説明

収穫機

【課題】効率よく収穫作業ができる収穫機を提供する。
【解決手段】収穫機1は、茎部で繋がった農作物を搬送する第1搬送手段6と、茎部を農作物から分離して農作物をばらばらにする茎部分離手段7と、ばらばらの農作物を搬送する第2搬送手段8とを備える。茎部分離手段7は、第1搬送手段6の搬送終端部とともに茎部を挟持して農作物から分離する駆動ローラ体51を有する。茎部分離手段7は、茎部で繋がった農作物を押えながら駆動ローラ体51側に向けて案内する押え体52を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率よく収穫作業ができる収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自走機体に機体下部前方から機体中央上部を通って機体後部にかけて圃場の農作物を掘取って搬送を行う掘取りコンベア装置を設けた農産物収穫機において、掘取りコンベア装置の前側に位置して茎部を噛み込んで引き上げる一対の駆動ロ−タを機体の進行方向に対して斜めに配設した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−37863号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の構成では、一対の駆動ロ−タにて農作物から分離された茎部が、ばらばらにされた農作物とともに掘取りコンベア装置にて搬送されるため、例えば搬送途中で作業者が手作業で茎部を除去する必要があり、作業効率が悪くなるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、効率よく収穫作業ができる収穫機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の収穫機は、茎部で繋がった農作物を搬送する第1搬送手段と、茎部を農作物から分離して農作物をばらす茎部分離手段と、この茎部分離手段にてばらされた農作物を搬送する第2搬送手段と、前記第1搬送手段の搬送終端部と前記第2搬送手段の搬送始端部との間に配設され、前記茎部分離手段にてばらされた農作物を滞留させる滞留手段とを備えるものである。
【0006】
請求項2記載の収穫機は、請求項1記載の収穫機において、茎部分離手段は、第1搬送手段の搬送終端部の下方に回転可能に配設され、前記第1搬送手段の搬送終端部とともに茎部を挟持して農作物から分離する駆動ローラ体と、茎部で繋がった農作物を押えながら前記駆動ローラ体側に向けて案内する押え体とを有するものである。
【0007】
請求項3記載の収穫機は、請求項2記載の収穫機において、茎部分離手段は、駆動ローラ体を回転可能に支持する上下回動可能な回動アームと、この回動アームを前記駆動ローラ体が上動する方向に付勢する付勢体と、前記回動アームとの当接により前記回動アームの回動を規制し、前記駆動ローラ体と第1搬送手段の搬送終端部との間の距離を設定する設定体とを有し、前記設定体にて設定される距離が調整可能となっているものである。
【0008】
請求項4記載の収穫機は、請求項2または3記載の収穫機において、押え体は、前端部を中心として後端部が上下動するように上下回動可能に配設され、茎部分離手段は、前記押え体をこの押え体の後端部が下動する方向に付勢する付勢体を有するものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、茎部分離手段にて茎部が農作物から分離され、この分離された茎部が第2搬送手段にて搬送されることがないため、効率よく収穫作業ができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、押え体が茎部で繋がった農作物を押えながら駆動ローラ体側に向けて案内するため、駆動ローラ体と第1搬送手段の搬送終端部とで茎部を挟持して農作物から適切に分離できる。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、駆動ローラ体と第1搬送手段の搬送終端部との間の距離が調整可能となっているため、例えば太さ等の異なる茎部に適切に対応できる。
【0012】
請求項4に係る発明によれば、押え体は前端部を中心として後端部が上下動するように上下回動可能に配設され、茎部分離手段は押え体をこの押え体の後端部が下動する方向に付勢する付勢体を有するため、茎部で繋がった農作物を駆動ローラ体側に向けて適切に案内できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の収穫機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
図1および図2において、1は収穫機で、この収穫機1は、圃場に生育した根菜類等の農作物A、すなわち例えばさつまいもを収穫する自走式収穫機である。なお、収穫対象物である農作物Aは、圃場の畝の土中では、複数個(例えば4〜6個)ずつ主茎部である茎部(蔓等)Bで繋がった状態となっている。
【0015】
収穫機1は、前後方向長手状の機体2を備え、機体2の後側下部にはクローラ3が設けられ、クローラ3はエンジン4から出力される動力に基づいて駆動する。
【0016】
機体2の前側には、茎部Bで繋がった農作物Aを圃場の畝の土中から収穫して斜め後上方に向けて搬送する掘取コンベヤ等の第1搬送手段6と、茎部Bを農作物Aから分離除去してその茎部Bを圃場上に落下させることにより農作物Aをばらす、すなわち例えば圃場から収穫された複数個の農作物Aの略全部を1個ずつばらばらにする茎部分離手段7と、茎部分離手段7にてばらされた農作物Aを斜め後上方に向けて持上搬送する持上コンベヤ等の第2搬送手段8とが設けられている。
【0017】
また、機体2の前端部には先金等の掘取刃11が設けられている。さらに、機体2から取付アーム12が前方に向って突出し、取付アーム12の前端部にはゲージ輪13が取り付けられている。また、第1搬送手段6の上方には、茎部Bで繋がった農作物Aをゴム板等の弾性板15で掻き込んで後方に送る掻込コンベヤ等の掻込手段14が配設されている。
【0018】
さらに、機体2の後側には、第2搬送手段8の搬送終端部から搬出される農作物Aを受け入れこの受け入れた農作物Aを後方に向けて水平に搬送する選別作業用の選別コンベヤ等の第3搬送手段16と、上方に向って開口する柔軟な袋状のフレキシブルコンテナ等の収容体17が載置された載置台18とが設けられている。載置台18上の収容体17内には、第3搬送手段16の搬送終端部から搬出される農作物Aが落下して収容される。また、機体2には、作業用ステップ19が設けられており、作業用ステップ19上には、第3搬送手段16にて搬送中の農作物A等に対して選別作業をする作業者が乗る。なお、第3搬送手段16は、例えば前後に分割された2つのコンベヤ16a,16bにて構成されている。
【0019】
ここで、第1搬送手段6は、所定方向に回行して茎部Bで繋がった農作物Aを圃場の畝の土中から収穫して搬送するとともに搬送途中で土等を間隙21から圃場上に落下させるロッド式の無端状の搬送体22を有している。搬送体22の搬送始端部は、機体2に回転可能に設けられた従動回転体23に巻き掛けられ、搬送体22の搬送終端部は、機体2に回転可能に設けられ搬送体22を所定方向に回行させる駆動回転体24に巻き掛けられている。駆動回転体24は、エンジン4から出力される動力をチェーン25等からなる動力伝達手段を介して受けて駆動回転する。
【0020】
搬送体22は、互いに離間対向する左右一対の無端部材26と、両無端部材26に架設され両無端部材26とともに回行して農作物Aを圃場の畝の土中から収穫して搬送する左右方向長手状の複数本のロッド27とを有している。隣り合うロッド27間に間隙21が形成され、この間隙21を通って土等が圃場上に落下する。
【0021】
駆動回転体24は、図3および図4に示されるように、左右方向の軸部材31と、軸部材31の外周側に固着され軸部材31の軸方向に間隔をおいて並んだ複数のスプロケット32とを有し、これら複数のスプロケット32に搬送体22の搬送終端部が巻き掛けられている。各スプロケット32は、外周側に周方向に間隔をおいて並んだ山形状の複数の凸部33を有している。そして、隣り合う凸部33間には、搬送体22の搬送終端部に位置するロッド27が嵌まり込んでいる。すなわち、図3から明らかなように、隣り合うロッド27間の間隙21にスプロケット32の凸部33が挿通され、凸部33の先端部33aが間隙21からスプロケット32の径方向外方に突出している。
【0022】
第2搬送手段8は、所定方向に回行して茎部分離手段7にてばらばらにされた農作物Aを持上搬送する無端状の搬送体41を有している。搬送体41の搬送始端部は、機体2の下部に回転可能に設けられた従動回転体42に巻き掛けられ、搬送体41の搬送終端部は、機体2の上部に回転可能に設けられ搬送体41を所定方向に回行させる駆動回転体43に巻き掛けられている。駆動回転体43は、エンジン4から出力される動力に基づいて駆動回転する。
【0023】
搬送体41は、互いに離間対向する左右一対の無端部材44と、両無端部材44に架設された左右方向長手状の複数本の棒状部材45と、これら複数本の棒状部材45の中から選択された所定の棒状部材45に固着され農作物Aを持上搬送する爪部材46とを有している。
【0024】
茎部分離手段7は、第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部の下方に回転可能に配設され駆動回転時に第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部とともに茎部Bを挟持して農作物Aから引き抜くように分離するゴムローラ等の駆動ローラ体51と、第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部の上方に上下回転可能に配設され茎部Bで繋がった農作物Aを押えながら駆動ローラ体51側に向けて案内する押えバー等の押え体52とを有している。
【0025】
また、茎部分離手段7は、駆動ローラ体51の軸方向両端部を回転可能に支持する上下回動可能な回動アーム53と、回動アーム53を駆動ローラ体51が上動する方向である一方向(図2中、a方向)に付勢する弾性変形可能な付勢体であるコイルばね54と、回動アーム53との当接により回動アーム53の一方向への回動を規制し駆動ローラ体51の外周と第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部との間の距離を設定する設定体である調整ボルト55とを有し、調整ボルト55にて設定される距離が調整ボルト55の回動操作により調整可能となっている。
【0026】
駆動ローラ体51は、駆動回転体24の下方にこの駆動回転体24と対向して配設され、エンジン4から出力される動力をチェーン25等からなる動力伝達手段を介して受けて駆動回転体24の回転方向とは反対の方向に駆動回転する。
【0027】
また、駆動ローラ体51は、図5に示されるように、左右方向の軸部材57と、軸部材57の外周側に固着された弾性変形可能な略円筒状のゴム製或いは樹脂製の等のローラ部材58とを有している。ローラ部材58の外周部のうち駆動回転体24の各スプロケット32と対向する部分には、各スプロケット32を通過させる略円形環状の溝部59が形成されている。そして、図3に示すように、駆動ローラ体51と第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部との間の距離が最小値に設定された状態時には、駆動回転体24のスプロケット32の凸部33の先端部33aは駆動ローラ体51の溝部59内に入り込んでこの溝部59内を通過し、スプロケット32と駆動ローラ体51とは接触しないようになっている。
【0028】
回動アーム53は、前後方向長手状に形成され、前後方向略中央部が機体2に固着された左右方向の支軸61に回動可能に取り付けられている。そして、回動アーム53の後端部にて、駆動ローラ体51が回転可能に支持されている。また、回動アーム53の前端部には、機体2に固着した突出板62の孔63に摺動可能に挿通された連結ロッド64の上端部が回動可能に連結されている。連結ロッド64の下端部にはばね当接板65が固着され、ばね当接板65と突出板62との間にコイルばね54が圧縮された状態で配設され、コイルばね54の一端部が突出板62に当接し、コイルばね54の他端部がばね当接板65に当接している。そして、回動アーム53は、コイルばね54にて連結ロッド64およびばね当接板65を介して常に一方向(図2中、a方向)に付勢され、茎部Bの挟持時にコイルばね54の付勢力に抗して一方向とは反対の他方向に若干回動する。
【0029】
調整ボルト55は、軸部66および頭部67を有し、軸部66が機体2に固着されたナット68に螺合され、頭部67が回動アーム53の前側下部に当接している。
【0030】
押え体52は、図2に示されるように、第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部の上方で、前端部を中心として後端部が上下動するように上下回動可能に配設されている。そして、押え体52は、この押え体52に茎部Bで繋がった農作物Aを所定の押圧力をもって押えさせるための付勢体であるコイルばね71にて後端部が下動する方向に常に付勢され、第1搬送手段6の搬送体22にて搬送されてくる農作物Aとの接触によりコイルばね71の付勢力に抗して後端部が上動する方向に回動する。すなわち、農作物Aは、押え体52にて搬送体22の搬送終端部に押え付けられたまま、駆動ローラ体51側に案内される。
【0031】
また、押え体52は、図6に示されるように、例えば前後方向長手状の複数本(例えば4本)の棒状部材72にて構成されている。各棒状部材72の前端部の取付部77が機体2に固着された左右方向の支軸73に回動可能に取り付けられている。支軸73のうち隣り合う棒状部材72の取付部77間の部分には、略円筒状のカラー等のスペーサ74が取り付けられている。そして、スペーサ74の大きさの変更等により、棒状部材72の本数を変えることが可能である。また、各棒状部材72は、直線状部75と、この直線状部75の後端に連設された略円弧状の円弧状部76とを有している。すなわち、各棒状部材72は、後端部に円弧状部76を有し、この円弧状部76は、スプロケット32の回転中心を略中心とする略円弧状に形成されている。そして、棒状部材72の円弧状部76は、農作物Aとの非接触時には搬送体22の搬送終端部と近接対向し、棒状部材72の後端は駆動ローラ体51の上端と略同じ高さに位置する(図2参照)。
【0032】
さらに、棒状部材72の前端部には、機体2に固着された支持板78の孔79に摺動可能に挿通された連結ロッド80の下端部が回動可能に連結されている。連結ロッド80には複数の孔80aが形成され、これら複数の孔80aの中から選択された1つの孔80aにピン70が挿通されている。そして、支持板78とピン70との間にコイルばね71が圧縮された状態で配設され、コイルばね71の一端部が支持板78に当接し、コイルばね71の他端部がピン70に当接している。ピン70を挿通する孔80aの変更によりコイルばね71の付勢力を調整可能である。
【0033】
また一方、第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部と第2搬送手段8の搬送体41の搬送始端部との間には、茎部分離手段7にてばらばらにされた複数の農作物Aを下方から支持して一時的に滞留させる滞留手段である滞留板81が配設されている。すなわち、駆動ローラ体51の後端と第2搬送手段8の搬送体41の搬送始端部に位置する爪部材46の前端との間には空間部82があり、この空間部82にステップ部である滞留板81が前高後低の傾斜状に配設されている。
【0034】
滞留板81は、図2および図7に示されるように、第2搬送手段8の搬送体41の搬送始端部を覆う側面視略円弧状の覆い部であるガード83の前端部から斜め前上方に向って傾斜状に突出している。ガード83には、土等の雑物を圃場に落下させるための間隙83aが形成されている。
【0035】
また、滞留板81の上面には、例えばゴム製或いは樹脂製のクッション板84がナット85にボルト(図示せず)を螺合して取り付けられ、このクッション板84にて滞留板81の上面の略全体が覆われている。クッション板84の前端側は滞留板81より前方に突出し、このクッション板84の前端は駆動ローラ体51に近接して位置する。
【0036】
次に、上記収穫機1の作用等を説明する。
【0037】
クローラ3の駆動により収穫機1が圃場上を前方に走行すると、茎部Bで繋がった農作物Aは、掘取刃11にて掘り上げられた後、第1搬送手段6の搬送体22および掻込手段14にて圃場から収穫されて搬送される。この搬送途中で、土、小石等の雑物は、ロッド27間に間隙21から圃場上に落下する。
【0038】
そして、茎部Bで繋がった農作物Aは、第1搬送手段6の搬送終端付近で、茎部分離手段7の押え体52と接触し、この押え体52にて押えられながら駆動ローラ体51側に向けて誘導案内される。
【0039】
すると、茎部Bは、駆動回行する搬送体22の搬送終端部のロッド27と駆動回転する駆動ローラ体51のローラ部材58とにて挟持されて引っ張られることにより、農作物Aから分離される。こうして農作物Aから引き抜かれた茎部Bは、圃場上に落下する。この際、茎部Bのほか、農作物Aの根部や、農作物Aとともに搬送されてきた草等の雑物も搬送体22の搬送終端部と駆動ローラ体51とにて挟持されて分離処理され、圃場上に落下する。
【0040】
そして、茎部Bが農作物Aから分離されると、農作物Aは1個1個ばらばらの状態になり、滞留板81上のクッション板84上に一時的に滞留する。
【0041】
続いて、ばらばらの状態の農作物Aは、第2搬送手段8の搬送体41にて持上搬送され、その後、第3搬送手段16に乗り移り、この第3搬送手段16にて水平搬送され、この第3搬送手段16上において作業用ステップ19に乗った作業者によって選別される。例えば傷付いた不要な農作物Aや、土塊、石等の雑物は圃場に戻され、それ以外の農作物Aは、第3搬送手段16の搬送終端部から搬出され、収容体17内に落下して収容される。
【0042】
そして、このような収穫機1によれば、駆動ローラ体51および押え体52を有する茎部分離手段7にて茎部Bが農作物Aから分離されて圃場に落下し、その分離除去された茎部Bが第2搬送手段8にて搬送されることがないため、作業者が手作業で農作物Aと茎部Bとを選別して茎部Bを除去する必要がなく、効率よく収穫作業ができる。
【0043】
また、駆動ローラ体51と第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部との間の距離が調整ボルト55の操作により調整可能となっているため、例えば太さ等の異なる茎部Bに適切に対応できる。
【0044】
さらに、駆動ローラ体51の外周部のうち駆動回転体24のスプロケット32と対向する部分には、スプロケット32を通過させる環状の溝部59が形成されているため、駆動ローラ体51とスプロケット32との干渉を防止できる。
【0045】
また、押え体52は前端部を中心として後端部が上下動するように上下回動可能に配設され、茎部分離手段7は押え体52をこの押え体52の後端部が下動する方向に付勢するコイルばね71を有するため、農作物Aの大きさ等に拘わらず、茎部Bで繋がった農作物Aを駆動ローラ体51側に向けて適切に案内できる。
【0046】
さらに、第1搬送手段6の搬送始端部と第2搬送手段8の搬送始端部との間に配設され農作物Aを滞留させる滞留板81を備えるため、駆動ローラ体51と第1搬送手段6の搬送体22の搬送終端部とで茎部Bを挟持して農作物Aから適切に分離できる。
【0047】
なお、上記実施の形態では、クッション板84の前端側が滞留板81より駆動ローラ体51側に向って前方に突出する構成について説明したが、例えば図8に示すように、クッション板84全体が滞留板81上に位置する構成でもよい。
【0048】
また、駆動ローラ体51を昇降可能に設け、コイルばね等の付勢体で駆動ローラ体51をこの駆動ローラ体51が上昇するように付勢する構成等でもよい。
【0049】
さらに、収穫機1は、クローラ3を有する自走式の構成には限定されず、例えば走行車であるトラクタの後部に連結する牽引式の構成でもよい。
【0050】
また、農作物Aは、さつまいもには限定されず、じゃがいも等でもよい。
【0051】
さらに、駆動ローラ体51のローラ部材58は、溝部59が形成された構成には限定されず、溝部59がなく、外周面が円筒面状の構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態に係る収穫機の側面図である。
【図2】同上収穫機の要部側面図である。
【図3】同上収穫機のスプロケットが駆動ローラ体の溝部内に入り込んだ状態の説明図である。
【図4】同上収穫機の駆動回転体の断面図である。
【図5】同上収穫機の駆動ローラ体の断面図である。
【図6】同上収穫機の押え体の平面図である。
【図7】同上収穫機のガードの平面図である。
【図8】本発明の他の実施の形態に係る収穫機の部分側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 収穫機
6 第1搬送手段
7 茎部分離手段
8 第2搬送手段
51 駆動ローラ体
52 押え体
53 回動アーム
54 付勢体であるコイルばね
55 設定体である調整ボルト
71 付勢体であるコイルばね
81 滞留手段である滞留板
A 農作物
B 茎部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
茎部で繋がった農作物を搬送する第1搬送手段と、
茎部を農作物から分離して農作物をばらす茎部分離手段と、
この茎部分離手段にてばらされた農作物を搬送する第2搬送手段と、
前記第1搬送手段の搬送終端部と前記第2搬送手段の搬送始端部との間に配設され、前記茎部分離手段にてばらされた農作物を滞留させる滞留手段と
を備えることを特徴とする収穫機。
【請求項2】
茎部分離手段は、
第1搬送手段の搬送終端部の下方に回転可能に配設され、前記第1搬送手段の搬送終端部とともに茎部を挟持して農作物から分離する駆動ローラ体と、
茎部で繋がった農作物を押えながら前記駆動ローラ体側に向けて案内する押え体とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の収穫機。
【請求項3】
茎部分離手段は、
駆動ローラ体を回転可能に支持する上下回動可能な回動アームと、
この回動アームを前記駆動ローラ体が上動する方向に付勢する付勢体と、
前記回動アームとの当接により前記回動アームの回動を規制し、前記駆動ローラ体と第1搬送手段の搬送終端部との間の距離を設定する設定体とを有し、
前記設定体にて設定される距離が調整可能となっている
ことを特徴とする請求項2記載の収穫機。
【請求項4】
押え体は、前端部を中心として後端部が上下動するように上下回動可能に配設され、
茎部分離手段は、前記押え体をこの押え体の後端部が下動する方向に付勢する付勢体を有する
ことを特徴とする請求項2または3記載の収穫機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate