説明

半透膜支持体

【課題】半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、半透膜と半透膜支持体との接着性、半透膜支持体と樹脂フレームとの接着性が良好であり、カールがなく、半透膜を設けた際にも皺や収縮がなく、作業性の良好な半透膜支持体を提供することが課題である。
【解決手段】合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含み、かつ2層以上を積層した不織布で、一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1〜50質量%含有し、不織布の通気度が2.0〜80.0c/cm/secである半透膜支持体。ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維であること、主体繊維がポリエステル繊維であること、表面層が、バインダー繊維として、芯部がポリステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120〜160℃である芯鞘型複合繊維を1〜50質量%含有することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半透膜支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造等の分野で、半透膜が広く用いられている。半透膜は、セルロース系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の合成樹脂で構成されている。しかしながら、半透膜単体では機械的強度に劣るため、不織布や織布等の繊維基材からなる半透膜支持体の片面(以下、「半透膜塗布面」という)に半透膜が設けられた形態で使用されている。
【0003】
半透膜支持体に要求される性能としては、半透膜塗布面の平滑性に優れ、製膜後の半透膜における凹凸が少ないこと、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けしないこと、半透膜と半透膜支持体との接着性が良好であること、半透膜の塗布前後でカールや半透膜支持体の収縮が少ないこと等が挙げられる。
【0004】
上記問題を解決するために、太い繊維を使用した表面粗度の大きな表面層(太い繊維層)と細い繊維を使用した緻密な構造の裏面層(細い繊維層)との二重構造を基本とした多層構造の不織布よりなる半透膜支持体(例えば、特許文献1参照)、特定の複屈折と熱収縮応力とを持つポリエステル系繊維を用いた不織布からなる半透膜支持体(例えば、特許文献2参照)、特定の抄紙流れ方向と幅方向の引張強度比を有する半透膜支持体(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
【0005】
これら半透膜の使用形態の一つに、膜分離活性汚泥処理法が挙げられる。膜分離活性汚泥処理法は、有機性汚水の処理に際し、処理水質が安定していることや、維持管理が容易なことから広く普及している。膜分離活性汚泥処理法では、汚水中の夾雑物を除去した後、生物処理槽(曝気槽)で活性汚泥により汚水中の有機物質を分解除去し、生物処理槽に浸漬設置した浸漬型膜分離装置で混合液を固液分離し、透過した膜ろ液を処理水として放流する。こうした膜分離装置中の膜分離部は、ポリプロピレンやアクリロニトリル・スチレン・ブタジエン(ABS)樹脂等からなる樹脂フレームに、半透膜を設けた半透膜支持体を接着・固定している。接着・固定には加熱融着処理が行われるのが一般的である。しかしながら、従来の半透膜支持体はこれら樹脂フレームへの接着を考慮しておらず、接着性に劣り、フレームと半透膜支持体とが簡単に剥がれてしまったり、使用中に半透膜支持体がフレームから脱落するといった問題が生じている。
【0006】
ポリエステル繊維からなる主体繊維と、芯鞘型ポリエステル複合繊維からなるバインダー繊維とを特定の割合で配合した半透膜支持体(例えば、特許文献4参照)が提案されている。該構成の半透膜支持体は、地合、強度に優れるものの、樹脂フレームへの加熱接着性に劣っている。
【0007】
ポリプロピレンを芯材、ポリエチレンを鞘材とした複合繊維を熱処理した半透膜支持体、ポリプロピレン単繊維から形成された不織布層を表面に有し、その表面に透過膜を設ける半透膜支持体(例えば、特許文献5、6参照)等が提案されている。これらの半透膜を設けた半透膜支持体を樹脂フレームに加熱接着すると、接着はするものの、半透膜支持体が溶融・変形し、設けた半透膜にひび割れや塗膜の脱落が発生するといった問題が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平4−21526号公報
【特許文献2】特許第3153487号公報
【特許文献3】特開2002−95937号公報
【特許文献4】特開2010−194478号公報
【特許文献5】特開2001−17842号公報
【特許文献6】特開昭56−152705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、半透膜と半透膜支持体との接着性、及び半透膜支持体と樹脂フレームとの接着性が良好であり、カールがなく、半透膜を設けた際にも皺や収縮がないため、作業性の良好な半透膜支持体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)支持体の少なくとも一方の面に半透膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体が合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含み、かつ2層以上を積層した不織布であり、該不織布の一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が2.0〜80.0cc/cm/secであることを特徴とする半透膜支持体、
(2)前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維である半透膜支持体、
(3)前記主体繊維がポリエステル繊維である半透膜支持体、
(4)前記表面層が、バインダー繊維として、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を5質量%以上50質量%以下含有する半透膜支持体、
(5)前記表面層が、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する半透膜支持体、
を見いだした。
【発明の効果】
【0011】
本発明の半透膜支持体は、合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含み、かつ2層以上を積層した不織布であり、該不織布の一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が2.0〜80.0cc/cm/secであることを特徴とし、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けせず、半透膜と半透膜支持体との接着性、及び半透膜支持体と樹脂フレームとの接着性が良好であり、カールが少なく、半透膜を設けた際の皺や収縮がない半透膜支持体を生み出すことが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含み、かつ2層以上を積層した不織布であり、該不織布の一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする。該不織布のポリオレフィン繊維を含有する側は、半透膜溶液の非塗布面として使用され、ポリプロピレン、ABS樹脂といった樹脂フレームとの接着に供される。不織布の一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1質量%以上50質量%以下含有することで、樹脂フレームとの良好な接着性を達成することが可能となった。
【0013】
本発明において、ポリオレフィン繊維は主体繊維あるいはバインダー繊維として使用される。本発明において、主体繊維は半透膜支持体の骨格を形成する繊維であり、合成繊維を使用する。主体繊維として使用されるポリオレフィン繊維としては、ポリプロピレンの単独繊維、ポリオレフィン繊維以外の合成繊維とポリプロピレン繊維からなる複合繊維等が挙げられる。
【0014】
本発明において、バインダー繊維は水中で膨潤・溶解等すること又は乾燥工程での熱により溶融することで、軽度の接着性を発現し、抄紙工程中で主体繊維との接着に関与し、湿紙強度の向上、次工程の乾燥工程への移行を可能にするために使用される。バインダー繊維としては、芯鞘型(コアシェルタイプ)、並列型(サイドバイサイドタイプ)、放射状分割型等の複合繊維、未延伸繊維等が挙げられる。複合繊維は、皮膜を形成しにくいので、半透膜支持体の空間を保持したまま、機械的強度を向上させることができる。バインダー繊維として使用されるポリオレフィン繊維は、例えば、HDPE、LDPE、LLDPE等のポリエチレン等の単独繊維、ポリエチレン繊維同士、ポリプロピレン繊維とポリエチレン繊維、あるいはポリオレフィン繊維とポリオレフィン繊維以外の繊維とからなる複合繊維等が挙げられる。
【0015】
ポリオレフィン繊維のうち、ポリプロピレンの単独繊維あるいは複合繊維を使用するのが好ましい。ポリプロピレン繊維を用いることで、半透膜支持体と樹脂フレームとの接着性向上を図れ、半透膜支持体のカールが小さくなり、作業性に優れる。また、ポリプロピレンの融点は160℃前後とポリオレフィン繊維の中では高く、後に述べるように、シート(原布)を製造後、さらに熱圧工程を経る場合、より高い温度での処理が可能となることで、半透膜塗布面の平滑性向上、半透膜の滲み込み抑制を図れ、通気度のコントロールも行いやすくなる。ポリプロピレンの複合繊維の具体例としては、ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ、ポリプロピレン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合わせ、ポリエステル(芯)とポリプロピレン(鞘)の組み合わせ等が挙げられる。
【0016】
本発明の半透膜支持体は2層以上を積層した不織布である。2層以上の構成は同一配合であっても異なる配合であってもよいが、ポリオレフィン繊維は半透膜溶液の非塗布面のみに配合されるのが好ましい。半透膜塗布面にポリオレフィン繊維が配合された場合、半透膜を塗布後、樹脂フレームと該半透膜支持体を加熱接着した際に、半透膜を設けた直下にあるポリオレフィン繊維も溶融し、設けた半透膜にひび割れや塗膜の脱落が発生する恐れがある。
【0017】
少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層におけるポリオレフィン繊維の含有量は、1質量%以上50質量%以下である。好ましくは3質量%以上40質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下である。1質量%より少ないと、樹脂フレームとの良好な接着性を得ることはできない。50質量%より多いと、接着性は良好となるが、非塗布面のみにポリオレフィン繊維が配合される場合、表裏の配合の違いが大きくなることで、カールが大きくなり、作業性が悪化する。
【0018】
ポリオレフィン繊維以外の主体繊維としては、例えば、ポリアクリル系、ビニロン系、ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ナイロン等のポリアミド系、ベンゾエート系、ポリクラール系、フェノール系等の繊維が挙げられる。これらの中で、耐熱性の高いポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維が好ましく、特にポリエステル繊維が好ましい。また、本発明の目的を妨げない範囲で、合成繊維以外に半合成繊維を添加することもできる。半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックスや、再生繊維のレーヨン、キュプラ、リヨセル繊維等が挙げられる。
【0019】
主体繊維の繊維径は、特に限定しないが、好ましくは30.0μm以下であり、より好ましくは5.0〜25.0μmであり、さらに好ましくは10.0〜20.0μmである。主体繊維の繊維径が30.0μmを超えると、半透膜塗布面の平滑性が低くなり、半透膜溶液の裏抜けも発生しやすい。繊維径が5.0μmより小さいと、塗布面及び非塗布面の平滑性が高くなる場合がある。
【0020】
主体繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。主体繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、表面平滑性のために、繊維分散性等の他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
【0021】
ポリオレフィン繊維を含めた主体繊維の含有量は、不織布を構成する各層に対し10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。主体繊維の含有量が10質量%未満の場合、不織布の硬さが不足する恐れがある。また、90質量%を超えた場合、強度不足により破れる恐れがある。
【0022】
ポリオレフィン繊維以外のバインダー繊維としては、具体的には、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせからなる複合繊維、ポリエステル等の未延伸繊維等が挙げられる。本発明において、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層が、バインダー繊維として、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を5質量%以上50質量%以下含有すると好ましい。シート(原布)製造後、さらに熱圧工程を経る場合、鞘部の融点は高い方が、より高い温度での処理が可能となり、半透膜塗布面の平滑性向上、半透膜の滲み込み抑制を図れ、通気度のコントロールも行いやすくなるが、あまり高すぎると、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度、乾燥後の原布の強度に劣る場合がある。また、鞘部の融点が120℃より低いと、半透膜塗工及びそれに続く凝固浴への浸積時に、半透膜支持体の幅の収縮、皺の発生が起こりやすくなる。鞘部の融点は、125℃以上160℃以下がより好ましく、135℃以上155℃以下がさらに好ましく、145℃以上155℃以下が特に好ましい。本発明における融点は、示差走査熱量測定装置にて、昇温速度10.0℃/分の条件で測定した際に得られるDSC曲線において、鞘部に該当する融解ピークのピーク温度を指す。
【0023】
鞘部の素材は特に限定されず、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、非弾性ポリエステル系ポリマー及びその共重合物(共重合ポリエステル系ポリマー)、ポリオレフィン系共重合物、ポリビニルアルコール系ポリマー等を挙げることができ、好ましくは非晶性あるいは結晶性の共重合ポリエステル系ポリマー、及びHDPE等のポリオレフィン系ポリマーである。芯部はポリエステル繊維の中でも延伸ポリエステル繊維であることが好ましい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維の配合量は、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層に対し、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上45質量%以下、特に好ましくは15質量%以上40質量%以下である。配合量が5質量%未満であると、配合した効果が小さくなりやすく、50質量%より多いと、通液性が低下しやすく、また、樹脂フレームとの加熱接着性が低下しやすい。
【0024】
本発明において、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層が、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有すると、好ましい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維をバインダー繊維として用いた場合、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度及び乾燥後の原布の強度に劣ることがあり、未延伸ポリエステル繊維を併用することにより、これら特性を向上させることができる。未延伸ポリエステル繊維の配合率が少ないと、湿式抄造法で製造した際の湿紙強度及び乾燥後の原布の強度に劣りやすい。多すぎると、熱圧工程を経た後の半透膜支持体の強度が劣りやすい。芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維と未延伸ポリエステル繊維との配合比率は100:0〜10:90の範囲が好ましく、より好ましくは90:10〜20:80、特に好ましくは80:20〜30:70である。
【0025】
少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層以外の層で使用される主体繊維、バインダー繊維については、上記で例示した各種繊維を適宜使用することができる。主体繊維、バインダー繊維は、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層と同一繊維であってもよいし、異なっていてもよい。
【0026】
バインダー繊維の繊維径は特に限定されないが、好ましくは5.0〜30.0μmであり、より好ましくは7.0〜25.0μmであり、さらに好ましくは10.0〜20.0μmである。また、主体繊維と異なる繊維径であることが好ましく、特に、主体繊維よりも細い繊維径であることが好ましい。主体繊維と繊維径が異なることで、バインダー繊維は半透膜支持体の機械的強度を向上させる役割の他に、主体繊維と共に均一な三次元ネットワークを形成する役割も果たす。さらに、バインダー繊維の軟化温度又は溶融温度以上まで温度を上げる工程では、半透膜支持体表面の平滑性をも向上させることができ、該工程では加圧が伴っているとより効果的である。
【0027】
バインダー繊維の繊維長は、特に限定しないが、好ましくは1〜12mmであり、より好ましくは3〜10mmであり、さらに好ましくは4〜6mmである。バインダー繊維の断面形状は円形が好ましいが、T型、Y型、三角等の異形断面を有する繊維も、裏抜け防止、半透膜塗布面の平滑性のために、他の特性を阻害しない範囲内で含有できる。
【0028】
ポリオレフィン繊維を含めたバインダー繊維の含有量は、不織布を構成する各層に対し10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。バインダー繊維の含有量が10質量%未満の場合、強度不足により破れる恐れがある。また、90質量%を超えた場合、通液性が低下する恐れがある。
【0029】
本発明の半透膜支持体の通気度は2.0〜80.0cc/cm/secである。好ましくは5.0〜60.0cc/cm/sec、より好ましくは10.0〜50.0cc/cm/sec、特に好ましくは、15.0〜40.0cc/cm/secである。2.0cc/cm/secより小さいと、半透膜と半透膜支持体との接着性に劣り、また、半透膜支持体と樹脂フレームとを加熱接着した際の接着性にも劣る。80.0cc/cm/secより大きいと、半透膜溶液を塗布した際に裏抜けが発生し、また半透膜塗布面の平滑性にも劣る。
【0030】
本発明の半透膜支持体の製造方法について説明する。本発明の半透膜支持体は、乾式法、湿式抄造法によりシート(原布)が製造されるが、湿式抄造法を用いることが好ましい。
【0031】
湿式抄造法では、まず、主体繊維、バインダー繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通り、最終の繊維濃度を0.01〜0.50質量%に調製されたスラリーが抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。繊維の分散性を均一にするために、工程中で分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
【0032】
抄紙機としては、例えば、長網抄紙機、円網抄紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機を用いることができる。これらの抄紙機は、単独でも使用できるし、同種又は異種の2機以上の抄紙機がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を使用しても良い。本発明の半透膜支持体は2層以上を積層した不織布であるが、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する抄き合わせ法や、一方のシート(原布)を形成した後に、該シート(原布)の上に繊維を分散したスラリーを流延する方法のいずれでも良い。
【0033】
抄紙機で製造された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等で乾燥することにより、シート(原布)を得る。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて乾燥を行う場合、本発明の半透膜支持体の半透膜塗布面を熱ロールと接触させることが、半透膜の平滑性向上、非塗布面の樹脂フレームとの接着性向上の点で好ましい。熱ロールの表面温度は、90〜160℃が好ましく、100〜150℃がより好ましく、110〜140℃がさらに好ましい。圧力は、好ましくは50〜1000N/cm、より好ましくは100〜800N/cm、特に好ましくは150〜700N/cmである。
【0034】
本発明の半透膜支持体において、シート(原布)製造後、さらに熱ロールによって熱圧工程を経ることが好ましい。熱圧加工装置(カレンダー装置)のロール間をニップしながら、湿式抄紙法で製造されたシート(原布)を通過させて熱圧加工を行う。ロールの組み合わせとしては、2本の金属ロール、金属ロールと樹脂ロール、金属ロールとコットンロール等が挙げられる。2本のロールは、一方あるいは両方を加熱する。その際に、熱ロールの表面温度、ロール間のニップ圧力、加工速度を制御することによって、所望の半透膜支持体を得る。これらの組み合わせのうち、本発明の半透膜支持体の半透膜塗布面を加熱ロール、非塗布面を非加熱ロールに接触させる方法が、通気度のコントロールが行いやすく、半透膜の平滑性向上、非塗布面の樹脂フレームとの接着性の点で好ましい。
【0035】
少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層に接する熱ロールの表面温度は、好ましくは40〜170℃であり、より好ましくは70〜160℃、特に好ましくは100〜150℃である。ロールのニップ圧力は、好ましくは190〜1800N/cmであり、より好ましくは290〜1600N/cm、特に好ましくは390〜1500N/cmである。加工速度は、好ましくは4〜100m/minであり、より好ましくは10〜80m/min、特に好ましくは15〜70m/minである。熱ロールによる熱圧加工は2回以上行うことも可能であり、その場合、直列に配置された2組以上の上記のロール組み合わせを使用しても良いし、1組のロール組み合わせを用いて、2回加工しても良い。必要に応じて、シート(原布)の表裏を逆にしても良い。
【0036】
少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層以外の層では、バインダー繊維として、融点210℃以上の未延伸ポリエステル繊維を含有すると、好ましい。少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層以外の層における全バインダー繊維に対する未延伸ポリエステル繊維の割合は、80質量%以上であることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層以外の層において、バインダー繊維として、融点210℃以上の未延伸ポリエステル繊維を含有する半透膜支持体に対して、熱ロールによる熱圧工程を行う際に、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層には40〜170℃の熱ロールを接触させ、その反対側の表面層に、ポリオレフィン繊維を含有する表面層に当たるロールの温度よりも高温の熱ロールを接触させることで、半透膜支持体に十分に熱を付与することが可能となり、高強度で、半透膜塗布面の平滑性に優れ、半透膜溶液が非塗布面に裏抜けすることのない半透膜支持体を得ることが可能となる。
【0037】
半透膜支持体の坪量は、特に限定しないが、20〜150g/mが好ましく、より好ましくは40〜130g/m、特に好ましくは50〜120g/mある。20g/m未満の場合は、十分な引張強度が得られない場合がある。また、150g/mを超えた場合、通液抵抗が高くなる場合や厚みが増してユニットやモジュール内に規定量の半透膜を収納できない場合がある。本発明の半透膜支持体は2層以上を積層した不織布であるが、半透膜塗布面側の坪量は10〜140g/mであることが好ましく、より好ましくは30〜120g/m、特に好ましくは40〜110g/mである。非塗布面側の坪量は10〜100g/mであることが好ましく、より好ましくは20〜80g/m、特に好ましくは30〜70g/mである。
【0038】
また、半透膜支持体の密度は、0.25〜0.9g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.8g/cm、特に好ましくは0.35〜0.7g/cmである。半透膜支持体の密度が0.25g/cm未満の場合は、厚みが厚くなるため、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、0.9g/cmを超える場合は、通液性が低くなることがあり、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
【0039】
半透膜支持体の厚みは、50〜300μmであることが好ましく、70〜250μmであることがより好ましく、90〜200μmであることがさらに好ましい。半透膜支持体の厚みが300μmを超えると、ユニットに組み込める半透膜の面積が小さくなってしまい、結果として、半透膜の寿命が短くなってしまうことがある。一方、50μm未満の場合、十分な引張強度が得られない場合や通液性が低くなって、半透膜の寿命が短くなる場合がある。
【実施例】
【0040】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。以下、特にことわりのないかぎり、実施例に記載される部及び比率は質量を基準とする。
【0041】
(実施例1)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。次いで、非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)を25:35:40の配合比率で水に混合分散し、半透膜塗布面用の分散液とは別に、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で、非塗布面を円網抄紙機で、乾燥質量で各面とも40g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度140℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量80g/mのシートを得た。
【0042】
得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度160℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、実施例1の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は98℃であった。こうして得た半透膜支持体の通気度を、JIS L1079に従い通気度計(KES−F8−AP1:カトーテック株式会社製)で測定したところ、17.8cc/cm/secであった。
【0043】
(実施例2)
実施例1において、熱圧加工において、2本の加熱金属ロールからなるカレンダー装置を用い、各加熱金属ロール温度を155℃、加工速度を15m/minに変更して、実施例2の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は13.2cc/cm/secであった。
【0044】
(実施例3)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点158℃)に変更して、実施例3の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は18.1cc/cm/secであった。
【0045】
(実施例4)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点163℃)に変更して、実施例4の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は18.5cc/cm/secであった。
【0046】
(実施例5)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点142℃)に変更して、実施例5の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は16.0cc/cm/secであった。
【0047】
(実施例6)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と高密度ポリエチレン(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径15.6μm、繊維長5mm、鞘部融点130℃)に変更し、さらに加熱金属ロール温度を120℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例6の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は75℃であった。この半透膜支持体の通気度は21.2cc/cm/secであった。
【0048】
(実施例7)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点122℃)に変更し、さらに加熱金属ロール温度を130℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例7の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は80℃であった。この半透膜支持体の通気度は16.7cc/cm/secであった。
【0049】
(実施例8)
実施例1において、バインダー繊維を延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点117℃)に変更し、さらに加熱金属ロール温度を130℃とした以外は実施例1と同様にして、実施例8の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は80℃であった。この半透膜支持体の通気度は15.9cc/cm/secであった。
【0050】
(実施例9)
実施例1において、主体繊維に用いた延伸ポリエステル繊維の繊維長を10mmに変更して、実施例9の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は19.1cc/cm/secであった。
【0051】
(実施例10)
実施例1において、半透膜塗布面の配合比率を、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm):バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)=52:48に変更した。さらに、非塗布面の配合比率を、主体繊維(ポリプロピレン繊維、繊維径21.6μm、繊維長5mm):主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm):バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)=25:27:48の配合比率に変更した。これらの変更以外は実施例1と同様にして、実施例10の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は16.1cc/cm/secであった。
【0052】
(実施例11)
実施例1において、半透膜塗布面の配合比率を、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm):バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)=47:53に変更した。さらに、非塗布面の配合比率を、主体繊維(ポリプロピレン繊維、繊維径21.6μm、繊維長5mm):主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm):バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)=25:22:53の配合比率に変更した。これらの変更以外は実施例1と同様にして、実施例11の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は14.3cc/cm/secであった。
【0053】
(実施例12)
実施例1において、バインダー繊維を、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)35部、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)5部に変更して、実施例12の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体において、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層のバインダー繊維の配合比率は、芯鞘型複合繊維:未延伸ポリエステル繊維=87.5:12.5である。また、この半透膜支持体の通気度は17.4cc/cm/secであった。
【0054】
(実施例13)
実施例1において、バインダー繊維を、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)31部、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)9部に変更して、実施例13の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体のポリオレフィン繊維を含有する表面層のバインダー繊維の配合比率は、芯鞘型複合繊維:未延伸ポリエステル繊維=77.5:22.5である。また、この半透膜支持体の通気度は17.1cc/cm/secであった。
【0055】
(実施例14)
実施例1において、バインダー繊維を、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)13部、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)27部に変更して、実施例14の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体のポリオレフィン繊維を含有する表面層のバインダー繊維の配合比率は、芯鞘型複合繊維:未延伸ポリエステル繊維=32.5:67.5である。この半透膜支持体の通気度は16.3cc/cm/secであった。
【0056】
(実施例15)
実施例1において、バインダー繊維を、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)9部、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)31部に変更して、実施例15の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体のポリオレフィン繊維を含有する表面層のバインダー繊維の配合比率は、芯鞘型複合繊維:未延伸ポリエステル繊維=22.5:77.5である。この半透膜支持体の通気度は16.0cc/cm/secであった。
【0057】
(実施例16)
実施例1において、バインダー繊維を、延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)5部、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)35部に変更して、実施例16の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体のポリオレフィン繊維を含有する表面層のバインダー繊維の配合比率は、芯鞘型複合繊維:未延伸ポリエステル繊維=12.5:87.5である。この半透膜支持体の通気度は15.7cc/cm/secであった。
【0058】
(実施例17)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(未延伸ポリエステル繊維、繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。次いで、非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維として延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維(繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点150℃)、未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点230℃)の2種を、25:35:31:9の配合比率で水に混合分散し、半透膜塗布面用の分散液とは別に、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で、非塗布面を円網抄紙機で、乾燥質量で各面とも40g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度140℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量80g/mのシートを得た。
【0059】
得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度190℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、実施例17の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は116℃であった。こうして得た半透膜支持体の通気度を、JIS L1079に従い通気度計(KES−F8−AP1:カトーテック株式会社製)で測定したところ、18.8cc/cm/secであった。
【0060】
(実施例18)
実施例17において、半透膜塗布面に用いたバインダー繊維を未延伸ポリエステル繊維(繊維径10.5μm、繊維長5mm、融点260℃)に変更し、さらに加熱金属ロール温度を210℃とした以外は実施例17と同様にして、実施例18の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は122℃であった。この半透膜支持体の通気度は19.2cc/cm/secであった。
【0061】
(実施例19)
半透膜支持体の半透膜塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を60:40の配合比率で水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。次いで、非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を25:35:40の配合比率で水に混合分散し、半透膜塗布面用の分散液とは別に、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で、非塗布面を円網抄紙機で、乾燥質量で各面とも40g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度130℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量80g/mのシートを得た。
【0062】
得られたシートを、加熱金属ロールと樹脂ロールの組み合わせのカレンダー装置を用いて、加熱金属ロール温度130℃、圧力785N/cm、加工速度10m/minの条件で、半透膜塗布面が加熱金属ロールに接触するように熱圧加工し、実施例19の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は80℃であった。こうして得た半透膜支持体の通気度を、JIS L1079に従い通気度計(KES−F8−AP1:カトーテック株式会社製)で測定したところ、18.5cc/cm/secであった。
【0063】
(実施例20)
実施例19において、熱圧加工条件を圧力1200N/cm、加工速度6m/minに変更して、実施例20の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は2.2cc/cm/secであった。
【0064】
(実施例21)
実施例19において、熱圧加工条件を加工速度20m/minに変更して、実施例21の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は37.8cc/cm/secであった。
【0065】
(実施例22)
実施例19において、熱圧加工条件を加熱金属ロール温度110℃、加工速度20m/minに変更して、実施例22の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は68℃であった。この半透膜支持体の通気度は78.2cc/cm/secであった。
【0066】
(実施例23)
非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を1.5:58.5:40の配合比率とした以外は実施例19と同様にして、実施例23の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は15.9cc/cm/secであった。
【0067】
(実施例24)
非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を45:15:40の配合比率とした以外は実施例19と同様にして、実施例24の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は22.6cc/cm/secであった。
【0068】
(実施例25)
非塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と高密度ポリエチレン(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径15.6μm、繊維長5mm、鞘部融点130℃)を60:40の配合比率とし、さらに加熱金属ロール温度120℃とした以外は実施例19と同様にして実施例25の半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は75℃であった。この半透膜支持体の通気度は19.8cc/cm/secであった。
【0069】
(実施例26)
半透膜支持体の半透膜塗布面、非塗布面とも、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)の2種、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を25:35:40の配合比率で水に混合分散し、各分散液を撹拌装置を有するストックタンクに別々に貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機と円網抄紙機とのコンビネーションマシンを用いて、半透膜塗布面を傾斜ワイヤー抄紙機で、非塗布面を円網抄紙機で、乾燥質量で各面とも40g/mの抄き合わせ湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度130℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、抄き合わせ坪量80g/mのシートを得た。得られたシートに、実施例19と同様に熱圧加工を行い、実施例26の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は17.8cc/cm/secであった。
【0070】
(実施例27)
実施例19において、主体繊維として用いた延伸ポリエステル繊維をアクリル繊維(繊維径19.0μm、繊維長5mm)に変更して、実施例27の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は21.8cc/cm/secであった。
【0071】
(実施例28)
実施例19において、主体繊維として用いた延伸ポリエステル繊維をナイロン66繊維(繊維径19.2μm、繊維長5mm)に変更して、実施例28の半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は17.1cc/cm/secであった。
【0072】
(比較例1)
非塗布面として、主体繊維(延伸ポリエステル繊維、繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を60:40の配合比率とした以外は実施例19と同様にして、半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は20.2cc/cm/secであった。
【0073】
(比較例2)
非塗布面として、主体繊維としてポリプロピレン繊維(繊維径21.6μm、繊維長5mm)、延伸ポリエステル繊維(繊維径17.5μm、繊維長5mm)、バインダー繊維(延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径10.0μm、繊維長5mm、鞘部融点110℃)を55:5:40の配合比率とした以外は実施例19と同様にして半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は26.9cc/cm/secであった。
【0074】
(比較例3)
実施例19において、熱圧加工条件を圧力1200N/cm、加工速度3m/minに変更して半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は1.6cc/cm/secであった。
【0075】
(比較例4)
実施例19において、熱圧加工条件を加工速度30m/minに変更して半透膜支持体を得た。この半透膜支持体の通気度は85.2cc/cm/secであった。
【0076】
(比較例5)
バインダー繊維(ポリプロピレン(芯)と高密度ポリエチレン(鞘)の芯鞘型複合繊維、繊維径17.6μm、繊維長5mm、鞘部融点130℃)を水に混合分散し、撹拌装置を有するストックタンクに貯蔵した。傾斜ワイヤー抄紙機を用いて、乾燥質量が60g/mの湿紙を形成した後、半透膜塗布面が表面温度130℃のヤンキードライヤーに接触するように熱圧乾燥し、坪量60g/mのシートを得た。得られたシートに、加熱金属ロール温度を110℃にした以外は実施例19と同様の熱圧加工を行い、半透膜支持体を得た。このときの樹脂ロールの表面温度は80℃であった。この半透膜支持体の通気度は20.1cc/cm/secであった。
【0077】
実施例及び比較例で得られた半透膜支持体に対して、以下の評価を行い、結果を表2に示した。
【0078】
試験1(厚さ)
JIS P8118に準じ、厚さを測定した。
【0079】
試験2(引張強さ)
各半透膜支持体の流れ方向について、JIS P8113に準じ、熱圧加工前後の引張強さを測定した。熱圧加工前の引張強さは、0.1kN/m以上が実用上の下限であり、0.5kN/m以上あれば良好である。熱圧加工後の引張強さは、3kN/m以上あれば実用上問題なく、5kN/m以上あれば良好である。
【0080】
試験3(カール)
各半透膜支持体を30cm四方の大きさに裁断し、23℃、50%RH環境下で24時間放置した。24時間後、半透膜支持体を平らな机の上に置き、4角の浮き上がり高さのうち最大値をカール値とした。カール値は3mm以下なら良好、5mm以下であれば実用上問題ないレベル、6mm以上では取り扱いが煩雑になり不可である。
【0081】
試験4(半透膜滲み込み)
一定のクリアランスを有するコンマコーターを用いて、半透膜支持体の半透膜塗布面にポリスルホン樹脂のDMF溶液(濃度:22%)を塗布し、水洗、乾燥を行い、半透膜支持体の表面にポリスルホン膜を形成させ半透膜を作製し、半透膜の断面SEM写真を撮影して、ポリスルホン樹脂の半透膜支持体への滲み込み度合いを評価した。
◎:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の中心付近までしか滲み込んでいない。非常に良好なレベル。
○:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ていない。良好なレベル。
△:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に一部滲み出ている。実用上、使用可能レベル。
×:ポリスルホン樹脂が半透膜支持体の非塗布面に滲み出ている。実用上、使用不可レベル。
【0082】
試験5(半透膜接着性)
試験4で作製した半透膜接着性について、作製1日後、半透膜と半透膜支持体とをその界面で剥がれるようにゆっくりと引き剥がし、剥離するときの抵抗度合いで判断した。
◎:半透膜と半透膜支持体の接着性が非常に高く、剥離できない。非常に良好なレベル。
○:部分的に剥離しやすい所が存在する。良好なレベル。
△:半透膜と半透膜支持体とが接着はしているが、全体的に剥離しやすい。実用上、下限レベル。
×:半透膜塗布後の水洗又は乾燥工程で剥離が発生する。使用不可レベル。
【0083】
試験6(幅方向の収縮率)
試験4で作製した半透膜が塗布された半透膜支持体の幅方向の収縮率(%)を以下の式により算出した。幅方向の収縮率は、2%以下が実用上問題なく、1%以下であれば良好であり、0.5%以下であれば特に好ましい。
【0084】
幅収縮率=(1−半透膜塗布後の幅方向の長さ/半透膜塗布前の幅方向の長さ)×100
【0085】
試験7(樹脂フレーム接着性)
試験4で得られた半透膜が塗布された半透膜支持体をABS樹脂からなる樹脂フレームに、非塗布面が対向するように載せ、200℃に加熱したヒートシーラーを半透膜が塗布された半透膜支持体側から3秒間接触させ、加熱接着した。加熱接着1日後、半透膜支持体と樹脂フレームとをその界面で剥がれるようにゆっくりと引き剥がし、剥離するときの抵抗度合いで判断した。
◎:半透膜支持体と樹脂フレームとの接着性が非常に高く、剥離できない。非常に良好なレベル。
○:部分的に剥離しやすい所が存在する。良好なレベル。
△:半透膜支持体と樹脂フレームとは接着はしているが、全体的に剥離しやすい。あるいは、半透膜支持体と樹脂フレームとの接着は問題ないが、半透膜のひび割れ、半透膜支持体からの脱落が認められる。実用上、下限レベル。
×:簡単に剥離する。あるいは半透膜支持体と樹脂フレームとの接着はするが、半透膜のひび割れ、半透膜支持体からの脱落が酷く、使用不可レベル。
【0086】
【表1】

【0087】
表1において、主体繊維/オレフィン繊維欄のPPはポリプロピレン繊維、主体繊維/その他欄のPETはポリエステル繊維、アクリルはアクリル繊維、ナイロンはナイロン66繊維を表す。バインダー繊維/オレフィン繊維欄のPP/PEはポリプロピレン(芯)と高密度ポリエチレン(鞘)の芯鞘型複合繊維、PET/PEは延伸ポリエステル(芯)と高密度ポリエチレン(鞘)の芯鞘型複合繊維を表す。バインダー繊維/芯鞘PET繊維欄のPETは延伸ポリエステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の芯鞘型複合繊維を表す。
【0088】
【表2】

【0089】
実施例1〜28の半透膜支持体は、カールが小さく、半透膜滲み込み、半透膜接着性、樹脂フレームに対する加熱接着性が良好であり、半透膜塗工工程における幅方向の収縮率が小さく、実用上優れた特性を示した。非塗布面、半透膜塗布面ともにオレフィン繊維が配合される実施例26では、樹脂フレームに加熱接着した際に半透膜にひび割れが発生しているのに対し、非塗布面のみにオレフィン繊維が配合される実施例1〜25、27、28では、樹脂フレームに加熱接着した際の半透膜のひび割れはなく、接着性も良好であり好ましい。実施例19と25の比較より、オレフィン繊維としてポリプロピレン繊維を使用した実施例19は、ポリエチレン繊維を使用した実施例25よりも、半透膜の滲み込み、カールが小さく、好ましい。実施例19、27、28の比較より、主体繊維にポリエステル繊維を使用した実施例19は、半透膜の滲み込み、カールが小さく、熱圧加工前後の引張強さが強く、好ましい。
【0090】
実施例1〜19の比較より、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層が、バインダー繊維として、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を5質量%以上50質量%以下にした実施例1〜3、5〜7、9、10、12〜18は、半透膜支持体の引張強さが強く、半透膜塗工工程における幅方向の収縮率が小さいため作業性に優れ、樹脂フレームとの接着性に優れ、好ましい。特に、鞘部の融点が145〜155℃である実施例1、2、9、10、12〜18は、幅方向の収縮率が特に小さくなり好ましい。
【0091】
実施例1と12〜18の比較より、少なくともポリオレフィン繊維を含有する表面層が、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する実施例12〜18は、熱圧加工前の原布の引張強さが強く、取り扱い性が向上し好ましい。特に、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維と未延伸ポリエステル繊維の配合比率が80:20〜30:70である実施例13、14、17、18は、熱圧加工前の原布の引張強さと、熱圧加工後の半透膜支持体の引張強さが共に強く、特に好ましい。
【0092】
また、実施例13、17、18の比較より、ポリオレフィン繊維を含有する表面層以外の層において、バインダー繊維として融点210℃以上の未延伸ポリエステル繊維を主成分として含有し、熱圧加工で190℃、210℃といった高温の熱ロールで処理を行った実施例17、18は、半透膜支持体の引張強さが一層強く、特に好ましい。
【0093】
これに対し、ポリオレフィン繊維を含有しない比較例1の半透膜支持体は、樹脂フレームとの加熱接着性に劣る。非塗布面にオレフィン繊維を55質量%含有する比較例2は、カールが大きく取り扱い性に劣る。非塗布面のポリオレフィン繊維の配合量が1質量%以上50質量%以下であるものの、半透膜支持体の通気度が2.0cc/cm/secより小さい比較例3は、半透膜の接着性に劣る。非塗布面のポリオレフィン繊維の配合量が1質量%以上50質量%以下であるものの、半透膜支持体の通気度が80.0cc/cm/secより大きい比較例4は、半透膜の滲み込みが酷く、実用に適さなかった。オレフィン繊維のみからなる比較例5は、樹脂フレームには加熱により接着はするものの、加熱接着した際に半透膜にひび割れ、半透膜の脱落が酷く、使用不可レベルであった。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の半透膜支持体は、海水の淡水化、浄水器、食品の濃縮、廃水処理、血液濾過に代表される医療用、半導体洗浄用の超純水製造、膜分離活性汚泥処理等の分野で利用することができる。特に、膜分離活性汚泥処理法で好ましく利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体の少なくとも一方の面に半透膜を設けて用いる半透膜支持体において、該半透膜支持体が合成繊維からなる主体繊維及びバインダー繊維を主成分として含み、かつ2層以上を積層した不織布であり、該不織布の一方の表面層が少なくともポリオレフィン繊維を1質量%以上50質量%以下含有し、該不織布の通気度が2.0〜80.0cc/cm/secであることを特徴とする半透膜支持体。
【請求項2】
前記ポリオレフィン繊維がポリプロピレン繊維である請求項1記載の半透膜支持体。
【請求項3】
前記主体繊維がポリエステル繊維である請求項1又は2記載の半透膜支持体。
【請求項4】
前記表面層が、バインダー繊維として、芯部がポリエステル繊維であり、かつ鞘部の融点が120℃以上160℃以下である芯鞘型複合繊維を5質量%以上50質量%以下含有する請求項1〜3のいずれか記載の半透膜支持体。
【請求項5】
前記表面層が、バインダー繊維として、さらに未延伸ポリエステル繊維を含有する請求項4記載の半透膜支持体。

【公開番号】特開2012−101213(P2012−101213A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52225(P2011−52225)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ポリクラール
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】