説明

収穫機

【課題】一条列の立毛穀稈を刈取り、脱穀する超小型の超小型コンバインを設けようとするものである。
【解決手段】左右両側の走行装置3の一方側の前部には、穀稈を分離、及び引起す分離引起装置6を設け、この分離引起装置6の後側には、引起し立毛穀稈を後方へ移送する挟持移送装置10で、横側の脱穀機13へ供給して脱穀し、脱穀済みの穀稈を挟持移送装置10の後側で、走行装置3,3間へ設けた刈刃装置12で刈取り、圃場へ排出する。脱穀機13の後側には、エンジン17と、バーハンドル19とを設けた構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
立毛穀稈の収穫作業は、圃場を歩行運転中に左右両側の走行装置間へ分離引起した立毛穀稈は、挟持移送装置で引継ぎされ、後方へ移送中に、立毛穀稈の状態のままで、脱穀機へ供給されて脱穀される。脱穀済みの穀稈は、走行装置間に設けた刈刃装置で刈取り、脱穀済みで、刈取り済みの穀稈は、圃場面へ倒される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機からバーハンドルの袋ホルダへ装着した籾袋内へ排出される。又、脱穀機の後方部には、エンジンを設けた技術の収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
立毛穀稈の収穫作業は、圃場を歩行しながら後方操作部、又は座席へ着座して前方操作部を運転操作中に、特開2002−218826号公報で示す如く走行装置の上側へ設けた機体の前方部の前処理部で、穀稈は分離、引起し、及び掻込みされながら刈取りされ、この前処理部から機体の上側で後側へ載置して設けた、脱穀機へ引継ぎされ、この脱穀機内を挟持移送中に脱穀される。
【0003】
前記脱穀機で脱穀済みで、選別済み穀粒は、座席の後部に設けたハンガへ装着した穀粒袋内へ排出される。又、座席の下側のエンジンルーム内で、機体の上側面には、エンジンを載置している。
【特許文献1】特開2002−218826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
立毛穀稈の収穫作業するコンバインは、従来は、歩行型、又は乗用型のこのコンバインの走行装置の上側へ設けた機体の前部の前処理部で、穀稈の二条列を刈取り、後方上部移送して、脱穀機で引継ぎされて脱穀処理されるが、最低でも、二条列の穀稈を刈り取ることにより、機械が大きくなり、このために、山間部の圃場が狭い所では、不向きであったが、この問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、左右両側の走行装置(3)の前方部の一方側には、穀稈を分離、及び引起しする分離引起装置(6)を設け、該分離引起装置(6)の後側には、引起し穀稈を引継ぎ後方へ移送する挟持移送装置(10)を設け、該挟持移送装置(10)の横側上部には、挟持移送中の穀稈を脱穀する脱穀機(13)を設け、挟持移送装置(10)の下方には、脱穀済みの穀稈を刈取る刈刃装置(12)を設けると共に、脱穀機(13)の後側には、エンジン(17)を設け、該エンジン(17)の左右両側には、後方へ突出するバーハンドル(19)を設け、該バーハンドル(19),(19)には、穀粒袋を保持する袋ホルダ(20)を設けたことを特徴とする収穫機としたものである。
【0006】
この収穫機はコンバインの小型化を図つたものである。この収穫機での立毛穀稈の収穫作業は、エンジン(17)を始動操作し、左右両側の走行装置(3)を走行させ、この走行装置(3)の一方側の前方部に設けた、分離引起装置(6)で一条列の穀稈は、分離、及び引起しされ、この引起しされた穀稈は、この分離引起装置(6)の後側へ設けた、挟持移送装置(10)で引継ぎされて、後方部へ移送中に、立毛穀稈の状態のままで、脱穀機(13)内へ穀稈の穂先部が供給されて移送され、移送中に脱穀される。脱穀済みの穀稈は、挟持移送装置(10)の下部で、走行装置(3),(3)間に設けた刈刃装置(12)で刈取りされ、刈取り済みの穀稈は、圃場面の後方へ倒れる。
【0007】
前記脱穀機(13)で脱穀済みで、選別済み穀粒は、エンジン(17)の左右両側へ設けたバーハンドル(19)へ装着した袋ホルダ(20)で支持した穀粒袋内へ排出される。
【0008】
請求項2に記載の発明においては、前記走行装置(3)は、前・後輪(4c),(4d)に走行クローラ(3a)を掛け渡して設けたことを特徴とする請求項1に記載の収穫機としたものである。
【0009】
立毛穀稈を収穫の時に、圃場を走行する左右両側の走行装置(3)は、前後両側に設けた前・後輪(4c),(4d)に走行クローラ(3a)を掛け渡して設けた、この左右両側の走行クローラ(3a),(3a)が回転駆動されて、圃場を走行する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明においては、左右両側の走行装置(3)間に、一条列の立毛穀稈が挿入され、立毛状態で脱穀機(13)により、穀稈は脱穀される。脱穀済み穀稈は、刈刃装置(12)で刈取りされる。一条列の立毛穀稈が収穫される。そして、小型化を図つたことにより、機械は小さくなり、これにより、山間部での収穫作業に対する適応性が向上した。又、狭い圃場に対しても適応性が向上した。
【0011】
請求項2に記載の発明においては、左右両側の前記走行装置(3)は、前・後輪(4c),(4d)に走行クローラ(3a)を掛け渡した構成としたことにより、山間部での湿田適応性の向上を図ることができる。又、牽引力の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
左右両側の走行装置3の前方部の一方側には、刈取機5の立毛穀稈を分離、及び引起しする分離引起装置6を設け、この分離引起装置6から立毛穀稈を引継ぎ後方へ移送する挟持移送装置10を設け、この挟持移送装置10で後方へ移送中に立毛穀稈の穂先部の供給を受けて、脱穀する脱穀機13を挟持移送装置10の右横側へ設けた構成である。脱穀機13で脱穀され、脱穀済み穀稈は、左右両側の走行装置3間で、挟持移送装置10の移送移送終端部の下方部へ刈刃装置12を設けた構成である。又、走行装置3間の上部には、走行車台2を設け、この走行車台2の上側面には、エンジン17を載置した構成である。このエンジン17の左右両側には、後方へ突出するバーハンドル19を設け、この各バーハンドル19には、穀粒袋20aを保持する袋ホルダ20を後方へ向けて個別に固着して設けた構成である。これらの上述の各部品により、コンバインの小型化を図つたものである。さらに、小型化を図つた構成の中でも、いわゆる超小型コンバイン1と呼ばれる収穫機を形成した構成である。
【0013】
前記超小型コンバイン1は、図1〜図3で示す如くこの超小型コンバイン1のコ字形状の走行車台2は、左右両側の走行フレーム4の前後両側に設けた前・後支持板2a,2bで支持して設けた構成であり、この走行車台2の下側の左右両側には、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3aを、一条列の立毛穀稈が通過すると共に、刈取り可能な間隔で左右両側に走行フレーム4へ設けた、前・後走行軸4a,4bへ軸支した前・後輪4c,4dへ掛け渡した構成である。
【0014】
左側の前記走行装置3の前方部には、立毛穀稈を分離、及び引起しする分離引起装置6を設けた構成である。左側の走行フレーム4の前後方向略中央部に中支持板8cを設け、この中支持板8cには、横方向に下引起パイプ8bを装着して設け、この下引起パイプ8bには、前方上部へ傾斜させて、上引起パイプ8aを装着して設け、この上引起パイプ8aで分離引起装置6を支持した構成である。
【0015】
前記分離引起装置6は、前後両側の引起ケース7bの前側の引起ケース7bの前部に、穀稈を分離する分草板7aを、外側面へ装着した構成である。
前後両側の引起ケース7b内には、引起ラグ7dを所定間隔に装着した引起チェン7cを回転自在に張設した構成である。この引起チェン7cは、後側の引起ケース7bの上部へ設けた、引起モータ7eで回転駆動して、立毛穀稈を引起しする構成である。
【0016】
右側の前記走行装置3の前方部には、前後方向に所定巾で、上下方向に所定長に形成した引起挟持板9を、支持杆9aの先端部へ引起ケース7bの傾斜角度と略同じ角度に傾斜させて装着して設けると共に、この支持杆9aの後端部を、脱穀機13の前側面へ装着して設けた構成である。
【0017】
前記分離引起装置6と、引起挟持板9とにより、立毛穀稈を分離して、引起しした、この立毛穀稈を引継ぎ後方部へ挟持移送する挟持移送装置10と、挟持具10aとを、分離引起装置6の後側で、走行装置3の上部へ設けた構成である。
【0018】
前記挟持移送装置10は、走行車台2の上側面へ軸支した前・後支持軸11a,11bへ回転自在に軸支した前・後プーリ11c,11dには、樹脂材、又はゴム材よりなる搬送具11eを掛け渡した構成である。又、後支持軸11bを脱穀機13より、伝動機構(図示せず)を介して回転駆動し、搬送具11eを回転駆動する構成である。
【0019】
前記挟持移送装置10の内側には、横方向に略H形状の挟持具10aを設け、この挟持具10aと、搬送具11eとの間に、分離引起装置6と、引起挟持板9とにより、分離引起した立毛穀稈を引継ぎ、立毛穀稈の状態のままで後方へ移送中に、脱穀機13へ供給され、この脱穀機13内を立毛穀稈の状態のままで移送されて、移送中に脱穀される。
【0020】
脱穀済み立毛穀稈は、左右両側の走行装置3,3間で、走行フレーム4の下部に設けた刈刃装置12により、刈取りされ、刈取り穀稈は、後方へ倒れて圃場面へ排出された状態になる。
【0021】
前記脱穀機13は、上部の脱穀室14内へ軸支した扱胴軸14aには、多種類で多数本の扱歯14cを外周部へ植設した扱胴14bを軸支した構成である。この扱胴14b各扱歯14cの外周下側部には、脱穀処理物が漏下する脱穀室網14dを張設した構成である。又、脱穀室網14dの下側には、漏下物を選別する選別装置15aと、この選別装置15aの下側には、一番螺旋15cを内装した選別室15bを設けた構成である。
【0022】
前記選別装置15a、及び選別室15b等で選別された一番口穀粒は、この選別室15b内の一番螺旋15cで後方へ移送され、揚穀装置16で引継ぎされて、この揚穀装置16で揚送され、後述する袋ホルダ20で支持した穀粒袋20a内へ排出される構成である。
【0023】
前記脱穀機13、及び挟持移送装置10等の後側で、走行車台2の上側には、エンジン17を載置した構成である。このエンジン17のエンジン軸17aで軸支した二段溝のエンジンプーリ17bの前側の溝と、脱穀機13の扱胴軸14aの後端部へ軸支した脱穀プーリ14eとには、ベルト18aを掛け渡した構成である。
【0024】
又、前記エンジンプーリ17bの後側の溝と、刈刃ケース12aへ設けた刈刃プーリ12bとには、ベルト18bを掛け渡して、脱穀機13、及び刈刃装置12等を回転駆動、及び回動移動させて、脱穀、及び刈取りする構成である。
【0025】
前記エンジン17の左右両側には、後方へ突出させて、バーハンドル19,19を装着して設けた構成である。この各バーハンドル19,19には、後方へ突出させて、個別に袋ホルダ20を設け、この袋ホルダ20,20には、脱穀機13の揚穀装置16より、排出される穀粒を受ける、穀粒袋20aを吊り下げ状態に支持した構成である。
【0026】
左右両側の前記走行装置3,3間には、一条列の立毛穀稈が挿入され、立毛状態で立毛穀稈は脱穀機13により、脱穀される。脱穀済みの穀稈は、刈刃装置12で刈取りされ、圃場面へ倒れて排出状態になることにより、一条列の立毛穀稈が収穫される。超小型コンバイン1としたことにより、機械が小さくなり、これにより、山間部での収穫作業に対する適応性が向上した。又、狭い圃場に対する適応性の向上を図ることができた。
【0027】
又、左右両側の前記走行装置3は、前・後輪4c,4dに走行クローラ3aを掛け渡した構成としたことにより、山間部での特に湿田適応性の向上を図ることができる。又、牽引力の向上を図ることができる。
【0028】
二条列以上の穀稈を刈取り、及び脱穀するコンバイン21において、このコンバイン21の刈取機22で刈取りされた刈取り穀稈を、後方上部へ移送して、脱穀機23のフィードチェン23aと、挟持杆23bとで引継ぎ、脱穀機23内を挟持移送して脱穀する構成のコンバイン21である。
【0029】
前記刈取機22には、図5、及び図6で示す如く刈取り穀稈を、穀稈掻込移送装置24の掻込装置24aから引継ぎして、後方部へ移送する根元移送装置25aと、穂先移送装置25bと、この穂先移送装置25bの上側の補助移送装置25c等とにより、後方上部へ移送して、脱穀機23で引継ぎする構成である。
【0030】
前記根元・穂先移送装置25a,25b、及び補助移送装置25cは、刈取りする穀稈の稈長により、脱穀機23へ供給して脱穀する扱ぎ深さを調節するが、この扱ぎ深さの調節は、図6で示す如く移送モータ26のモータ軸26aで、根元・穂先移送装置25a,25bの移送始端部を回転駆動する構成である。又、この移送モータ26には、首振り装置26bを内装して設け、この首振り装置26bの首振り量を調節する調節用つまみ26cを移送モータ26の外周部に設け、この調節用つまみ26cの調節操作位置により、根元・穂先移送装置25a,25bが上下移動調節され、穀稈の扱ぎ深さが調節できる構成である。
【0031】
これにより、前記根元・穂先移送装置25a,25bの上下調節による扱ぎ深さの調節は、調節用モータ26を設けて行う構成としたことにより、構成が簡単であり、又、調節操作が容易である。更に、コスト低減ができる。
【0032】
前記刈取機22の穀稈を引起しする引起装置27の後側には、図7、及び図8で示す如く設けた、上フレーム27aには、注油装置28を装着する取付具27bを設けると共に、引起装置27の後側へ設けた支持フレーム27cには、油タンク28aを設けた構成である。
【0033】
前記注油装置28と、油タンク28aとの間には、エアーと、オイルとに切換装置28bと、ポンプ28cとを設け、この切換装置28bには、切換つまみ28dを設けると共に、エアフィルタ28eを設けた構成である。この切換装置28bと、油タンク28aとの間には、下ホース29bを設けて接続した構成である。ポンプ28cと、注油装置28とは、上ホース29aを設けて接続した構成である。
【0034】
前記切換装置28bの切換つまみ28dを油位置へ切換操作し、注油装置28の引き金28fを引き操作により、油タンク28aより、油が吸入されて、注油装置28の先端部より、油が排出されることにより、コンバイン21の任意の各所へ注油ができる構成である。又、切換つまみ28dをエア位置へ切換操作により、エアフィルタ28eより、エアが吸入されて、注油装置28の先端部より、エアが排出されることにより、コンバイン21の任意の各所へエアを吹き付けて、清掃ができる構成である。
【0035】
これにより、前記コンバイン21の任意の各所を注油、及び清掃を簡単に行うことができる。
前記コンバイン21の脱穀機23のフィードチェン23aの上側で、脱穀機23の入口側には、図9〜図11で示す如くフィードチェン23aで移送される穀稈の株元側を上方より、押え付ける株元ホルダ装置30を上下回動自在に設けた構成である。
【0036】
前記株元ホルダ装置30は、コ字形状のホルダ板30aへ棒状のホルダ30bを装着して設けた構成である。ホルダ板30aには、支持ピン30cを設けて、上下回動自在な構成である。株元ホルダ装置30のホルダ板30aの前部には、回動用ハンドル30dを設け、この回動用ハンドル30dは、脱穀機23の入口漏斗23cへ設けた各受具23dで回動自在に支持した構成である。
【0037】
前記株元ホルダ装置30の回動用ハンドル30dの先端部は、操縦席31へ着座した運転作業者が、容易に操作可能に内側へ向けて延長して設けた構成である。
これにより、前記株元ホルダ装置30を、操縦席31へ着座状態で操作ができることにより、操作が簡単であり、穀稈の供給量に対する対応が容易である。
【0038】
前記コンバイン21の右側端部の引起装置27の外引起ケース32と、サイドカバー33とは、図12〜図15で示す如く一体に組付可能に構成して、一体で取付け、及び取り外し可能な構成である。
【0039】
前記サイドカバー33は、上部サイドカバー33aと、下部サイドカバー33bとよりなり、上サイドカバー33aを下サイドカバー33bへ嵌入させる構成である。
前記外引起ケース32と、上サイドカバー33aとの組付けは、樹脂材等よりなり、ナットをインサートした上接続具32aの溝部を、外引起ケース32へ挿入し、上部サイドカバー33aの上部を、上接続具32aのナットへボルト等により、装着した構成である。又、外引起ケース32と、下部サイドカバー33bとの組付けは、樹脂材等よりなる外引起ケース32の下部内側面には、各ナットをインサートして設け、この各ナットへ下接続具32bを各ボルト等により、装着した構成である。この下接続具32bの外端部と、下部サイドカバー33bとをボルト、及びナット等により、装着した構成である。これにより、外引起ケース32と、サイドカバー33とは、一体に組付けした構成になる。
【0040】
一体に形成した前記外引起ケース32と、サイドカバー33の組付け、及び取り外しは、図15で示す外引起ケース32の上部を略コ字形状の支持具34aへ引っ掛ける。
又、下部サイドカバー33bの下部を、図14で示す如く内引起ケース32bへボルト34b、及びナットで装着する。更に、図14で示す如く下接続具32b部を長いボルト34cで装着すると取付けが終了する構成である。取り外しのときは、支持具34aへ引っ掛けを外すと共に、各ボルト34b,34cの締め付けを取り外しする構成である。
【0041】
これにより、前記外引起ケース32と、サイドカバー33とを一体に部分組立した構成としたことにより、取付け、取り外しが容易である。又、メンテナンスが簡単にできる。
前記脱穀機23のフィードチェン23aの前側には、図16で示す如く内補助移送チェン35aと、外補助移送チェン35bとを設けた構成である。
【0042】
前記内補助移送チェン35aの上側には、脱穀機23の前側より、補助挟持杆装置36を設けた構成である。この補助挟持杆装置36は、コ字形状の支持板36aに、パイプ材よりなる挟持杆36bへ前支持杆36cと、後支持杆36dとを装着して設け、これら前支持杆36cは、支持軸36hで支持板36aへ装着し、又、後支持杆36dは、スプリング36eと、スプリング受板36fとで支持させて、これらは支持板36aへ内装して設け、挟持杆36bは支持軸36hを回動中心として、上下回動自在に設けた構成である。
【0043】
これにより、前記内補助移送チェン35aの上側へ補助挟持杆装置36を設けたことにより、刈取機22から脱穀機23への穀稈の引継ぎが良好になる。又、引継ぎ時の穀稈の落下を防止できる。
【0044】
前記補助挟持杆装置36は、図17、及び図18で示す如く脱穀機23の前側板23eへ装着した、コ字形状の受板23fと、補助挟持杆装置36の支持板36aの後方上部との間に、取付装置37を設けて、補助挟持杆装置36を支持させた構成である。
【0045】
前記取付装置37は、支持杆37aの下部には、下取付板37bを設けると共に、上部には、上取付板37cを設けた構成である。下取付板37bは、脱穀機23の前側板23eへ設けた受板23fへボルト等により、装着して設けた構成である。又、上取付板37cは、補助挟持杆装置36の支持板36aの外側部へ挿入して、支持ピン37dで回動自在に軸支した構成である。図17で示す如く下部位置が作業状態位置であり、上部が非作業状態位置であり、この位置は、扱胴カバー23hより、前部へ位置させた構成である。
【0046】
これにより、前記補助挟持杆装置36の装着が容易である。又、内補助移送チェン35aの中央部を挟持するよう容易に調節が可能である。
前記脱穀機23で脱穀した脱穀済みの排藁を、フィードチェン23aと、挟持杆23bとより、引継ぎして後方部へ移送する排藁根元移送チェン38の移送終端部へ設けた後排藁スプロケット38aの装着位置を、伸張する排藁チェン張り装置39は、図19、及び図20で示す如くコ字形状のテンションアーム39aの後側へ設けたテンション軸39bの外径部でテンションメタル39cと、テンションアーム39aとの間には、ゴム材、又は樹脂材等よりなり、伸縮自在な防塵ブーツ41aを設けた構成である。38b,38bは上下のチェン摺しである。
【0047】
前記テンションメタル39c内には、スプリング40aと、座金40bとを設けると共に、これらを押圧する調節用ボルト40cを設け、この調節用ボルト40cの調節により、テンション軸39b、及びテンションアーム39aを介して、排藁根元移送チェン38を伸張する構成である。
【0048】
これにより、前記テンション軸39bの外周部へ防塵用ブーツ41aを設けたことにより、塵埃の防塵ができて、排藁根元移送チェン38の伸張がスムーズである。
前記排藁根元移送チェン38の構成において、図21、及び図22で示す如くテンション軸39bの外径部で、上下のチェン摺し38b,38b間には、樹脂のスポンジ材よりなる防塵ブッシュ41bを設けた構成である。又、テンションメタル39cの先端の小径部には、図23、及び図24で示す如く防塵用長孔39dを設けた構成である。
【0049】
前記防塵ブッシュ41b、及び防塵用長孔39d等を設けたことにより、塵埃の防塵、又は除去できて、排藁根元移送チェン38の伸張がスムーズである。
前記刈取機22から脱穀機23の前側へ設けた内・外補助移送チェン35a,35bへ刈取り穀稈を引継ぎのときに、この穀稈を上部より、押える引継ぎガイド装置42は、図16、図25、及び図26で示す如く内補助移送チェン35aの上側で、上下方向にローリングする構成である。
【0050】
前記引継ぎガイド装置42は、取付プレート42aへ支持パイプ42bを固着して設け、この支持パイプ42bには、引継ぎガイド杆42cを挿入して、回動自在に設け、この引継ぎガイド杆42cの先端部には、ガイド板42dを固着した構成である。
【0051】
前記刈取機22へ設けた、サイドフレーム装置43は、図25で示す如くサイドフレーム43aへL字形状の支持板43bを固着して設け、この支持板43bには、取付ボルト43c,43cを固着して設けた構成である。
【0052】
前記支持板43bの各取付ボルト43cには、各スプリング44aを挿入し、上側には、引継ぎガイド装置42の取付プレート42aを挿入し、座金44b、及びナット44cで取付けした構成である。引継ぎガイド装置42は、作業中は、穀稈量により、各スプリング44aにより、ローリングする構成である。又、図27、及び図28で示す如く前側の取付ボルト43cには、スプリング44aを廃止すると共に、上端部には、割ピン44dを使用する構成とするもよい。
【0053】
前記サイドフレーム装置43の支持板43bの両側には、図29、及び図30で示す如くストッパーガイド43e,43eを固着して設け、引継ぎガイド装置42のローリング量を規制する構成である。
【0054】
これにより、多量の穀稈を引継ぎ時には、ローリングすることにより、引継ぎ部の通路巾を広く確保することができる。又、少量のときは、稈こぼれを防止できる。
前記刈取機22から脱穀機23のフィードチェン23aと、この脱穀機23の前側へ設けた内補助移送チェン35aとへ刈取り穀稈を引継ぎのときに、この穀稈を上部より、押える内・外引継ぎガイド装置45と、46とを、図31〜図33で示す如く回動自在に設けた構成である。
【0055】
前記内補助移送チェン35aの上側へ設ける。内引継ぎガイド装置45は、略L字形状で、棒材よりなる内引継ぎガイド杆47aの根元側には、止金47bを固着して設けると共に、先端部には、板状の内ガイド板47cを固着して設けた構成である。
【0056】
前記フィードチェン23aの上側へ設ける。外引継ぎガイド装置46は、コ字形状の取付板48aの上側面には、板状の外引継ぎガイド杆48bをボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
【0057】
前記刈取機22には、取付装置49をボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
前記取付装置49は、取付板49aに支持パイプ49bを装着した構成である。この支持パイプ49bの外側には、外引継ぎガイド装置46の取付板48aを挿入すると共に、内引継ぎガイド装置45の内引継ぎガイド杆47aを、取付板48aと、支持パイプ49bとへ挿入し、内引継ぎガイド杆47aの外端部には、アーム49dを設けたアームボス49cを挿入して、ボルト等により、装着して設けた構成である。又、アーム49dと、刈取機22との間には、スプリング49eを設けた構成である。このスプリング49eにより、内引継ぎガイド装置45は、下方へ向けて引き付けられる構成であり、穀稈を上方より、押し付ける構成である。この内引継ぎガイド装置45が上方へ大きく回動移動すると、この回動移動に連動して、外引継ぎガイド装置46も同時に、上方へ回動移動する構成である。
【0058】
前記内・外引継ぎガイド装置45,46の回動中心は、胴軸とすべく内引継ぎガイド装置45の内引継ぎガイド杆47aとした構成である。
これにより、簡単な構成で、それぞれに独立回動移動する構成にできる。
【0059】
前記取付装置49の取付板49aの前後両側には、図34、及び図35で示す如く前・後支持パイプ50a,50bを固着して設け、この前支持パイプ50aには、内引継ぎガイド装置45の内引継ぎガイド杆47aを挿入して、軸支させた構成である。又、後支持パイプ50bには、外引継ぎガイド装置46の取付板48aへ設けた略く字形状の支持杆48cを挿入して軸支した構成である。
【0060】
又、前記内・外引継ぎガイド装置45,46の回動中心を前後に位置させて設けた構成において、これらの回動中心位置は、図36で示す如く前引継ぎガイド装置45の回動中心位置を、外引継ぎガイド装置46の回動中心位置より、所定寸法(L)下方へ位置させて、設けた構成である。
【0061】
これにより、回動中心位置を別々に設けたことにより、内・外引継ぎガイド装置45,46が簡単になる。又、一方側の回動中心位置を所定寸法(L)下方へ位置させて設けたことにより、挟持位置が早くなり、穀稈のこぼれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】超小型コンバインの左側全体側面図
【図2】超小型コンバインの全体平面図
【図3】超小型コンバインの全体正面図
【図4】他の実施例を示す図で、コンバインの左側全体側面図
【図5】他の実施例を示す図で、刈取機の全体拡大側面図
【図6】他の実施例を示す図で、刈取機の穀稈移送部の側面斜視図
【図7】他の実施例を示す図で、注油装置部の拡大側面図
【図8】他の実施例を示す図で、注油装置部の作用拡大正面図
【図9】他の実施例を示す図で、株元ホルダ装置部の拡大平面図
【図10】他の実施例を示す図で、株元ホルダ装置部の拡大正面図
【図11】他の実施例を示す図で、株元ホルダ装置部の拡大側面図
【図12】他の実施例を示す図で、引起装置部の拡大正面図
【図13】他の実施例を示す図で、引起ケースと、サイドカバーとの上部の正断面図
【図14】他の実施例を示す図で、引起ケースと、サイドカバーとの下部の正断面図
【図15】他の実施例を示す図で、引起ケースと、サイドカバーとの正面図
【図16】他の実施例を示す図で、補助挟持杆装置部の拡大側面図
【図17】他の実施例を示す図で、補助挟持杆装置部の拡大側面図
【図18】他の実施例を示す図で、補助挟持杆装置部の拡大正面図
【図19】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大背面図
【図20】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大平面図
【図21】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大背面図
【図22】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大平面図
【図23】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大背面図
【図24】他の実施例を示す図で、排藁根元移送チェン部の拡大平面図
【図25】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の拡大側面斜視図
【図26】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の作用時の拡大側面図
【図27】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の拡大側面斜視図
【図28】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の拡大側面図
【図29】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の拡大側面斜視図
【図30】他の実施例を示す図で、引継ぎガイド装置部の拡大側面図
【図31】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大平面図
【図32】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大平面図
【図33】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大側面図
【図34】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大平面図
【図35】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大側面図
【図36】他の実施例を示す図で、内・外引継ぎガイド装置部の拡大側面図
【符号の説明】
【0063】
3 走行装置
3a 走行クローラ
4c 前輪
4d 後輪
6 分離引起装置
10 挟持移送装置
12 刈刃装置
13 脱穀機
17 エンジン
19 バーハンドル
20 袋ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両側の走行装置(3)の前方部の一方側には、穀稈を分離、及び引起しする分離引起装置(6)を設け、該分離引起装置(6)の後側には、引起し穀稈を引継ぎ後方へ移送する挟持移送装置(10)を設け、該挟持移送装置(10)の横側上部には、挟持移送中の穀稈を脱穀する脱穀機(13)を設け、挟持移送装置(10)の下方には、脱穀済みの穀稈を刈取る刈刃装置(12)を設けると共に、脱穀機(13)の後側には、エンジン(17)を設け、該エンジン(17)の左右両側には、後方へ突出するバーハンドル(19)を設け、該バーハンドル(19),(19)には、穀粒袋を保持する袋ホルダ(20)を設けたことを特徴とする収穫機。
【請求項2】
前記走行装置(3)は、前・後輪(4c),(4d)に走行クローラ(3a)を掛け渡して設けたことを特徴とする請求項1に記載の収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2006−174763(P2006−174763A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371596(P2004−371596)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】