説明

光ビームの出力カプラを提供する方法および装置

【課題】エバネッセントカプラに一体化されたリフレクタを有する光出力カプラを提供する。
【解決手段】本発明の一実施例によれば、装置は、第1および第2の光路を含む。光ビームは、第1の光路を介し導かれる。装置は、前記エバネッセントカプラに含まれ、かつ、第1および第2の光路内に一体化されたリフレクタもさらに含む。第1の光路を介し導かれる光ビームは、第1のリフレクタから反射され、それと同時に第1の光路から第2の光路へとエバネッセント結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おおむね光デバイスに関し、詳しくは、出力カプラに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットによるデータトラフィックの成長率が音声トラフィックを凌駕し、光ファイバ通信の必要性は高まるばかりである昨今、高速かつ効率の良い光技術の必要性が日に日に増している。高密度波分割多重送信(DWDM)システムにおける同一ファイバでの多数の光チャネルによる伝送は、光ファイバにより提供されるかつてない容量(信号帯域)を単純な方法で使用できるようにする。通常、DWDMシステムで使用される光学部品には、レーザ、WDM送受信機、および、回析格子、薄膜フィルタ、ファイバグレーティング(GBG)、アレイ導波路格子(AWG)、光アッド/ドロップマルチプレクサなどの光学フィルタがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
レーザは、誘導放出により光を発し、赤外線から紫外線に及ぶ周波数スペクトルをもつコヒーレント光ビームを生成するデバイスとして知られ、ありとあらゆる用途に用いることができる。光通信、あるいは、ネットワーキング用途においても、半導体レーザは、データ、情報がエンコードされて伝送されることができる光または光ビームを生成するのに用いることができる。
【0004】
以下に本発明を添付の図面を用いて説明するが、この説明は一例に過ぎず、本発明をこれに限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】ブラッググレーティングを介し光ビームが伝送される出力を有するレーザを示すブロック図である。
【0006】
【図2A】レーザキャビティ内における光ビームのキャビティ内スペクトルを示す図である。
【0007】
【図2B】光ビームが伝送されるレーザのブラッググレーティングの透過スペクトルを示す図である。
【0008】
【図2C】レーザのブラッググレーティングを介し透過されることにより生じた光ビームの出力スペクトル示す図である。
【0009】
【図3】光ビームがレーザから出力されるための2つの出力をもつエバネッセント出力カプラを有する分散型フィードバックレーザを示すブロック図である。
【0010】
【図4】本発明によるリフレクタと一体化したエバネッセント出力カプラの一実施例を有するレーザの一実施例を示すブロック図である。
【0011】
【図5A】本発明によるレーザキャビティ内における光ビームのキャビティ内スペクトルの一実施例を示す図である。
【0012】
【図5B】本発明によるレーザに含まれるリフレクタと一体化されたエバネッセント出力カプラの一実施例の出力から透過された光ビームの結果として生じた出力スペクトルの一実施例を示す図である。
【図6】本発明の実施例に従う光送信機、光受信機、および、光デバイスを含むシステムの一実施例を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
エバネッセントカプラから光ビームを出力するための方法および装置が開示される。以下の説明における数多くの具体的な詳細により、本発明の理解はより完全なものとなるであろう。ただし、当業者であれば具体的な詳細がなくとも本発明を実行できることは明らかである。また、本発明を不明瞭にするのを避けるべく、よく知られた材料または方法などは詳しく説明していない。
【0014】
明細書における「実施例」または「1つの実施例」は、その実施例に関連して説明された特定の機能、構造、あるいは、特徴が、少なくとも1つの実施例には含まれることを意味する。頻出する「実施例」、「1つの実施例」、あるいは、「いくつかの実施例」は、必ずしも同じ実施例を指すわけではない。さらに、特定の機能、構造、または、特徴は、1つまたはそれ以上の実施例においていかなる方法で組み合わせても構わない。
【0015】
図1は、リフレクタ105と107との間に配置されたゲイン媒体103を含む外部キャビティレーザ(ECL)101を示す。レーザキャビティ109は、その両端に配置されたリフレクタ105と107との間で定義される。作動中、電気は、レーザキャビティ109内でゲイン媒体103によりまず光に変換される。当業者には明らかなように、この光は、電子正孔対の放射再結合プロセスにより光が生じるように電子正孔対を生成する半導体(ゲイン媒体)への電流注入などによりレーザキャビティ109内で生成されてもよい。また、この光は、レーザキャビティ109におけるゲイン媒体103から生じる光ビーム111として図1に示されている。図1に示すように、リフレクタ105は、ゲイン媒体の広帯域高反射の被覆側面であり、リフレクタ107は、光ビーム111の少なくとも反射される部分の波長であるブラッグ波長を有するブラッググレーティングとして示される。したがって、光ビーム111の反射部分の波長は、リフレクタ107のブラッグ波長とほぼ等しくなる。光ビーム111は、レーザキャビティ内109で光の誘導放出のレイジングまたは増幅がおきるよう、リフレクタ105と107との間を連続的に往復反射する。レーザ101からの出力は、レーザキャビティ109のエンドミラーとして機能するリフレクタ107を介し透過される光から得られる。
【0016】
図1におけるレーザ101の構成は、キャビティ内のスペクトルが出力リフレクタ107の透過関数により変化するので、出力のサイドモード抑圧比(SMSR)がキャビティ内のそれより減少してしまうという難点がある。図2Aは、レーザキャビティ109内の光ビーム111のキャビティ内スペクトル201の一例を示し、図2Bは、リフレクタ107を介した光ビーム111の透過スペクトル203の一例を示し、図2Cは、レーザ101のリフレクタ107から出力される光ビーム111の出力スペクトル205の一例を示す。図2Aに示すように、光ビーム111のレイジングはおよそ1550nmで生じ、図2の例では、リフレクタ107のブラッグ波長がほぼ1550nmである。要するに、光ビーム111のキャビティ内スペクトル201は、光ビーム111がリフレクタ107を介しレーザから出力されたときのリフレクタ107の透過関数により変化する。結果として、図2Cの出力スペクトル205に示す、リフレクタ107を介した光ビーム111のシングルパスにより、光ビーム111のSMSRは、1550nmで減少する。
【0017】
図3は、先にレーザ101と関連して述べたSMSRの減少に対処するDFBレーザ301の他の例を示す。図3に示すように、レーザ303は、リフレクタ305と307との間に配置されたゲイン媒体303を含む。レーザキャビティ309は、リフレクタ305と307との間で定義される。光ビーム311は、レーザキャビティ309内のゲイン媒体303から放射され、リフレクタ305および307のブラッグ波長とほぼ等しい波長を有する光ビーム311の一部が反射される。光ビーム311は、レーザキャビティ309内でレージング、または、光の誘導放出による振幅がおきるよう、リフレクタ305と307との間を連続的に往復反射する。
【0018】
図3に示されたレーザ301は、レーザキャビティ309内に配置されたエバネッセントカプラ313を含む。このエバネッセントカプラ313は、光ビーム311に対応する平坦な波長またはスペクトルを有する出力カプラである。結果として、図1で説明したSMSRの減少についての問題は対処される。他の例では、フリースペースレーザシステムのような傾斜板をレーザキャビティ内に配置してもよく、レーザキャビティ内に配置された傾斜板からの光の反射がレーザ出力をもたらす。このようなレーザ出力の例では、例えばエバネッセントカプラ313あるいはフリースペースレーザシステム内の傾斜板のような光カプラが平坦な波長応答を有するなら、出力のSMSRは、キャビティ内スペクトルと同様になる。しかし、この方法には問題があり、キャビティ内のビームのタップが常に2つの出力ビームを生成するので、光ビーム311の強度またはパワーは、複数の出力に分割されてしまう。
【0019】
例えば、図3のエバネッセントカプラ313は、図3にはレーザキャビティ309として示される第1の光路と、図3には光導波路315として示される第2の光路とを含む。図において、レーザキャビティ309は、エバネッセントカプラ313内の光導波路317にエバネッセント結合される。図3の例に示すようなレーザキャビティ309と光導波路315との間のエバネッセント結合により、光ビーム311は、レーザキャビティ309から光導波路315へと導かれるようエバネッセント結合される。図3の例では、破線317は、エバネッセントカプラ313の中心における左右対称な平面を示す。この例では、エバネッセントカプラ313の左右対称の平面において、光ビーム311のモードのほぼ半分がレーザキャビティ309内にあり、もう半分が光導波路315内にある。
【0020】
図3に示すように、光ビーム311の左から右に伝播する部分は、エバネッセントカプラ313内の光導波路315へと移動して、最終的には光導波路315の一端から出て行く。また、光ビーム311の右から左へと伝播する部分は、エバネッセントカプラ313内の光導波路315へと移動して、最終的には光導波路315のもう一端から出て行く。結果として、図3のエバネッセントカプラ313は、その光導波路315の両端から出力されるので、光ビーム311の光強度は、2つの出力に分割され、それぞれ訳半分の強度またはパワーになる。
【0021】
図4は、本発明によるエバネッセントカプラの一実施例を含むレーザ401の一実施例の概要を示す。一実施例では、レーザ401は、リフレクタ405と407との間に配置されたゲイン媒体403を含むECLレーザである。レーザキャビティ409は、リフレクタ405と407との間に定義される。一実施例では、レーザキャビティ409は、半導体材料419に配置された光導波路内に定義される。また、一実施例では、半導体材料419は、シリコンを含み、SOIウェハのシリコンのエピタキシャル層に含まれる。このような例では、SOIウェハの埋込み酸化物層がレーザキャビティ409内に光を閉じ込めるのに役立つクラッディングとして機能することもできる。また、他の実施例では、他の適切な材料がレーザキャビティ409に用いられてもよく、例えば、半導体材料に限らず、III−V材料、酸化物、シリカ光ファイバ、あるいは、その他の適切な光透過材料を用いることもできる。また、レーザキャビティ409が光ファイバを含む例では、半導体材料419は、レーザキャビティ409の光ファイバを配置することができる適切な材料であってもよい。
【0022】
図4の実施例では、ゲイン媒体403が半導体材料419とは別になっている。例えば、半導体材料419がシリコンを含む実施例では、ゲイン媒体403は、例えばGaAs、InP、InPGaAsなどのIII−V材料、または、他の適切な材料を含む別個のゲイン媒体のダイオードと共に用いられてもよい。一実施例では、ゲイン媒体403から発せられる光の波長は、ゲイン媒体403に使用される材料に関係する。例えば、GaAsを用いる一実施例では、ゲイン媒体は、およそ800nmの波長を有する。InPを用いる他の実施例では、ゲイン媒体は、およそ1500nmの波長を有する。さらに他の実施例におけるInPGaAsを用いたゲイン媒体は、約800nmから1500nmの範囲の波長を有する光を発するようにされてもよい。これらの波長は一例に過ぎず、本発明に従い他の波長を用いてもよいことはいうまでもない。
【0023】
ゲイン媒体403がダイオードを含む一実施例では、ゲイン媒体403のダイオードに劈開面が含まれることにより、図4に示すようなリフレクタ403として用いることができるファセットが形成されてもよい。このような実施例では、ゲイン媒体403のダイオードは、ゲイン媒体から発せられる光がレーザキャビティ409に含まれる光路で受けられるべく光学的に結合するように、半導体材料419と突合せ結合されてよい。
【0024】
他の実施例では、ゲイン媒体403は、半導体材料419内に含まれるかまたは一体化されてもよい。このような実施例では、完全に一体化されたモノリシックソリューションが、本発明によるリフレクタ405と407との間のレーザキャビティ409内に配置されたゲイン媒体を備えている。
【0025】
作動中、図4に光ビーム411として示される光は、ゲイン媒体403から発せられてレーザキャビティ409に入射する。図4の実施例では、リフレクタ407は、レーザキャビティ409の端部に配置されたブラッググレーティングとして示される。また、他の実施例では、リフレクタ407は、他の適切なタイプのリフレクタでもよいし、それに限らず反射するファセットのようなものを形成する劈開面でもよい。また、一実施例では、リフレクタ407は、少なくとも光ビーム411の反射される部分の波長であるブラッグ波長を有する。したがって、光ビーム411の反射される部分は、リフレクタ407のブラッグ波長と実質的に等しい中心波長を有する。光ビーム411は、レーザキャビティ409内で中心波長の光の誘導放出のレイジングまたは増幅がおきるよう、リフレクタ405と407との間を連続的に往復反射する。
【0026】
一実施例では、リフレクタ407は、ブラッググレーティングであり、周期的あるいは準周期的な摂動が有効な屈折率でレーザキャビティ409の光路に沿っておきるよう、レーザキャビティ409の光路に沿い半導体材料419内に配置された材料の変更領域を含む。例えば、一実施例では、リフレクタ407は、異なる屈性率を有する変更領域を含んでよい。また、シリコン、ポリシリコン、シリコン−ゲルマニウム、シリコン酸窒化物、または、様々な濃度を有する他の適切な材料の組合せを例にあげると、それらすべては、レーザキャビティ409に沿った有効な屈折率でのブラッググレーティングを定義する周期的または準周期的摂動をもたらす。また、他の実施例では、リフレクタ407のブラッググレーティングが光ファイバにそのまま一体化されることにより、レーザキャビティ409の端部を定義してもよい。
【0027】
図4の実施例では、レーザ401は、本発明に従う、光ビーム411がレーザ401から出力されるためのエバネッセント出力カプラ413も含む。一実施例では、エバネッセント出力カプラは、本発明に従い、2つのエバネッセント結合された光路に一体化されたリフレクタ407を含む。図4では、エバネッセント出力カプラ413の2つのエバネッセント結合された光路は、レーザキャビティ409の光路と、半導体材料419内に配置された光導波路415として示される他の光路とを含む。一実施例では、光導波路415は、エバネッセントカプラ413の出力である。他の実施例では、光導波路415は、レーザキャビティ409にエバネッセント結合された光ファイバであってもよく、エバネッセントカプラ413内のリフレクタ407と一体化されている。
【0028】
本実施例で示すように、リフレクタ407は、エバネッセント出力カプラ413内の左右対称な平面において定義される。一実施例では、リフレクタ407のブラッググレーティングの半導体材料419内に配置された材料の変更領域は、エバネッセントカプラ413のエバネッセント結合におけるレーザキャビティ409および光導波路415のどちらにも及び、ブラッググレーティングは、エバネッセントカプラ413の2つの光路の両方に一体化される。光ビーム411がレーザキャビティ409に沿い図4の左から右へと伝播していくにつれ、光ビーム411のモードは、エバネッセントカプラ413におけるエバネッセント結合を介しレーザキャビティ409から光導波路415へと移動し始める。レーザビーム411がエバネッセント出力カプラ413内の左右対称の平面に達するまでには、光ビーム411のモードのほぼ半分はレーザキャビティ409から光導波路へと移動している。しかしながら、エバネッセント出力カプラ413内の左右対称な平面417で定義されているリフレクタ407により、本発明に従う光ビーム411がリフレクタ407から反射されると、光ビームのモードの残り半分は、エバネッセント結合されるか、または、レーザキャビティ409から光導波路415へと移動する。前述のようにレーザキャビティ409の光路および光導波路415の光路と一体化したリフレクタ407により、光ビーム411が反射すると同時に、空間は、本発明に従うエバネッセントカプラ413内のレーザキャビティ409から光導波路415までエバネッセント結合される。また、エバネッセントカプラ413の中心で左右対称の平面417に定義されているリフレクタ407により、本発明に従うバネッセント出力カプラ413は、実質的に半分に折り畳まれる。このようにして半分に折り畳まれたエバネッセント出力カプラ413により、本発明に従うレーザキャビティ409から光導波路415への光ビーム411のエバネッセント結合と連動して、光ビーム411の反射がおきる。さらに、本発明に従うレーザキャビティ409から光導波路415への光ビーム411の出力は1つだけである。
【0029】
したがって、エバネッセントカプラ413からの光ビーム411の出力は、多数の出力に分割されず、出力光ビームの一部を反射または遮断する透過関数を有するブラッググレーティングを介し透過されることもない。結果として、光ビーム411は、本発明に従う前述したレーザの出力スペクトルより実質的に大きい強度またはパワーを有する出力スペクトル503を有するエバネッセント出力カプラ413から出力される。
【0030】
図5Aは、レーザキャビティ409内の光ビーム411のキャビティ内スペクトル501の一例を示し、図5Bは、本発明によるエバネッセントカプラ413から光導波路415を介し出力された光ビーム411の出力スペクトル503の一例を示す。図5Aに示されたキャビティ内スペクトル501が示すように、光ビーム411のレイジングは、およそ1550nmでおきる。図5Bに示すように、多数の出力に分割される光導波路415からの光ビーム411の出力スペクトル503は、前述した出力スペクトル205または光ビーム311の出力スペクトルより実質的に大きい強度またはパワーを有する。それらの波長は、例示の目的のみに設定され、光ビーム411は、本発明に従い異なる波長を有してもよい。
【0031】
図4で説明した実施例に戻り、光デバイス421は、本発明の一実施例に従う半導体材料419に任意で含まれる。一実施例では、光デバイス421は、光導波路415を介し光ビーム411を受信するよう光学的に結合される。一実施例では、光デバイス421は、半導体材料419にモノリシックに一体化されたフォトニックデバイスを有してもよい。一実施例では、光デバイス421は、信号423を受信するよう結合される。一実施例では、光デバイス421は、1つまたはそれ以上の位相シフタ、1つまたはそれ以上の光変調器、1つまたはそれ以上の光スイッチ、または、他の良く知られた適切なデバイス、あるいは、光ビーム411を作動させることができる将来的な技術を含んでもよい。例えば、一実施例では、光デバイス421は、信号423に応答して光ビーム411を変調するよう適合される光変調器である。また、他の実施例では、光デバイス421は、半導体材料には含まれておらず、光ビーム411を受信するよう光学的に結合された個別のチップに配置されている。
【0032】
図6は、光送信機および光受信機を含むシステムの一実施例を本発明の実施例に従う光デバイスと共に示す概略図である。特に、図6は、光受信機607により受信される光ビーム611を発するレーザ603として示される光送信機を含む。一実施例では、レーザ603は、レーザ401と同様である。また、一実施例では、光学系601は、レーザ503と光受信機607との間に光学的に結合された光デバイス605も含む。また、一実施例では、光デバイス605は、図4に示した光デバイス421であってもよい。他の実施例では、光デバイス421は、光デバイス605の代わりに用いられる。さらに他の実施例では、光デバイス605および光デバイス421の両方を含む。また、さらに他の実施例では、光デバイス605および光デバイス421のどちらも含まない。
【0033】
図6に示すように、レーザ603は、光デバイス605により受信される光ビーム611を発するよう適合される。一実施例では、光デバイス605は、信号609に応答して光ビーム611を変調するよう適合される。他の実施例では、光デバイス605は、信号609に応答して光ビーム611を位相シフトするよう適合される。このような実施例では、光デバイス605は、信号609に応答する光遅延装置として機能する。図6に示すように、光ビーム611は、光受信機607に向かう。本発明による様々な実施例では、開示された光デバイスの実施例は、光遅延装置、スイッチ、変調器、または、アッド/ドロップなどのような他の高速光用途と同様、マルチプロセッサ、電気通信、ネットワーキングを含む様々な高帯域用途に用いることができる。
【0034】
本願発明を好適な実施形態に関して説明したが、当業者は特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変更・修正等が可能である。よって、本発明は、特許請求の範囲の請求項に記載した全ての範囲内で、広く解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
光ビームがそれを通じて導かれる第1の光路、および、第2の光路と、
前記第1および第2の光路を含み、かつ、該第1および第2の光路をエバネッセント結合するエバネッセントカプラと、
前記第1の光路と前記第2の光路とに光ビームが同時にエバネッセント結合されるとき、該第1の光路を介し導かれる光ビームを反射するよう、前記エバネッセントカプラに含まれ、かつ、前記第1および第2の光路にエバネッセント結合される第1のリフレクタ、とを含む装置。
【請求項2】
前記第1のリフレクタは、前記エバネッセントカプラの中心にある左右対称の平面において定義される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のリフレクタは、前記第1の光路の第1の端部にあり、
前記装置は、
前記光路の第2の端部に位置する第2のリフレクタと、
前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間に定義されたゲイン媒体を含むレーザキャビティと、
をさらに含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記エバネッセントカプラの出力から出力された光ビームは、前記レーザキャビティを介し導かれる光ビームのキャビティ内スペクトルと同様の出力スペクトルを有する、請求項3に記載された装置。
【請求項5】
前記第1および第2の光路と、前記第1のリフレクタとは、半導体材料内に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記ゲイン媒体は、前記半導体材料内に配置される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記レーザキャビティは、前記半導体材料内に配置された第1の光導波路を含み、前記第2の光路は、前記半導体材料内に配置された第2の光導波路に含まれる、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記半導体材料にモノリシックに一体化され、かつ、前記第2の光導波路からの光ビームを受信するよう光学的に結合されたフォトニックデバイスをさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1および第2の光路は、光ファイバを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記半導体材料は、シリコンを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のリフレクタは、前記エバネッセントカプラに含まれ、かつ、前記第1および第2の光路内に一体化されたブラッググレーティングを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
方法であって、
光ビームを第1の光路に沿い導く工程と、
前記光ビームを前記第1の光路に配置された第1のリフレクタにより反射する工程と、
前記第1の光路から第2の光路へと前記光ビームを反射するとともに、該光ビームをエバネッセント結合する工程において、前記エバネッセントカプラと一体化された前記第1のリフレクタは、前記第1および第2の光路を含む工程と、
を含む方法。
【請求項13】
前記光ビームを反射する工程は、前記エバネッセントカプラの中心にある左右対称の平面における前記第1のリフレクタにより前記光ビームを反射する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光ビームを前記第1の光路に含まれるゲイン媒体から誘導放出する工程と、
第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間に定義されたレーザキャビティにおいて前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間で前記光ビームを反射することにより、該光ビームを前記レーザキャビティ内でさらに誘導放出させる工程と、
をさらに含む請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のリフレクタは、ブラッグ波長を有するブラッググレーティングを含み、前記第1のリフレクタと前記第2のリフレクタとの間で反射される光ビームの中心波長は、前記ブラッググレーティングのブラッグ波長と実質的に等しい、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記光ビームを前記第1の光路から前記第2の光路へと反射するとともに、該光ビームをエバネッセント結合する工程は、前記レーザキャビティから出力された前記光ビームを前記エバネッセントカプラの出力へと導くことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のリフレクタから反射された光ビームを前記エバネッセントカプラの出力から半導体材料内に配置された光デバイスへと導く工程をさらに含み、前記エバネッセントカプラは、第1および第2の光路を含み、前記第1のリフレクタもまた、前記半導体材料内に配置される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
システムであって、
第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間に定義されたゲイン媒体を含むレーザキャビティと、該レーザキャビティに光学的に結合されたエバネッセント出力カプラとを有するレーザであって、前記エバネッセント出力カプラは、前記レーザキャビティ内の光ビームが前記第1のリフレクタから反射されると同時に、該光ビームは前記エバネッセントカプラの出力にエバネッセント結合されるよう、前記レーザキャビティと一体化した第1のリフレクタと、前記エバネッセントカプラの出力とを含むレーザと、
前記エバネッセントカプラからの光ビームを受信するよう光学的に結合された光受信機と、
を含むシステム。
【請求項19】
前記第1のリフレクタは、ブラッググレーティングを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のリフレクタは、前記エバネッセントカプラの中心にある左右対称の平面において定義される、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のリフレクタを含む前記エバネッセントカプラは、半導体材料内に配置される、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記エバネッセントカプラの出力と、前記光受信機との間に光学的に結合される光デバイスをさらに含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記光デバイスは、前記半導体材料内に配置される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記光デバイスは、信号に応答して前記光ビームを変調するよう適合された光変調器を含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記レーザは、外部キャビティレーザ(ECL)を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
前記半導体材料は、シリコンを含む、請求項21に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−523387(P2007−523387A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554354(P2006−554354)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/009662
【国際公開番号】WO2005/098492
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】