回転確認機構
【課題】全周にわたり高さなどの変位を測定するための回転装置において、測定対象が回転していることを簡易な構造で確認できる手段を提供する。
【解決手段】全周にわたり高さなどの変位を測定するための回転装置において、測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構を提供する。
【解決手段】全周にわたり高さなどの変位を測定するための回転装置において、測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転対象を回転させる装置において、回転対象の回転を確認するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受けの内輪や外輪などの筒状物において、孔に垂直な2面間の距離を測定するには、例えば、図9や図10に示すように、平板201の上に測定対象である筒状物202を孔が垂直方向になるように置き、筒状物の上に高さ測定器の測定子203を接触させて測定する(特許文献1参照)。
このとき、筒状物には、例えば、図9に示すように駆動ローラ204とアイドルローラ205の挟み込みにより回転力を与えることができる。また、例えば、図10に示すように、筒状物を上から押さえ込みながら把持する把持部206の回転力により、筒状物を回転させることもできる。このように、測定対象物である筒状物を回転させることで、筒状物の孔に垂直な2面間の距離すなわち筒状物の高さを全周にわたって測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2009−125575 回転装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9や図10において、仮にローラが空転した場合や把持部が空転した場合、測定対象の筒状物に接触させる測定子は同じ場所を計測することになるが、測定対象物の形状が同心円の対称形状であれば、回転しているのか空転しているのかの判断が容易でない問題点がある。
このため、例えば、図11に示すように、回転を検知するためのローラ207を設け、測定対象物に接触さて回転を検出する方法や、図12に示すように、測定対象物を載置する台を回転可能な構造とし、回転可能台に回転を検知するセンサ208を設ける方法を考案することができる。しかしながら、高精度での高さ測定の際に、検知ローラの押し当てによる測定対象物の浮き上がりを抑える工夫や、回転可能台の回転による面振れを抑える工夫が必要となり、構造が複雑となる欠点がある。
すなわち、本発明の目的は、測定対象が回転していることを簡易な構造で確認できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第1の観点による回転確認機構では、例えば、図1に示す構成とすることができる。図1は、測定対象である回転対象物202は円柱形状をしており、平板201の上に円柱の軸方向が縦向きになるように載置している。回転対象物202は、上面に被測定部位202aがあり、平板201と被測定部位202aとの距離を計測すべく、高さ測定器の測定子203が被測定部位202aに接している。ここで、駆動ローラ204にて回転対象物202を回転させることにより、全周にわたった被測定部位202aの測定を行うことができる。なお、図中205はアイドルローラである。このとき、回転対象物202の上面に、検知対象部として出っ張り101を設けたおもり100を載置して、検知対象部101が検知センサ208の前を通過することを検出することで、回転対象物202が回転していることを確認することができる。このとき、高さ測定器の測定子203は、全周にわたって測定可能とするために回転位置に関わらず常に被測定部位202aと接する関係である必要がある。このため、おもり100は、測定子203の測定の邪魔にならないように、被測定部位202aを覆わない形状とする。また、おもり100は、測定子203に接触しないとともに、駆動ローラ204などの回転力を与える機構と接触しない構造とすることで、おもり100の存在により測定値が変化することを極力減らすことができる。
なお、おもり100の材質や重さは、おもり100が回転対象物202に載置して、回転により位置ずれをおこさないものであれば、軽いものや、ナイロンやウレタンなどの金属以外のものであっても良い。また、おもり100に備わる検知対象部は、図1に示す突起状のものに限定するものではなく、例えば、スリットの彫刻や、フォトセンサで検出できるペイントなどの標識であっても良い。検出方法についても、非接触式であれば限定するものではなく、例えば、金属や磁気の接近を探知する近接センサや光の反射率の変化を感知するフォトセンサを用いることができる。また、検知対象部の数は、1つであっても良いし、複数であっても良く、例えば、決められた時間内に決められた回数の検知ができれば周回できたと判断すれば良い。
また、図1では被測定部位が回転対象物の上面に位置していたが、例えば、側面に位置して測定子を横から当てる形態であっても良く、測定可能な構造であれば測定形態を限定するものではなく、おもり形状も限定するものではない。また、図1では、回転対象物の形状が円柱形状を示したが、略円柱形状や略円筒形状など、平板上にて回転可能な形状かつ、おもりを載置できる形状であれば限定するものではない。例えば、略円筒形状のように真ん中に窪みまたは孔を有する形状であれば、その窪みまたは孔を利用して例えば図10に示すように回転力を与えることで、回転対象物の外周の形状が突起を有するなどのいびつな形状であっても実現できる。このとき、おもりの中心には、回転力を回転対象物に与える機構と接しない孔を設けることで本発明を実現できる。
本発明は、回転対象物におもりを載置する非常に簡単な構成であるため、回転機構や測定子との接触をさけたおもりの形状とするだけで実現容易であり、非常に有用である。また、おもりは、回転対象物に回転方向に対して平均的に荷重がかかる形状とするとともに、回転を妨げない程度に重くすることで回転対象物が平板から浮き上がることを防ぐことにつながる利点がある。
【0006】
第2の観点では、本発明は、第1の観点による回転確認機構において、前記回転対象物の上面に孔または窪みが存在し、前記おもりが該孔または該窪みの一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第2の観点による回転確認機構では、例えば、図2に示す構成とすることができる。図2は、回転対象物202とおもり100との位置関係を垂直断面にて模擬した図である。おもり100の外壁が回転対象物202の孔による内壁202bに接することでおもり100が回転対象物202に載置されている。このとき、内すぼみに傾斜している内壁202bは、真上からみたときに視認できることにより、広義に解釈して上面に含まれるとする。
また、図3に示すように、内壁202bをガイドとして回転対象物202の上面におもり100を載置することもできる。このように、回転対象物の孔または窪みの内壁を利用することで、おもりの載置における位置決めを行うことができ、センサ208と検知対象部101との間隔を測定許容範囲に保つことができる。
【0007】
第3の観点では、本発明は、第1の観点による回転確認機構において、前記おもりが前記回転対象物の外周の一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第3の観点による回転確認機構では、例えば図4に示す構成とすることができる。図4は、回転対象物202とおもり100との位置関係を垂直断面にて模擬した図である。おもり100の底面には、回転対象物202の外周と接するガイド102が設けられ、おもり100の載置における位置決めを行うことができる。このため、センサ208と検知対象部101との間隔を測定許容範囲に保つことができる。また、図4に示すように回転対象物202の上面に被測定部位が存在する場合、おもり100の内側に穴103を設けることで測定が可能となる。また、回転対象物202の側面の変位を測定する場合は、図5に示すように、測定子203を回転対象物の側面に接するように設置することから、おもり100に穴を設けなくても良い。ただし、測定対象物202の内壁に回転力を加える機構である場合は、回転力を加える機構を通す穴を図4の103のように設ける必要がある。
【0008】
第4の観点では、本発明は、第1〜3のいずれかの観点による回転確認機構において、前記おもりは、前記回転対象物の回転軸方向に、前記回転対象物を回転させるための回転機構を通すための穴を有し、上記回転機構の上昇により該回転機構と接触し、該回転機構とともに上昇することを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第4の観点による回転確認機構では、例えば図6および図7に示す構成とすることができる。図6は、特許文献1の回転装置に本発明の回転確認機構を組み込む位置を示した図であり、図7は、組み込んだときの回転確認機構の垂直断面を模擬して示した図である。図6において、回転対象物202は平板201に載置され、回転対象物を回転させるための回転機構209が下降するとともに回転対象物202の内面を把持し、回転機構209と回転対象物202が平板201上にて回転する。このとき、高さ測定子203を回転対象物202の上面に接触させて、回転対象物202の高さを全周にわたって計測する。図6では、回転機構209は、コレットチャック形状であり、円板形状の外側に開く爪の上面に円筒形状の割りの入った接合部が形成されている。本発明の回転確認機構は、回転機構209の円筒形状部を接触せず通すことができる貫通孔103を有したおもり100を配置し、おもり100の検知対象部101の通過をセンサ208にて検知し、回転対象202が回転しているかを確認する。図7は、回転対象物202が回転する際のおもり100、回転対象物202および回転機構209の位置関係を、垂直断面を模した図にて示したものである。なお、図中符号は図6と共通である。回転機構209は、回転対象物202の内面にてチャック爪を開いて回転対象物202を把持し、回転対象物202とともに平板201上にて回転する。このとき、おもり100は、回転機構209の円板状のチャック爪から浮き上がる形で回転対象物202の上面に載置され、回転対象物202とともに回転する。このとき、おもり100の貫通孔103は、おもり100が回転対象物202の内壁に部分的に接するためのガイドの遊びよりも大きな余裕を持って、回転機構209の円筒形状部分と接触しない径とする。ゆえに、おもり100は、回転機構209と接触することなく、回転対象物202とともに回転することができ、高さ測定器の測定子203にほとんど影響を与えることなく回転対象物202の回転を確認することができる。また、測定終了時は、回転機構209が、チャック爪を閉じながら上昇するときに、おもり100を円板形状部分に受けて上昇するため、新たな機構を追加することなくおもりの載置が自動にて行える利点がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の回転確認機構を用いれば、回転機構が空転しているかの確認を非常に簡単な機構により容易に実現することができる。また、回転対象物に加える力を、回転軸に対して均一に加えるため、変位測定に与える影響を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の第1の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図2】図2は本発明の第2の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図3】図3は本発明の第2の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図4】図4は本発明の第3の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図5】図5は本発明の第3の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図6】図6は本発明の第4の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図7】図7は本発明の第4の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図8】図8は本発明の実施例1にて実施した回転確認機構の外観写真である。
【図9】図9は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図10】図10は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図11】図11は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図12】図12は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明を実施するための形態として、本発明の第4の観点による回転確認機構を実施した例を実施例1に示す。
【実施例1】
【0012】
図8に、実施例1として本発明の第4の観点による回転確認機構を実施した回転確認機構の外観写真を示す。図中の符号は図6と共通である。
【符号の説明】
【0013】
100 おもり
101 検知対象部
102 ガイド
103 穴
201 平板
202 回転対象物
202a 被測定部位
202b 内壁
203 測定器の測定子
204 駆動ローラ
205 アイドルローラ
206 モータ
207 回転を検知するためのローラ
208 検知センサ
209 回転機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転対象を回転させる装置において、回転対象の回転を確認するための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受けの内輪や外輪などの筒状物において、孔に垂直な2面間の距離を測定するには、例えば、図9や図10に示すように、平板201の上に測定対象である筒状物202を孔が垂直方向になるように置き、筒状物の上に高さ測定器の測定子203を接触させて測定する(特許文献1参照)。
このとき、筒状物には、例えば、図9に示すように駆動ローラ204とアイドルローラ205の挟み込みにより回転力を与えることができる。また、例えば、図10に示すように、筒状物を上から押さえ込みながら把持する把持部206の回転力により、筒状物を回転させることもできる。このように、測定対象物である筒状物を回転させることで、筒状物の孔に垂直な2面間の距離すなわち筒状物の高さを全周にわたって測定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2009−125575 回転装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図9や図10において、仮にローラが空転した場合や把持部が空転した場合、測定対象の筒状物に接触させる測定子は同じ場所を計測することになるが、測定対象物の形状が同心円の対称形状であれば、回転しているのか空転しているのかの判断が容易でない問題点がある。
このため、例えば、図11に示すように、回転を検知するためのローラ207を設け、測定対象物に接触さて回転を検出する方法や、図12に示すように、測定対象物を載置する台を回転可能な構造とし、回転可能台に回転を検知するセンサ208を設ける方法を考案することができる。しかしながら、高精度での高さ測定の際に、検知ローラの押し当てによる測定対象物の浮き上がりを抑える工夫や、回転可能台の回転による面振れを抑える工夫が必要となり、構造が複雑となる欠点がある。
すなわち、本発明の目的は、測定対象が回転していることを簡易な構造で確認できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の観点では、本発明は、測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第1の観点による回転確認機構では、例えば、図1に示す構成とすることができる。図1は、測定対象である回転対象物202は円柱形状をしており、平板201の上に円柱の軸方向が縦向きになるように載置している。回転対象物202は、上面に被測定部位202aがあり、平板201と被測定部位202aとの距離を計測すべく、高さ測定器の測定子203が被測定部位202aに接している。ここで、駆動ローラ204にて回転対象物202を回転させることにより、全周にわたった被測定部位202aの測定を行うことができる。なお、図中205はアイドルローラである。このとき、回転対象物202の上面に、検知対象部として出っ張り101を設けたおもり100を載置して、検知対象部101が検知センサ208の前を通過することを検出することで、回転対象物202が回転していることを確認することができる。このとき、高さ測定器の測定子203は、全周にわたって測定可能とするために回転位置に関わらず常に被測定部位202aと接する関係である必要がある。このため、おもり100は、測定子203の測定の邪魔にならないように、被測定部位202aを覆わない形状とする。また、おもり100は、測定子203に接触しないとともに、駆動ローラ204などの回転力を与える機構と接触しない構造とすることで、おもり100の存在により測定値が変化することを極力減らすことができる。
なお、おもり100の材質や重さは、おもり100が回転対象物202に載置して、回転により位置ずれをおこさないものであれば、軽いものや、ナイロンやウレタンなどの金属以外のものであっても良い。また、おもり100に備わる検知対象部は、図1に示す突起状のものに限定するものではなく、例えば、スリットの彫刻や、フォトセンサで検出できるペイントなどの標識であっても良い。検出方法についても、非接触式であれば限定するものではなく、例えば、金属や磁気の接近を探知する近接センサや光の反射率の変化を感知するフォトセンサを用いることができる。また、検知対象部の数は、1つであっても良いし、複数であっても良く、例えば、決められた時間内に決められた回数の検知ができれば周回できたと判断すれば良い。
また、図1では被測定部位が回転対象物の上面に位置していたが、例えば、側面に位置して測定子を横から当てる形態であっても良く、測定可能な構造であれば測定形態を限定するものではなく、おもり形状も限定するものではない。また、図1では、回転対象物の形状が円柱形状を示したが、略円柱形状や略円筒形状など、平板上にて回転可能な形状かつ、おもりを載置できる形状であれば限定するものではない。例えば、略円筒形状のように真ん中に窪みまたは孔を有する形状であれば、その窪みまたは孔を利用して例えば図10に示すように回転力を与えることで、回転対象物の外周の形状が突起を有するなどのいびつな形状であっても実現できる。このとき、おもりの中心には、回転力を回転対象物に与える機構と接しない孔を設けることで本発明を実現できる。
本発明は、回転対象物におもりを載置する非常に簡単な構成であるため、回転機構や測定子との接触をさけたおもりの形状とするだけで実現容易であり、非常に有用である。また、おもりは、回転対象物に回転方向に対して平均的に荷重がかかる形状とするとともに、回転を妨げない程度に重くすることで回転対象物が平板から浮き上がることを防ぐことにつながる利点がある。
【0006】
第2の観点では、本発明は、第1の観点による回転確認機構において、前記回転対象物の上面に孔または窪みが存在し、前記おもりが該孔または該窪みの一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第2の観点による回転確認機構では、例えば、図2に示す構成とすることができる。図2は、回転対象物202とおもり100との位置関係を垂直断面にて模擬した図である。おもり100の外壁が回転対象物202の孔による内壁202bに接することでおもり100が回転対象物202に載置されている。このとき、内すぼみに傾斜している内壁202bは、真上からみたときに視認できることにより、広義に解釈して上面に含まれるとする。
また、図3に示すように、内壁202bをガイドとして回転対象物202の上面におもり100を載置することもできる。このように、回転対象物の孔または窪みの内壁を利用することで、おもりの載置における位置決めを行うことができ、センサ208と検知対象部101との間隔を測定許容範囲に保つことができる。
【0007】
第3の観点では、本発明は、第1の観点による回転確認機構において、前記おもりが前記回転対象物の外周の一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第3の観点による回転確認機構では、例えば図4に示す構成とすることができる。図4は、回転対象物202とおもり100との位置関係を垂直断面にて模擬した図である。おもり100の底面には、回転対象物202の外周と接するガイド102が設けられ、おもり100の載置における位置決めを行うことができる。このため、センサ208と検知対象部101との間隔を測定許容範囲に保つことができる。また、図4に示すように回転対象物202の上面に被測定部位が存在する場合、おもり100の内側に穴103を設けることで測定が可能となる。また、回転対象物202の側面の変位を測定する場合は、図5に示すように、測定子203を回転対象物の側面に接するように設置することから、おもり100に穴を設けなくても良い。ただし、測定対象物202の内壁に回転力を加える機構である場合は、回転力を加える機構を通す穴を図4の103のように設ける必要がある。
【0008】
第4の観点では、本発明は、第1〜3のいずれかの観点による回転確認機構において、前記おもりは、前記回転対象物の回転軸方向に、前記回転対象物を回転させるための回転機構を通すための穴を有し、上記回転機構の上昇により該回転機構と接触し、該回転機構とともに上昇することを特徴とする回転確認機構を提供する。
上記第4の観点による回転確認機構では、例えば図6および図7に示す構成とすることができる。図6は、特許文献1の回転装置に本発明の回転確認機構を組み込む位置を示した図であり、図7は、組み込んだときの回転確認機構の垂直断面を模擬して示した図である。図6において、回転対象物202は平板201に載置され、回転対象物を回転させるための回転機構209が下降するとともに回転対象物202の内面を把持し、回転機構209と回転対象物202が平板201上にて回転する。このとき、高さ測定子203を回転対象物202の上面に接触させて、回転対象物202の高さを全周にわたって計測する。図6では、回転機構209は、コレットチャック形状であり、円板形状の外側に開く爪の上面に円筒形状の割りの入った接合部が形成されている。本発明の回転確認機構は、回転機構209の円筒形状部を接触せず通すことができる貫通孔103を有したおもり100を配置し、おもり100の検知対象部101の通過をセンサ208にて検知し、回転対象202が回転しているかを確認する。図7は、回転対象物202が回転する際のおもり100、回転対象物202および回転機構209の位置関係を、垂直断面を模した図にて示したものである。なお、図中符号は図6と共通である。回転機構209は、回転対象物202の内面にてチャック爪を開いて回転対象物202を把持し、回転対象物202とともに平板201上にて回転する。このとき、おもり100は、回転機構209の円板状のチャック爪から浮き上がる形で回転対象物202の上面に載置され、回転対象物202とともに回転する。このとき、おもり100の貫通孔103は、おもり100が回転対象物202の内壁に部分的に接するためのガイドの遊びよりも大きな余裕を持って、回転機構209の円筒形状部分と接触しない径とする。ゆえに、おもり100は、回転機構209と接触することなく、回転対象物202とともに回転することができ、高さ測定器の測定子203にほとんど影響を与えることなく回転対象物202の回転を確認することができる。また、測定終了時は、回転機構209が、チャック爪を閉じながら上昇するときに、おもり100を円板形状部分に受けて上昇するため、新たな機構を追加することなくおもりの載置が自動にて行える利点がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の回転確認機構を用いれば、回転機構が空転しているかの確認を非常に簡単な機構により容易に実現することができる。また、回転対象物に加える力を、回転軸に対して均一に加えるため、変位測定に与える影響を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の第1の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図2】図2は本発明の第2の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図3】図3は本発明の第2の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図4】図4は本発明の第3の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図5】図5は本発明の第3の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図6】図6は本発明の第4の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図7】図7は本発明の第4の観点による回転確認機構の概略を示した図である。
【図8】図8は本発明の実施例1にて実施した回転確認機構の外観写真である。
【図9】図9は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図10】図10は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図11】図11は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【図12】図12は本発明の従来技術の説明に用いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明を実施するための形態として、本発明の第4の観点による回転確認機構を実施した例を実施例1に示す。
【実施例1】
【0012】
図8に、実施例1として本発明の第4の観点による回転確認機構を実施した回転確認機構の外観写真を示す。図中の符号は図6と共通である。
【符号の説明】
【0013】
100 おもり
101 検知対象部
102 ガイド
103 穴
201 平板
202 回転対象物
202a 被測定部位
202b 内壁
203 測定器の測定子
204 駆動ローラ
205 アイドルローラ
206 モータ
207 回転を検知するためのローラ
208 検知センサ
209 回転機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、
上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構。
【請求項2】
請求項1に記載の回転確認機構において、前記回転対象物の上面に孔または窪みが存在し、前記おもりが該孔または該窪みの一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構。
【請求項3】
請求項1に記載の回転確認機構において、前記おもりが前記回転対象物の外周の一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の回転確認機構において、
前記おもりは、
前記回転対象物の回転軸方向に、前記回転対象物を回転させるための回転機構を通すための穴を有し、
上記回転機構の上昇により該回転機構と接触し、該回転機構とともに上昇することを特徴とする回転確認機構。
【請求項1】
測定対象である回転対象物の上面に載置されるおもりの回転を、該おもりに備え付けられた検知対象部の通過により確認する回転確認機構であり、
上記おもりは、上記回転対象物の被測定部位を覆わず、回転とともに該被測定部位の変位を測定することが可能な形状であり、前記回転対象物に回転力を与える機構と接触しないことを特徴とする回転確認機構。
【請求項2】
請求項1に記載の回転確認機構において、前記回転対象物の上面に孔または窪みが存在し、前記おもりが該孔または該窪みの一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構。
【請求項3】
請求項1に記載の回転確認機構において、前記おもりが前記回転対象物の外周の一部または全部と外接する形状であることを特徴とする回転確認機構。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の回転確認機構において、
前記おもりは、
前記回転対象物の回転軸方向に、前記回転対象物を回転させるための回転機構を通すための穴を有し、
上記回転機構の上昇により該回転機構と接触し、該回転機構とともに上昇することを特徴とする回転確認機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−17651(P2011−17651A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163210(P2009−163210)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(501087892)株式会社松浦機械製作所 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(501087892)株式会社松浦機械製作所 (9)
【Fターム(参考)】
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