説明

充電システム

【課題】安全性を確保しつつ充電が不用意に中断されることを防止する。
【解決手段】本実施形態の充電システムによれば、同一の充電スタンドXを使用する複数の利用者H1,H2毎に予約時刻を有効期間とする暗証番号が付与されている。そして、当該暗証番号が有効期間内に入力部5から入力された場合にのみ、電気錠4が解錠されて扉13を開くことができる。したがって、予約した利用者が使用している間は、別の利用者が暗証番号を入力しても電気錠4が解錠されないので、安全性を確保しつつ充電が不用意に中断されることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車などの充電機器を充電するための充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として、例えば、特許文献1に記載されている電気自動車用の充電スタンドがある。特許文献1記載の充電スタンドは、電気自動車に接続されている電源プラグが挿抜自在に接続されるコンセントと、商用交流電源からコンセントへの給電を入切するスイッチと、コンセントが収納されている空間の開口を開閉自在に塞ぐ安全扉と、安全扉を施錠する電子錠とを備えている。そして、電気自動車を充電しようとする者(利用者)は、事前に知らされている暗証番号を使用して電子錠を解錠し、安全扉を開いて電源プラグをコンセントに接続する。なお、このような暗証番号は、充電スタンドを管理する管理会社等との間で充電スタンドの使用料に関する契約を結んだ利用者のみに通知される。つまり、従来例においては、電子錠を解錠して安全扉を開かないと充電ができないので、暗証番号を知らない第三者に勝手に充電されたり、電源プラグが抜かれるなどの悪戯が防止できるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3147203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1記載の充電スタンドは、複数の利用者に共用されるものであるから、暗証番号についても、これら複数の利用者で共用されることになる。そうすると、ある利用者が充電しているときに、別の利用者が暗証番号を使用して電子錠を解錠し、安全扉を開いて電源プラグを抜いてしまうと、先の利用者の充電が中断されてしまう虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、安全性を確保しつつ充電が不用意に中断されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の充電システムは、充電設備の利用時刻を予約する利用者に対して当該利用時刻を含む有効期間で有効な暗証番号を付与する付与装置と、前記充電設備に設けられる扉を施錠する電気錠と、前記暗証番号の入力を受け付ける入力装置と、当該入力装置で暗証番号の入力が受け付けられた時刻が前記有効期間内である場合に、前記電気錠を解錠する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この充電システムにおいて、前記制御装置は、前記利用者が前記利用時刻を過ぎても前記充電設備を利用している場合に、当該利用時刻を含む前記有効期間を延長することが好ましい。
【0008】
この充電システムにおいて、前記制御装置は、前記有効期間を延長した場合において、当該延長した期間が他の利用者の利用時刻と重なったときは、当該他の利用者に対して付与されている暗証番号も有効とみなすことが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の充電システムは、安全性を確保しつつ充電が不用意に中断されることを防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る充電システムの実施形態を示すシステム構成図である。
【図2】同上における充電スタンドを示し、(a)は正面図、(b)は扉が開いた状態の一部省略した斜視図、(c)は扉が閉じた状態の一部省略した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、電気自動車を充電機器とする充電システムに本発明の技術思想を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明の技術思想が適用可能な充電システムが対象とする充電機器は電気自動車に限定されるものではなく、例えば、携帯電話機やノート型のパーソナルコンピュータなどのモバイル機器であっても構わない。
【0012】
本発明の充電システムは、図1に示すように充電設備に相当する複数台の充電スタンドXと、各充電スタンドXが利用される時刻などの予約情報を管理する管理サーバSとを有している。
【0013】
充電スタンドXは、充電ケーブル101を介して電気自動車100に充電電力を供給するものであって、図1に示すようにコンセント1、開閉部2、プラグ検出部3、電気錠4、入力部5、通信部6、制御部7などを備えている。コンセント1は、開閉部2を介して商用交流電源200と接続されており、充電ケーブル101の先端に設けられている電源プラグ102が挿抜自在に接続される。開閉部2は、制御部7に制御されて商用交流電源200からコンセント1への給電路を開閉する。つまり、開閉部2が給電路を閉じている間だけコンセント1に給電される。プラグ検出部3は、コンセント1に電源プラグ102が接続されているか否かを検出するものであって、コンセント1に電源プラグ102が接続されているときに接続検出信号を制御部7へ出力する。なお、このようなプラグ検出部3は、例えば、リードスイッチで構成され、電源プラグ102に取着された磁石の磁力でリードスイッチがオンしたときに接続検出信号を出力する。但し、プラグ検出部3の構成はリードスイッチに限定されるものではない。
【0014】
電気錠4は後述する扉13を施錠するためのものであって、例えば、電磁ソレノイドの可動鉄心にデッドボルトが連結され、当該デッドボルトが扉枠に設けられた受穴に嵌合することで扉13を施錠する。なお、電気錠4は、制御部7から出力される制御信号により電磁ソレノイドが制御されて施錠と解錠が切り換わる。入力部5は、例えば、タッチパネルからなり、後述するように利用者が入力する暗証番号を受け付けて制御部7に出力する。すなわち、本実施形態における入力部5が暗証番号の入力を受け付ける入力装置に相当し、制御部7が電気錠4の施解錠を制御する制御装置に相当する。但し、入力部5はタッチパネルに限定されるものでなはく、メンブレンスイッチからなるテンキースイッチであってもよいし、あるいは、暗証番号が記憶されているカード型のデータキャリアから暗証番号データを読み取るリーダであってもよい。
【0015】
通信部6は、例えば、電話線などの公衆回線Lsを使用したデータ通信を行うモデムからなり、制御部7から渡される送信データを変調して送信したり、管理サーバSから送信された信号を受信し、当該受信信号から受信データを復調して制御部7に渡すものである。但し、通信部6はモデムに限定されるものではなく、例えば、無線LAN子機で構成され、公衆無線LANのアクセスポイントを経由して管理サーバSとデータ通信を行っても構わない。
【0016】
制御部7は、マイクロコントローラやメモリなどで構成され、メモリに格納されているプログラムがマイクロコントローラで実行されることにより、後述する種々の機能を実現している。なお、制御部7のメモリには、個々の充電スタンドX毎に割り当てられた固有のアドレスと、管理サーバSのアドレスとが記憶されており、これらのアドレスによってデータ通信における送信元及び送信先が特定される。
【0017】
図2(a)は充電スタンドXの外観図(正面図)を示している。充電スタンドXは、1乃至複数(図示例では1つ)のコンセントユニット11と、コンセントユニット11が収納されるスタンド本体10とを有し、役所や病院などの公共施設、あるいはショッピングセンターなどの商業施設、時間貸又は月極の駐車場などに設置される。スタンド本体10は、図2(a)に示すように金属板により角筒状に形成され、長手方向が上下方向となるように地面に立設される。コンセントユニット11は、前面が開口する箱状に形成されたユニット本体12と、ユニット本体12の開口を開閉自在に塞ぐ扉13とで外郭が構成され、コンセント1と開閉部2とプラグ検出部3と電気錠4がユニット本体12内に収納されている。そして、スタンド本体10には前方に開放された複数のユニット収納部(図示せず)が縦方向に並設されており、図示例では、最上段のユニット収納部のみにコンセントユニット11が収納され、残りのユニット収納部はカバー14で塞がれている。
【0018】
一方、入力部5と通信部6と制御部7は、スタンド本体10における最上段のユニット収納部の上方の空間に配設されている。そして、図示は省略しているが、スタンド本体10前面の最上部(コンセントユニット11の上方部分。以下同じ。)には、入力部5を構成するタッチパネルが配設されている。
【0019】
ユニット本体12内にコンセント1の差込口(図示せず)が配置されており、図2(b)に示すように扉13が開いた状態で充電ケーブル101の電源プラグ102が挿抜可能となっている。また、扉13の開放端側の下部に切り欠き13Aが設けられており、図2(c)に示すように電源プラグ102がコンセント1に接続された状態であっても、切り欠き13Aを通して充電ケーブル102が外に引き出されるために扉13が閉じられるようになっている。
【0020】
一方、管理サーバSは、サーバ制御部30、予約情報入力部31、予約情報データベース32、通信部33などを備えている。通信部33は、公衆回線Lsを使用したデータ通信を行うモデムからなり、サーバ制御部30から渡される送信データを変調して送信したり、充電スタンドXから送信された信号を受信し、当該受信信号から受信データを復調してサーバ制御部30に渡すものである。予約情報入力部31は、キーボードやマウスなどの入力デバイスを有している。例えば、利用者から電話やファックスあるいは電子メール等で充電スタンドXの予約申し込みがあった場合、オペレータが予約情報入力部31を操作し、予約申し込みを行った利用者のユーザIDや利用時刻(予約時刻)などの予約情報を入力する。そして、予約情報入力部31で入力された予約情報は、サーバ制御部30によって予約情報データベース32に登録される。但し、予約情報入力部31は上述のような入力デバイスに限定されるものではなく、例えば、利用者の携帯電話機やパーソナルコンピュータからアクセス可能なウェブサーバであっても構わない。具体的には、予約情報入力部31のウェブサーバがインターネットなどのネットワーク上で予約用のウェブページを公開し、利用者が携帯電話機などのネットワーク端末から当該ウェブページにアクセスして予約情報を直接入力するようにしてもよい。
【0021】
予約情報データベース32は、ハードディスク装置などの大容量の記憶装置からなるハードウェアと、サーバ制御部30のマイクロコントローラ(後述する)で実行されるデータベース管理システムからなるソフトウェアとで構成されている。ここで、予約情報には、充電スタンドXに割り当てられた固有の識別符号(以下、「充電スタンドID」と呼ぶ。)、予め登録された利用者を識別するための識別符号(以下、「利用者ID」と呼ぶ。)、利用時刻(利用開始時刻及び利用時間又は利用終了時刻)、暗証番号などが含まれている。
【0022】
サーバ制御部30は、マイクロコントローラやメモリなどで構成され、メモリに格納されているプログラム(上記データベース管理システムを含む。)がマイクロコントローラで実行されることにより、種々の機能を実現している。なお、サーバ制御部30のメモリには、自己に割り当てられたアドレスと、個々の充電スタンドX毎に割り当てられた固有のアドレスとが記憶されており、これらのアドレスによってデータ通信における送信元及び送信先が特定される。
【0023】
ここで、利用者から予約申し込みを受けたときに、サーバ制御部30が行う処理について説明する。サーバ制御部30は、予約情報入力部31から受け取った予約情報(利用者ID、充電スタンドID、利用時刻)を予約情報データベース32に登録(記憶)するとともに、当該予約情報に対応した暗証番号を生成する。そして、サーバ制御部30で生成された暗証番号は、例えば、予約情報入力部31がキーボードなどの入力デバイスであれば、オペレータを通じて予約申し込みを行った利用者に電話やファックス、電子メールなどで通知され、予約情報入力部31がウェブサーバであれば利用者のネットワーク端末に通知される。すなわち、本実施形態における管理サーバSが、暗証番号を付与する付与装置に相当する。
【0024】
次に、予約申し込みを行った利用者が実際に充電スタンドXを利用して電気自動車100の充電を行う場合における、本実施形態の充電システムの動作を説明する。ここで、充電スタンドIDが「0001」の充電スタンドXに対して、利用者IDが「101」、利用時刻が午前9時から2時間の予約申し込みと、利用者IDが「105」、利用時刻が同日の午前11時から3時間の予約申し込みとが行われていると仮定する。また、利用者IDが「101」の利用者(以下、「利用者H1」とする。)には「0298」の暗証番号が通知され、利用者IDが「105」の利用者(以下、「利用者H2」とする。)には「1838」の暗証番号が通知されているものと仮定する。
【0025】
まず、先の利用者H1が自己の予約時刻内に充電スタンドX(充電スタンドID:0001)の入力部5を操作して暗証番号(0298)を入力すると、入力部5から制御部7に暗証番号データ("0298"のアスキー文字)が渡される。制御部7は、入力部5から受け取った暗証番号データと自己の充電スタンドIDを含む送信データを生成し、送信先に管理サーバSのアドレスを指定して通信部6から送信させる。
【0026】
管理サーバSの通信部33は、充電スタンドXから送信された信号を受信するとともに、当該受信信号から復調した受信データ(送信元である充電スタンドXの充電スタンドIDと暗証番号データ)をサーバ制御部30に渡す。サーバ制御部30は、通信部33から受け取った充電スタンドIDと暗証番号データを現在時刻とともに予約情報データベース32の予約情報と照合する。そして、サーバ制御部30は、充電スタンドID、暗証番号データ、現在時刻(予約時刻)の全てが予約情報と一致すれば解錠許可の制御データを生成し、何れか一つでも予約情報に一致しなければ解錠不許可の制御データを生成し、送信先に充電スタンドX(充電スタンドID:0001)のアドレスを指定して通信部33から送信させる。但し、解錠許可の制御データが送信される場合、予約時刻のデータも一緒に管理サーバSから充電スタンドXへ送信される。
【0027】
充電スタンドXの通信部6は、管理サーバSから送信された信号を受信するとともに、当該受信信号から復調した受信データを制御部7に渡す。制御部7は、通信部6から受け取った受信データが解錠許可の制御データであった場合、電磁ソレノイドを駆動するための制御信号を出力して電気錠4を解錠させる。一方、通信部6から受け取った受信データが解錠不許可の制御データであった場合、制御部7は、制御信号を出力せずに電気錠4を解錠させない。
【0028】
電気錠4が解錠した場合、利用者H1は、扉13を開いて電源プラグ102をコンセント1に接続した後に扉13を閉じる。ここで、コンセントユニット11には扉13の開閉状態を検出するためのセンサが設けられており、このセンサで検出される扉13の開閉状態が制御部7に通知される。なお、この種のセンサは、例えば、扉13が閉じた状態でオンされるマイクロスイッチなどで構成される。
【0029】
制御部7は、プラグ検出部3から接続検出信号が出力されており、且つ上記センサで扉13の閉状態が検出されている場合にのみ、開閉部2を制御して商用交流電源200からコンセント1への給電路を閉じるとともに、制御信号を出力して電気錠4を施錠させる。ここで、制御部7では、解錠許可の制御データを受け取った場合、管理サーバSに送信した暗証番号と、通信部6を通じて管理サーバSから受け取った予約時刻とを対応付けてメモリに記憶する。
【0030】
ここで、先の利用者H1の予約時刻(午前9時〜午前11時)が終了する前、例えば、午前10時50分に、後の利用者H2が充電スタンドXの入力部5を操作して暗証番号(1838)を入力したとする。入力された暗証番号データ("1838"のアスキー文字)が入力部5から制御部7に渡される。制御部7は、入力部5から受け取った暗証番号(1838)及び現在時刻(午前10時50分)を、メモリに記憶されている暗証番号及び予約時刻と照合する。この場合、現在時刻が先の利用者H1の予約時刻の範囲内、言い換えると、メモリに記憶されている暗証番号(0298)の有効期間内であり、入力された暗証番号(1838)の有効期間外であるので、制御部7は制御信号を出力せずに電気錠4を解錠させない。
【0031】
一方、先の利用者H1が自己の予約時刻内に充電スタンドXの入力部5を操作して暗証番号(0298)を入力したとすれば、当該暗証番号(0298)の有効期間内であるので、制御部7は制御信号を出力して電気錠4を解錠させる。そして、利用者H1は、扉13を開いてコンセント1から電源プラグ102を抜いた後に再び扉13を閉じる。制御部7は、プラグ検出部3から接続検出信号が出力されなくなれば開閉部2を制御して給電路を開き、且つ扉13の閉状態が検出されれば制御信号を出力して電気錠4を施錠させる。なお、後の利用者H2が自己の予約時刻(午前11時〜午後2時)内で入力部5から暗証番号を入力した場合、上述した先の利用者H1の場合と同様に処理される。
【0032】
このように本実施形態の充電システムによれば、同一の充電スタンドXを使用する複数の利用者H1,H2毎に予約時刻を有効期間とする暗証番号が付与されている。そして、当該暗証番号が有効期間内に入力部5から入力された場合にのみ、電気錠4が解錠されて扉13を開くことができる。したがって、予約した利用者が使用している間は、別の利用者が暗証番号を入力しても電気錠4が解錠されないので、安全性を確保しつつ充電が不用意に中断されることを防止することができる。
【0033】
ここで、利用者が自己の予約時刻よりも早い時刻、例えば、午後3時〜午後4時の予約時刻に対して午後2時50分頃に到着した際、先の予約(例えば、午後1時〜午後3時)がない(未定)か、あるいは当該先の予約をした利用者の利用が既に終了している場合がある。このような場合、予約時刻よりも早く到着した利用者の暗証番号を予約時刻よりも前に有効とし、当該利用者が暗証番号を入力して電気錠4を解錠できることが望ましい。例えば、ある予約の予約時刻に対して、先の予約が未定あるいは終了している場合、当該後の予約の利用者の予約時刻の開始時刻を早めることにより、上述のように早く到着した利用者が本来の予約時刻以前に暗証番号を入力して電気錠4を解錠できる。
【0034】
ところで、電気自動車の充電には数時間を要するので、充電中に利用者が充電スタンドXの設置場所から離れ、予約時刻を過ぎてから戻ってくる場合が多々あると思われる。そうすると、予約時刻(予約終了時刻)を過ぎてから当該予約時刻の予約申し込みをした利用者が入力部5から暗証番号を入力しても、既に当該暗証番号の有効期間が過ぎてしまっているために電気錠4を解錠できないという事態が生じてしまう。
【0035】
そこで、充電スタンドXの制御部7は、予約時刻を過ぎてもプラグ検出部3から接続検出信号が出力され続けている場合、当該予約時刻に対応する暗証番号の有効期間を延長し、当該暗証番号が入力部5から入力されたときに電気錠4を解錠するようにしている。但し、延長された有効期間が後の予約時刻と重なる場合、当該後の予約時刻に対応する暗証番号が入力部5から入力されれば、当該暗証番号は有効期間内に入力されているので、管理サーバSから通知される解錠許可に基づいて、制御部7が電気錠4を解錠する。つまり、延長された有効期間内においては、先の予約時刻に対応する暗証番号と、後の予約時刻に対応する暗証番号の双方が有効となる。故に、先の利用者が不在であっても、後の予約時刻内であれば、当該後の利用者が自己の暗証番号を入力部5から入力して電気錠4を解錠し、扉13を開いて先の利用者の電源プラグを抜き、代わりに自己の電源プラグを接続して充電することができる。なお、延長された有効期間内に前記2つの暗証番号の何れかが入力部5から入力された場合、制御部7は、電気錠4を解錠した後に有効期間の延長を終了し、有効期間を延長していた暗証番号をメモリから削除する。つまり、延長された有効期間内に電気錠4が解錠されたのであれば、当然、先の利用者の電源プラグが抜かれると推定され、先の利用者の暗証番号の有効期間を延長する必要性がないと考えられるので、制御部7は有効期間の延長を終了するのである。
【0036】
ところで、本実施形態では、複数台の充電スタンドXの予約情報を管理サーバSで一括して管理(集中管理)しているが、個々の充電スタンドXで自らの予約情報を個別に管理(分散管理)しても構わない。但し、分散管理の場合、個々の充電スタンドXに予約情報入力部及び予約情報データベースが設けられ、充電スタンドXのみで本発明に係る充電システムが構成されることになる。
【符号の説明】
【0037】
X 充電スタンド(充電設備)
S 管理サーバ(付与装置)
1 コンセント
4 電気錠
5 入力部(入力装置)
7 制御部(制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電設備の利用時刻を予約する利用者に対して当該利用時刻を含む有効期間で有効な暗証番号を付与する付与装置と、前記充電設備に設けられる扉を施錠する電気錠と、前記暗証番号の入力を受け付ける入力装置と、当該入力装置で暗証番号の入力が受け付けられた時刻が前記有効期間内である場合に、前記電気錠を解錠する制御装置とを備えたことを特徴とする充電システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記利用者が前記利用時刻を過ぎても前記充電設備を利用している場合に、当該利用時刻を含む前記有効期間を延長することを特徴とする請求項1記載の充電システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記有効期間を延長した場合において、当該延長した期間が他の利用者の利用時刻と重なったときは、当該他の利用者に対して付与されている暗証番号も有効とみなすことを特徴とする請求項2記載の充電システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−55116(P2012−55116A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196965(P2010−196965)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】