説明

容器

【課題】 容器の開口部を中栓やシール材で密封してから、キャップを装着した容器において、使用者が中栓やシール材を除去してからキャップをすると、中栓やシール材の僅かな厚み分だけキャップ天板部と容器開口部との間に隙間が生じ、完全な密封性が得られなくなる課題があった。
【解決手段】 首部10に直立弾力構造20を設けてなる容器の構成により、開口部11から中栓やシール材を除去してからキャップを装着する場合、中栓やシール材の厚み分によって生じるキャップ天板部と首部開口との隙間を直立弾力により無くすことができる容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首部に直立弾力を持たせた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器の内容物が空気に晒されると変質する恐れがある場合、開口部を中栓やシール材で密封してから、キャップを天板部がシール材等に密着するように装着していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、使用者が中栓やシール材を除去してからキャップをすると、中栓やシール材の僅かな厚み分だけキャップ天板部と容器開口部との間に隙間が生じ、完全な密封性が得られなくなる課題があった。
特に、キャップを回転することなく押し込みだけで装着する構造のものや、僅かな回転数で装着する構造のものにあっては、十分な締め付け力を得られないため、密封性に課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで本発明は、請求項1に記載のように、首部に直立弾力構造を設けてなる容器を提供するものである。
【0005】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の容器において、首部の開口天部に天板部を密着させてキャップを被嵌してなる容器を提供するものである。
【0006】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項2に記載の容器において、首部の開口天部とキャップ係止部との間に直立弾力構造を設けてなる容器を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載の容器において、容器の開口天部にシールを当接し、シールに天板部を密着させてキャップを被嵌してなる容器を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造がくの字状の断面からなる容器を提供するものである。
【0009】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造を開口の口径以上の内径に設けてなる容器を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の容器において、ほぼ同一肉厚の容器首部の開口側首部に対して容器肩部側首部を太く成形し、その境界部分に直立弾力構造を設けてなる容器を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項7に記載の容器において、直立弾力構造が開口側首部と肩部側首部とを連結する連結枠部からなる容器を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項8に記載の容器において、連結枠部が皿形状からなる容器を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項8に記載の容器において、連結枠部がくの字状の断面からなる容器を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項10に記載の容器において、連結枠部が2段のくの字状の断面からなる容器を提供するものである。
【0015】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項7乃至11のいずれかに記載の容器において、容器肩部側首部にキャップ係止部を設けてなる容器を提供するものである。
【0016】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項12に記載の容器において、キャップ係止部がねじ止め構造からなる容器を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載の容器において、ねじ止め構造がキャップの90度以内の回転ねじ止め構造からなる容器を提供するものである。
【0018】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項14に記載の容器において、ねじ止め構造が多条ねじ止め構造からなる容器を提供するものである。
【0019】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項1乃至15のいずれかに記載の容器において、容器首部のキャップ係止部に逆回転を解除自在に止めるストッパを設けてなる容器を提供するものである。
【0020】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項16に記載の容器において、ストッパがクリックストップ式からなる容器を提供するものである。
【0021】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載の容器において、キャップ係止部が、押し込み掛止構造からなる容器を提供するものである。
【0022】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載の容器において、押し込み掛止構造が、大径首部に係止段部を設けてなり、押し込みによってキャップスカート部に設けた係止突起が前記係止段部に係合してキャップの装着が完了するように構成してなる容器を提供するものである。
【0023】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項19に記載の容器において、係止段部を大径首部と容器肩部との間の首部の径を小径にすることによって設けてなる容器を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項18、19又は20に記載の容器において、押し込み掛止構造がクリックストップ式からなる容器を提供するものである。
【0025】
また、本発明は、請求項22に記載のように、請求項1乃至21に記載の容器において、容器首部をプラスチックの中空成形加工により成形してなる容器を提供するものである。
【0026】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項1乃至22に記載の容器において、容器が絞り出し容器からなる容器を提供するものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る容器は、首部に直立弾力構造を設けてなる構成を有することにより、首部に垂直方向の力が加わると直立弾力を維持して垂直方向の伸縮をするから、容器の首部開口に平板状の蓋体を圧着して直立弾力により首部開口を確実に密封することができると共に、使用者が購入した容器の首部開口から中栓やシール材を除去してからキャップを装着する場合、中栓やシール材の厚み分によって生じるキャップ天板部と首部開口との隙間を直立弾力により無くすことができる効果があり、特に、キャップを回転することなく押し込みだけで装着する構造のものや、僅かな回転数で装着する構造のものにあっては、密封性と共に十分な締め付け力を得られ、液漏れ等を防止でき、安心して使用することができる効果がある。
【0028】
また、本発明は、請求項2に記載のように、請求項1に記載の容器において、首部の開口天部に天板部を密着させてキャップを被嵌してなる構成を有することにより、キャップを被嵌するとキャップ天板部が首部の開口天部に直立弾力を維持して密着するから、中栓やシール材を除去してからキャップを装着する場合に、シール材等の隙間を埋めて密封性が得られる効果がある。
【0029】
また、本発明は、請求項3に記載のように、請求項2に記載の容器において、首部の開口天部とキャップ係止部との間に直立弾力構造を設けてなる構成を有することから、開口天部にキャップ天板部を当接させてキャップを係止することにより、直立弾力によってキャップの密封性を得ることができる効果がある。
【0030】
また、本発明は、請求項4に記載のように、請求項1、2又は3に記載の容器において、容器の開口天部にシール材を当接し、シール材に天板部を密着させてキャップを被嵌してなる構成を有することにより、直立弾力によってキャップ天板部が開口天部上のシール材に密着するから、キャップ上からのシール材の開口天部への熱溶着による貼付作業を確実にすることができる効果がある。
【0031】
また、本発明は、請求項5に記載のように、請求項1乃至4のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造がくの字状の断面からなる構成を有することにより、容器首部のくの字状断面の僅かな伸縮によって容易に直立弾力構造を構成することができると共に、直立弾力構造を容器首部の内径を狭めることなく開口の口径以上の内径に設けることができる効果がある。
【0032】
また、本発明は、請求項6に記載のように、請求項1乃至5のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造を開口の口径以上の内径に設けてなる構成を有することにより、直立弾力構造が容器開口より細い絞り構造を容器首部に付加しないから、内容物の円滑な注出を可能にすると共に、容器底部方向から容器内開口のシール材の貼付状態を検査するのを可能にする効果がある。
【0033】
また、本発明は、請求項7に記載のように、請求項1乃至6のいずれかに記載の容器において、ほぼ同一肉厚の容器首部の開口側首部に対して容器肩部側首部を太く成形し、その境界部分に直立弾力構造を設けてなる構成を有することにより、径の細い容器首部の開口側首部と径の大きい容器肩部側首部との接続部分によって直立弾力構造を容易に形成することができる効果があると共に、容器首部の径の大きい容器肩部側首部内に内容物をそれだけ大量に収容することができる効果がある。
【0034】
また、本発明は、請求項8に記載のように、請求項7に記載の容器において、直立弾力構造が開口側首部と肩部側首部とを連結する連結枠部からなる構成を有することにより、開口側首部と肩部側首部とを連結する連結枠部によって直立弾力構造を形成することができる効果がある。
【0035】
また、本発明は、請求項9に記載のように、請求項8に記載の容器において、連結枠部が皿形状からなる構成を有することにより、皿形状の連結枠部のたわみによって直立弾力構造を構成することができる効果がある。
【0036】
また、本発明は、請求項10に記載のように、請求項8に記載の容器において、連結枠部がくの字状の断面からなる構成を有することにより、くの字状断面の伸縮によって容易に直立弾力構造を構成することができると共に、直立弾力構造を容器首部の内径を狭めることなく開口の口径以上の内径に容易に設けることができる効果がある。
【0037】
また、本発明は、請求項11に記載のように、請求項10に記載の容器において、連結枠部が2段のくの字状の断面からなる構成を有することにより、くの字状断面の伸縮を容易にした直立弾力構造を構成することができると共に、直立弾力構造を容器首部の内径を狭めることなく開口の口径以上の内径に設けることができる効果がある。
【0038】
また、本発明は、請求項12に記載のように、請求項7乃至11のいずれかに記載の容器において、容器肩部側首部にキャップ係止部を設けてなる構成を有することにより、キャップ係止部が容器首部の開口側首部に対して太く成形した容器肩部側首部に設けたから、キャップ係止力をそれだけ大きく強固に設けることができる効果がある。
【0039】
また、本発明は、請求項13に記載のように、請求項12に記載の容器において、キャップ係止部がねじ止め構造からなる構成を有することにより、多条ねじによりキャップのねじ止め回転角度を小さく設定することができる効果がある。
【0040】
また、本発明は、請求項14に記載のように、請求項13に記載の容器において、ねじ止め構造がキャップの90度以内の回転ねじ止め構造からなる構成を有することにより、使用時にキャップを90度以内の僅かな回転角度で着脱することができる効果がある。
【0041】
また、本発明は、請求項15に記載のように、請求項14に記載の容器において、ねじ止め構造が多条ねじ止め構造からなる構成を有することにより、ねじ止め回転角度を小さく設定して強固に固定することができる効果がある。
【0042】
また、本発明は、請求項16に記載のように、請求項1乃至15のいずれかに記載の容器において、容器首部のキャップ係止部に逆回転を解除自在に阻止するストッパを設けてなる構成を有することにより、ストッパによってキャップの固定を確実にすることができる効果がある。
【0043】
また、本発明は、請求項17に記載のように、請求項16に記載の容器において、ストッパがクリックストップ式からなる構成を有することにより、キャップをクリック感を伴って固定することができる効果がある。
【0044】
また、本発明は、請求項18に記載のように、請求項1乃至17のいずれかに記載の容器において、キャップ係止部が、押し込み掛止構造からなる構成を有することにより、キャップを回転することなく押し込みによってワンタッチで簡単に係止することができる効果がある。
【0045】
また、本発明は、請求項19に記載のように、請求項18に記載の容器において、押し込み掛止構造が、大径首部に係止段部を設けてなり、押し込みによってキャップスカート部に設けた係止突起が前記係止段部に係合してキャップの装着が完了するように構成してなるから、大径首部に大型の係止段部を設けることができ、キャップの係止突起を強力に確実に係止することができる効果がある。
【0046】
また、本発明は、請求項20に記載のように、請求項19に記載の容器において、係止段部を大径首部と容器肩部との間の首部の径を小径にすることによって設けてなる構成を有することにより、容器首部の開口部との容器肩部との間に大径首部を設けるだけで係止段部を構成することができると共に、係止段部を環状に設けることによってキャップの係止突起との係合角度位置を自由に設定することができる効果がある。
【0047】
また、本発明は、請求項21に記載のように、請求項18、19又は20に記載の容器において、押し込み掛止構造がクリックストップ式からなる構成を有することにより、キャップをクリック感を伴ってワンタッチで固定することができる効果がある。
【0048】
また、本発明は、請求項22記載のように、請求項1乃至21に記載の容器において、容器首部をプラスチックの中空成形加工により成形してなる構成を有することにより、容器をプラスチックの中空成形により容易に成形加工することができる効果がある。
【0049】
また、本発明は、請求項23に記載のように、請求項1乃至22に記載の容器において、容器が絞り出し容器からなる構成を有することにより、容器開口をキャップで密封して絞り出し後の容器内に空気が流入するのを阻止する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下図示する実施例により本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0051】
図1乃至図5に示す実施例によれば、本発明に係る容器本体1は、首部10に直立弾力構造20を設けてなる構成を有する。直立弾力構造20は、直立した首部10に垂直方向の力が加わると直立弾力を維持して垂直方向の弾性的な伸縮を可能にする構造を有する。従って、容器本体1の首部開口天面11に平板状の蓋体を圧着して直立弾力により首部開口12を確実に密封することができる。
その結果、使用者が購入した中栓やシール材を有する容器本体1から中栓やシール材を除去してキャップを装着したとしても、中栓やシール材の厚み分が無くなることにより生じるキャップ天板部と首部開口天面11との僅かな隙間分を、直立弾力構造20が伸縮を伴って弾性変形して無くすことができ、キャップによる密封性が維持される。
【0052】
特に、キャップを回転することなく押し込みだけで装着する構造のものや、僅かな回転数で装着する構造のものにあっては、直立弾力構造20により十分な装着力を伴って容器開口の密封力を得られ、液漏れ等を防止でき、安心して使用することができることとなる。
【0053】
また、キャップを被嵌するとキャップ天板部が首部開口天面11に直立弾力を維持して密着するからには、首部10の開口天面11とキャップ係止部30との間に直立弾力構造20を設けてなる構成を有することとなり、開口天面11にキャップ天板部を当接させてキャップを係止することにより、その間にある直立弾力構造20の弾発力によってキャップの密封性を得ることができる。
【実施例2】
【0054】
また、本発明の実施例において、容器開口天面11にシール材を貼着した容器の製作中において、容器本体1の開口天面11にシール材を当接し、シール材に天板部を密着させてキャップを被嵌すると、直立弾力によってキャップ天板部が開口天面11上のシール材に密着するから、キャップ上からのシール材の開口天面11への熱溶着による貼付作業を確実にすることができる。
【実施例3】
【0055】
また、図5の実施例の場合、本発明の容器本体1において、直立弾力構造20は、開口側から順番に外側に山状に突出する小さいくの字状の断面部分21と大きいくの字状の断面部分22と、平面状又は緩い傾斜面状の境界部分23からなる構成を有する。
また、開口内側から見ると、この直立弾力構造20は、開口側から順番に内側に谷状に突出するくの字状の断面部分24と大きいくの字状の断面部分25とからなり、断面部分24は先の断面部分21の下片部分と断面部分22の上片部分とからなり、断面部分25は先の断面部分22の下片部分と境界部分23とからなる。
【0056】
なお、直立弾力構造20の谷状断面部分24,25を開口12の口径以上の内径に設けることによって、直立弾力構造20が容器開口12より細い絞り構造を容器首部10に付加しないから、内容物の円滑な注出を可能にすると共に、製作時に容器胴部方向から容器内開口12のシール材の貼付状態を検査するのを容易にすることができる。
【0057】
上記図示の実施例の場合、直立弾力構造20の実質的な直立弾力は、山状の大きなくの字状の断面部分22の伸縮性に負うところが大であり、小さいくの字状の断面部分21は、首部10を覆うキャップの内筒部分と当接してキャップ天板部の開口天面11との密封性を補助する機能を主として有すると共に、境界部分23は直立弾力構造20の断面部分22とキャップ係止部30とを接続する境界部分としての機能を主として有するものである。
【実施例4】
【0058】
従って、直立弾力構造20は、実施例のように2個連続するものではなく、一個のくの字状の断面部分21又は22を設けてある実施例で良く、境界部分23も不要である。
なお、直立弾力構造20としての、くの字状の断面部分21、22、24又は25は、折り畳み式の蛇腹構造とは全く異なり、いずれも垂直方向に直立弾力を維持して弾性復帰可能に変形して伸縮する構造である。
【実施例5】
【0059】
図6及び図7に記載の実施例の場合、直立弾力構造20は、外側に突出して三個の小さいくの字状の断面部分21と一個の大きいくの字状断面22、内側に突出して三個の小さいくの字状の断面部分24と一個の大きいくの字状断面部分25を設けてあり、境界部分23を介して太首のキャップ係止部30に連結しており、直立弾力構造20として、くの字状の断面部分21、22、24又は25は、いずれも垂直方向に直立弾力を維持して弾性復帰可能に変形して伸縮する構造である。
【実施例6】
【0060】
図8及び図9に記載の実施例の場合、直立弾力構造20は、外側に突出する二個の小さいくの字状の断面部分21と三個の大きいくの字状断面22、及び、内側に突出して二個の小さいくの字状の断面部分24と三個の大きいくの字状断面部分25を設けてあり、境界部分23を介して太首のキャップ係止部30に連結しており、直立弾力構造20として、くの字状の断面部分21、22、24又は25は、垂直方向に直立弾力を維持して弾性復帰可能に変形して伸縮する構造である。
【実施例7】
【0061】
図10及び図11に記載の実施例の場合、直立弾力構造20は、外側に突出して一個の小さいくの字状の断面部分21と二個の大きいくの字状断面22、内側に突出して一個の小さいくの字状の断面部分24と二個の大きいくの字状断面部分25を設けてあり、境界部分23を介して太首のキャップ係止部30に連結しており、直立弾力構造20として、くの字状の断面部分21、22、24又は25は、いずれも垂直方向に直立弾力を維持して弾性復帰可能に変形して伸縮する構造である。
【実施例8】
【0062】
図12及び図13に記載の実施例の場合、直立弾力構造20は、外側に突出して二個の小さいくの字状の断面部分21と二個の大きいくの字状断面22、内側に突出して二個の小さいくの字状の断面部分24と二個の大きいくの字状断面部分25を設けてあり、境界部分23を介して太首のキャップ係止部30に連結しており、直立弾力構造20として、くの字状の断面部分21、22、24又は25は、いずれも垂直方向に直立弾力を維持して弾性復帰可能に変形して伸縮する構造である。
【実施例9】
【0063】
また、直立弾力構造20は、実施例のようにくの字状の断面部分21、22、24又は25を設けることなく、小径の開口側首部13と大径の容器肩側首部14を接続する平面状又は緩い傾斜面状の境界部分23だけの実施例でも良い。なお、緩い傾斜面の場合は、例えば、皿状の緩い傾斜面では、図示のように傾斜が下向きであれば水平面状の場合より弾性変形強度が強く、傾斜が上向きの場合であれば水平面状の場合より弾性変形強度が弱く設定することができる。
【0064】
図示の実施例の場合、プラスチックの中空成形加工により、ほぼ同一肉厚の容器首部10の開口側首部13に対して容器肩部側首部14を太く成形してあり、その連結枠部に直立弾力構造20を設けてなる構成を有する。従って、前記実施例の直立弾力構造20を構成するくの字状の断面部分21、22、24又は25、或いは境界部分23は本発明に係る連結枠部を構成している。
【実施例10】
【0065】
図示の実施例の場合、前記キャップ係止部30は、この容器首部10の開口側首部13より大径に構成した容器肩側首部14に設けてある。
太首部の外径は、細首部の外径に対して太ければそれだけ大きい係止部30を設けることができ、それだけ大きな係止効果が期待できる。
太首部の外径は、細首部の外径に対して、ほぼ1.2倍以上、好ましくは、1.6〜2.4倍程度が通常のキャップでは適当であるが、特殊な容器やキャップではそれ以下或いはそれ以上であっても良い。
【0066】
そして、図示の実施例の場合、キャップ係止部30は、ねじ止め構造からなり、ぼぼ90度以内の回転でキャップの装着が完了するように、90度以内の間隔で4条の大ピッチの雄ねじ31が重ならないように設けてある。キャップには、図では省略したが、この雄ねじ31にそれぞれ螺合する4条の雌ねじが設けてあり、ワンタッチに近い感覚でキャップをねじ込み装着することができるように構成してある。
即ち、雄ねじ31が柔軟な弾性体からなる場合には、キャップを押し込むだけで、キャップの雌ねじが雄ねじ31を乗り越えて嵌着し係合するように構成することが可能である。
【実施例11】
【0067】
また、容器首部10のキャップ係止部30には、逆回転を阻止するストッパ32を設けて、ストッパ32によって装着したキャップの固定を確実にするように構成してる。
図示の実施例の場合、ストッパ32は前記境界部分23上に90度間隔で4個所に設けてあり、図では省略したキャップ側のストッパが装着完了時にストッパ32を乗り越えて係合し、キャップの逆転を阻止するように構成してある。
また、本発明の実施例においては、キャップ側のストッパが装着完了時に弾性変形可能なストッパ32を弾性的に乗り越えて係合し、ストッパ32がクリックストップ式からなる構成からなり、キャップをクリック感を伴って固定することができる。
【実施例12】
【0068】
図14乃至図16は、キャップ40の一実施例を示し、比較的硬質なプラスチックの射出成形加工により一体に製作され、スカート部41の内側に、48個の係合歯42を円周状に設けてある。43は係合歯42の直上に設けたほぼ90度の回転で螺合可能な多条ネジ部であり、44は天板部、45は天板部44の中央からスカート部41と同心円筒的に多条ネジ部43の直上まで設けた下方の開いた首部内キャップ部である。
首部内キャップ部45は、細首状の容器首部10を上半分部で覆う上円筒部48と、やや太首状のくの字状断面部分21,22に相対する切欠部46を設けた下円筒部49を具備し、下円筒部49の下端部内側に設けた掛止片部47が切欠部46により弾性的にクリック感を伴って容器1の大径のくの字状断面部22に弾性的に嵌着するように構成してある。
【実施例13】
【0069】
また、図17乃至図20はチューブ容器1の一実施例を示し、比較的軟質なプラスチックのブロー成形加工により製作される押出チューブ容器で、容器肩部35に9個の係止歯34を等間隔に一体に設けてある。31は首太の首部に設けた多条ネジ部で、先のキャップ40の多条ネジ43と螺合するように設けてある。13は細首状の開口側首部で、開口側首部13と多条ネジ部31との間に、キャップ装着時に天板部44と当接して開口部11に圧着するように垂直方向に弾性変形可能なくの字状断面部分21,22を設けてある。先のキャップ40の首部内キャップ部45はくの字状断面部21,22を含めて開口側首部13に嵌着するように設けてある。このチューブ容器1は内容物が見える透明なプラスチック素材で成形することが好ましく、多条ネジ部31を設けた太首部まで内容物を収容し、使用時には太首部まで押圧して内容物を絞り出すことができる。
図20は、キャップ40の係合歯42と容器1の係止歯34の係合状態を示す要部の概略拡大図である。
【実施例14】
【0070】
また、図示しない他の実施例の場合、キャップ係止部30は、押し込み掛止構造からなり、大径首部14に係止段部33を設けて、押し込みによってキャップスカート部に設けた係止突起が係止段部33に係合してキャップの装着が完了するように構成することができる。
そして、容器側の係止段部33又はキャップ側の係止突起を柔軟な弾性体から構成して、押し込み操作によりクリックストップ式にキャップを装着し、容器使用後はキャップを引っ張るだけで、キャップの係止突起が係止段部33を乗り越えて離脱するように構成することが可能である。
【0071】
また、本発明の実施例の場合、容器の太首部14を含めて、容器全体に相当するプラスチックのチューブ状のパリソンを外型内に導入して、外型を閉じて底部を挟着し、首部開口12側から圧縮空気を送り込む従来周知の中空成形加工により、ほぼ同一肉厚に成形することができ、容器をプラスチックの中空成形により容易に成形加工することができる。
【0072】
また、本発明の実施例の場合、容器が絞り出し容器からなる構成を有することにより、容器開口12の太首部14にまで大量に内容物を充填することができるのみならず、押しつぶした容器胴部が復帰しようとしても内容物の詰まった太首部で密封して容器内に空気が流入するのを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明容器の一実施例の正面図
【図2】その側面図。
【図3】その平面図。
【図4】その底面図。
【図5】その要部の中央縦断面図。
【図6】本発明容器の他の一実施例の正面図。
【図7】図6のA−A線拡大端面図
【図8】本発明容器の他の一実施例の正面図。
【図9】図8のA−A線拡大端面図
【図10】本発明容器の他の一実施例の正面図。
【図11】図10のA−A線拡大端面図
【図12】本発明容器の他の一実施例の正面図。
【図13】図12のA−A線拡大端面図
【図14】本発明キャップの一実施例の正面図。
【図15】その底面図
【図16】その正面図中央縦断面図。
【図17】本発明容器の他の実施例の要部の拡大正面図
【図18】その平面図。
【図19】その一使用態様図。
【図20】その要部の拡大説明図。
【符号の説明】
【0074】
1 容器本体
10 首部
11 首部開口天面
12 首部開口
13 開口側首部
14 容器肩側首部
20 直立弾力構造
21、22 くの字状断面部分
23 境界部分
24、25 くの字状断面部分
30 キャップ係止部
31 雄ねじ
32 ストッパ
33 係止段部
34 係止歯
35 容器肩部
40 キャップ
41 スカート部
42 係合歯
43 多条ネジ部
44 天板部
45 首部内キャップ部
46 切欠部
47 掛止片部
48 上円筒部
49 下円筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
首部に直立弾力構造を設けてなる容器。
【請求項2】
請求項1に記載の容器において、首部の開口天部に天板部を密着させてキャップを被嵌してなる容器。
【請求項3】
請求項2に記載の容器において、首部の開口天部とキャップ係止部との間に直立弾力構造を設けてなる容器。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の容器において、容器の開口天部にシールを当接し、シールに天板部を密着させてキャップを被嵌してなる容器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造がくの字状の断面からなる容器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の容器において、直立弾力構造を開口の口径以上の内径に設けてなる容器。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の容器において、ほぼ同一肉厚の容器首部の開口側首部に対して容器肩部側首部を太く成形し、その境界部分に直立弾力構造を設けてなる容器。
【請求項8】
請求項7に記載の容器において、直立弾力構造が開口側首部と肩部側首部とを連結する連結枠部からなる容器。
【請求項9】
請求項8に記載の容器において、連結枠部が皿形状からなる容器。
【請求項10】
請求項8に記載の容器において、連結枠部がくの字状の断面からなる容器。
【請求項11】
請求項10に記載の容器において、連結枠部が2段のくの字状の断面からなる容器。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれかに記載の容器において、容器肩部側首部にキャップ係止部を設けてなる容器。
【請求項13】
請求項12に記載の容器において、キャップ係止部がねじ止め構造からなる容器。
【請求項14】
請求項13に記載の容器において、ねじ止め構造がキャップの90度以内の回転ねじ止め構造からなる容器。
【請求項15】
請求項14に記載の容器において、ねじ止め構造が多条ねじ止め構造からなる容器。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の容器において、容器首部のキャップ係止部に逆回転を解除自在に止めるストッパを設けてなる容器。
【請求項17】
請求項16に記載の容器において、ストッパがクリックストップ式からなる容器。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれかに記載の容器において、キャップ係止部が、押し込み掛止構造からなる容器。
【請求項19】
請求項18に記載の容器において、押し込み掛止構造が、大径首部に係止段部を設けてなり、押し込みによってキャップスカート部に設けた係止突起が前記係止段部に係合してキャップの装着が完了するように構成してなる容器。
【請求項20】
請求項19に記載の容器において、係止段部を大径首部と容器肩部との間の首部の径を小径にすることによって設けてなる容器。
【請求項21】
請求項18、19又は20に記載の容器において、押し込み掛止構造がクリックストップ式からなる容器。
【請求項22】
請求項1乃至20に記載の容器において、容器首部をプラスチックの中空成形加工により成形してなる容器。
【請求項23】
請求項1乃至21に記載の容器において、容器が絞り出し容器からなる容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−13191(P2008−13191A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−184099(P2006−184099)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【出願人】(000116297)ヱスビー食品株式会社 (40)
【出願人】(000234627)シロウマサイエンス株式会社 (40)
【Fターム(参考)】