平面視でU字形状とし、中央部に芋が集まるようにした。また選別シュータ10を構成する桟の取付角度を変更自在とすることでコンテナ12への里芋(親芋のみ)の搬送スピードを変えられる。
【0065】
親芋から分離した後の子芋、孫芋はシュータ10の桟より畝上に落下し、親芋のみ回収台11上のコンテナ12へ回収できるようにした。圃場に落下させた子芋や孫芋は、人手あるいは専用の回収装置で回収するため、畝上に並べておくと回収作業を能率的に行うことができる。
【0066】
また選別シュータ10を上下方向に回動自在な構成とすると、コンテナ12の交換時に選別シュータ10の後端部を圃場面に対して略水平状態よりも若干上方に回動させておくことで、コンテナ12の交換中に里芋が選別シュータ10上を転がり落ちていくことを防止できるので、コンテナ12の交換を容易に行え、作業能率が向上する。
【0067】
図10の平面図に示す作物掘起機の実施例では、分離装置を一対の分離ベルト7’から構成し、機体上面視で「ハ」字状に配置した構成である。この場合は一対の分離ベルト7’が成す間隔を搬送上流側で広くし、下流側ほど狭くすることで里芋などの作物を挟み込みながら押圧を確実に行うことができる。
【0068】
図10に示すように搬送コンベア5の後方に配置する選別シュータ10の幅L1を、搬送コンベア5の左右幅L2よりも狭くしたことにより、里芋の左右への移動量を規制できるので、コンテナ12等への回収や、畝上への落下位置がまとまりやすく、回収作業が容易になり、作業能率が向上する。
【0069】
図11の搬送装置6と分離装置9と選別シュータ10部分の側面図に示す作物掘起機の実施例では、操縦部にむけた切替スイッチを操作すると作動する(電動・油圧等の)モータ50の出力軸に第1スパーギア51を軸着し、この第1スパーギア51を選別シュータ10の近傍に配置する。そして、選別シュータ10の回動軸の端部にモータ50に取り付けた第1スパーギア51と噛み合う第2スパーギア52を軸着し、モータ50が回転すると選別シュータ10が上下回動する構成である。
【0070】
または、図示しないが回収台11のフレームの左右いずれか一側に伸縮自在な(電動・油圧等の)シリンダを設け、このシリンダの一端を選別シュータ10の側部で且つコンテナ12が干渉しない位置に取り付け、スイッチの操作によりシリンダが伸縮して選別シュータ10を上下回動させる構成としてもよい。この実施例の場合には、作物掘起機全体を上下動させる操作レバー(図示せず)が操作されると、上述のモータ50(もしくはシリンダ)に信号が送信されるよう電装(もしくは送油)ケーブルを連繋する構成とし、これにより、旋回時等に掘取装置を上昇させると選別シュータ10も自動的に上昇するので、選別シュータ10の後端部が圃場に接触して破損することを防止できる。
【0071】
図12に機体背面から見た選別シュータ10の別実施例を示す。この選別シュータ10は搬送コンベア5から送られてくる子芋や孫芋を選別シュータ10の桟の間から畝上に落とし、親芋を畝溝に落とすための切換方式のものである。
【0072】
選別シュータ10は機体後方の中央部の設けた中心軸を中心に機体左右方向に回動して機体前進方向の左右いずれの側にも親芋を誘導できる。
【0073】
また、分離された親芋が選別シュータ10上から左右方向に逃げて子芋や孫芋を選別シュータ10の桟の間から畝上に落下するので、収穫物が畝上に集められ、回収作業の能率が向上する。
【0074】
また、作物掘起機による掘り起こし作業と分離作業と同時に搬送コンベア5の搬送方向下手側下方に設けた鎮圧ローラ13が、里芋を掘り起こされて柔らかくなった畝を押し固めるので、畝上に落下した子芋は土の中に潜り込まない。
【0075】
また、図13に鎮圧ローラ13の背面図に示すようには中央部をふくらませた太鼓形状とすることで、芋が中央部に集まりやすくなる。
【0076】
廃棄される親芋をそのまま圃場に放置すると腐食に時間がかかり、圃場に還元されるまでに連作障害の原因となる菌類やウイルスの温床になってしまうため、親芋を回収し忘れないように、本実施例では子芋分離後の親芋をコンテナ12で回収する構成としている。こうして圃場の質を保つことができる。
【0077】
コンテナ12を載せる回収台11は搬送コンベア5の後方に設けられるが、回収台11は、搬送コンベア5の左右の搬送フレーム20の搬送終端部側の左右外側に回動自在に取り付けられる取付フレーム11aと左右の取付フレーム11aの下端部に設けられるコンテナ12を設置する底板11bからなる。
【0078】
なお、回収台11に設置するコンテナ12は、選別シュータ10の後端部下方に前端部が位置するように配置して、子芋や土、夾雑物を選別シュータ10の隙間から確実に圃場上に落とすことができ、親芋だけをコンテナ12に回収できる。
【0079】
また、選別シュータ10を収穫物が下方に落下する構成としたことにより、作物に付着していた土や夾雑物を取り除く作業が省略され、作業者の労力が軽減される。
【0080】
そして、親芋(廃棄物)が選別シュータ10を通過して後方の回収台11に設置したコンテナ12に投入される構成としたことにより、親芋(廃棄物)が畝上に落ちないので、収穫物の回収作業の能率が向上する。
【0081】
図14に回収台11の側面図に示すように、コンテナ12の受け用の回収台11はコンテナ12の底面11bの前後幅より短くしているので、コンテナ12を載置するセット位置ではコンテナ12が前寄りに傾くように、回収台11の底面11bを前方に少し傾け、また回収台11の底面11bを後方に傾けることでコンテナ12が自動排出可能とした。
【0082】
回収台11は回動自在に設けているので、作業時は搬送方向上手側に向けてわずかに傾斜させておくと、コンテナ12の中に複数の親芋が投入されて重量が増えても、重量でコンテナ12が後方に移動することを防止できる。また、コンテナ12を後述する載置台に載せてなくて、後から回収する場合には、回収台11を後方に傾斜させて圃場に下ろすことができ、省力化を図ることができる。
【0083】
こうして、子芋を分離された親芋を、圃場に残すことなく回収台11上のコンテナ12内に回収できる。また、親芋(廃棄物)が畝上に残らないので、回収し忘れた親芋が畝上で腐敗し、連作障害の原因となる菌類やウイルスの発生源となることを防止できるので、圃場の質を保つことができる。
【0084】
また、回収台11を使用しない場合は搬送コンベア5側に折り畳むことにより、コンパクト化が可能となり、回収台11を後上がり傾斜姿勢にしておくと、コンテナ12に親芋が収容されても親芋が後方に向かって移動しなくなるので、コンテナ12が回収台11から落下することを防止でき、作業能率が向上すると共に作業の安全性が向上する。
【0085】
搬送コンベア5の左右両側に、作物掘起機の側面に対して回動自在にコンテナ置き台48(図9参照)を設ける。コンテナ置き台48には親芋を満載した、あるいは子芋を回収したコンテナ12を複数載置して作業を続けられるので、一箱毎にコンテナ12を軽トラック等に移動させる必要がなく、作業能率が向上する。搬送コンベア5側に向かってコンテナ置き台48を折り畳むことにより、倉庫への格納時などに左右幅が小さくなりコンパクト化を図れる。
【0086】
また、上記したように選別シュータ10と回収台11が回動自在であるため、作物掘起機を倉庫などに格納する際または軽トラックに載せる際には、選別シュータ10と回収台11を搬送コンベア5に向けて折り畳むことができるので、機体の前後幅を短くすることができ、軽トラック等の運送手段に積載しやすく、また収容スペースが狭くても作物掘起機を容易に収容できる。
【符号の説明】
【0087】
1 掘起し刃 2 汲上装置
3 汲上コンベア 5 搬送コンベア
6 搬送装置 7,7’分離ベルト
9 分離装置 10 選別シュータ
11 回収台 11a 取付フレーム
11b 底板 12 コンテナ
13 鎮圧ローラ 14a 駆動スプロケット
14b 従動スプロケット 15 汲上搬送フレーム
16 搬送プレート(伝動チェーンの桟)
17 リンクアーム 18 伝動チェーン
19 案内ガイド 20 搬送フレーム
21 凸体 22 搬送プレート
23 偏心カム 26 伝動チェーン
28 テンションバー
30 スイッチまたはセンサ
32 接触プレート 33 揺動プレート
33a 固定軸 36 支持フレーム
37 分離フレーム 38 従動ローラ
39 駆動ローラ 39a 回転軸
41 テンションローラ 42 動力伝動シャフト
43 伝動ケース 44 偏心ローラ
46 張圧スプリング 48 コンテナ置き台
50 モータ 51 第1スパーギア
52 第2スパーギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作物を地中から掘り起こす掘起部材(1)と、
掘起部材(1)に掘り起こされた作物を後上方に搬送する汲上装置(2)と、
汲上装置(2)から引き継いだ作物を後方に搬送する搬送装置(6)と、
搬送装置(6)で搬送される作物を上方から押圧して廃棄物と収穫物とに分離する分離装置(9)と、
搬送装置(6)の搬送終端部に廃棄物を後方に移動させ、収穫物を下方に落下させる回動自在な選別部材(10)と、
選別部材(10)の下方に廃棄物を回収する収容体(12)を設置する回動自在な回収部(11)と、
搬送装置(6)の搬送方向下手側の下部に作物を掘り取った後の畝を押し固める押圧力調節自在な押圧部材(13)と、
搬送装置(6)の左右両側に廃棄物が満載された収容体(12)を載置しておく載置台(48)と
を設けたことを特徴とする作物掘起機。
【請求項2】
搬送方向下手側に向かうにつれて搬送装置(6)と分離装置(9)との上下間隔が小さくなる構成とし、
分離装置(9)の搬送終端部を張圧部材(39)で上方から張圧する構成としたことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機。
【請求項3】
搬送装置(6)と分離装置(9)を左右中央部が左右両側部よりも低い凹形状に構成したことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機。
【請求項4】
搬送装置(6)の非搬送作用面の駆動軸と従動軸の近傍に、搬送装置(6)の搬送無端帯(26)を張圧する前後のテンション部材(28)を設けたことを特徴とする請求項1記載の作物掘起機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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