説明

壁面緑化構造体

【課題】 建物等の壁面を比較的短期間で緑化することができ、耐久性もあり、土の断熱性を活かすことができると共に、意匠上も見栄えよく緑化することができる壁面緑化構造体を提供する。
【解決手段】 建物等の壁面に複数段にわたり取り付けられた植栽部3と、この植栽部3に植えつけられるつる性植物Pのつるを巻き付けて支持する支持部4とを具えると共に、植栽部3は、壁面に沿って取り付けられる背板30と、背板30の下部から上向きに拡開状に形成された前板31と、前板31と背板30の両端部隙間を閉塞して形成された側板32a,32bとを有し、これら各板で囲まれた部分がつる性植物Pを植栽するための土が入る土受け部3aに形成し、前板31の底部付近には、通水孔31aを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物等の壁面を植物で緑化するための壁面緑化構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の建物等の壁面緑化に関する構造体として、例えば、ヤシマット上に、水蘚、バーミュキュライト、ピートモス、麦岩石、泥炭、くん炭、バーク、土などを単体又は混合体で被覆し、天然ゴムを吹付して固定した固化培土を作成し、その下面に合成樹脂シート又は不織布を張り付けた植栽状態マットのような、土を含んだパネルを壁面に取り付けるタイプの構造体が既に提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、このような植栽状態マットでは、固化培土が外部に露出しているので常に紫外線に晒され、天然ゴム成分等が経年変化で劣化し、土等が流出してしまうという問題点があった。また、栽培する植物に給水する場合にも建物外壁の全面を散水する必要があり、給水するのに手間が掛かるという問題点もあった。
【0004】
このような問題点を解決するべく、例えば、外壁材を介して建物の軸組材に固定される台座付きの支持脚体と、支持脚体の前面に張設支持されるメッシュ状パネル体と支持脚体間に架設係止されるプランターとからなる建物用緑化構造体のような、プランターと格子状パネルを組合わせたタイプの構造体が提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかし、このような構造体では、土が流出するおそれは軽減されるが、プランターがメッシュ状パネル体の下端に架設されているので、植物の葉がメッシュ状パネル体の上端まで覆いつくすのに時間が掛かる、つまり壁の全面を緑化するまで時間が掛かるという問題点があった。また、緑化されてもプランターが外部に露出しているため、露出していない場合と比べると紫外線でプランターが劣化したり退色したりし易く、且つ見栄えが悪いという問題点があった。その上、植物の葉で日射を遮ることはできるが、緑化の利点の1つである土の断熱性を活かすという点においても満足のいくものではなかった。
【特許文献1】特開2003−23855号公報
【特許文献2】特開2005−151855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこでこの発明は、前記従来のものの問題点を解決し、建物等の壁面を比較的短期間で緑化することができ、耐久性もあり、土の断熱性を活かすことができると共に、意匠上も見栄えよく緑化することができる壁面緑化構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、建物等の壁面に複数段にわたり取り付けられた植栽部と、この植栽部に植えつけられるつる性植物のつるを巻き付けて支持する支持部とを具えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、植栽部は、壁面に沿って取り付けられる背板と、該背板の下部から上向きに拡開状に形成された前板と、該前板と背板の両端部隙間を閉塞して形成された側板とを有し、これら各板で囲まれた部分がつる性植物を植栽するための土が入る土受け部に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前板の底部付近には、通水孔が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、支持部は、建物等の壁面に縦横に複数個突設されたブラケットの先端部間にわたり取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、支持部は、植栽部から所定間隔離間して配置され、その間隙が上下に通気する通気スペースに形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかにおいて、植栽部は、背板同士が上下に複数個連なったユニットパネル体に形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6において、ユニットパネル体は、建物等の外壁面を兼用することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし7のいずれかにおいて、最上段の植栽部に給水する給水手段が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明は前記のように、建物等の壁面に複数段にわたり取り付けられた植栽部と、この植栽部に植えつけられるつる性植物のつるを巻き付けて支持する支持部とを具えているので、従来のものに比して壁面を比較的短期間で緑化することができる。また、土の断熱性を効果的に活用することができると共に、意匠上も見栄えよく緑化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の実施の形態を、添付した図面を参照して説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1〜6は実施の形態1を示し、図1は、建物の一例として示す木造建築の建物Hの外壁面Wに壁面緑化構造体を取り付けた状態を示す外観図、図2は、壁面緑化構造体の要部を示す拡大断面図、図3は、植栽部を示す斜視図、図4は、支持部の要部を示す図1のA部拡大図、図5の(a),(b)は、それぞれ支持部の変形例を示す図1のA部拡大図、図6は、壁面緑化構造体に植物の一例としてつる性植物を栽培した場合を示した作用説明図である。
【0018】
これら図面において1は壁面緑化構造体で、この壁面緑化構造体1は、ブラケット2と、植栽部3と、支持部4と、通気スペース5と、給水手段6とから構成され、植栽部3に形成された土受け部3aに土等を入れて、そこにつる性植物Pを栽培し、給水手段6で給水して、支持部4につる性植物Pを繁茂させることにより建物等の壁面を緑化する。図1に示すように、建物Hの外壁面Wには、縦横に所定間隔をおいてブラケット2が複数個外壁面Wに対して垂直に(地面に対してほぼ水平向きに)突設されている。これらブラケット2,…,2で囲まれた外壁面Wには、植栽部3が上下に複数段にわたり取り付けられている。また、植栽部3に植えられるつる性植物Pのつるを巻き付けて支持する支持部4がブラケット2の先端部2a,…,2a間にわたり外壁面Wに平行に取り付けられている。
【0019】
このブラケット2は、図2で示すように、所定の長さを有する本体20と、構造材Waから突設して構造材Waに支持された支持プレート21とから構成され、この支持プレート21に本体20が外壁面Wを形成する外装材Wbを介してボルト止め固定されている。しかし、支持プレート21が無くブラケット2の本体20が、直接外壁面Wにビス止めなどで取り付けられていてもよい。つまり、ブラケット2が外壁面Wに強固に取り付けられていればよい。また、ブラケット2,2同士の設置間隔は、縦横910mm又は1820mm程度となっている。ただし、この設置間隔の好ましい値は、縦横とも木造建築の場合のモジュールプランの基本単位である910mmの倍数に近似していればよく、取り付ける建物が木造建築でないようなモジュールプランの基本単位が910mmでない場合は、その基本単位の数の倍数に近似していればよい。
【0020】
植栽部3は、図3及び図2に示すように、外壁面Wに沿って取り付けられる背板30と、この背板30の下部から上向きに拡開状に形成された前板31と、この前板31と背板30の両端部隙間を閉塞して形成された略三角形状の側板32a,32bとから構成されている。この実施の形態では、背板30と前板31とは、断面略V字状になるように形成されている。これら各板で囲まれた部分がつる性植物を植栽するための土を入れる土受け部3aとなる。また、側板32a,32bは、背板30の左右の端部に垂直に立設され、前板31の左右の端部を塞ぐように形成されていてもよい。つまり、前板31と背板30の両端部の隙間を塞ぐように、少なくとも前板31と背板30のどちらか一方に連結して設けられ、土受け部3aを形成していればよい。前板31の底部付近である下端近くには、下段の植栽部3に通水するための通水孔31aが前板31の長さ方向に複数個設けられている。この通水孔31aは、矩形状に成形されていてもよいし、いくつかの孔が連結した横長の1つの孔になっていてもよい。つまり、通水孔31aは、その段の土受け部3aに溜まった水を、土受け部3aに収容されている土を流出することなく、下段の土受け部3aに通水することができる程度の大きさを有していればよい。そして、この植栽部3が、土受け部3aに植えられたつる性植物の生育の妨げにならない程度にできるだけ近接させて複数段にわたって、前述のブラケット2,…,2で囲まれた外壁面Wに取り付けられている。
【0021】
支持部4は、図4及び図2に示すように、複数の縦格子と複数の横格子からなる格子状体40で構成されており、外壁面Wと平行して、且つ一定距離だけ離間するように前述した所定長さを有するブラケット2の先端部2a,…,2a間に取り付けられている。この格子状体40は、あくまでも一例であって、図5(a)に示すように、斜め格子からなる格子状体40’で構成されていてもよく、また、図5(b)で示すように、パンチングメタルなどの有孔パネルからなる格子状体40”であってもよい。つまり、つる性植物Pのつるが巻きつき植物の体を支えることができればよい。
【0022】
通気スペース5は、植栽部3と支持部4との隙間から構成されている。換言すると、支持部4は、植栽部3から所定間隔外壁面Wに平行して離間して配置され、その間隙が壁面緑化構造体1の下端から上端に向けて通気する通気スペース5に形成されている。更に詳述すると、図2に示すように、植栽部3の前板31の先端から、支持部4の内側まで距離Lだけ離間して配置され、その隙間が通気スペース5となっている。この離間距離Lは、通気スペース5を断熱空気層と考えると20mm〜50mm程度が好ましく、植物Pの繁殖スペースを考慮すると100mm程度が好ましい。つまり、支持部4と植栽部3との離間距離Lは、20mm〜100mm程度が適当で好ましい値といえる。
【0023】
給水手段6は、最上段の植栽部3に形成された土受け部3aに給水するできるように、最上段の土受け部3aの上方に架設されている。この給水手段6は、図6に示すように、給水管からなり、この給水管に多数の給水孔6aがその長手方向に穿設されて構成されている。ただし、この給水手段6は、スプリンクラーのようなものでもよく、最上段の土受け部3aに給水できるものであればよい。このように構成することで、給水をホース等で人の手により行う必要がなくなると共に、最上段の土受け部3aに給水すれば、各段に設けた植栽部3の通水孔31aを通って水が上段の土受け部3aから下段の土受け部3aに供給されるので、壁全面を散水することなく簡単に給水することができ、給水の手間が省ける。
【0024】
また、ブラケット2及び支持部4は、防錆処理を施したアルミやステンレスなどの防錆性能を有する金属材から形成されている。そうすることで、ブラケット2及び支持部4が腐食するのを防ぐことができ、壁面緑化構造体1の耐久性が増す。ただし、これらは、つる性植物Pを支えることができ、風圧などに耐えられるだけの剛体から形成されていればよい。植栽部3は、耐水性の高い樹脂から形成されている。しかし、植栽部3を防火性能及び/又は耐火性能を有する材料、例えば、珪酸カルシウムや防火性能を有する合成樹脂などから形成してもよい。そのような材質から形成することで、効果的に外壁面を防火することができるだけでなく、建築基本法やその他の法律・規則等により防火構造としなければならない外壁についても支障なく壁面緑化構造体1を適用することができるからである。
【0025】
以上の如く構成された壁面緑化構造体1は、図6に示すように、建物などの外壁面Wに取り付けられ、多段に設けられた全ての植栽部3の土受け部3aに土等を入れ、その土受け部3aにつる性植物Pを給水手段6等で給水しながら栽培する。そして、このつる性植物Pが離間距離L以上にわたり成長してその蔓が支持部4の格子状体40に巻きつくようになるまで繁茂すると、外壁面Wの全体が緑化されるので、従来背景で述べた特許文献2に記載された構造体と比べ遥かに早く壁面を緑化することができる。栽培するつる性植物Pの具体的な例としては、例えば、ナツヅタ、ヘデラカナリエンシス、アメリカヅタ、クレマチス、つるバラ等が挙げられる。尚、外壁面Wの緑化は必要な箇所だけに行なってもよいことは言うまでもない。
【0026】
そして、土は、熱容量が大きく断熱性が高いものであるから、土受け部3aに土等を入れた植栽部3を外壁面Wに沿って上下に複数段にわたり設置することにより、外壁面Wの外側に断熱層が形成されたのと同様の効果が得られることになる。このため、前記のように植栽部3は、つる性植物Pの成長を妨げない範囲でなるべく沢山設けた方がこの断熱効果が高くなり好ましい。また、上下に沢山の植栽部3を設けることにより、短期間でより早く壁面を緑化できると共に、植生密度が高くなることで緑化した面が美しくなる。
【0027】
その上、壁面緑化構造体1は、外側に支持部4が配置され、通気スペース5を介して内側に植栽部3が設けられている二重構造となっているため、外壁面Wの凹凸や窓などに関係なく、つる性植物Pでフラットで一様な面に緑化することができるので、意匠上も極めて見栄えよく緑化することができる。そして、支持部4とそこで繁茂するつる性植物Pの葉等により日射を遮ることができるため、その内側にある植栽部3に紫外線が当たる量が軽減され、植栽部3の耐久性が増す。また、支持部4とそこで茂る植物Pの葉により風雨も遮ることができるので、植栽部3の土受け部3aに収容された土等の流出も防ぐことができる。更に、支持部4付近の日射で暖まった空気が、通気スペース5を通ってつる性植物Pの葉などから放出される余分な湿気と共に上昇して壁面緑化構造体1の上端部から通出可能となっているため、つる性植物Pの吸放湿性能を妨げずに、外壁面Wを効果的に断熱することができる。
【0028】
(実施の形態2)
図7〜9は実施の形態2を示し、図7は、壁面緑化構造体1’を木造建築の建物Hの外壁面Wに設置して緑化した状態を示す外観図である。図中、建物Hの妻側外壁面には、壁面緑化構造体1’を取り付けてつる性植物Pを栽培し緑化した状態を示し、軒下側外壁面には、部分的に支持部4’及びつる性植物Pを切断し、内部の植栽部3’を示している。図8は、壁面緑化構造体1’の要部を示す拡大断面図、図9は、植栽部3’を示す斜視図である。この実施の形態2において、実施の形態1と同じ構成には同じ符号にダッシュを付して詳細な説明は省略する。
【0029】
壁面緑化構造体1’は、実施の形態1の壁面緑化構造体1とは植栽部3’のみ構成が相違している。すなわち、ブラケット2’と、実施の形態1で説明した植栽部がその背板同士が上下に複数個連なったユニットパネル体に形成されている植栽部3’と、支持部4’と、通気スペース5’と、給水手段6’と、から構成されている。そして、壁面緑化構造体1’は、壁面緑化構造体1と同様、建物等の壁面を緑化するのに使用される。
【0030】
この植栽部3’は、図8,9に示すように、複数の実施の形態1に係る植栽部が背板で上下に複数個連なったユニットパネル体に形成されており、910mm角程度の大きさの平板からなる背板30’と、この背板30’の外部面から上向きに拡開状に形成された複数の前板31’と、これらの前板31’の左右の端部を塞ぐように背板30’の左右の縁に垂設された左右2枚の側板32a’,32b’と、から構成されている。また、各前板31’の底部付近には、下段の土受け部3a’に給水するための複数の矩形状を呈する通水孔31a’が設けられている。そして、実施の形態1と同様に、植栽部3’は、耐水性の高い樹脂から形成されている。また、背板30’を珪酸カルシウムや防火性能を付加した合成樹脂などから形成し、前板31’を普通の樹脂から形成することもできる。
【0031】
このように、この植栽部3’をユニットパネル体に一体に形成することで、植栽部3’を外壁面Wにビスや釘等で取り付ける際に、ビスや釘等で固定する箇所が減少するため手間を省くことができる。また、図8に示すように、建物等の外壁面を兼用するように、植栽部3’を外装材Wbと兼用させてもよい。そうすることで、壁の外装材Wbを取り付ける手間を更に省くことができる。
【0032】
尚、前記実施の形態1,2において、図面で示した部材の形状や構造等は、あくまでも好ましい一例を示すものであり、その実施に際しては特許請求の範囲に記載した範囲内で、任意に設計変更・修正ができるものである。また、壁の一例として木造建築の建物の外壁を挙げて説明したが、これ以外の建物、例えばコンクリート建築の建物(住居用又はオフィス用)の外壁面にも適用できるだけでなく、境界塀や擁壁等の壁面にも適用できることは勿論である。
【0033】
次に、特許請求の範囲の請求項2以下に記載した発明の特有な効果について説明する。請求項2に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、前板が外壁面に沿って取り付けられる背板の下部から上向きに拡開状に形成されているので、この傾斜した前板の下面に沿って植物が成長する方向を確実に支持部に誘導することができるため、短期間で偏りなく壁面を緑化することができる。
【0034】
請求項3に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、前板の底部付近には、通水孔が設けられているので、最上段の植栽部に給水すれば、徐々に下段に通水することができ、植物に給水する手間が省ける。また、雨などで植栽部に過剰な水が供給されても、通水孔から水が抜けるので、土受け部で栽培する植物が根腐れなどをするのを防止することができる。
【0035】
請求項4に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、支持部は、建物等の壁面に縦横に複数個突設されたブラケットの先端部間にわたり取り付けられているので、支持部を強固に取り付けることができる。
【0036】
請求項5に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、支持部は、植栽部から所定間隔離間して配置され、その間隙が上下に通気する通気スペースに形成されているので、支持部付近において日射で暖まった空気を、通気スペースを通って壁面緑化構造体の上端部から放出可能となっているため、熱の滞留を防止し、壁面緑化構造体を取り付けた壁を効果的に断熱することができる。
【0037】
請求項6に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、植栽部は、背板同士が上下に複数個連なったユニットパネル体に形成されているので、植栽部を壁に取り付ける際、その取り付け作業の手間が省ける。このため、壁面緑化構造体自体の製作コストを削減することができる。
【0038】
請求項7に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、ユニットパネル体は、建物等の外壁面を兼用しているので、壁に外装材を取り付ける手間が省けると共に、外装材の費用もコストダウンできる。
【0039】
請求項8に記載の発明に係る壁面緑化構造体によれば、最上段の植栽部に給水する給水手段が設けられているので、壁全面を散水するようなことせずとも簡単に給水することができ、給水の手間が省ける。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】建物の一例として示す木造建築の建物の外壁面に壁面緑化構造体を取り付けた状態を示す外観図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る壁面緑化構造体の要部を示す拡大断面図である。
【図3】同上の植栽部を示す斜視図である。
【図4】同上の支持部の要部を示す図1のA部拡大図である。
【図5】(a),(b)は、それぞれ支持部の変形例を示す図1のA部拡大図である。
【図6】同上の壁面緑化構造体に、植物の一例としてつる性植物を栽培した場合を示した作用説明図である。
【図7】実施の形態2に係る壁面緑化構造体を建物の外壁面に設置して緑化した状態を示す外観図である。
【図8】同上の壁面緑化構造体の要部を示す拡大断面図である。
【図9】同上の植栽部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 壁面緑化構造体
2 ブラケット
3 植栽部
4 支持部
5 通気スペース
6 給水手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物等の壁面に複数段にわたり取り付けられた植栽部と、この植栽部に植えつけられるつる性植物のつるを巻き付けて支持する支持部とを具えたことを特徴とする壁面緑化構造体。
【請求項2】
植栽部は、壁面に沿って取り付けられる背板と、該背板の下部から上向きに拡開状に形成された前板と、該前板と背板の両端部隙間を閉塞して形成された側板とを有し、これら各板で囲まれた部分がつる性植物を植栽するための土が入る土受け部に形成されている請求項1に記載の壁面緑化構造体。
【請求項3】
前板の底部付近には、通水孔が設けられている請求項2に記載の壁面緑化構造体。
【請求項4】
支持部は、建物等の壁面に縦横に複数個突設されたブラケットの先端部間にわたり取り付けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の壁面緑化構造体。
【請求項5】
支持部は、植栽部から所定間隔離間して配置され、その間隙が上下に通気する通気スペースに形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の壁面緑化構造体。
【請求項6】
植栽部は、背板同士が上下に複数個連なったユニットパネル体に形成されている請求項2ないし5のいずれかに記載の壁面緑化構造体。
面緑化構造体。
【請求項7】
ユニットパネル体は、建物等の外壁面を兼用する請求項6に記載の壁面緑化構造体。
【請求項8】
最上段の植栽部に給水する給水手段が設けられている請求項3ないし7のいずれかに記載の壁面緑化構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−215516(P2007−215516A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−41990(P2006−41990)
【出願日】平成18年2月20日(2006.2.20)
【出願人】(000185710)エス・バイ・エル株式会社 (15)
【Fターム(参考)】