説明

光走査装置および画像形成装置

【課題】装置輸送時における回転偏向器の回転軸の軸受からの脱落を防止し、かつ、密閉空間の温度上昇を抑制するとともに、回転ムラを抑制することのできる光走査装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転軸152と軸受158との嵌合長さL1よりも回転偏向器150a上面と偏向器カバー105とのクリアランスL2を大きくし、かつ、偏向器カバー105の回転偏向器150aの回転中心線上に、回転軸152の軸受158からの抜けを防止する抜け防止部材31を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザビームプリンタ、デジタル複写機、レーザFAX等の書込系に用いられる光走査装置とそれを搭載する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザビームプリンタ、デジタル複写機、レーザFAXなどの画像形成装置における印字プロセスは、光走査装置によって像坦持体に潜像を形成し、潜像を現像手段によってトナー像として可視化し、トナー像を転写紙等記録材上に転写して定着させ、装置外に排出するものである。上記光走査装置は、光源より光ビームをポリゴンスキャナの回転偏向器により偏向して像坦持体である感光体を露光走査するように構成されている。ポリゴンスキャナは、ポリゴンモータ、回転偏向器などを有している。回転偏向器は、ポリゴンミラーを備えたミラーロータと回転軸とで構成されている。
【0003】
このような画像形成装置における光走査装置は、感光体面上に高精度、高品質な光ビームを照射し続ける必要があるため、何らかの原因で故障した場合に交換可能となっている場合が多い。交換用の光走査装置単体を梱包し輸送される場合、画像形成装置自体の輸送の場合と比較して、小型の梱包になり、手荒に扱われる事態が想定される。
【0004】
回転偏向器の回転軸は、高速で回転するため、軸受の摩擦熱を抑制するためにオイル動圧式の軸受や空気動圧式の軸受などを用いて回転軸を回転自在に支持している。オイル動圧式の軸受や空気動圧式の軸受などを用いると、回転軸が流体を介して支持される。そのため、回転軸は、軸受に対して軸方向に移動しやすい。よって、光走査装置が手荒に扱われ、光走査装置が衝撃を受けた場合に回転軸が軸方向に動いてしまい、回転偏向器と対向するカバー部材にポリゴンミラーが突き当り、ポリゴンミラーが破損する場合があった。また、光走査装置が天地逆転された場合、回転軸が軸受から脱落するおそれもあった。
【0005】
特許文献1には、図15に示すように、カバー部材201の回転偏向器200と対向する部位を回転偏向器200の上面との間隔が僅かとなるよう形成し、その部位にスポンジやゴムなどの緩衝材202を設けた構成が記載されている。このように、カバー部材201の回転偏向器200と対向する部位を回転偏向器200の上面との間隔が僅かとなるよう形成することによって、光走査装置が天地逆転された場合でも、回転軸200aが軸受から脱落することがない。しかも、カバー部材201の回転偏向器200と対向する部位にスポンジやゴムなどの緩衝材202を設けているため、光走査装置の運搬時などに光走査装置に衝撃や振動等が加わって回転偏向器200が上方に変位しても、回転偏向器200が緩衝材202に当接して、緩衝材202により衝撃が吸収される。これにより、回転偏向器200に衝撃が加わりにくいので、回転偏向器200が破損しにくくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1の光走査装置においては、カバー部材201の回転偏向器200の上面と対向する部位を回転偏向器200の上面との間隔が僅かとなるよう形成しているため、回転偏向器200に回転ムラが生じてしまうという課題が生じる。以下、図15、図16を用いて、具体的に説明する。
【0007】
図16は、回転偏向器200の平面図である。
回転偏向器200は、図16に示すように、例えば、6面のポリゴンミラー200bを有している。回転偏向器200が回転すると、各ポリゴンミラー200bの回転方向上流側端部付近の面の部分(図中Aの部分)が、図中矢印B方向に空気を押すことによって、回転偏向器の水平方向の周囲は、水平方向へ放射するような気流が生じている。各ポリゴンミラー200bのAの部分が空気を押し出す結果、各ポリゴンミラー200bのA部分付近が負圧となる。すると、図中矢印Cに示すように、回転偏向器200の上面から、ポリゴンミラー200bのAの部分付近へ空気が流入し、回転偏向器200の上面が負圧となる。しかしながら、特許文献1に記載の光走査装置においては、図15に示すように、回転軸200aの軸受からの抜け防止のため、カバー部材201の回転偏向器200と対向する部位を回転偏向器200の上面との間隔を狭くしているので、回転偏向器200の上面が、負圧となっても、回転偏向器の上面へは、空気がほとんど流入せず、回転偏向器200上面の負圧が高まっていく。このように、回転偏向器200の上面の負圧が高まると、各ポリゴンミラー200bの図中Aの部分で押し出された空気の一部が、回転偏向器200の回転方向とは逆方向に渦を巻くような気流Dとなり、気流Dが回転偏向器上面へ流れ込む。この気流Dは、回転偏向器200の回転の負荷となり、回転偏向器200の回転速度を減少させてしまう。回転偏向器上面の負圧がある程度減少すると、上記気流Dが消滅し、回転偏向器200の回転の負荷がなくなり、回転偏向器200の回転速度が、元の回転速度に戻る。そして、再び、回転偏向器上面の負圧が高まると、上記気流Dが発生し、回転偏向器200の回転負荷が増加する。このようなことが繰り返し起こることで、回転偏向器200に回転ムラが生じてしまう。
【0008】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、装置輸送時における回転偏向器の回転軸の軸受からの脱落を防止し、かつ、回転ムラを抑制することのできる光走査装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、光ビームを射出する光源と、回転軸が軸受に回転自在に支持され、光源からの光ビームを偏向走査する回転偏向器と、偏向された光ビームを感光体上に導く光学素子と、上記回転偏向器を取り付ける回転偏向器取り付け部を備えた筐体と、上記回転偏向器の上面を覆うカバー部材とを備えた光走査装置において、上記回転軸と上記軸受との嵌合長さをL1、上記回転偏向器上面と上記カバー部材とのクリアランスをL2としたとき、L1<L2を満たすよう構成されており、上記カバー部材の上記回転偏向器の回転中心線上に相当する部分に、上記回転軸の上記軸受からの抜けを防止する抜け防止部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の光走査装置において、上記抜け防止部材の長さをL3としたとき、L3>L2−L1を満たすことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の光走査装置において、上記筐体には、該回転偏向器取り付け部に取り付けられた上記回転偏向器の周囲を囲う遮音壁が設けられており、上記遮音壁と上記カバー部材とで、上記回転偏向器を密閉する密閉空間を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの光走査装置において、上記抜け防止部材に、上記回転偏向器の回転方向に、傾斜あるいは捩れたリブを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの光走査装置において、上記回転偏向器と上記抜け防止部材との間に弾性部材を保持したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の光走査装置において、上記抜け防止部材に、上記弾性部材を保持する保持部を形成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの光走査装置を有した画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、回転偏向器上面とカバーとのクリアランスを回転軸と軸受との嵌合長さよりも大きくすることによって、回転偏向器の上面が負圧になったとき、カバーの下面から回転偏向器上面へ吹き降ろすような気流が発生し、カバーと回転偏向器上面とのクリアランスが回転軸と軸受との嵌合長さよりも小さい特許文献1に記載の光り走査装置に比べて、回転偏向器上面の負圧を抑制することができる。これにより、図16に示した気流Dが生じるのを抑制することができ、回転ムラが抑制される。
また、抜け止め部材を設けているので、上記回転軸と上記軸受との嵌合長さよりも上記回転偏向器上面と上記カバーとのクリアランスを大きくしても、光走査装置が天地逆転されたときに、回転軸が軸受から脱落することはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタにおけるY用の作像ステーションを示す概略構成図。
【図3】同プリンタおける光走査装置を、4つの感光体とともに示す概略構成図。
【図4】同光走査装置の構成を示す概略上面図。
【図5】同光走査装置におけるポリゴンスキャナの構成を示す概略断面図。
【図6】同光走査装置のポリゴンスキャナ周辺の拡大構成図。
【図7】同光走査装置における抜け防止部材の斜視図。
【図8】回転偏向器高速回転中に発生する回転偏向器上方の気流と、抜け防止部材のリブとの関係について説明する図。
【図9】抜け防止部材の変形例をポリゴンスキャナとともに示す斜視図。
【図10】偏向器カバー105を取り外したときにおける光走査装置のポリゴンスキャナ周辺の拡大構成図。
【図11】回転偏向器の上面に弾性部材を保持した構成を示す概略断面図。
【図12】弾性部材の斜視図。
【図13】抜け防止部材に保持部を設けた構成を示す斜視図。
【図14】抜け防止部材の保持部に弾性部材を保持した構成を示す概略断面図。
【図15】従来の光走査装置のポリゴンスキャナ周辺の拡大構成図。
【図16】従来の光走査装置における回転偏向器を回転させたときの気流について説明する回転偏向器の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を、電子写真方式のカラーレーザープリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、筐体1と、この筐体1から引き出し可能な給紙カセット2とを備えている。筐体1の中央部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンダ(M)、黒(K)の各色のトナー像(可視像)を形成するための作像ステーション3Y,3C,3M,3Kを備えている。以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ、黒用の部材であることを示す。
【0013】
図2は、イエロー(Y)用の作像ステーションを示す概略構成図である。なお、他の作像ステーションも同様の構成である。
図1及び図1に示すように、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、図中矢印A方向に回転する潜像担持体としてのドラム状の感光体10Y,10C,10M,10Kを備えている。感光体10Y,10C,10M,10Kは、直径40[mm]のアルミニウム製の円筒状基体と、その表面を覆う、例えばOPC(有機光半導体)感光層とから構成されている。各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kは、それぞれ、感光体10Y,10C,10M,10Kの周囲に、感光体を帯電する帯電装置11Y,11C,11M,11Kを備えている。また、感光体に形成された潜像を現像する現像手段としての現像装置12Y,12C,12M,12K、感光体上の残留トナーをクリーニングするクリーニング装置13Y,13C,13M,13Kも感光体の周囲に備えている。
【0014】
各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの下方には、感光体10Y,10C,10M,10Kに対し、書込光Lによる光走査を行う光走査装置4を備えている。また、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの上方には、各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kによって形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト20を具備する中間転写ユニット5を備えている。また、中間転写ベルト20に転写されたトナー像を転写体としての記録紙Pに定着せしめる定着ユニット6を備えている。また、筐体1の上部には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル7Y,7C,7M,7Kが装填されている。このトナーボトル7Y,7C,7M,7Kは、筐体1の上部に形成される排紙トレイ8を開くことにより、筐体1から脱着可能になっている。
【0015】
光走査装置としての光走査装置4は、光源であるレーザーダイオードを有しており、このレーザーダイオードから、回転駆動される正多角柱構造のポリゴンミラーに向けて光ビームとしての書込光Lを発射する。発射された書込光Lは、回転するポリゴンミラーの鏡面によって主走査方向に偏向せしめられながら反射する。そして、複数の反射鏡によって折り返された後、帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様帯電せしめられた感光体10Y,10C,10M,10Kの周面を走査する。これにより、潜像担持体としての感光体10Y,10C,10M,10Kの周面に、それぞれY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光走査装置4の詳しい説明は後述する。
【0016】
転写手段たる中間転写ユニット5の中間転写ベルト20は、駆動ローラ21、テンションローラ22及び従動ローラ23に掛け回されながら、所定タイミングで図中反時計回り方向に回転駆動される。また、中間転写ユニット5は、感光体10Y,10C,10M,10Kに形成されたトナー像を中間転写ベルト20に1次転写する1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kを備えている。また、中間転写ベルト20上に1次転写されたトナー像を記録紙Pに転写する2次転写ローラ25、記録紙P上に転写されなかった中間転写ベルト20上の転写残トナーをクリーニングするベルトクリーニング装置26も備えている。
【0017】
次に、本プリンタにおいて、カラー画像を得る工程について説明する。
まず、作像ステーション3Y,3C,3M,3Kにおいて、感光体10Y,10C,10M,10Kが帯電装置11Y,11C,11M,11Kによって一様に帯電される。その後、画像情報に基づいて生成された書込光Lによって走査露光されて、感光体10Y,10C,10M,10Kの表面に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、現像装置12Y,12C,12M,12Kの現像ローラ15Y,15C,15M,15K上に担持された各色のトナーによって現像されて、Y,C,M,Kトナー像となる。感光体10Y,10C,10M,10K上のY,C,M,Kトナー像は、各1次転写ローラ24Y,24C,24M,24Kの作用によって反時計回りに回転駆動する中間転写ベルト20上に順次重ねて1次転写される。このときの各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト20上の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト20の移動方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0018】
1次転写終了後の感光体10Y,10C,10M,10Kは、クリーニング装置13Y,13C,13M,13Kのクリーニングブレード13aによってその表面がクリーニングされて、次の画像形成に備えられる。
【0019】
トナーボトル7Y,7C,7M,7Kに充填されているトナーは、必要性に応じて図示しない搬送経路によって各作像ステーション3Y,3C,3M,3Kの現像装置12Y,12C,12M,12Kに所定量補給される。
【0020】
一方、上記給紙カセット2内の記録紙Pは、給紙カセット2の近傍に配設された給紙ローラ27によって、筐体1内に搬送され、レジストローラ対28によって所定のタイミングで2次転写部に搬送される。そして、2次転写部において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が記録紙Pに転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着ユニット6を通過することでトナー像が定着せしめられた後、排出ローラ29によって排紙トレイ8に排出される。感光体10と同様に、中間転写ベルト20上に残った転写残のトナーは、中間転写ベルト20に接触するベルトクリーニング装置26によってクリーニングされる。
【0021】
次に、光走査装置4の構成について説明する。
図3は、本実施形態に係るプリンタおける光走査装置4を、4つの感光体とともに示す概略構成図である。
図4は、光走査装置のポリゴンスキャナ付近を上から見た図である。
光走査装置4は、ポリゴンスキャナ50、各種の反射ミラー、各種のレンズ等の光学素子を備えている。ポリゴンスキャナ50、各種の反射ミラー、各種のレンズ等の光学素子は、ハウジング131に収納される。ハウジング131の上方の開口部を覆う筐体カバー107には、防塵ガラス48Y,48C,48M,48Kが設けられている。ポリゴンスキャナ50は、図4に示すように、光走査装置4の略中央に設けられ、ハウジング131の防音ガラス42a、42bと防音壁54とで囲われた空間に配置されている。本実施形態においては、防音ガラス42a、42b、防音壁54とで、遮音壁が形成されている。また、図3に示すように、筐体カバー107の中央部は、開口しており、開口部から回転偏向器150a側に延びて、下端が、防音ガラス42a,42bの上面と防音壁54の上面と当接する内壁部106が形成されている。そして、この筐体カバー107の開口部を覆うようにして偏向器カバー105が取り付けられている。これにより、ポリゴンスキャナ50は、ハウジング131の底面、防音ガラス42a、42b、防音壁54、内壁部106、偏向器カバー105とで囲われた密閉空間に配置される。
【0022】
図5は、ポリゴンスキャナ50の概略構成図である。
図に示すように、ポリゴンスキャナ50は、回転多面鏡である上段ポリゴンミラー49a、下段ポリゴンミラー49b、ポリゴンモータ150などを有している。ポリゴンミラー49a、49bは、アルミニウムからなる筒状のミラーロータ151の側面に形成されている。ミラーロータ151は、回転軸152に固定されている。本実施形態においては、ミラーロータ151、回転軸152、ポリゴンミラー49a、49bなどで回転偏向器150aを構成している。ミラーロータ151の内周面には、ロータマグネット153が設けられている。ミラーロータ151の内部には、コア部材154bにコイル154aを巻きつけたステータ154が設けられている。ステータ154は、ロータマグネット153と対向する位置に配設されており、軸受158を介して回転軸152に回転自在に固定されている。軸受158は、筒状の軸受ホルダ158a、シールワッシャー158c、シールワッシャー158cにより軸受ホルダ158a内に内封された潤滑油などの流体158bなどを有している。また、軸受ホルダ158aの底部には、スラスト軸受158dが設けられている。軸受ホルダ158aの内部に回転軸152が挿入されており、回転軸152は、スラスト軸受158d上に載置されている。ポリゴンモータ150の軸受158の軸受ホルダ158aが、コネクタ161を備えた回路基板160に固定されている。コネクタ161には、図示しない装置本体の電源ユニットに接続されたハーネスが取り付けられ、このコネクタ161を介してポリゴンモータ150に電力が供給される。
【0023】
図4に示すように、ポリゴンスキャナ50の図中右側には、M用の光学系と、K用の光学系とが配設されている。ポリゴンスキャナ50の図中左側には、Y用の光学系と、C用の光学系とが配設されている。Y用の光学系は、ポリゴンスキャナ50の回転軸152を中心にしてK用の光学系と点対称の関係となる構成になっている。また、C用の光学系は、ポリゴンスキャナ50の回転軸152を中心にしてM用の光学系と点対称の関係となる構成になっている。
【0024】
また、図3に示すように、各感光体10K、10M、10C、10Yにそれぞれ対応する光ビームLk、Lm、Lc、Lyを射出する光ビーム発射手段たる光源ユニット41K,41M,41C,41Yを備えている。光源ユニット41は、少なくと光源たる半導体レーザを備えている。光源ユニット41Kと、光源ユニット41Mとは、上下方向に並んで設けられており、光源ユニット41Cと光源ユニット41Yとが、上下方向に並んで設けられている。
【0025】
光源ユニット41K(41M)からポリゴンスキャナ50までの光ビームの光路上には、第1コリメートレンズ52a、第1シリンドリカルレンズ53aが、配設されている。また、光源ユニット41Y(41C)からポリゴンスキャナ50までの光ビームの光路上には、第2コリメートレンズ52b、第2シリンドリカルレンズ53bが、配設されている。また、光学素子たる、走査レンズ(fθレンズ)25a,25b、第1ミラー46K,46M,46C,46Y,第2ミラー47K,47M,47C,47Yは、ポリゴンスキャナ50から被照射体である感光体10までの光路上に配置されている。また、図示はしないが、ポリゴンスキャナ50から被照射体である感光体10までの光路上に各色にそれぞれ対応する長尺レンズを配設してもよい。
【0026】
K用の光源ユニット41Kから発射された光ビームは、第1コリメートレンズ52a、図示しないアパーチャを通過して、所定の形状の光ビームLkが形成される。このアパーチャを通過した光ビームLkは、第1シリンドリカルレンズ53aに入射して光ビームの面倒れを補正する。シリンドリカルレンズ53aを通過した光ビームLkは、第1防音ガラス42aを通過して主走査線偏向手段たる上段ポリゴンミラー49aの側面に入射する。上段ポリゴンミラー49aの側面に光ビームLkが入射すると、この光ビームが主走査線方向に偏向走査される。ポリゴンミラー49aで偏向走査された光ビーム(光ビーム)Lkは、再び第1防音ガラス42aを通過して第1走査レンズ43a(fθレンズ)によって集光される。第1走査レンズ43aによって集光されたK色の光ビームLkは、第1、第2ミラー44K、45K、防塵ガラス48Kを介して感光体10Kに照射される。
【0027】
M用の光源ユニット41Mから発射された光ビームLmも、K色同様、第1シリンドリカルレンズ53aなどを通過して、下段ポリゴンミラー49bに走査される。下段ポリゴンミラー49bに走査されたM色用の光ビームLmは、第1走査レンズ43a、第1ミラー44M、第2ミラ−45M、防塵ガラス48Mを通って、感光体10Mに照射される。
【0028】
C用の光源ユニット41Cから発射された光ビームLcは、第2シリンドリカルレンズ53bなどを通過して下段ポリゴンミラー49bに走査される。下段ポリゴンミラー49bに走査されたC色用の光ビームLcは、第2走査レンズ43b、第1ミラー44C、第2ミラ−45C、防塵ガラス48Cを通って、感光体10Cに照射される。
【0029】
Y用の光源ユニット41Yから発射された光ビームLyは、第2シリンドリカルレンズ53bなどを通過して上段ポリゴンミラー49aに走査される。上段ポリゴンミラー49aに走査されたY色用の光ビームLyは、第2走査レンズ43b、第1ミラー44Y、第2ミラ−45Y、防塵ガラス48Yを通って、感光体10Yに照射される。
【0030】
上記ポリゴンスキャナ50は、ポリゴンモータや、回路基板160に設けられた電子部品などが発熱し、回転偏向器150aを密閉する密閉空間内の空気が加熱される。ポリゴンスキャナ50の周囲には、走査レンズ(fθレンズ)などが配置されており、防音壁54や防音ガラス42a,42bをポリゴンスキャナ210の周囲から遠ざけて、密閉空間の容積を広げることができない。そこで、本実施形態においては、図3に示すように、ポリゴンスキャナ50の上空を広く開けて、密閉空間の容積を広げている。そのため、密閉空間の温度上昇が抑えられ、ハウジングの底面の熱変形を抑制することができる。その結果、ハウジングのポリゴンスキャナ取り付け面の熱変形を抑制することができ、回転偏向器の回転軸倒れを抑制することができる。
【0031】
また、回転偏向器150aが高速回転すると、ポリゴンミラーにより、ポリゴンミラー周囲の空気が、水平方向へ押し出され、ポリゴンミラーの周囲が負圧となり、回転偏向器上面(ミラーロータ上面)の空気が、ポリゴンミラーの周囲の負圧の部分に流れ込み、回転偏向器上面が負圧となる。このとき、ポリゴンスキャナ50の上空を広く開けているため、偏向器カバー105の下面から、回転偏向器150aの上面に向けて、吹き降ろすような気流が生じて、回転偏向器上面の負圧が抑制される。このように、回転偏向器周囲の負圧が抑制されるので、図16に示した気流Dが生じるのを抑制することができる。その結果、回転偏向器の回転のバランスが崩れるのを抑制することができ、回転ムラを抑制することができる。
【0032】
しかしながら、上記のように、ポリゴンスキャナ50の上空を広く開けると、図5に示す軸受158と回転軸152との嵌合長さL1よりも、図6に示す偏向器カバー105の下面から、回転偏向器200の上面までの距離L2が大きくなってしまう。本実施形態の光走査装置は、メンテナンスや、光走査装置4を交換できるように、装置本体に対して着脱可能となっている。また、回転軸152は、潤滑油などの流体を介して軸受158に支持されているため、上下動する。このため、メンテナンスのために装置本体から取り外された光走査装置4が天地逆転された場合、回転軸152が軸受158から脱落してしまうという問題があった。
【0033】
そこで、本実施形態においては、図6に示すように、偏向器カバー105に回転軸152が軸受158から抜け出すのを防止する抜け防止部材31を設けている。抜け防止部材の長さL3は、L2−L1以上となっている。抜け防止部材31の偏向器カバー105の取り付けは、ネジ、カシメ、接着などどのような手段でも構わない。抜け防止部材31を設けることにより、光走査装置が天地逆転されても、回転偏向器150aの回転軸152が、抜け防止部材31に突き当り、回転軸152が軸受158から抜け出すことがない。また、抜け防止部材31は、偏向器カバー105の回転偏向器200の回転中心線上に設けている。これにより、回転軸152が、上方(軸受158から脱落する方向)へ移動して、回転偏向器150aが抜け防止部材31に突き当ったとき、鉛直方向下向きの反力を与えることができる。これにより、回転偏向器150aが抜け防止部材31に突き当ったとき、抜け防止部材31の反力により回転偏向器150aが傾いてしまうのを抑制することができる。
【0034】
また、抜け防止突起の直径は、小さくするのが好ましい。これは、抜け防止突起の直径が大きくなるほど、密閉空間の容積が狭くなり、密閉空間が温度上昇しやすくなったり、回転偏向器の上面に向かって吹き付ける気流が減り、回転偏向器の上面が負圧になったりするためである。しかし、抜け防止突起の直径を小さくすると、抜け防止部材31の剛性が弱くなり、回転軸152が突き当たった際に、抜け防止部材31が変形するおそれがある。このため、本実施形態においては、図7に示すように、抜け防止部材31には、補強のための複数のリブ31aを設けている。これらのリブ31aは、回転軸方向に延びており、図8に示すように、リブ31aが、回転偏向器の上面へ向けて吹き降ろす気流を妨げないようにしている。
【0035】
また、リブ31aを図9に示すように、回転偏向器150aの回転方向に傾斜させてもよい。リブ31aを回転方向に傾斜させると、偏向器カバー105の下面から、回転偏向器150aの上面に向けて、吹き降ろすような気流がリブ31aに案内されて、回転偏向器150aの回転方向に沿うようにして、回転偏向器上面へ流れる。その結果、回転偏向器150aの上面に向けて、吹き降ろすような気流が、回転偏向器150aの上面に対してほぼ垂直に回転偏向器上面に流れるよりも、回転偏向器150aの上面が受ける気流の抵抗を低減させることができる。その結果、ポリゴンモータに印加する定常電流を低減することができポリゴンスキャナ50の温度上昇を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、カバー部材を、ポリゴンスキャナ50を覆う偏向器カバー105と、それ以外の光学部品を覆う筐体カバー107とで構成し、偏向器カバー105に、抜け防止部材31を偏向器カバー105に設けている。抜け防止部材31を偏向器カバー105に設けることによって、図10に示すように、偏向器カバー105を取り外すと、ポリゴンスキャナ50が、露出する。よって、偏向器カバー105を取り外すだけで、ポリゴンスキャナ50の交換が可能となる。その結果、筐体カバー107を取り外してポリゴンスキャナ50を交換する場合に比べて、交換時のハウジング131の開口面積が狭くでき、埃や塵などが筐体内の光学素子に付着するのを抑制することができる。
【0037】
上述したように、抜け防止部材31を設けることによって、回転軸152の軸受158からの脱落は、防止できるが、回転軸152は、上下動可能である。交換用の光走査装置は、小型の梱包になり、手荒に扱われる事態が想定される。梱包状態の交換用の光走査装置4が、回転軸152が抜ける方向に落下された場合、抜け防止部材31に回転偏向器150aの回転軸152が勢いよく衝突してしまい、ポリゴンスキャナ自身にダメージを与えてしまう。その結果、回転軸152が変形するなどして、回転偏向器150aの回転フレが生じて、バンティングなどの異常画像が生じるなどの不具合が生じるおそれがある。
【0038】
そこで、図11に示すように、交換用の光走査装置4に、抜け防止部材31と回転偏向器150aとの間に、スポンジなどの弾性部材32を設けてもよい。弾性部材32は、図12に示すように、円筒形状をしており、図11に示すように、内径が、回転偏向器150aの回転中心付近の突出しているところの直径よりも僅かに小さくなっている。この弾性部材32の中空部を回転偏向器150aの回転中心付近の突出しているところに嵌めこむことにより、弾性部材32が、回転偏向器150aに保持される。交換用の光走査装置4に回転偏向器150aが偏向器カバー側へ移動するような衝撃が加わると、弾性部材32が、回転偏向器150aとともに偏向器カバー側へ移動して、弾性部材32が抜け防止部材31に突き当り、弾性部材32が弾性変形して衝撃を吸収する。これにより、回転偏向器150aの破損を抑制することができる。
【0039】
交換用の光走査装置4を画像形成装置本体に取り付けるときは、偏向器カバー105を筐体カバー107から取り外し、弾性部材32を取り外す。そして、再び、偏向器カバー105を筐体カバー107に取り付け、弾性部材32が取り外された光走査装置4を画像形成装置本体に組み付ける。
【0040】
また、図13(a)や(b)に示すように、抜け防止部材31に保持部31bを設けて、抜け防止部材31に弾性部材32を保持するようにしてもよい。保持部31bは、図13(a)に示すように、各リブ31aの下端部に跨って形成されており、内径は、弾性部材32の外径よりも僅かに小さくなっている。また、図13(b)に示すように、保持部31bを間欠的に設けてもよい。この弾性部材32を抜け防止部材31の保持部31bに嵌めこむことにより、弾性部材32が、抜け防止部材31に保持される。そして、この弾性部材32を保持した抜け防止部材31を備える偏向器カバー105を装置本体に取り付けると、図14に示すように、弾性部材32の下面と回転偏向器150aの上面とが僅かな隙間をもって対向する。交換用の光走査装置4に回転偏向器150aが偏向器カバー側へ移動するような衝撃が加わり、回転偏向器150aが、偏向器カバー側へ移動すると、弾性部材32に突き当たる。すると、弾性部材32が弾性変形し、回転偏向器150aの衝撃を吸収する。これにより、回転偏向器150aの破損を抑制することができる。
【0041】
交換用の光走査装置4を画像形成装置本体に取り付けるときは、偏向器カバー105を筐体カバー107から取り外し、偏向器カバー105の抜け防止部材31に保持されている弾性部材32を取り外す。そして、偏向器カバー105を再び筐体カバー107に取り付けて、交換用の光走査装置4を画像形成装置本体に取り付ける。このように、抜け防止部材31に弾性部材32を保持することによって、弾性部材32の装置本体に取り付けたり、取り外したりする際に、密閉空間に手を突っ込む必要がなくなり、容易に、弾性部材32の取り付け取り外しを行うことができる。
【0042】
また、弾性部材32を回転偏向器150aまたは抜け防止部材31の一方に保持した場合、光走査装置4の衝撃の加わりかたによって、弾性部材32の姿勢が斜めになるおそれがある。弾性部材32が斜めに保持されてしまうと、弾性部材32に衝撃が加わった際に弾性部材32が斜めに潰れて、回転偏向器150aに加わる反力に回転偏向器150aの回転軸方向以外の成分が含まれてしまい、回転偏向器150aが傾いてしまうおそれがある。また、光走査装置4の衝撃の加わりかたによっては、弾性部材自体が、保持されている部材から抜け落ちてしまうおそれもある。そこで、弾性部材32の長さを、回転偏向器150aの上面から抜け防止部材31のリブ31aの下端までの長さよりも長くして、回転偏向器150aと抜け防止部材31のリブ31aとで、圧縮して挟持してもよい。これにより、交換用の光走査装置4に衝撃が加わっても、弾性部材32の姿勢が変化したり、保持されている部材から抜け落ちたりするのを抑制することができる。
【0043】
以上、本実施形態の光走査装置4は、光ビームを射出する光源たる半導体レーザと、回転軸152が軸受158に回転自在に支持され、半導体レーザからの光ビームを偏向走査する回転偏向器150aと、偏向された光ビームを感光体上に導く光学素子とを収納する筐体たるハウジング131と、ハウジング131内を覆うカバー部材たる筐体カバー107および偏向器カバー105とを備えている。そして、上記回転軸152と上記軸受158との嵌合長さをL1、上記回転偏向器上面と上記偏向器カバー105とのクリアランスをL2としたとき、L1<L2を満たすよう構成されている。これにより、回転偏向器150aの上面が負圧になったとき、偏向器カバー105の下面から回転偏向器上面へ吹き降ろすような気流が発生し、上記回転偏向器上面と上記偏向器カバー105とのクリアランスL2が上記回転軸と上記軸受との嵌合長さL1以下(L1≧L2)のものに比べて、回転偏向器上面の負圧を抑制することができる。これにより、図16に示した気流Dが生じるのを抑制することができ、回転ムラが抑制される。
また、上記偏向器カバー105の上記回転偏向器150aの回転中心線上に、上記回転軸152の上記軸受158からの抜けを防止する抜け防止部材31を設けているので、上記回転軸と上記軸受との嵌合長さL1よりも上記回転偏向器上面と上記偏向器カバー105とのクリアランスL2を大きくしても、光走査装置4が天地逆転されたときに、回転軸が軸受から脱落することはない。また、偏向器カバー105に、抜け防止部材31を設けているので、偏向器カバー105を装置本体から取り外すことによって、ポリゴンスキャナが露出し、ポリゴンスキャナを容易に交換することができる。さらに、抜け防止部材31を上記偏向器カバー105の上記回転偏向器150aの回転中心線上に設けているので、回転偏向器150aが抜け防止部材に突き当たったときに、抜け防止部材から回転軸方向以外の反力を回転偏向器が受けるのを抑制することができる。これにより、回転軸が傾くのを抑制することができる。
【0044】
また、抜け防止部材31の長さをL3としたとき、L3>L2−L1を満たすことにより、上記回転軸152の上記軸受158からの抜けを防止することができる。
【0045】
また、ハウジング131には、回転偏向器150aの周囲を囲うようにして設けられた遮音壁(防音ガラス42a、42bと防音壁54)が形成されており、上記遮音壁と上記偏向器カバー105とで、上記回転偏向器150aを密閉する密閉空間を形成している。これにより、回転偏向器150aが高速回転した際の風切音が外に漏れないようにすることができる。また、粉塵がポリゴンミラーに付着するのを抑制することができる。さらに、本実施形態においては、上記回転軸と上記軸受との嵌合長さL1よりも上記回転偏向器上面と上記偏向器カバー105とのクリアランスL2を大きくしているので、上記回転偏向器上面と上記偏向器カバー105とのクリアランスL2が上記回転軸と上記軸受との嵌合長さL1以下(L1≧L2)のものに比べて、密閉空間の容積を広げることができる。これにより、密閉空間の温度上昇を抑制することができ、密閉空間が高温になるのを、L1≧L2のものに比べて抑制することができる。その結果、L1≧L2のものに比べてハウジング131のポリゴンスキャナ取り付け面の熱変形を抑制することができ、回転偏向器150aの回転軸倒れを抑制することができる。
【0046】
また、上記抜け防止部材31に、上記回転偏向器の回転方向に、傾斜あるいは捩れたリブを設けることで、回転偏向器150aの上方に生じる回転偏向器150aへ向かう気流を、リブ31aで、回転偏向器150aの回転方向に沿うような気流にすることができる。これにより、回転偏向器150aの回転方向に沿うような気流が、回転偏向器150aの上面に当るため、上方から回転方向に対して直交する方向(回転偏向器上面に対して垂直方向)の気流が回転偏向器150aの上面に当るよりも、回転偏向器150aの上面が受ける気流の抵抗を低減させることができる。その結果、ポリゴンモータに印加する定常電流を低減することができ、回転偏向器150aの温度上昇を抑制することができる。
【0047】
また、上記回転偏向器150aと上記抜け防止部材31との間に弾性部材32を保持した。これにより、光走査装置に衝撃が加わり、上記回転偏向器が偏向器カバー側へ移動すると、弾性部材に突き当たり、弾性部材が弾性変形して、上記回転偏向器150aの衝撃を吸収する。その結果、光走査輸送時の回転偏向器150aの破損を抑制することができる。
【0048】
また、抜け防止部材に弾性部材を保持する保持部を形成したので、偏向器カバー105を取り外すことによって、抜け防止部材とともに、抜け部材の保持部に保持された弾性部材を装置から取り出すことができる。これにより、回転偏向器の上面に弾性部材を保持した場合のように、弾性部材を取り付けや取り外しの際に、密閉空間に手を突っ込む必要がなくなり、簡単に、弾性部材の取り付け取り外しを行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
4:光走査装置
31:抜け防止部材
31a:リブ
31b:保持部
32:弾性部材
41K,41M,41C,41Y:光源ユニット
42a,42b:防音ガラス
49a:上段ポリゴンミラー
49b:下段ポリゴンミラー
50:ポリゴンスキャナ
54:防音壁
105:偏向器カバー
106:内壁部
107:筐体カバー
131:ハウジング
150:ポリゴンモータ
150a,200:回転偏向器
151:ミラーロータ
152,200a:回転軸
158 :軸受
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2008−170804号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを射出する光源と、
回転軸が軸受に回転自在に支持され、光源からの光ビームを偏向走査する回転偏向器と、
偏向された光ビームを感光体上に導く光学素子と、
上記回転偏向器を取り付ける回転偏向器取り付け部を備えた筐体と、
上記回転偏向器の上面を覆うカバー部材とを備えた光走査装置において、
上記回転軸と上記軸受との嵌合長さをL1、上記回転偏向器上面と上記カバー部材とのクリアランスをL2としたとき、L1<L2を満たすよう構成されており、
上記カバー部材の上記回転偏向器の回転中心線上に相当する部分に、上記回転軸の上記軸受からの抜けを防止する抜け防止部材を設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
請求項1の光走査装置において、
上記抜け防止部材の長さをL3としたとき、L3>L2−L1を満たすことを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
請求項1または2の光走査装置において、
上記筐体には、該回転偏向器取り付け部に取り付けられた上記回転偏向器の周囲を囲う遮音壁が設けられており、
上記遮音壁と上記カバー部材とで、上記回転偏向器を密閉する密閉空間を形成したことを特徴とする光走査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれかの光走査装置において、
上記抜け防止部材に、上記回転偏向器の回転方向に、傾斜あるいは捩れたリブを設けたことを特徴とする光走査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの光走査装置において、
上記回転偏向器と上記抜け防止部材との間に弾性部材を保持したことを特徴とする光走査装置。
【請求項6】
請求項5の光走査装置において、
上記抜け防止部材に、上記弾性部材を保持する保持部を形成したことを特徴とする光走査装置。
【請求項7】
請求項1乃至6いずれかの光走査装置を有した画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−33945(P2011−33945A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181853(P2009−181853)
【出願日】平成21年8月4日(2009.8.4)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】