説明

多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置

【課題】例えば、宇宙機のノズルライナやブレーキディスクに要求される高密度の多孔質構造体を製造することが可能であり、その製造に要する時間の大幅な短縮を実現することができる多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置を提供する。
【解決手段】反応器2と、反応器2内に配置されて反応器2に収容された液相前駆体CにカーボンプリフォームWを浸漬させた状態で支持する密度が1.95g/cm3以上の高密度C/Cコンポジットから成る加熱誘導体4と、加熱誘導体4に高周波電流を供給して抵抗加熱で加熱することで、反応器2内において液相前駆体Cとこの液相前駆体Cに浸漬させたプリフォームWとを加熱し、この加熱で分解する液相前駆体Cの分解生成物をカーボンプリフォームWの多数の微細空洞に含浸蒸着させる電力供給部6を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の微細空洞を有する多孔質構造体を、例えば、宇宙機や高速飛翔体のノズルライナとしての使用に耐え得る高密度の多孔質構造体としたり、ブレーキディスクとしての使用に耐え得る高密度の多孔質構造体としたりするのに好適な多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上記した多孔質構造体の高密度化方法としては、例えば、特許文献1に記載された方法が知られている。
この多孔質構造体の高密度化方法において、多数の微細空洞を有する多孔質構造体、例えば、カーボンから成る多孔質構造体を高密度化するに際しては、まず、多孔質構造体を炭化水素系の液相前駆体に浸漬し、次いで、グラファイトから成る加熱誘導体を誘導加熱(又は抵抗加熱)することで、液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた多孔質構造体とを加熱して、これにより分解する液相前駆体の分解成分であるカーボン(又はグラファイト)を多孔質構造体の多数の微細空洞に含浸蒸着させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平01-040796号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した多孔質構造体の高密度化方法では、加熱誘導体を誘導加熱(又は抵抗加熱)することで、液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた多孔質構造体とを加熱する場合において、強度的に難のあるグラファイトから成る加熱誘導体を用いているので、例えば、宇宙機のノズルライナに要求される高密度の多孔質構造体を製造することができない。
また、要求に近い多孔質構造体の高密度化を実現することができたとしても、グラファイトを用いる限り加熱誘導体の肉厚を厚くする必要があり、その結果、カーボンを成長させるための加熱に多くの時間を費やさなければならない、すなわち、製造に数日を要するという問題を有しており、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0005】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたもので、例えば、宇宙機のノズルライナに要求される高密度の多孔質構造体を製造することが可能であり、その製造に要する時間の大幅な短縮を実現することができる多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る発明は、多数の微細空洞(微細な孔を含む)を有する多孔質構造体、例えば、カーボンから成る多孔質構造体の前記多数の微細空洞にカーボンを含浸蒸着させて、該多孔質構造体を高密度化する方法であって、前記多孔質構造体を炭素繊維の3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮して緻密化するHIP処理を複数回行って製造される密度が1.95g/cm3以上、望ましくは2.00g/cm3程度の高密度C/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材)から成る加熱誘導体で支持すると共に、該加熱誘導体に支持された前記多孔質構造体を液相前駆体に浸漬した後、前記加熱誘導体を誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方で加熱して、前記液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた前記多孔質構造体とを加熱し、この誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方の加熱により分解する前記液相前駆体の分解生成物を前記多孔質構造体の多数の微細空洞に含浸蒸着させる構成としたことを特徴としており、この多孔質構造体の高密度化方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る多孔質構造体の高密度化方法において、前記液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る前記多孔質構造体は、これを支持する前記加熱誘導体と一体で製品化される構成としている。
さらに、本発明の請求項3に係る多孔質構造体の高密度化方法において、前記液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る前記多孔質構造体は、これを支持する前記加熱誘導体から分離されて別体で製品化される構成としている。
【0008】
一方、本発明の請求項4に係る発明は、多数の微細空洞を有する多孔質構造体の前記多数の微細空洞にカーボンを含浸蒸着させて、該多孔質構造体を高密度化する多孔質構造体の高密度化装置であって、液相前駆体を収容する反応器と、前記反応器内に配置されて該反応器に収容された前記液相前駆体に前記多孔質構造体を浸漬させた状態で支持する炭素繊維の3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮して緻密化するHIP処理を複数回行って製造される密度が1.95g/cm3以上、望ましくは2.00g/cm3程度の高密度C/Cコンポジットから成る加熱誘導体と、前記加熱誘導体を誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方で加熱して、前記反応器内において前記液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた前記多孔質構造体とを加熱し、この誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方の加熱で分解する前記液相前駆体の分解生成物を前記多孔質構造体の多数の微細空洞に含浸蒸着させる電力供給部と、前記加熱誘導体の温度に応じて前記電力供給部からの供給電力量をコントロールする制御部を備えた構成としている。
【0009】
本発明に係る多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置において、液相前駆体には、炭化水素系の、例えば、シクロヘキサンを用いることができる。
【0010】
また、本発明に係る多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置において、加熱誘導体の形状はとくに限定されるものではなく、円柱状や円筒状や平板状の加熱誘導体とすることができ、加熱誘導体が円柱状や円筒状を成す場合には、周囲に多孔質構造体を嵌装するようにして支持し、加熱誘導体が平板状を成す場合には、一方の面に多孔質構造体を貼り付けるようにして支持する。
【0011】
そして、円柱状の加熱誘導体の場合には、電極を介して直接通電すれば抵抗加熱することができ、外側に誘導コイルを配置すれば誘導加熱することができる。円筒状の加熱誘導体の場合には、誘導コイルを外側や内側に配置すれば誘導加熱することができ、平板状の加熱誘導体の場合には、電極を介して直接通電することで抵抗加熱することができる。
【0012】
本発明に係る多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置では、加熱誘導体に密度が1.95g/cm3以上、望ましくは2.00g/cm3程度の高密度C/Cコンポジットを用いているので、熱伝導率が高く(グラファイトと同程度の熱伝導率で)且つ熱衝撃に優れた加熱誘導体として機能することとなり、本発明の請求項2に係る多孔質構造体の高密度化方法のように、加熱誘導体が、液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る多孔質構造体と一体で製品化される場合には、例えば、宇宙機のノズルライナに要求される高密度の多孔質構造体を製造し得ることとなる。
【0013】
一方、本発明の請求項3に係る多孔質構造体の高密度化方法のように、液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る多孔質構造体が加熱誘導体から分離されて別体で製品化される場合には、例えば、ブレーキディスクに要求される高密度の多孔質構造体を製造し得ることとなり、いずれの場合もこの高密度の多孔質構造体の製造に要する時間の大幅な短縮が図られることとなる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置では、上記した構成としているので、製造時間の大幅な短縮を実現したうえで、要求される高密度の多孔質構造体を製造することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0015】
また、本発明の請求項2に係る多孔質構造体の高密度化方法では、上記した構成としているので、例えば、宇宙機のノズルライナに要求される高密度の多孔質構造体を製造することができ、一方、本発明の請求項3に係る多孔質構造体の高密度化方法では、上記した構成としているので、例えば、ブレーキディスクに要求される高密度の多孔質構造体を製造することが可能であり、いずれの場合も、この高密度の多孔質構造体の製造に要する時間の大幅な短縮を実現することが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例による多孔質構造体の高密度化装置を簡略的に示す構成説明図である。
【図2】図1における高密度化装置の加熱誘導体の製造工程説明図である。
【図3】図1における多孔質構造体の高密度化装置による高密度化要領を示すブロック図である。
【図4】本発明に係る多孔質構造体の高密度化装置における他の実施例による加熱誘導体を示す拡大断面説明図である。
【図5】本発明に係る多孔質構造体の高密度化装置のさらに他の実施例による加熱誘導体を示す拡大断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施例による多孔質構造体の高密度化装置を示しており、この実施例において、多孔質構造体がカーボンプリフォームである場合を例に挙げて説明する。
【0018】
図1に示すように、この多孔質構造体の高密度化装置1は、液相前駆体Cを収容する反応器2と、この反応器2に液相前駆体Cを供給する前駆体供給ポンプ3と、反応器2内に配置されてこの反応器2に収容された液相前駆体Cに多孔質構造体であるカーボンプリフォームWを浸漬させた状態で支持する加熱誘導体4と、この加熱誘導体4に電極5a,5bを介して電力を供給することで抵抗加熱により加熱して、反応器2内において液相前駆体C及びこの液相前駆体Cに浸漬させたカーボンプリフォームWを加熱する電力供給部6と、反応器2の上端開口を塞ぐように配置されて上記加熱による反応で消費されない未分解の液相前駆体Cを凝縮する凝縮器7と、反応器2から液相前駆体Cを排出させる前駆体排出バルブ8を備えており、加熱誘導体4及び電力供給部6の間には、加熱誘導体4の温度に応じて電力供給部6からの供給電力量をコントロールする制御部10が配置してある。
【0019】
この場合、加熱誘導体4には、密度が1.99g/cm3で且つ熱伝導率が100W/M/Kの高密度C/Cコンポジットから成る円柱状のものを使用し、液相前駆体Cとして炭化水素系のシクロヘキサンを用いた。
【0020】
円柱状を成す加熱誘導体4は、図2に示すように、アクリル繊維を使ったPAN系の炭素繊維又は石油や石炭などの副生成物を使ったピッチ系の炭素繊維を3次元に織って(炭素繊維を円柱状に形成して)3方向性プリフォームを形成する工程aと、易含浸性のピッチを用いるピッチ含浸工程bと、この工程bを経た3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮するHIP処理を行うHIP処理工程cと、このHIP処理工程cを経た3方向性プリフォームを高温で黒鉛化する黒鉛化工程dを経て製造され、ピッチ含浸工程b,HIP処理工程c及び黒鉛化工程dを複数回(この実施例では10回)繰り返すことで、加熱誘導体4の緻密化及び高熱伝導率化を実現している。
【0021】
この多孔質構造体の高密度化装置1により多数の微細空洞を有するカーボンプリフォームWを高密度化するに際しては、図3に示すように、ブロックB1においてカーボンプリフォームWを密度が1.99g/cm3の高密度C/Cコンポジットから成る円柱状の加熱誘導体4で支持すると共に、この加熱誘導体4に支持されたカーボンプリフォームWをブロックB2において液相前駆体Cに浸漬させる。
【0022】
この後、ブロックB3において加熱誘導体4に電極5a,5bを介して電力供給部6から電力(10〜40kHzの高周波電流)を供給することで抵抗加熱により1000〜1300℃に加熱して、反応器2内において液相前駆体C及びこの液相前駆体Cに浸漬させたカーボンプリフォームWを加熱し、この加熱により分解する液相前駆体Cの分解生成物をカーボンプリフォームWの多数の微細空洞に含浸蒸着させると、カーボンプリフォームWの高密度化が成されることとなる。
【0023】
この間、電力供給部6から加熱誘導体4への供給電力量は、加熱誘導体4の温度に応じて制御部10によりコントロールされ、未分解炭化水素は凝縮器7で凝縮され、分解された水素は排気口9を介して外部に放出される。
【0024】
このように、本実施例に係る多孔質構造体の高密度化装置1では、加熱誘導体4として、炭素繊維の3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮して緻密化するHIP処理を複数回行って成る密度が1.99g/cm3の高密度C/Cコンポジットを用いているので、熱伝導率が高く且つ熱衝撃に優れた加熱誘導体4として機能し、加えて、この高密度のカーボンプリフォームWの製造に要する時間の大幅な短縮が図られることとなる。
【0025】
そこで、加熱誘導体4に密度が1.99g/cm3の高密度C/Cコンポジットを用いた本実施例に係る多孔質構造体の高密度化装置1と、加熱誘導体として密度が1.74g/cm3のC/Cコンポジットを用いた比較例1に係る高密度化装置と、加熱誘導体として密度が1.7g/cm3程度のグラファイトを用いた従来タイプの比較例2に係る高密度化装置によって、それぞれカーボンプリフォームWの高密度化を行った。本実施例及び比較例1,2の各加熱誘導体の仕様及び結果を表1に示す。
【表1】

【0026】
表1から判るように、本実施例に係る多孔質構造体の高密度化装置1では、製品密度が1.74g/cm3のカーボンプリフォームWが約20時間という短時間で得られたのに対して、比較例1に係る高密度化装置では、製品密度が1.70g/cm3のカーボンプリフォームWを得るのに5日という長い期間を要し、さらに、加熱誘導体としてグラファイトを用いた従来タイプの比較例2に係る高密度化装置にいたっては、製品密度が1.68g/cm3のカーボンプリフォームWを得るのに6日を要したうえ、グラファイト製の加熱誘導体自体が破損した。
【0027】
このことから、本実施例に係る多孔質構造体の高密度化装置1では、製造時間の大幅な短縮を実現しつつ、高密度のカーボンプリフォームWを製造し得ることが実証できた。
【0028】
上記した実施例では、液相前駆体Cとして、炭化水素系のシクロヘキサンを用いた場合を示したが、これに限定されるものではない。
【0029】
また、上記した実施例では、加熱誘導体4が円柱状を成している場合を示したが、これに限定されるものではなく、円筒状や平板状の加熱誘導体を採用することができ、加熱誘導体が円筒状を成す場合には、周囲に多孔質構造体を嵌装するようにして支持し、加熱誘導体が平板状を成す場合には、一方の面に多孔質構造体を貼り付けるようにして支持する。
【0030】
さらに、上記した実施例では、円柱状の加熱誘導体4に、電極5a,5bを介して直接通電することで抵抗加熱する場合を示したが、これに限定されるものではなく、他の構成として、例えば、図4に示すように、周囲にカーボンプリフォームWを嵌装した円柱状の加熱誘導体14の外側に誘導コイル15を配置すれば誘導加熱することができるほか、図5に示すように、円筒状の加熱誘導体24の場合には、周囲にカーボンプリフォームWを嵌装した加熱誘導体24の内側に誘導コイル25を配置すれば誘導加熱することができる。
【0031】
ここで、図5に示す円筒状の加熱誘導体24の周囲にカーボンプリフォームWを嵌装するように成す場合において、このカーボンプリフォームWとこれを支持する加熱誘導体24とが一体で製品化されるようにしてもよく、このようにすることで、例えば、高密度が要求される宇宙機のノズルライナを製造し得ることとなり、一方、カーボンプリフォームWがこれを支持する加熱誘導体から分離されて別体で製品化されるようにしてもよく、この場合には、例えば、高密度が要求されるブレーキディスクを製造し得ることとなる。
【0032】
本発明に係る多孔質構造体の高密度化方法及び高密度化装置の構成は、上記した実施例の構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0033】
1 多孔質構造体の高密度化装置
2 反応器
4,14,24 加熱誘導体
6 電力供給部
10 制御部
C 液相前駆体
W カーボンプリフォーム(多孔質構造体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の微細空洞を有する多孔質構造体の前記多数の微細空洞にカーボンを含浸蒸着させて、該多孔質構造体を高密度化する方法であって、
前記多孔質構造体を炭素繊維の3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮して緻密化するHIP処理を複数回行って製造される密度が1.95g/cm3以上の高密度C/Cコンポジットから成る加熱誘導体で支持すると共に、該加熱誘導体に支持された前記多孔質構造体を液相前駆体に浸漬した後、
前記加熱誘導体を誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方で加熱して、前記液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた前記多孔質構造体とを加熱し、
この誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方の加熱により分解する前記液相前駆体の分解生成物を前記多孔質構造体の多数の微細空洞に含浸蒸着させる
ことを特徴とする多孔質構造体の高密度化方法。
【請求項2】
前記液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る前記多孔質構造体は、これを支持する前記加熱誘導体と一体で製品化される請求項1に記載の多孔質構造体の高密度化方法。
【請求項3】
前記液相前駆体の分解生成物を多数の微細空洞に含浸蒸着させて成る前記多孔質構造体は、これを支持する前記加熱誘導体から分離されて別体で製品化される請求項1に記載の多孔質構造体の高密度化方法。
【請求項4】
多数の微細空洞を有する多孔質構造体の前記多数の微細空洞にカーボンを含浸蒸着させて、該多孔質構造体を高密度化する多孔質構造体の高密度化装置であって、
液相前駆体を収容する反応器と、
前記反応器内に配置されて該反応器に収容された前記液相前駆体に前記多孔質構造体を浸漬させた状態で支持する炭素繊維の3方向性プリフォームを高圧で等方的に圧縮して緻密化するHIP処理を複数回行って製造される密度が1.95g/cm3以上の高密度C/Cコンポジットから成る加熱誘導体と、
前記加熱誘導体を誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方で加熱して、前記反応器内において前記液相前駆体とこの液相前駆体に浸漬させた前記多孔質構造体とを加熱し、この誘導加熱及び抵抗加熱のうちの少なくともいずれか一方の加熱で分解する前記液相前駆体の分解生成物を前記多孔質構造体の多数の微細空洞に含浸蒸着させる電力供給部と、
前記加熱誘導体の温度に応じて前記電力供給部からの供給電力量をコントロールする制御部を備えた
ことを特徴とする多孔質構造体の高密度化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−86999(P2013−86999A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227053(P2011−227053)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(500302552)株式会社IHIエアロスペース (298)
【出願人】(000208695)第一高周波工業株式会社 (90)
【Fターム(参考)】