説明

寸法測定装置、シール面間寸法測定装置およびシール面間寸法測定方法

【課題】自動車のドア側のシール面とボディー側のシール面との間のシール面間寸法を正確かつ短時間で測定する。
【解決手段】少なくとも片面に配置された複数のターゲットマーク13を表にして車両のボディー側に取り付けるボディー側ターゲットボード11と、両面に配置された複数のターゲットマークが表裏から見えるように車両のドア側に取り付けるドア側ターゲットボード12と、車両のボディー側のシール面およびドア側のシール面にレーザ光を照射するレーザ光照射部22と、ターゲットボード11、12を撮影するステレオカメラ23と、撮影したレーザ光からボディー側およびドア側のシール面の断面形状を認識し、撮影したターゲットマーク13を用いてボディー側およびドア側のシール面の断面形状を一致させるように移動させ、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する画像処理部30と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、自動車のボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する寸法測定装置、シール面間寸法測定装置およびシール面間寸法測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドアが閉まっている状態で、ボディーとドアとの間のシール性を確保するためには、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間の寸法、いわゆるシール面間寸法が適正であることが重要である。
【0003】
シール面間寸法は、原理的には、レーザ光による光切断法を用いて測定することができる。光切断法により、被測定物の断面形状を認識する装置としては、下記特許文献1に開示されているものがある。
【0004】
下記特許文献1に開示されている装置は、レーザ光を被測定物に照射し、レーザ光で照らし出した被測定物の形状を受光手段に取り込み、三角測距の原理を用いて被測定物の断面形状を認識する。
【0005】
下記特許文献1に開示されている装置を用いてシール面間寸法を測定するには、まず自動車のドアを開け、ボディー側のシール面の断面形状を認識し、次に、ドア側のシール面の断面形状を認識する。そして、認識したボディー側とドア側のシール面の断面形状を、自動車のドアが閉まっているときと同じ状態が再現できるように配置する。最後に、ドア側のシール面の断面形状の輪郭線とボディー側のシール面の断面形状の輪郭線との距離を測定してシール面間寸法とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−26633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、特許文献1に開示されている装置を用いれば、ボディー側のシール面の断面形状とドア側のシール面の断面形状は正確に認識できる。
【0008】
しかし、シール面間寸法を測定するためには、ドア側のシール面の断面形状とボディー側のシール面の断面形状を、自動車のドアが閉まっているときと同じ状態を再現するために、ある位置を基準に正確に配置しなければならない。特許文献1に開示されている装置を用いただけでは、ドア側のシール面の断面形状とボディー側のシール面の断面形状を正確に配置させるための基準がないので、シール面間寸法を正確に測定することは困難である。
【0009】
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、自動車のボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を正確かつ短時間で測定できる寸法測定装置、シール面間寸法測定装置およびシール面間寸法測定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るシール面間寸法測定装置は、ボディー側ターゲットボード、ドア側ターゲットボード、レーザ光照射部、ステレオカメラおよび画像処理部を有する。
【0011】
ボディー側ターゲットボードは、少なくとも片面に配置された複数のターゲットマークを表にして車両のボディー側に取り付ける。ドア側ターゲットボードは、両面に配置された複数のターゲットマークが表裏から見えるように車両のドア側に取り付ける。レーザ光照射部は、車両のボディー側のシール面およびドア側のシール面にレーザ光を照射する。ステレオカメラは、ボディー側およびドア側ターゲットボードのターゲットマーク、ボディー側ターゲットボードのターゲットマークおよびボディー側のシール面に照射したレーザ光、ドア側ターゲットボードのターゲットマークおよびドア側のシール面に照射したレーザ光を撮影する。画像処理部は、撮影したレーザ光からボディー側およびドア側のシール面の断面形状を認識し、撮影したボディー側およびドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いてボディー側およびドア側のシール面の断面形状をボディー側およびドア側ターゲットボードのターゲットマークに一致させるように移動させ、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るシール面間寸法測定装置によれば、ボディー側およびドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いてボディー側およびドア側のシール面の断面形状を、ドアを閉じているときと同じ状態が再現できるように正確に配置できるので、シール面間寸法を正確かつ短時間で測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1、2に係るシール面間寸法測定装置の概略構成図である。
【図2】実施形態1、2におけるボディー側ターゲットボードおよびドア側ターゲットボードのターゲットマークを不規則に配置する理由の説明に供する図である。
【図3】実施形態1、2に係るボディー側ターゲットボード、ドア側ターゲットボードの取り付け状態を模式的に示す図である。
【図4】実施形態1、2に係るカメラユニットの左側面図、正面図、右側面図である。
【図5】実施形態1に係るシール面間寸法測定方法の手順を示すフローチャートである。
【図6】実施形態1、2における座標変換元基準の撮影状況を示す図である。
【図7】実施形態1、2におけるボディー側のシール面の断面形状の撮影状況を示す図である。
【図8】実施形態1、2におけるドア側のシール面の断面形状の撮影状況を示す図である。
【図9】実施形態2に係るシール面間寸法測定方法の手順を示すフローチャートである。
【図10】実施形態2に係るシール面間寸法測定方法の測定位置ずれ判定の具体的手順を示すフローチャートである。
【図11】実施形態2におけるボディー側のシール面の断面形状の座標系を座標変換元基準の座標系に一致させる状況を示す図である。
【図12】実施形態2におけるドア側のシール面の断面形状の座標系を座標変換元基準の座標系に一致させる状況を示す図である。
【図13】実施形態2におけるボディー側の断面形状とドア側の断面形状の撮影角度の算定状況を示す図である。
【図14】実施形態2におけるボディー側の断面形状の輪郭線とドア側のシール面断面が含まれるレーザ照射平面との距離の算定状況を示す図である。
【図15】実施形態1、2におけるボディー側ターゲットボードおよびドア側ターゲットボードのターゲットマークにターゲットボード区別用のターゲットマークを含める場合のターゲットボード一の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るシール面間寸法測定装置およびシール面間寸法測定方法の実施形態を、[実施形態1]と[実施形態2]に分けて説明する。
【0015】
[実施形態1]
実施形態1に係るシール面間寸法測定装置は、自動車のドアが閉まっているときのボディーとドアの内部隙間の寸法を簡易な操作により短時間で測定する装置である。ボディーとドアの内部隙間の寸法は一般的にシール面間寸法と称され、ドアを閉めた状態で測定することはできない。実施形態1に係るシール面間寸法測定装置は、ドアを開けた状態で、ボディー側とドア側のシール面の断面形状を測定し、両断面形状をドアが閉まっているときの状態に正確に配置し、両断面形状の輪郭線間の距離を測定してシール面間寸法を求める。ボディー側とドア側のシール面の断面形状をドアが閉まっているときの状態に正確に配置させるために、複数のターゲットマークが不規則に配列されたターゲットボートを用いる。
【0016】
(シール面間寸法測定装置の構成)
まず、実施形態1に係るシール面間寸法測定装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るシール面間寸法測定装置の概略構成図である。図2は、本実施形態におけるボディー側ターゲットボードおよびドア側ターゲットボードのターゲットマークを不規則に配置する理由の説明に供する図である。図3は、本実施形態に係るボディー側ターゲットボード、ドア側ターゲットボードの取り付け状態を模式的に示す図である。図4は、本実施形態に係るカメラユニットの左側面図、正面図、右側面図である。
【0017】
図1に示すように、シール面間寸法測定装置1は、ボディー側ターゲットボード11、ドア側ターゲットボード12、カメラユニット20および画像処理部30を有する。
【0018】
ボディー側ターゲットボード11は、少なくとも片面に配置された複数のターゲットマーク13を表にして自動車のボディー側に取り付けられる。ボディー側ターゲットボード11は、磁性体を練り込んだ合成樹脂シートまたは裏面の一部に粘着剤を積層した合成樹脂シートを用いる。自動車のボディーに容易に着脱できるようにするためである。ボディー側ターゲットボード11は正方形状に形成され、その少なくとも片面には、図示するような円形のターゲットマーク13を複数配置する。複数のターゲットマーク13の配置は不規則にする。座標変換元基準としての機能を確保するためである。なお、複数のターゲットマーク13の位置関係は、後述の画像処理部30に登録しておく。
【0019】
ドア側ターゲットボード12は、両面に配置された複数のターゲットマーク13が表裏から見えるように自動車のドア側に取り付けられる。ドア側ターゲットボード12もボディー側ターゲットボード11と同様に、磁性体を練り込んだ合成樹脂シートまたは裏面の一部に粘着剤を積層した合成樹脂シートを用いる。ドア側ターゲットボード12は長方形状に形成され、その表裏面には、図示するような円形のターゲットマーク13を複数配置する。表面に配置する複数のターゲットマーク13と裏面に配置する複数のターゲットマーク13(図示せず)の数や配置は表裏面で異なる。なお、その数や配置は表裏面で面対称としても良い。複数のターゲットマーク13の配置は不規則にする。座標変換元基準としての機能を確保するためである。なお、表裏面の複数のターゲットマーク13の位置関係は、後述の画像処理部30に登録しておく。
【0020】
ここで、ターゲットマーク13の数や配置を不規則とする理由を説明する。上述のように、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13とドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13の数や配置は異なる。ドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13は表面と裏面の両面に配置されその数や配置も異なる。ターゲットマーク13の配置は不規則にしてある。全てのターゲットマーク13の三次元座標および位置関係は画像処理部30に登録してある。カメラユニット20(図1参照)で、例えば、図2に示すように、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13を撮影すると、ターゲットマーク13の三次元座標がわかる。このターゲットマーク13の三次元座標を、図2に示すように、画像処理部30に登録済みのターゲットマーク13の三次元座標と照合する。照合結果(NG、OK)によって、撮影したターゲットマーク13はどのターゲットボードのどちらの面のターゲットマークかが認識できる。本実施形態ではターゲットマーク13の撮影をステレオカメラ23で行っているので、撮影された各ターゲットマークの位置関係(間隔)と登録済みの各ターゲットマーク13の位置関係との変化を認識することで、どの方向、どの角度から撮影しているのかが認識できる。
【0021】
図3に示すように、ボディー側ターゲットボード11は、自動車のドア3の開放側近傍のボディー2の表面にターゲットマーク13を表にして貼り付ける。また、ドア側ターゲットボード12は、そのターゲットマーク13をボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13と上下方向に隣接させ、ドア3の開放側端部に貼り付ける。ドア側ターゲットボード12はターゲットマーク13の配置されている部分をボディー表面に突き出すように貼り付けるので、ドアを開放したときにドア側ターゲットボード12の裏面のターゲットマーク13が見える。なお、図3において、Sはシール面間寸法を示し4はドア3のヒンジを示す。
【0022】
図1および図4に示すように、カメラユニット20は、レーザ光照射部22とステレオカメラ23とを有し、レーザ光照射部22とステレオカメラ23は同一の筐体21に取り付ける。筐体21には下側に伸びるハンドグリップ24を設け、ハンドグリップ24には撮影スイッチ25を配置する。また、筐体21のステレオカメラ23を取り付ける面とは反対側の面に撮影キャンセルスイッチ26を配置する。
【0023】
撮影スイッチ25は、ステレオカメラ23による撮影を開始するときに作業者が押すスイッチである。撮影キャンセルスイッチ26は、撮影した画像を破棄するときに作業者が押すスイッチである。
【0024】
図4に示すように、ステレオカメラ23は筐体21の同一面(正面)に間隔をおいて配置した上下一対のCCD等の受光素子23a、23bを有する。レーザ光照射部22は2つの受光素子23a、23bの間に配置する。レーザ照射口22aからは、自動車のボディー側のシール面およびドア側のシール面にスリット状のレーザ光が照射される。ステレオカメラ23でボディー側およびドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13を撮影すると、ステレオカメラ23の撮影位置が容易に認識できる。また、受光素子23a、23bの間にレーザ照射口22aを配置することで、レーザ光が照射されたボディー側およびドア側のシール面の映像をステレオで撮影することができる。
【0025】
また、筐体21のレーザ光照射部22を配置する面とは反対側の面に、筐体21の上下の長手方向に沿って縦長形状のLED照明40を設ける。LED照明40は、図1に示すように、LEDケーブル41および同期信号ケーブル42を介して、LED照明用電源43に接続する。
【0026】
ステレオカメラ23は、自動車のボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13とドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13を同時に撮影する。また、ステレオカメラ23は、自動車のボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13と共にレーザ光照射部22がボディー側のシール面に照射したレーザ光を撮影する。さらに、ステレオカメラ23は、自動車のドア側ターゲットボード12の裏側のターゲットマーク13と共にレーザ光照射部22がドア側のシール面に照射したレーザ光を撮影する。
【0027】
撮影スイッチ25をオンすると、同期信号ケーブル42からLED照明用電源43に同期信号が送信され、ステレオカメラ23の撮影と同期してLED照明用電源43からLED照明40に電力が供給される。
【0028】
画像処理部30は、図1に示すように、カメラユニット20とは別体とされ、画像処理部30は、たとえば、パソナルコンピュータ(GUI用PC)等の演算処理装置で構成される。画像処理部30は、PoEインジェクタ31を介して、LANケーブル32、33でカメラユニット20に接続され、同期ケーブル34によってカメラユニット20に直接接続される。カメラユニット20の撮影スイッチ25をオンすると、カメラユニット20の画像が画像処理部30に入力される。
【0029】
画像処理部30は、撮影したレーザ光からボディー側およびドア側のシール面の断面形状を認識する。そして、画像処理部30は、撮影したボディー側およびドア側ターゲットボード11、12のターゲットマーク13を用いてボディー側およびドア側のシール面の断面形状をボディー側およびドア側ターゲットボード11、12のターゲットマーク13に一致させるように移動する。そして、画像処理部30は、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する。画像処理部30の具体的な動作は、図5のフローチャートで説明する。
【0030】
(シール面間寸法測定装置の動作・シール面間寸法測定方法)
次に、本実施形態に係るシール面間寸法測定装置の動作をシール面間寸法測定方法の手順と共に説明する。図5のフローチャートのステップS3からステップS7が本実施形態に係るシール面間寸法測定装置がかかわる動作である。
【0031】
図5は、実施形態1に係るシール面間寸法測定方法の手順を示すフローチャートである。
【0032】
まず、シール面間寸法の測定を開始する前に、作業者は、図3に示したように、自動車のボディー2にボディー側ターゲットボード11を貼り付ける。ボディー側ターゲットボード11は、ドア3の開放側近傍のボディー2の表面に貼り付ける(S1)。
【0033】
次に、作業者は、図3に示したように、自動車のドア3にドア側ターゲットボード12を貼り付ける。ドア側ターゲットボード12は、ボディー側ターゲットボード11とターゲットマーク13が上下方向に隣接して並ぶ位置に、ボディー2の表面側に突き出すようにして、ドア3の開放側端部に貼り付ける(S2)。
【0034】
ボディー側ターゲットボード11とドア側ターゲットボード12は、ドア2を閉じている状態で貼り付ける。なお、上述のように、ドア側ターゲットボード12の表裏面には複数のターゲットマーク13が配置してある。したがって、ドア3を閉じているときには表側のターゲットマーク13しか見ることができないが、ドア3を開けているときには裏側のターゲットマーク13も見ることができる。
【0035】
次に、作業者は、ステレオカメラ23で座標変換元基準を撮影する(S3)。図6は、本実施形態における座標変換元基準の撮影状況を示す図である。図6に示すように、座標変換元基準の撮影はドア3を閉じている状態で行う。ボディー側ターゲットボード11とドア側ターゲットボード12に対してステレオカメラ23を正対させ両方のターゲットマーク13を同時に撮影する。ドア3を閉じている状態でボディー側ターゲットボード11とドア側ターゲットボード12の両方のターゲットマーク13を撮影すると、シール面間寸法が成立している状態における座標変換元基準の三次元座標が認識できる。座標変換元基準の三次元座標は、この後に撮影するボディー側とドア側のシール面の断面形状を配置する際の基準となる。なお、座標変換元基準を撮影するときにはLED照明40が発光してターゲットマーク13を照らす。
【0036】
次に、作業者は、ボディー側のシール面の断面形状を取得する(S4)。つまり、作業者は、ドア3を開けている状態で、レーザ光照射部22からボディー側のシール面にレーザ光を照射し、ステレオカメラ23で、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13とボディー側のシール面に照射したレーザ光を撮影する。
【0037】
図7は、本実施形態におけるボディー側のシール面の断面形状の撮影状況を示す図である。図7に示すように、ボディー側のシール面の断面形状を取得するときには、ボディー側のシール面にレーザ照射部22からスリット状のレーザ光Lを照射し、ステレオカメラ23によって、ボディー側のシール面の断面形状を撮影する。ボディー側のシール面の断面形状の撮影と同時に、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13も撮影する。撮影した画像は画像処理部30に送る。ターゲットマーク13は不規則に配置されているので、画像処理部30は、各ターゲットマーク13の間隔を計測することによって、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13の三次元座標が認識できる。
【0038】
次に、ドア側のシール面の断面形状を取得する(S5)。つまり、作業者は、ドア3を開けている状態で、レーザ光照射部22からドア側のシール面にレーザ光を照射し、ステレオカメラ23で、ドア側ターゲットボード12の裏側のターゲットマーク13とドア側のシール面に照射したレーザ光を撮影する。
【0039】
図8は、本実施形態におけるドア側のシール面の断面形状の撮影状況を示す図である。図8に示すように、ドア側のシール面の断面形状を取得するときには、ドア側のシール面にレーザ照射部22からスリット状のレーザ光Lを照射し、ステレオカメラ23によって、ドア側のシール面の断面形状を撮影する。ドア側のシール面の断面形状の撮影と同時に、ドア側ターゲットボード12の裏面のターゲットマーク13も撮影する。ドア側のシール面の断面形状の撮影はドア3を開けた状態で行うため、ステップS3の座標変換元基準の撮影のときとは異なって、ドア側ターゲットボード12の裏面のターゲットマーク13を撮影する。撮影した画像は画像処理部30に送る。ターゲットマーク13は不規則に配置されているので、画像処理部30は、各ターゲットマーク13の間隔を計測することによって、ドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13の三次元座標が認識できる。
【0040】
画像処理部30は、ステップS4で取得したボディー側のシール面の断面形状とステップS5で取得したドア側のシール面の断面形状を、S3で認識した座標変換元基準を用いて配置する(S6)。ステップS4でボディー側のシール面の断面形状を取得したときに、同時にボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13の三次元座標を認識している。ステップS3で認識した座標変換元基準の三次元座標に、ステップS4で認識したボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13の三次元座標が合うように、ボディー側のシール面の断面形状を移動させる。これにより、ボディー側のシール面の断面形状は、ドアが閉じられているときの、断面形状に一致する。また、ステップS5でドア側のシール面の断面形状を取得したときに、同時にドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13の三次元座標を認識している。ステップS3で認識した座標変換元基準の三次元座標に、ステップS5で認識したドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13の三次元座標が合うように、ドア側のシール面の断面形状を移動させる。これにより、ドア側のシール面の断面形状は、ドアが閉じられているときの、断面形状に一致する。なお、座標変換元基準の三次元座標はドア側ターゲットボード12の表側のターゲットマーク13であり、ステップS5で認識したドア側ターゲットボード12のターゲットマーク13の三次元座標はドア側ターゲットボード12の裏側のターゲットマーク13である。したがって、ドア側のシール面の断面形状を移動させるときには、ドア側ターゲットボード12の表側と裏側のターゲットマーク13を合せることになる。以上の処理によって、ドアが閉じているときの、ボディー側のシール面の断面形状の位置とドア側のシール面の断面形状の位置が再現できる。
【0041】
画像処理部30は、シール面間寸法を測定する(S7)。ステップS6の処理によって、座標変換元基準の三次元座標に配置されたボディー側のシール面の断面形状の輪郭線とドア側のシール面の断面形状の輪郭線との間の距離を測定する。この距離は自動車のボディー2とドア3のシール面間寸法である。
【0042】
以上のように、本実施形態では、ボディー側およびドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いて、ボディー側およびドア側のシール面の断面形状を、ドアを閉じているときと同じ状態に配置できる。このため、両断面形状の輪郭線間の距離を測定することで、シール面間寸法を正確かつ短時間で測定できる。
【0043】
[実施形態2]
次に、実施形態2に係るシール面間寸法測定装置を説明する。本実施形態に係るシール面間寸法測定装置は、装置の構成の大部分および方法の手順の大部分は、実施形態1に係るシール面間寸法測定装置と同じである。実施形態1では、作業者がレーザ光を照射する位置や角度を考慮せずにシール面間寸法を求めた。一般的には、作業者が、自動車のボディーの断面形状を取得するときと、自動車のドアの断面形状を取得するときとで、レーザ光の照射位置や角度を大きく変えることはない。ボディー側のシール面とドア側のシール面を同じくらいの高さの平面で切断するようにレーザ光を照射する。しかし、ドアを開けた状態で、ボディー側のシール面とドア側のシール面に別々にレーザ光を照射するので、厳密には、ボディー側のシール面とドア側のシール面を切断する平面は、その角度や高さが一致しない。角度や高さが一致していない平面で切断したボディー側のシール面とドア側のシール面との間の距離を求めたのでは、シール面間寸法に誤差が含まれることになる。この誤差を少なくする仕組みを持たせたのが、実施形態2に係るシール面間寸法測定装置である。
【0044】
(シール面間寸法測定装置の構成)
まず、実施形態2に係るシール面間寸法測定装置の構成について説明する。基本的な構成は、図1から図4に示した構成と同一である。ただ、1つ異なるのは、画像処理部30に1つの機能が追加されていることである。この機能を説明する。
【0045】
画像処理部30は、図5のステップS6の処理が終了した後に、レーザ光照射部22がボディー側とドア側のシール面にレーザ光を照射したときの、それぞれのレーザ光の照射平面を求める。つまり、ボディー側のシール面をどの角度、どの高さで切断したのか、ドア側のシール面をどの角度、どの高さで切断したのかを認識する。
【0046】
画像処理部30は、ボディー側のシール面を切断するレーザ光の照射平面とドア側のシール面を切断するレーザ光の照射平面の交差角を求め、その交差角が閾値を超えているときには警報を発する。また、照射平面間の距離を求め、その距離が閾値を超えているときには警報を発する。さらに、ボディー側およびドア側のシール面の断面形状の輪郭線とボディー側およびドア側のシール面を切断するレーザ光の照射平面との距離が閾値を超えているときには警報を発する。
【0047】
実施形態2に係るシール面間寸法測定装置の構成が実施形態1に係るシール面間寸法測定装置の構成と異なるのは、以上の点だけである。その他の構成は実施形態1に係るシール面間寸法測定装置の構成と同一である。
【0048】
(シール面間寸法測定装置の動作・シール面間寸法測定方法)
次に、本実施形態に係るシール面間寸法測定装置の動作をシール面間寸法測定方法の手順と共に説明する。図9のフローチャートのステップS13からステップS18が本実施形態に係るシール面間寸法測定装置がかかわる動作である。
【0049】
図9は、実施形態2に係るシール面間寸法測定方法の手順を示すフローチャートである。このフローチャートのステップS11からステップS16、ステップS18の処理内容は図5のフローチャートのステップS1からステップS7と同一である。したがって、ステップS17の処理を説明する。
【0050】
画像処理部30は、ステップS11からステップS16の処理が終了すると、ボディー側のシール面を測定したときのボディー側のシール面を切断するレーザ光の照射平面とドア側のシール面を測定したときのドア側のシール面を切断するレーザ光の照射平面の位置ずれを求める。そして、その位置ずれが閾値以内にあるか否かを判断する(S17)。
【0051】
その位置ずれが閾値以内にあれば(S17:YES)、画像処理部30は、シール面間寸法を測定する(S18)。一方、その位置ずれが閾値以内になければ(S17:NO)、警報を発し、ステップS15の処理に戻って、作業者に、ドア側のシール面の断面形状を再度取得させる。なお、ステップS15からステップS17はリアルタイムで処理するようにしても良い。ステップS15からステップS17をリアルタイムで処理するようにすれば、ドア側のシール面の断面形状を測定しようとするときに、その測定の角度や位置に不具合があるかないかを知ることができるからである。
【0052】
このように、ボディー側とドア側のシール面を切断するレーザ光の照射平面の位置ずれを考慮するのは、正確なシール面間寸法を測定できるようにするためである。シール面間寸法が最も正確に測定できるのは、ボディー側とドア側のシール面を水平に同一平面で切断したときである。ボディー側とドア側のシール面を切断するレーザ光の照射平面が大きくずれていたのでは、ボディー側のシール面の断面形状の輪郭線とドア側のシール面の断面形状の輪郭線との間の距離が、その照射平面のすれ量に応じて大きくなってしまう。なお、ステップS17の具体的な処理は、図10のフローチャートで説明する。
【0053】
図10は、本実施形態に係るシール面間寸法測定方法の測定位置ずれ判定の具体的手順を示すフローチャートである。
【0054】
まず、図9のフローチャートのステップS13において、図6に示した撮影状況の下で撮影した座標変換元基準の撮影画像から、ターゲットマーク13の三次元座標を算出する(S21)。
【0055】
次に、図9のフローチャートのステップS14において、図7に示した撮影状況の下で撮影したボディー側のシール面撮影時の画像から、ターゲットマーク13の三次元座標とボディー側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光が含まれる平面、すなわちレーザ照射平面BPを算出する(S22)。
【0056】
次に、座標変換元基準の三次元座標にボディー側のシール面の断面形状を三次元座標変換する(S23)。三次元座標変換は、ボディー側ターゲットボード11のターゲットマーク13の三次元座標を用いて行う。この処理は、図9のフローチャートのステップS16の処理と同じである。この処理によって、図11に示すように、ボディー側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光Lが含まれる平面の配置、すなわちボディー側のシール面を切断する平面の配置がわかる。
【0057】
次に、図9のフローチャートのステップS15において、図8に示した撮影状況の下で撮影したドア側のシール面撮影時の画像から、ターゲットマーク13の三次元座標とドア側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光が含まれる平面、すなわちレーザ照射平面DPを算出する(S24)。
【0058】
次に、座標変換元基準の三次元座標にドア側のシール面の断面形状を三次元座標変換する(S25)。三次元座標変換は、ドア側ターゲットボード11のターゲットマーク13の三次元座標を用いて行う。この処理は、図9のフローチャートのステップS16の処理と同じである。この処理によって、図12に示すように、ドア側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光Lが含まれる平面の配置、すなわちドア側のシール面を切断する平面の配置がわかる。
【0059】
次に、座標変換元基準の三次元座標に変換されたボディー側とドア側のシール面の断面形状が含まれる平面の交差角度を算出する(S26)。ステップ23とステップ25で求めた、ボディー側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光Lが含まれる平面BLと、ドア側のシール面撮影時に照射したスリット状のレーザ光Lが含まれる平面DLを、図13(a)に示すように配置する。
【0060】
そして、図13(b)、(c)に示すように、平面BLと平面DLとの交差角度θを求める。交差角度は、図13(b)に示すような水平方向の交差角度と、図13(c)に示すような垂直方向の交差角度の2つである。
【0061】
そして、交差角度θが閾値以内であるかを判別する(S27)。交差角度θが閾値を超える場合(S27:NO)は、作業者にNGのアラームを報知する(S31)。このように、交差角度θが閾値を超える場合にアラームを報知すると、不正確なシール面間寸法を測定することがなく、シール面間寸法の測定精度の向上に寄与することができる。
【0062】
一方、交差角度θが閾値以下である場合(S27:YES)は、座標変換元基準の三次元座標に変換されたボディー側またはドア側のシール面の断面形状が含まれる平面BL、DLとボディー側またはドア側のシール面の断面形状の輪郭線との距離hを算出する(S28)。例えば、図14に示すように、前述の座標変換元基準に三次元座標変換されたボディー側のシール面の断面形状が含まれる平面BLとドア側のシール面の断面形状の輪郭線Tとの距離hを算出する。
【0063】
そして、距離hが閾値以内であるかを判別する(S29)。距離hが閾値を超える場合(S29:NO)は、作業者にNGのアラームを報知する(S31)。このように、距離hが閾値を超える場合にアラームを報知すると、不正確なシール面間寸法を測定することがなく、シール面間寸法の測定精度の向上に寄与することができる。
【0064】
一方、距離hが閾値以下である場合は(S29:YES)、シール面間寸法の測定を正確に行うことができるので、断面プロフィールの測定位置ずれ判定の処理を終了して、図9のフローチャートのステップS18へと移行する。
【0065】
なお、ステレオカメラ23からの撮影データは撮影毎に画像処理部30に送信される。画像処理部30はシール面間寸法の算出に際して、瞬時にボディー側のシール面の断面形状データ、ドア側のシール面の断面形状データを座標変換元基準へと座標変換する。また、シール面間寸法をデジタルで測定するため、測定誤差が小さく、シール面間寸法を2分程度で測定することができ、測定スピードが速い。さらに、ボディー側のシール面の断面形状データ、ドア側のシール面の断面形状データ、シール面間寸法データは、デジタルデータとして保存可能であるため、後から測定位置を検証する場合でもその測定位置が明確である。そして、撮影操作が簡単であり、測定点を選択するだけで寸法表示が可能となる。
【0066】
以上説明したように、本発明によれば、作業者は、図1に示したカメラユニット20を手で持ち、まず、ドアを閉めた状態で、ボディー側およびドア側のターゲットボード11、12のターゲットマーク13を同時に撮影する。次に、ドアを開けて、ボディー側のシール面にレーザ光を照射し、ボディー側のシール面に照射されたレーザ光とボディー側のターゲットボード11のターゲットマーク13を同時に撮影する。最後に、ドア側のシール面にレーザ光を照射し、ドア側のシール面に照射されたレーザ光とドア側のターゲットボード12の裏側のターゲットマーク13を同時に撮影する。このとき、ボディー側のシール面に照射したレーザ光が含まれる面(ボディー側のシール面を切断する平面)とドア側のシール面に照射したレーザ光が含まれる面(ドア側のシール面を切断する平面)との交差角度がすれていると警報が鳴る。作業者はこの警報を聞いて、警報が鳴らないように、カメラユニット20の位置や角度を調整する。そして、ドア側のシール面を切断する平面とボディー側のシール面を切断する平面とがほぼ一致した状態で、ドア側のシール面に照射されたレーザ光とドア側のターゲットボード12の裏側のターゲットマーク13を同時に再撮影する。このため、本実施形態のシール面間寸法測定装置およびシール面間寸法測定方法によれば、ターゲットマーク13を用いて各シール面の断面形状データを正確に三次元座標変換できるので、シール面間寸法の測定精度が向上する。
【0067】
また、ボディー2とドア3のシール面の断面形状を個別に測定しても、座標変換元基準へ変換された、ボディー側のシール面の断面形状を含む平面とドア側のシール面の断面形状を含む平面との交差角度や断面形状の輪郭線との距離によって測定位置ずれを判定できる。このため、測定位置ずれの影響を大幅に抑制することができ、シール面間寸法の測定精度が向上する。
【0068】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。たとえば、上記の実施形態では、各ターゲットボード11、12に表示される円形のターゲットマークを不規則に配置している。しかし、三次元位置の調整においては、どのターゲットボードのいずれの面を撮影したかが判別できればよい。このため、図15に示すように、T字状の識別模様などの、他のターゲットマークとは種類の異なる位置調整用のターゲットマーク14を含ませても良い。位置調整用のターゲットマーク14を含ませれば、簡易な形状認識により、どのターゲットボードのいずれの面を撮影したかの判定が容易になる。
【0069】
本実施形態では、本発明を車両のドアのシール面間寸法の測定に適用した場合を例示した。しかし、本発明は、上記の実施形態以外に対しても、例えば、トランク、ボンネット、ハッチバックドアに対しても、適用できる。さらには、車両は自動車に限らず、電車、貨車を含めることができる。また、本発明は、車両以外にも、船、航空機などのドアや開閉物に対して適用できる。その他に、本発明は、ペットボトルのキャップと本体との接触具合、嵌め合い部品の爪の干渉具合、人間がベッドに寝るときのベッドのへこみ具合、ヘルメットを被ったときの緩衝材のへこみ具合、ドアを閉めたときのフェルトの干渉具合のような、柔らか物の合わせ時の干渉具合、プレス時のパネルの流入量測定、など幅広い範囲に適用できる。
【符号の説明】
【0070】
1 シール面間寸法測定装置、
2 ボディー、
3 ドア、
11 ボディー側ターゲットボード、
12 ドア側ターゲットボード、
20 カメラユニット、
22 レーザ照射部、
23 ステレオカメラ、
30 画像処理部、
L スリット状のレーザ光、
BP ボディー側のレーザ照射平面、
DP ドア側のレーザ照射平面、
S シール面間寸法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片面に配置された複数のターゲットマークを表にして本体に取り付ける本体側ターゲットボードと、
両面に配置された複数のターゲットマークが表裏から見えるように前記本体の開閉物に取り付ける開閉物側ターゲットボードと、
前記本体および前記開閉物にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記本体側および前記開閉物側ターゲットボードのターゲットマーク、前記本体側ターゲットボードのターゲットマークおよび前記開閉物側に照射したレーザ光、前記本体側ターゲットボードのターゲットマークおよび前記本体側に照射したレーザ光を撮影するステレオカメラと、
撮影したレーザ光から前記本体および前記開閉物の断面形状を認識し、撮影した前記本体側および前記開閉物側ターゲットボードのターゲットマークを用いて前記本体側および前記開閉物側の断面形状を前記本体側および前記開閉物側ターゲットボードのターゲットマークに一致させるように移動させ、前記本体と前記開閉物との間の寸法を測定する画像処理部と、
を有することを特徴とする寸法測定装置。
【請求項2】
少なくとも片面に配置された複数のターゲットマークを表にして車両のボディー側に取り付けるボディー側ターゲットボードと、
両面に配置された複数のターゲットマークが表裏から見えるように前記車両のドア側に取り付けるドア側ターゲットボードと、
前記車両のボディー側のシール面およびドア側のシール面にレーザ光を照射するレーザ光照射部と、
前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマーク、前記ボディー側ターゲットボードのターゲットマークおよび前記ボディー側のシール面に照射したレーザ光、前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークおよび前記ドア側のシール面に照射したレーザ光を撮影するステレオカメラと、
撮影したレーザ光から前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状を認識し、撮影した前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いて前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状を前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークに一致させるように移動させ、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する画像処理部と、
を有することを特徴とするシール面間寸法測定装置。
【請求項3】
さらに、前記画像処理部は、
前記撮影した前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いて前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状を前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークに一致させるように移動させた後に、前記レーザ光照射部が前記車両のボディー側とドア側のシール面にレーザ光を照射したときの、それぞれのレーザ光の照射平面間のずれまたは前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状の輪郭線とそれぞれのレーザ光の照射平面との距離が閾値の範囲を超えているときには、警報を発することを特徴とする請求項2に記載のシール面間寸法測定装置。
【請求項4】
前記それぞれのレーザ光の照射平面間のずれは、ボディー側とドア側のシール面にレーザ光を照射したときのレーザ光の照射平面間の交差角度、またはレーザ光の照射平面間の距離であることを特徴とする請求項3に記載のシール面間寸法測定装置。
【請求項5】
前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードの少なくともいずれか一方のターゲットマークには、他のターゲットマークとは種類の異なる位置調整用のターゲットマークを含むことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のシール面間寸法測定装置。
【請求項6】
前記ステレオカメラと前記レーザ照射部とを同一の筐体に取り付け、前記ステレオカメラは前記筐体の同一面に間隔をおいて配置した2つの受光素子で構成し、前記レーザ光照射部は前記2つの受光素子の間に配置したことを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のシール面間寸法測定装置。
【請求項7】
少なくとも片面に配置された複数のターゲットマークを有するボディー側ターゲットボードを前記複数のターゲットマークを表にして車両のボディー側に取り付ける第1段階と、
両面に配置された複数のターゲットマークを有するドア側ターゲットボードをドアの表側およびドアの裏側から前記複数のターゲットマークが見えるように前記車両のドア側に取り付ける第2段階と、
前記ドアが閉じている状態で、前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードの表側のターゲットマークをステレオカメラで撮影する第3段階と、
前記ドアを開けている状態で、レーザ光照射部から前記車両のボディー側またはドア側のシール面にレーザ光を照射し、前記ステレオカメラで前記ボディー側ターゲットボードのターゲットマークと前記ボディー側のシール面に照射したレーザ光、前記ドア側ターゲットボードの裏側のターゲットマークと前記ドア側のシール面に照射したレーザ光を撮影する第4段階と、
前記ステレオカメラで撮影したレーザ光から前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状を認識する第5段階と、
前記ステレオカメラで撮影した前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークを用いて前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状を前記ボディー側および前記ドア側ターゲットボードのターゲットマークに一致させるように移動させる第6段階と、
移動させた前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状の輪郭線から、ボディー側のシール面とドア側のシール面との間のシール面間寸法を測定する第7段階と、
を含むことを特徴とするシール面間寸法測定方法。
【請求項8】
さらに、第6段階の後に、前記レーザ光照射部が前記車両のボディー側とドア側のシール面にレーザ光を照射したときの、それぞれのレーザ光の照射平面間のずれまたは前記ボディー側および前記ドア側のシール面の断面形状の輪郭線とそれぞれのレーザ光の照射平面との距離が閾値の範囲を超えているときには、警報を発する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載のシール面間寸法測定方法。
【請求項9】
前記それぞれのレーザ光の照射平面間のずれは、ボディー側とドア側のシール面にレーザ光を照射したときのレーザ光の照射平面間の交差角度、またはレーザ光の照射平面間の距離であることを特徴とする請求項8に記載のシール面間寸法測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−50363(P2013−50363A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187998(P2011−187998)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(301021658)株式会社三次元メディア (15)
【Fターム(参考)】