説明

小粒球体を挿入したミッドソール

【課題】 靴を履いて歩行する時、踵から爪先までの重心移動の加重に沿って小粒球体が圧迫され一部の小粒球体が加重のかかっていない箇所に移動する。従って、舗装した道でも土の道、砂場を歩く感触が足裏全体に伝わる小粒球体を挿入したミッドソールを提供する。
【解決手段】 伸縮性に優れた合成繊維生地で、靴底形状に合わせた袋を作り、当該袋の中に硬質で直径1mm〜5mmの小粒球体をその袋の容量の40%〜70%挿入し、小粒球体が外部に漏れないように密閉した袋をアウトソールの内面部に接着したことを特徴とする小粒球体を挿入したミッドソール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は靴を履いて歩行する時、踵から爪先までの重心移動の加重に沿って小粒球体が圧迫され一部の小粒球体が加重のかかっていない箇所に移動する。従って、舗装した道でも土の道、砂場を歩く感触が足裏全体に伝わる小粒球体を挿入したミッドソールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のミッドソールは、走行安定性及びクッション性の確保を考えたもの、アウトソールの端部の剥がれを防止するもの、着地後の複数の方向へ横振れ抑制を考えたもの、靴の軽量化及びねじれ防止フイット性を考えたもの、一部チューブを入れクッション作用を考えたものが知られている。
【特許文献1】 特開2000−106905号
【特許文献2】 特開2001−275711号
【特許文献3】 特開2004−267516号
【特許文献4】 特開2006−136715号
【特許文献5】 特開2007−136155号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来及び先行技術では、次のような問題点があった。
歩行することで重心移動の加重に沿って、ミッドソール内部の物体が移動するようにできていなかった。従って、ミッドソールの上面部が変則的な動きをしなかった。
また、従来のミッドソールは足裏の形状に合わせた履きやすく、歩きやすい形状に作っているため、足の指で砂、小石等をつかみ踏ん張って歩く感触が得られなかった。
特に、歩き始めた幼児の身体のバランスを養うために、不安定な土、砂場の感触を体験することが大事であるが、その体験を得ることができなかった。そして、足裏及び爪先で転ばぬように身体のバランスを取ることがあまりなかった。
踵から爪先までの重心移動がなめらかであるため、足裏のマッサージ効果に欠けていた。
それは舗装した道では土の道、砂場を歩く感触が足裏に伝わってこなかったからである。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
伸縮性に優れた合成繊維生地で、靴底形状に合わせた袋を作り、当該袋の中に硬質で直径1mm〜5mmの小粒球体をその袋の容量の40%〜70%挿入し、小粒球体が外部に漏れないように密閉した袋をアウトソールの内面部に接着した。また、踵部以外の部分をゴムで成型したミッドソールの一部分をアウトソールの内面の該当する箇所に接着し、靴底踵部形状に合わせた袋に小粒球体を挿入し、アウトソール踵部に接着した。また、土踏まず部分をゴムで成型したミッドソールの一部分をアウトソールの内面の該当する箇所に接着し、靴底踵部形状、爪先部形状に合わせた各々の袋に小粒球体を挿入し、アウトソールの内面の該当する各々の箇所に接着した。以上を特徴とする小粒球体を挿入したミッドソールである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、ミッドソールの形状をした袋の中に硬質の小粒球体を無数挿入することで、靴底内部に砂場の状態を作り、歩行することで小粒球体を加重しても、各々の小粒球体は点で接しているため、摩擦は小さく、その圧力は他方向に分散し、小粒球体は容易に移動ができるので、砂場を歩く感触が足裏全体に伝わる。
例えば、先ず踵部が着地した時に踵で圧をかけるが、ある程度の小粒球体が爪先部方向に移動することによって、踵に受ける衝撃を軽減させ、足裏全体で圧をかけると圧のかかりが少ないミッドソールの縁の箇所及び土踏まずの窪みの箇所、足指の隙間等に移動し、そして、爪先部で圧をかけると踵部の方向に移動し、その時爪先部に残っている小粒球体を足の指でつかみ踏ん張って歩く感触が得られ、歩行することで作用が繰り返され、土の道、砂場を歩く感触が得られ、歩行を続ければ脚、腰の筋肉が鍛えられ、歩く度に小粒球体が移動し、舗装した道でも土の道、砂場を歩く感触が足裏全体に伝わって、マッサージ効果があり、足裏の血流もよく足のむくみ予防にも役立ち、足のつぼを刺激するため身体によい効力が得られ、歩くために必要な筋肉が鍛えられ高齢者の歩行障害の予防にも役立ち、そして、歩き始めた幼児が転ばぬように足裏及び爪先で踏ん張ることができ、歩くための筋肉、バランス感覚を養うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一部切開した斜視図
【図2】本発明をアウトソールに接着した斜視図
【図3】本発明の実施例1を示す断面図
【図4】本発明の実施例2を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図1、図2に示すように本発明の第一の実施の形態について説明する。
(イ)薄くて丈夫で縦横及び斜め方向に伸縮性が優れた合成繊維生地で靴底形状の袋( 1)を作る。
袋(1)の素材はアクリル39%、ポリエステル33%、レーヨン20%、ポリ ウレタン8%の生地が最適である。もしくは、薄くて丈夫で伸縮性に優れた生地 であれば、その効果が発揮できる。
(ロ)袋(1)に無数の硬質の小粒球体(2)を挿入し、小粒球体(2)が外部に漏れ ないように密閉する。
小粒球体(2)は硬質なプラスチックが最適である。もしくは、セラミックもそ の効果が発揮できる。
小粒球体(2)の直径は1mm〜5mmが最適である。あるいは、1mm満たな いもの、5mmをこえ7mm以下であればその効果が発揮できる。
粉状だと移動せず、7mmをこえると粒が大きくなり足裏に違和感を生じる。
小粒球体(2)の量は袋(1)の容量の40%〜70%が最適である。もしくは 、30%〜40%未満、70%をこえ80%以下であれば効果が発揮できる。
30%未満であれば砂場を歩く感触が得られず、80%をこえると靴の中が窮 屈感を生じる。
袋(1)の中には、同一の大きさの小粒球体(2)を挿入することが最適である 。
大きさが異なれば加重した時、摩擦が大きくなりスムーズに小粒球体(2)が 移動しなくなる。
(ハ)袋(1)に小粒球体(2)を挿入したミッドソール(3)をアウトソール(4) の内面部に接着する。
接着剤で接着する方法が最適である。
ミッドソール(3)の上部に入れ込むインソールは薄くて丈夫で柔軟性あるもの として、EVA発泡体、合成ゴム、ポリウレタン布貼りが最適である。
後は、靴に必要なパーツを取り付けて靴に仕上げる。
本発明は以上の構成からなるもので、これを使用する時は普段通りに履く。
【実施例1】
【0008】
また、図3に示すように、本発明の第二の実施の形態について説明する。
(イ)踵部以外の部分をゴムで成型したミッドソール(3)の一部分をアウトソール( 4)の内面の該当部分に接着する。
ゴムは弾性がある合成ゴムが最適である。そして、合成ゴムの成型の形状は図3 に示すように、踵部付近はなだらかな傾斜の形状が最適である。
(ロ)靴底の踵部形状に合わせて小粒球体(2)を挿入した袋(1)をアウトソール( 4)の内面の該当部分に接着する。
後は、靴に必要なパーツを取り付けて靴に仕上げる。
【実施例2】
【0009】
また、図4に示すように、本発明の第三の実施の形態について説明する。
(イ)土踏まず部分をゴムで成型したミッドソール(3)の一部分をアウトソール(4 )の内面の該当部分に接着する。
ゴムは弾性がある合成ゴムが最適である。そして、合成ゴムの成型の形状は図4 に示すように、なだらかな丘状が最適である。
(ロ)踵、爪先の各部分の形状に合わせて小粒球体(2)を挿入した袋(1)をアウト ソール(4)の内面の各々の該当部分に接着する。
後は、靴に必要なパーツを取り付けて靴に仕上げる。
【符号の説明】
【0010】
1 袋
2 小粒球体
3 ミッドソール
4 アウトソール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性に優れた合成繊維生地で、靴底形状に合わせた袋を作り、当該袋の中に硬質で直径1mm〜5mmの小粒球体をその袋の容量の40%〜70%挿入し、小粒球体が外部に漏れないように密閉した袋をアウトソールの内面部に接着したことを特徴とする小粒球体を挿入したミッドソール。
【請求項2】
踵部以外の部分をゴムで成型したミッドソールの一部分をアウトソールの内面の該当する箇所に接着し、靴底踵部形状に合わせた袋に小粒球体を挿入し、アウトソール踵部に接着した請求項1に記載された小粒球体を挿入したミッドソール。
【請求項3】
土踏まず部分をゴムで成型したミッドソールの一部分をアウトソールの内面の該当する箇所に接着し、靴底踵部形状、爪先部形状に合わせた各々の袋に小粒球体を挿入し、アウトソールの内面の該当する各々の箇所に接着した請求項1に記載された小粒球体を挿入したミッドソール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−161178(P2011−161178A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40974(P2010−40974)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510053341)株式会社クロダ (2)
【出願人】(000206440)
【Fターム(参考)】