説明

切断装置及びこれを備えた残幹処理装置

【課題】コストアップを抑え、土等が混入しても詰まらない切断装置及びこれを備えた残幹処理装置を提供する。
【解決手段】残幹処理装置1は、残幹を掘起して引き込む掘起装置15と、残幹を搬送・切断する切断装置20を備える。切断装置20は、残幹を後方側に搬送する搬送ローラ21,22と、搬送された残幹を細断して移送する切断ロータ25と、細断された残幹の断片を移送するシュータ50を備える。切断ロータ25は、搬送ローラ22の後方側に配置された回転駆動軸26の軸方向中央部に配設された複数の切断刃27と、回転駆動軸26の左右両側に設けられた一対のブロワ30を備える。切断ロータ25とブロワ30の送風羽根31を囲む外側ケース28の後側上部に、一対のブロワ30の幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有した排出口28aに連通するシュータ50を設ける。切断刃27の各先端部は、回転駆動軸中央振り分けでブロワ側に屈曲する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理対象物の一方側端部から引き込んで該端部が先行するように処理対象物を搬送して細断して移送する切断装置及びこれを備えた残幹処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような切断装置によって処理される処理対象物には、葉たばこ、茶等の葉部のみを収穫する作物がある。このような作物は、収穫後に圃場の畝に根付いたままの幹が残されることになるが、新たに作物の栽培を行なうためにはこの残幹を処理して畝を栽培可能な状態に戻す必要がある。この残幹処理の方法としては、残幹を土中に鋤き込むことが考えられるが、特に葉たばこ等は、残幹の根部に立ち枯れ病の菌が繁殖することが指摘されており、この残幹を根部ごと畝から引き抜いて回収することが推奨されている。
【0003】
この残幹の引き抜き作業は、従来は手作業で行なわれていたが、残幹から土壌に延びる根部は放射状に拡がっていて重労働であることから、これを機械化し、畝に植えられた残幹を回収して切断する切断装置を備えた残幹処理装置が開発されている(特許文献1参照)。
【0004】
この残幹処理装置70は、図3(a)(側面図)及び図3(b)(平面図)に示すように、走行機体90の後部に装着され、走行機体90の前進走行に伴って前進しながら残幹処理を行うものである。残幹処理装置70は、処理対象の残幹Zが植えられた畝Uを跨いで進行する機体フレーム10と、走行機体90の前進走行によって進行方向前方に向けて押し倒された残幹Zに対して、残幹Zの根部Znを掘り起こすと共に該根部側から残幹Zを機内に引き込む掘起装置15と、引き込まれた残幹Zを搬送して切断処理する切断装置71と、切断装置71により処理された残幹Zの断片を収容する収容装置60とを備える。
【0005】
切断装置71は、掘起装置15によって引き込まれた残幹Zを根部Znが先行するように後方側に搬送するとともに搬送しながら残幹Zに付着した土を落とすための複数の搬送ローラ21,22と、搬送ローラ21,22よりも搬送方向下流側に回転自在に支持された回転駆動軸26に軸方向に所定間隔を有して配置されて放射状に取り付けられた複数の切断刃27を有した切断ロータ73と、切断ロータ73によって細断されて機体幅の一方向に移送された断片を吹き出すブロワ75と、該ブロワ75から吹き出された断片を所定位置に移送するシュータ77を備えて構成されている。
【0006】
【特許文献1】特開2005−185244号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来の残幹処理装置70のブロワ75は、切断ロータ73の軸方向一方側端部に切断ロータ73と独立して設けられている。このため、残幹処理装置70は、構造が複雑化し、部品点数が増大化してコストアップを招くという課題があった。
【0008】
また切断ロータ73によって細断され残幹Zの断片は、切断ロータ73の回転に伴って発生する空気の流れによってブロワ75側に移動するようになっているが、搬送ローラ21,22によって残幹Zが搬送される際に、残幹Zに付着した土が十分に落とされないままの残幹Zが切断ロータ73に搬送されると、質量が大きい土によって、細断された断片のブロワ75側への移動が邪魔されて、切断ロータ73の周辺に断片が詰まる場合があった。
【0009】
本発明は、このような課題を解消するためになされたものであり、切断装置のコストアップを抑え、切断装置内に土等が混入しても断片が詰まる虞がない切断装置及びこれを備えた残幹処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため、本発明は、以下の特徴を有する。特徴の一つは、機体(例えば、実施形態における機体フレーム10)に上下方向に所定の隙間を有して対向配置されて回転自在に支持され、処理対象物(例えば、実施形態における残幹Z)の一方側端部を隙間内に引き込んで搬送する一対の搬送ローラと、一対の搬送ローラよりも搬送方向下流側に回転自在に支持された回転駆動軸に放射状に取り付けられた複数の切断刃と、複数の切断刃の両側方に配設された一対のブロワと、一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、複数の切断刃によって処理対象物を細断するのと略同時に一対のブロワにより放出される処理対象物の断片を誘導して所望の方向に放出するシュータとを備えたことを特徴とする。ここで、一対のブロワの幅方向外側端部間の距離とは、ブロワ間にある切断刃の配置された幅方向距離と、一対のブロワそのものの幅方向距離を含めたものを意味している。
【0011】
この特徴によれば、複数の切断刃の両側方に一対のブロワを設けることで、ブロワが複数の切断刃の一方側にのみ設けた場合と比較して、ブロワの吹き出し性能を向上することができる。このため、質量の大きな土が混入しても、ブロワによってこの土をシュータ側へ移動させることができる。またシュータは、一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、複数の切断刃によって処理対象物を細断するのと略同時に一対のブロワにより放出される処理対象物の断片を誘導して所望の方向に放出することにより、シュータ側へ移動した処理対象物の断片や混入した土を迅速にシュータから放出することができる。従って、切断装置内に断片等が詰まる虞を防止することができる。
【0012】
また特徴の一つは、複数の切断刃が取り付けられた回転駆動軸の軸方向両側部にブロワが設けられていることを特徴とする。
【0013】
この特徴によれば、複数の切断刃が取り付けられた回転駆動軸の軸方向両側部にブロワを設けることで、処理対象物を切断する部分とブロワを一体的に構成することができ、切断装置の構造の簡素化が可能となり、切断装置のコストアップを抑制することができる。
【0014】
また特徴の一つは、複数の切断刃の各先端部が、回転駆動軸の軸方向中央振り分けでブロワ側に屈曲していることを特徴とする。
【0015】
この特徴によれば、複数の切断刃の各先端部が回転駆動軸の軸方向中央振り分けでブロワ側に屈曲していることで、切断刃によって切断された断片や混入した土は、回転駆動軸の軸方向中央を境にして軸方向両側に略均等に分かれてブロワ側に移動する。このため、ブロワは、複数の切断刃によって同時期に細断した断片の半分の量をシュータ側に吹き出せよいので、ブロワの吹き出し性能が向上して切断装置内に断片が詰まる事態をより効果的に防止することができる。
【0016】
また特徴の一つは、走行機体に装着され、該走行機体の進行によって進行方向前方側に向けて押し倒された残幹に対して該残幹の根部を掘り起こす掘起装置と、掘起部によって掘り起こされた残幹に対して処理を施す切断装置を備え、切断装置は、掘起装置によって掘り起こされた残幹の根部を該根部側から引き込んで搬送する一対の搬送ローラと、該一対の搬送ローラよりも搬送方向下流側に回転自在に支持された回転駆動軸に放射状に取り付けられた複数の切断刃と、該複数の切断刃の両側方に設けられた一対のブロワと、該一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、複数の切断刃によって残幹を細断するのと略同時に一対のブロワにより放出される残幹の断片を誘導して所望の方向に放出するシュータを有した残幹処理装置であることを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、残幹処理装置は掘起装置と切断装置を備え、切断装置は複数の切断刃の両側方に設けられた一対のブロワと、該一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、複数の切断刃によって残幹を細断するのと略同時に一対のブロワにより放出される残幹の断片を誘導して所望の方向に放出するシュータを有することで、ブロワの吹き出し性能が向上して、混入した質量の大きな土を、ブロワによってシュータ側へ移動することができ、シュータ側へ移動した残幹の断片や混入した土を迅速にシュータから放出することができる。従って、切断装置内に断片等が詰まる虞のない残幹処理装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係わる切断装置及びこれを備えた残幹処理装置によれば、上記特徴を有することによって、切断装置の構造が簡略化してコストアップを抑え、切断ロータ内に断片が詰まる虞のない切断装置及びこれを備えた残幹処理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係わる切断装置の好ましい実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。本実施の形態は、各種の切断装置のうち、葉たばこ、ひまわり及びトウモロコシ等の残幹を細断するために用いられる切断装置を搭載した残幹処理装置について説明する。なお、説明の都合上、図1(側面図)及び図2(a)(平面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として、以下説明する。
【0020】
残幹処理装置1は、図1及び図2(a)に示すように、走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構(図示せず)に装着されて、走行機体90の前進走行に応じて残幹処理作業を行なうものである。残幹処理装置1は、処理対象の残幹Zが植えられた畝Uを跨いで進行する機体フレーム10と、機体フレーム10に装備され、機体フレーム10の前進動によって進行方向前方に向けて押し倒された残幹Zに対して、残幹Zの根部Znを掘り起こすと共に該根部側から残幹Zを機内に引き込む掘起装置15と、引き込まれた残幹Zを搬送して切断処理する切断装置20と、切断装置20により処理された残幹Zの断片を収容する収容装置60とを備える。
【0021】
機体フレーム10は、内側に孔部11aが形成された下部枠体11と、この後側下部に取り付けられた左右一対の後輪12と、下部枠体11の左右両側に取り付けられて上方へ延びる左右一対の外側フレーム13とを有してなる。後輪12は下部枠体11に回動自在に設けられているので、機体フレーム10は、走行機体90に良く追従し、安定した作業が行なえる。また、非作業時には、下部枠体11の前側下部に回動自在な前輪を着脱可能に備えることで、走行機体90と分離した状態での移動が容易となる。
【0022】
下部枠体11の前側には、走行機体90の後部に設けられた三点リンク連結機構に装着される装着部17が設けられている。装着部17は、その上側の左右方向中央部に入力軸を備えた入力部18を有し、入力軸は、走行機体90のPTO軸からの動力を図示しない伝動軸を介して伝達されるようになっている。
【0023】
左右一対の外側フレーム13間には、前述した掘起装置15及び切断装置20が装着されている。掘起装置15は、機体フレーム10の最前部に配置されて残幹Zの根部Znを掘り起こすと共に根部Znから残幹Zを機内に引き込む掘起ロータ16を備える。掘起ロータ16は、一対の外側フレーム13の前端部間に回転自在に支持されている。
【0024】
掘起装置15は、入力部18の入力軸に伝達された動力が入力部18及び掘起装置15間に設けられた動力伝達機構を介して伝達されて駆動するようになっている。掘起ロータ16に動力が伝達されると、掘起ロータ16は、残幹Zの根部Znを下側から上側へすくい上げる方向(矢印A方向)に回転する。その結果、残幹Zは、その根部Znが畝から掘り起こされると共に根部Znが先行するように掘起ロータ16の回転方向下流側に搬送されて、機体フレーム10内に引き込まれる。
【0025】
切断装置20は、掘起装置15の後方に設けられ、掘起装置15によって引き込まれた残幹Zを根部Znが先行するように後方側に搬送しながら該残幹Zに付着した土を落とす処理を行なう上下一対の搬送ローラ21,22と、これらの搬送ローラ21,22により搬送された残幹Zを細断して所定方向に移送する切断ロータ25と、切断ロータ25によって移送された断片を所定位置に移送するシュータ50とを備える。
【0026】
上下一対の搬送ローラ21,22は、掘起ロータ16の上方後側に上下方向に所定の隙間を有して対向配置されて回転自在に支持され、残幹Zの根部Zn側を隙間内に引き込んで根部Znが先行するように残幹Zを後方側へ搬送する。また一対の搬送ローラ22の後方には、後方に搬送される残幹Zを切断ロータ25に案内する案内ロータ23が回転自在に設けられている。
【0027】
搬送ローラ21,22の各表面部には、周方向に所定間隔を有して放射状に延びるとともに軸方向に直線状に配置された突起部21a,22aが複数設けられている。突起部21a,22aは残幹Zに当接してこれを後方側へ送り出す機能を有すると共に、残幹Zに付着した土を落とす機能を有する。
【0028】
搬送ローラ21と掘起ロータ16との間の外側フレーム13には、後方側に進むに従って内側に傾く案内板19が左右に一対取り付けられている。これらの案内板19は掘起ロータ16によって掘り起こされて引き込まれた残幹Zを機体フレーム10の幅方向中央部側に寄せる働きをする。
【0029】
切断ロータ25は、案内ローラ23の後方位置に回転自在に支持された回転駆動軸26の軸方向中央部に軸方向に所定間隔を有して配置されて放射状に取り付けられた複数の切断刃27と、これらの切断刃27よりも外側の回転駆動軸26に設けられた左右一対のブロワ30とを備える。回転駆動軸26は、搬送ローラ21,22によって搬送された残幹Zを複数の切断刃27が上方から下方へ切断する方向(矢印B方向)に回転する。
【0030】
切断ロータ25は、図2(a)及び図2(b)(部分背面図)に示すように、外側ケース28によって囲まれている。外側ケース28は、その幅方向両端部が左右一対の外側フレーム13の内面に接続した状態で取り付けられ、外側ケース28及び外側フレーム13によって、切断ロータ25を囲む箱状体を形成している。この箱状体は、その幅方向中央部の前側と後側上部が開口している。箱状体の前側開口部は搬送ローラ21によって搬送された残幹Zを受け入れるための受入開口部であり、後側上部の開口部は細断された残幹Zの断片を排出するための排出口28aである。排出口28aは左右一対のブロワ30の幅方向外側端部間の距離Lと略同一幅を有して開口している。箱状体の受入開口部の左右方向両側部の前側には、搬送された残幹Zを切断刃27のある中央側へ案内する案内板24が一対の外側フレーム13の各内面に取り付けられている。このため、搬送ローラ21によって搬送された残幹Zが送風羽根31に接触する虞はない。
【0031】
切断ロータ25は、残幹Zを細断する機能の他に細断した残幹の断片を移送する機能も有している。この断片移送機能は、切断刃27とブロワ30によって行われている。切断刃27の先端部27aは、回転駆動軸26の軸方向中央部を境にして軸方向中央振り分けでブロワ30側に屈曲している。このため、切断ロータ25が回転すると、回転駆動軸26の軸方向中央部からブロワ30側に流れる気流が発生して、残幹Zの断片はこの気流とともに左右に略均等に分かれて移動する。
【0032】
ブロワ30は、回転駆動軸26の軸方向両端部に取り付けられた送風羽根31と、送風羽根31の外周を囲む前述した外側ケース28とを有してなる。このため、回転駆動軸26が回転すると、送風羽根31が回転して外側ケース28内に気流が発生し、切断された残幹Zの断片が排出口28a側に移動する。このように、切断ロータ25の回転駆動軸26がブロワ30の回転軸として利用され、また切断ロータ25を囲む外側ケース28が送風羽根31を囲むケースとしても利用されており、部品の共通化が図れ、切断装置20を備えた残幹処理装置1のコストアップを抑制することができる。
【0033】
外側ケース28の後側上部には、図1に示すように、排出口28aに連通して細断された断片を吐出するシュータ50が接続されている。シュータ50は断面コ字状に形成されて後方斜め上方に延びている。シュータ50は、排出口28aと同様に、左右一対のブロワ30間の幅方向距離と略同一幅を有しており、シュータ50の上側は凸状に湾曲して上端部が収容装置60の上方位置に配置されている。このため、シュータ50内を流れて上方に移動する残幹Zの断片はシュータ50の上部から放出されて収容装置60に移送される。
【0034】
機体フレーム10の後側には、シュータ50から放出された残幹の断片を収容する前述した収容装置60が配設されている。収容装置60は、機体フレーム10の後端部に設けられた支持部51に掛止可能に保持される収容部52を有する。
【0035】
次に、本発明の切断装置20を搭載した残幹処理装置1によって残幹処理作業を行う場合の動作について説明する。先ず、走行機体90の後部に残幹処理装置1を装着し、走行機体90が畝Uを跨ぐことができる位置に走行機体90を設置する。そして、走行機体90を畝Uに沿って前進走行させるとともに、走行機体90からの動力を残幹処理装置1に伝達すると、残幹Zは走行機体90の前進走行によって前側に向けて押し倒される。そして、前側に押し倒された残幹Zは、矢印A方向に回転動する掘起ロータ16によって、残幹Zの根部Znが下側から上側へすくい上げられて掘り起こされると共に、残幹Zは掘起ロータ16の回転方向下流側に引き込まれる。
【0036】
そして、掘起ロータ16の回転により畝Uから掘り起こされて根部Znが先行するように搬送された残幹Zは、上下一対の搬送ローラ21によって引き込まれて、上下一対の搬送ローラ21、22によって挟持された状態で後方側に送り出される。また、搬送ローラ21、22の表面に設けられた突起部21a,22aによって残幹Zに付着した土等の異物がはね飛ばされる。なお、この落とされた土等は落下して、下部枠体11の孔部11aを通って畝U上に落ちる。このため、この土が搬送ローラ21、22の周辺に貯留することはなく、搬送ローラ21、22の各部の動作をスムースに維持することができる。
【0037】
そして、搬送ローラ22によって搬送された残幹Zは、案内ローラ23と案内板24によって案内されて回転する切断ロータ25に供給される。
切断ロータ25は、この回転に伴ってブロワ30の送風羽根31も回転して外側ケース28内に空気の旋回流を発生させる。また排出口28a及びこれに連通するシュータ50の幅は一対のブロワ30の幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有している。さらに切断刃27は回転駆動軸26の軸方向中央部を境にして軸方向中央振り分けでブロワ30側に屈曲している。このため、切断刃27によって細断された残幹Zの断片は、回転駆動軸26の軸方向中央を境にして軸方向両側に略均等に分けられ、ブロワ30によって発生した旋回流によって排出口側に移動する。つまり、残幹Zの断片は、切断刃27によって細断されると略同時に、旋回流によって排出口側に移動する。
【0038】
また、残幹Zに付着した土等の異物が残幹Zから完全に払い落とされていない状態で、切断ロータ25に質量の大きい土等の異物が混入しても、この土等は排出口28a側へ移送される。そして、細断された残幹Zの断片や土等の異物は、排出口28aから排出されてシュータ50内を流れて放出される。従って、切断装置20内に断片や土等が詰まる虞はない。
【0039】
このように、複数の切断刃27を有した切断ロータ25の左右両側方に一対のブロワ30を設け、切断ロータ25を囲む外側ケース28の後側上部に一対のブロワ30の幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有した排出口28aを設け、この排出口28aと同一幅を有して排出口28aに連通するシュータ50を設けることで、ブロワ30の吹き出し性能が向上して、残幹Zの断片や混入した土等の異物を迅速にシュータ50から放出することができ、切断装置20内で断片等が詰まる虞のない残幹処理装置1を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施の形態に係わる切断装置を搭載した残幹処理装置の側面図を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係わる残幹処理装置を示し、同図(a)は残幹処理装置の平面図であり、同図(b)は残幹処理装置の部分背面図である。
【図3】従来の切断装置を搭載した残幹処理装置を示し、同図(a)は残幹処理装置の側面図であり、同図(b)は残幹処理装置の平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 残幹処理装置
10 機体フレーム(機体)
15 掘起装置
20 切断装置
21,22 搬送ローラ
26 回転駆動軸
27 切断刃
30 ブロワ
50 シュータ
90 走行機体
Z 残幹(処理対象物)
Zn 根部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に上下方向に所定の隙間を有して対向配置されて回転自在に支持され、処理対象物の一方側端部を前記隙間内に引き込んで搬送する一対の搬送ローラと、
前記一対の搬送ローラよりも搬送方向下流側に回転自在に支持された回転駆動軸に放射状に取り付けられた複数の切断刃と、
前記複数の切断刃の両側方に配設された一対のブロワと、
前記一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、前記複数の切断刃によって処理対象物を細断するのと略同時に前記一対のブロワにより放出される処理対象物の断片を誘導して所望の方向に放出するシュータと
を備えたことを特徴とする切断装置。
【請求項2】
前記複数の切断刃が取り付けられた回転駆動軸の軸方向両側部に前記ブロワが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記複数の切断刃の各先端部は、前記回転駆動軸の軸方向中央振り分けでブロワ側に屈曲していることを特徴とする請求項1又は2に記載の切断装置。
【請求項4】
走行機体に装着され、該走行機体の進行によって進行方向前方側に向けて押し倒された残幹に対して該残幹の根部を掘り起こす掘起装置と、前記掘起部によって掘り起こされた残幹に対して処理を施す切断装置を備え、
前記切断装置は、前記掘起装置によって掘り起こされた残幹の根部を該根部側から引き込んで搬送する一対の搬送ローラと、該一対の搬送ローラよりも搬送方向下流側に回転自在に支持された回転駆動軸に放射状に取り付けられた複数の切断刃と、該複数の切断刃の両側方に設けられた一対のブロワと、該一対のブロワの幅方向外側端部間の距離と略同一幅を有し、前記複数の切断刃によって残幹を細断するのと略同時に前記一対のブロワにより放出される残幹の断片を誘導して所望の方向に放出するシュータを有することを特徴とする残幹処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−295363(P2008−295363A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144916(P2007−144916)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(390010836)小橋工業株式会社 (198)
【Fターム(参考)】