基板受け渡し装置、基板受け渡し方法及び基板処理装置
【課題】基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、昇降部材を介して載置台に基板を受け渡すにあたって、受け渡しに要する時間を短縮できる技術を提供すること。
【解決手段】保持部材23の保持部に水平に保持されたウエハWa(Wb)を昇降ピン37a(37b)を介して載置台3a(3b)に受け渡すにあたって、保持部材23上のウエハWa、Wbの位置を検出し、その検出結果に基づいて保持部材23を移動させると共に、昇降ピン37a(37b)の上昇のタイミングを求め、保持部材23を移動させながら昇降ピン37a(37b)を突き上げてウエハWa(Wb)を受け取るようにしている。そしてウエハWa(Wb)を昇降ピン37a(37b)に受け渡す動作が安定するように減速区間を設定し、それ以外の区間では、従来通り高速で保持部材23を移動させる。
【解決手段】保持部材23の保持部に水平に保持されたウエハWa(Wb)を昇降ピン37a(37b)を介して載置台3a(3b)に受け渡すにあたって、保持部材23上のウエハWa、Wbの位置を検出し、その検出結果に基づいて保持部材23を移動させると共に、昇降ピン37a(37b)の上昇のタイミングを求め、保持部材23を移動させながら昇降ピン37a(37b)を突き上げてウエハWa(Wb)を受け取るようにしている。そしてウエハWa(Wb)を昇降ピン37a(37b)に受け渡す動作が安定するように減速区間を設定し、それ以外の区間では、従来通り高速で保持部材23を移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を基板搬送機構から昇降部材を介して載置台に受け渡す技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置における真空処理装置として、搬送アームが設けられた真空搬送室に複数の真空処理室を気密に接続して構成したマルチチャンバシステムがある。この装置は、前記搬送アームから真空容器内の載置台に基板を受け渡す場合、搬送アームを載置台上に停止させ、制御部がその停止信号を受け取ってから昇降ピンのアクチュエータにオン信号を出力する。そして昇降ピンが上昇して搬送アーム上のウエハを突き上げて受け取り、搬送アームを後退させてから昇降ピンを降下させることによりウエハが載置台に載置される。
【0003】
ところでマルチチャンバシステムは、高いスループットを得ることを目的の一つとして開発されたものであるが、より高いスループットの要求が強く、搬送アームと載置台との間の基板の受け渡しに要する時間を更に短縮することが望ましい。また真空処理装置に限らず、大気雰囲気中で枚葉処理、例えばレジスト膜形成のための薬液処理を行う装置においても、前記基板の受け渡しに要する時間の短縮化は有効である。
【0004】
一方特許文献1には、マルチチャンバシステムの搬送アームにより基板を2枚同時に真空容器内に搬送する基板処理システムが記載されている。このシステムは2枚同時搬送という点で高いスループットが期待されるが、搬送アーム上の2枚のウエハは、前処理モジュールから受け取るときに通常位置ずれが発生しているため、2枚の基板を2つの載置台に同時に受け渡すことができず、順番に昇降ピンを介して載置台に受け渡しを行うことになる。昇降ピンを用いた既述の受け渡しステップを順番に行うと、受け渡しに要する時間が長くなり、2枚同時搬送という利点を十分に生かすことができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5855681号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、昇降部材を介して載置台に基板を受け渡すにあたって、受け渡しに要する時間を短縮できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板受け渡し装置は、
基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させて載置台に基板を受け渡す基板受け渡し装置において、
前記基板の下面を保持し、前記載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する昇降部材と、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する到達時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の基板受け渡し方法は、
基板の下面を保持し、載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるための昇降部材と、保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、を用い、保持部材から前記昇降部材を介して載置台に基板を受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する工程と、
算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が移動しながら、前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の基板受け渡し方法は、
第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台と、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材と、を用い、第1の基板及び第2の基板を前記保持部材から夫々第1の載置台及び第2の載置台に受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す位置とを算出する工程と、
算出された第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が第1の基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速する工程と、
その後、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第1の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取る工程と、
次いで、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第2の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の基板処理装置は、
基板を処理するための複数の処理室が基板搬送室に接続され、各処理室には、基板を載置するための第1の載置台及び第2の載置台が設けられた基板処理装置において、
前記基板搬送室内には、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させて、前記複数の処理室の載置台との間で基板の受け渡しをするための基板搬送機構と、
前記基板の下面を保持し、前記第1の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する第1の昇降部材と、
前記基板の下面を保持し、前記第2の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により前記第1の昇降部材とは独立して昇降する第2の昇降部材と、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す第1の受け渡し位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す第2の受け渡し位置と、を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された第1の受け渡し位置及び第2の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する第1の到達時点及び第2の到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に、前記第1の昇降部材が第1の到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取り、次いで前記第2の昇降部材が第2の到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、昇降部材を介して載置台に基板を受け渡すにあたって、基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を予め算出し、保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に昇降部材が到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るようにしている。このため受け渡しに要する時間が短くて済むという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における真空処理装置を示す平面図である。
【図2】前記真空処理装置における搬送アーム及び載置台を示す斜視図である。
【図3】前記真空処理装置における真空処理室及び真空搬送室を示す縦断面図である。
【図4】前記真空処理装置における制御部を説明するブロック図である。
【図5】本実施形態の作用を説明するフロー図である。
【図6】前記載置台からウエハを受け取った前記搬送アームの保持部材を示す平面図である。
【図7】前記保持部材と昇降ピンとのウエハの受け渡しを説明する縦断面図である。
【図8】本実施形態の作用を説明する平面図である。
【図9】前記保持部材の移動軌跡を説明するベクトル図である。
【図10】前記昇降ピンの動作を説明する図である。
【図11】本実施形態における他の保持部材形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態として、本発明の基板受け渡し装置を真空処理装置に適用した場合を例に説明する。図1は、本発明の基板受け渡し装置を適用した、マルチチャンバシステムをなす真空処理装置の全体の概要を示した図である。図1中11は大気搬送室であり、この大気搬送室11には基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)Wの搬入出を行うための搬入出ステージ12が複数隣接して設けられている。また大気搬送室11内には基板搬送機構13が設けられると共に、大気搬送室11の背面側には2個のロードロック室14、15が設けられ、基板搬送機構13は、搬入出ステージ12及びロードロック室14、15との間でウエハWの受け渡しを行う。ロードロック室14、15内には各々、ウエハWを載置する2個の載置台16a、16bが横に並ぶように設けられている。ロードロック室14、15の背面側には真空搬送室1が設けられ、この真空搬送室1にはロードロック室14、15及び複数の真空処理室、例えば3個の真空処理室301、302、303が気密に接続されている。G1〜G3はゲートバルブである。
【0014】
真空搬送室1内には、ウエハWを2枚同時に保持することができる基板搬送機構である搬送アーム20が設けられている。この搬送アーム20は、図2に示すように、下段アーム部材21、中段アーム部材22、上段アーム部材23からなる多関節アームにより構成されている。上段アーム部材23は、ウエハWを水平に保持する保持部材であり、先端で二股に分かれて第1の保持部2aと第2の保持部2bとが形成されている。また搬送アーム20は図示しない直線移動用モータにより上段アーム部材23が直線運動をするように動作し、図示しない回転用モータにより3本のアーム部材21、22、23が一体となって同時に回転することができる。またこれらモータを連動させることで上段アーム部材23を所望の軌跡に沿って移動させることができる。前記2つのモータは、搬送アーム20の駆動部27を構成している。前記保持部2a、2bの位置は、前記2つのモータに接続されたパルスエンコーダ28により極座標(r、θ)の形式で管理されている。
【0015】
真空処理室301〜303は、真空処理モジュールの処理容器により構成され、この例では真空処理室301に対してウエハWに付着している有機物等を除去する前処理を割り当て、真空処理室302に対して前段の成膜処理を割り当て、真空処理室303に対して後段の成膜処理を割り当てている。そして真空処理室301〜303内には各々2つの載置台3a、3bが保持部材23の進入方向に対して左右に並ぶように設けられている。真空処理室302を代表として、その構成について簡単に述べておくと、図3に示すように、前記載置台3a、3bが夫々絶縁体34a、34bを介して真空処理室302の底部に設けられており、これら載置台3a、3bには夫々図示しないプラズマ生成用の高周波電源が設けられている。真空処理室302の天井部には、載置台3a、3bに対向するように、ガスシャワーヘッド35a、35bが設けられており、それらを介して図示しないガス供給系から処理ガスを真空チャンパ302内に供給することができる。また真空処理室302の底部には、真空ポンプ39が設けられた排気管30が接続されている。
【0016】
また載置台3a、3bには各々、昇降部材である3本の昇降ピン37a、37bが突出、埋没自在に設けられている(図3では図示せず)。載置台3aの3本の昇降ピン37aのグループと載置台3bの3本の昇降ピン37bのグループとは、各々昇降機構38a、38bにより互いに独立して昇降可能となっており、真空処理室302内における保持部材23と載置台3a(3b)との間においてウエハWの受け渡しを行うことができる。昇降ピン37a、37bは、保持部材23が後述の移動軌跡上を移動したときに、夫々保持部2a、2bと平面的に干渉しない配置となっている。この例では、図6に示すように、保持部材23から見て左側の昇降ピン37aは、保持部材23がホーム位置から前進する方向に平行な直線を右側に傾けた直線Kaに沿って互いに対向する2本の昇降ピン37a−1、37a−2と、直線Kaの背面側に位置する昇降ピン37a−3とからなる。また保持部材23から見て右側の昇降ピン37bは、前記平行な直線を左側に傾けた直線Kbに沿って互いに対向する2本の昇降ピン37b−1、37b−2と、直線Kbの背面側に位置する昇降ピン37b−3とからなる。ここでいうホーム位置とは、搬送アーム20が縮退した状態で、これから受け渡し動作を行う真空処理室に向けた姿勢となり、ウエハWa、Wbがずれることなく保持部2a、2bに保持されている場合に搬送アーム20を(回転させずに)前進させるだけでウエハWa、Wbを理想位置に載置できる保持部材23の位置のことをいう。
【0017】
前段の真空処理が行われる真空処理室301におけるホーム位置には、保持部材(上段アーム部材)23に対するウエハWの位置を検出するための位置検出部4の一部をなす3個のラインセンサ41〜43が設けられている。図1では、真空処理室301に対応するラインセンサ41〜43のみ示してある。ここで説明を容易にするために、保持部材23の第1の保持部2a及び第2の保持部2bに夫々保持されるウエハWをウエハWa及びウエハWbとすると、3個のラインセンサ41〜43の組は、これらウエハWa、Wbに対応して2組設けられている。ウエハWa、Wbに対する位置検出の手法は互いに同様であることから、一方のウエハWaの位置検出に関して説明する。なおウエハの符号については、記載事項に応じて使い分けることとする。ラインセンサ41〜43は、図3に示すように、発光部41A〜43Aと受光部41B〜43Bとが対になって構成されている。発光部41A〜43Aは、真空搬送室1の天井部に設けられた例えば石英からなる光透過窓45A〜47Aの上面に設けられており、受光部41B〜43Bは、それに対向するように、真空搬送室1の底部に設けられた例えば石英からなる光透過窓45B〜47Bの下面に設けられている。ラインセンサ41〜43は、ホーム位置に位置している保持部材23に保持されている場合のウエハWの周縁部に対応する位置に、各ラインセンサ41〜43が略等間隔に、かつその長さ方向をウエハWの中心に向けて配置されており、位置検出するウエハWの周縁部の3箇所を検出することができる。これにより、ウエハWの直径に誤差があってもそのウエハWの中心位置を算出することが可能となっている。ウエハWの所望の中心位置(理想位置)は既知であるため、そこから現在のウエハWの中心位置までのずれの量も算出することができる。ラインセンサ41〜43により検出された情報は、後述の位置演算部44にてデータ処理されてウエハWの変位分(搬送アーム20に係わる前記パルスエンコーダ28により管理されている駆動部27の座標上における変位分)が算出される。位置演算部44は、ラインセンサ41〜43と共に位置検出部4を構成するものである。
【0018】
制御部5は、図4に示すように、ウエハWを搬送するためのプログラム51を格納するプログラム格納部52、CPU53、メモリ54及びバス55などを含むコンピュータにより構成されている。プログラム51は、ウエハWの位置検出部4にて検出された保持部材23に対するウエハWの中心位置、より詳しくは第1の保持部2aに対するウエハWaの中心位置及び第2の保持部2bに対するウエハWbの中心位置に基づいて、各ウエハWa、Wbを真空処理室302内の昇降ピンに受け渡すための受け渡し位置を算出すると共に保持部材23の軌道(移動軌跡)を算出するためのステップ群を有する。受け渡し位置とは、搬送アーム20の位置、即ち搬送アーム20の駆動部27で管理されている駆動系座標で表わされる保持部材23の位置である。本実施の形態では、このステップ群の一部及びCPU53は、ウエハWの受け渡し位置を算出する位置算出部に相当する。
【0019】
またプログラム51は、前記保持部材23の移動軌跡と予め設定された速度とに基づいて、各ウエハWa、Wbが前記受け渡し位置に到達する時点を算出するステップ群を有する。本実施の形態では、これらステップ群及びCPU53は、到達時点算出部に相当する。プログラム51は、例えばUSBメモリやDVD−ROMなどの記憶媒体を介してインストールされる。図4において、38a及び38bは昇降ピンを昇降させるための例えばエアシリンダなどの昇降機構である。また27は搬送アーム20の駆動部であり直線駆動用モータ及び回転用モータを含み、28はこれらモータに連結されたパルスエンコーダであり、制御部5はこのエンコーダ28からのパルスに基づいて、保持部材23の位置を管理することができる。
【0020】
次に、上述の実施形態における作用について説明する。先ず図1に示す真空処理装置におけるウエハWの流れについて述べる。搬入出ステージ12に搬送されたFOUP121内のウエハWが大気搬送室11内の基板搬送機構13により受け取られて、大気搬送室11を経由してロードロック室14内の載置台16aに受け渡される。同様にしてもう1枚のウエハWも同じロードロック室14のもう一方の載置台16b上に受け渡される。その後、ゲートバルブG1が閉じられて、このロードロック室14は所定の圧力に減圧される。そしてゲートバルブG2が開き、ロードロック室14内に載置された2枚のウエハW(Wa)、W(Wb)が搬送アーム20の保持部2a、2bにより夫々受け取られ、真空処理室301に搬送される。この搬送の段階で各保持部2a(2b)上のウエハWa(Wb)の位置が検出されて、その検出結果に応じて真空処理室301内の載置台に受け渡されるが、この点は、後述する真空処理室301から真空処理室302へのウエハWの搬送と同様であるため、ここでは省略する。
【0021】
真空処理室301にて真空処理が行われ、次いで載置台3a、3b上のウエハWa、Wbが搬送アーム20の保持部2a、2bに夫々受け取られる(図5中ステップS1、S2)。搬送アーム20に受け渡されたウエハWa、Wbは、図6に示すように、理想位置からずれる場合がある。図6中、保持部2a、2bの中心を始点とする矢印がウエハWa、Wbのずれを示している。ウエハWa、Wbの位置がずれるとは、保持部2a、2bにおいて予定しているウエハWa、Wbの中心位置(理想位置)に対して、そのときのウエハWa、Wbの中心位置がずれている状態を指している。この原因としては、真空処理中におけるガスの流れによりウエハが動いたり、あるいは静電チャックを使用している場合には、昇降ピン37a、37bがウエハWa、Wbを載置台3a、3bから受け取る際に、静電チャックの給電を切ったときの残留電荷による吸着によりウエハWa、Wbが跳ねるなどの要因が挙げられる。
【0022】
ウエハWa、Wbを受け取った保持部2a、2bは、真空搬送室1の中心部に向けて真空処理室301に対応するホーム位置まで後退し(図5ステップS3)、その後真空処理室302に対応するホーム位置に移動する。図6は、真空処理室301に対応するホーム位置まで後退するときの状態を示している。真空処理室301に対応するホーム位置において、ウエハWa、Wb夫々の中心位置が既述のようにして位置検出部4により検出される。次いで、この検出結果に基づいて、ウエハWaを真空処理室302の昇降ピン37aに受け渡すときの保持部材23の位置、及びウエハWbを真空処理室302の昇降ピン37bに受け渡すときの保持部材23の位置を算出する(図5ステップS4)。
【0023】
ウエハWa、Wbの各中心位置が各保持部2a、2bにおける理想位置(予め設定されたウエハWの中心位置)であるときに、保持部2a(2b)と昇降ピン37a(37b)との間でウエハWa(Wb)を受け渡すときの保持部材23の位置については予め制御部5のメモリ54内に書き込まれていることから、ウエハWa(Wb)の中心位置と理想位置とのずれ量をX、Y座標の座標値として求めておくことで、ウエハWの受け渡し時の保持部材23の位置が算出できる。こうして求められたウエハWa、Wbの受け渡し位置を夫々Pa、Pbとすると、この後、搬送アーム20は、保持部材23が受け渡し位置Pa、Pbの順で直線移動するように、より詳しく述べれば、受け渡し位置Pa、Pbを結ぶ直線の前後に予め設定された長さLの助走区間を含む直線の移動軌跡を、当該移動軌跡の前後における保持部材23の移動速度よりも減速された速度で実質等速移動するように動作する。この移動軌跡については後述するが、図9に示してある。
【0024】
図5のフローに戻って、そこでステップS5では、保持部材23の減速区間である軌道(前記移動軌跡)が算出される。この移動軌跡、保持部材23が後退している状態で真空処理室302に向いているホーム位置から助走開始点P1に至るまでの時間、開始点P1からウエハWaの受け渡し位置Pa及びウエハWbの受け渡し位置Pbに至るまでの時間の合計から、ウエハWaのPaへの到達時点及びウエハWbのPbへの到達時点が求まる。この例では保持部材23が、前記ホーム位置から助走開始点P1に向かうまでの速度に対し、前記移動軌跡を移動するときの速度を減速し、例えば10m/sもの遅い速度に設定している。このためホーム位置、P1、Pa、Pbの位置が決まり、各速度が分かれば、前記到達時点を算出できる。なお搬送アーム20の加速度は非常に大きいため、この時間は考慮しなくとも影響がない。更にウエハWa、Wbの受け渡し位置の到達時点が求まると、昇降ピン37a、37bの昇降機構38に上昇開始指令を出力してからその先端がウエハWa、Wbの受け取り高さに到達するまでの時間を考慮することで、昇降ピン37a、37bの上昇開始時点が算出される。図5のステップS6では、このような一連の演算が行われる。そして搬送アーム20を伸長させて保持部材23を開始点P1に移動させる(図5ステップS7)。
【0025】
これ以降の保持部材23、ウエハWa(Wb)及び昇降ピン37a(37b)の様子を、一方のウエハWaだけに着目して示した図7と、ウエハWa、Wbの搬送の様子を平面的に示した図8とについても参照しながら説明を進める。開始点P1に移動した保持部材23は減速して、算出した軌道に沿って終了点P2に向けて低速度にて等速で移動する(図5ステップS8、図7(a)及び図8(b))。その後、既述のステップS6にて算出された昇降ピン37a、37bの上昇開始時点になると、昇降ピン37a、37bが上昇を開始する(図7(b))。そして保持部材23が受け渡し位置Paに達すると、保持部材23が等速運動を続けた状態で、昇降ピン37aがウエハWaの下面レベルの高さに到達してウエハWaを突き上げ、当該ウエハWaが第1の保持部2aから昇降ピン37aに受け渡される(図5ステップS9、図7(c)、(d)及び図8(c))。更に保持部材23は等速運動を続け、受け渡し位置Pbに達すると、保持部材23が等速運動を続けた状態で、昇降ピン37bがウエハWbの下面レベルの高さに到達してウエハWbを突き上げ、当該ウエハWbが第2の保持部2bから昇降ピン37bに受け渡される(図5ステップS10、図7(c)、(d)及び図8(d))。その後保持部材23は、終了点P2まで等速運動を続けた後(図8(e))、搬送アーム20が縮退しホーム位置に戻る(図5ステップS11及び図8(f))。
【0026】
上述のステップS4及びS5における保持部材23の等速運動の開始点P1、終了点P2、そして開始点P1から終了点P2までの移動軌跡である等速運動の軌道の算出について図9を用いて説明する。第1のウエハWaの中心位置及び第2のウエハWbの中心位置が保持部2a、2bに対して予定している位置(理想位置)にあるときにおける保持部2a、2bから昇降ピン37a、37bに受け渡す時の保持部材23の位置P0を(X0、Y0)とする。
今、図9に示すように、保持部材23の座標について、搬送アーム20が伸び出す方向及び右側を「+」、その逆側を「−」とし、ウエハWaの中心位置について理想位置に対する変位が(+Xa、−Ya)であり、ウエハWbの中心位置について理想位置に対する変位が(−Xb、+Yb)であったとする。この場合、ウエハWaの受け渡し位置Paは{(X0−Xa)、(Y0+Ya)}、ウエハWbの受け渡し位置Pbは{(X0+Xb)、(Y0−Yb)}と算出される。
【0027】
この実施形態では、既述のように受け渡し位置Paと受け渡し位置Pbとを結ぶ直線の前後に、長さがLの助走区間を設定している。従って、保持部材23の等速運動の開始点P1及び終了点P2のX座標、Y座標は夫々、以下のように表される。
開始点P1のX座標: X0−Xa−[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Xa+Xb)
開始点P1のY座標: Y0+Ya−[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Ya+Yb)
終了点P2のX座標: X0+Xb+[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Xa+Xb)
終了点P2のY座標: Y0−Yb+[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Ya+Yb)
【0028】
前段及び後段の助走区間は、保持部材23の等速運動が安定化するだけの距離を設定すればよい。また後段の助走区間(オーバーラン区間)は、上述のように前段の助走区間と同じ長さの距離でなくてもよい。また開始点P1から終了点P2までの移動は、直線移動用のモータと回転用のモータとを同時に駆動することで実行できる。
【0029】
保持部材23が移動軌跡の開始点P1から終了点P2に移動したときに、昇降ピン37a、37bの高さ位置が推移する様子を図10に示しておく。昇降ピン37a、37bの上昇開始時点(図10では、t1、t2)は、制御部5が上昇指令を発して待機位置から上昇を開始し、ウエハWa、Wbの受け渡し位置まで到達する時間Ta、Tb(図10では、Ta=t3−t1、Tb=t4−t2)を事前に調べておくことにより算出できる。即ち、保持部材23の開始点P1出発時点で決定される受け渡し位置Pa、Pbの通過時刻(図10では、t3、t4)から時間Ta、Tbだけ遡ることにより算出される。以上の動作は真空処理室301から真空処理室302にウエハWを搬送する場合を例にとっているが、前段のモジュール(ロードロック室14、15を含む)から後段のモジュールにウエハWを搬送する場合にも同様の受け渡し動作が行われる。
【0030】
上述の実施形態によれば、保持部材23の保持部2a、2bに水平に保持されたウエハWa、Wbを昇降ピン37a、37bを介して載置台3a、3bに受け渡すにあたって、保持部材23上のウエハWa、Wbの位置を検出し、検出結果に基づいて搬送アーム20を動作させると共に、昇降ピン37a、37bの上昇のタイミングを求め、搬送アーム20(保持部材23)を移動させながら昇降ピン37a、37bを突き上げてウエハWa、Wbを受け取るようにしている。そしてウエハWa、Wbを昇降ピン37a、37bに受け渡す動作が安定するように等速で移動する減速区間を設定し、それ以外の区間では、従来通り高速で搬送アーム20を動作させていることから、減速区間があるとはいっても、従来の既述の受け渡しシーケンスに比べて受け渡し時間を短縮できる。このためウエハWの受け渡しに要する時間が短くて済み、真空処理装置におけるスループットの向上に寄与する。
また本発明者は、受け渡し位置Pa、Pb夫々において、ウエハWa、Wbを保持した保持部材23を受け渡し位置Pa、Pbに移動させ、そこに停止させてから昇降ピン37a、37bを上昇させてウエハWa、Wbを受け取らせる場合と、上述の実施形態の受け渡し手法とについて、2枚のウエハWの受け渡しに要する時間を計算したところ、上述の実施形態の方が約1秒早いことを確認した。この結果は、1時間あたりに処理できるウエハWの枚数が1割程度多くなることを意味する。
【0031】
本発明は、保持部材23の移動軌跡が直線に限られるものではなく、曲線や折れ線などであってもよい。また本発明は既述の助走区間やオーバーラン区間を設定することに限られるものではないが、これらの区間を設定することにより、保持部材23の移動動作が安定することから好ましい。更にまたウエハWを受け渡した後のオーバーラン区間においては、保持部材23は等速で移動しなくてもよい。
上述の実施形態では、1台の搬送アーム20により2枚のウエハWを同時搬送する場合について記載しているが、本発明はそれに限らず、1台の搬送アームにより1枚のウエハを搬送する場合に用いてもよいし、3枚以上のウエハを搬送する場合でもよい。また本発明は、搬送アーム20として多関節アームに限らず、搬送基体に対して保持部材23が前後にスライドするスライド型搬送機構であってもよい。
【0032】
保持部材23の保持部2a、2bは、上述の実施形態の形状に限られるものではなく、図11(a)に示すように、逆三角形部分と当該部分の左右両端から前方に各々伸び出した帯状部分とを有する構造やウエハWを周縁部にて保持する馬蹄形状(図11(b))のものでもよい。なお図11中、201〜203は昇降ピンである。
上述の実施形態では、真空処理を行うマルチチャンバシステムに適用した場合について記載しているが、本発明はそれに限らず、常圧雰囲気の処理例えばレジストパターンを形成する処理装置(レジストの塗布、現像装置)、ウエハの洗浄装置、ウエハの検査装置(プローバ)などにおいて、処理モジュールや受け渡し台などにウエハを受け渡す場合に対して適用してもよい。
本発明は、半導体ウエハに限らず、例えばフラットパネルディスプレイ用などのガラス基板を被処理基板とする基板処理装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
W、Wa、Wb ウエハ
P1 保持部材の等速運動開始点
P2 保持部材の等速運動終了点
P0 保持部材におけるウエハ受け渡しの理想位置
Pa 保持部材におけるウエハWaの受け渡し位置
Pb 保持部材におけるウエハWbの受け渡し位置
1 真空搬送室
23 保持部材
2a 第1の保持部
2b 第2の保持部
3 真空処理室
3a、3b 載置台
37a、37b 昇降ピン
4 位置検出部
5 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を基板搬送機構から昇降部材を介して載置台に受け渡す技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置における真空処理装置として、搬送アームが設けられた真空搬送室に複数の真空処理室を気密に接続して構成したマルチチャンバシステムがある。この装置は、前記搬送アームから真空容器内の載置台に基板を受け渡す場合、搬送アームを載置台上に停止させ、制御部がその停止信号を受け取ってから昇降ピンのアクチュエータにオン信号を出力する。そして昇降ピンが上昇して搬送アーム上のウエハを突き上げて受け取り、搬送アームを後退させてから昇降ピンを降下させることによりウエハが載置台に載置される。
【0003】
ところでマルチチャンバシステムは、高いスループットを得ることを目的の一つとして開発されたものであるが、より高いスループットの要求が強く、搬送アームと載置台との間の基板の受け渡しに要する時間を更に短縮することが望ましい。また真空処理装置に限らず、大気雰囲気中で枚葉処理、例えばレジスト膜形成のための薬液処理を行う装置においても、前記基板の受け渡しに要する時間の短縮化は有効である。
【0004】
一方特許文献1には、マルチチャンバシステムの搬送アームにより基板を2枚同時に真空容器内に搬送する基板処理システムが記載されている。このシステムは2枚同時搬送という点で高いスループットが期待されるが、搬送アーム上の2枚のウエハは、前処理モジュールから受け取るときに通常位置ずれが発生しているため、2枚の基板を2つの載置台に同時に受け渡すことができず、順番に昇降ピンを介して載置台に受け渡しを行うことになる。昇降ピンを用いた既述の受け渡しステップを順番に行うと、受け渡しに要する時間が長くなり、2枚同時搬送という利点を十分に生かすことができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第5855681号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、昇降部材を介して載置台に基板を受け渡すにあたって、受け渡しに要する時間を短縮できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の基板受け渡し装置は、
基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させて載置台に基板を受け渡す基板受け渡し装置において、
前記基板の下面を保持し、前記載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する昇降部材と、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する到達時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の基板受け渡し方法は、
基板の下面を保持し、載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるための昇降部材と、保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、を用い、保持部材から前記昇降部材を介して載置台に基板を受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する工程と、
算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が移動しながら、前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の他の基板受け渡し方法は、
第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台と、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材と、を用い、第1の基板及び第2の基板を前記保持部材から夫々第1の載置台及び第2の載置台に受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す位置とを算出する工程と、
算出された第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が第1の基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速する工程と、
その後、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第1の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取る工程と、
次いで、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第2の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の基板処理装置は、
基板を処理するための複数の処理室が基板搬送室に接続され、各処理室には、基板を載置するための第1の載置台及び第2の載置台が設けられた基板処理装置において、
前記基板搬送室内には、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させて、前記複数の処理室の載置台との間で基板の受け渡しをするための基板搬送機構と、
前記基板の下面を保持し、前記第1の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する第1の昇降部材と、
前記基板の下面を保持し、前記第2の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により前記第1の昇降部材とは独立して昇降する第2の昇降部材と、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す第1の受け渡し位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す第2の受け渡し位置と、を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された第1の受け渡し位置及び第2の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する第1の到達時点及び第2の到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に、前記第1の昇降部材が第1の到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取り、次いで前記第2の昇降部材が第2の到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、昇降部材を介して載置台に基板を受け渡すにあたって、基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を予め算出し、保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に昇降部材が到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るようにしている。このため受け渡しに要する時間が短くて済むという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態における真空処理装置を示す平面図である。
【図2】前記真空処理装置における搬送アーム及び載置台を示す斜視図である。
【図3】前記真空処理装置における真空処理室及び真空搬送室を示す縦断面図である。
【図4】前記真空処理装置における制御部を説明するブロック図である。
【図5】本実施形態の作用を説明するフロー図である。
【図6】前記載置台からウエハを受け取った前記搬送アームの保持部材を示す平面図である。
【図7】前記保持部材と昇降ピンとのウエハの受け渡しを説明する縦断面図である。
【図8】本実施形態の作用を説明する平面図である。
【図9】前記保持部材の移動軌跡を説明するベクトル図である。
【図10】前記昇降ピンの動作を説明する図である。
【図11】本実施形態における他の保持部材形状を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態として、本発明の基板受け渡し装置を真空処理装置に適用した場合を例に説明する。図1は、本発明の基板受け渡し装置を適用した、マルチチャンバシステムをなす真空処理装置の全体の概要を示した図である。図1中11は大気搬送室であり、この大気搬送室11には基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)Wの搬入出を行うための搬入出ステージ12が複数隣接して設けられている。また大気搬送室11内には基板搬送機構13が設けられると共に、大気搬送室11の背面側には2個のロードロック室14、15が設けられ、基板搬送機構13は、搬入出ステージ12及びロードロック室14、15との間でウエハWの受け渡しを行う。ロードロック室14、15内には各々、ウエハWを載置する2個の載置台16a、16bが横に並ぶように設けられている。ロードロック室14、15の背面側には真空搬送室1が設けられ、この真空搬送室1にはロードロック室14、15及び複数の真空処理室、例えば3個の真空処理室301、302、303が気密に接続されている。G1〜G3はゲートバルブである。
【0014】
真空搬送室1内には、ウエハWを2枚同時に保持することができる基板搬送機構である搬送アーム20が設けられている。この搬送アーム20は、図2に示すように、下段アーム部材21、中段アーム部材22、上段アーム部材23からなる多関節アームにより構成されている。上段アーム部材23は、ウエハWを水平に保持する保持部材であり、先端で二股に分かれて第1の保持部2aと第2の保持部2bとが形成されている。また搬送アーム20は図示しない直線移動用モータにより上段アーム部材23が直線運動をするように動作し、図示しない回転用モータにより3本のアーム部材21、22、23が一体となって同時に回転することができる。またこれらモータを連動させることで上段アーム部材23を所望の軌跡に沿って移動させることができる。前記2つのモータは、搬送アーム20の駆動部27を構成している。前記保持部2a、2bの位置は、前記2つのモータに接続されたパルスエンコーダ28により極座標(r、θ)の形式で管理されている。
【0015】
真空処理室301〜303は、真空処理モジュールの処理容器により構成され、この例では真空処理室301に対してウエハWに付着している有機物等を除去する前処理を割り当て、真空処理室302に対して前段の成膜処理を割り当て、真空処理室303に対して後段の成膜処理を割り当てている。そして真空処理室301〜303内には各々2つの載置台3a、3bが保持部材23の進入方向に対して左右に並ぶように設けられている。真空処理室302を代表として、その構成について簡単に述べておくと、図3に示すように、前記載置台3a、3bが夫々絶縁体34a、34bを介して真空処理室302の底部に設けられており、これら載置台3a、3bには夫々図示しないプラズマ生成用の高周波電源が設けられている。真空処理室302の天井部には、載置台3a、3bに対向するように、ガスシャワーヘッド35a、35bが設けられており、それらを介して図示しないガス供給系から処理ガスを真空チャンパ302内に供給することができる。また真空処理室302の底部には、真空ポンプ39が設けられた排気管30が接続されている。
【0016】
また載置台3a、3bには各々、昇降部材である3本の昇降ピン37a、37bが突出、埋没自在に設けられている(図3では図示せず)。載置台3aの3本の昇降ピン37aのグループと載置台3bの3本の昇降ピン37bのグループとは、各々昇降機構38a、38bにより互いに独立して昇降可能となっており、真空処理室302内における保持部材23と載置台3a(3b)との間においてウエハWの受け渡しを行うことができる。昇降ピン37a、37bは、保持部材23が後述の移動軌跡上を移動したときに、夫々保持部2a、2bと平面的に干渉しない配置となっている。この例では、図6に示すように、保持部材23から見て左側の昇降ピン37aは、保持部材23がホーム位置から前進する方向に平行な直線を右側に傾けた直線Kaに沿って互いに対向する2本の昇降ピン37a−1、37a−2と、直線Kaの背面側に位置する昇降ピン37a−3とからなる。また保持部材23から見て右側の昇降ピン37bは、前記平行な直線を左側に傾けた直線Kbに沿って互いに対向する2本の昇降ピン37b−1、37b−2と、直線Kbの背面側に位置する昇降ピン37b−3とからなる。ここでいうホーム位置とは、搬送アーム20が縮退した状態で、これから受け渡し動作を行う真空処理室に向けた姿勢となり、ウエハWa、Wbがずれることなく保持部2a、2bに保持されている場合に搬送アーム20を(回転させずに)前進させるだけでウエハWa、Wbを理想位置に載置できる保持部材23の位置のことをいう。
【0017】
前段の真空処理が行われる真空処理室301におけるホーム位置には、保持部材(上段アーム部材)23に対するウエハWの位置を検出するための位置検出部4の一部をなす3個のラインセンサ41〜43が設けられている。図1では、真空処理室301に対応するラインセンサ41〜43のみ示してある。ここで説明を容易にするために、保持部材23の第1の保持部2a及び第2の保持部2bに夫々保持されるウエハWをウエハWa及びウエハWbとすると、3個のラインセンサ41〜43の組は、これらウエハWa、Wbに対応して2組設けられている。ウエハWa、Wbに対する位置検出の手法は互いに同様であることから、一方のウエハWaの位置検出に関して説明する。なおウエハの符号については、記載事項に応じて使い分けることとする。ラインセンサ41〜43は、図3に示すように、発光部41A〜43Aと受光部41B〜43Bとが対になって構成されている。発光部41A〜43Aは、真空搬送室1の天井部に設けられた例えば石英からなる光透過窓45A〜47Aの上面に設けられており、受光部41B〜43Bは、それに対向するように、真空搬送室1の底部に設けられた例えば石英からなる光透過窓45B〜47Bの下面に設けられている。ラインセンサ41〜43は、ホーム位置に位置している保持部材23に保持されている場合のウエハWの周縁部に対応する位置に、各ラインセンサ41〜43が略等間隔に、かつその長さ方向をウエハWの中心に向けて配置されており、位置検出するウエハWの周縁部の3箇所を検出することができる。これにより、ウエハWの直径に誤差があってもそのウエハWの中心位置を算出することが可能となっている。ウエハWの所望の中心位置(理想位置)は既知であるため、そこから現在のウエハWの中心位置までのずれの量も算出することができる。ラインセンサ41〜43により検出された情報は、後述の位置演算部44にてデータ処理されてウエハWの変位分(搬送アーム20に係わる前記パルスエンコーダ28により管理されている駆動部27の座標上における変位分)が算出される。位置演算部44は、ラインセンサ41〜43と共に位置検出部4を構成するものである。
【0018】
制御部5は、図4に示すように、ウエハWを搬送するためのプログラム51を格納するプログラム格納部52、CPU53、メモリ54及びバス55などを含むコンピュータにより構成されている。プログラム51は、ウエハWの位置検出部4にて検出された保持部材23に対するウエハWの中心位置、より詳しくは第1の保持部2aに対するウエハWaの中心位置及び第2の保持部2bに対するウエハWbの中心位置に基づいて、各ウエハWa、Wbを真空処理室302内の昇降ピンに受け渡すための受け渡し位置を算出すると共に保持部材23の軌道(移動軌跡)を算出するためのステップ群を有する。受け渡し位置とは、搬送アーム20の位置、即ち搬送アーム20の駆動部27で管理されている駆動系座標で表わされる保持部材23の位置である。本実施の形態では、このステップ群の一部及びCPU53は、ウエハWの受け渡し位置を算出する位置算出部に相当する。
【0019】
またプログラム51は、前記保持部材23の移動軌跡と予め設定された速度とに基づいて、各ウエハWa、Wbが前記受け渡し位置に到達する時点を算出するステップ群を有する。本実施の形態では、これらステップ群及びCPU53は、到達時点算出部に相当する。プログラム51は、例えばUSBメモリやDVD−ROMなどの記憶媒体を介してインストールされる。図4において、38a及び38bは昇降ピンを昇降させるための例えばエアシリンダなどの昇降機構である。また27は搬送アーム20の駆動部であり直線駆動用モータ及び回転用モータを含み、28はこれらモータに連結されたパルスエンコーダであり、制御部5はこのエンコーダ28からのパルスに基づいて、保持部材23の位置を管理することができる。
【0020】
次に、上述の実施形態における作用について説明する。先ず図1に示す真空処理装置におけるウエハWの流れについて述べる。搬入出ステージ12に搬送されたFOUP121内のウエハWが大気搬送室11内の基板搬送機構13により受け取られて、大気搬送室11を経由してロードロック室14内の載置台16aに受け渡される。同様にしてもう1枚のウエハWも同じロードロック室14のもう一方の載置台16b上に受け渡される。その後、ゲートバルブG1が閉じられて、このロードロック室14は所定の圧力に減圧される。そしてゲートバルブG2が開き、ロードロック室14内に載置された2枚のウエハW(Wa)、W(Wb)が搬送アーム20の保持部2a、2bにより夫々受け取られ、真空処理室301に搬送される。この搬送の段階で各保持部2a(2b)上のウエハWa(Wb)の位置が検出されて、その検出結果に応じて真空処理室301内の載置台に受け渡されるが、この点は、後述する真空処理室301から真空処理室302へのウエハWの搬送と同様であるため、ここでは省略する。
【0021】
真空処理室301にて真空処理が行われ、次いで載置台3a、3b上のウエハWa、Wbが搬送アーム20の保持部2a、2bに夫々受け取られる(図5中ステップS1、S2)。搬送アーム20に受け渡されたウエハWa、Wbは、図6に示すように、理想位置からずれる場合がある。図6中、保持部2a、2bの中心を始点とする矢印がウエハWa、Wbのずれを示している。ウエハWa、Wbの位置がずれるとは、保持部2a、2bにおいて予定しているウエハWa、Wbの中心位置(理想位置)に対して、そのときのウエハWa、Wbの中心位置がずれている状態を指している。この原因としては、真空処理中におけるガスの流れによりウエハが動いたり、あるいは静電チャックを使用している場合には、昇降ピン37a、37bがウエハWa、Wbを載置台3a、3bから受け取る際に、静電チャックの給電を切ったときの残留電荷による吸着によりウエハWa、Wbが跳ねるなどの要因が挙げられる。
【0022】
ウエハWa、Wbを受け取った保持部2a、2bは、真空搬送室1の中心部に向けて真空処理室301に対応するホーム位置まで後退し(図5ステップS3)、その後真空処理室302に対応するホーム位置に移動する。図6は、真空処理室301に対応するホーム位置まで後退するときの状態を示している。真空処理室301に対応するホーム位置において、ウエハWa、Wb夫々の中心位置が既述のようにして位置検出部4により検出される。次いで、この検出結果に基づいて、ウエハWaを真空処理室302の昇降ピン37aに受け渡すときの保持部材23の位置、及びウエハWbを真空処理室302の昇降ピン37bに受け渡すときの保持部材23の位置を算出する(図5ステップS4)。
【0023】
ウエハWa、Wbの各中心位置が各保持部2a、2bにおける理想位置(予め設定されたウエハWの中心位置)であるときに、保持部2a(2b)と昇降ピン37a(37b)との間でウエハWa(Wb)を受け渡すときの保持部材23の位置については予め制御部5のメモリ54内に書き込まれていることから、ウエハWa(Wb)の中心位置と理想位置とのずれ量をX、Y座標の座標値として求めておくことで、ウエハWの受け渡し時の保持部材23の位置が算出できる。こうして求められたウエハWa、Wbの受け渡し位置を夫々Pa、Pbとすると、この後、搬送アーム20は、保持部材23が受け渡し位置Pa、Pbの順で直線移動するように、より詳しく述べれば、受け渡し位置Pa、Pbを結ぶ直線の前後に予め設定された長さLの助走区間を含む直線の移動軌跡を、当該移動軌跡の前後における保持部材23の移動速度よりも減速された速度で実質等速移動するように動作する。この移動軌跡については後述するが、図9に示してある。
【0024】
図5のフローに戻って、そこでステップS5では、保持部材23の減速区間である軌道(前記移動軌跡)が算出される。この移動軌跡、保持部材23が後退している状態で真空処理室302に向いているホーム位置から助走開始点P1に至るまでの時間、開始点P1からウエハWaの受け渡し位置Pa及びウエハWbの受け渡し位置Pbに至るまでの時間の合計から、ウエハWaのPaへの到達時点及びウエハWbのPbへの到達時点が求まる。この例では保持部材23が、前記ホーム位置から助走開始点P1に向かうまでの速度に対し、前記移動軌跡を移動するときの速度を減速し、例えば10m/sもの遅い速度に設定している。このためホーム位置、P1、Pa、Pbの位置が決まり、各速度が分かれば、前記到達時点を算出できる。なお搬送アーム20の加速度は非常に大きいため、この時間は考慮しなくとも影響がない。更にウエハWa、Wbの受け渡し位置の到達時点が求まると、昇降ピン37a、37bの昇降機構38に上昇開始指令を出力してからその先端がウエハWa、Wbの受け取り高さに到達するまでの時間を考慮することで、昇降ピン37a、37bの上昇開始時点が算出される。図5のステップS6では、このような一連の演算が行われる。そして搬送アーム20を伸長させて保持部材23を開始点P1に移動させる(図5ステップS7)。
【0025】
これ以降の保持部材23、ウエハWa(Wb)及び昇降ピン37a(37b)の様子を、一方のウエハWaだけに着目して示した図7と、ウエハWa、Wbの搬送の様子を平面的に示した図8とについても参照しながら説明を進める。開始点P1に移動した保持部材23は減速して、算出した軌道に沿って終了点P2に向けて低速度にて等速で移動する(図5ステップS8、図7(a)及び図8(b))。その後、既述のステップS6にて算出された昇降ピン37a、37bの上昇開始時点になると、昇降ピン37a、37bが上昇を開始する(図7(b))。そして保持部材23が受け渡し位置Paに達すると、保持部材23が等速運動を続けた状態で、昇降ピン37aがウエハWaの下面レベルの高さに到達してウエハWaを突き上げ、当該ウエハWaが第1の保持部2aから昇降ピン37aに受け渡される(図5ステップS9、図7(c)、(d)及び図8(c))。更に保持部材23は等速運動を続け、受け渡し位置Pbに達すると、保持部材23が等速運動を続けた状態で、昇降ピン37bがウエハWbの下面レベルの高さに到達してウエハWbを突き上げ、当該ウエハWbが第2の保持部2bから昇降ピン37bに受け渡される(図5ステップS10、図7(c)、(d)及び図8(d))。その後保持部材23は、終了点P2まで等速運動を続けた後(図8(e))、搬送アーム20が縮退しホーム位置に戻る(図5ステップS11及び図8(f))。
【0026】
上述のステップS4及びS5における保持部材23の等速運動の開始点P1、終了点P2、そして開始点P1から終了点P2までの移動軌跡である等速運動の軌道の算出について図9を用いて説明する。第1のウエハWaの中心位置及び第2のウエハWbの中心位置が保持部2a、2bに対して予定している位置(理想位置)にあるときにおける保持部2a、2bから昇降ピン37a、37bに受け渡す時の保持部材23の位置P0を(X0、Y0)とする。
今、図9に示すように、保持部材23の座標について、搬送アーム20が伸び出す方向及び右側を「+」、その逆側を「−」とし、ウエハWaの中心位置について理想位置に対する変位が(+Xa、−Ya)であり、ウエハWbの中心位置について理想位置に対する変位が(−Xb、+Yb)であったとする。この場合、ウエハWaの受け渡し位置Paは{(X0−Xa)、(Y0+Ya)}、ウエハWbの受け渡し位置Pbは{(X0+Xb)、(Y0−Yb)}と算出される。
【0027】
この実施形態では、既述のように受け渡し位置Paと受け渡し位置Pbとを結ぶ直線の前後に、長さがLの助走区間を設定している。従って、保持部材23の等速運動の開始点P1及び終了点P2のX座標、Y座標は夫々、以下のように表される。
開始点P1のX座標: X0−Xa−[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Xa+Xb)
開始点P1のY座標: Y0+Ya−[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Ya+Yb)
終了点P2のX座標: X0+Xb+[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Xa+Xb)
終了点P2のY座標: Y0−Yb+[L/{(Xa+Xb)2+(Ya+Yb)2}1/2]・(Ya+Yb)
【0028】
前段及び後段の助走区間は、保持部材23の等速運動が安定化するだけの距離を設定すればよい。また後段の助走区間(オーバーラン区間)は、上述のように前段の助走区間と同じ長さの距離でなくてもよい。また開始点P1から終了点P2までの移動は、直線移動用のモータと回転用のモータとを同時に駆動することで実行できる。
【0029】
保持部材23が移動軌跡の開始点P1から終了点P2に移動したときに、昇降ピン37a、37bの高さ位置が推移する様子を図10に示しておく。昇降ピン37a、37bの上昇開始時点(図10では、t1、t2)は、制御部5が上昇指令を発して待機位置から上昇を開始し、ウエハWa、Wbの受け渡し位置まで到達する時間Ta、Tb(図10では、Ta=t3−t1、Tb=t4−t2)を事前に調べておくことにより算出できる。即ち、保持部材23の開始点P1出発時点で決定される受け渡し位置Pa、Pbの通過時刻(図10では、t3、t4)から時間Ta、Tbだけ遡ることにより算出される。以上の動作は真空処理室301から真空処理室302にウエハWを搬送する場合を例にとっているが、前段のモジュール(ロードロック室14、15を含む)から後段のモジュールにウエハWを搬送する場合にも同様の受け渡し動作が行われる。
【0030】
上述の実施形態によれば、保持部材23の保持部2a、2bに水平に保持されたウエハWa、Wbを昇降ピン37a、37bを介して載置台3a、3bに受け渡すにあたって、保持部材23上のウエハWa、Wbの位置を検出し、検出結果に基づいて搬送アーム20を動作させると共に、昇降ピン37a、37bの上昇のタイミングを求め、搬送アーム20(保持部材23)を移動させながら昇降ピン37a、37bを突き上げてウエハWa、Wbを受け取るようにしている。そしてウエハWa、Wbを昇降ピン37a、37bに受け渡す動作が安定するように等速で移動する減速区間を設定し、それ以外の区間では、従来通り高速で搬送アーム20を動作させていることから、減速区間があるとはいっても、従来の既述の受け渡しシーケンスに比べて受け渡し時間を短縮できる。このためウエハWの受け渡しに要する時間が短くて済み、真空処理装置におけるスループットの向上に寄与する。
また本発明者は、受け渡し位置Pa、Pb夫々において、ウエハWa、Wbを保持した保持部材23を受け渡し位置Pa、Pbに移動させ、そこに停止させてから昇降ピン37a、37bを上昇させてウエハWa、Wbを受け取らせる場合と、上述の実施形態の受け渡し手法とについて、2枚のウエハWの受け渡しに要する時間を計算したところ、上述の実施形態の方が約1秒早いことを確認した。この結果は、1時間あたりに処理できるウエハWの枚数が1割程度多くなることを意味する。
【0031】
本発明は、保持部材23の移動軌跡が直線に限られるものではなく、曲線や折れ線などであってもよい。また本発明は既述の助走区間やオーバーラン区間を設定することに限られるものではないが、これらの区間を設定することにより、保持部材23の移動動作が安定することから好ましい。更にまたウエハWを受け渡した後のオーバーラン区間においては、保持部材23は等速で移動しなくてもよい。
上述の実施形態では、1台の搬送アーム20により2枚のウエハWを同時搬送する場合について記載しているが、本発明はそれに限らず、1台の搬送アームにより1枚のウエハを搬送する場合に用いてもよいし、3枚以上のウエハを搬送する場合でもよい。また本発明は、搬送アーム20として多関節アームに限らず、搬送基体に対して保持部材23が前後にスライドするスライド型搬送機構であってもよい。
【0032】
保持部材23の保持部2a、2bは、上述の実施形態の形状に限られるものではなく、図11(a)に示すように、逆三角形部分と当該部分の左右両端から前方に各々伸び出した帯状部分とを有する構造やウエハWを周縁部にて保持する馬蹄形状(図11(b))のものでもよい。なお図11中、201〜203は昇降ピンである。
上述の実施形態では、真空処理を行うマルチチャンバシステムに適用した場合について記載しているが、本発明はそれに限らず、常圧雰囲気の処理例えばレジストパターンを形成する処理装置(レジストの塗布、現像装置)、ウエハの洗浄装置、ウエハの検査装置(プローバ)などにおいて、処理モジュールや受け渡し台などにウエハを受け渡す場合に対して適用してもよい。
本発明は、半導体ウエハに限らず、例えばフラットパネルディスプレイ用などのガラス基板を被処理基板とする基板処理装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
W、Wa、Wb ウエハ
P1 保持部材の等速運動開始点
P2 保持部材の等速運動終了点
P0 保持部材におけるウエハ受け渡しの理想位置
Pa 保持部材におけるウエハWaの受け渡し位置
Pb 保持部材におけるウエハWbの受け渡し位置
1 真空搬送室
23 保持部材
2a 第1の保持部
2b 第2の保持部
3 真空処理室
3a、3b 載置台
37a、37b 昇降ピン
4 位置検出部
5 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させて載置台に基板を受け渡す基板受け渡し装置において、
前記基板の下面を保持し、前記載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する昇降部材と、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する到達時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする基板受け渡し装置。
【請求項2】
前記制御部は、保持部材が基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速するように制御することを特徴とする請求項1記載の基板受け渡し装置。
【請求項3】
前記制御部は、基板の受け渡し位置に応じて保持部材の減速位置を設定することを特徴とする請求項2記載の基板受け渡し装置。
【請求項4】
前記保持部材は、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成され、
前記載置台として、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台が設けられ、
前記昇降部材は、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材として構成され、
前記制御部は、前記第1の基板及び第2の基板の各々について得られた基板の受け渡し位置に基づいて保持部材の移動軌跡を作成し、
前記到達時点算出部は、前記移動軌跡に基づいて保持部材が第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に到達する各到達時点を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項5】
基板の下面を保持し、載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるための昇降部材と、保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、を用い、保持部材から前記昇降部材を介して載置台に基板を受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する工程と、
算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が移動しながら、前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする基板受け渡し方法。
【請求項6】
前記保持部材が基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速することを特徴とする請求項5記載の基板受け渡し方法。
【請求項7】
第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台と、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材と、を用い、第1の基板及び第2の基板を前記保持部材から夫々第1の載置台及び第2の載置台に受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す位置とを算出する工程と、
算出された第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が第1の基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速する工程と、
その後、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第1の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取る工程と、
次いで、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第2の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする基板受け渡し方法。
【請求項8】
基板を処理するための複数の処理室が基板搬送室に接続され、各処理室には、基板を載置するための第1の載置台及び第2の載置台が設けられた基板処理装置において、
前記基板搬送室内には、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させて、前記複数の処理室の載置台との間で基板の受け渡しをするための基板搬送機構と、
前記基板の下面を保持し、前記第1の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する第1の昇降部材と、
前記基板の下面を保持し、前記第2の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により前記第1の昇降部材とは独立して昇降する第2の昇降部材と、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す第1の受け渡し位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す第2の受け渡し位置と、を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された第1の受け渡し位置及び第2の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する第1の到達時点及び第2の到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に、前記第1の昇降部材が第1の到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取り、次いで前記第2の昇降部材が第2の到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、保持部材が前記第1の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速するように制御することを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
【請求項1】
基板搬送機構の保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させて載置台に基板を受け渡す基板受け渡し装置において、
前記基板の下面を保持し、前記載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する昇降部材と、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する到達時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする基板受け渡し装置。
【請求項2】
前記制御部は、保持部材が基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速するように制御することを特徴とする請求項1記載の基板受け渡し装置。
【請求項3】
前記制御部は、基板の受け渡し位置に応じて保持部材の減速位置を設定することを特徴とする請求項2記載の基板受け渡し装置。
【請求項4】
前記保持部材は、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成され、
前記載置台として、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台が設けられ、
前記昇降部材は、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材として構成され、
前記制御部は、前記第1の基板及び第2の基板の各々について得られた基板の受け渡し位置に基づいて保持部材の移動軌跡を作成し、
前記到達時点算出部は、前記移動軌跡に基づいて保持部材が第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に到達する各到達時点を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板受け渡し装置。
【請求項5】
基板の下面を保持し、載置台の上方位置と載置台との間で基板を昇降させるための昇降部材と、保持部材に基板を水平に保持し、前記保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、を用い、保持部材から前記昇降部材を介して載置台に基板を受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が基板を前記昇降部材に受け渡す位置を算出する工程と、
算出された基板の受け渡し位置に保持部材が到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が移動しながら、前記昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする基板受け渡し方法。
【請求項6】
前記保持部材が基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速することを特徴とする請求項5記載の基板受け渡し方法。
【請求項7】
第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させる基板搬送機構と、第1の基板及び第2の基板が夫々載置される第1の載置台及び第2の載置台と、第1の載置台及び第2の載置台に夫々対応して設けられ、互に独立して昇降する第1の昇降部材及び第2の昇降部材と、を用い、第1の基板及び第2の基板を前記保持部材から夫々第1の載置台及び第2の載置台に受け渡す方法において、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する工程と、
前記保持位置の検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す位置とを算出する工程と、
算出された第1の基板の受け渡し位置及び第2の基板の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する工程と、
前記保持部材が第1の基板の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速する工程と、
その後、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第1の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取る工程と、
次いで、前記保持部材が等速で移動しながら、前記第2の昇降部材が前記到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取る工程と、を含むことを特徴とする基板受け渡し方法。
【請求項8】
基板を処理するための複数の処理室が基板搬送室に接続され、各処理室には、基板を載置するための第1の載置台及び第2の載置台が設けられた基板処理装置において、
前記基板搬送室内には、第1の基板及び第2の基板を水平方向に互に離間して保持できるように構成された保持部材を水平方向に移動させて、前記複数の処理室の載置台との間で基板の受け渡しをするための基板搬送機構と、
前記基板の下面を保持し、前記第1の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により昇降する第1の昇降部材と、
前記基板の下面を保持し、前記第2の載置台の上方位置と当該載置台との間で基板を昇降させるために昇降機構により前記第1の昇降部材とは独立して昇降する第2の昇降部材と、
前記保持部材に保持されている第1の基板及び第2の基板について、当該保持部材に対する保持位置を検出する位置検出部と、
この位置検出部にて検出された検出結果に基づいて、保持部材が第1の基板を第1の昇降部材に受け渡す第1の受け渡し位置と、保持部材が第2の基板を第2の昇降部材に受け渡す第2の受け渡し位置と、を算出する位置算出部と、
この位置算出部にて算出された第1の受け渡し位置及び第2の受け渡し位置に保持部材が夫々到達する第1の到達時点及び第2の到達時点を、保持部材の移動軌跡と速度とに基づいて算出する時点算出部と、
前記保持部材が移動しながら基板の受け渡し位置を通過すると共に、前記第1の昇降部材が第1の到達時点にて保持部材上の第1の基板を突き上げて受け取り、次いで前記第2の昇降部材が第2の到達時点にて保持部材上の第2の基板を突き上げて受け取るように制御信号を出力する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、保持部材が前記第1の受け渡し位置に到達する前に保持部材の搬送速度を減速するように制御することを特徴とする請求項8記載の基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−216634(P2012−216634A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80079(P2011−80079)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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