説明

埋め殺しケーブル判定装置及び方法

【課題】複数のケーブルの中からケーブルの経路途中部分においても、埋め殺しケーブルを特定できる埋め殺しケーブル判定装置の提供。
【解決手段】探索対象ケーブル12の外被に信号注入プローブ13と信号検出プローブ14、15を取り付ける。パルス発生器16により探査信号を探索対象ケーブル12に送信し、第1波目のパルス信号並びに第2波目、第3波目の反射波を信号検出プローブ14、15にて観測しシンクロスコープ17より測定される第1波目と第2波目と第3波目の各波高値を判定回路18Aに入力し、判定回路18Aにて、第1波目のパルス信号の波高値を基準として、第2波目と第3波目の反射波の波高値を比較する反射係数が所定範囲の値であることをもって、探索対象ケーブル12が末端において断線状態である埋め殺しケーブルであると判定し、判定の表示を表示回路19に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の探索対象ケーブルの中から対象の埋め殺しケーブルを特定するための埋め殺しケーブル判定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、原子力発電所等の施設内では、計画されたケーブル経路に天井又は壁に設置されたトレイ等を用いて、区画内の多数の機器からのケーブルが、高圧動力用ケーブル、低圧動力用ケーブル、制御用ケーブル、計測用ケーブル等の用途毎に分類され布設されている。1つのトレイ内に布設されているケーブルの本数は、例えば高圧動力用で数本から十数本、低圧動力用で十数本から数十本、制御用及び計測用では数百本程度であり、それらケーブル12本当たりの長さは数十mから数百m程度に及んでいる。これらケーブルに関し、経年劣化等によるケーブルの取り替えを行う場合に、撤去対象のケーブルを間違えて切断した場合には、稼働中のシステムに大きな支障を与える可能性があり、不要ケーブルの特定を確実に行う必要がある。
【0003】
そこで、ケーブル一本ずつ特定し導通テストを行い不要な敷設ケーブルであるか否かの確認作業が必要となる。この確認作業は、ケーブル全長に亘って固有の情報を印字または貼付してある新設ケーブル以外はケーブルの経路途中では行えず、ケーブルの末端にのみ表示された番号や接続先等の固有の識別情報を頼りに行うものである。従って、ケーブルの撤去は、特定されている取り替え対象ケーブルの末端から、順次取り替え対象であることを確認しながら撤去していく作業となり、膨大な確認作業となる。
【0004】
また、既存のケーブルの内、初期にトレイ内に布設された通常のケーブルについては十分な難燃性を確保し、火災事故等の際にケーブルの延焼を防ぐ目的で、ケーブル群の表面に延焼防止材が塗布されていることがある。その場合、延焼防止材の上部に難燃性のケーブルが後に追加敷設された状況となっている。このように、ケーブルの撤去は、高圧動力用等のようにトレイ内のケーブル本数が少なく、経路途中でも比較的容易に取替対象を特定可能な場合等を除き、トレイ等からの不要敷設ケーブルの撤去は、他のケーブルとの重なり合いなどで簡単に引き抜くことができない状況が多い。このため、不要敷設ケーブルの撤去が困難なときは一般に「埋め殺し」という措置がとられている。埋め殺しケーブルは、ケーブル末端の機器との取合い部分のみを撤去し、両端部分を除いてそのままトレイ等に放置されている状態にある。埋め殺し措置は、不要ケーブルがそのままトレイ内に蓄積されることを意味し、ケーブルの取替や追加等でケーブルが増加していくことにより、既存のトレイ等では満杯状態となり、ケーブルを追加して布設する余裕がない状況を作り出す。
【0005】
すなわち、トレイ内に膨大な本数が布設されている制御用、計測用等のケーブルの取替えが必要になった場合、既存の取替対象ケーブルを埋め殺しケーブルとしてトレイ内に放置することにより新規ケーブルを布設するスペースがトレイ内に確保されず、また、施設内に別なトレイ等を新たに設置するスペースもない場合が多くなっている。そこで、経年劣化等によるケーブルの取り替えを行う場合、既存の不要ケーブル(埋め殺しケーブル)を撤去することで既存のトレイ内に布設スペースを作りそのスペースに新規ケーブルを布設してケーブル取替工事を行う。そのために、埋め殺しケーブルであるか否かを判定する探査技術が必要とされている。
【0006】
従来では、複数の敷設されたケーブル群から目的のケーブルを識別する方法として、通電電流の周波数と異なる周波数の電流又は電圧信号を探査信号として用いる探査方法を採用している。この探査方法は、まず当該ケーブルの一方の末端を確認し、末端より従来の通電電流の周波数と異なる周波数として、数百Hzから百kHz程度の電流又は電圧信号を送信器から探索対象ケーブルに注入する。そして、切断予定箇所近傍の複数の敷設されたケーブル群を一本ずつ、受信器のプローブで磁界又は電界を検知し、フィルタを通した後、探査信号が最も強く残っていることを確認し探査信号の強さを、発光ダイオードの点灯数や音の強さに変換し探査作業者の判断情報を表示して埋め殺しケーブルであることを判定表示するものである。
【0007】
ここで、ケーブルが不導通状態であるか否かを確認するために、プローブをシース及び絶縁体が被ったケーブルの電流の流れの有無を導通測定器にて検査するケーブル導通検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−174654号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1のものでは、プローブをシース及び絶縁体を順に突き破ってケーブル内の導体に接触させるので、前述した原子力発電所等の施設内のトレイ内に布設されているケーブルの経年劣化等によるケーブル取替工事におけるケーブル識別方法には適用できない。
【0009】
一方、上述した通常の通電電流の周波数と異なる周波数の電流又は電圧信号を探査信号として用いた探査方法で、埋め殺しケーブルを特定する場合、まず対象ケーブルの一方の末端を確認することが必要である。また、ケーブル探索作業において、選定したケーブルに対して、全経路を探索して初めて末端の機器との取合いが削除されている埋め殺しケーブルを特定しなければならない。従って、埋め殺しケーブルの特定作業は、注入探査信号を確認し末端の機器との取合いが削除されていることが確認されるまで全経路を探索するという極めて効率の悪い作業を強いられている。これは、ケーブルの経路途中部分において埋め殺しケーブルを特定することが困難であるからである。
【0010】
本発明の目的は、トレイ内に膨大な本数が布設されている制御や計測用等の複数のケーブルの中からケーブルの経路途中部分においても、埋め殺しケーブルを特定できる埋め殺しケーブル判定装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の埋め殺しケーブル判定装置は、探索対象ケーブルの外被に設置する信号注入プローブと、前記信号注入プローブを挟む両側に位置して前記探索対象ケーブルの外被に設置する信号検出プローブと、探索対象ケーブルに通常に通電している電流の周波数と異なる周波数の探査信号を前記信号注入プローブより印加して前記探索対象ケーブルに送信するパルス発生器と、前記パルス発生器から前記探索対象ケーブルに送信した第1波目のパルス信号並びに前記探索対象ケーブルの左右の断線箇所にて反射した第2波目及び第3波目の反射波を前記信号検出プローブを介して測定して出力するシンクロスコープと、前記シンクロスコープが測定した第1波目のパルス信号及び第2波目の反射波の波高値から反射係数を算出しまた第1波目のパルス信号及び第3波目の反射波の波高値から反射係数を算出し2つの反射係数に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定する判定回路と、探査作業者に判定回路の判定結果を表示出力する表示回路とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、トレイ内に膨大な本数が布設されている制御や計測用等の複数のケーブルの中からケーブルの経路途中部分においても、埋め殺しケーブルを特定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る埋め殺しケーブル判定装置の概略のブロック図である。埋め殺しケーブル判定装置11Aは、探索対象ケーブル12に信号注入プローブ13と信号検出プローブ14、15を設置し、信号注入プローブ13にパルス発生器16を接続し、信号検出プローブ14、15にシンクロスコープ17と判定回路18Aと表示回路19とを直列に接続してなる。
【0014】
信号注入プローブ13と信号検出プローブ14、15は、クランプ機能を備えて探索対象ケーブル12の外被に設置する。信号検出プローブ14、15は、信号注入プローブ13を挟む両側に位置とする。パルス発生器16は、通常において通電している電流の周波数と異なる周波数、例えば数百MHzないし百MHz程度のパルス信号を探査信号として信号注入プローブ13を介して探索対象ケーブル12に送信する。探索対象ケーブル12の末端において、弾性状態であった場合、送信したパルス信号は探索対象ケーブル12の末端にて反射する。シンクロスコープ17は、送信した第1波目のパルス信号並びに探索対象ケーブル12の左右の断線箇所にて反射された第2波目、第3波目の反射波を測定して出力する。
【0015】
判定回路18Aは、シンクロスコープ17が出力した第1波目のパルス信号並びに第2波目及び第3波目の反射波を入力し第1波目のパルス信号の波高値と第2波目の反射波の波高値とから算出した反射係数及び第1波目のパルス信号の波高値と第3波目の反射波の波高値とから算出した反射係数に基づいて探索対象ケーブル12が両側の末端において断線状態であるか否かを判定する。この場合、探索対象ケーブル12が、埋め殺しケーブルであれば、両端が切断されているから、探索対象ケーブル12に注入されたパルス信号は、探索対象ケーブル12のインピーダンス(負荷インピーダンスZL)が切断箇所で無限大となることにより、パルスの殆どが反射することとなる。従って、探索対象ケーブル12が末端において断線状態である場合、印加したパルス信号は、探索対象ケーブル12の末端にて反射し、反射波として、信号検出プローブ14、15にて観測されることとなる。反射係数ρは(1)式により算出できる。
【0016】
ρ=(ZL−Z)/(ZL+Z)=e/e・・・(1)
ZLは負荷インピーダンス、Zは特性インピーダンス、eは入射波電圧、及びeは反射波電圧である。反射係数ρは、進行する波に対し反射して戻ってくる波の電圧振幅の割合であり、その値は−1から+1の間になる。短絡の状態で負荷側のインピーダンスが0の時は−1になり、進行波は完全に打ち消される。断線していて負荷側のインピーダンスが無限大の時+1になり、進行波は2倍の電圧になって戻ってくる。インピーダンスが整合の状態では0になり、すべての電力が負荷側に吸収される。反射波が存在しないときは反射波の電圧が0になるので反射係数は0になる。埋め殺しケーブルであれば、両端が切断されているから、負荷インピーダンスZLが切断箇所で無限大に変化し、印加したパルス信号は反射波となる。反射波の電圧は進行波の電圧より低いので(1)式に示す反射係数ρは1に小さい値になる。
【0017】
判定回路18Aは、シンクロスコープ17が測定した第1波目のパルス信号及び第2波目の反射波の波高値から反射係数を算出しまた第1波目のパルス信号及び第3波目の反射波の波高値から反射係数を算出し2つの反射係数がいずれも例えば0.9〜1であることをもって、探索対象ケーブル12が末端において断線状態であると判断する。表示回路19は、判定回路18Aからの判定出力の表示を出力して探査作業者に表示する。
【0018】
埋め殺しケーブル判定装置11Aを用いて、埋め殺しケーブルであるか否かを判定するには、まず、トレイ内に膨大な本数が布設されている高圧動力用ケーブル、低圧動力用ケーブル、制御用ケーブル、計測用ケーブル等の複数のケーブルの中から探索対象ケーブル12を選択する。この探索対象ケーブル12の経路途中部分に信号注入プローブ13を取り付け、信号注入プローブ13を挟んで信号検出プローブ14、15を取り付ける。
【0019】
次に、パルス発生器16から、例えば百MHz程度の探査信号を発生して信号注入プローブ13に探索対象ケーブル12に送信する。探索対象ケーブル12が末端において断線状態である場合には、印加したパルス信号は、探索対象ケーブル12の末端にて反射し、反射波として、信号検出プローブ14、15にて観測されることとなる。この場合、信号注入プローブ13から、探索対象ケーブル12の左側の断線状態であるケーブル末端までの距離と右側の断線状態であるケーブル末端までの距離とは、一般に完全に同じになる確率は低いことより、信号検出プローブ14、15は、第1波目のパルス信号を観測した後、それぞれ探索対象ケーブル12の左右の断線箇所にて反射された第2波目、第3波目の反射波を測定することで距離を測定できる。
【0020】
信号検出プローブ14、15にて測定した第1波目のパルス信号並びに左右の断線箇所にて反射された第2波目、第3波目の反射波は、シンクロスコープ17にて測定され、判定回路18Aにて、第1波目のパルス信号の波高値と、左右の反射された第2波目、第3波目の波高値とが比較される。判定回路18Aは、反射係数がある値(例えば0.9〜1)であることをもって、埋め殺しケーブルであるとの判定を行い、表示回路19にて探査作業者に表示を出力する。
【0021】
第1の実施の形態によれば、第1波目のパルス信号並びに第2波目及び第3波目の反射波を入力し第1波目のパルス信号の波高値と第2波目の反射波の波高値とから算出した反射係数及び第1波目のパルス信号の波高値と第3波目の反射波の波高値とから算出した反射係数に基づいて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定するので、ケーブルの経路途中部分において埋め殺しケーブルを特定できる。さらに、経年劣化等によるケーブルの取替えが必要な場合に行うケーブル特定作業において、埋め殺しケーブルをケーブル特定作業の初期の段階にて把握することが可能となりケーブル特定作業の効率化が図れると共に、埋め殺しケーブルの撤去作業の実施に当って、効率的に作業を実施することが可能となる。
【0022】
(第2の実施の形態)
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る埋め殺しケーブル判定装置の概略のブロック図である。この第2の実施の形態の埋め殺しケーブル判定装置11Bは、探索対象ケーブル12に信号注入プローブ13と信号検出プローブ14を設置し、信号注入プローブ13に信号発生器20を接続し、信号検出プローブ14にシンクロスコープ17と判定回路18Bと表示回路19とを直列に接続してなる。
【0023】
信号注入プローブ13と信号検出プローブ14は、探索対象ケーブル12の外被に設置する。信号検出プローブ14は、信号注入プローブ13の近傍の位置とする。信号検出プローブ14は、探索対象ケーブル12が末端において断線状態であった場合、印加した高周波信号と、この高周波信号が探索対象ケーブル12の末端にて反射した反射波とが重畳した波形を観測する。信号発生器20は、通常において通電している電流の周波数と異なる周波数、例えば数百MHzないし百MHz程度の高周波信号を探査信号として信号注入プローブ13を介して探索対象ケーブル12に送信する。シンクロスコープ17は、信号発生器20から探索対象ケーブル12に送信した第1波目の高周波信号並びに探索対象ケーブル12の断線箇所にて反射した第2波目、第3波目の反射波を測定して出力する。
【0024】
判定回路18Bは、シンクロスコープ17が測定した第1波目の高周波信号並びに第2波目及び第3波目の反射波に基づいて定在波比を算出し定在波比に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定する。判定回路18Bは、第1波目の高周波信号と第2波目と第3波目の反射波の最大・最小振幅により算出する定在波比に基づいて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定する。高周波の信号電圧が伝送線路(給電線)を伝送される場合(進行波)において、インピーダンスの不整合があると、その不連続部分で信号電圧の反射が発生し、給電線を逆向きに進行する電圧成分(反射波)が発生する。定在波比(=SWR:Standing Wave Ratio)は、その高周波電圧の反射の度合いを表すもので、定在波のなかで最大の振幅を持つ定在波の振幅と最小の振幅を持つ定在波の振幅の比であり、(2)式により算出できる。
【0025】
定在波比=(1+反射係数)/(1−反射係数)・・・(2)
探索対象ケーブル12の電圧が最大になる点と、電圧が最小になる点を探して各電圧を測れば、定在波比が分かってどの程度反射波が有るかが分かる。定在波は、進行波と反射波との合成波として検出される。定在波比は、第1波目の高周波信号と第2波目の反射波との合成波として検出される定在波の最大・最小振幅により算出するとともに、第1波目の高周波信号と第3波目の反射波との合成波として検出される定在波の最大・最小振幅により算出する。定在波比は1〜∞の値をとる。定在波比=∞(反射係数=1)のときは、探索対象ケーブル12が末端において断線状態であるが、ここでは2組の定在波比がいずれも例えば10以上であることをもって、探索対象ケーブル12が末端において断線状態であると判断する。
【0026】
判定回路18Bは、定在波比が10未満であるときは探索対象ケーブル12が末端において断線状態であるとは判断しない。表示回路19は、探査作業者に判定回路18Bの判定結果を表示出力する。
【0027】
第2の実施の形態によれば、第1波目の高周波信号並びに第2波目及び第3波目の反射波を入力し第1波目の高周波信号と第2波目と第3波目の反射波の最大・最小振幅により算出する定在波比に基づいて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定するものであるので、ケーブルの経路途中部分において埋め殺しケーブルを特定できる。さらに、埋め殺しケーブルをケーブル特定作業の初期の段階にて把握することが可能となりケーブル特定作業の効率化が図れると共に、埋め殺しケーブルの撤去作業の実施に当って、効率的に作業を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る埋め殺しケーブル判定装置の概略のブロック図
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る埋め殺しケーブル判定装置の概略のブロック図
【符号の説明】
【0029】
11A、11B…埋め殺しケーブル判定装置、12…探索対象ケーブル、13…信号注入プローブ、14、15…信号検出プローブ、16…パルス発生器、17…シンクロスコープ、18A、18B…判定回路、19…表示回路、20…信号発生器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索対象ケーブルの外被に設置する信号注入プローブと、信号注入プローブを挟む両側に位置して前記探索対象ケーブルの外被に設置する信号検出プローブと、探索対象ケーブルに通常に通電している電流の周波数と異なる周波数の探査信号を前記信号注入プローブより印加して前記探索対象ケーブルに送信するパルス発生器と、前記パルス発生器から前記探索対象ケーブルに送信した第1波目のパルス信号並びに前記探索対象ケーブルの左右の断線箇所にて反射した第2波目及び第3波目の反射波を前記信号検出プローブを介して測定して出力するシンクロスコープと、前記シンクロスコープが測定した第1波目のパルス信号及び第2波目の反射波の波高値から反射係数を算出しまた第1波目のパルス信号及び第3波目の反射波の波高値から反射係数を算出し2つの反射係数に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定する判定回路と、探査作業者に判定回路の判定結果を表示出力する表示回路とを備えたことを特徴とする埋め殺しケーブル判定装置。
【請求項2】
探索対象ケーブルの外被に設置する信号注入プローブと、前記信号注入プローブの片側に位置して前記探索対象ケーブルの外被に設置する信号検出プローブと、探索対象ケーブルに通常に通電している電流の周波数と異なる周波数の高周波信号を前記信号注入プローブより印加して前記探索対象ケーブルに送信する信号発生器と、前記信号発生器から前記探索対象ケーブルに送信した第1波目の高周波信号並びに前記探索対象ケーブルの左右の断線箇所にて反射した第2波目、第3波目の反射波を前記信号検出プローブを介して測定して出力するシンクロスコープと、前記シンクロスコープが測定した前記第1波目の高周波信号並びに前記第2波目及び第3波目の反射波に基づいて2組の定在波比を算出し定在波比に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定する判定回路と、探査作業者に判定回路の判定結果を表示出力する表示回路とを備えたことを特徴とする埋め殺しケーブル判定装置。
【請求項3】
探索対象ケーブルの外被に信号注入プローブを設置し、信号注入プローブを挟む両側に位置して前記探索対象ケーブルの外被に信号検出プローブを設置し、探索対象ケーブルに通常に通電している電流の周波数と異なる周波数の探査信号を前記信号注入プローブより印加して前記探索対象ケーブルに送信し、前記探索対象ケーブルに送信した第1波目のパルス信号並びに前記探索対象ケーブルの左右の断線箇所にて反射した第2波目及び第3波目の反射波を信号検出プローブを介して検出し測定して出力し、測定した第1波目のパルス信号及び第2波目の反射波の波高値から反射係数を算出し、また第1波目のパルス信号及び第3波目の反射波の波高値から反射係数を算出し、2つの反射係数に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定し、探査作業者に判定結果を表示出力することを特徴とする埋め殺しケーブル判定方法。
【請求項4】
探索対象ケーブルの外被に信号注入プローブを設置し、前記信号注入プローブの片側に位置して前記探索対象ケーブルの外被に信号検出プローブを設置し、探索対象ケーブルに通常に通電している電流の周波数と異なる周波数の高周波信号を前記信号注入プローブより印加して前記探索対象ケーブルに送信し、前記探索対象ケーブルに送信した第1波目の高周波信号並びに前記探索対象ケーブルの左右の断線箇所にて反射した第2波目、第3波目の反射波を前記信号検出プローブを介して測定して出力し、測定した前記第1波目の高周波信号並びに前記第2波目及び第3波目の反射波に基づいて2組の定在波比を算出し、定在波比に応じて探索対象ケーブルが両側の末端において断線状態であるか否かを判定し、探査作業者に判定結果を表示出力することを特徴とする埋め殺しケーブル判定方法。

【図1】
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【図2】
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