説明

垂直型プローブカード

【課題】 組み立てが容易で、接続不良の生じない垂直型プローブカードの実現。
【解決手段】 一方の側に複数のテスタ端子接続部を、他方の側に複数のヘッド接続部102を、内部に配線を有するプローブボード41と、複数のスプリングプローブ91を有するプローブヘッド71と、スプリングプローブと接触する複数のプローブ接触部66を、他方の側に複数のヘッド接続部102と接触する複数のボード接触部62を、内部に配線を有する配線変換部材61とを有する垂直型プローブカードであって、配線変換部材61は、フレキシブル基板であり、プローブボード41と配線交換部材61の間に設けられた異方導電加圧ゴム板51を更に備え、複数のヘッド接続部102と複数のボード接触部62は、異方導電加圧ゴム板51を介して接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テスタにより被検査物の電気的試験を行うために、被検査物の電極とテスタの端子を接続するプローブカードに関し、特にスプリングプローブを配列した垂直型プローブカードに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、例えば半導体集積回路(IC)は、ウエハ上に多数形成され、ウエハ上に形成された段階で動作試験が行われ、動作不良のものは後の組み立て工程から除かれる。また、ICモジュールに組み立てられた段階でも動作検査が行われる。近年は、ICが形成されたウエハ上に更に配線層を形成し、配線層の上にマトリクス状に半田ボール又は半田バンプを形成したウエハレベルCSP(Chip Size Package)を形成した後、各ICチップに切断してCSPチップを製造することが広く行われており、ウエハレベルCSPの検査も行われる。配線層には、ICの電極パッドと半田ボール又は半田バンプを接続する配線が形成される。ICの電極パッドは主としてチップの周辺に配置され、配列ピッチが狭いが、CSPチップでは半田ボール又は半田バンプがチップのほぼ全面に配置できるので、半田ボール又は半田バンプの配列ピッチを広くすることができる。
【0003】
プローバは、被検査物であるウエハを保持し、ウエハ上に形成された各ICの電極パッドとテスタの端子を接続する役割を行う装置であり、被測定物の電極に接触するプローブ群を有するプローブカードを備える。被測定物がウエハ上のICである場合、ICの電極パッドは配列ピッチが狭いので、プローブとしてカンチレバーが使用される。被測定物がウエハレベルCSPである場合、CSPチップの半田ボール又は半田バンプは比較的配列ピッチが広いので、プローブとして先端が可動性のスプリングプローブが使用される。スプリングプローブを使用したプローブカードは、垂直型プローブカードと呼ばれる。本発明は垂直型プローブカードに関係する。
【0004】
プローバでは、被検査物の電極をテスタの接続端子に確実に接続することが重要である。そのため、プローブカードのいずれかの部分で、接続不良が発生した場合には、ただちにプローブカードを取り外して修理することが必要である。例えば、スプリングプローブの接続不良及び破損などが生じた場合には、不具合の生じたスプリングプローブが交換される。近年、ICチップの高集積化及び検査のスループット向上のため、プローブカードには、数千のスプリングプローブが設けられるようになっており、1本のスプリングプローブ及びその配線経路に不具合が発生する確率も高くなる。
【0005】
特許文献1は、板バネを有するスプリングプローブを使用した垂直型プローブカードを記載している。
【0006】
図1は、スプリングプローブを使用した垂直型プローブカードの基本構成を説明する図である。図1に示すように、垂直型プローブカードは、プローブボード21と、配線変換部材25と、プローブヘッド29とで構成される。参照番号30は、これらを締結する締結部材である。プローブボード21は、上面に複数のテスタ端子接続電極22を、下面に複数のヘッド接続電極24を、内部に複数のテスタ端子接続電極22と複数のヘッド接続電極24の対応部分を接続する配線23を有する。プローブボード21は、テスタに応じて作られており、同じテスタで使用されるのであれば共通の形状を有する。
【0007】
プローブヘッド29は、検査するCSPチップの半田ボール又は半田バンプの配列に応じて配列されたスプリングプローブ群を有する。ここでは、半田ボール又は半田バンプに接触するプローブ32と、配線変換部材25のプローブ接触電極28に接触するプローブ31の両方が可動性のスプリングプローブを使用した例を示している。スプリングプローブ及び複数のスプリングプローブを有するプローブヘッドについては、特許文献2に記載されているので、説明は省略する。
【0008】
配線変換部材25は、上面にプローブボード21の複数のヘッド接続電極24と接触する複数のボード接触電極26を、下面にスプリングプローブのプローブ31が接触する複数のプローブ接触電極28を、内部に複数のボード接触電極26と複数のプローブ接触電極28の対応部分を接続する配線27を有する。言い換えれば、配線変換部材25は、CSPチップの電極配列を、テスタに対応したプローブボード21の電極配列に変換する機能を有する。
【0009】
図1に示した垂直型プローブカードの基本構成において、CSPチップの半田ボール又は半田バンプの高さのばらつきや、プローブヘッド29のプローブ32の先端位置のばらつきは、プローブ32が可動性であるので、プローブ32の可動範囲内であれば吸収して良好な接触が行える。また、配線変換部材25のプローブ接触電極28の高さのばらつきも、プローブ31が可動性であるので、プローブ31の可動範囲内であれば吸収して良好な接触が行える。
【0010】
プローブボード21のヘッド接続電極24と配線変換部材25のボード接触電極26の接触は、締結部材30により、配線変換部材25をプローブボード21に押し付けることによりなされる。また、プローブボード21の上面のテスタ端子接続電極22とテスタの接続端子との接続は、図示していない可動性のスプリングピンにより行われるので良好な接続が行われる。
【0011】
【特許文献1】特開2003−240801
【特許文献2】特開2002−286807
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図1の構成において、配線変換部材には剛性の高いエポキシ樹脂などを使用したプリント基板が使用されていた。そのため、プリント基板にはうねり・反りなどの変形が生じる。そこで、締結部材30により、配線変換部材25をプローブボード21に押し付けることにより配線変換部材25が平面になるようにしているが、ある程度の変形は避けられず、上面のボード接触電極26及び下面のプローブ接触電極28の高さ位置がばらつくという問題があった。上記のように。プローブヘッド29のプローブ31は可動性であるので、プローブ接触電極28の高さ位置のばらつきはプローブ31の可動範囲内であれば吸収して良好な接触が行える。
【0013】
一方、ボード接触電極26は、直接プローブボード21のヘッド接続電極24に接触するが、ボード接触電極26の高さ位置がばらつくと正常な接触が行われず、接続不良を生じるという問題がある。
【0014】
近年、ウエハレベルCSPの検査でも、ウエハレベルCSPを高温又は低温にして検査するバーインテストが行われる。このため、ステージの載置面の下には、ヒータや、冷却液が流れるチラーが設けられる。バーインテストのためにステージ及び載置したウエハを過熱又は冷却すると、近接して配置されるプローブカードも過熱又は冷却され、より一層変形して、接続不良を生じる。
【0015】
このような問題を回避するために、これまでは、締結部材によりプローブボード21と、配線変換部材25と、プローブヘッド29とを強固に固定及びねじ止めすることが行われていた。しかし、強固な固定を行っても、接続不良を十分になくすことはできないのが現状である。
【0016】
更に、このような強固な固定により、スプリングプローブが破損した場合なども、交換作業が容易には行えないという問題を生じる。
【0017】
また、実際のプローブカードの組み立て作業では、接続不良を生じないように、各部のネジ止め強度などを調整しており、作業が煩雑であるという問題があった。また、このような問題があるために、メンテナンス作業も困難を極めていた。
【0018】
本発明は、このような問題を解決するもので、組み立てが容易で、接続不良の生じない垂直型プローブカードの実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を実現するため、本発明の第1の態様の垂直型プローブカードは、配線変換部材として、フレキシブル多層基板を使用する。
【0020】
すなわち、本発明の第1の態様の垂直型プローブカードは、一方の側に複数のテスタ端子接続部を、他方の側に複数のヘッド接続部を、内部に前記複数のテスタ端子接続部と前記複数のヘッド接続部の対応部分を接続する配線を有するプローブボードと、複数のスプリングプローブを有するプローブヘッドと、一方の側に前記複数のスプリングプローブと接触する複数のプローブ接触部を、他方の側に前記複数のヘッド接続部と接触する複数のボード接触部を、内部に前記複数のプローブ接触部と前記複数のボード接触部の対応部分を接続する配線を有する配線変換部材とを有する垂直型プローブカードであって、前記配線変換部材は、フレキシブル基板であることを特徴とする。
【0021】
本発明の第1の態様によれば、配線変換部材がフレキシブル基板であるので、配線変換部材は、押し付けられると変形してプローブボードに接触する。そのため、プローブボードの複数のヘッド接続部と配線変換部材の複数のボード接触部が確実に接触して接続不良を生じない。
【0022】
フレキシブル基板は、位置合わせして取り付けるのが難しいので、例えば配線変換部材であるフレキシブル基板を、金属製の貼り付け枠に位置決めして接着固定した後、治具を使用してフレキシブル基板に設けられたアライメントマークとプローブヘッド(ボトムボード)に設けられた穴を光学的手段で検出することで、スプリングプローブとフレキシブル基板のパッドを高精度に位置決めする。
【0023】
本発明の第2の態様の垂直型プローブカードは、プローブボードと配線変換部材の間に異方導電加圧ゴム板が設けられ、ヘッド接続部とボード接触部は異方導電加圧ゴム板を介して接続される。
【0024】
すなわち、本発明の第2の態様の垂直型プローブカードは、一方の側に複数のテスタ端子接続部を、他方の側に複数のヘッド接続部を、内部に前記複数のテスタ端子接続部と前記複数のヘッド接続部の対応部分を接続する配線を有するプローブボードと、複数のスプリングプローブを有するプローブヘッドと、一方の側に前記複数のスプリングプローブと接触する複数のプローブ接触部を、他方の側に前記複数のヘッド接続部と接触する複数のボード接触部を、内部に前記複数のプローブ接触部と前記複数のボード接触部の対応部分を接続する配線を有する配線変換部材とを有する垂直型プローブカードであって、前記プローブボードと前記配線変換部材の間に設けられた異方導電加圧ゴム板を備え、前記複数のヘッド接続部と前記複数のボード接触部は、前記異方導電加圧ゴム板を介して接続されることを特徴とする。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、ヘッド接続部とボード接触部の間の接触は、異方導電加圧ゴム板を介して行われるので、配線変換部材のボード接触部の位置をある程度の精度で位置決めすれば、接続不良が発生しない。異方導電加圧ゴム板は、柔軟性のあるシート状の絶縁材料内に、金属粒子などの導電性粒子を分散したもので、部分的に圧力を加えると、その部分がへこんで導電性粒子がつながり導電経路を構成するもので、圧力を加えた部分以外は絶縁状態が維持される。特に、導電性粒子を板に垂直な方向に列状に配列されるようにしたものは、狭い部分のみを導電性にすることができる。具体的には、ヘッド接続部であるプローブボードの電極とボード接触部である配線変換部材の電極の少なくとも一方を周囲より突出するように形成し、配線変換部材をプローブボードに押し付けて固定することにより、電極部分のみに大きな圧力が印加されて導電性状態になる。
【0026】
第1の態様と第2の態様を組み合わせて、配線変換部材がフレキシブル基板とし、プローブボードと配線変換部材の間に異方導電加圧ゴム板を設ければ、より確実な接続が可能になる。
【0027】
スプリングプローブは、片側又は両側に可動性のプローブを有することが望ましい。
【0028】
また、被検査物の電極が半田ボール又は半田バンプである場合には、スプリングプローブの半田ボール又は半田バンプに接触する側の先端を、4つ割形状とし、接触しても半田ボール又は半田バンプの頭頂部を傷つけず、側面を突き刺す形で接触するので、先端に半田が接触した場合でも確実に接触が行え、クリーニングも容易であるようにする。
【0029】
以上説明したように、本発明によれば、プローブカードを構成する部材間の電極の接触がより確実に行えるようになるので接続不良が生じないと共に、組み立ても容易であるのでスプリングプローブの交換などのメンテナンスが容易になる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、プローブカード内部の電気的接触の信頼性が向上して接続不良が発生しなくなるので、プローブカードの信頼性が向上する。
【0031】
これにより、高周波数での検査や、電極配列が狭ピッチのICチップの検査、及びバーインテストが可能になる。
【0032】
更に、本発明によれば、プローブの交換が容易になり、プローブカードのメンテナンス性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図2は、本発明の実施例の垂直型プローブカードのプローブヘッドの取り付け部分の詳細な構成を示す図である。この部分以外は従来の垂直型プローブカードと同じであるので、説明は省略する。
【0034】
図2に示すように、実施例の垂直型プローブカードは、スティフナー40と、スティフナー40に取り付けられるプローブボード41と、異方導電加圧ゴム板51と、配線変換部材として機能するフレキシブル基板61と、プローブヘッド71と、締結部材81と、プローブボード41側の締結部材46と、を有する。スティフナー40は、締結部材46が収容される穴42と、ネジ穴43などを有する。プローブボード41は、位置決め穴44などを有する。なお、ここでは図示していないが、プローブボード41には、従来と同様に、複数のテスタ端子接続電極が上面に、複数のヘッド接続電極が下面に、複数のテスタ端子接続電極と複数のヘッド接続電極とをそれぞれ接続する配線が内部に設けられている。
【0035】
異方導電加圧ゴム板51は、柔軟性のあるシート状の絶縁材料内に、金属粒子などの導電性粒子を磁界により整列するようにして設けたもので、部分的に圧力を加えると、その部分がへこんで導電性粒子がつながり導電経路を形成するもので、圧力を加えた部分以外は絶縁状態が維持される。ここで使用する異方導電加圧ゴム板51は、Paricon社製で、導電性粒子がゴム板51に垂直な方向に列状に配列されており、40GHzまでの信号を伝達することが可能な高周波特性、150度までの耐高温特性、及び狭いパッド間のピッチで電極を形成することが可能な狭ピッチ性を有する。
【0036】
フレキシブル基板61は、多層フレキシブル基板であり、一方の面にプローブボード41のヘッド接続電極と異方導電加圧ゴム板51を介して接続される複数のボード接触電極が設けられ、他方の面にプローブヘッド71のスプリングプローブ91と接触する複数のプローブ接触電極が設けられ、内部に複数のボード接触電極と複数のプローブ接触電極を接続する配線が設けられている。異方導電加圧ゴム板51を介すことで導通経路が確保されるフレキシブル基板61とプローブボード41間における接続電極の位置決めは、フレキシブル基板61に設けられた穴とプローブボード41の穴44を位置決めピン49で固定する。
【0037】
図3は、プローブヘッド71の構成を示す図であり、プローブヘッド71を組み立てる状態を示しており、図2とは上下が逆の状態である。また、図4は、プローブヘッド71の1本のスプリングプローブ91を保持している状態を示し、図5は、1本のスプリングプローブ91の構造を示す。
【0038】
まず、図5を参照してスプリングプローブ91の構造を説明する。図5に示すように、1本のスプリングプローブ91は、金属製の円筒94に、摺動可能に保持された2本のプローブ92、93が収容されている。プローブ92、93は、一方の端の径が大きく、円筒94に設けられた絞り部により円筒94から抜けないようになっている。円筒94の内部のプローブ92と93の間には、バネ97が設けられ、プローブ92、93を外側に付勢している。ICチップの半田ボール又は半田バンプに接触するプローブ92の先端は、4ツ割形状であり、接触しても半田ボール又は半田バンプの頭頂部を傷つけず、半田ボール又は半田バンプの側面に接触するので、先端に半田が接触した場合でも確実に接触が行える。また、先端のクリーニングも容易である。
【0039】
図3に示すように、プローブヘッド71は、絶縁材料製のボトムボード73、中間ボード74及びトップボード75を有する。図4に示すように、ボトムボード73には、スプリングプローブ91のプローブ93の径より若干大きな径の穴と、スプリングプローブ91の円筒94の径より若干大きな径の穴とが、2段に設けられている。また、中間ボード74には、スプリングプローブ91の円筒94の径より若干大きな径の穴が設けられている。更に、トップボード75には、スプリングプローブ91のプローブ92の径より若干大きな径の穴と、スプリングプローブ91の円筒94の径より若干大きな径の穴とが、2段に設けられている。このような穴がスプリングプローブ91の本数分設けられており、穴は高い位置精度を有する。図4に示すような状態では、スプリングプローブ91の円筒94は、ボトムボード73とトップボード75により両側が挟まれており、抜け落ちることはない。スプリングプローブ91を交換する時には、図3のように、ボトムボード73を下側にして、トップボード75を取り外す。この状態で、スプリングプローブ91は穴から容易に抜くことができる。
【0040】
以上のように、プローブヘッド71は、位置決めピンなどを合わせるだけで位置決めが可能であり、組み立て及びスプリングプローブ91の交換が容易に行える。
【0041】
図3に戻って、ボトムボード73、中間ボード74及びトップボード75は、位置決めピン76、78及び90などにより相互に高い位置決め精度で組み立てられるようになっており、組み立てられた後、ネジ72及び78で固定される。なお、参照番号77は、皿ばね(スプリングワシャ)であり、これについては後述する。プローブヘッド71については、特許文献2などに詳細が記載されているので、ここではこれ以上の説明は省略する。
【0042】
更に図2に戻って、異方導電加圧ゴム板51とフレキシブル基板61とプローブヘッド71は、締結部材81及びプローブボード41側の締結部材46により、プローブボード41に固定される。プローブボード41側の締結部材46は、先端にネジを有する位置決めピン49により位置決めされて、そのネジとナット84(及び穴48を通り、ネジ穴83に締結される図示していないネジ)により締結部材81と固定され、これによりプローブボード41、異方導電加圧ゴム板51、フレキシブル基板61及びプローブヘッド71が固定される。固定する際には、フレキシブル基板61のアライメントマークを光学的に検出して位置決めをした後固定する。更に、締結されたプローブボード41、異方導電加圧ゴム板51、フレキシブル基板61、プローブヘッド71、締結部材81及び締結部材46のブロックは、ネジ85によりスティフナー40に固定される。
【0043】
以上のように、本実施例のプローブカードは、位置決めピンなどを合わせるだけで位置決めが可能であり、組み立てが容易で、メンテナンスも容易である。
【0044】
なお、上記の実施例では、図5に示したような両方に可動性のプローブを有するスプリングプローブ91を使用したが、一方のプローブのみが可動性で、他方のプローブが固定であるスプリングプローブを使用することも可能である。
【0045】
図6は、プローブボード41と、異方導電加圧ゴム板51と、フレキシブル基板61と、プローブヘッド71の接続部分を説明する図である。プローブボード41の下面には、複数のヘッド接続電極102が設けられている。参照番号103は、絶縁層である。フレキシブル基板61の上面には複数のボード接触電極62設けられ、下面には複数のプローブ接触電極66が設けられている。ボード接触電極62の上面は、絶縁層63の上面より高くなっている。参照番号64は、ボード接触電極62とプローブ接触電極66を接続する配線層であり、参照番号63及び65は絶縁層である。
【0046】
締結部材81及び締結部材46により、異方導電加圧ゴム板51とフレキシブル基板61とプローブヘッド71がプローブボード41に押し付けられると、ボード接触電極62の上面が高いため、ボード接触電極62の部分のみが異方導電加圧ゴム板51に特に強く押し付けられ、異方導電加圧ゴム板51のその部分のみに導電経路が構成され、ボード接触電極62がヘッド接続電極102と電気的に接続された状態になる。従って、締結部材81及び締結部材46は、フレキシブル基板61とプローブボード41を異方導電加圧ゴム板51を挟んで強く押し付けるように、十分な剛性を有することが要求される。また、図3に示したスプリングワシャ77は、スプリングプローブ群の回りに複数個所設けられており、プローブヘッド71がプローブボード41に固定された状態で、フレキシブル基板61をプローブボード41押し付けるように動作する。
【0047】
以上、本発明の実施例を説明したが、各種の変形例が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、垂直型のプローブカードであればどのようなものにも適用可能である。例えば、実施例では検査対象をウエハレベルCSPとしたが、ウエハレベルCSP以外のものを検査するプローバに使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】垂直型プローブカードの従来例の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例の垂直型プローブカードのプローブヘッドの取り付け部分の詳細な構成を示す図である。
【図3】プローブヘッドの構成を示す図であり、プローブヘッドを組み立てる状態を示す。
【図4】プローブヘッドの1本のスプリングプローブを保持している状態を示す図である。
【図5】1本のスプリングプローブの構造を示す図である。
【図6】プローブボードと、異方導電加圧ゴム板と、フレキシブル基板と、プローブヘッドの接続部分を説明する図である。
【符号の説明】
【0050】
41 プローブボード
51 異方導電加圧ゴム板
61 フレキシブル基板(配線変換部材)
71 プローブヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の側に複数のテスタ端子接続部を、他方の側に複数のヘッド接続部を、内部に前記複数のテスタ端子接続部と前記複数のヘッド接続部の対応部分を接続する配線を有するプローブボードと、
複数のスプリングプローブを有するプローブヘッドと、
一方の側に前記複数のスプリングプローブと接触する複数のプローブ接触部を、他方の側に前記複数のヘッド接続部と接触する複数のボード接触部を、内部に前記複数のプローブ接触部と前記複数のボード接触部の対応部分を接続する配線を有する配線変換部材とを有する垂直型プローブカードであって、
前記配線変換部材は、フレキシブル基板であることを特徴とする垂直型プローブカード。
【請求項2】
フレキシブル基板である前記配線変換部材が接着固定される金属製の貼り付け枠を備える請求項1に記載の垂直型プローブカード。
【請求項3】
一方の側に複数のテスタ端子接続部を、他方の側に複数のヘッド接続部を、内部に前記複数のテスタ端子接続部と前記複数のヘッド接続部の対応部分を接続する配線を有するプローブボードと、
複数のスプリングプローブを有するプローブヘッドと、
一方の側に前記複数のスプリングプローブと接触する複数のプローブ接触部を、他方の側に前記複数のヘッド接続部と接触する複数のボード接触部を、内部に前記複数のプローブ接触部と前記複数のボード接触部の対応部分を接続する配線を有する配線変換部材とを有する垂直型プローブカードであって、
前記プローブボードと前記配線変換部材の間に設けられた異方導電加圧ゴム板を備え、
前記複数のヘッド接続部と前記複数のボード接触部は、前記異方導電加圧ゴム板を介して接続されることを特徴とする垂直型プローブカード。
【請求項4】
前記プローブボードと前記配線変換部材の間に設けられた異方導電加圧ゴム板を備え、
前記複数のヘッド接続部と前記複数のボード接触部は、前記異方導電加圧ゴム板を介して接続される請求項1又は2に記載の垂直型プローブカード。
【請求項5】
前記複数のヘッド接続部と前記複数のボード接触部が、前記異方導電加圧ゴム板を圧縮するように、前記プローブボードと前記配線変換部材に圧力を印加する圧力印加部材を備える請求項3又は4に記載の垂直型プローブカード。
【請求項6】
前記スプリングプローブは、少なくとも一方に可動性のプローブを有する請求項1から5のいずれか1項に記載の垂直型プローブカード。
【請求項7】
前記スプリングプローブの先端は、被検査物の電極に接触する側が4つ割形状である請求項1から6のいずれか1項に記載の垂直型プローブカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−71699(P2007−71699A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−259047(P2005−259047)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【出願人】(390026859)理化電子株式会社 (8)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】