説明

受信装置及び無線基地局

【課題】十分なガードバンドが設けられない場合においても、周波数利用効率を向上させることができる受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置10Aは、第1無線通信システムからの希望信号と、第1無線通信システムと周波数帯が隣接する第2無線通信システムからの干渉信号とを受信する。受信装置10Aは、受信信号が入力される狭帯域処理回路130A及び広帯域処理回路130Bを備える。狭帯域処理回路130Aは、第1無線通信システムの周波数帯において第2無線通信システムの周波数帯に隣接する被干渉部分を通過させる帯域通過フィルタ131Aを有する。広帯域処理回路130Bは、第1無線通信システムの周波数帯において被干渉部分を除いた残りの帯域部分を通過させる帯域通過フィルタ131Bを有する。帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅は、帯域通過フィルタ131Bの通過帯域幅よりも狭い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数利用効率を向上させることができる受信装置及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおける受信装置は、ある周波数帯の希望信号を受信する際、当該周波数帯に近接する他の周波数帯の干渉信号を受信することがある。ここで、希望信号の受信レベルと比較して干渉信号の受信レベルが相対的に高いと、受信装置の受信特性の劣化(すなわち、受信感度劣化)が生じる。
【0003】
このような干渉を回避するために、周波数帯が隣接する通信システム間には、一般的に、ガードバンドと呼ばれる周波数間隔が設けられる。
【0004】
干渉を回避して周波数利用効率を向上させるための技術として、干渉の影響が少ない周波数チャネルを無線基地局が無線端末に割り当てる周波数スケジューリング技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば上り通信において無線基地局は、無線端末から送信される無線信号に基づき、周波数毎の受信品質(例えば受信SINR)を測定し、測定結果に応じて、干渉の影響が少ない周波数を無線端末に割り当てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−205578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、無線通信技術の発達に伴って、様々な無線通信システムが実用化されている。周波数資源は有限であることから、これらの無線通信システムにおいて、周波数帯が隣接する無線通信システム間で十分なガードバンドが設けられないことが有り得る。
【0007】
ここで、周波数スケジューリング技術は、干渉の影響が少ない周波数を無線端末に割り当てているのみである。したがって、各無線通信システムの周波数帯の隣接部分(以下、被干渉部分)において干渉が生じている場合、当該被干渉部分が実質的に無線通信に使用されないことになる。
【0008】
すなわち、周波数スケジューリング技術においては、十分なガードバンドが設けられていないと、被干渉部分を無線通信に使用することが困難であり、周波数利用効率向上させることができない問題があった。
【0009】
そこで、本発明は、十分なガードバンドが設けられない場合においても、周波数利用効率を向上させることができる受信装置及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、第1無線通信システム(無線通信システム1)からの希望信号と、前記第1無線通信システムと周波数帯が隣接する第2無線通信システム(無線通信システム2)からの干渉信号とを受信する受信装置(受信装置10A)であって、前記希望信号と前記干渉信号とを含む受信信号が入力される第1受信回路(狭帯域処理回路130A)と、前記受信信号が入力される第2受信回路(広帯域処理回路130B)とを備え、前記第1受信回路は、前記第1無線通信システムの周波数帯(システム帯域F1)において前記第2無線通信システムの周波数帯(システム帯域F2)に隣接する被干渉部分(被干渉部分F1a)を通過させる第1帯域通過フィルタ(帯域通過フィルタ131A)を有し、前記第2受信回路は、前記第1無線通信システムの周波数帯において前記被干渉部分を除いた残りの帯域部分(主帯域部分F1b)を通過させる第2帯域通過フィルタ(帯域通過フィルタ131B)を有し、前記第1帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第2帯域通過フィルタの通過帯域幅よりも狭いことを要旨とする。
【0011】
このような受信装置によれば、被干渉部分を通過させる第1帯域通過フィルタの通過帯域幅は、被干渉部分を除いた残りの帯域部分を通過させる第2帯域通過フィルタの通過帯域幅よりも狭い。第1受信回路の雑音レベルNは、ノイズ計算式により、帯域幅Bに応じて定められる。すなわち、被干渉部分を通過させる第1帯域通過フィルタの通過帯域幅が狭いほど、第1受信回路の受信感度が向上する。これにより、被干渉部分の受信品質を改善できるため、被干渉部分を無線通信に使用可能となる。したがって、第1の特徴に係る受信装置によれば、第1無線通信システムと第2無線通信システムとの間に十分なガードバンドが設けられない場合においても、周波数利用効率を向上させることができる。
【0012】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第1帯域通過フィルタの帯域外減衰量は、前記第2帯域通過フィルタの帯域外減衰量よりも大きいことを要旨とする。
【0013】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記第1帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第1無線通信システムの送信装置(例えば、無線端末15)に割り当てられる最小周波数単位(例えば、リソースブロック)の整数倍であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第4の特徴は、本発明の第3の特徴に係り、前記第1受信回路は、利得が可変である可変利得増幅器(可変利得増幅器134A)をさらに備え、前記可変利得増幅器は、前記第1帯域通過フィルタを通過した前記被干渉部分の前記受信信号を増幅することを要旨とする。
【0015】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1〜第4の何れかの特徴に係り、前記第1無線通信システムにおいて、前記残りの帯域部分は、前記被干渉部分よりも優先して前記第1無線通信システムの送信装置(例えば、無線端末15)に割り当てられており、前記第1受信回路は、前記残りの帯域部分において未割り当ての部分が所定量を下回った場合に、動作を開始することを要旨とする。
【0016】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1〜第5の何れかの特徴に係る受信装置を備える無線基地局(無線基地局10)であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、十分なガードバンドが設けられない場合においても、周波数利用効率を向上させることができる受信装置及び無線基地局を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る全体システム構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る無線通信システムの周波数帯を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る受信装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る制御部によって実行される制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)全体概略構成、(2)受信装置の構成、(3)制御フロー、(4)実施形態の効果、(5)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0020】
(1)全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1(第1無線通信システム)及び無線通信システム2(第2無線通信システム)を示す図である。図2は、無線通信システム1及び無線通信システム2それぞれの周波数帯を示す図である。
【0021】
無線通信システム1は、無線基地局10及び無線端末15を有する。無線基地局10及び無線端末15は、無線通信を実行する。図1においては、1つの無線端末15のみを図示しているが、多数の無線端末15が無線基地局10との無線通信を実行していてもよい。
【0022】
無線通信システム2は、無線基地局20及び無線端末25を有する。無線基地局20及び無線端末25は、無線通信を実行する。また、無線通信システム2のシステム帯域F2は、無線通信システム1のシステム帯域F1と隣接している。
【0023】
図2の例では、無線通信システム1のシステム帯域F1(周波数帯)と、無線通信システム2のシステム帯域F2(周波数帯)との間には、ガードバンドが設けられていない。なお、無線通信システム2のシステム帯域F2は、無線通信システム1のシステム帯域F1よりも低い周波数帯にある。
【0024】
本実施形態では、無線通信システム1は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化されているLTE(Long Term Evolution)に基づく構成を有している。LTEでは、下り通信にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)方式が用いられ、上り通信にSC−FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)が用いられる。
【0025】
本実施形態では、無線通信システム2は、MCA(Multi Channel Access System)方式に基づく構成を有している。MCA方式とは、業務用無線通信方式の一つである。
【0026】
以下の実施形態においては、無線通信システム1における上り通信について主に説明する。
【0027】
上り通信において無線基地局10は、無線通信システム1の無線端末15からの希望信号と、無線通信システム2の無線基地局20又は無線端末25からの干渉信号とを受信する。
【0028】
ここで、無線基地局10が受信する「希望信号」とは、無線基地局10が本来受信するべき無線信号、具体的には、システム帯域F1内の周波数を用いて送信される無線信号を意味する。「干渉信号」とは、無線基地局10における希望信号に干渉の影響を与える無線信号を意味する。
【0029】
無線基地局10は、周波数スケジューリング技術を用いて、無線端末15に上り通信チャネルを割り当てる。LTEにおいて、無線端末15(送信装置)に割り当てられる最小周波数単位はリソースブロック(RB)と称される。
【0030】
無線基地局10は、無線端末15から送信される参照信号に基づき、周波数毎の受信品質を測定し、測定結果に応じて、干渉の影響が少ないRBを無線端末に割り当てる。
【0031】
このため、図2において、システム帯域F1において、無線通信システム2のシステム帯域F2に隣接する被干渉部分F1aよりも、主帯域部分F1bが優先的に無線端末15に割り当てられることになる。主帯域部分F1bは、システム帯域F1において被干渉部分F1aを除いた残りの帯域部分である。
【0032】
(2)受信装置の構成
次に、無線基地局10に設けられる受信装置10Aの構成について説明する。図3は、受信装置10Aの回路構成図である。
【0033】
図3に示すように、無線基地局10は、アンテナ101、RF帯処理回路110、ミキサ120、狭帯域処理回路130A(第1受信回路)、広帯域処理回路130B(第2受信回路)、及び制御部140を有する。
【0034】
アンテナ101は、無線信号(希望信号及び干渉信号)を受信する。RF帯処理回路110は、アンテナ101が受信した、無線周波数(RF)帯の受信信号を処理する。
【0035】
RF帯処理回路110は、帯域通過フィルタ111及び増幅器112を有する。帯域通過フィルタ111は、無線通信システム1のシステム帯域F1を通過帯域としている。すなわち、帯域通過フィルタ111は、システム帯域F1外の受信信号を減衰させる。増幅器112は、帯域通過フィルタ111が出力する受信信号を増幅する。
【0036】
ミキサ120は、図示を省略する局部発振器からの発振信号を用いて、増幅器112が増幅した受信信号をRF帯から中間周波数(IF)帯に変換する。ミキサ120が出力するIF帯の受信信号は、狭帯域処理回路130A及び広帯域処理回路130Bに入力される。
【0037】
狭帯域処理回路130Aは、帯域通過フィルタ131A(第1帯域通過フィルタ)、増幅器132A、ミキサ133A、可変利得増幅器134A、及びA/D変換器135Aを有する。
【0038】
帯域通過フィルタ131Aは、システム帯域F1においてシステム帯域F2に隣接する被干渉部分F1aを通過させる(図2参照)。すなわち、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域は、被干渉部分F1aに対応している。
【0039】
増幅器132Aは、帯域通過フィルタ131Aが出力する受信信号を増幅する。ミキサ133Aは、図示を省略する局部発振器からの発振信号を用いて、増幅器132Aが増幅した受信信号をIF帯からベースバンド(BB)帯に変換する。あるいは、ミキサ133Aは、増幅器132Aが増幅した受信信号を第1IF帯から第2IF帯に変換する。可変利得増幅器134Aは、利得が可変の増幅器であり、ミキサ133Aが出力する受信信号を増幅する。A/D変換器135Aは、可変利得増幅器134Aが出力する受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0040】
一方、広帯域処理回路130Bは、帯域通過フィルタ131B(第2帯域通過フィルタ)、増幅器132B、ミキサ133B、増幅器134B、及びA/D変換器135Bを有する。
【0041】
帯域通過フィルタ131Bは、主帯域部分F1bを通過させる(図2参照)。すなわち、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域は、主帯域部分F1bに対応している。
【0042】
増幅器132Bは、帯域通過フィルタ131Bが出力する受信信号を増幅する。ミキサ133Bは、図示を省略する局部発振器からの発振信号を用いて、増幅器132Bが増幅した受信信号をIF帯からBB帯に変換する。あるいは、ミキサ133Bは、増幅器132Bが増幅した受信信号を第1IF帯から第2IF帯に変換する。増幅器134Bは、ミキサ133Bが出力する受信信号を増幅する。A/D変換器135Bは、増幅器134Bが出力する受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0043】
制御部140は、受信装置10A全体を制御する。例えば制御部140は、CPUやメモリを用いて構成されている。本実施形態では、制御部140は、主帯域部分F1bにおいて未割り当ての部分(帯域)が所定量を下回った場合に限り、狭帯域処理回路130Aを動作させる。
【0044】
このような受信装置10Aにおいて、被干渉部分F1aに対応する帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅は、主帯域部分F1bに対応する帯域通過フィルタ131Bの通過帯域幅よりも狭い(図2参照)。具体的には、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅は、RBの帯域幅である。
【0045】
ここで、狭帯域処理回路130Aの雑音レベルNと帯域幅Bとの間には、以下の式(1)の関係が成り立つ。
【0046】
N=KTBF ・・・(1)
【0047】
式(1)において、Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、Fは狭帯域処理回路130Aの雑音指数である。ボルツマン定数Kは一定であり、絶対温度T及び雑音指数Fが一定であるものとすると、雑音レベルNは帯域幅Bに依存する。
【0048】
このため、被干渉部分F1aに対応する帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅が狭いほど、狭帯域処理回路130Aの受信感度が向上することになり、被干渉部分F1aの受信品質を改善できる。
【0049】
すなわち、本実施形態では、無線通信システム2(システム帯域F2)からの干渉を受ける部分である被干渉部分F1aを、主帯域部分F1bに対応する広帯域処理回路130Bとは別の狭帯域処理回路130Aを用いて受信処理している。
【0050】
これにより、主帯域部分F1bに対してはガードバンドを設けたのと同様の効果が得られ、主帯域部分F1bに対する干渉を回避することができる。また、被干渉部分F1aの特性改善を行い、システム帯域F1の全帯域を最大限有効利用することができる。
【0051】
本実施形態では、帯域通過フィルタ131Aの帯域外減衰量は、帯域通過フィルタ131Bの帯域外減衰量よりも大きい。これは、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域を狭いものとすることで、急峻なフィルタを帯域通過フィルタ131Aとして使用できるからである。
【0052】
また、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅を、RBの帯域幅とすることで、被干渉部分F1aが割り当てられる無線端末15が1つに限定される。このため、制御部140は、当該無線端末15に特化したきめ細かな利得制御を施すことができる。なお、1つの無線端末15であればよく、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅がRBの帯域幅の整数倍であってもよい。また、互いの距離が近い無線端末15については、同一の利得制御を行っても問題ない。
【0053】
(3)制御フロー
図4は、制御部140によって実行される制御の一例を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS101において、制御部140は、周波数スケジューリング技術を用いて、各無線端末15にRBを割り当てる。
【0055】
ステップS102において、制御部140は、主帯域部分F1bにおいて未割り当ての部分(帯域)が所定量を下回った場合に、被干渉部分F1aのRBを無線端末15に割り当てるための処理を開始する。
【0056】
ステップS103において、制御部140は、狭帯域処理回路130Aをオンにし、狭帯域処理回路130Aの動作を開始させる。
【0057】
ステップS104において、制御部140は、被干渉部分F1aのRBを無線端末15に割り当てる。
【0058】
(4)実施形態の効果
以上説明したように、被干渉部分F1aを通過させる帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅を狭くし、狭帯域処理回路130Aの受信感度を向上させることにより、被干渉部分F1aの受信品質を改善できる。
【0059】
したがって、無線通信システム1と無線通信システム2との間にガードバンドが設けられない場合においても、被干渉部分F1aを無線通信に使用可能となり、周波数利用効率を向上させることができる。
【0060】
本実施形態では、帯域通過フィルタ131Aの帯域外減衰量は、帯域通過フィルタ131Bの帯域外減衰量よりも大きい。このため、干渉信号をより確実に減衰させることができ、受信品質をさらに改善できる。
【0061】
本実施形態では、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅は、無線通信システム1の無線端末15(送信装置)に割り当てられる最小周波数単位であるRBの帯域幅に一致する。したがって、狭帯域処理回路130Aの受信感度を向上させるために帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅を狭くしつつも、RB分の帯域幅は確保することができる。また、最小割当単位を変更しないため、システムへの影響を最小限に留めることができる。なお、帯域通過フィルタ131Aの通過帯域幅は、必ずしもRBの帯域幅に一致しなくてもよく、RBの整数倍(2倍又は3倍等)であってもよい。
【0062】
本実施形態では、狭帯域処理回路130Aは、被干渉部分F1aの受信信号を増幅する可変利得増幅器134Aを有する。これにより、被干渉部分F1aについて適用する利得を制御部140がきめ細かに制御可能になり、受信品質をさらに改善できる。
【0063】
本実施形態では、制御部140は、主帯域部分F1bにおいて未割り当ての部分が所定量を下回った場合に、狭帯域処理回路130Aの動作を開始させる。このため、狭帯域処理回路130Aが必要とされる状態以外ではオフ(電力供給を停止)しておくことで、処理負荷及び消費電力を削減できる。
【0064】
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0065】
上述した実施形態では、受信装置10Aを無線基地局10に設ける場合について説明したが、受信装置10Aを無線端末に設けてもよい。
【0066】
上述した実施形態では、無線通信システム1としてLTEシステムを例に説明したが、LTEに限らず、3GPP2において標準化されているUMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE802.16において標準化されているWiMAX、又は、次世代PHSなどであってもよい。
【0067】
また、無線通信システム2がMCAシステムである場合について説明したが、無線通信システム1と周波数帯が隣接する無線通信システムであれば、他の無線通信システムであってもよい。
【0068】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0069】
F1,F2…システム帯域、F1a…被干渉部分、F1b…主帯域部分、1,2…無線通信システム、10,20…無線基地局、10A…受信装置、15,25…無線端末、101…アンテナ、110…RF帯処理回路、111…帯域通過フィルタ、112…増幅器、120…ミキサ、130A…狭帯域処理回路、130B…広帯域処理回路、131A,131B…帯域通過フィルタ、132A,132B…増幅器、133A,133B…ミキサ、134A…可変利得増幅器、134B…増幅器、135A,135B…A/D変換器、140…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線通信システムからの希望信号と、前記第1無線通信システムと周波数帯が隣接する第2無線通信システムからの干渉信号とを受信する受信装置であって、
前記希望信号と前記干渉信号とを含む受信信号が入力される第1受信回路と、
前記受信信号が入力される第2受信回路と
を備え、
前記第1受信回路は、前記第1無線通信システムの周波数帯において前記第2無線通信システムの周波数帯に隣接する被干渉部分を通過させる第1帯域通過フィルタを有し、
前記第2受信回路は、前記第1無線通信システムの周波数帯において前記被干渉部分を除いた残りの帯域部分を通過させる第2帯域通過フィルタを有し、
前記第1帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第2帯域通過フィルタの通過帯域幅よりも狭い受信装置。
【請求項2】
前記第1帯域通過フィルタの帯域外減衰量は、前記第2帯域通過フィルタの帯域外減衰量よりも大きい請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1帯域通過フィルタの通過帯域幅は、前記第1無線通信システムの送信装置に割り当てられる最小周波数単位の整数倍である請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記第1受信回路は、利得が可変である可変利得増幅器をさらに備え、
前記可変利得増幅器は、前記第1帯域通過フィルタを通過した前記被干渉部分の前記受信信号を増幅する請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第1無線通信システムにおいて、前記残りの帯域部分は、前記被干渉部分よりも優先して前記第1無線通信システムの送信装置に割り当てられており、
前記第1受信回路は、前記残りの帯域部分において未割り当ての部分が所定量を下回った場合に、動作を開始する請求項1〜4の何れか一項に記載の受信装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の受信装置を備える無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−245930(P2010−245930A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93797(P2009−93797)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】