説明

傾き検出装置、振れ補正装置、撮像装置およびその制御方法

【課題】 手振れやパンニング動作等が加わった場合でも高精度な水平度の判定を行うことができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】 角速度検出部100は、撮像装置1に加わる揺れの角速度を検出し、加速度検出部106は、その揺れの加速度を検出する。回転半径算出部110は、検出された角速度と加速度とに基づき、揺れの回転半径を算出する。揺れ速度算出部111は、検出された角速度と算出された回転半径とに基づき、揺れの速度を算出する。揺れ成分除去部112は、検出された加速度から、算出された速度を微分して得た値を減じることにより、検出された加速度のうち重力成分のみの加速度を算出する。水平判定部113は、算出された重力成分のみの加速度に基づき、撮像装置の水平度を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾き検出装置、振れ補正装置、撮像装置およびその制御方法に関し、特に、撮像装置の水平度を判定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影画像の構図の水平を出すため、水準器を搭載し、撮影しようとする画像の水平度を撮影者に知らせる機能を有する撮像装置が知られている。例えば建物を背景とする人物の撮影においては、構図の微小な角度の傾きさえも目立つ場合が多い。このような場合に水準器により水平度を確認しながら撮影を行うことにより、水平を保った状態での撮影が可能になる。あるいは、わざと構図に角度を付けたい場合などにも、水準器は一つの目安となり、撮影者の補助として利用されることが多い。
【0003】
特許文献1には、撮像装置の水平度を検出して、この情報を撮影者が撮影の補助として利用する方法が開示されている。特許文献2には、角速度検出手段の出力に基づいて撮像装置の姿勢の算出を行う際に生じる鉛直方向の積分誤差を修正することにより、姿勢判定の精度を高める方法が開示されている。また、特許文献3には、角速度センサの出力と加速度センサの出力から回転半径を演算し、演算された回転半径を用いて回転振れと平行振れの2種類の振れを同時に補正する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−271654号公報
【特許文献2】特開2002−090116号公報
【特許文献3】特開2010−025961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水準器が搭載された撮像装置を用いて手持ち撮影を行う場合、あるいは、三脚を使用してパンニングさせながら撮影を行う場合においては、手振れやパンニングの揺れの影響により正しく水平が維持できない場合がある。一般に、撮像装置に内蔵された水準器は、撮像装置に加わる重力の変化を検知することにより水平度を判定している。撮像装置に加わる重力の変化は、加速度センサを用いて検知される。加速度センサは、加速度の変化に応じて出力が変化する。このような加速度センサは、手振れのようなスカラと方向が変化する揺れにより、あるいは、一定速度であっても停止を含むため方向の変化を伴うパンニング動作等により、重力以外の成分をも検出することになる。そのため、手振れやパンニング動作等によって水準器は正しい水平度を判定できない場合がある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、手振れやパンニング動作等が加わった場合でも高精度な水平度の判定を行うことができる撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は傾き検出装置に係り、装置に加わる揺れの角速度を検出する角速度検出手段と、前記揺れの加速度を検出する加速度検出手段と、前記角速度検出手段により検出された角速度と前記加速度検出手段により検出された加速度とに基づいて、前記揺れの回転半径を算出する回転半径算出手段と、前記角速度検出手段により検出された角速度と前記回転半径算出手段により算出された回転半径とに基づいて、前記揺れの速度を算出する揺れ速度算出手段と、前記加速度検出手段により検出された加速度と、前記揺れ速度算出手段により算出された速度に基づいて、前記加速度検出手段により検出された加速度のうち重力加速度を算出する揺れ成分除去手段と、前記揺れ成分除去手段により算出された前記重力加速度に基づいて、前記傾き検出装置の水平度を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、撮像装置に加わる手振れやパンニング動作等による加速度の変化を伴う揺れの影響による水準器の誤判定が軽減され、高精度な水平度を撮影者へ知らせることができる。したがって、本発明によれば、手振れやパンニング動作等が加わった場合でも高精度な水平度の判定を行うことができる撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態における撮像装置の水平度判定部の構成を示すブロック図。
【図2】実施形態における撮像装置の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態における撮像装置に加わる揺れの例を説明する図。
【図4】実施形態における水平判定を説明する図。
【図5】実施形態における水平度判定処理のフローチャート。
【図6】実施形態における水平度判定処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図2は、撮像装置1の構成を示すブロック図である。撮像光学系を構成するズームユニット201は、変倍可能なズームレンズを含む。ズーム駆動制御部202は、ズームユニット201の駆動を制御する。シフトレンズ203は、撮像光学系によって結像された光学像の像振れを補正する補正光学系としての補正部材であり、具体的には、光軸に対して略垂直な平面での位置を変更することが可能である。シフトレンズ駆動制御部204は、補正制御手段として、シフトレンズ203の駆動を制御する。そしてシフトレンズ駆動制御部204は、本実施例においては更に、撮像装置1の水平度を判定し、水準器としての機能を提供する水平度判定処理部としての機能も果たす。205は絞り・シャッタユニットであり、絞り・シャッタ駆動制御部206によってその駆動が制御される。フォーカスユニット207は、ピント調整を行うレンズを含む。フォーカス駆動制御部208は、フォーカスユニット207の駆動を制御する。撮像部209は撮像素子を含み、各レンズ群を通ってきた光像を電気信号に変換する。撮像信号処理部210は、撮像部209から出力された電気信号を映像信号に変換する。映像信号処理部211は、撮像信号処理部210から出力された映像信号を用途に応じて加工する。
【0011】
表示制御部213は、映像信号処理部211により得られた画像の表示制御を行う。表示部214は、表示制御部213から出力された信号に基づいて、必要に応じた画像表示を行う。電源部215は、システム全体に用途に応じて電源を供給する。操作部216は、撮像装置の操作を行うユーザインタフェースである。記憶部217は、映像情報などの各種データを記憶する。制御部212はシステム全体を制御を司る。撮像装置1は更に、撮像装置1に加わる揺れの角速度を検出する角速度検出部100、撮像装置1に加わる揺れの加速度を検出する加速度検出部106も備える。
【0012】
次に、図3を参照して、撮像装置1に加わる揺れの例を説明する。上記したとおり、撮像装置1は、角速度検出部100と、加速度検出部106を備えている。撮影時、撮像装置1には矢印Pで示される上下方向の揺れが加わりうる。図3において、301は撮像装置1に加わっている円弧を描く揺れの回転中心である。回転中心301から加速度検出部106までの距離(すなわち回転半径)をLとする。また回転角度をθとする。角速度検出部100及び加速度検出部106はこのような撮像装置1に加わる揺れを検出する。このとき、加速度検出部106は重力の変化も検出する。
【0013】
図1に、シフトレンズ駆動制御部204の構成を示す。角速度検出部100で検出された角速度を、ωS+N(t)と表現する。これは、角速度が時間t(tは正の実数)を変数とするアナログの連続的な関数であることを示す。また、添字Sは揺れ成分、Nは検出ノイズ成分を表している。すなわち、角速度検出部100で検出される角速度には、撮像装置1に加わる揺れ成分の他にノイズ成分が混入しているということである。
【0014】
角速度検出部100で検出された角速度を表すアナログ信号は、AD変換器101でデジタルデータに変換される。すなわち、アナログの連続的な関数であるωS+N(t)は、離散的な関数であるωS+N(n)となる。ここでnは離散的なサンプル時刻を表す自然数である。
【0015】
AD変換器101の後段には、第1の帯域通過フィルタとしてのBPF102が設けられている。BPF102は、撮像装置1に加わる揺れについて想定される所定の周波数帯域のみを通過させるフィルタである。一般的に角速度センサや加速度センサは、検出時にホワイトノイズ等を含むため、この後の演算に際してその影響を排除するため、必要となる周波数成分のみを通過させるBPFが広く使用される。また、一般的に手振れ成分は1Hz〜10Hzであることから、通過帯域は例えば1Hz〜10Hzに設定される。それ以外の周波数成分は抑圧される。したがって、BPF102の出力信号である角速度は、ノイズ成分Nが除去されてωS(n)となる。積分器103は、BPF102から出力された角速度を積分し、揺れ角度θS(n)を得る。
【0016】
キャンセル量算出部104は、揺れ角度をキャンセルするためのキャンセル量yS(n)を算出する。そしてPID制御部105はシフトレンズ203の駆動についてフィードバック制御を行う。即ち、PID制御部105はキャンセル量yS(n)に基づいて駆動部115に指令を送り、シフトレンズ203を揺れとは逆方向に移動させる制御を行う。
【0017】
加速度検出部106で検出された加速度を、aS+M+N(t)と表現する。これは、加速度が時間tを変数とするアナログの連続的な関数であることを示す。また、添字Mは重力成分を表している。すなわち、加速度検出部106で検出される加速度には、撮像装置1に加わる揺れ成分の他にノイズ成分及び重力成分が混入しているということである。
【0018】
加速度検出部106で検出された加速度を表すアナログ信号は、AD変換器107でデジタルデータに変換される。すなわち、アナログの連続的な関数であるaS+M+N(t)は、離散的な関数であるaS+M+N(n)となる。
【0019】
AD変換器107の後段には、第2の帯域通過フィルタとしてのBPF108が設けられている。その構成及び機能はBPF102と同様とする。したがって、BPF108の出力信号である加速度は、ノイズ成分が除去されてaS+M(n)となる。積分器109は、BPF108から出力された加速度を積分し、速度vS+M(n)を得る。
【0020】
回転半径算出部110は、回転中心301から加速度検出部106までの距離、すなわち回転半径Lを算出する。回転半径Lの算出方法としては、例えば特許文献3に記載された方法を使用することができる。以下では、その方法を概念的に示すに止める。
【0021】
速度vS+M(n)、角速度ωS(n)、回転半径Lの関係は、次式で表される。
S+M(n)=L・ωS(n) ・・・(1)
この関係から、Lは次式で表される。
L=α・vS+M(n)/ωS(n) ・・・(2)
ただし、αは、回転半径Lの算出の際に速度vに含まれる重力の影響を軽減することを目的として乗算される補正定数である。この補正定数はチューニングすることにより決定するパラメータである。
【0022】
揺れ速度算出部111は、揺れ成分が支配的となるような速度を、次式に従い算出する。
S(n)=L・ωS(n) ・・・(3)
【0023】
揺れ成分除去部112は、揺れ成分と重力成分を含んでいる加速度aS+M(n)から、加速度成分に含まれる揺れ成分を除去する。具体的には、次式に示されるように、加速度aS+M(n)から、(3)式により算出された揺れ成分が支配的な速度を微分して得た値を減じる。
S(n)=aS+M(n)−DnS(n) ・・・(4)
ただし、Dnは、nで微分することを表す。これにより、重力成分のみの加速度(重力加速度)が得られる。
【0024】
水平判定部113は、(4)式により得られた重力成分のみの加速度に基づいて、撮像装置1の水平度を判定する。水平判定部113による判定処理を図4を用いて説明する。図4(a)に示すように、加速度検出部106の出力は撮像装置1の水平度の変化により、レベルが変化する。これは、水平度が変化すると、加速度検出部106が常に検出している重力が変化するためである。このレベルが破線で挟まれる領域内にあれば、水平と判定される。しかし、従来、図4(a)に示すように、加速度を伴う揺れの成分が重畳されていた。このため、撮像装置1の水平度は実質的には変化していない領域にあっても、重畳した揺れの成分によって、水平判定結果が頻繁に変動してしまうという問題があった。これに対し、上記のように揺れ成分を除去した場合は、図4(b)に示すように、水平判定結果が頻繁に切り替わることがなく、精度の高い水平度を撮影者へ知らせることができる。
【0025】
周波数判定部114は、角速度検出部100の出力データから、揺れの周波数を判定している。これについては後述する。
【0026】
以下、図5のフローチャートを参照して、水平度判定処理部として機能するシフトレンズ駆動制御部204による水平度判定処理の例を説明する。なお、角速度検出部100は撮像装置1の上下方向(PITCHとも呼ばれる)の揺れと撮像装置1の横方向(YAWとも呼ばれる)の揺れの検出が可能であるが、それぞれの方向で同じフローチャートが適用できるため片方向のみ説明する。加速度検出部106も同様である。
【0027】
S501で、この水平度判定処理が開始される。この水平度判定処理は撮像装置1の電源がONされたときに開始してもよいし、レリーズボタンが押下されたときに開始するようにしてもよい。S502では、角速度検出部100で検出された揺れ情報であるアナログデータを、AD変換器101を経てデジタルデータに変換された値を取得する。S503では、S502で取得した揺れデータを、BPF102でフィルタリングする。BPFのカットオフ周波数の初期値は、通常は手振れ帯域である1Hz〜10Hzを透過させるようにしておくが、チューニングにより微調整されうる。
【0028】
S502の角速度の取得と並列して、加速度の取得も行う(S504)。S504では、加速度検出部106で検出されたアナログデータを、AD変換器107を経てデジタルデータに変換された値を取得する。S505では、S504で取得したデータを、BPF108でフィルタリングする。ここでのBPFのカットオフ周波数の初期値も基本的にはBPF102と同様とする。
【0029】
S506では、積分器109で加速度を積分して速度を算出する。これは、回転半径算出部110で、回転中心301から加速度検出部106までの距離L、すなわち回転半径を算出するためである。S507では、回転半径算出部110が、その回転半径の算出を(2)式に従い行う。上記したように、(2)式には補正係数αが乗算されているが、これはチューニングにより決定されるパラメータである。チューニング方法の一例として、撮像装置に所定の揺れを強制的に加え、この補正係数の値を前後に振り、加速度成分から揺れ成分が最も除去されたときの値を、補正係数と決定することができる。
【0030】
S508では、揺れ速度算出部111が、揺れ速度の算出を(3)式に従い行う。ここで算出されるときに使用される角速度は、S503の出力であるため、揺れ成分が支配的である。S509では、揺れ成分除去部112が、S508で算出された揺れ速度の微分を行い、S505の出力である加速度との差分をとる。これにより加速度は重力成分が支配的となり、図4(b)のように揺れの影響のない水平判定を行う準備ができたことになる。
【0031】
S510では、水平判定部113が、S509で算出された加速度が所定範囲内であるか否かを判定する。所定範囲内であるときは水平と判定される(S511)。所定範囲外であるときは水平でないと判定される(S511)。なお、水平レベルは水平であるか否かの2値ではなく、より細分化した水平度の情報を撮影者に知らせることも可能である。S513で、水平度判定処理が終了する。
【0032】
なお、撮像装置がパンニング動作中、即ち撮像装置1の水平方向の一方向に動作しているときは、角速度検出部100の上下方向(PITCH)の揺れのみの除去を行うようにすることもできる。こうすることで、横方向(パンニング動作している方向)に対して誤判定を起こすこともない。
【0033】
図6に、水平度判定処理に係る変形例を示す。これは、図5のフローに対して周波数判定を行う処理を追加したフローチャートである。図5に示した処理ステップと同じ処理ステップには同じ参照番号を付しその説明を省略する。図6において、S502,S504の後で、周波数判定部114において、角速度検出部100の出力データから、揺れの周波数を判定する(S601)。周波数を判定する方法は様々なものを使用できる。例えば、零交差数をカウントする方法を使用することができる。S602では、判定された周波数に応じてBPF102、BPF108のカットオフ周波数を決定する。これにより、撮影者の手振れ帯域の分布に応じたBPFの通過帯域を調整することができる。
【0034】
(変形例)
上記実施例においては、回転半径算出部110の算出結果を水平判定に用いていた。しかしながら、撮像装置の振れ補正に用いて、撮像装置に加わる揺れの回転成分をシフト成分の両方を補正することも出来る。(図1の回転半径算出部110からキャンセル量算出部104への点線矢印。)なお、回転半径を用いたシフト成分の振れ補正の原理は例えば特開2010−025961号公報に開示されている。
【0035】
この場合、キャンセル量算出部104は、積分器103にて得られた揺れ角度θS(n)に対して回転半径算出部110にて算出された回転半径Lをかけることによって、撮像装置1に加わる揺れのシフト成分が算出することが出来る。そしてキャンセル量算出部104は、撮像装置1に加わる揺れの回転成分に相当する揺れ角度と算出したシフト成分をキャンセルするためのキャンセル量yS2(n)を算出する。そして、駆動部115は、この算出されたキャンセル量yS2(n)に従い、シフトレンズ203を、その揺れとは逆方向に移動させることで振れ補正を行う。
【0036】
(その他の実施例)
以上、本発明の好ましい実施形態については撮像装置を例にして説明したが、上記処理を行う構成を備えた傾き検出装置を有する電子機器、振れ補正装置又は一眼レフ用のレンズのような光学機器であっても良い。特に振れ補正装置又は振れ補正機能を備えた光学機器の場合、振れ検出のセンサと傾き検出のためのセンサを兼用することが出来る。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾き検出装置であって、
装置に加わる揺れの角速度を検出する角速度検出手段と、
前記揺れの加速度を検出する加速度検出手段と、
前記角速度検出手段により検出された角速度と前記加速度検出手段により検出された加速度とに基づいて、前記揺れの回転半径を算出する回転半径算出手段と、
前記角速度検出手段により検出された角速度と前記回転半径算出手段により算出された回転半径とに基づいて、前記揺れの速度を算出する揺れ速度算出手段と、
前記加速度検出手段により検出された加速度と、前記揺れ速度算出手段により算出された速度に基づいて、前記加速度検出手段により検出された加速度のうち重力加速度を算出する揺れ成分除去手段と、
前記揺れ成分除去手段により算出された前記重力加速度に基づいて、前記傾き検出装置の水平度を判定する判定手段と、
を有することを特徴とする傾き検出装置。
【請求項2】
前記揺れ成分除去手段は、前記加速度検出手段により検出された加速度から、前記揺れ速度算出手段により算出された速度を微分して得た値を減じることにより、前記加速度検出手段により検出された加速度のうち重力成分のみの加速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の傾き検出装置。
【請求項3】
前記傾き検出装置がパンニング動作中であるときは、前記揺れの上下方向の成分のみを検出することを特徴とする請求項1に記載の傾き検出装置。
【請求項4】
前記角速度検出手段と前記回転半径算出手段との間に設けられ、前記角速度検出手段の出力のうち、前記揺れについて想定される所定の周波数帯域のみを通過させる第1の帯域通過フィルタと、
前記加速度検出手段と前記回転半径算出手段との間に設けられ、前記加速度検出手段の出力のうち、前記所定の周波数帯域のみを通過させる第2の帯域通過フィルタと、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の傾き検出装置。
【請求項5】
前記揺れの周波数を判定する周波数判定手段と、
前記周波数判定手段により判定された周波数に応じて前記第1及び第2の帯域通過フィルタの通過帯域を調整する調整手段と、
を更に有することを特徴とする請求項4に記載の傾き検出装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の傾き検出装置と、
撮像光学系によって結像された光学像の像振れを補正する補正部材と、
前記角速度検出手段により検出された角速度と前記回転半径算出手段により算出された回転半径とに基づいて前記補正部材を駆動する補正制御手段と、
を有することを特徴とする振れ補正装置。
【請求項7】
請求項6に記載の振れ補正装置と、
前記判定手段によって判定された前記傾き検出装置の水平度を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の傾き検出装置と、
撮像光学系によって結像された光学像の像振れを補正する補正部材と、
前記角速度検出手段により検出された角速度と前記回転半径算出手段により算出された回転半径とに基づいて前記補正部材を駆動する補正制御手段と、
前記判定手段によって判定された前記傾き検出装置の水平度を表示する表示手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
撮像装置の傾き検出方法であって、
前記撮像装置に加わる揺れの角速度を検出する角速度検出工程と、
前記揺れの加速度を検出する加速度検出工程と、
前記角速度検出工程により検出された角速度と前記加速度検出工程により検出された加速度とに基づいて、前記揺れの回転半径を算出する回転半径算出工程と、
前記角速度検出工程により検出された角速度と前記回転半径算出工程により算出された回転半径とに基づいて、前記揺れの速度を算出する揺れ速度算出工程と、
前記加速度検出工程により検出された加速度と、前記揺れ速度算出工程により算出された速度に基づいて、前記加速度検出工程により検出された加速度のうち重力加速度を算出する揺れ成分除去工程と、
前記揺れ成分除去工程により算出された前記重力加速度に基づいて、前記撮像装置の水平度を判定する判定工程と、
を有することを特徴とする撮像装置の傾き検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−259394(P2011−259394A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134455(P2010−134455)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】