説明

反転作業機

【課題】時差発土リレー可能な反転筒と、力合成による鋤構造及び鋤角適時可変とにより反転能力を向上させ、また後方放擲可能な反転作業機を提供する。
【解決手段】溝切対円盤と反転筒装置と鋤角可変装置とを組み合わせた反転作業システムでは、浅層土鋤13と深層土鋤15による時差発土リレー及び、柄漕アーム25と支点軸27と船底アーム33による力合成とで反転能力を上げられ、螺旋反転筒による後方放擲が可能である。このために、浅層土に密生する悪性虫菌や疲労集積した偏屈地を反転することで、作土の還元化が計られ、農家の安定生産に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は反転作業に関わる。より詳しくは、溝切対円盤手段と、反転筒手段と、鋤角可変装置手段とからなる反転作業システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許公開平07−95801号に、ボトムプラウ、特許公開平08−182401号に、リバーシブルプラウ作業機、特許公開2001−112303号に、耕耘作業機、特許公開2001−238501号に、プラウ式耕耘装置、特許公開2001−315401号に、れき土破砕装置付きプラウ作業機、特許公開2002−369602号に、複合耕耘作業機、特許公開2003−9606号に、農作業機、特許公開2005−65538号に、サブソイラ、特許公開2005−210907号に、心土層掘削作業機、特許公開2005−287439の記載がある。
【0003】
【特許文献1】特開平07−95801号広報
【特許文献2】特開平08−182401号広報
【特許文献3】特開2001−112303号広報
【特許文献4】特開2001−238501号広報
【特許文献5】特開2001−315401号広報
【特許文献6】特開2002−369602号広報
【特許文献7】特開2003−9606号広報
【特許文献8】特開2005−65538号広報
【特許文献9】特開2005−210907号広報
【特許文献10】特開2005−287439広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発土、放擲を横方向から後方向へ変えることで、鋤残溝をなくし、施設ハウスの基礎を抉ることなく反転作業ができるようにする。浅層土と深層土を時差発土リレーすることで、深層土の土圧抵抗が減り、反転作業能力が上がるようにする。浅層土と深層土を区分して反転させることで、反転作業をより向上させようとする。力の合成を取り入れた鋤構造にして、作業能力を上げるようにする。鋤入射角を可変することで適時に土地コンディションに対応して、特に硬盤での浮鋤による耕起斑を解消するようにする。更に水捌の悪い地において、礫土やボラ材を敷き、反転、暗渠排水ができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究の結果、溝切対円盤と、反転筒装置と、鋤角可変装置とを組み合わせることにより発明を完成し、上記課題を解決した。
【0006】
本発明は、溝切対円盤と、反転筒装置と鋤角可変装置とを構成とし、前記部材装置の作用機構による、反転作業において新規な反転作業機を実現したものである。
【0007】
本発明でいう溝切対円盤とは、本機作用体の通路壁を拵えるものであり、左右一対の円盤状の歯物をいう。又、本発明にいう反転筒装置とは、ガイド板と、浅層土鋤と、深層土鋤と、反転筒と、螺旋板とからなるものであり、集草土、浅層土及び深層土の発土、反転、放擲をするものをいう。更に、本発明でいう鋤角可変装置とは、鋤角可変部と、制振器と、柄漕アームと、支点軸と、接手と、バンドと、船底アームとからなるものであり、これらは鋤入射角の指示と、本体衝撃吸収と、作業能力向上と支点軸の補強と、反転筒支持とをするものをいう。即ち、溝切対円盤と、反転筒装置と、鋤角可変装置とを用いた手段で、前記説明の作業をして、目的を達成するものである。
【0008】
本発明の反転作業機は、これまでの反転作業を一新し、後方放擲と、浅層土及び深層土の時差発土リレーと、力合成による鋤構造と、鋤角適時可変とを実現する方法である。本発明の溝切対円盤手段は、作用体が土壁の抵抗を受けず作用でき、又、反転筒装置は、進行方向後方に放擲ができ、鋤角可変装置は、自由な鋤角度を自由且つ適時におこなえることを特徴とする。本発明は溝切対円盤とガイド板と、浅層土鋤と、深層土鋤と、反転筒と、螺旋板とからなり、鋤角可変装置は、鋤角可変部と制振器と、柄漕アームと、支点軸と接手とバンドと船底アームとからなる。又は、溝切対円盤とガイド板と、深層土鋤と反転筒と螺旋板とからなり、鋤角可変装置は、鋤角可変部と制振器と柄漕アームと、支点軸と接手とバンドと船底アームとからなる。更に、前記記載の二つの手段のいずれかの反転作業機を単独又は、複数組み合わせてなる反転作業機とからなる。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明による反転筒装置では、鋤残溝を無溝にして施設ハウスでの反転作業を容易にし、時差発土リレーにより、深層土反転能力の向上をさせ、浅層土と深層土の区分発土による反転作業性の向上等がある。鋤角可変装置では、力の合成鋤構造による作業能力の向上、適時な鋤角可変による浮鋤、耕起斑の解消、更には、滞水地の暗渠排水整備もできるなど広範囲な利便性がある。
このために深層土を膨軟化して、通気、排水性はもとより、浅層土に密生する悪性虫菌や、疲労集積した偏屈地なるものを反転することで、作土の還元化が計られ、農家の安定生産に寄与することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施形態を本発明装置に基づいて説明する。本発明の実施例の反転作業機斜視図1と側面図2に示す。
溝切対円盤9は、フレーム35下部に付設するもので、残根、残幹、緑肥等の切断と作用体接地部の摩擦抵抗を軽減するための壁部となる。材料のフレームと支持棒は鉄パイプ、円盤は鋭利な円縁を備えるステンレス材、円盤径は、深層部届き地上部にやや出る程度とする。
【0011】
図3、本発明による反転作業機の複鋤反転筒の斜視図である。反転筒装置は、船底アーム33内に嵌め込み、ボルトで固定したものであり、反転作業作用部となる。ガイド板11は、壁側の集土及び立木の集草をするものであり、筒口上縁にアーチ状に付設する。浅層土鋤13は螺旋板入口水平に、鋤板を付設し、発土が深層部方向に向くようにする。鉄、硬質樹脂もしくはステンレス鋼材を付設する。深層土鋤15は、船底アーム33に、螺旋板入口から船底・筒側に鋤板を付設し、発土が浅層部方向に向くようにする。図2で鋤位置を見ると、二つの鋤の間には、縦方向に深度、横方向に発土タイミングのずれが生じる。即ち、浅層土と深層土において時差発土リレーが可能となり、深層土に加わる土圧抵抗を減らし、反転能力を上げることに結びつく。
【0012】
反転筒は、浅層土と深層土を筒内で反転する筒容体である。筒容体は発土時の土の膨張を見込み、通常比1.3〜1.5倍増容体とすることで土の粒子間に遊び空隙を生み、反転時の粒子間摩擦を和らげる。筒形体、断面は、円または楕円、筒底は丸又は平面である。
図6は本発明による反転作業機の反転筒の土流を示す図である。螺旋板19は二分された通路を180°捻り逆転通路となるものである。
螺旋形状では、波高と波長のサイズは1:1が反転土流を良好に保つ、又、螺旋板19及び反転筒17壁の材質は、土剥離、発水性、腐蝕等をクリアできる硬質樹脂、ステンレス、発水処理材等、摩擦抵抗の低い素材を選定する。更には、反転筒装置は、浅層土と深層土を反転する装置であって、ロータリ、スクリューロータリ、カタピラ等を組み入れて、送土反転することもできる。
【0013】
図4は、本発明による反転作業機の鋤角可変装置の斜視図である。鋤角可変部21は、柄漕アーム25から支点軸27、船底アーム33へと鋤角度を指示するものであり、自動制御又は、手動操作を行える部である。鋤入射角を可変することで適時に土地コンディションに対応して、特に硬盤での浮鋤、耕起斑を解消するようにする。
【0014】
制振器23は、作用部の衝撃、振動を吸収したり、和らげたりするところである。柄漕アーム25は、鋤角指示伝達部の他に力の合成のうでの部分をいい、鋤作用部の能率を上げるためのものである。支点軸27は、フレーム35の牽引力と鋤角可変部21の力の合成力を支える支点軸27である。
図5に示すように、接手29は、柄漕アーム25の作用枠と、支点軸27の補強金具でもある。又、支点軸27には、軸受けを設け、ベアリング、グリース等で軋みや摩擦熱を緩和する必要がある。
【0015】
図4は、本発明による反転作業機の鋤角可変装置の斜視図である。船底アーム33は、支点軸27より下部のL字状のアームで、作用部反転筒17を支持する部であり、鋤角可変部21の伝達終結部である。以上説明した鋤角可変装置は、柄漕アーム25と支点軸27と船底アーム33による力合成により反転作業の能力向上をするものである。アームL字板は、鉄の厚板の一本通し物とする。
【実施例1】
【0016】
図1は、反転作業機に関わる実施例1の側面図である。溝切対円盤9と、ガイド板11と浅層土鋤13と深層土鋤15と反転筒17と螺旋板19とを有する反転筒装置と、更に鋤角可変部21と制振器23と柄漕アーム25と支点軸27と接手29とバンド31と船底アーム33とを有する鋤角可変装置とを組み合わせ、できた反転作業機で、新規な反転作業が可能となる。この例において、後方放擲による施設ハウス内の反転作業に効果的に活用できたり、浅層土と深層土を確実に反転ができるなど、土づくりに活用することができる。ここの筒を、浅層土と深層土における複鋤反転筒アをいう。
【実施例2】
【0017】
図7は反転作業機に関わる実施例2を示した、単鋤反転筒の斜視図である。溝切対円盤9と、ガイド板11と深層土鋤15と反転筒17と螺旋板19とを有する反転筒装置と、更に鋤角可変部21と制振器23と柄漕アーム25と支点軸27と接手29とバンド31と船底アーム33とを有する鋤角可変装置とを組み合わせ、できた反転作業機で、新規な反転作業が可能であり、この例においても後方放擲によりハウス内の反転作業に効果的に活用でき、土づくりに役立つ。ここの筒は、深層土における単鋤反転筒イという。
【実施例3】
【0018】
図8は反転作業機に関わる実施例3を示した平面図である。溝切対円盤9と浅層土鋤13と深層土鋤15と反転筒17と螺旋板19とを有する反転装置と、更に、鋤角可変部21と制振器23と柄漕アーム25と支点軸27と接手29とバンド31と船底アーム33とを有する鋤角可変装置とを組み合わせた反転作業機を、複数編成組み合わせてなる反転作業機を持ち、作業域を拡げ、効率的に作業を進めることのできるものも提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による反転作業機の斜視図である。
【図2】本発明による反転作業機の側面図である。
【図3】本発明による反転作業機の複鋤反転筒の斜視図である。
【図4】本発明による反転作業機の鋤角可変装置の斜視図である。
【図5】本発明による反転作業機の接手の分解図である。
【図6】本発明による反転作業機の反転筒の土流を示した説明図である。
【図7】本発明による反転作業機の実施例2を示した単鋤反転筒の斜視図である。
【図8】本発明による反転作業機の実施例3を示した反転作業機の平面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 トラクタ
3 リフトアーム
5 リフトロッド
7 ロアリンク
9 溝切対円盤
11 ガイド板
13 浅層土鋤
15 深層土鋤
17 反転筒
19 螺旋板
21 鋤角可変部
23 制振器
25 柄漕アーム
27 支点軸
29 接手
31 バンド
33 船底アーム
35 フレーム
37 船底
39 ベアリング
A 浅層土
B 深層土
ア 複鋤反転筒
イ 単鋤反転筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝切対円盤と、反転筒装置と、鋤角可変装置とからなる反転作業機。
【請求項2】
反転筒装置が、単鋤反転筒である請求項1に記載の反転作業機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の反転作業機を単独又は、複数組み合わせてなる反転作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−149404(P2006−149404A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2006−30657(P2006−30657)
【出願日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(300007512)
【Fターム(参考)】